以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
以下、図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態による実装機100の構造について説明する。なお、方向関係を明確にするために図中には適宜XYZ直角座標軸を示している。X軸方向は水平面と平行な方向であり、Y軸方向は水平面上でX軸方向と直交する方向であり、Z軸方向はX軸、Y軸にそれぞれ直交する方向である。
実装機100は、ダイシングされたウエハWからベアチップを取り出してプリント基板P上に実装(装着)するとともに、部品供給装置160により供給されるパッケージ部品等をプリント基板P上に実装することが可能ないわゆる複合型の実装機である。
この実装機100は、図1および図2に示すように、基台1と、所定の実装作業位置にプリント基板Pを搬入および搬出するためのコンベア2と、チップ部品を供給するためのチップ部品供給部3とを備えている。また、図2および図4に示すように、実装機100は、プリント基板P上に部品(ベアチップまたはチップ部品)を実装するための実装部4と、ウエハ収納部170から引き出されたウエハWを支持するウエハ保持テーブル5と、ウエハ保持テーブル5に支持されたウエハWからベアチップを取り出して実装部4に受け渡す取出装置6と、取出装置6によるベアチップの取出時にそのベアチップを下方から突き上げる突上げ装置7と、取出装置6によるベアチップの取出動作の前にそのベアチップを撮像する部品位置認識用の移動可能なカメラ8とを含む。なお、ベアチップは、本発明の「ウエハ部品」の一例である。
コンベア2は、プリント基板Pを搬送するX方向に延びるコンベア本体と、このコンベア本体上でプリント基板Pを持ち上げて位置決めする図示しない位置決め機構とを含む。コンベアは、図1の右側から左側に向かってプリント基板Pをほぼ水平姿勢でX軸方向に搬送し、所定の実装作業位置にプリント基板Pを位置決め固定する。第1実施形態では、コンベア2による搬送経路上であってX軸方向に所定間隔だけ離間する位置(図中のプリント基板Pの位置)がそれぞれ実装作業位置とされる。なお、以下の説明では、実装作業位置のうちプリント基板Pの搬送方向上流側の位置を第1作業位置S1と呼び、下流側の位置を第2作業位置S2と呼ぶ。
チップ部品供給部3は、実装機100の手前側の両端に設けられている。チップ部品供給部3は、トランジスタ、抵抗、コンデンサ等のチップ部品を供給するために設けられている。チップ部品供給部3には、例えばテープフィーダ161等の部品供給装置160がコンベア2に沿って並んで配置されている。各テープフィーダ161は、トランジスタ等のチップ部品を所定間隔で保持したテープが巻回されるリールと、リールを保持する保持部材と、リールからテープを引出しながらテープフィーダ先端の部品供給位置にチップ部品を送り出す部品送り機構等とを含む。テープフィーダ161はチップ部品供給部3に取り付けられた状態で、実装機100と連動してチップ部品の送り出し動作を行うように構成されている。すなわち、実装機100の実装部4により部品供給位置においてチップ部品をピックアップさせるとともに、このピックアップに伴い次のチップ部品を部品供給位置に繰り出すように構成されている。なお、チップ部品供給部3は、テープフィーダ161の代わりに、半導体パッケージ等の大型のパッケージ部品を載置したトレイ(図示せず)を設置することも可能である。この場合には、実装部4により当該トレイ上から直接パッケージ部品がピックアップされる。
実装部4は、ベアチップまたはチップ部品をプリント基板P上に実装するものであり、コンベア2の上方位置においてそれぞれ水平方向(XY方向)に移動することが可能な2つのヘッドユニット(第1ヘッドユニット41、第2ヘッドユニット42という)と、これらを個別に駆動する駆動手段とを含む。
第1ヘッドユニット41は、基台1上のうち主に第1作業位置S1を含む上流側の領域を可動領域としてこの領域内でのみ移動可能とされ、他方、第2ヘッドユニット42は、基台1上のうち主に第2作業位置S2を含む下流側の領域を可動領域としてこの領域内でのみ移動可能となっている。第1ヘッドユニット41(第2ヘッドユニット42)は、X軸方向に並ぶ2つの部品実装用ヘッド41aおよび1つのカメラ41b(2つの部品実装用ヘッド42aおよび1つのカメラ42b)を備えている。なお、部品実装用ヘッド41aおよび42aは、本発明の「実装ヘッド」の一例である。
第1ヘッドユニット41(第2ヘッドユニット42)は、テープフィーダ161によって供給されるチップ部品をこれら部品実装用ヘッド41a(42a)により吸着してプリント基板P上に実装するとともに、取出装置6によりウエハWから取り出されるベアチップを部品実装用ヘッド41a(42a)により吸着してプリント基板P上に実装する。これにより、トランジスタ、コンデンサ等のチップ部品とベアチップ(ベアチップ)との双方がプリント基板P上に実装される。また、第1ヘッドユニット41(第2ヘッドユニット42)は、プリント基板Pへの部品の実装に先立ってカメラ41b(42b)によりプリント基板Pに付されたフィデューシャルマーク(図示せず)を認識することにより、プリント基板Pの位置ずれが認識され、実装時に位置ずれ補正がされる。
図3に示すように、第1ヘッドユニット41および42の駆動手段は、第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42をそれぞれX軸方向に移動可能に支持する支持部材43および44と、実装機100の天井100aに設けられ、支持部材43および44を別個にY軸方向に移動可能に支持する固定レール45および46と、支持部材43および44に対して第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42をX軸方向に移動させるためのリニアモータからなる移動機構(図示せず)と、支持部材43および44をそれぞれ固定レール45および46に沿って別個にY軸方向に移動させるためのリニアモータからなる移動機構(図示せず)とを含む。
また、基台1上であって第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42のそれぞれの可動領域内には、部品認識用の固定カメラ9および10が設置されている。固定カメラ9および10は、例えばCCDやCMOS等の撮像素子を備えるカメラである。固定カメラ9および10は、第1ヘッドユニット41の部品実装用ヘッド41aおよび第2ヘッドユニット42の部品実装用ヘッド42aにより吸着されている部品を下側から撮像して、その画像信号を後述する制御装置11に出力するものである。
また、図1に示すように、実装機100の手前側の中央部には、ウエハWが収納されるウエハ収納部170を着脱可能に固定することが可能である。ここで、ウエハ収納部170は、図4に示すように、ダイシングされた複数枚のウエハWを収容するものである。このウエハ収納部170は、ウエハWが保持された略円環状のホルダWhを上下複数段に収容するラックと、このラックを昇降駆動する駆動手段とを含む。ウエハ収納部170は、ラックの昇降によって、所望のウエハWをウエハ保持テーブル5に対して出し入れ可能な所定の出し入れ高さ位置に配置する。また、ウエハ保持テーブル5は、ウエハWの出し入れ機構(図示せず)を備えている。この出し入れ機構は、ウエハ保持テーブル5に対して前後(Y方向)に移動可能に構成され、先端にホルダ把持機構を備えたアームである。出し入れ機構は、ウエハ保持テーブル5がウエハ受取位置(図2参照)に配置された状態で、出し入れ高さ位置に配置されたラック内のウエハW(ホルダWh)をウエハ収納部170からウエハ保持テーブル5上に引き出すとともに、ウエハ保持テーブル5上のウエハWをラック内に収容する(戻す)ことが可能に構成されている。
ウエハ収納部170に収容されている各ウエハWは、それぞれベアチップがフェイスアップ状態(回路形成面(プリント基板Pに対する実装面)が上向きの状態)となるようにフィルム状のウエハシート上に貼り着けられており、このウエハシートを介してホルダWhにより保持されている。
ウエハ保持テーブル5は、中央部に円形状の開口部を有しており、ウエハWを保持するホルダWhの開口部とウエハ保持テーブル5の開口部とが重なるようにホルダWhを保持可能である。これにより、ウエハ保持テーブル5にウエハW(ホルダWh)が保持された状態で、ウエハ保持テーブル5の下方から後述する突上げ装置7によりベアチップを突き上げることが可能である。
ウエハ保持テーブル5は、部品取出作業位置(図1参照)とウエハ受取位置(図2参照)との間で、基台1上をY方向に移動可能に構成されている。具体的には、ウエハ保持テーブル5は、基台1上にY軸方向に延びるように設けられた一対の固定レール51に移動可能に支持されており、所定の駆動手段によって固定レール51に沿って移動される。駆動手段は、固定レール51と平行に延びかつウエハ保持テーブル5のナット部分に螺合挿入されるボールねじ軸52と、ボールねじ軸52を回転駆動するための駆動モータ53とを含む。図3に示すように、ウエハ保持テーブル5は、コンベア2の下方位置を通って、所定の部品取出作業位置(図1参照)とウエハ収納部170近傍のウエハ受取位置(図2参照)との間を移動する。
突上げ装置7は、部品取出作業位置に配置されたウエハ保持テーブル5上のウエハWのうち、取出し対象となるベアチップをその下側から突き上げることにより、当該ベアチップをウエハシートから剥離させながら持ち上げるものである。
この突上げ装置7は、それぞれ突上げピン(図示せず)を内蔵する一対の小径の突上げロッド(第1突上げロッド71a、第2突上げロッド71bという)備えた突上げヘッド71と、これを基台1上においてX軸方向に移動可能に支持する固定レール72と、突上げヘッド71を固定レール72に沿って移動させるための駆動手段とを含む。この駆動手段は、固定レール72と平行に延びかつ突上げヘッド71に螺合挿入される図外のボールねじ軸とこれを回転駆動するための突上げヘッド駆動モータ(図示せず)とを含む。突上げ装置7をX方向に移動可能に構成することにより、Y方向にのみ移動可能なウエハ保持テーブル5上に支持されているウエハWに対し、突上げヘッド71が任意のベアチップを突き上げることが可能となっている。
突上げヘッド71の第1突上げロッド71aおよび第2突上げロッド71bは、上下方向に延び、それぞれ図示しないアクチュエータ(エアシリンダ等)により個別に昇降駆動される。つまり、ウエハ保持テーブル5の開口部の内側にこれら第1突上げロッド71aまたは第2突上げロッド71bが配置された状態で、第1突上げロッド71aまたは第2突上げロッド71bがウエハシートの下側のほぼ接触する位置まで上昇駆動され、その後所望のベアチップのXY方向位置に位置付けられた後、第1突上げロッド71aまたは第2突上げロッド71bから突上げピンが駆動モータ(図示せず)により上昇駆動されることによりベアチップを突き上げる。なお、第1突上げロッド71aおよび第2突上げロッド71bは、突上げ対象の部品の大きさなどに応じて突上げピンの太さなどを変更することが可能である。たとえば、異なる突上げピンを第1突上げロッド71aおよび第2突上げロッド71bに装着させておくことにより、部品の大きさなどにより第1突上げロッド71aまたは第2突上げロッド71bを使いわけて使用することが可能である。
第1突上げロッド71aおよび第2突上げロッド71bは、2段階の高さ位置に昇降駆動可能である。すなわち、ウエハ保持テーブル5を部品取出作業位置(図1参照)とウエハ収納部170近傍のウエハ受取位置(図2参照)との間で移動させる際に、ウエハ保持テーブル5との干渉を避けるための最下位置と、ウエハ保持テーブル5が部品取出作業位置(図1参照)に位置する状態で、ホルダWhの開口部内側においてウエハWの下面近傍に位置する突上げ待機位置との間で昇降駆動可能であり、突上げピンは、待機位置にある第1突上げロッド71aまたは第2突上げロッド71bに内蔵される位置とウエハ保持テーブル5の上面よりも上方に位置する部品突上げ位置との間で昇降駆動可能である。
取出装置6は、突上げ装置7により突き上げられたベアチップを吸着して第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42に受け渡すものである。
この取出装置6は、所定の駆動手段により部品取出作業位置の上方位置において水平方向(XY方向)に移動される。この駆動手段は、以下のような構成を有する。
すなわち、部品取出作業位置には、X軸方向に所定間隔を隔てて配置されかつY軸方向に互いに平行に延びる一対の高架の固定レール61と、両端をそれぞれ固定レール61上に移動可能に支持されたX軸方向に延びるフレーム部材62と、固定レール61に近接する位置に配置されてY軸方向に延び、かつフレーム部材62両端のナット部材(図示省略)にそれぞれ螺合挿入される一対のボールねじ軸63と、ボールねじ軸63を回転駆動する一対のフレーム駆動モータ64とが設けられている。
フレーム部材62には、その手前側に固定されてX軸方向に延びる第1レール(図示省略)と、後側に固定されてX軸方向に延びる第2レール(図示省略)とが設けられている。第1レールに取出装置6が移動可能に支持されており、第2レールにカメラ8がそれぞれ移動可能に支持されている。そして、フレーム部材62に、X軸方向に延びて取出装置6のナット部材(図示省略)に螺合挿入されるボールねじ軸(図示省略)と、このボールねじ軸を回転駆動する駆動モータ65と、X軸方向に延びてカメラ8のナット部材(図示省略)に螺合挿入されるボールねじ軸(図示省略)と、このボールねじ軸を回転駆動する駆動モータ66とが備えられている。すなわち、各フレーム駆動モータ64の作動によりフレーム部材62を固定レール61に沿って移動させ、このフレーム部材62の移動に伴い取出装置6およびカメラ8を一体的にY軸方向に移動させる。
また、駆動モータ65の作動によりフレーム部材62のY方向手前側の位置で取出装置6をX軸方向に移動させるとともに、駆動モータ66の作動によりフレーム部材62のY方向の後側の位置でカメラ8をX軸方向に移動させる。これにより取出装置6およびカメラ8が部品取出作業位置の上方位置において水平方向(XY方向)にそれぞれ独立に移動可能となっている。
取出装置6のXY方向における可動領域と第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42のXY方向における可動領域とは一部重複している。これにより、後述するように取出装置6から第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42へのベアチップの受渡しが可能となっている。なお、図3に示すように、取出装置6、カメラ8および上記したこれらの駆動手段は、第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42およびこれらの駆動手段よりも下方に位置している。従って、取出装置6等の可動領域と第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42の各可動領域とは上記のように一部重複するが、取出装置6と第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42とが互いに干渉することは無い。
取出装置6は、一対のウエハヘッド(第1ウエハヘッド6a、第2ウエハヘッド6bと呼ぶ)を備えている。なお、第1ウエハヘッド6aおよび第2ウエハヘッド6bは、本発明の「取出ヘッド」の一例である。
第1ウエハヘッド6aおよび第2ウエハヘッド6bは、ドラム型のヘッドである。すなわち、第1ウエハヘッド6aおよび第2ウエハヘッド6bは、X軸方向と平行な軸線回りに回転が可能で、かつ上下方向への移動(昇降)が可能となるように、取出装置6のフレーム部材6cにそれぞれ昇降可能に支持されるブラケット部材6dと、ブラケット部材6dにX軸回りに回転可能に支持されるとともに、両ブラケット部材6dの内側に設けられる部品吸着用の一対のノズル6eとを有する。
第1ウエハヘッド6aの一対のノズル6eは、上下真逆の位置に設けられており、一方側のノズル6eが真下に向くときに他方側のノズル6eが真上を向くように設けられている。両ブラケット部材6dの外側にそれぞれ設けられた駆動モータ6fが回転駆動されることにより、一対のノズル6eの位置が交互に入れ替わる。なお、取出装置6において、第1ウエハヘッド6aおよび第2ウエハヘッド6bは互いに隣接して配置されているとともに、駆動モータ6fは一対のウエハヘッドを挟んで外側に配置されている。なお駆動モータ6fは、本発明の「駆動装置」の一例である。
また、図示しない駆動モータの駆動により、ブラケット部材6dがフレーム部材6cに対し昇降し、ノズル6eを含む第1ウエハヘッド6a全体が昇降する。第2ウエハヘッド6bも同様の構成である。なお、図6に示すように、第1ウエハヘッド6aおよび第2ウエハヘッド6bのノズル6e同士の間隔D1(X軸方向の間隔)は、第1ヘッドユニット41に搭載される部品実装用ヘッド41aの間隔D2および第2ヘッドユニット42に搭載される部品実装用ヘッド42aの間隔D2と同間隔とされている。これにより、2つのウエハヘッド(第1ウエハヘッド6aおよび第2ウエハヘッド6b)から第1ヘッドユニット41の2つの部品実装用ヘッド41aまたは第2ヘッドユニット42の2つの部品実装用ヘッド42aに対して、同時に2つのベアチップの受渡しが可能となっている。
カメラ8は、例えばCCDやCMOS等の撮像素子を備えるカメラである。カメラ8は、ウエハWからのベアチップの取り出しに先立ち、取り出し対象となるベアチップを撮像し、その画像信号を制御装置11に出力するものである。なお、取出装置6がヘッドユニットに部品を受け渡す時には、取出装置6はコンベア2に最も近接した位置(部品受け渡し位置Y1)に移動される。この時、図5に示すように、カメラ8のY方向の位置Y2と突上げ装置7のY方向の位置とが重なるように突上げ装置7のY方向の位置は決められている。これにより、部品の受け渡し動作と並行して次の部品の撮像を行った後、その次の部品の取出動作を行う際に、部品のヘッドユニットへの受け渡しから次の部品の取出しまでの取出装置6の移動量を最小限(位置Y1から位置Y2まで)にすることができる。
図7は、この実装機100の制御系をブロック図で示している。図7に示すように、この実装機100は、CPUや各種メモリ、HDD等からなる制御装置11を備えている。この制御装置11には、上記した各駆動モータ等(駆動モータ53、フレーム駆動モータ64、駆動モータ65、駆動モータ66、駆動モータ6f、その他の駆動モータ、さらに第1突上げロッド71a昇降用エアシリンダおよび第2突上げロッド71a昇降用エアシリンダへの空気回路における制御弁駆動ソレノイドを含む)、カメラ8、固定カメラ9および10等がそれぞれ電気的に接続されており、これにより各部の動作が制御装置11によって統括的に制御される。また、この制御装置11には、図外の入力装置が電気的に接続されており、オペレータによる各種情報がこの入力装置の操作に基づき入力されるとともに、各駆動モータに内蔵される図外のエンコーダ等の位置検出手段からの出力信号も入力される。
この制御装置11は、その機能要素として、上記各駆動モータの駆動や各制御弁の駆動ソレノイドを制御する軸制御部11aと、各カメラ(固定カメラ9および10、カメラ41b、42bなど)からの画像信号に所定の処理を施す画像処理部11bと、図外のセンサからの信号の入力および各種制御信号の出力等を制御するI/O処理部11cと、外部装置との通信を制御する通信制御部11dと、実装プログラム等の各種プログラムや各種データを記憶する記憶部11eと、これらを統括的に制御するとともに、各種の演算処理を実行する主演算部11fとを含んでいる。
そして、この制御装置11は、各駆動モータ等を予め定められたプログラムに基づいて制御することにより、コンベア2、ウエハ保持テーブル5、取出装置6、突上げ装置7、第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42等を制御する。これにより、ウエハ収納部170に対するウエハWの出し入れ、ウエハWからのベアチップの取り出しおよび第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42による部品の実装等の一連の動作(部品実装動作)を実行させる。
次に、図8を参照して、この制御装置11による部品実装動作の制御について説明する。
まず、ステップS1において、制御装置11は、コンベア2を制御することにより、プリント基板Pを実装機100内に搬入する。そして、ステップS2において、制御装置11は、コンベア2を制御することにより、プリント基板Pを第1作業位置S1および第2作業位置S2に配置した状態で固定する。
この後、ステップS3において、制御装置11は、ウエハ保持テーブル5を制御することによりウエハ収納部170からウエハWを引き出す。具体的には、駆動モータ53を駆動することによりウエハ保持テーブル5をウエハ受取位置(図2参照)に移動させる。そして、図示しない出し入れ機構によりウエハW(ホルダWh)をウエハ収納部170からウエハ保持テーブル5上に引き出す。そして、ステップS4において、引き出したウエハWをウエハ保持テーブル5に固定する。この後、ウエハ保持テーブル5を制御することにより、部品取出作業位置(図1参照)に配置する。
この際、制御装置11は、ウエハW内のベアチップのうち取り出し対象となるベアチップのY方向位置が、X方向に移動可能な突上げヘッド71の第1突上げロッド71aの中心の突上げピン、および第2突上げロッド71bの中心の突上げピンのY方向位置に一致するようにウエハ保持テーブル5を移動させる。
ウエハWが部品取出作業位置に配置されると、ステップS5において、制御装置11は、カメラ8を制御することにより、取出し対象のベアチップの撮像を行う。具体的には、フレーム駆動モータ64を駆動することによりフレーム部材62をY軸方向に移動させるとともに、駆動モータ66を駆動することによりカメラ8をX軸方向に移動させる。これにより取り出し対象(吸着対象)となるベアチップの上方位置にカメラ8を配置する。そして、カメラ8にそのベアチップを撮像させる。制御装置11は、この画像データに基づいてベアチップの位置(位置ずれ)を求める。この場合、制御装置11は、必要に応じて複数のベアチップを一度に、又は連続してカメラ8に撮像させる。
次に、制御装置11は、カメラ8による撮像結果に基づき、突上げ装置7、取出装置6およびウエハ保持テーブル5を制御し、突上げヘッド71の突上げピンと、取出装置6のノズル6eと、取り出し対象となるベアチップとをXY平面上の同一位置に移動させる。具体的には、突上げヘッド71をX軸方向に移動させるとともに、駆動モータ53を駆動することによりウエハ保持テーブル5をY軸方向に移動させる。これにより突上げヘッド71の第1突上げロッド71aまたは第2突上げロッド71bを、中心の突上げピンが取り出し対象となるベアチップの下方位置となるように移動させる。また、フレーム駆動モータ64を駆動することによりフレーム部材62をY軸方向に移動させるとともに、駆動モータ65を駆動することにより取出装置6をX軸方向にそれぞれ移動させる。これにより第1ウエハヘッド6aまたは第2ウエハヘッド6bをベアチップの上方位置に移動させる。
そして、制御装置11は、部品の大きさなどに応じて第1突上げロッド71aまたは第2突上げロッド71bから突上げピンを上昇させる(駆動する)ことにより当該ベアチップをその下側から突き上げる。この際、突上げロッド71aまたは71bの先端面に負圧を発生させてベアチップが貼り付けられているウエハシートを吸着保持しがら、突上げロッド71aまたは71bの先端面中央部から突上げピンを突き上げる。その一方で、第1ウエハヘッド6aあるいは第2ウエハヘッド6bを下降させて、突上げられることによりウエハシートから剥がされたベアチップをノズル6eの先端部の負圧により吸着させる。これによりウエハWからのベアチップの取り出しを行う。以上のウエハWからのベアチップの取り出しは、第1ウエハヘッド6aおよび第2ウエハヘッド6bそれぞれについて順次実施され、各ノズル6eにそれぞれベアチップが吸着保持される。
次に、ステップS7において、制御装置11は、取出装置6からヘッドユニットへのベアチップの受け渡しを行う。具体的には、制御装置11は、取出装置6を制御することにより所定の部品受渡し位置(コンベア2に最も近接した位置)に取出装置6を移動させるとともに、実装部4を制御することにより第1ヘッドユニット41(又は第2ヘッドユニット42)を部品受渡し位置に移動させる。これにより部品受渡し位置において取出装置6と第1ヘッドユニット41(又は第2ヘッドユニット42)とを上下に配置する。
取出装置6および第1ヘッドユニット41(第2ヘッドユニット42)が部品受渡し位置に配置されるまでの移動中に、制御装置11は、両駆動モータ6fを制御することにより第1ウエハヘッド6aおよび第2ウエハヘッド6bを回転させる。これにより各ノズル6eに吸着されているベアチップを反転(フェイスダウンの状態に反転)させた後、当該ベアチップを第1ヘッドユニット41の下降させた2つの部品実装用ヘッド41aまたは第2ヘッドユニット42の下降させた2つの部品実装用ヘッド42aにより吸着させる。これにより取出装置6から第1ヘッドユニット41(第2ヘッドユニット42)へのベアチップの受渡しを2つのベアチップ分まとめて同時に行う。
次に、ステップS8において、制御装置11は、第1ヘッドユニット41を固定カメラ9(第2ヘッドユニット42の場合は固定カメラ10)上方に移動させ、各部品実装用ヘッドに吸着されたベアチップを固定カメラに撮像させるとともに、その画像データに基づき各部品実装用ヘッドに対するベアチップの吸着ずれを演算する。
次に、ステップS9において、制御装置11は、第1ヘッドユニット41(第2ヘッドユニット42)のカメラ41b(42b)により、コンベア2に固定されているプリント基板Pに付されているフィデューシャルマーク(図示せず)を認識する。これにより、制御装置11はプリント基板Pのコンベア2に対する位置ずれを認識する。
そして、ステップS10において、制御装置11は、ベアチップの吸着ずれおよびプリント基板Pの位置ずれに基づいて第1ヘッドユニット41(第2ヘッドユニット42)をプリント基板P上方の補正した位置に移動させる。そして、所定の実装位置で部品実装用ヘッドを下降させることによりベアチップをプリント基板P上に実装する。
この後、ステップS11において、制御装置11は、全てのベアチップの実装が完了したか否かを判断する。実装対象のベアチップがまだ残っている場合には、ステップS5に戻り、実装動作を継続する。
また、全てのベアチップの実装が完了した場合には、ステップS12において、制御装置11は、コンベア2を制御することにより、プリント基板Pの固定を解除する。そして、ステップS13において、制御装置11は、コンベア2を制御することにより、プリント基板Pを実装機100外に搬出する。
以上、制御装置11による部品実装動作の制御について説明したが、このフローチャートに示す制御は、ベアチップのみを実装する場合の最も基本的な部品実装動作の制御例である。つまり、実際のプリント基板Pの生産時には、より効率的にプリント基板Pを生産すべく、制御装置11は、ウエハ保持テーブル5によるウエハWの出し入れ動作、取出装置6および突上げ装置7によるベアチップの取出動作、およびヘッドユニットの実装動作等の複数の動作の一部を並行して実行する。特に、第1実施形態では、取出装置6からヘッドユニットへのベアチップの受け渡しの際またはヘッドユニットによるベアチップのプリント基板Pへの実装の際に、次の実装部品のカメラ8による撮像を並行して行っている。さらに、複数のプリント基板Pに順次ベアチップを実装する場合には、ステップS13からステップS1に戻って次のプリント基板Pが搬入されてステップS2が実施されるが、ウエハ保持テーブル5上のウエハWにベアチップが残っている場合は、ステップS3およびS4はスキップされる。
第1実施形態では、上記のように、第1ウエハヘッド6aおよび第2ウエハヘッド6bにそれぞれ吸着されたウエハ部品を第1ヘッドユニット41の2つの部品実装用ヘッド41aまたは第2ヘッドユニット42の2つの部品実装用ヘッド42aが同時に受け取ることが可能であるように構成することによって、2つのウエハ部品の受け渡しを一度に行うことができる。これにより、部品実装用ヘッド41aまたは42aへのウエハ部品の受け渡し動作を1つのウエハ部品毎に行う場合と比較して、複数のウエハ部品の受け渡し動作に要する合計時間が増加してしまうことを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1ウエハヘッド6aと第2ウエハヘッド6bとの各中心の間隔D1(以下単に間隔D1と言う)を、第1ヘッドユニット41の2つの部品実装用ヘッド41a同士の各中心の間隔D2(以下単に間隔D2と言う)または第2ヘッドユニット42の2つの部品実装用ヘッド42a同士の各中心の間隔D2(以下単に間隔D2と言う)と同一にしている。このように構成することにより、2つのウエハヘッド6aおよび6bから2つの部品実装用ヘッド41aまたは部品実装用ヘッド42aに容易に同時にウエハ部品を受け渡すことができる。
また、第1実施形態では、取出装置6を、2つのウエハヘッド6aおよびウエハヘッド6bを互いに隣接して配置するとともに、2つの駆動モータ6fを2つのウエハヘッド6aおよびウエハヘッド6bを挟んで外側に配置するように構成している。これにより、2つのウエハヘッド6aおよびウエハヘッド6bの間に駆動モータがない分、2つのウエハヘッド6aおよびウエハヘッド6b同士の間隔を小さくすることができるので、2つのウエハヘッド6aおよびウエハヘッド6b同士の間隔とヘッドユニットの実装ヘッド同士の間隔とを容易に等しくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、基台1に対してY方向に移動可能なウエハ保持テーブル5と、基台1に対してX方向に移動可能な突上げ装置7と、基台1に対してX方向に移動可能な取出装置6とを設けることによって、ウエハ保持テーブル5をX方向に移動させなくても、突上げ装置7および取出装置6をX方向に移動させることによって、取出対象のベアチップと突上げ装置7および取出装置6との位置合わせを行うことができる。これにより、突上げ装置7および取出装置6に対して比較的平面積の大きいウエハ保持テーブル5をX方向に移動させる必要がないので、装置がX方向に大きくなってしまうことを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、突上げ装置7に対して取出装置6を相対的にY方向に移動可能に構成することによって、突上げ装置7と取出装置6とが固定されている場合と異なり、突上げ装置7と取出装置6との位置を微調整することができる。これにより、部品取出時における突上げ装置7と取出装置6との位置ずれを抑制することができるので、部品の吸着不良が生じるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、ウエハ保持テーブル5をY方向に移動可能に構成し、かつ、カメラ8もY方向に移動可能に構成している。これにより、取出し対象のベアチップの撮像を行うためにカメラ8と取出し対象のベアチップとの位置合わせを行う際に、ウエハ保持テーブル5とカメラ8との両方を互いに近づき合うように移動させて位置合わせを行うことができる。これにより、ウエハ撮像カメラがY方向に固定されている場合のようにウエハ保持テーブル5のみを移動させてカメラ8と取出し対象のベアチップとの位置合わせを行う場合と比較して、短時間で位置合わせを行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、取出装置6をY方向に移動可能に構成しているとともに、突上げ装置7をY方向に固定している。このように構成することによって、取出装置6をY方向に移動させることによって、取出動作を行うための突上げ装置7と取出装置6との位置合わせを行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ベアチップの取出装置6からヘッドユニットへの受け渡しと並行して、または、ヘッドユニットによるプリント基板Pへのベアチップの実装と並行して、ウエハ保持テーブル5に保持された次に実装するベアチップのカメラ8による撮像を行うことによって、次のウエハ部品の撮像と、前の部品の実装またはウエハ部品の受け渡しとにかかる合計時間を短縮することができる。
(第1実施形態の変形例)
上記第1実施形態では、第1作業位置S1および第2作業位置S2にそれぞれ対応する第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42を1つずつ設けた例について説明したが、図9に示す第1実施形態の変形例の実装機200のように、X方向に延びるフレーム部材201に移動可能に支持される1つのヘッドユニット202により、第1作業位置S1および第2作業位置S2を対応させてもよい。
また、上記第1実施形態では、取出装置6をY方向に移動可能に構成しているとともに、突上げ装置7をY方向に固定したが、取出装置6をY方向に固定し、突上げ装置7をY方向に移動可能に構成しても良い。これにより突上げ装置7をY方向に移動させることによって、取出動作を行うための突上げ装置7と取出装置6との位置合わせを行うことができ、取出装置6をY方向に固定することで、装置を安価にすることができる。さらに、取出装置6と突上げ装置7の両方をY方向に移動可能に構成しても良い。ウエハ保持テーブル5のY方向移動との多様な移動の仕方により効率を向上することができる。
(第2実施形態)
次に、図10および図11を参照して、本発明の第2実施形態による実装機300について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、2つの取出装置を設けた例について説明する。
第2実施形態では、図10に示すように、取出装置が2つ(第1取出装置301および第2取出装置302)設けられている。第1取出装置301および第2取出装置302のそれぞれの構成は、上記第1実施形態の取出装置6と同様である。第1取出装置301および第2取出装置302は、共に、フレーム部材62の手前側に固定されてX軸方向に延びる固定レールに移動可能に支持されている。
そして、フレーム部材62に、X軸方向に延びるボールねじ軸(図示省略)と、このボールねじ軸に螺合するとともに第1取出装置301に回転可能且つ軸方向に固定して取り付けられる第1のナット部材(図示省略)と、ボールねじ軸が貫通するとともに第1のナット部材を回転駆動し、且つ第1取出装置301に取り付けられる第1の中空モータ(図示省略)と、ボールねじ軸に螺合するとともに第2取出装置302に回転可能且つ軸方向に固定して取り付けられる第2のナット部材(図示省略)と、ボールねじ軸が貫通するとともに第2のナット部材を回転駆動し、且つ第2取出装置301に取り付けられる第2の中空モータ(図示省略)とが備えられている。すなわち、第1の中空モータの作動によりフレーム部材62の手前側の位置で第1取出装置301をX軸方向に移動させるとともに、第2の中空モータの作動によりフレーム部材62の手前側の位置で第2取出装置302をX軸方向に移動させる。これにより、第1取出装置301および第2取出装置302は、部品取出作業位置の上方位置において水平方向(XY方向)に移動可能となっている。
また、第2実施形態では、X方向に延びるフレーム部材303に、X方向に移動可能に1つのヘッドユニット304が支持されている。フレーム部材303は、Y方向に移動可能に構成されている。1つのヘッドユニット304により、第1作業位置S1および第2作業位置S2の実装が行われる。
図11に示すように、ヘッドユニット304は、4つの部品実装用ヘッド304aと、カメラ304bとを有している。ヘッドユニット304の互いに隣接する部品実装用ヘッド304a同士の各中心の間隔D3(以下単に間隔D3と言う)は、第1取出装置301のウエハヘッド同士の間隔D1および第2取出装置302のウエハヘッド同士の間隔D1と等しい。なお、部品実装用ヘッド304aは、本発明の「実装ヘッド」の一例である。
第2実施形態のウエハ部品の受け渡し動作としては、たとえば、第1取出装置301によりヘッドユニット304の2つの部品実装用ヘッド304aへの2つのウエハ部品の受け渡しを同時に行った後、第2取出装置302によりヘッドユニット304の残りの2つの部品実装用ヘッド304aへの2つのウエハ部品の受け渡しを同時に行う。第2実施形態の実装機300のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
なお、第2実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態では、ヘッドユニット304が1つ設けられており、第1取出装置301および第2取出装置302が1つのヘッドユニット304に対して順番にウエハ部品の受け渡し動作を行う例を説明した。ここで、上記第1実施形態のようにヘッドユニットが2つ(第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42)設けられている場合には、第1取出装置301および第2取出装置302から第1ヘッドユニット41および第2ヘッドユニット42のそれぞれに対して受け渡し動作を行うことにより、一度に4つのウエハ部品を同時に受け渡すことも可能である。
(第3実施形態)
次に、図12、図13および図14を参照して、本発明の第3実施形態による実装機400について説明する。この第3実施形態では、2つのウエハヘッドを有する取出装置6を1つ設けた上記第1実施形態と異なり、1つのウエハヘッドを有する取出装置を2つ設けた例を説明する。
第3実施形態では、図12および図13に示すように、取出装置が2つ(第1取出装置401および第2取出装置402)設けられている。第1取出装置401および第2取出装置402は、共に、フレーム部材62の手前側においてX軸方向に延びる固定レールに移動可能に支持されている。第1取出装置401および第2取出装置402は、上記第2実施形態と同様の中空モータを使った機構により、互いに独立してフレーム部材62の固定レール上をX軸方向に移動可能である。
また、第1取出装置401および第2取出装置402は、それぞれ1つのウエハヘッド401aおよび402aを有している。第1取出装置401のウエハヘッド401aは、X軸方向と平行な軸線回りに回転が可能で、かつ上下方向への移動(昇降)が可能となるように、第1取出装置401のフレーム部材401bに昇降可能に支持されるブラケット部材401cと、ブラケット部材401cにX軸回りに回転可能に支持されるとともに、ブラケット部材401cに対して第2取出装置402側に設けられる部品吸着用の一対のノズル401dとを有する。ブラケット部材401cに対して第2取出装置402と反対側に設けられた駆動モータ401eが回転駆動されることにより、一対のノズル401dの位置が交互に入れ替わる。
また、第2取出装置402のウエハヘッド402aも第1取出装置401と同様の構成を有している。第2取出装置402は、フレーム部材402b、ブラケット部材402c、ノズル402dおよび駆動モータ402eを含んでいる。なお、ウエハヘッド401aおよびウエハヘッド402aは、本発明の「取出ヘッド」の一例である。
なお、第2取出装置402のウエハヘッド402aは、第1取出装置401のウエハヘッド401aと互いに向かい合うように配置されている。第1取出装置401の駆動モータ401eおよび第2取出装置402の駆動モータ402eは、ウエハヘッド402aおよび401aを挟んで外側に配置されている。第3実施形態の実装機400のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第3実施形態の取出し動作および受け渡し動作としては、まず、第1取出装置401のウエハヘッド401aと第2取出装置402のウエハヘッド402aとが個々にウエハ部品(ベアチップ)を取り出す。その後、第1取出装置401または第2取出装置402の少なくとも一方が移動することにより、第1取出装置401および第2取出装置402が所定の受け渡し位置に移動する。ここで、第3実施形態では、図13に示すように、制御装置(図示せず)は、受け渡し位置において第1取出装置401のウエハヘッド401aと第2取出装置402のウエハヘッド402aとの各中心の間隔(ノズル401dとノズル402dとの各中心の間隔D4、以下単に間隔D4と言う)が第1ヘッドユニット420の部品実装用ヘッド420aの各中心の間隔または第2ヘッドユニット421の部品実装用ヘッド421aの各中心の間隔D5(以下単に間隔D5と言う)と等しくなるように、第1取出装置401および第2取出装置402を配置させる。
この後、上記第1実施形態と同様に、第1取出装置401のウエハヘッド401aおよび第2取出装置402のウエハヘッド402aから第1ヘッドユニット420の2つの部品実装用ヘッド420aまたは第2ヘッドユニット421の2つの部品実装用ヘッド421aに同時にウエハ部品が受け渡される。
第3実施形態では、上記のように、第1取出装置401および第2取出装置402から第1ヘッドユニット420または第2ヘッドユニット421へのウエハ部品の受け渡し時に、第1取出装置401のウエハヘッド401aと第2取出装置402のウエハヘッド402aとの間隔が第1ヘッドユニット420の2つの部品実装用ヘッド420a同士の間隔または第2ヘッドユニット421の2つの部品実装用ヘッド421a同士の間隔と同一となるように、第1取出装置401および第2取出装置402の少なくとも一方を移動させる。このように構成することによって、互いに独立して移動可能な第1取出装置401のウエハヘッド401aと第2取出装置402のウエハヘッド402aとを用いて、それぞれのウエハヘッドのウエハ部品をヘッドユニットの4つの部品実装用ヘッドの内いずれかの隣接する2つの部品実装用ヘッドに同時に受け渡すことができる。
なお、図14に示すように、第3実施形態では、第1取出装置401および第2取出装置402から第1ヘッドユニット420または第2ヘッドユニット421へのウエハ部品の受け渡し時に、第1取出装置401のウエハヘッド401aと第2取出装置402のウエハヘッド402aとの間隔D4が第1ヘッドユニット420の2つの部品実装用ヘッド420a同士の間隔または第2ヘッドユニット421の2つの部品実装用ヘッド421a同士の間隔D5の2倍(整数倍)と同一となるように、第1取出装置401および第2取出装置402の少なくとも一方を移動させる。これにより、互いに独立して移動可能な第1取出装置401のウエハヘッド401aと第2取出装置402のウエハヘッド402aとを用いて、それぞれのウエハヘッドのウエハ部品をヘッドユニットの4つの部品実装用ヘッドの内いずれかの、間隔がD5の2倍(整数倍)の2つの部品実装用ヘッドに同時に受け渡すことができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、ヘッドユニットの部品実装用ヘッドを2つまたは4つ設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、3つまたは5つ以上設けてもよい。また、取出装置の取出ヘッドを3つ以上設けてもよい。
この場合、上記第1あるいは第2実施形態において、取出装置6(301、302)の第1ウエハヘッド6aと第2ウエハヘッド6bとの間隔D1が、ヘッドユニット41(42、202、304)の同じ間隔D2(D3)で並ぶ3つ以上の部品実装用ヘッド41a(42a、304a)に対し、間隔D2(D3)の整数倍と同一となるようにする。これにより、隣接する2つの部品実装用ヘッド、あるいは間に他の部品実装用ヘッドが1つあるいは複数介在する2つの部品実装用ヘッドに、それぞれのウエハヘッドのウエハ部品を同時に受け渡すことができる。
また、上記第1〜第3実施形態では、取出装置を介してベアチップをヘッドユニットに吸着させた例を示したが、本発明はこれに加え、ヘッドユニットのノズルをウエハ保持テーブル上のウエハWまでアクセス可能に構成することにより、ヘッドユニットが取出装置を介さずに直接ベアチップを吸着可能に構成してもよい。すなわち、ベアチップの種類に対応して取出装置を介してベアチップをフェイスダウン状態でヘッドユニットに吸着させて実装したり、取出装置を介さずに直接ベアチップをフェイスアップ状態で吸着させて実装したりを、実装機100〜400のいずれかの1台あるいは複数台の実装機で実施するようにしても良い。
この場合、上記第1〜第3実施形態のようにヘッドユニットのY方向の可動範囲をコンベア2の近傍までにする場合には、突上げ装置をコンベア2の近傍に設置するか、または突上げ装置をコンベア2の近傍に移動可能なようにY方向に移動可能に構成する必要がある。また、第1実施形態などのように突上げ装置が部品取出作業位置でY方向に固定されている場合にも、ヘッドユニットのY方向の可動範囲を部品取出作業位置まで広げることにより、ヘッドユニットが取出装置を介さずに直接ベアチップを吸着することが可能となる。
また、上記第1実施形態では、図5に示したように、取出装置6がヘッドユニットに部品を受け渡す時に、カメラ8のY方向の位置Y2と突上げ装置7のY方向の位置とが重なるように突上げ装置7を配置(Y方向に固定)したが、本発明はこれに限られない。すなわち、部品の受け渡し時の取出装置のY方向の位置Y1と、その時の移動カメラのY方向の位置Y2との間に突上げ装置7を配置(Y方向に固定)してもよい。この場合、部品の受け渡し動作と並行して次の部品の撮像を行った後、その次の部品の取出動作を行う際に、取出装置とウエハ保持テーブル(取出し対象部品)とを互いに近づき合うようにY方向に移動させて突上げ装置の上方に位置合わせすることができる。これにより、部品のヘッドユニットへの受け渡しから次の部品の取出しまでの時間をさらに短縮することができる。なお、取出装置のY方向の移動速度とウエハ保持テーブルの移動速度とが等しいときは、突上げ装置を位置Y1と位置Y2との中間に配置(Y方向に固定)する。取出装置のY方向の移動速度がウエハ保持テーブルの移動速度よりも小さいときは、その速度差に応じて、突上げ装置を位置Y1と位置Y2との中間よりも位置Y1寄りとする。
また、上記第1〜第3実施形態では、ウエハ保持テーブル、取出装置、突上げ装置、部品位置認識用のカメラなどをボールねじを用いて駆動した例を示したが、本発明はこれに限らず、リニアモータなど他の駆動機構を用いてもよい。また、ヘッドユニットについてはリニアモータを用いて駆動した例を示したが、本発明はこれに限らず、ボールねじを用いて駆動しても良い。
また、上記第1および第2実施形態では、1つの取出装置に2つのウエハヘッドと2つのウエハヘッドにそれぞれ対応する2つの駆動モータとを設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、2つ(複数)のウエハヘッドを1つの駆動モータにより上下反転駆動させてもよい。この場合にも、駆動モータを2つのウエハヘッドの外側に配置することが好ましい。
また、上記第1〜第3実施形態では、ウエハ保持テーブル5がY方向にのみ移動可能で、かつ、取出装置および突上げ装置7をX方向に移動可能に構成した例について説明したが、本発明はこれに限らず、ウエハ保持テーブルをXY方向に移動可能にしてもよい。この場合、たとえば突上げ装置がXY方向に固定されている場合(取出し位置が固定されている場合)にも、ウエハ保持テーブルをX方向およびY方向に移動させることにより、取出対象のウエハ部品を取出装置の取出ヘッドと突上げ装置とにより挟まれる取出し位置に移動させて取出動作を行うことができる。
また、上記第3実施形態では、第1取出装置および第2取出装置にそれぞれ1つのウエハヘッドを設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、第1取出装置および第2取出装置にそれぞれ複数のウエハヘッドを設けてもよい。