以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
以下、図1〜図11を参照して、本発明の第1実施形態による表面実装機100の構造について説明する。なお、表面実装機100は、本発明の「部品実装装置」の一例である。
図1に示すように、第1実施形態による表面実装機100は、プリント基板1に部品を実装する装置である。図1に示すように、表面実装機100は、X方向に延びる基板搬送コンベア2と、基板搬送コンベア2の上方をXY方向に移動可能な第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4とを備えている。これらの基板搬送コンベア2と第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4とは、それぞれ基台5上に配置されている。矢印Y1方向側に配置された第1ヘッドユニット3と矢印Y2方向側に配置された第2ヘッドユニット4とは、互いに向かい合うようにして、それぞれ基台5上において基板搬送コンベア2の上方に配置されている。また、基板搬送コンベア2の両側には、部品を供給するための複数のテープフィーダ6がX方向に配列されて部品供給部が形成されている。第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4は、テープフィーダ6の部品取出部6aから部品を取得するとともに、基板搬送コンベア2上のプリント基板1に部品を実装する機能を有する。また、基台5上には、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4の後述する実装ヘッド部90に交換可能に装着された吸着ノズル91を交換するためのノズル交換装置7と、ノズル清掃装置8と、不良部品を廃棄する部品廃棄箱9aおよび9bとが配置されている。なお、部品は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの小型の電子部品である。なお、プリント基板1は、本発明の「基板」の一例である。また、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4は、それぞれ、本発明の「ヘッドユニット」の一例である。以下、表面実装機100の具体的な構造を説明する。
基板搬送コンベア2は、図示しない搬送路から搬入されるプリント基板1をX方向に搬送し、所定の実装作業位置にプリント基板1を配置するとともに、実装作業が終了したプリント基板1を搬出する機能を有する。なお、第1実施形態では、図示しない搬送路によって基板搬送コンベア2の矢印X1方向側(上流側)からプリント基板1が搬入され、実装作業後、矢印X2方向側(下流側)の図示しない搬送路に搬出される。基板搬送コンベア2は、入口搬送装置10と、基板搬送装置20と、基板搬送装置30との3つの搬送装置から構成されており、入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30は、矢印X1方向側(上流側)から矢印X2方向へこの順に配列されている。なお、基板搬送装置20は、本発明の「基板搬送装置」の一例である。
入口搬送装置10は、Y方向に対向する一対のコンベア部11および12を有し、基板搬送装置20は、Y方向に対向する一対のコンベア部21および22を有し、基板搬送装置30は、Y方向に対向する一対のコンベア部31および32を有する。基板搬送コンベア2は、これらのコンベア部(11、12、21、22、31、および、32)によってプリント基板1を支持しながらX方向に搬送するように構成されている。第1実施形態では、入口搬送装置10と、基板搬送装置20と、基板搬送装置30とは、各一対のコンベア部(11および12、21および22、31および32)のY方向の間隔(コンベア間隔D)を変更することにより、Y方向の幅の異なるプリント基板1を搬送することが可能なように構成されている。また、基板搬送装置20は、一対のコンベア部21および22が、それぞれY方向に独立して移動可能に構成されている。また、基板搬送装置30は、矢印Y2方向側のコンベア部32が基台5に固定的に設置されている一方、矢印Y1方向側のコンベア部31がY方向に移動可能に設けられている。これにより、基板搬送装置20と基板搬送装置30とは、入口搬送装置10から搬入される幅W1を有する大型のプリント基板1aを実装作業位置P1に搬送して実装作業を行うことが可能に構成されている。また、基板搬送装置20は、図5および図6に示すように、幅W2を有する小型のプリント基板1bを実装作業位置P2に移動して、実装作業位置P3でプリント基板1bを保持する基板搬送装置30とともに、2枚のプリント基板1bの実装作業を並行して行うことが可能なように構成されている。なお、コンベア部21およびコンベア部22は、それぞれ、本発明の「第2コンベア部」および「第1コンベア部」の一例である。また、プリント基板1aおよびプリント基板1bは、それぞれ、本発明の「基板」の一例である。
図1に示すように、入口搬送装置10は、Y方向に対向する一対のコンベア部11および12と、コンベア部11および12の間隔(コンベア間隔)を調整するための一対のボールネジ軸13aおよび13b(図8参照)と、1つのスプライン軸14とを有している。図8に示すように、矢印Y1方向側のコンベア部11の上面には、プリント基板1を搬送するための搬送ベルト111と、X方向に延びるガイドレール112とが設けられている。搬送ベルト111は、ガイドレール112に沿うように設けられ、複数のプーリを介して、スプライン軸14にY方向に移動可能に嵌まり込むプーリ113に巻き掛けられている。同様に、矢印Y2方向側のコンベア部12の上面には、搬送ベルト(図示せず)と、X方向に延びるガイドレール122とが設けられている。コンベア部12の搬送ベルトも、搬送ベルト111と同様に、スプライン軸14と一体的に回転するように設けられたプーリ(図示せず)に巻き掛けられている。このスプライン軸14が図示しない搬送モータによって回転されることによって、コンベア部11の搬送ベルト111およびコンベア部12の搬送ベルトを送り、プリント基板1を搬送するように構成されている。また、ガイドレール112および122は、コンベア部11の搬送ベルト111およびコンベア部12の搬送ベルトによって搬送されるプリント基板1をX方向に搬送されるようにガイドしている。
また、図1に示すように、矢印Y2方向側のコンベア部12は、矢印Y2方向側のテープフィーダ6の近傍において基台5に固定的に設置され、矢印Y1方向側のコンベア部11は、Y方向に移動可能に設けられている。具体的には、矢印Y2方向側のコンベア部12は、Y方向に延びる一対のボールネジ軸13aおよび13bを軸受(図示せず)を介して回転可能に支持するとともに、矢印Y1方向側のコンベア部11には、図8に示すように、ボールネジ軸13aおよび13bとそれぞれ螺合するボールナット114が固定的に設けられている。一方、ボールネジ軸13aおよび13bの矢印Y2方向側の端部には、図7に示すように、それぞれプーリ15aおよび15bが連結されるとともに、互いにベルト15cが巻き掛けられている。これらのボールネジ軸13aおよび13bをベルト15cによって同期して回転させることにより、矢印Y1方向側のコンベア部11がボールナット114を介してY方向に移動するように構成されている。これにより、搬送されるプリント基板1の大きさ(Y方向の幅W1またはW2)に応じて、矢印Y1方向側のコンベア部11を移動させてコンベア間隔D(コンベア部11および12の間隔)を調整することが出来るように構成されている。なお、コンベア間隔Dの調整のためのボールネジ軸13aおよび13bの駆動は、基板搬送装置30に設けられた後述する駆動モータ34の駆動力が伝達されることにより行われる。
基板搬送装置20は、図1に示すように、矢印Y1方向側のコンベア部21および矢印Y2方向側のコンベア部22と、各コンベア部21および22のY方向への移動のための一対のボールネジ軸23aおよび23bと、各コンベア部21および22にそれぞれ設けられた搬送ベルト211および221(図2参照)を送るための1つのスプライン軸24とを有している。また、基板搬送装置20は、コンベア部21およびコンベア部22の両方をY方向に移動させるための駆動モータ25と、コンベア部21を付加的にY方向に移動させるための回転モータ26と、スプライン軸24を回転駆動することにより搬送ベルト211、221上に搭載されるプリント基板1をX方向に搬送するための搬送モータ27とを有している。なお、ボールネジ軸23aおよび23bは、それぞれ、本発明の「ネジ軸」の一例である。また、駆動モータ25および回転モータ26は、それぞれ、本発明の「第1駆動部」および「第2駆動部」の一例である。
図4に示すように、矢印Y1方向側のコンベア部21は、フレーム213から構成されている。このフレーム213は、X方向に延びるガイドレール212が設けられた梁部213aと、梁部213aの両端を支持する一対の柱部213bおよび213cと、柱部213bおよび213cにそれぞれ接続され、下端にスライダ214が設けられた一対の脚部213dおよび213eとを有する。コンベア部21は、スライダ214を介して、基台5上にY方向に延びるように設けられた一対のレール5a、5aに沿って移動可能に支持されている。
また、コンベア部21のフレーム213の矢印X1方向側の柱部213cには、スプライン軸24と回転方向に係止するとともにY方向に移動可能に嵌まるプーリ215がブラケット215aを介して取り付けられている。図8に示すように、複数のプーリを介して梁部213aの上端に沿って張り渡された搬送ベルト211がこのプーリ215に巻き掛けられていて、搬送モータ27によるスプライン軸24の回転によって搬送ベルト211が送られるように構成されている。
図8に示すように、コンベア部21には、フレーム213の脚部213dおよび213eに、それぞれボールネジ軸23aおよび23bと螺合するボールナット216、216が回転可能に設けられている。具体的には、図9に示すように、ボールナット216は、脚部213e(213d)に取り付けられたベアリング216bによって、ベアリングホルダ216aを介して回転可能に支持されている。このボールナット216のベアリングホルダ216aは、ボールナット216と、プーリ216cとに連結されていて、これらのボールナット216、ベアリングホルダ216aおよびプーリ216cが一体的に回転するように構成されている。図4に示すように、ベアリングホルダ216aに連結されたプーリ216cには、回転モータ26(サーボモータ)の出力軸に設けられたプーリ261と噛み合うベルト262が巻き掛けられていて、サーボモータが外力に対してその位置(回転角度位置)を保持することによってボールナット216(ベアリングホルダ216a、プーリ216c)を固定された状態に保持することが可能なように構成されている。この結果、ボールナット216が固定されている状態で駆動モータ25によりボールネジ軸23aおよび23bがボールナット216に対して回転することにより、コンベア部21がY方向に移動するように構成されている。また、回転モータ26により、ボールネジ軸23aおよび23bに対してボールナット216が回転されることによっても、コンベア部21がY方向に移動するように構成されている。すなわち、駆動モータ25および回転モータ26の両方を回転する場合、駆動モータ25および回転モータ26のそれぞれの回転方向の組み合わせ、および、駆動モータ25および回転モータ26のそれぞれの回転速度の制御により、コンベア部21とコンベア部22とを互いに独立にY方向に移動させることができる。さらに、コンベア部21の矢印Y1方向あるいは矢印Y2方向の移動速度を、コンベア部22の同方向の移動速度より大きく(コンベア部22の速度に同方向の速度を付加することになるので、例えば倍速度に)したり、逆に小さくする(コンベア部22の速度に逆方向の速度を付加することになるので、例えば停止も可能)ことができる。なお、ボールナット216は、本発明の「第2ナット」の一例である。また、プーリ216cは、本発明の「第1プーリ」の一例である。
図7に示すように、コンベア部22は、フレーム223から構成されている。このフレーム223は、X方向に延びるガイドレール222が設けられた梁部223aと、梁部223aの両端を支持する一対の柱部223bおよび223cと、柱部223bおよび223cにそれぞれ固定され、下端にスライダ224(図9参照)が設けられた一対の脚部223dおよび223eとを有する。図9に示すように、コンベア部22は、スライダ224を介して、基台5上にY方向に延びるように設けられた一対のレール5aに沿って移動可能に支持されている。
図7に示すように、コンベア部22のフレーム223の矢印X1方向側の柱部223cには、スプライン軸24(図2参照)とY方向に移動可能に嵌まるプーリ225(図2参照)がブラケット225aを介して取り付けられている。図2に示すように、複数のプーリを介して梁部223aの上端に沿って張り渡された搬送ベルト221が、このプーリ225に巻き掛けられていて、搬送モータ27によるスプライン軸24の回転によって搬送ベルト221が送られるように構成されている。
また、図9に示すように、矢印Y2方向側のコンベア部22のフレーム223の脚部223dおよび223eには、ボールネジ軸23aおよび23bと螺合するボールナット226が固定的に設けられている。矢印Y2方向側のコンベア部22は、一対のボールネジ軸23aおよび23bの回転によって、ボールナット226を介してY方向に移動するように構成されている。なお、ボールナット226は、本発明の「第1ナット」の一例である。
一対のボールネジ軸23aおよび23bは、Y方向に延びるように設けられ、搬送方向(X方向)に所定の間隔を隔てて配置されている。ボールネジ軸23bは、矢印Y1方向側の端部を支持部材231bにより軸受233bを介して回転可能に支持され、矢印Y2方向側の端部近傍を支持部材232bにより軸受234bを介して回転可能に支持されている。同様に、ボールネジ軸23aは、矢印Y1方向側の端部を支持部材231aにより軸受233aを介して回転可能に支持され、矢印Y2方向側の端部近傍を支持部材232aにより軸受234aを介して回転可能に支持されている。また、図7に示すように、一対のボールネジ軸23aおよび23bの矢印Y2方向側の端部には、それぞれプーリ235aおよび235bが連結されている。プーリ235aおよび235bには、駆動モータ25の出力軸に連結されたプーリ252と噛み合うベルト253が巻き掛けられている。これにより、駆動モータ25の駆動力がベルト253を介して一対のボールネジ軸23aおよび23bに伝達され、一対のボールネジ軸23aおよび23bが同期して回転されるように構成されている。
図2に示すように、スプライン軸24は、矢印Y1方向側の端部近傍を支持部材241により軸受242を介して回転可能に支持されるとともに、矢印Y2方向側の端部を支持部材243により軸受244を介して回転可能に支持されている。また、スプライン軸24の矢印Y1方向側の端部には、プーリ245が連結されている。また、支持部材241には、スプライン軸24を回転させるための搬送モータ27が取り付けられている。搬送モータ27の出力軸に取り付けられたプーリ271と、スプライン軸24のプーリ245とには、搬送モータ27の駆動力を伝達するベルト272が巻き掛けられている。この搬送モータ27によりスプライン軸24を回転させることによって、コンベア部21のプーリ215およびコンベア部22のプーリ225を回転させ、両方の搬送ベルト211および221が同期して送られるように構成されている。これにより、基板搬送装置20に搭載されたプリント基板1がX方向に搬送されるように構成されている。このとき、梁部213aおよび223aに設けられたガイドレール212および222によってプリント基板1がガイドされるように構成されている。
図2に示すように、回転モータ26は、コンベア部21のフレーム213の矢印X1方向側の脚部213e(図4参照)にブラケット263(図4参照)を介して取り付けられている。図4に示すように、この回転モータ26の出力軸にプーリ261が連結されている。回転モータ26はエンコーダ26a(図11参照)を有するサーボモータであり、後述する制御装置101によって駆動制御されるように構成されている。矢印Y1方向側のコンベア部21は、この回転モータ26によってボールナット216(ベアリングホルダ216a、プーリ216c)を回転または停止させることが可能である。ボールネジ軸23aおよび23bが停止した状態で回転モータ26によりボールナット216を回転させることにより、矢印Y1方向側のコンベア部21のみが独立してY方向に移動するように構成されている。なお、プーリ261は、本発明の「第2プーリ」の一例である。
一対のボールネジ軸23aおよび23bを回転駆動させる駆動モータ25は、基台5にブラケット251(図4参照)を介して取り付けられるとともに、出力軸にプーリ252が取り付けられている。駆動モータ25はエンコーダ25a(図11参照)を有するサーボモータであり、後述する制御装置101によって駆動制御されるように構成されている。
また、図5に示すように、基板搬送装置20は、搬送されるプリント基板1bを停止または通過させるストッパ28と、ストッパ28の近傍に設けられ、所定位置に配置されたプリント基板1を検出する基板検出センサ28aとを有している。これにより、基板搬送装置20は、コンベア部21および22上の所定位置にプリント基板1を配置することが可能となるように構成されている。また、各コンベア部21および22には、ガイドレール212および222の上面に、各コンベア部21および22が互いに向かい合う方向に突出する複数の係止部材212aおよび222aが設けられている。そして、図8に示すように、ガイドレール212および222の下側には、クランプ機構29(ガイドレール212側のクランプ機構29のみ図示)がそれぞれ設けられている。クランプ機構29は、支軸29bを中心に回動可能な一対の三角形状の支持板29aと、支持板29aに支持されたクランプ板29cと、両支持板29aを連結する連結部材29dとからなるリンク機構である。クランプ機構29は、図示しないエアシリンダによって支持板29aを支軸29bを中心に反時計方向に回動させてクランプ板29cを上昇させ、所定位置に配置されたプリント基板1を下方から押し上げて係止部材212a(222a)に押し付けるように構成されている。これにより、基板搬送装置20は、プリント基板1のY方向の両辺を、各コンベア部21および22に設けられた係止部材212aおよび222とクランプ機構29とによって挟み込むようにして保持する機能を有する。なお、図8ではプリント基板1をクランプ(保持)していない状態を示している。
このように、基板搬送装置20は、回転モータ26を停止した状態で駆動モータ25によりボールネジ軸23a(23b)を回転させることによって、コンベア部21および22を、間隔を保ったままY方向に同期させて移動させることが可能である。これにより、基板搬送装置20は、図10に示す搬送位置P4で入口搬送装置10から小型のプリント基板1bを搬入し、プリント基板1bをコンベア部21および22により保持したままY方向に移動して実装作業位置P2に配置することが可能である。なお、搬送位置P4は、プリント基板1b(コンベア部21および22)が矢印Y2方向側のテープフィーダ6に最も近づく位置であり、実装作業位置P2は、矢印Y1方向側のテープフィーダ6にプリント基板1b(コンベア部21および22)が最も近づく位置である。また、基板搬送装置20は、駆動モータ25を回転した状態あるいは停止させた状態において、回転モータ26によりコンベア部21のナット216を回転させることによって、コンベア部21をコンベア部22に対してY方向に移動させることが可能である。すなわち、プリント基板1を保持しない状態では、搭載されるプリント基板1の大きさ(Y方向の幅)に合わせて、コンベア部21と22との間隔(コンベア間隔)を調整することが可能である。これにより、コンベア間隔Dを、図1に示す大型のプリント基板1aの幅W1と、図5に示す小型のプリント基板1bの幅W2とのいずれにも一致させるように調整することが可能である。
基板搬送装置30は、図3に示すように、Y方向に対向する一対のコンベア部31および32と、コンベア部31および32の間隔(コンベア間隔D)を調整するための一対のボールネジ軸33aおよび33b(図1参照)と、ボールネジ軸33a(33b)および入口搬送装置10のボールネジ軸13a(13b)を回転駆動させる駆動モータ34と、各コンベア部31および32に設けられた搬送ベルト311および321を送るための1つのスプライン軸35および搬送モータ36とを有している。
図8に示すように、矢印Y1方向側のコンベア部31は、フレーム313から構成されている。このフレーム313は、X方向に延びるガイドレール312が設けられた梁部313aと、所定の間隔を空けて梁部313aを支持する一対の柱部313bおよび313cと、柱部313bおよび313cにそれぞれ固定され、下端にスライダ314が設けられた一対の脚部313dおよび313eとを有する。コンベア部31は、脚部313dおよび313eの下端にそれぞれ取り付けられたスライダ314を介して、基台5上にY方向に延びるように設けられた一対のレール5b、5bに沿って移動可能に支持されるように構成されている。コンベア部31のフレーム313には、スプライン軸35と回転方向に係止するとともにY方向に移動可能に嵌まるプーリ315が、ブラケット315aを介して取り付けられている。このプーリ315には、複数のプーリを介して梁部313aの上端に沿って張り渡された搬送ベルト311が巻き掛けられていて、スプライン軸35の回転によって搬送ベルト311が送られるように構成されている。
また、矢印Y1方向側のコンベア部31の脚部313dおよび313eには、一対のボールネジ軸33aおよび33bとそれぞれ螺合するボールナット326が固定的に設けられている。これらのボールネジ軸33aおよび33bを同期して回転させることにより、矢印Y1方向側のコンベア部31がボールナット326を介してY方向に移動するように構成されている。これにより、基板搬送装置30は、搬送されるプリント基板1の大きさ(Y方向の幅)に応じて矢印Y1方向側のコンベア部31を移動させることによって、コンベア部31および32のコンベア間隔D(図1参照)を調整することができるように構成されている。
図7に示すように、矢印Y2方向側のコンベア部32は、フレーム323から構成されている。このフレーム323は、X方向に延びるガイドレール322が設けられた梁部323aと、所定の間隔を空けて梁部323aを支持する一対の支持部323bおよび323cとを有する。コンベア部32の一対の支持部323bおよび323cは、基台5に固定的に設けられている。一対の支持部323bおよび323cは、それぞれ一対のボールネジ軸33aおよび33bを軸受(図示せず)を介して回転可能に支持(図3参照)しているとともに、スプライン軸35(図3参照)を回転させるための搬送モータ36(図3参照)をブラケット361を介して支持している。また、梁部323aには、ブラケット351を介してスプライン軸35(図3参照)が回転可能に支持されている。図3に示すように、スプライン軸35にはプーリ325が一体的に回転するように設けられている。このプーリ325には、複数のプーリを介して梁部323aの上端に沿って張り渡された搬送ベルト321が巻き掛けられていて、スプライン軸35の回転によって搬送ベルト321が送られるように構成されている。
各コンベア部31および32は、それぞれの搬送ベルト311および321上にプリント基板1を載せた状態でスプライン軸35の回転に基づき搬送ベルト311および321を同期させて送ることにより、プリント基板1をX方向に搬送するように構成されている。このとき、梁部313aおよび313bに設けられたガイドレール312および322によってプリント基板1がガイドされるように構成されている。
図3に示すように、一対のボールネジ軸33aおよび33bは、それぞれ矢印Y1方向側の端部を基台5に設けられた支持部材331aおよび331bにより軸受(図示せず)を介して回転可能に支持されている。図7に示すように、一対のボールネジ軸33aおよび33bの矢印Y2方向側の端部には、それぞれプーリ333aおよび333bが設けられている。これらのプーリ333aおよび333bには、ボールネジ軸33aおよび33bを回転駆動するための駆動モータ34の出力軸に連結されたプーリ341と噛み合うベルト342が巻き掛けられている。
駆動モータ34は、基台5に取り付けられたブラケット343により支持されている。また、矢印X1方向側のボールネジ軸33bのプーリ333bと、入口搬送装置10の矢印X2方向側のボールネジ軸13aのプーリ15aとの間には、さらにもう1つのベルト37が巻き掛けられ、さらに上述したように、プーリ15aとプーリ15bとの間には、ベルト15cが巻き掛けられている。これにより、基板搬送装置30の一対のボールネジ軸33aおよび33bと、入口搬送装置10の一対のボールネジ軸13aおよび13bとが、共通の駆動モータ34によって同期して回転されるように構成されている。この結果、ボールネジ軸33a(33b)の回転によって移動する基板搬送装置30のコンベア部31のY方向の位置と、ボールネジ軸13a(13b)の回転によって移動する入口搬送装置10のコンベア部11のY方向の位置とは、常に一致するように構成されている。なお、基板搬送装置30の固定側のコンベア部32と入口搬送装置10の固定側のコンベア部12とのY方向の位置も一致するように配置されている。したがって、入口搬送装置10のコンベア間隔Dと、基板搬送装置30のコンベア間隔Dとは、常に一致するように構成されている。
また、図1に示すように、基板搬送装置30は、搬送されるプリント基板1を停止または通過させる2つのストッパ381および382と、ストッパ381および382の近傍にそれぞれ設けられ、所定位置に配置されたプリント基板1を検出する基板検出センサ383および384とを有している。矢印X1方向側のストッパ381は、大型のプリント基板1a(図1参照)を搭載する場合に用いられる。この際、基板搬送装置20と基板搬送装置30との両方によってプリント基板1aが保持される。また、矢印X2方向側のストッパ382は、小型のプリント基板1b(図5参照)を搭載する場合に用いられる。これにより、基板搬送装置30は、コンベア部31および32上の所定位置にプリント基板1(1aまたは1b)を配置することが可能となるように構成されている。また、各コンベア部31および32には、ガイドレール312および322の上面に、互いに向かい合う方向に突出する複数の係止部材312aおよび322aが設けられるとともに、ガイドレール312および322の下側に、クランプ機構39(図8参照)が設けられている。これにより、基板搬送装置30は、プリント基板1のY方向の両辺を、各コンベア部31(32)に設けられた係止部材312a(322a)とクランプ機構39とによって挟み込むようにして保持する機能を有する。なお、クランプ機構39の構成は、基板搬送装置20の各コンベア部21(22)に設けられたクランプ機構29と同様である。
このように、基板搬送コンベア2は、実装を行うプリント基板1(1a、1b)の大きさに応じて、基板搬送装置20および基板搬送装置30の両方を用いて大型のプリント基板1aを保持することができるとともに、基板搬送装置20および基板搬送装置30の各々に小型のプリント基板1bを保持させることができる。小型のプリント基板1bが基板搬送装置20および基板搬送装置30の各々に搭載された状態では、基板搬送装置20のコンベア部21および22を矢印Y1方向に移動させることによって、実装対象のプリント基板1bを矢印Y1方向側のテープフィーダ6に近づけた実装作業位置P2に保持するとともに、基板搬送装置30では、プリント基板1bを実装作業位置P3に保持することが可能である。
また、図8に示すように、基板搬送装置20の一対のボールネジ軸23aおよび23bの間の位置には、基板支持装置40aが配置されている。基板搬送装置30の一対のボールネジ軸33aおよび33bの間の位置には、基板支持装置40bが配置されている。
基板支持装置40a(40b)は、支持板41a(41b)と、支持板41a(41b)の下側にボルトを介して連結された板部材42a(42b)と、板部材42a(42b)に連結され上下方向(Z方向)に延びるように配置された複数のボールネジ軸43a(43b)および44a(44b)と、ボールネジ軸43a(43b)および44a(44b)と螺合するボールナット(図示せず)に連結されたプーリ45a(45b)および46a(46b)と、プーリ45a(45b)および46a(46b)に巻き掛けられたベルト47a(47b)と、図示しない昇降用モータとを含んでいる。ボールネジ軸43a(43b)および44a(44b)は螺合するボールナットにより昇降可能に支持されるとともに、ボールナット(プーリ45a(45b)および46a(46b))は、基台5に固定設置された基部48a(48b)に回転可能に取り付けられている。これにより、基板支持装置40a(40b)は、ベルト47a(47b)を介して昇降用モータによりナットを回転させることによって、ボールネジ軸43a(43b)および44a(44b)を同期させて昇降させ、ボールネジ軸43a(43b)および44a(44b)に連結された支持板41a(41b)を、XY方向所定の位置で昇降させるように構成されている。
第1実施形態では、支持板41aは、基板搬送装置20の一対のボールネジ軸23aおよび23bの上方(矢印Z1方向)に配置されるとともに、図5に示すように、平面的に見て、一対のボールネジ軸23aおよび23bの互いに対向する側とは反対側の外縁部(ボールネジ軸23aのX2方向側の外縁部およびボールネジ軸23bのX1方向側の外縁部)同士の間隔(Db)よりも大きい幅W3を有する。そして、支持板41aは、平面的に見て、一対のボールネジ軸23aおよび23bの互いに対向する側とは反対側の外縁部の両外側(ボールネジ軸23aのX2方向側およびボールネジ軸23bのX1方向側)まで、一対のボールネジ軸23aおよび23bの両方を覆うように形成されている。
また、図8に示すように、支持板41a(41b)の表面上には、磁石が内蔵され取り外し可能な固定具60にクランク状の支持具61を介して取り付けられたバックアップピン62が、上方(矢印Z1方向)に向けて配置されている(図8のみ表示)。バックアップピン62は、実装作業開始前に、予め支持板41a(41b)上の、実装対象のプリント基板1の大きさに応じた位置に複数配置される。実装作業時には、基板搬送装置20(基板搬送装置30)にクランプされ実装作業位置に配置されたプリント基板1にバックアップピン62が当接するまで支持板41a(41b)を上昇させるように構成されている。このため、部品搭載時に第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4の吸着ノズル91により加えられる押圧力に対して、バックアップピン62により下側からプリント基板1を支持するように構成されている。したがって、実装対象のプリント基板1が、たとえば大型のプリント基板1aから小型のプリント基板1bに変更される場合などには、プリント基板1aの実装作業終了後、プリント基板1bの搬入前に、準備作業としてバックアップピン62の配置換えを行う必要がある。このバックアップピン62の配置換え作業は、基板搬送装置20のコンベア間隔Dを実装予定のプリント基板1bの幅W2に一致させる(図5参照)とともに、基板支持装置40aに対しては、プリント基板1bの実装作業位置P2にコンベア部21および22を移動させた状態で行われる。第1実施形態では、駆動モータ25によりコンベア部21および22の両方をY方向に移動させながら、回転モータ26によりコンベア部21の移動速度とコンベア部22の移動速度とを異ならせることによりコンベア間隔Dをプリント基板1bの幅W2に一致させるように調整することが可能である。これにより、実装作業位置P2への移動と、コンベア間隔Dをプリント基板1bの幅W2に一致させる間隔調整とを同時に行うことが可能なように構成されている。
図1に示すように、矢印Y1方向側の第1ヘッドユニット3と、矢印Y2方向側の第2ヘッドユニット4とは、それぞれ同一構成を有し、互いに対向するように配置されている。また、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4は、それぞれX方向に延びるヘッドユニット支持部71aおよび71bに沿ってX方向に移動可能に構成されている。具体的には、図1に示すように、ヘッドユニット支持部71aは、X方向に延びるボールネジ軸72aと、ボールネジ軸72aを回転させるサーボモータ73aと、X方向のガイドレール(図示せず)とを有している。また、第1ヘッドユニット3は、ボールネジ軸72aが螺合されるボールナット3aを有している。同様に、ヘッドユニット支持部71bは、X方向に延びるボールネジ軸72bとボールネジ軸72bを回転させるサーボモータ73bと、X方向のガイドレール(図示せず)とを有している。また、第2ヘッドユニット4は、ボールネジ軸72bが螺合されるボールナット4aを有している。第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4は、それぞれ、サーボモータ73aおよび73bによりボールネジ軸72aおよび72bが回転されることにより、ヘッドユニット支持部71aおよび71bに対してX方向に移動するように構成されている。
また、これらのヘッドユニット支持部71aおよび71bは、基台5上に基板搬送コンベア2を跨ぐように設けられたY方向に延びるそれぞれフレーム部材である一対の固定レール部80に沿って、それぞれY方向に移動可能に構成されている。具体的には、一対の固定レール部80は、それぞれ、ヘッドユニット支持部71aおよび71bの両端部をY方向に移動可能に支持するガイドレール81と、固定レール部80の内部にY方向に沿って配列された複数の永久磁石からなる固定子(図示せず)とを有している。また、ヘッドユニット支持部71aおよび71bのそれぞれの両端には、界磁コイルからなる可動子(図示せず)が固定子の近傍に配置されるように設けられている。つまり、各ヘッドユニット支持部71aおよび71bに設けられた可動子(界磁コイル)と、一対の固定レール部80に設けられた共通の固定子(永久磁石)とにより、リニアモータが構成されている。ヘッドユニット支持部71aおよび71bは、可動子(界磁コイル)に供給される電流を制御することによって、ガイドレール81に沿ってY方向に移動するように構成されている。このような構成により、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4は、それぞれ基台5上方をXY方向に移動することが可能なように構成されている。
また、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4には、それぞれ、X方向に列状に配置された10本の実装ヘッド部90が設けられている。各実装ヘッド部90には、先端(下端)に部品吸着および搭載を行うための吸着ノズル91(図2参照)が、下方に突出するようにして交換可能に取り付けられている。また、実装ヘッド部90には、それぞれ、吸着ノズル91の先端に負圧状態を発生させる負圧発生器(図示せず)と、吸着ノズル91を上下方向(Z方向)に移動させるサーボモータなどの昇降装置(図示せず)とが設けられている。各実装ヘッド部90の吸着ノズル91は、先端に負圧状態を発生させることによって、テープフィーダ6から供給される部品を先端に吸着および保持することが可能である。10本の実装ヘッド部90は、それぞれ個別に負圧状態の発生、解除および正圧状態の発生を切り替えることが可能に構成されている。
また、各々の実装ヘッド部90の吸着ノズル91は、昇降装置(図示せず)により第1ヘッドユニット3(第2ヘッドユニット4)に対して上下方向(Z方向)に移動させることによって、吸着ノズル91が上昇位置に位置した状態で部品の搬送などを行うとともに、吸着ノズル91が下降位置に位置した状態で部品のテープフィーダ6からの吸着およびプリント基板1への実装を行うように構成されている(図3参照)。また、実装ヘッド部90は、XY方向ノズル交換装置7の上方位置において、吸着ノズル91を下降位置に移動させた状態でノズル交換装置7と協働し、吸着ノズル91を実装ヘッド部90から取り外すとともに、ノズル交換装置7に保持された別の吸着ノズル91を取り付けることによって、吸着ノズル91を交換することが可能なように構成されている。また、実装ヘッド部90は、サーボモータなどのノズル回転装置(図示せず)により、吸着ノズル91自体をその軸を中心として回転可能に構成されている。これにより、表面実装機100では、部品を搬送する途中に吸着ノズル91を回転させることにより、ノズルの先端に保持された部品の姿勢(水平面内の向き)を調整することが可能である。
また、図1に示すように、第1ヘッドユニット3の矢印X2方向側の側部および第2ヘッドユニット4の矢印X1方向側の側部には、それぞれ、吸着ノズル91に吸着された部品の姿勢を撮像するためのラインセンサを使用した部品撮像装置92が取り付けられている。この部品撮像装置92は、第1ヘッドユニット3(第2ヘッドユニット4)に対してX方向(10本の実装ヘッド部90が並んでいる方向)に移動可能に取り付けられている。具体的には、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4には、それぞれX方向に延びるボールネジ軸92aと、ボールネジ軸92aを回転させるサーボモータ92bとが設けられている。また、部品撮像装置92には、ボールネジ軸92aに螺合するボールナット92cが設けられている。サーボモータ92bによりボールネジ軸92aが駆動されることにより、部品撮像装置92がボールナット92cを介して、第1ヘッドユニット3(第2ヘッドユニット4)に対してX方向に移動するように構成されている。また、部品撮像装置92は、吸着ノズル91の下面と対向するように、撮像方向を上方(矢印Z1方向)に向けて取り付けられている。これにより、部品撮像装置92は、第1ヘッドユニット3(第2ヘッドユニット4)にX方向に並んで配置された10本の吸着ノズル91に保持された部品の下面を下方向から順次撮像することが可能になる。この部品撮像装置92により撮像された部品の撮像画像に基づいて、吸着ノズル91に保持された部品の部品認識(吸着ノズル91に対する吸着部品の位置ずれ、方向ずれの検知)を行うことが可能なように構成されている。
また、第1ヘッドユニット3の矢印X1方向側の側部および第2ヘッドユニット4の矢印X2方向側の側部には、それぞれ、基板撮像装置93が取り付けられている。基板撮像装置93は、CCDエリアカメラで構成されており、撮像方向を第1ヘッドユニット3(第2ヘッドユニット4)から下方(矢印Z2方向)に向けて取り付けられている。この基板撮像装置93は、部品搭載時に、プリント基板1の表面に設けられた基板マーク(図示せず)を撮像することにより部品の装着位置の基準点を取得するように構成されている。そして、この基板マークの撮像画像に基づいて、部品の装着位置および装着方向が演算され認識されるように構成されている。
図1に示すように、大型のプリント基板1aの部品実装時には、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4が後述する制御装置101に制御されて、実装作業位置P1に配置された1つのプリント基板1aへの部品実装を行う。また、図5に示すように、小型のプリント基板1bの部品実装時には、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4がそれぞれ実装作業位置P2およびP3に配置されたプリント基板1bに対して部品の搭載を行うことが可能である。ここで、基板搬送装置20に保持されたプリント基板1bは、矢印Y1方向に移動されることによって第1ヘッドユニット3側(矢印Y1方向側)のテープフィーダ6の近傍の実装作業位置P2に配置される。部品実装時には、図5に示すように、第1ヘッドユニット3は、テープフィーダ6の部品取出部6aとプリント基板1bの上方とを往復移動するため、基板搬送装置20がプリント基板1bを矢印Y1方向側のテープフィーダ6に近づけることによって、実装作業に要する時間を短縮化することが可能である。基板搬送装置30に保持されたプリント基板1bは、第2ヘッドユニット4側(矢印Y2方向側)のテープフィーダ6の近傍の実装作業位置P3に配置される。
表面実装機100の動作は、図11に示す制御装置101によって制御されている。制御装置101は、主制御部102、駆動制御部103、画像処理部104、バルブ制御部105および記憶部106を含んでいる。また、制御装置101は、液晶表示装置などの表示ユニット107と、キーボードなどの入力ユニット108とを備えている。なお、主制御部102は、本発明の「制御部」の一例である。
主制御部102は、論理演算を実行するCPUなどから構成されている。主制御部102は、記憶部106のROMに記憶されているプログラムに従って、駆動制御部103を介して第1ヘッドユニット3、第2ヘッドユニット4、基板搬送コンベア2の入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30などの動作を制御するとともに、画像処理部104を介して第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4の部品撮像装置92と基板撮像装置93とをそれぞれ制御するように構成されている。また、主制御部101は、バルブ制御部105を介して、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4にそれぞれ設けられた負圧発生器を制御することにより、吸着ノズル91による部品の吸着動作を制御するように構成されている。また、主制御部102は、記憶部106に記憶された基板データ106aを読み出し、実装対象のプリント基板1(1a、1b)の大きさ(幅W1、W2)や基板マーク位置を取得するように構成されている。そして、主制御部102は、取得したプリント基板1(1a、1b)の大きさに基づいて、入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30のコンベア間隔Dを調整させ、さらにストッパ28、381、382、クランプ機構29、39、および基板支持装置40a、40bの各昇降モータ等の作動制御を行うように構成されている。このようにして、実装時には、主制御部102は、記憶部106に記憶された実装プログラムにしたがってプリント基板1上の所定の搭載位置に部品が順次装着されるように、これらの駆動制御部103、画像処理部104、バルブ制御部105および記憶部106などを制御するように構成されている。なお、図示していないが、主制御部102は、このほか、駆動制御部103およびバルブ制御部105などの各部を制御することにより、ノズル交換装置7およびノズル清掃装置8などの動作を制御するように構成されている。
駆動制御部103は、主制御部102から出力される制御信号に基づいて、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4の各部のモータ(X方向に移動するためのサーボモータ73aおよび73b(X軸モータ)、Y方向に移動するための界磁コイル(Y軸モータ)、10本の実装ヘッド部90の吸着ノズル91をそれぞれ上下方向に移動させるための昇降装置のサーボモータ(Z軸モータ)、10本の吸着ノズル91をそれぞれR軸方向(各吸着ノズルの中心軸回りの回転方向)に回転移動させるためのノズル回転装置のサーボモータ(R軸モータ))の駆動を制御するように構成されている。また、駆動制御部103は、主制御部102から出力される制御信号に基づいて、基板搬送コンベア2の各部のモータ(入口搬送装置10および基板搬送装置30の駆動モータ34、基板搬送装置20の駆動モータ25、基板搬送装置20の回転モータ26、および、入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30のそれぞれの搬送モータ(27および36)などの駆動を制御するように構成されている。なお、これらのサーボモータのエンコーダ(25a、26a、34a)からの信号は、駆動制御部103を介して主制御部102に入力される。
画像処理部104は、主制御部102から出力される制御信号に基づいて、部品撮像装置92および基板撮像装置93から所定のタイミングで撮像信号の読み出しを行うとともに、読み出した撮像信号に所定の画像処理を行うことにより、部品や基板マークを認識するのに適した画像データを生成するように構成されている。これらの画像データは主制御部102に出力され、部品の画像データに基づいて各吸着ノズル91に吸着された部品の吸着良否判定(実装位置補正や実装方向補正を行えば、正しい装着ができる吸着状態であるか否か)や、吸着ノズル91による部品の吸着位置ずれおよび吸着方向ずれの算出と実装位置および実装方向の補正とが行われるように構成されている。また、主制御部102により、基板マークの画像データに基づいて基準点および基板方向が取得され、この基準点および基板方向に基づいて各部品の基板位置に基く実装位置および実装方向の補正値が算出されるように構成されている。
記憶部106は、CPUを制御するプログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)および装置の動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)などから構成されている。また、記憶部106には、実装対象となるプリント基板1(1a、1b)の寸法、基準マーク位置などの基板データ106aや、実装対象となる部品に関わる各種データ、実装位置および実装方向データなど、所定の実装済みプリント基板1(1a、1b)の製造を行うための実装プログラム(図示せず))が記憶されている。実装時には、これらのデータが主制御部102により読み出されるとともに、読み出されたデータに基づいて実装作業が行われるように構成されている。
テープフィーダ6は、複数の部品を所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き回されたリール(図示せず)を保持している。このテープフィーダ6は、リールを回転させることにより部品を保持するテープを送り出すことによって、テープフィーダ6の先端の部品取出部6a(図1参照)から部品を供給するように構成されている。図2に示すように、各テープフィーダ6は、基台5に設けられた装着部5cに固定されるとともに、装着部5cに設けられた図示しないコネクタを介して制御装置101に電気的に接続されるように構成されている。これにより、装着部5cにセットされた複数のテープフィーダ6の各々は、制御装置101からの制御信号に基づいて、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4によるプリント基板1への部品実装動作と、リールからテープを送り出す部品供給動作とを同期させるように構成されている。
図1に示すように、ノズル交換装置7は、基板搬送装置30の矢印Y1方向側に配置され、基台5に設けられた支持部材7a(図3参照)によって支持されている。ノズル交換装置7には、複数のノズル格納部7bが設けられ、複数種類の吸着ノズル91を保持している。制御装置101は、第1ヘッドユニット3または第2ヘッドユニット4をノズル交換装置7の上方に位置させるとともに、実装ヘッド部90に装着された吸着ノズル91を下降させる。この状態でノズル交換装置7は、吸着ノズル91が格納されていないノズル格納部7bに吸着ノズル91を格納することが可能なように構成されている。また、制御装置101は、実装ヘッド部90の先端に吸着ノズル91が装着されていない状態で、吸着ノズル91が格納されたノズル格納部7bに実装ヘッド部90の先端部を下降させる。この状態でノズル交換装置7は、実装ヘッド部90の先端部に別の吸着ノズル91を装着することが可能なように構成されている。
ノズル清掃装置8は、ノズル交換装置7と基板搬送装置30との間の位置に配置されている。ノズル清掃装置8は、第1ヘッドユニット3(第2ヘッドユニット4)の各実装ヘッド部90に装着された吸着ノズル91に対応するように、複数の孔部8aが設けられている。この孔部8aに吸着ノズル91が配置された状態で、ノズル清掃装置8は、負圧発生器により吸着ノズル91に正圧を供給することによって、吸着ノズル91に接続する空気経路(図示せず)および吸着ノズル91内の異物が排出され、この異物を収納保持するように構成されている。
これらのノズル交換装置7およびノズル清掃装置8は、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4の双方の移動範囲内に配置されており、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4で共用されるように構成されている。
部品廃棄箱9aは、ノズル交換装置7と矢印Y1方向側のテープフィーダ6との間に配置されている。また、部品廃棄箱9bは、基板搬送装置30の矢印Y2方向側に配置されている。これらの部品廃棄箱9aおよび9bは、部品撮像装置92により撮像された部品の撮像画像に基づいて部品の吸着良否判定が行われた結果、主制御部102により吸着不良と判定された部品が吸着ノズル91から廃棄されるように構成されている。
次に、図5、図6、図10、図12および図13を参照して、本発明の第1実施形態による表面実装機100のプリント基板1の搬送動作および実装動作について詳細に説明する。なお、以下では、小型のプリント基板1bを搬送し、個々のプリント基板1bについて第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4の両方を用いて部品搭載を行う例について説明する。つまり、1つのプリント基板1bについて、第1ヘッドユニット3が前半の部品搭載を行うとともに、第2ヘッドユニット4が後半の部品搭載を行う。
図12に示すように、基板検出センサ28a,383,384の全てにおいてプリント基板1(1b)が検出されない状態のタイミングT1において、主制御部102により、搬入されるプリント基板1bのY方向側の幅に一致するように、入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30のコンベア間隔Dの調整が行われる。具体的には、主制御部102により記憶部106から読み出された基板データ106aに基づき、搬送されるプリント基板1bのY方向側の幅W2が取得される。このプリント基板1bのY方向側の幅W2に基づいて、駆動モータ34が駆動されてボールネジ軸13a、13b、33aおよび33bが回転されることにより、入口搬送装置10および基板搬送装置30の矢印Y1方向側のコンベア部11および31が同期して移動する。また、回転モータ26が駆動されて基板搬送装置20の矢印Y1方向側のコンベア部21のボールナット216が回転されることにより、コンベア部21が移動する。これにより、入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30のコンベア間隔Dが全てプリント基板1bの幅W2に一致する。すなわち、各コンベア部11、21および31がY方向に全て同じ位置(X方向に直線状に並ぶ位置)となり、各コンベア部12、22および32がYに方向全て同じ位置(X方向に直線状に並ぶ位置)となって幅W2のプリント基板1bをX方向に搬送可能となる。
タイミングT2において、主制御部102により、1枚目のプリント基板1bが基板搬送装置20に搬入される。具体的には、入口搬送装置10の図示しない搬送モータが駆動され、コンベア部11の搬送ベルト111およびコンベア部12の搬送ベルトが送られるとともに、基板搬送装置20の搬送モータ27が駆動され、搬送ベルト211および221が送られることにより、プリント基板1bが基板搬送装置20上の所定位置まで矢印X2方向に搬送(搬入)される。搬入されたプリント基板1bは、基板搬送装置20のストッパ28によって所定位置で停止されるとともに、プリント基板1bが所定位置に到達したことが、基板検出センサ28aによって検出(基板有)される。なお、基板搬送コンベア2によるプリント基板1bの搬入が行われている間(タイミングT2〜T4)に、実装プログラムに基づいて、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4の各実装ヘッド部90の吸着ノズル91がノズル交換装置7を用いて必要な吸着ノズル91に交換される。ノズル交換が終了すると、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4はプリント基板1bがそれぞれの実装作業位置P2およびP3に配置されるまで待機する。
タイミングT3において、基板搬送装置20上の所定位置に配置されたプリント基板1bが、基板搬送装置20に保持される。主制御部102により、基板搬送装置20のクランプ機構29が駆動され、プリント基板1bが係止部材212a(222a)とクランプ機構29とによって挟み込むようにして保持される。また、入口搬送装置10の搬送ベルト(111など)が送られ、2枚目のプリント基板1bが入口搬送装置10に搬入される。
タイミングT4において、主制御部102により、基板搬送装置20の両コンベア部21および22が同期して矢印Y1方向に移動され、プリント基板1bを矢印Y1方向側の第1ヘッドユニット3による実装作業位置P2(図5参照)に移動させる。具体的には、基板搬送装置20の駆動モータ25が駆動され、ボールネジ軸23a(23b)が回転されることによって、コンベア部21および22の両方がプリント基板1bを保持したまま矢印Y1方向に移動される。これにより、矢印Y1方向側のコンベア部21(プリント基板1b)が矢印Y1方向側のテープフィーダ6に最も近づく実装作業位置P2に配置される。
タイミングT5において、主制御部102により、実装作業位置P2に配置されたプリント基板1bの第1ヘッドユニット3による部品実装作業が実施される。部品実装作業に先立って、基板支持装置40aの図示しない昇降用モータが駆動され、支持板41aが上昇されることにより、バックアップピン62がプリント基板1bの下面を支持する。また、第1ヘッドユニット3がプリント基板1bの上方に移動して、プリント基板1bの図示しない基板マークを、基板撮像装置93により撮像する。これにより、部品の装着位置の基準点を取得する。
さらに、第1ヘッドユニット3が所定のテープフィーダ6の部品取出部6aの上方に移動されて、実装対象の部品がテープフィーダ6から取り出される。具体的には、部品取出部6aの上方から吸着ノズル91を下降させるとともに、所定のタイミングで吸着ノズル91の先端に負圧が供給される。これにより、テープフィーダ6上の部品が吸着ノズル91により吸着および保持される。また、この後テープフィーダ6は、次の部品が部品取出部6aに配置されるまで、テープ送りを実施する。部品の吸着後、部品を保持した吸着ノズル91が上昇し、第1ヘッドユニット3はプリント基板1bの上方の、基板マークを基準とした部品装着位置に移動を開始する。この時、第1ヘッドユニット3を移動させながら、部品撮像装置92をX方向に移動させることにより、吸着ノズル91に保持された部品の撮像が行われる。撮像された部品の画像データに基づいて、主制御部102により部品認識が行われ、各吸着ノズル91に吸着された部品の吸着良否判定が行われるとともに、吸着位置ずれ量(XY方向ずれ量、およびR方向ずれ量)が取得されて部品装着位置の補正が行われる。これにより、第1ヘッドユニット3が補正された部品装着位置に移動を開始するとともに、吸着ノズル91がノズル回転装置により回転して、部品の装着角度の補正が行われる。そして、第1ヘッドユニット3がプリント基板1bの補正後の装着位置に移動された後、吸着ノズル91が下降されて部品がプリント基板1bに装着される。
一方、吸着不良と判定された場合には、第1ヘッドユニット3が部品廃棄箱9aの上方に移動して、吸着ノズル91から部品が廃棄される。タイミングT5では、以上の処理が繰り返し行われることにより、実装作業位置P2において部品のプリント基板1bへの実装作業が行われる。
タイミングT5で第1ヘッドユニット3による部品実装作業が終了すると、タイミングT6では、主制御部102により、基板搬送装置20の両コンベア部21および22が同期して移動され、プリント基板1bを矢印Y2方向側の搬送位置P4(図10参照)に移動させる。具体的には、基板搬送装置20の駆動モータ25がタイミングT4とは逆方向に駆動され、ボールネジ軸23a(23b)が回転されることによって、コンベア部21および22の両方がプリント基板1bを保持したまま矢印Y2方向に移動される。これにより、矢印Y2方向側のコンベア部22(プリント基板1b)が矢印Y2方向側のテープフィーダ6に最も近づく搬送位置P4に配置される。このとき、基板搬送装置20の両コンベア部21および22が搬送位置P4に配置されることにより、基板搬送装置20から基板搬送装置30へのプリント基板1bの搬送が可能になるとともに、入口搬送装置10から基板搬送装置20への2枚目のプリント基板1bの搬送(搬入)が可能となる。
タイミングT7において、基板搬送装置20上の搬送位置に配置されたプリント基板1bのクランプが解除される。具体的には、主制御部102により、基板搬送装置20のクランプ機構29がタイミングT3とは逆方向に駆動され、プリント基板1bが係止部材212a(222a)およびクランプ機構29から解放されて、コンベア部21の搬送ベルト211およびコンベア部22の搬送ベルト221によって支持される。
タイミングT8において、1枚目のプリント基板1bが基板搬送装置20から基板搬送装置30に搬送される。具体的には、基板搬送装置20の搬送モータ27が駆動され、搬送ベルト211および221が送られるとともに、基板搬送装置30の搬送モータ36が駆動され、搬送ベルト311および321が送られることにより、プリント基板1bが基板搬送装置30上の実装作業位置P3に向かって矢印X2方向に搬送される。また、基板搬送装置20からプリント基板1bが搬出されることにより、搬送モータ27の駆動が停止されるとともに、基板検出センサ28aの出力が「基板無」に変わる。
タイミングT9において、基板搬送装置30ではプリント基板1bの矢印X2方向への搬送が継続される。タイミングT10では、2枚目のプリント基板1bが基板搬送装置20に搬入される。具体的には、入口搬送装置10の図示しない搬送モータが駆動され、入口搬送装置10上の2枚目のプリント基板1bが矢印X2方向に送られるとともに、基板搬送装置20の搬送モータ27が駆動されることにより、2枚目のプリント基板1bが基板搬送装置20上の所定位置まで矢印X2方向に搬送(搬入)される。図10に示すように、搬入されたプリント基板1bは、基板搬送装置20のストッパ28によって所定位置で停止されるとともに、プリント基板1bが所定位置に到達したことが、基板検出センサ28aによって検出(基板有)される。また、基板搬送装置30上の1枚目のプリント基板1bも、基板搬送装置30のストッパ382によって停止されるとともに、プリント基板1bが実装作業位置P3に到達したことが、基板検出センサ384によって検出(基板有)される。
タイミングT11において、基板搬送装置30上の実装作業位置P3に配置されたプリント基板1bが、基板搬送装置30に保持されるとともに、基板搬送装置20上の所定位置に配置されたプリント基板1bが、基板搬送装置20に保持される。主制御部102により、基板搬送装置30のクランプ機構39が駆動され、1枚目のプリント基板1bが係止部材312a(322a)とクランプ機構39とによって保持されるとともに、基板搬送装置20のクランプ機構29が駆動され、2枚目のプリント基板1bが係止部材212a(222a)とクランプ機構29とによって保持される。
タイミングT12において、実装作業位置P3に配置された1枚目のプリント基板1bの第2ヘッドユニット4による部品実装作業(後半)が実施される。部品実装作業に先立って、基板支持装置40bの図示しない昇降用モータが駆動され、支持板41bが上昇されることにより、バックアップピン62がプリント基板1bの下面を支持する。なお、第2ヘッドユニット4による部品実装作業の詳細は、タイミングT5の第1ヘッドユニット3による部品実装作業と同様である。なお、第1ヘッドユニット3による部品実装作業と第2ヘッドユニット4による部品実装作業とを同時並行的に実施することにより、実装効率が向上する。しかし、2枚目のプリント基板1bを実装作業位置P2まで移動させるのに時間が掛かるので、第2ヘッドユニット4による部品実装作業の開始を先行させるとともに、搭載部品点数を多くし、その分第1ヘッドユニット3による搭載部品点数を少なくし部品実装作業時間を短くしている。これにより、1枚目のプリント基板1bおよび2枚目のプリント基板1bの両方が同時に矢印X2方向に搬送可能となるタイミングまでに要する時間を短くできている。すなわち、基板搬送装置20によるプリント基板1bのY方向の移動(タイミングT4およびT6)に要する時間に対応して、第1ヘッドユニット3による搭載部品点数を少なくすることにより、第2ヘッドユニット4側での待機時間を短縮し、実装効率を高めることが可能である。
上述したように、タイミングT12では、第2ヘッドユニット4による1枚目のプリント基板1bの部品搭載と並行して、基板搬送装置20の両コンベア部21および22が同期して移動され、2枚目のプリント基板1bが矢印Y1方向側の第1ヘッドユニット3による実装作業位置P2に移動される。
タイミングT13では、図5および図6に示すように、実装作業位置P2に配置された2枚目のプリント基板1bの第1ヘッドユニット3による部品実装作業が開始される。一方、1枚目のプリント基板1bの第2ヘッドユニット4による部品実装作業(後半)が完了する。
タイミングT14において、基板搬送装置30上の実装作業位置P3に配置されたプリント基板1bのクランプが解除される。主制御部102により、基板搬送装置30のクランプ機構39がタイミングT11とは逆方向に駆動され、プリント基板1bが係止部材312a(322a)およびクランプ機構39から解放されて、コンベア部31の搬送ベルト311およびコンベア部32の搬送ベルト321によって支持される。これにより、基板搬送装置30から1枚目のプリント基板1bを矢印X2方向に搬出することが可能となる。また、第1ヘッドユニット3による2枚目のプリント基板1bの実装作業は継続される。
タイミングT15では、基板搬送装置30の搬送モータ36が駆動され、搬送ベルト311および321が送られることにより、1枚目のプリント基板1bが矢印X2方向に搬送され基板搬送装置30からの搬出が開始される。また、第1ヘッドユニット3による2枚目のプリント基板1bの実装作業(前半)が完了する。
タイミングT16では、基板搬送装置20の両コンベア部21および22が同期して移動され、2枚目のプリント基板1bを矢印Y2方向側の搬送位置P4に移動させる。これにより、基板搬送装置20から基板搬送装置30へのプリント基板1bの搬送が可能になる。また、1枚目のプリント基板1bの基板搬送装置30からの搬出が継続される。
タイミングT17では、基板搬送装置20上の搬送位置に配置された2枚目のプリント基板1bのクランプが解除される。これにより、プリント基板1bが係止部材212a(222a)およびクランプ機構29から解放されて、コンベア部21の搬送ベルト211およびコンベア部22の搬送ベルト221によって支持される。また、1枚目のプリント基板1bの基板搬送装置30からの搬出が完了し、基板検出センサ384の出力が「基板無」に変わる。
タイミングT18では、2枚目のプリント基板1bが基板搬送装置20から基板搬送装置30に搬送される。具体的には、基板搬送装置20の搬送モータ27が駆動されるとともに、基板搬送装置30の搬送モータ36が駆動され、プリント基板1bが基板搬送装置30上の実装作業位置P3に向かって矢印X2方向に搬送される。また、基板搬送装置20からプリント基板1bが搬出されることにより、搬送モータ27の駆動が停止されるとともに、基板検出センサ28aの出力が「基板無」に変わる。
これ以降、タイミングT9〜T18が繰り返されることにより、プリント基板1bの搬入と、第1ヘッドユニット3による実装作業(前半)と、第2ヘッドユニット4による実装作業(後半)と、プリント基板1bの搬出とが繰り返される。
その後、図13に示すように、最終のプリント基板1bの第1ヘッドユニット3による実装作業が完了すると、タイミングT19において、最終のプリント基板1bが基板搬送装置20から基板搬送装置30に搬送される。具体的には、基板搬送装置20の搬送モータ27が駆動され、プリント基板1bが基板搬送装置30上の実装作業位置P3に向かって矢印X2方向に搬送される。また、基板搬送装置20からプリント基板1bが搬出されることにより、搬送モータ27の駆動が停止されるとともに、基板検出センサ28aの出力が「基板無」に変わる。
最終のプリント基板1bが基板搬送装置20から基板搬送装置30へと搬送されると、タイミングT20において、主制御部102により記憶部106から読み出された基板データ106aに基づき、次の実装対象となるプリント基板1のY方向側の幅が取得される。また、回転モータ26が駆動されて、基板搬送装置20の矢印Y1方向側のコンベア部21のボールナット216が回転されることにより、コンベア部21が移動する。これにより、基板搬送装置20のコンベア間隔Dが次の実装対象となるプリント基板1の幅に一致するように調整される。
その後、最終のプリント基板1bの第2ヘッドユニット4による実装作業が完了すると、タイミングT21において、最終のプリント基板1bが基板搬送装置30から搬出される。具体的には、基板搬送装置30の搬送モータ36が駆動され、最終のプリント基板1bが基板搬送装置30上の実装作業位置P3から矢印X2方向に搬出される。また、基板搬送装置30からプリント基板1bが搬出されると、基板検出センサ384の出力が「基板無」に変わる。
その後、タイミングT22において、駆動モータ34が駆動されてボールネジ軸13a、13b、33aおよび33bが回転されることにより、入口搬送装置10および基板搬送装置30の矢印Y1方向側のコンベア部11および31が同期して移動する。これにより、入口搬送装置10および基板搬送装置30のコンベア間隔Dが、次の実装対象となるプリント基板1のY方向側の幅に一致するように調整される。以上のようにして、表面実装機100のプリント基板1の搬送動作および実装動作が行われる。
上記特許文献1の基板搬送装置においては、所定位置において第1レールおよび第2レールの間隔を所定幅状態とするためには、基準位置まで第1レールおよび第2レールを移動させ、第1レールを固定した後に第1レールに対する第2レールの間隔を調整し、しかる後第1レールおよび第2レールを同期して所定位置まで移動する必要がある。このため基準位置まで一旦移動させるための時間が掛かる。また、第1レールおよび第2レールが基準位置にあり、第1レールが固定された状態にある場合でも、第1レールに対して第2レールの間隔を調整するに際しての加減速時間と、第1レールの固定を解除するための時間と、基準位置から所定位置まで第1レールおよび第2レールを同期して移動する時間とが必要となる。これに対して、第1実施形態では、上記のように、X方向にプリント基板1(1a、1b)を搬送する基板搬送装置20のコンベア部21およびコンベア部22を、平面的に見て、それぞれY方向に独立して移動可能に構成することによって、コンベア部22を基準位置まで移動させて固定しなくても、任意の位置においてコンベア部21とコンベア部22とのコンベア間隔Dを搬送されるプリント基板1(1a、1b)の幅W(W1、W2)に一致させるように調整することができる。これにより、基準位置まで第1レールおよび第2レールを移動させ、第1レールを固定した後に第1レールおよび第2レールの間隔を調整する場合と比較して、基準位置へ移動させる分だけ基板幅の変更時の準備作業に要する時間を短縮することができる。
また、第1レールおよび第2レールが基準位置にあり第1レールおよび第2レールの間隔が所定幅にある状態から、所定位置において第1レールおよび第2レールの間隔を異なる幅状態に変更する場合においても、第1実施形態では、コンベア部21とコンベア部22とをそれぞれY方向に移動させながらコンベア間隔Dを調整することができるので、コンベア間隔Dの調整と所定位置への移動との両方が、コンベア部21およびコンベア部22のうちの移動距離の長い方の基準位置から所定位置までの移動に要する時間のみで済む。これにより、実装対象のプリント基板1の幅が変更される場合の準備作業に要する時間を短縮することができる。特に、プリント基板1bの基板搬送装置20による搬出後、段取り替えのためバックアップピン62の配置替えをする場合、コンベア部21およびコンベア部22は、新たなコンベア間隔Dで支持板41aのY方向位置上方に位置することが求められる。この場合、段取り替えの準備に要する時間を短縮することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、基板搬送装置20に、コンベア部21およびコンベア部22の両方をY方向に移動させる駆動モータ25と、コンベア部21をY方向に移動させる回転モータ26とを設けることによって、駆動モータ25と回転モータ26とによって、容易にコンベア部22とコンベア部21とをそれぞれY方向に独立して移動可能とすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、主制御部102を、入口搬送装置10からプリント基板1を搬入可能な搬送位置P4にコンベア部22を配置した状態で、コンベア部21をY方向に移動させることにより、コンベア部22とコンベア部21とのコンベア間隔Dを調整することが可能なように、駆動モータ25および回転モータ26を制御可能に構成することによって、コンベア間隔Dの調整時に、搬送位置P4にコンベア部22を配置した状態で、コンベア部21を移動させてコンベア間隔Dを調整することによって、コンベア部21およびコンベア部22の移動距離を少なくすることができる。これにより、定位置へ移動させてコンベア間隔を調整した後、搬送路からのプリント基板1の搬入位置までコンベア部21とコンベア部22とを移動させる構成と比べて、不必要な移動を抑制してプリント基板1の幅の変更時の準備作業に要する時間をさらに短縮することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、主制御部102を、基板搬送装置20にプリント基板1が搭載されていない状態で、コンベア部22およびコンベア部21のY方向への移動速度をそれぞれ異ならせることによりコンベア部22とコンベア部21とのコンベア間隔Dを調整するように移動するように、駆動モータ25および回転モータ26を制御可能に構成することによって、プリント基板1の幅の変更時の準備作業のためにコンベア部22およびコンベア部21を実装作業位置P2に移動させる場合などに、コンベア部22およびコンベア部21の移動速度をそれぞれ異ならせることによってコンベア間隔Dを調整しながら実装作業位置P2に移動させることができる。これにより、コンベア部22およびコンベア部21の実装作業位置P2への移動とコンベア間隔Dの調整とを同時に行うことができるので、コンベア間隔の調整と作業位置への移動とを個別に行う場合と比較して、プリント基板1の幅の変更時の準備作業に要する時間をさらに短縮することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、基板搬送装置20のボールナット226を、コンベア部22に固定的に取り付け、ボールナット216を、コンベア部21に回転可能に取り付けるとともに、回転モータ26によりボールネジ軸23a(23b)に対して回転駆動されるように構成することによって、駆動モータ25によってボールネジ軸23a(23b)を回転駆動することによってコンベア部22およびコンベア部21の両方を移動させることができるので、コンベア部22とコンベア部21とを容易に同期させて移動させることができる。また、回転モータ26によってボールナット216を回転駆動することによってコンベア部21のみを移動させることができるので、駆動モータ25と回転モータ26とによる駆動を組み合わせてコンベア部22およびコンベア部21をそれぞれ独立して移動させることができるとともに、駆動モータ25を用いた場合にコンベア部22およびコンベア部21の両方をY方向に移動させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、一対のボールネジ軸23aおよび23bに螺合する一対のボールナット216にプーリ216cをそれぞれ一体的に回転可能に設け、回転モータ26にプーリ261が回転駆動されるように設け、一対のボールナット216のそれぞれに設けられたプーリ216cと、回転モータ26に回転駆動されるプーリ261とをベルト262を介して連結することによって、回転モータ26により一対のボールナット216が同期して回転駆動するように構成することによって、ボールネジ軸23aおよび23bをX方向に一対設けることによって、一対のボールネジ軸23aおよび23bのそれぞれに(一対の)ボールナット216を設けた場合にも、回転モータ26によるボールナット216の回転駆動を、プーリ216c、プーリ261およびベルト262を用いて容易に同期させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、基板支持装置40aの支持板41aを、基板搬送装置20の一対のボールネジ軸23aおよび23bの上方(矢印Z1方向)に配置するとともに、平面的に見て、一対のボールネジ軸23aおよび23bの互いに対向する側とは反対側の外縁部の両外側(ボールネジ軸23aのX2方向側およびボールネジ軸23bのX1方向側)まで一対のボールネジ軸23aおよび23bの両方を覆うように形成することによって、ボールネジ軸23a(23b)の上方に配置された支持板41aにより一対のボールネジ軸23aおよび23bの両方をボールネジ軸23aおよび23bの外縁部の外側まで覆うことによって、回転駆動されるボールネジ軸23a(23b)に上方から異物が付着するのを抑制することができる。また、この支持板41aにより、ボールネジ軸23a(23b)の回転によってグリスなどが上方に飛散するのを抑制することができる。これにより、ボールネジ軸23aおよび23bに異物が付着することに起因する故障等を抑制することができるとともに、ボールネジ軸23aおよび23b回転時に飛散するグリスがプリント基板1等に付着するのも抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、駆動モータ25および回転モータ26をそれぞれ、サーボモータにより構成することによって、サーボモータをそれぞれ駆動モータ25および回転モータ26として用いることにより、コンベア部22とコンベア部21とを独立して移動させる構成を容易に得ることができる。
(第2実施形態)
次に、図14を参照して、本発明の第2実施形態による表面実装機100の基板搬送装置420について説明する。この第2実施形態では、矢印Y1方向側のコンベア部21のボールナット216を回転モータ26(サーボモータ)と、プーリ261、プーリ216cおよびベルト262を用いて回転させることにより、コンベア部21をY方向に移動可能に構成した上記第1実施形態と異なり、ボールネジ軸23b(23a)が貫通する中空モータ426により、ボールナット216を直接回転駆動させるように構成した例について説明する。なお、基板搬送装置420は、本発明の「基板搬送装置」の一例である。また、中空モータ426は、本発明の「第2駆動部」の一例である。
図14に示すように、第2実施形態では、基板搬送装置420の矢印Y1方向側のコンベア部421には、ブラケット426bを介して中空モータ426が設けられている。中空モータ426は、中空筒状のロータ426aを有し、ボールネジ軸23b(23a)がそれぞれ中空モータ426のロータ426aを非接触の状態で貫通するようにして取り付けられている。中空モータ426のロータ426aは、ボールネジ軸23b(23a)と螺合するボールナット216に連結されるとともに、ベアリング216bに回転可能に支持されている。また、中空モータ426には、エンコーダ426cが設けられている。中空モータ426は、ステータに供給される電流を制御することによって、ロータ426aを回転させてボールナット216をボールネジ軸23b(23a)に対して回転させることが可能なように構成されている。なお、コンベア部421は、本発明の「第2コンベア部」の一例である。
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に駆動モータ25により一対のボールネジ軸23aおよび23bを回転させることによって、コンベア部421および22を同期させてY方向に移動させることができるとともに、中空モータ426によりコンベア部421のボールナット216を回転させることによって、コンベア部421のみをY方向に移動させることが可能である。そして、駆動モータ25による駆動と、中空モータ426による駆動とを組み合わせることにより、コンベア部421および22の各々を、Y方向にそれぞれ独立して移動させることが可能である。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、駆動モータ25と中空モータ426とを用いることによって、コンベア部22とコンベア部421とを独立して移動させる構成を容易に得ることができる。また、中空モータ426を用いる場合には、複数のプーリやベルトを用いることなく、中空筒状のロータ426aを直接ボールナット216に連結することができるので、少ない部品点数で、より容易にコンベア部22とコンベア部421とをY方向に移動させることができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図15を参照して、本発明の第3実施形態による表面実装機100の基板搬送装置520について説明する。この第3実施形態では、矢印Y1方向側のコンベア部421のボールナット216を中空モータ426を用いて回転させるとともに、駆動モータ25を用いてボールネジ軸23a(23b)を回転させるように構成した上記第2実施形態と異なり、ボールネジ軸523b(523a)を固定的に設けるとともに、コンベア部421および522の両方を、それぞれ中空モータ426および525によって移動させるように構成した例について説明する。なお、基板搬送装置520は、本発明の「基板搬送装置」の一例である。中空モータ525は、本発明の「第1駆動部」の一例である。また、コンベア部522は、本発明の「第1コンベア部」の一例である。
図15に示すように、第3実施形態では、基板搬送装置520の一対のボールネジ軸523b(523a)は、それぞれY方向に延びるように設けられるとともに、両端を支持部材524により固定的に支持されている。
また、矢印Y2方向側のコンベア部522には、ボールネジ軸523b(523a)にそれぞれ螺合するボールナット526が設けられている。また、コンベア部522には、ブラケット525bを介して中空モータ525が設けられている。中空モータ525は、中空筒状のロータ525aを有し、ボールネジ軸523b(523a)がそれぞれ中空モータ525のロータ525aを非接触の状態で貫通するようにして取り付けられている。中空モータ525のロータ525aは、ボールネジ軸523b(523a)と螺合するボールナット526に連結されるとともに、ベアリング526bに回転可能に支持されている。これにより、ボールネジ軸523b(523a)と螺合するボールナット526は、中空モータ525のロータ525aとともに一体的に回転するように構成されている。また、中空モータ525には、エンコーダ525cが設けられている。中空モータ525は、ステータに供給される電流を制御することによって、ロータ525aを回転させてボールナット526をボールネジ軸523b(523a)に対して回転させることが可能なように構成されている。
第3実施形態では、中空モータ525によりコンベア部522のボールナット526を回転させることによって、コンベア部522のみを独立してY方向に移動させることができる。また、中空モータ426によりコンベア部421のボールナット216を回転させることによって、コンベア部421のみを独立してY方向に移動させることが可能である。なお、矢印Y1方向側のコンベア部421の構成は、上記第2実施形態と同様である。これにより、中空モータ525による駆動と、中空モータ426による駆動とにより、コンベア部522および421の各々を、Y方向にそれぞれ独立して移動させることが可能なように構成されている。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
第3実施形態では、上記のように、中空モータ525と中空モータ426とを用いることによって、コンベア部522とコンベア部421とを完全にY方向に独立して移動させることができる。これにより、基板搬送装置520のコンベア間隔の調整や、コンベア部522およびコンベア部421の移動をより容易に行うことが可能である。また、中空モータ525を用いる場合には、複数のプーリやベルトを用いることなく、中空筒状のロータ525aを直接ボールナット526に連結することができるので、少ない部品点数で、より容易にコンベア部522とコンベア部421とをY方向に移動させることができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
次に、図16を参照して、本発明の第4実施形態による表面実装機100の基板搬送装置620について説明する。この第4実施形態では、各コンベア部522および421を、それぞれボールネジ軸523b(523a)に螺合するボールナット526および216を回転させることによりY方向に移動させるように構成した上記第3実施形態と異なり、ボールネジ軸523b(523a)の代わり磁石を複数充填した中空軸からなる固定子623b(623a)を固定的に設けるとともに、コンベア部621および622の各々に、それぞれ界磁コイルからなる可動子625および626を設けることによって移動させるように構成した例について説明する。なお、基板搬送装置620は、本発明の「基板搬送装置」の一例である。
図16に示すように、第4実施形態では、基板搬送装置620の一対の固定子623b(623a)は、それぞれY方向に延びるように設けられるとともに、両端を支持部材624により固定的に支持されている。この固定子623b(623a)は、それぞれ、中空軸623cの内部に、Y方向に複数配列された磁石623dを有している。これらの複数の磁石623dは、Y方向に沿って、磁極を所定のパターンで異ならせるように配列されている。
また、矢印Y1方向側のコンベア部621には、中空筒状の可動子626が設けられている。この可動子626は、固定子623b(623a)が中心を僅かに隙間を開けて貫通するようにして、コンベア部621に固定的に取り付けられている。可動子626は、ケース626bの内部に界磁コイル626aを有している。これにより、可動子626の界磁コイル626aは、固定子623b(623a)の磁石623dに近接するように配置されるように構成されている。可動子626は、界磁コイル626aに供給される電流を制御することによって固定子623b(623a)に沿って、コンベア部621をY方向に移動させるように構成されている。なお、コンベア部621は、本発明の「第2コンベア部」の一例である。
また、矢印Y2方向側のコンベア部622も同様に、中空筒状の可動子625が設けられている。可動子625の構成は、可動子626と同様である。これにより、可動子625に供給される電流を制御することによって、コンベア部622をY方向に移動させるように構成されている。これらの各コンベア部621および622には、図示しないリニアスケールによって、それぞれの位置制御が行われるように構成されている。なお、コンベア部622は、本発明の「第1コンベア部」の一例である。
第4実施形態では、共通の固定子623b(623a)と、可動子625および626とを用いることにより、コンベア部622および621のそれぞれを独立してY方向に移動させることができるように構成されている。
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
第4実施形態では、上記のように、共通の固定子623b(623a)と、可動子625および626とを用いることにより、コンベア部622および621のそれぞれを独立してY方向に移動させることができる。これにより、基板搬送装置620のコンベア間隔の調整や、コンベア部622およびコンベア部621の移動を容易に行うことが可能である。また、上記のように固定子623b(623a)と可動子625および626とからなるリニアモータを用いて各コンベア部621および622を移動させる場合には、複数のプーリやベルトを用いることなく、各コンベア部621および622を独立して移動させることができるので、少ない部品点数で、より容易にコンベア部622とコンベア部621とをY方向に移動させることができる。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第3実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、基板搬送装置20を矢印X1方向側に配置するとともに、基板搬送装置30を矢印X2方向側に配置した例を示したが、本発明はこれに限らず、基板搬送装置20を矢印X2方向側に配置するとともに、基板搬送装置30を矢印X1方向側に配置してもよい。
また、上記第1実施形態では、プリント基板1をY方向に移動可能に構成した基板搬送装置20とコンベア間隔Dの調整のみが可能な基板搬送装置30とをそれぞれ設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、図17に示す変形例のように、プリント基板1をY方向に移動可能な2つの基板搬送装置20aおよび20bを設けてもよい。なお、基板搬送装置20aおよび20bは、それぞれ、本発明の「基板搬送装置」の一例である。
図17に示す表面実装機100の変形例では、基板搬送コンベア2は、矢印X1方向側から順に搬送方向に沿って並ぶように配列された、入口搬送装置10aと、基板搬送装置20aと、基板搬送装置20bと、出口搬送装置10bとの4つの搬送装置により構成されている。2つの基板搬送装置20aおよび20bは、それぞれプリント基板1(1b)をY方向に移動可能に構成されるとともに、コンベア間隔を変更可能に構成されている。そして、第1ヘッドユニット3および第2ヘッドユニット4によりプリント基板1bに部品を搭載する際には、基板搬送装置20aまたは基板搬送装置20bのうちの一方が矢印Y1方向に移動して、第1ヘッドユニット3による実装作業位置へプリント基板1bを配置するとともに、動搬送装置20aまたは基板搬送装置20bのうちの他方が矢印Y2方向に移動して、第2ヘッドユニット4による実装作業位置へプリント基板1bを配置することが可能なように構成されている。この変形例に示すように、表面実装機100にプリント基板1をY方向に移動可能に構成した2つの基板搬送装置20aおよび20bを設けてもよい。
また、上記第1実施形態では、入口搬送装置10および基板搬送装置30の固定側のコンベア部12および32を、それぞれ矢印Y2方向側のテープフィーダ6の近傍に配置して基板搬送コンベア2を矢印Y2方向に寄せるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、図17に示す変形例のように、入口搬送装置10aと、基板搬送装置20aと、基板搬送装置20bと、出口搬送装置10bとからなる基板搬送コンベア2を、Y方向の中央に配置してもよい。このように構成する場合には、矢印Y1方向側のテープフィーダ6に近傍に実装対象のプリント基板1bを寄せる場合、および、矢印Y2方向側のテープフィーダ6の近傍にプリント基板1bを寄せる場合のいずれの場合にも、基板搬送装置20a(20b)の移動距離を略等しくすることが可能である。ただし、このように構成する場合には、プリント基板をY方向に移動できない基板搬送装置30は適さないので、プリント基板をY方向に移動可能な基板搬送装置を2台用いるのが好ましい。
また、上記第1実施形態では、基板搬送装置20の矢印Y2方向側のコンベア部22には、ボールナット226を固定的に設け、ボールネジ軸23a(23b)によってのみY方向に移動可能に構成し、矢印Y1方向側のコンベア部21には、ボールナット216を回転可能に設け、回転モータ26を用いて独立してY方向に移動できるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、矢印Y1方向側のコンベア部21のボールナットを固定的に設けるとともに、矢印Y2方向側のコンベア部22のボールナットを回転可能に設けて回転モータにより駆動されるように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、図5に示すように、基板支持装置40aの支持板41aを、一対のボールネジ軸23aおよび23bの互いに対向する側とは反対側の外縁部の両外側までボールネジ軸23aおよび23bの両方を覆うように構成した一方、Y方向については、支持板41aがボールネジ軸23aおよび23bの一部のみを覆うように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、平面的に見て、基板支持装置の支持板を、一対のボールネジ軸のX方向側およびY方向側の両方を完全に覆うように構成してもよい。
また、上記実施形態では、制御装置101の主制御部102によって、表面実装機100の各部(基板搬送コンベア2の入口搬送装置10、基板搬送装置20および基板搬送装置30の各々)の制御を行うように構成したが、本発明はこれに限らず、表面実装機に制御装置を設けることなく、ネットワークを介して表面実装機と接続されたホストコンピュータにより表面実装機の各部を制御するように構成してもよい。この場合には、表面実装機には、ホストコンピュータからの制御信号に基づいて各サーボモータなどを制御する駆動制御部を少なくとも設けておけばよい。また、表面実装機の制御装置の記憶部を、ホストコンピュータ側に設けるように構成してもよい。