以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(部品実装システムの構成)
図1を参照して、一実施形態による部品実装システム100の構成について説明する。以下の説明では、単に「上流側」という場合、基板搬送方向の上流側を意味し、単に「下流側」という場合、基板搬送方向の下流側を意味する。また、基板搬送方向に沿う方向をX方向とし、X方向と水平面内で直交する方向をY方向とする。また、X方向およびY方向に直交する上下方向をZ方向とする。
図1に示すように、部品実装システム100は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの部品(電子部品)Eを、プリント基板などの基板Pに実装して、部品Eが実装された基板Pを生産するシステムである。
部品実装システム100は、印刷装置1と、複数(3つ)の部品実装装置2〜4と、リフロー炉5とを備えている。部品実装システム100では、印刷装置1、複数の部品実装装置2〜4およびリフロー炉5とは、上流側(X1方向側)から下流側(X2方向側)に向かって、この順に配置されている。
印刷装置1は、基板Pにはんだなどの接合材をスクリーン印刷する印刷作業を行う装置である。部品実装装置2〜4は、接合材が印刷された基板Pに部品Eを実装する実装作業を行う装置である。リフロー炉5は、基板Pに印刷された接合材を溶融させて固化させることにより、実装された部品Eを基板Pに接合するリフロー作業を行う装置である。部品実装システム100では、基板Pが印刷装置1、複数の部品実装装置2〜4、リフロー炉5の順に搬送されるとともに、それぞれの装置において作業されることにより、部品Eが実装され接合された基板Pが生産される。
(部品実装装置の構成)
次に、図1および図2を参照して、部品実装装置2〜4の構成について説明する。なお、部品実装装置2〜4は、実質的に同様の構成を有しているため、以下では、部品実装装置2について説明する。
図1および図2に示すように、部品実装装置2は、基台10と、複数(2つ)の搬送レーン20aおよび20bと、複数(2つ)のヘッドユニット30aおよび30bと、複数(2つ)の移動機構部40aおよび40b(図2参照)と、複数(2つ)の部品撮像部50aおよび50bと、複数(2つ)の基板撮像部60aおよび60bと、制御部70(図2参照)とを備えている。なお、搬送レーン20aおよび20bは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1搬送レーン」および「第2搬送レーン」の一例である。
基台10は、部品実装装置2において各構成要素を配置する基礎となる台である。基台10上には、搬送レーン20a、搬送レーン20b、部品撮像部50aおよび部品撮像部50bが設けられている。また、基台10内には、制御部70が設けられている。また、基台10には、Y方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に、部品供給部11aおよび11bがそれぞれ配置されている。
部品供給部11aおよび11bは、基板Pに実装される部品Eを供給する装置である。部品供給部11aおよび11bは、それぞれ、複数のテープフィーダ12を含んでいる。テープフィーダ12は、複数の部品Eを保持した部品供給テープ(図示せず)が巻き回されたリール(図示せず)を保持している。
部品供給部11aは、搬送レーン20aに対してY1方向側に設けられており、ヘッドユニット30aに部品Eを供給するように構成されている。部品供給部11bは、搬送レーン20bに対してY2方向側に設けられており、ヘッドユニット30bに部品Eを供給するように構成されている。
搬送レーン20aは、基板Paを搬送するための搬送路であり、一対の搬送ベルトを含む搬送部21aにより構成される搬送路である。搬送レーン20bは、基板Paとは異なる基板Pbを搬送するための搬送路であり、一対の搬送ベルトを含む搬送部21bにより構成される搬送路である。基板Paおよび基板Pbは、たとえば、両面が実装されていない両面実装基板および片面のみが実装されたこの両面実装基板である。なお、基板Paおよび基板Pbは、たとえば、互いに異なる種類の片面実装基板同士であってもよい。また、搬送レーン20aおよび20bは、互いに独立して設けられており、互いに平行になるように、Y方向に並んで配置されている。
搬送部21a(21b)は、実装前の基板Pa(Pb)を搬送レーン20a(20b)上に搬入し、基板搬送方向(X2方向)に搬送レーン20a(20b)上で搬送し、実装後の基板Pa(Pb)を搬送レーン20a(20b)から搬出するように構成されている。また、搬送部21a(21b)は、搬入された基板Pa(Pb)を搬送レーン20a(20b)上の基板固定位置Aa(Ab)まで搬送するとともに、基板固定位置Aa(Ab)において基板固定機構(図示せず)により固定するように構成されている。
ヘッドユニット30aおよび30bは、部品実装用のヘッドユニットである。ヘッドユニット30aは、部品供給部11aから供給される部品Eを取得するとともに、搬送レーン20a上の基板Paまたは搬送レーン20b上の基板Pbのいずれかに、取得された部品Eを実装するように構成されている。ヘッドユニット30bは、部品供給部11bから供給される部品Eを取得するとともに、搬送レーン20a上の基板Paまたは搬送レーン20b上の基板Pbのいずれかに、取得された部品Eを実装するように構成されている。ヘッドユニット30aおよび30bは、互いに独立して移動可能に構成されている。
ヘッドユニット30a(30b)は、複数(5つ)のヘッド(実装ヘッド)31a(31b)と、ヘッド31a(31b)を上下方向に移動させるためのZ軸モータ32a(32b)と、ヘッド31a(31b)の先端に装着されたノズル(図示せず)を上下方向(Z方向)に沿って延びる回転軸線周りに回転させるためのR軸モータ33a(33b)とを含んでいる。複数のヘッド31a(31b)の各々は、真空発生装置(図示せず)に接続されており、真空発生装置から供給される負圧によって、先端に装着されたノズルに部品Eを保持(吸着)可能に構成されている。
移動機構部40aおよび40b(図2参照)は、それぞれ、ヘッドユニット30aおよび30bを水平方向(X方向およびY方向)に移動させるように構成されている。具体的には、移動機構部40a(40b)は、ヘッドユニット30a(30b)をX方向に移動させるためのX軸モータ41a(41b)と、ヘッドユニット30a(30b)をY方向に移動させるためのY軸モータ42a(42b)とを含んでいる。移動機構部40a(40b)は、たとえば、ボールねじ軸機構により、ヘッドユニット30a(30b)を水平方向に移動させるように構成されている。
移動機構部40a(40b)により、ヘッドユニット30a(30b)は、基台10上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット30a(30b)は、部品供給部11a(11b)の上方に移動して、部品供給部11a(11b)から供給される部品Eを保持(吸着)することが可能である。また、ヘッドユニット30a(30b)は、基板固定位置Aaにおいて固定された基板Paまたは基板固定位置Abにおいて固定された基板Pbのいずれかの上方に移動して、保持(吸着)された部品Eを基板Pに実装することが可能である。
部品撮像部50aは、基板PaまたはPbへの部品Eの実装に先立ってヘッドユニット30aに保持(吸着)された部品Eを撮像する部品認識用のカメラである。部品撮像部50bは、基板PaまたはPbへの部品Eの実装に先立ってヘッドユニット30bに保持(吸着)された部品Eを撮像する部品認識用のカメラである。部品撮像部50aは、部品供給部11aと搬送レーン20aとの間に配置されている。部品撮像部50bは、部品供給部11bと搬送レーン20bとの間に配置されている。
部品撮像部50a(50b)は、基台10の上面上に固定されており、部品Eの下方(Z2方向)から、ヘッドユニット30a(30b)に保持(吸着)された部品Eを撮像するように構成されている。部品撮像部50a(50b)による部品Eの撮像結果に基づいて、制御部70は、部品Eの吸着状態(回転姿勢およびヘッド31a(31b)に対する吸着位置)を取得(認識)するように構成されている。
基板撮像部60aおよび60bは、基板PaまたはPbへの部品Eの実装に先立って、基板Paの上面に付された位置認識マーク(フィデューシャルマーク)または基板Pbの上面に付された位置認識マークを撮像するマーク認識用のカメラである。位置認識マークは、基板Pa(Pb)の位置を認識するためのマークである。基板撮像部60aまたは60bによる位置認識マークの撮像結果に基づいて、制御部70は、基板固定位置Aa(Ab)において固定された基板Pa(Pb)の正確な位置および姿勢を取得(認識)するように構成されている。また、基板撮像部60a(60b)は、ヘッドユニット30a(30b)に取り付けられており、ヘッドユニット30a(30b)とともに、基台10上を水平方向に移動可能に構成されている。
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、部品実装装置2の動作を制御する制御回路である。制御部70は、搬送部21a(21b)、部品供給部11a(11b)および移動機構部40a(40b)などを生産プログラムに従って制御することにより、ヘッドユニット30a(30b)により基板Paまたは基板Pbへの部品Eの実装を行わせるように構成されている。
(実装制御に関する構成)
次に、図3(A)および(B)を参照して、部品実装装置2の実装制御について説明する。
なお、図3(A)および(B)では、「搬送」は、実装完了後の基板Pa(Pb)の基板固定位置Aa(Ab)からの搬出と、実装前の次の基板Pa(Pb)の基板固定位置Aa(Ab)への搬入と、搬入された基板Pa(Pb)の基板固定位置Aa(Ab)における固定とを含む概念である。
図3(A)に示すように、部品実装装置2は、交互実装制御を行うことが可能なように構成されている。
通常の交互実装制御では、制御部70は、ヘッドユニット30aおよび30bの両方により、実装が完了するまで搬送レーン20a上の基板固定位置Aaにおける基板Paに部品Eを実装させる制御と、ヘッドユニット30aおよび30bの両方により、実装が完了するまで搬送レーン20b上の基板固定位置Abにおける基板Pbに部品Eを実装させる制御とを、交互に行うように構成されている。したがって、通常の交互実装制御では、同じ生産数だけ、基板Paおよび基板Pbを生産することが可能である。
また、通常の交互実装制御では、制御部70は、ヘッドユニット30aおよび30bの両方による基板PaおよびPbのうちのいずれか一方への部品Eの実装中に、基板PaおよびPbのうちのいずれか他方の搬送を行う制御を行うように構成されている。これにより、基板PaおよびPbの搬送時間の分だけ、生産時間を短縮することが可能である。
具体的には、制御部70は、ヘッドユニット30aおよび30bの両方による搬送レーン20a上の基板固定位置Aaにおける基板Paへの部品Eの実装中に、搬送レーン20b上の実装完了後の基板Pbの基板固定位置Abにおける固定の解除、基板固定位置Abからの搬出、実装前の次の基板Pbの搬送レーン20b上の基板固定位置Abへの搬入、および、基板固定位置Abにおける固定を行う制御を行うように構成されている。また、制御部70は、搬送レーン20a上の基板Paへの部品Eの実装完了の直後に、ヘッドユニット30aおよび30bの両方による、基板固定位置Abにおいて固定されている搬送レーン20b上の基板Pbへの部品Eの実装を開始する制御を行うように構成されている。
同様に、制御部70は、ヘッドユニット30aおよび30bの両方による搬送レーン20b上の基板固定位置Abにおける基板Pbへの部品Eの実装中に、搬送レーン20a上の実装完了後の基板Paの基板固定位置Aaにおける固定の解除、基板固定位置Aaからの搬出、実装前の次の基板Paの搬送レーン20a上の基板固定位置Aaへの搬入、および、基板固定位置Aaにおける固定を行う制御を行うように構成されている。また、制御部70は、搬送レーン20b上の基板Pbへの部品Eの実装完了の直後に、ヘッドユニット30aおよび30bの両方による、基板固定位置Aaにおいて固定されている搬送レーン20a上の基板Paへの部品Eの実装を開始する制御を行うように構成されている。
なお、搬送レーン20aおよび20bのうちのいずれかにおける基板(PaまたはPb)の生産がより早く完了した場合、制御部70は、生産が未完了の搬送レーン(20aまたは20b)における基板(PaまたはPb)の生産を連続して行う制御を行うように構成されている。なお、図3(A)では、搬送レーン20aにおける基板Paの生産が、搬送レーン20bにおける基板Pbの生産よりも早く完了する場合を示している。この場合、生産が未完了の搬送レーン20bにおける基板Pbの生産が連続して行われる。
〈優先実装制御に関する構成〉
ところで、基板Paおよび基板Pbの生産予定枚数や生産の進捗度によっては、上記交互実装制御を行いつつ、基板Paまたは基板Pbのいずれかをより多く生産したい場合がある。
そこで、図3(B)に示すように、部品実装装置2は、優先実装制御(優先交互実装制御)を行うことが可能なように構成されている。
優先実装制御では、制御部70は、優先実装を行う条件を満たした場合、搬送レーン20aと搬送レーン20bとのうちの優先レーン22上の優先基板Pcに対して、搬送レーン20aと搬送レーン20bとのうちの非優先レーン23上の非優先基板Pdよりも優先的に、ヘッドユニット30aおよび30bの両方により部品Eを実装させる制御を行うように構成されている。また、制御部70は、優先実装を行う条件を満たさない場合、通常の交互実装制御を行うように構成されている。これにより、交互実装制御を行いつつ、優先基板Pcを非優先基板Pdよりも多く生産することが可能である。
具体的には、制御部70は、ヘッドユニット30aおよび30bの両方による非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装中に、優先レーン22上の優先基板Pcに対して部品Eを実装可能になった場合、非優先基板Pdへの部品Eの実装を中断して、ヘッドユニット30aおよび30bの両方により優先レーン22上の優先基板Pcに部品Eを優先的に実装させる制御を行うように構成されている。優先レーン22上の優先基板Pcに対して部品Eを実装可能になった場合は、たとえば、優先基板Pcが基板固定位置Abにおいて固定された場合である。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、搬送レーン20bが優先レーン22として設定され、搬送レーン20aが非優先レーン23として設定されている場合について説明する。この場合、基板Pbが優先基板Pcとなり、基板Paが非優先基板Pdとなる。
ここで、本実施形態では、制御部70は、優先レーン22の優先度と非優先レーン23の優先度とを比率で設定するとともに、設定された優先度の比率に基づいて、優先実装制御を行うように構成されている。言い換えると、制御部70は、優先レーン22における優先回数または非優先レーン23における非優先回数(実装中断回数)を設定するとともに、設定された優先回数または非優先回数に基づいて、優先実装制御を行うように構成されている。
具体的には、優先レーン22の優先度をnとし、非優先レーン23の優先度をmとした場合、制御部70は、優先度の比率をn:mとして設定するように構成されている。以下では、適宜、優先度の比率を、優先度の比率n:mと記載する。優先度の比率n:mが設定された場合、制御部70は、n枚の優先基板Pcを生産する間に、n−m回だけ、非優先基板Pdへの部品Eの実装を中断して、優先基板Pcに部品Eを優先的に実装するように、優先実装制御を行うように構成されている。
言い換えると、制御部70は、優先度の比率n:mに基づいて、優先回数(非優先回数)n−mを設定するとともに、n枚の優先基板Pcを生産する間に、優先回数(非優先回数)n−m回を上限に、非優先基板Pdへの部品Eの実装を中断して、優先基板Pcに部品Eを優先的に実装するように、優先実装制御を行うように構成されている。優先回数は、優先基板Pcへの部品Eの優先実装を行う上限回数ともいえる。また、非優先回数は、非優先基板Pdへの部品Eの実装中断を行う上限回数ともいえる。
たとえば、優先度の比率n:mが2:1である場合、制御部70は、2枚の優先基板Pcを生産する間に、1回だけ、非優先基板Pdへの部品Eの実装を中断して、優先基板Pcに部品Eを優先的に実装する制御を行う。
また、たとえば、優先度の比率n:mが6:5である場合、制御部70は、6枚の優先基板Pcを生産する間に、1回だけ、非優先基板Pdへの部品Eの実装を中断して、優先基板Pcに部品Eを優先的に実装する制御を行う。
また、たとえば、優先度の比率n:mが3:1である場合、制御部70は、3枚の優先基板Pcを生産する間に、2回だけ、非優先基板Pdへの部品Eの実装を中断して、優先基板Pcに部品Eを優先的に実装する制御を行う。
このように優先回数(非優先回数)が複数回である場合、たとえば、制御部70は、1枚の非優先基板Pdに対して、連続してn−m回だけ、非優先基板Pdへの部品Eの実装を中断する制御を行う。
次に、図3(B)を参照して、優先実装制御の一例について説明する。図3(B)では、優先度の比率n:mが3:1である場合に、優先実装制御が行われる場合を図示している。
図3(B)に示すように、時点T1において、非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装中に、優先レーン22上の優先基板Pcに対して部品Eが実装可能になり、かつ、優先実装が実行された回数(0回)が設定された優先回数(2回)に達していない時点が生じる。
この場合、時点T1において、制御部70は、優先実装を行う条件を満たしたと判断し、優先実装制御を行う。つまり、制御部70は、ヘッド31aおよび31b(ヘッドユニット30aおよび30b)に保持している部品Eを非優先基板Pdに実装してから非優先基板Pdへの部品Eの実装を中断して、優先レーン22上の優先基板Pcに部品Eを優先的に実装させる制御を行う。
その後、時点T2において、優先レーン22上の優先基板Pcへの部品Eの優先的な実装が完了すると、制御部70は、中断していた非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装を再開する制御を行う。また、制御部70は、再開した非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装と並行して、優先レーン22上の実装が完了した優先基板Pcを搬出するとともに、実装前の次の優先基板Pcを優先レーン22上の基板固定位置Abに搬入する制御を行う。
その後、時点T3において、非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装中に、優先レーン22上の優先基板Pcに対して部品Eが実装可能になり、かつ、優先実装が実行された回数(1回)が設定された優先回数(2回)に達していない時点が生じる。
この場合、時点T3において、制御部70は、優先実装を行う条件を満たしたと判断し、再び優先実装制御を行う。つまり、制御部70は、一度実装が中断されている非優先基板Pdへの部品Eの実装を再び中断して、優先レーン22上の優先基板Pcに部品Eを優先的に実装させる制御を行う。
その後、時点T4において、優先レーン22上の1枚の優先基板Pcへの部品Eの優先的な実装が完了すると、制御部70は、中断していた非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装を再開する制御を行う。また、制御部70は、再開した非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装と並行して、優先レーン22上の実装が完了した優先基板Pcを搬出するとともに、実装前の次の優先基板Pcを優先レーン22上の基板固定位置Abに搬入する制御を行う。
その後、時点T5において、非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装中に、優先レーン22上の優先基板Pcに対して部品Eが実装可能になり、かつ、優先実装が実行された回数(2回)が設定された優先回数(2回)に達した時点が生じる。
この場合、制御部70は、優先実装を行う条件を満たしていないと判断し、優先実装制御を行わない。つまり、制御部70は、優先レーン22上の優先基板Pcに対して部品Eが実装可能であったとしても、非優先基板Pdへの部品Eの実装を中断することなく、実装が完了するまで非優先基板Pdへの部品Eの実装を継続する制御を行う。その後、優先実装が実行された回数がリセットされて、同様の優先実装制御が繰り返される。
〈優先度の比率の取得(1)〉
また、本実施形態では、制御部70は、少なくとも優先基板Pcの生産予定枚数に基づいて、優先度の比率n:mを取得するように構成されている。
一例として、制御部70は、優先レーン22の生産完了希望時刻および優先基板Pcの生産予定枚数に基づいて、生産予定枚数の優先基板Pcの生産が略生産完了希望時刻に完了するように、優先度の比率n:mを取得するように構成されている。なお、優先レーン22の生産完了希望時刻としては、たとえば、生産者により入力された値が、設定される。
まず、制御部70は、現在時刻、優先レーン22の生産完了希望時刻、優先レーン22の優先基板Pcの1枚当たりの生産時間(サイクルタイム)、非優先レーン23の非優先基板Pdの1枚当たりの生産時間(サイクルタイム)、および、優先基板Pcの生産予定枚数に基づいて、優先レーン22の生産完了希望時刻までに生産可能な非優先基板Pdの生産可能枚数を取得するように構成されている。また、制御部70は、優先基板Pcの生産予定枚数と非優先基板Pdの生産可能枚数との比率を、優先度の比率n:mとして取得するように構成されている。なお、優先レーン22の優先基板Pcの1枚当たりの生産時間は、搬送時間を含む値であり、非優先レーン23の非優先基板Pdの1枚当たりの生産時間も、搬送時間を含む値である。
たとえば、現在時刻が9:00であり、生産完了希望時刻が17:00であるとする。また、優先レーン22の優先基板Pcの1枚当たりの生産時間が1分(搬送時間5秒を含む)であり、非優先レーン23の非優先基板Pdの1枚当たりの生産時間が1分であるとする。また、優先基板Pcの生産予定枚数が360枚であるとする。
この場合、現在時刻から生産完了希望時刻までの時間は、9:00〜17:00であるため、480分である。また、優先レーン22のみで連続生産した場合の生産時間は、360枚×1分であるため、360分である。また、優先レーン22のみで連続生産した場合の搬送時間は、360枚×5秒であるため、30分である。また、優先レーン22の生産完了希望時刻までに生産可能な非優先基板Pdの生産可能枚数は、(480分−360分+30分)/1分であるため、150枚である。この場合、制御部70は、優先基板Pcの生産予定枚数と非優先基板Pdの生産可能枚数との比率360:150(=12:5)を、優先度の比率n:m(=12:5)として取得する。
また、制御部70は、取得された優先度の比率12:5に基づいて、優先実装制御を行う。これにより、360枚の優先基板Pcおよび150枚の非優先基板Pdの生産が17:00頃に完了する。
なお、非優先基板Pdの生産予定枚数(たとえば、180枚)が、非優先基板Pdの生産可能枚数(たとえば、150枚)よりも多い場合、優先レーン22の生産完了希望時刻には、生産予定枚数の非優先基板Pdの生産が完了しない。この場合、制御部70は、優先レーン22の生産完了希望時刻からさらに生産を継続することにより、生産予定枚数と生産可能枚数との差の分(たとえば、30枚)の非優先基板Pdを生産する制御を行う。
〈優先度の比率の取得(2)〉
また、本実施形態では、制御部70は、優先基板Pcの生産予定枚数および非優先基板Pdの生産予定枚数に基づいて、生産予定枚数の優先基板Pcおよび非優先基板Pdの生産が略同じ時刻に完了するように、優先度の比率n:mを取得するように構成されている。具体的には、制御部70は、優先基板Pcの生産予定枚数と非優先基板Pdの生産予定枚数との比率を、優先度の比率n:mとして取得するように構成されている。
たとえば、優先基板Pcの生産予定枚数が100枚であり、非優先基板Pdの生産予定枚数が50枚である場合、制御部70は、優先基板Pcの生産予定枚数と非優先基板Pdの生産予定枚数との比率100:50(=2:1)を、優先度の比率n:m(=2:1)として取得する。
また、制御部70は、取得された優先度の比率2:1に基づいて、優先実装制御を行う。これにより、100枚の優先基板Pcおよび50枚の非優先基板Pdの生産が略同じ時刻に完了する。
〈優先度の比率の変更〉
また、本実施形態では、制御部70は、基板P(優先基板Pcおよび非優先基板Pd)の生産中に、生産状況に応じて、優先度の比率を変更するように構成されている。具体的には、制御部70は、基板Pの生産中に、生産状況に応じて、優先度の比率を再取得するとともに、再取得された優先度の比率が、元の優先度の比率と異なる場合、優先度の比率を再取得された優先度の比率に変更するように構成されている。たとえば、制御部70は、生産完了希望時刻が設定された場合、優先基板Pcの生産予定枚数または非優先基板Pdの生産予定枚数が変更された場合、レーン間(優先レーン22と非優先レーン23との間)の生産数のバランスが崩れた場合、または、定期的に、優先度の比率を再取得する。
また、本実施形態では、基板P(優先基板Pcおよび非優先基板Pd)の生産中に、少なくとも優先基板Pcの残りの生産予定枚数に基づいて、優先度の比率を再取得して変更するように構成されている。たとえば、制御部70は、優先レーン22の生産完了希望時刻および優先基板Pcの残りの生産予定枚数に基づいて、生産予定枚数の優先基板Pcの生産が略生産完了希望時刻に完了するように、優先度の比率を再取得する。あるいは、制御部70は、優先基板Pcの残りの生産予定枚数および非優先基板Pdの残りの生産予定枚数に基づいて、残りの生産予定枚数の優先基板Pcおよび非優先基板Pdの生産が略同じ時刻に完了するように、優先度の比率を再取得する。これらの優先度の比率の取得方法は、上記において説明した通りであるので、詳細な説明は省略する。
〈下流機との連携〉
また、本実施形態では、制御部70は、下流側に配置された他の部品実装装置3(図1参照)における基板Pの有無に基づいて、優先実装制御を行うか否かを判断するように構成されている。具体的には、制御部70は、下流側に配置された他の部品実装装置3に基板Pが無いと判断される場合、優先実装を行う条件を満たす場合であっても、優先実装制御を行わないように構成されている。この場合、制御部70は、通常の交互実装制御を行うように構成されている。また、制御部70は、下流側に配置された他の部品実装装置3に基板Pが有ると判断される場合には、通常通り、優先実装を行う条件を満たす場合、優先実装制御を行うように構成されている。
たとえば、制御部70は、下流側に配置された他の部品実装装置3からの基板搬送要求信号を受信した場合、下流側に配置された他の部品実装装置3に基板Pが無いと判断する。また、制御部70は、下流側に配置された他の部品実装装置3からの基板搬送要求信号を受信していない場合、下流側に配置された他の部品実装装置3に基板Pが有ると判断する。
(優先実装処理)
次に、図4を参照して、部品実装装置2による優先実装処理をフローチャートに基づいて説明する。フローチャートの各処理は、制御部70により行われる。
図4に示すように、まず、ステップS1において、非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装が行われる。
そして、ステップS2において、非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装が完了したか否かが判断される。実装が完了したと判断される場合、優先実装処理が終了される。
また、ステップS2において、実装が完了していないと判断される場合、ステップS3に進む。
そして、ステップS3において、優先レーン22上に優先基板Pcが搬入され、優先レーン22上の優先基板Pcに対して部品Eが実装可能な状態になったか否かが判断される。優先レーン22上の優先基板Pcに対して部品Eが実装可能な状態になっていないと判断される場合、ステップS1に進む。そして、ステップS1において、非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装が中断されることなく継続される。
また、ステップS3において、優先レーン22上の優先基板Pcに対して部品Eが実装可能な状態になったと判断される場合、ステップS4に進む。
そして、ステップS4において、優先実装が実行された回数が、優先度の比率に基づいて設定された優先回数(非優先回数)に達したか否かが判断される。優先実装が実行された回数が設定された優先回数に達したと判断される場合、ステップS1に進む。そして、ステップS1において、非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装が中断されることなく継続される。
また、ステップS4において、優先実装が実行された回数が設定された優先回数に達していないと判断される場合、ステップS5に進む。
そして、ステップS5において、非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装が中断される。
そして、ステップS6において、優先レーン22上の優先基板Pcへの部品Eの実装が行われる。
そして、ステップS7において、優先レーン22上の優先基板Pcへの部品Eの実装が完了したか否かが判断される。実装が完了していないと判断される場合、ステップS6に進む。そして、ステップS6において、優先レーン22上の優先基板Pcへの部品Eの実装が継続される。
また、ステップS7において、実装が完了したと判断される場合、ステップS1に進む。そして、ステップS1において、中断されていた非優先レーン23上の非優先基板Pdへの部品Eの実装が再開される。以降、ステップS2において、実装が完了したと判断されるまで、複数枚の基板Pについて、優先実装処理が継続される。
(優先度の比率変更処理(1))
次に、図5を参照して、部品実装装置2による優先度の比率変更処理をフローチャートに基づいて説明する。フローチャートの各処理は、制御部70により行われる。図5では、生産完了希望時刻に基づいて、優先度の比率を変更する例を説明する。
図5に示すように、まず、ステップS11において、優先度の比率の変更タイミングであるか否かが判断される。ステップS11では、たとえば、生産完了希望時刻が設定されたか否か、優先基板Pcの生産予定枚数または非優先基板Pdの生産予定枚数が変更されたか否か、レーン間の生産数のバランスが崩れたか否か、または、定期的に決められている所定のタイミングであるか否かが判断される。ステップS11において、優先度の比率の変更タイミングではないと判断される場合、優先度の比率変更処理が終了される。
また、ステップS11において、優先度の比率の変更タイミングであると判断される場合、ステップS12に進む。
そして、ステップS12において、現在時刻、優先レーン22の優先基板Pcのサイクルタイム(1枚当たりの生産時間)および優先基板Pcの残りの生産予定枚数が取得される。
そして、ステップS13において、優先レーン22の優先基板Pcのサイクルタイムおよび優先基板Pcの残りの生産予定枚数に基づいて、優先レーン22のみで連続生産した場合の生産時間が取得される。具体的には、優先基板Pcの残りの生産予定枚数に、優先レーン22の優先基板Pcのサイクルタイムを乗算することにより、上記生産時間が取得される。
そして、ステップS14において、生産完了希望時刻に残りの生産予定枚数の優先基板Pcの生産を完了することが可能であるか否かが判断される。具体的には、現在時刻に、上記生産時間を足算した時刻が、生産完了希望時刻よりも後であるか否かが判断される。足算した時刻が、生産完了希望時刻よりも後の時刻であると判断される場合、生産完了希望時刻に生産を完了することができないと判断されるため、ステップS15に進む。そして、ステップS15において、警報の出力や、警告灯の点灯、警告画面の表示などにより、エラー通知が行われる。
また、ステップS14において、足算した時刻が、生産完了希望時刻以前の時刻であると判断される場合、生産完了希望時刻に生産を完了することが可能であると判断されるため、ステップS16に進む。
そして、ステップS16において、非優先レーン23の非優先基板Pdのサイクルタイム(1枚当たりの生産時間)が取得される。
そして、ステップS17において、現在時刻、生産完了希望時刻、上記生産時間および非優先レーン23の非優先基板Pdのサイクルタイムに基づいて、優先レーン22の生産完了希望時刻までに生産可能な非優先基板Pdの生産可能枚数が取得される。具体的には、現在時刻から生産完了希望時刻までの時間から、上記生産時間を引算して、優先レーン22のみで連続生産した場合の搬送時間を足算するとともに、引算して足算して得られた時間を、非優先レーン23の非優先基板Pdのサイクルタイムにより除算することにより、非優先基板Pdの生産可能枚数が取得される。
そして、ステップS18において、優先基板Pcの生産予定枚数と非優先基板Pdの生産可能枚数との比率が、優先度の比率として取得される。
そして、ステップS19において、取得された優先度の比率が元の優先度の比率と異なるか否かが判断される。取得された優先度の比率が元の優先度の比率と同じであると判断される場合、優先度の比率が変更されることなく、優先度の比率変更処理が終了される。
また、ステップS19において、取得された優先度の比率が元の優先度の比率と異なると判断される場合、ステップS20に進む。
そして、ステップS20において、優先度の比率が取得された優先度の比率に変更される。その後、優先度の比率変更処理が終了される。
(優先度の比率変更処理(2))
次に、図6を参照して、部品実装装置2による優先度の比率変更処理をフローチャートに基づいて説明する。フローチャートの各処理は、制御部70により行われる。図6では、優先基板Pcの残りの生産予定枚数および非優先基板Pdの残りの生産予定枚数に基づいて、優先度の比率を変更する例を説明する。
図6に示すように、まず、ステップS21において、優先度の比率の変更タイミングであるか否かが判断される。ステップS21では、たとえば、優先基板Pcの生産予定枚数または非優先基板Pdの生産予定枚数が変更されたか否か、レーン間の生産数のバランスが崩れたか否か、または、定期的に決められている所定のタイミングであるか否かが判断される。ステップS21において、優先度の比率の変更タイミングではないと判断される場合、優先度の比率変更処理が終了される。
また、ステップS21において、優先度の比率の変更タイミングであると判断される場合、ステップS22に進む。
そして、ステップS22において、優先基板Pcの残りの生産予定枚数および非優先基板Pdの残りの生産予定枚数が取得される。
そして、ステップS23において、優先基板Pcの残りの生産予定枚数および非優先基板Pdの残りの生産予定枚数との比率が、優先度の比率として取得される。
そして、ステップS24において、取得された優先度の比率が元の優先度の比率と異なるか否かが判断される。取得された優先度の比率が元の優先度の比率と同じであると判断される場合、優先度の比率が変更されることなく、優先度の比率変更処理が終了される。
また、ステップS24において、取得された優先度の比率が元の優先度の比率と異なると判断される場合、ステップS25に進む。
そして、ステップS25において、優先度の比率が取得された優先度の比率に変更される。その後、優先度の比率変更処理が終了される。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、制御部70を、優先レーン22の優先度と非優先レーン23の優先度とを比率で設定するとともに、設定された優先度の比率に基づいて、優先実装制御を行うように構成する。言い換えると、制御部70を、優先レーン22における優先度としての優先回数または非優先レーン23における優先度としての非優先回数を設定するとともに、設定された優先回数または非優先回数に基づいて、優先実装制御を行うように構成する。このように、優先度の比率(優先回数、非優先回数)に基づいて優先実装制御を行うことにより、優先実装の回数に上限を設けることができるので、優先レーン22上の優先基板Pcに対する優先実装が行われ過ぎることを抑制することができる。その結果、優先レーン22上の優先基板Pcと非優先レーン23上の非優先基板Pdとをそれぞれ適切な数だけ生産し続けることができるので、優先レーン22と非優先レーン23との間の生産数のバランスが大きく崩れることを抑制することができる。これにより、たとえば、両面実装基板を生産する場合に、片面のみ実装された両面実装基板の中間在庫が過度に増加したり減少したりすることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部70を、少なくとも優先基板Pcの生産予定枚数に基づいて、優先度の比率を取得するように構成する。これにより、生産予定枚数の優先基板Pcの生産が確実に完了するような優先度の比率を取得することができる。そして、この優先度の比率に基づいて優先実装制御を行うことにより、優先レーン22と非優先レーン23との間の生産数のバランスが大きく崩れることを抑制しつつ、生産予定枚数の優先基板Pcの生産を確実に完了させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部70を、優先レーン22の生産完了希望時刻および優先基板Pcの生産予定枚数に基づいて、生産予定枚数の優先基板Pcの生産が略生産完了希望時刻に完了するように、優先度の比率を取得するように構成する。これにより、生産予定枚数の優先基板Pcの生産が略生産完了希望時刻に完了するような優先度の比率を取得することができる。そして、この優先度の比率に基づいて優先実装制御を行うことにより、優先レーン22と非優先レーン23との間の生産数のバランスが大きく崩れることを抑制しつつ、生産予定枚数の優先基板Pcの生産を略生産完了希望時刻に確実に完了させることができる。また、作業者は、優先基板Pcの生産完了時刻を正確に把握することができるので、優先基板Pcの生産完了時刻に合わせて、優先基板Pcの生産完了後の作業(たとえば、段取り作業)を効率的に開始することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部70を、優先基板Pcの生産予定枚数および非優先基板Pdの生産予定枚数に基づいて、生産予定枚数の優先基板Pcおよび非優先基板Pdの生産が略同じ時刻に完了するように、優先度の比率を取得するように構成する。これにより、生産予定枚数の優先基板Pcおよび非優先基板Pdの生産が略同じ時刻に完了するような優先度の比率を取得することができる。そして、この優先度の比率に基づいて優先実装制御を行うことにより、優先レーン22と非優先レーン23との間の生産数のバランスが大きく崩れることを抑制しつつ、生産予定枚数の優先基板Pcおよび非優先基板Pdの両方の生産を略同じ時刻に完了させることができる。また、生産予定枚数の優先基板Pcおよび非優先基板Pdの両方の生産が完了するまで、優先レーン22および非優先レーン23の両方を稼働させ続けることができるので、優先基板Pcおよび非優先基板Pdの生産をより効率的に行うことができる。また、生産予定枚数の優先基板Pcおよび非優先基板Pdの両方の生産を略同じ時刻に完了させることができることにより、作業者は、優先基板Pcおよび非優先基板Pdの両方の生産完了後の作業(たとえば、段取り作業)を略同時期に開始することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部70を、基板Pの生産中に、生産状況に応じて、優先度の比率を変更するように構成する。これにより、生産中の生産数の変更や生産中のレーンのエラー停止などに起因して、生産中に優先レーン22と非優先レーン23との間の生産数のバランスが崩れた場合にも、生産状況に応じて優先度の比率を適切な値に変更することができる。その結果、生産中に優先レーン22と非優先レーン23との間の生産数のバランスが崩れたとしても、優先レーン22と非優先レーン23との間の生産数のバランスが大きく崩れることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部70を、基板Pの生産中に、少なくとも優先基板Pcの残りの生産予定枚数に基づいて、優先度の比率を変更するように構成する。これにより、生産中に優先レーン22と非優先レーン23との間の生産数のバランスが崩れた場合にも、優先度の比率を、生産予定枚数の優先基板Pcの生産が確実に完了するような優先度の比率に変更することができる。その結果、生産中に優先レーン22と非優先レーン23との間の生産数のバランスが崩れた場合にも、生産予定枚数の優先基板Pcの生産を確実に完了させつつ、優先レーン22と非優先レーン23との間の生産数のバランスが大きく崩れることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部70を、下流側に配置された他の部品実装装置3内に基板Pが無い場合、優先実装制御を行わないように構成する。これにより、下流側に配置された他の部品実装装置3内に基板Pが無い場合、優先実装制御を行うことなく、基板Pへの実装を迅速に行って、下流側に配置された他の部品実装装置3に搬送することができる。その結果、下流側の他の部品実装装置3の稼働率を向上させることができるので、総生産時間を短縮することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、部品実装システムが、印刷装置、3つの部品実装装置およびリフロー炉を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品実装システムが、複数の印刷装置を備えていてもよいし、1つまたは3つ以外の複数の部品実装装置を備えていてもよいし、複数のリフロー炉を備えていてもよい。また、部品実装システムが、印刷装置、部品実装装置およびリフロー炉以外の装置を備えていてもよい。たとえば、部品実装システムが、基板に印刷された接合材の状態を検査する印刷検査装置を備えていてもよいし、基板に実装された部品の状態を検査する外観検査装置を備えていてもよい。
また、上記実施形態では、部品実装装置が、2つのヘッドユニットを備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品実装装置が、1つまたは3つ以上のヘッドユニットを備えていてもよい。
また、上記実施形態では、少なくとも優先基板の生産予定枚数に基づいて、優先度の比率が取得される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、優先度の比率として、生産者により入力された値が取得されてもよい。
また、上記実施形態では、基板の生産中に、生産状況に応じて、優先度の比率が変更される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、基板の生産中に、新たな優先度の比率の入力操作などの生産者の操作に基づいて、優先度の比率が変更されてもよい。
また、上記実施形態では、優先度の比率に基づいて、優先回数(非優先回数)が設定される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、優先度の比率に基づくことなく、直接的に、優先回数(非優先回数)が設定されてもよい。たとえば、少なくとも優先基板の生産予定枚数に基づいて、優先回数(非優先回数)が取得されて設定されてもよい。また、優先回数(非優先回数)として、生産者により入力された値が取得されて設定されてもよい。
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。