JP6582776B2 - シリカ粒子、及びシリカ粒子の製造方法 - Google Patents

シリカ粒子、及びシリカ粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリカ粒子、及びシリカ粒子の製造方法に関する。
シリカ粒子は、化粧品、ゴム、研磨剤等の添加成分または主成分として用いられ、例えば、樹脂の強度向上、粉体の流動性向上、最密充填に近づく現象(パッキング)の抑制などの役割を担っている。シリカ粒子の有する性質は、シリカ粒子の形状と表面性状に依存し易いと考えられ、シリカ粒子の異形化や、シリカ粒子の表面処理が提案されている。
例えば、特許文献1には、「体積平均粒径が80nm以上300nm以下であり、平均円形度が0.5以上0.85以下であり、且つ、オイルにより表面処理されたゾルゲルシリカ粒子」が提案されている。
特許文献2には、「超臨界二酸化炭素中で、オイルによりシリカ粒子の表面を表面処理する工程を有するシリカ粒子の製造方法」が提案されている。
特許文献3には、「特定のテトラアルコキシシラン等の共加水分解および縮合反応によって得られる球状親水性シリカ微粒子と、加水分解性シリル基を有し、親水性基を有しない特定のポリジオルガノシロキサンとを混合し、前記球状親水性シリカ微粒子を特定のポリジオルガノシロキサンと反応させた後、該反応後のシリカ微粒子を、特定のシラザン化合物等と反応させることによって得られる、1次粒子の平均粒子径が0.01〜5μmの球状ポリジオルガノシロキサン化シリカ微粒子からなる静電荷像現像用トナー外添剤」が提案されている。
特許文献4には、「シリコーンオイルにて処理された平均一次粒子径が50〜200nmである表面処理シリカ微粒子であり、該表面処理シリカ微粒子のメタノール滴定法による疎水化度が65容量%以上であり、且つメタノール濃度が60容量%のメタノール水における浮遊率が90%以上であることを特徴とする表面処理シリカ微粒子」が提案されている。
特許文献5には、「特定のポリシロキサンを、原体シリカ粉末100重量部に対して、A/20〜A/5重量部(但し、Aは原体シリカ粉末の比表面積(m/g)である。)の割合で該原体シリカ粉末に付着せしめ、且つ、クロロホルムを溶媒として用い、ソックスレー抽出法により8時間抽出後のポリシロキサンの残存量が原体シリカ粉末100重量部に対して、A/25重量部以上となるように、ポリシロキサンの分解温度未満で加熱処理を行い、次いで、ヘキサメチルジシラザンよりなるトリメチルシリル化剤で処理することを特徴とする疎水性シリカ粉末の製造方法」が提案されている。
特許文献6には、「シリコーンオイルを含む無機微粒子からなり、該シリコーンオイルの遊離率が10〜65%であることを特徴とする、電子写真トナー用外添剤」が提案されている。
特許文献7には、「反応性変性シリコーンオイルにより表面処理された無機酸化物粉末であって、無機酸化物粉末に反応性変性シリコーンオイルを添加して1次処理した後、2次処理して得られ、該1次処理の温度が150〜280℃で、処理時間が5〜120分であり、該2次処理の温度が280℃を超え330℃以下で、処理時間が5〜180分であり、該反応性変性シリコーンオイルが、ジメチルハイドロジェンポリシリコーン及び/又は両末端シラノールジメチルシリコーンオイルであり、カーボン固定化率が90%以上で、疎水率が95%以上であることを特徴とする表面改質無機酸化物粉末」が提案されている。
特開2014−162678号公報 特開2014−185069号公報 特許第4347201号公報 特許第4758655号公報 特許第4828032号公報 特開2009−098700号公報 特開2009−292915号公報
本発明の課題は、圧縮凝集度が60%未満若しくは95%を超える場合、又は、粒子圧縮比が0.20未満若しくは0.40を超える場合に比べ、流動性及び分散性が良好であると共に、取り扱い性が向上したシリカ粒子を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
圧縮凝集度が60%以上95%以下、粒子圧縮比が0.20以上0.40以下であるシリカ粒子。
請求項2に係る発明は、
平均円相当径が40nm以上200nm以下である請求項1に記載のシリカ粒子。
請求項3に係る発明は、
粒子分散度が90%以上100%以下である請求項1又は請求項2に記載のシリカ粒子。
請求項4に係る発明は、
粘度1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物により表面処理され、前記シロキサン化合物の表面付着量が0.01質量%以上5質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のシリカ粒子。
請求項5に係る発明は、
前記シロキサン化合物が、シリコーンオイルである請求項4に記載のシリカ粒子。
請求項6に係る発明は、
表面付着量が0.01質量%以上5質量%以下となるように、粘度1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物により、シリカ粒子の表面を表面処理する工程を有するシリカ粒子の製造方法。
請求項7に係る発明は、
超臨界二酸化炭素中で、前記シリカ粒子の表面を表面処理する工程を行う請求項6に記載のシリカ粒子の製造方法。
請求項8に係る発明は、
前記シロキサン化合物が、シリコーンオイルである請求項6又は請求項7に記載のシリカ粒子の製造方法。
請求項1に係る発明によれば、圧縮凝集度が60%未満若しくは95%を超える場合、又は、粒子圧縮比が0.20未満若しくは0.40を超える場合に比べ、流動性及び分散性が良好であると共に、取り扱い性が向上したシリカ粒子が提供される。
請求項2に係る発明によれば、圧縮凝集度が60%未満若しくは95%を超える場合、又は、粒子圧縮比が0.20未満若しくは0.40を超える場合に比べ、平均円相当径が40nm以上200nm以下であり、流動性及び分散性が良好であると共に、取り扱い性が向上したシリカ粒子が提供される。
請求項3に係る発明によれば、粒子分散度が90%未満の場合に比べ、流動性及び分散性が良好であると共に、取り扱い性が向上したシリカ粒子が提供される。
請求項4又は5に係る発明によれば、粘度が1000cSt未満若しくは50000cStを超えるシロキサン化合物により表面処理された場合、又は、シロキサン化合物の表面付着量が0.01質量%未満若しくは5質量%を超える場合に比べ、流動性及び分散性が良好であると共に、取り扱い性が向上したシリカ粒子が提供される。
請求項6又は8に係る発明によれば、表面付着量が0.01質量%未満若しくは5質量%を超えるように、シロキサン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する工程を有する場合、又は、粘度が1000cSt未満若しくは50000cStを超えるシロキサン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する工程を有する場合に比べ、流動性及び分散性が良好であると共に、取り扱い性が向上したシリカ粒子の製造方法が提供される。
請求項7に係る発明によれば、大気中でシリカ粒子の表面を表面処理する工程を行う場合に比べ、流動性及び分散性が良好であると共に、取り扱い性が向上したシリカ粒子の製造方法が提供される。
本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
<シリカ粒子>
本実施形態に係るシリカ粒子は、圧縮凝集度が60%以上95%以下、粒子圧縮比が0.20以上0.40以下である
本実施形態に係るシリカ粒子は、圧縮凝集度及び粒子圧縮比が上記範囲を満たすことにより、流動性及び分散性が良好であると共に、取り扱い性が向上したシリカ粒子となる。
この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
シリカ粒子は、流動性が良好なため、無機・有機粉体材料の流動化剤として使用されるが、流動性が良い半面、嵩密度が低く、空気中に舞いやすい性質を有する。このため、シリカ粒子は、容器内に充填しにくい上、容器間の入れ替えが行いにくいことがある。また、シリカ粒子を使用する際には、秤量しにくく、搬送(持ち運び)しにくいこともある。つまり、シリカ粒子は、取り扱い(ハンドリング)が困難であることが多い。
一方、シリカ粒子の流動性と共に、付着対象物への分散性を高めることを目的として、疎水化処理剤を用いてシリカ粒子の表面を表面処理する技術が知られている。この技術によれば、シリカ粒子の流動性、及び付着対象物への分散性は向上するが、嵩密度の低さ、及び空気中への舞いやすさは十分改善されず、シリカ粒子の取り扱い性は低いままである。
また、シリカ粒子の表面に高い疎水性を付与したり、付着対象物への付着性を向上させることを目的として、疎水化処理剤とシリコーンオイルとを併用してシリカ粒子の表面を表面処理する技術も知られている。この技術によれば、付着対象物への付着性が向上すると共に、空気中への舞いやすさが改善され、シリカ粒子の取り扱い性が向上する。しかし逆に、流動性及び分散性は低下し易くなる。
つまり、シリカ粒子の流動性及び分散性と、取り扱い性は相反する関係にあると言える。
これに対し、本実施形態に係るシリカ粒子は、上述のように、圧縮凝集度及び粒子圧縮比を上記範囲とすることで、流動性、分散性、及び取り扱い性の3つの特性が良好となる。
ここで、圧縮凝集度及び粒子圧縮比を上記範囲とする意義について、順に説明する。
まず、シリカ粒子の圧縮凝集度を60%以上95%以下とする意義について説明する。
本実施形態における圧縮凝集度は、シリカ粒子の取り扱い性を示す指標となる。この指標は、シリカ粒子を圧縮することでシリカ粒子の成形体を得た後、このシリカ粒子の成形体を落下させた際の前記成形体のほぐれにくさの程度で示される。
よって、圧縮凝集度が高い程、シリカ粒子は、凝集力(分子間力)が強まる傾向があり、静置した際に、嵩密度が高まり易く、かつ空気中に舞いにくくなることを示す。なお、圧縮凝集度の算出方法の詳細については後述する。
本実施形態では、シリカ粒子の圧縮凝集度を60%以上95%以下と高く制御している。このため、本実施形態に係るシリカ粒子は、取り扱い性が良好である。但し、取り扱い性を良好にしつつ、流動性及び分散性を確保する観点から、上限値は95%としている。
次に、シリカ粒子の粒子圧縮比が0.20以上0.40以下であることの意義について説明する。
本実施形態における粒子圧縮比は、シリカ粒子の流動性を示す指標となる。具体的に、粒子圧縮比は、シリカ粒子の固め見掛け比重及びゆるみ見掛け比重の差と、固め見掛け比重との比((固め見掛け比重−ゆるみ見掛け比重)/固め見掛け比重)で示される。
よって、粒子圧縮比が低い程、シリカ粒子は流動性が高いことを示す。また、流動性が高いと、付着対象物への分散性も高まる傾向がある。なお、粒子圧縮比の算出方法の詳細については後述する。
本実施形態では、粒子圧縮比を0.20以上0.40以下と低く制御している。このため、本実施形態に係るシリカ粒子は、流動性及び付着対象物への分散性が良好である。但し、流動性及び付着対象物への分散性を良好にしつつ、取り扱い性を向上させる観点から、下限値を0.20としている。
以上のことから、本実施形態に係るシリカ粒子は、流動し易く、付着対象物に分散しやすい上、さらに嵩密度が高まり易く、空気中に舞いにくいという特異な性質を有する。したがって、本実施形態に係るシリカ粒子は、流動性及び分散性が良好であると共に、取り扱い性が向上したものとなる。
さらに、本実施形態に係るシリカ粒子は、粒子分散度が90%以上100%以下であることが好ましい。
ここで、シリカ粒子の粒子分散度が90%以上100%以下であることの意義について説明する。
本実施形態における粒子分散度は、シリカ粒子の分散性を示す指標となる。この指標は、一次粒子状態でのシリカ粒子の付着対象物への分散のしやすさの程度で示される。具体的に、粒子分散度は、シリカ粒子による付着対象物表面への計算上の被覆率をCとし、実測の被覆率をCとしたとき、付着対象物への実測の被覆率Cと、計算上の被覆率Cとの比(実測の被覆率C/計算上の被覆率C)で示される。
よって、粒子分散度が高い程、シリカ粒子は凝集しにくく、一次粒子の状態で付着対象物に分散しやすいことを示す。なお、粒子分散度の算出方法の詳細については後述する。
本実施形態に係るシリカ粒子は、圧縮凝集度及び粒子圧縮比を上記範囲に制御しつつ、粒子分散度を90%以上100%以下と高く制御することで、付着対象物への分散性がさらに良好となる。
また、上述のような流動性、分散性、及び取り扱い性の3つの特性が良好なシリカ粒子を得る方法としては、例えば、比較的大きい重量平均分子量を持つシロキサン化合物を用いて、このシロキサン化合物をシリカ粒子表面に付着させる方法が挙げられる。具体的には、粘度が1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物を用いて、表面付着量が0.01質量%以上5質量%以下となるように、シリカ粒子の表面を表面処理する方法が挙げられる。
ここで、本実施形態における表面付着量は、シリカ粒子の表面を表面処理する前のシリカ粒子(未処理のシリカ粒子)に対する割合とする。以下、表面処理後のシリカ粒子を単に、「シリカ粒子」とも称する。
本実施形態に係るシリカ粒子は、粘度が1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物を用いて、表面付着量が0.01質量%以上5質量%以下となるように、シリカ粒子の表面を表面処理することにより、流動性及び分散性と共に、取り扱い性も高まり、圧縮凝集度及び粒子圧縮比が上記要件を満たしやすくなる。
この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
本実施形態におけるシロキサン化合物は、粘度が上記範囲であるため、比較的高い粘性を有する。この特性を有するシロキサン化合物を、シリカ粒子表面に上記範囲で少量付着させると、シリカ粒子表面のシロキサン化合物の特性に由来する機能が発現する。そのメカニズムは明確では無いが、シリカ粒子が流動しているときには、比較的高い粘性を有するシロキサン化合物が上記範囲で少量付着していることにより、シロキサン化合物に由来する離型性が発現し易くなるか、または、シロキサン化合物の立体障害による粒子間力の低減によりシリカ粒子同士の付着性が低減する。これにより、シリカ粒子の流動性及び分散性が高まる。
また、シリカ粒子が静置又は加圧されるときは、表面のシロキサン化合物の長い分子鎖が絡み合い、シリカ粒子同士の凝集が強まり、シリカ粒子の最密充填性が高まると共に、シリカ粒子が舞うことが抑制される。そして、このシロキサン化合物の長い分子鎖が絡み合うことによるシリカ粒子の凝集力は、シリカ粒子を流動させると解除されると考えられる。
以上のことから、粘度が上記範囲のシロキサン化合物をシリカ粒子表面に上記範囲で少量付着させると、圧縮凝集度及び粒子圧縮比が上記要件を満たしやすくなり、粒子分散度も上記要件を満たしやすくなる。また、シリカ粒子が他の部材に移行して材料を汚染したり、その材料の性能を悪化させることも少なくなる。
以下、本実施形態に係るシリカ粒子の特性について詳細に説明する。
−圧縮凝集度−
シリカ粒子の圧縮凝集度は、取り扱い性を良好にしつつ、流動性及び分散性を確保する観点から、60%以上95%以下であり、好ましくは65%以上95%以下、より好ましくは70%以上95%以下である。
圧縮凝集度は、以下に示す方法により算出される。
直径6cm、円盤状(ディスク状)の金型に、シリカ粒子を6.0g充填する。次いで、圧縮成型機(前川試験機製作所社製)を用いて圧力5.0t/cmで金型を60秒圧縮し、圧縮された円盤状のシリカ粒子の成形体(以下、「落下前の成形体」と称する)を得る。その後、落下前の成形体の質量を測定する。
次いで、落下前の成形体を600μmのふるい網上に配置し、振動ふるい機(筒井理化学機器社製:品番VIBRATING MVB−1)により、落下前の成形体を振幅1mmの条件下で落下させる。これにより、落下前の成形体から前記ふるい網を介してシリカ粒子が落下し、前記ふるい網上にシリカ粒子の成形体が残存する。その後、残存したシリカ粒子の成形体(以下、「落下後の成形体」と称する)の質量を測定する。
そして、以下の式(1)を用いて、落下後の成形体の質量と落下前の成形体の質量との比から、圧縮凝集度を算出する。
・式(1):圧縮凝集度=(落下後の成形体の質量/落下前の成形体の質量)×100
−粒子圧縮比−
シリカ粒子の粒子圧縮比は、流動性及び付着対象物への分散性を良好にしつつ、取り扱い性を確保する観点から、0.20以上0.40以下であり、好ましくは0.24以上0.38以下、より好ましくは0.28以上0.36以下である。
粒子圧縮比は、以下に示す方法により算出される。
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用いて、シリカ粒子のゆるみ見掛け比重と固め見掛け比重とを測定する。そして、以下の式(2)を用いて、シリカ粒子の固め見掛け比重及びゆるみ見掛け比重の差と、固め見掛け比重との比から粒子圧縮比を算出する。
・式(2):粒子圧縮比=(固め見掛け比重−ゆるみ見掛け比重)/固め見掛け比重
なお、「ゆるみ見掛け比重」とは、容量が100cmの容器へシリカ粒子を充填し、秤量することで導き出される測定値であって、シリカ粒子を容器中に自然落下させた状態の充填比重をいう。「固め見掛け比重」とは、ゆるみ見掛け比重の状態から、180回繰り返し容器底部に衝撃を与える(タッピング)ことにより、脱気され、シリカ粒子が再配列し、より密に充填された、見掛け比重をいう。
−粒子分散度−
シリカ粒子の粒子分散度は、付着対象物への分散性をさらに良好にする観点から、好ましくは90%以上100%以下であり、より好ましくは95%以上100%以下であり、さらに好ましくは100%である。
粒子分散度とは、付着対象物(ポリエステル樹脂粒子:体積平均粒径100μm、重量平均分子量Mw=50000)への実測の被覆率Cと、計算上の被覆率Cとの比であり、以下の式(3)を用いて算出される。
・式(3):粒子分散度=実測の被覆率C/計算上の被覆率C
ここで、シリカ粒子によるポリエステル樹脂粒子表面への計算上の被覆率Cは、ポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径をdt(m)、シリカ粒子の平均円相当径をda(m)、ポリエステル樹脂粒子の比重をρt、シリカ粒子の比重をρa、ポリエステル樹脂粒子の重量をWt(kg)、シリカ粒子の添加量をWa(kg)としたとき、下記式(3−1)で算出することができる。
・式(3−1):計算上の被覆率C=√3/(2π)×(ρt/ρa)×(dt/da)×(Wa/Wt)×100(%)
シリカ粒子によるポリエステル樹脂粒子表面への実測の被覆率Cは、X線光電子分光装置(XPS)(「JPS−9000MX」:日本電子(株)製)により、ポリエステル樹脂粒子のみ、シリカ粒子のみ、及びシリカ粒子を含むポリエステル樹脂粒子について、それぞれシリカ粒子に由来するケイ素原子のシグナル強度を測定し、下記式(3−2)で算出することができる。
・式(3−2):実測の被覆率C=(z−x)/(y−x)×100(%)
(式(3−2)中、xは、ポリエステル樹脂粒子のみのシリカ粒子に由来するケイ素原子のシグナル強度を示す。yは、シリカ粒子のみのシリカ粒子に由来するケイ素原子のシグナル強度を示す。zは、シリカ粒子を含むポリエステル樹脂粒子についてのシリカ粒子に由来するケイ素原子のシグナル強度を示す。)
−平均円相当径−
シリカ粒子の平均円相当径は、シリカ粒子の流動性、分散性及び取り扱い性を良好にする観点から、40nm以上200nm以下が好ましく、50nm以上180nm以下がより好ましく、60nm以上160nm以下がさらに好ましい。
シリカ粒子の平均円相当径D50は、体積平均粒径100μmの樹脂粒子(ポリエステル、重量平均分子量Mw=50000)にシリカ粒子を分散させた後の一次粒子を、走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置((株)日立製作所製:S−4100)により観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込み、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの面積を測定し、この面積値から円相当径を算出する。得られた円相当径の累積頻度における50%径(D50)をシリカ粒子の平均円相当径D50とする。なお、電子顕微鏡は1視野中にシリカ粒子が10個以上50個以下程度写るように倍率が調整され、複数視野の観察を合わせて一次粒子の円相当径が求められる。
−平均円形度−
シリカ粒子の形状は、球形状、異形状のいずれであってもよいが、平均円形度は、シリカ粒子の流動性、分散性及び取り扱い性を良好にする観点から、0.85以上0.98以下が好ましく、0.90以上0.98以下がより好ましく、0.93以上0.98以下がさらに好ましい。
シリカ粒子の平均円形度は、以下に示す方法により測定される。
まず、シリカ粒子の円形度は、体積平均粒径100μmの樹脂粒子(ポリエステル、重量平均分子量Mw=50000)にシリカ粒子を分散させた後の一次粒子を、SEM装置により観察し、得られた一次粒子の平面画像解析から、下記式により算出される「100/SF2」として得られる。
・式:円形度(100/SF2)=4π×(A/I
〔式(1)中、Iは画像上における一次粒子の周囲長を示し、Aは一次粒子の投影面積を表す。
そして、シリカ粒子の平均円形度は、上記平面画像解析によって得られた一次粒子100個の円形度の累積頻度における50%円形度として得られる。
以下、本実施形態に係るシリカ粒子の構成について詳細に説明する。
<シリカ粒子>
シリカ粒子は、シリカ(即ちSiO)を主成分とする粒子であり、結晶性でも非晶性でもよい。シリカ粒子は、水ガラスやアルコキシシラン等のケイ素化合物を原料に製造された粒子であってもよいし、石英を粉砕して得られる粒子であってもよい。
シリカ粒子として、具体的には、ゾルゲル法で作製されるシリカ粒子(以下「ゾルゲルシリカ粒子」)、水性コロイダルシリカ粒子、アルコール性シリカ粒子、気相法により得られるフュームドシリカ粒子、溶融シリカ粒子等が挙げられ、これらの中でも、ゾルゲルシリカ粒子が好ましい。
本実施形態に係るシリカ粒子は、圧縮凝集度、粒子圧縮比、及び粒子分散度が特定の範囲を満たす。これらの圧縮凝集度、粒子圧縮比、及び粒子分散度を特定の範囲とするためには、シリカ粒子はシロキサン化合物により表面処理されていることが好ましい。
表面処理方法としては、超臨界二酸化炭素を利用し、超臨界二酸化炭素中でシリカ粒子の表面を表面処理することが好ましい。なお、表面処理方法については後述する。
(シロキサン化合物)
シロキサン化合物としては、分子構造中にシロキサン骨格を有するものであれば特に制限されない。
シロキサン化合物としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーン樹脂が挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子表面を均一に近い状態で表面処理する観点から、シリコーンオイルが好ましい。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸アミド変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。中でも、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルが好ましい。
上記シロキサン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
−粘度−
シロキサン化合物の粘度(動粘度)は、シリカ粒子の流動性、分散性及び取り扱い性を良好にする観点から、1000cSt以上50000cSt以下が好ましく、2000cSt以上30000cSt以下がより好ましく、3000cSt以上10000cSt以下がさらに好ましい。
シロキサン化合物の粘度は次の手順で求められる。シリカ粒子にトルエンを加え超音波分散機で30分間分散させる。その後、上澄みを回収する。このとき1g/100ml濃度のシロキサン化合物のトルエン溶液とする。このときの比粘度〔ηsp〕(25℃)を下記式(A)により求める。
・式(A):ηsp=(η/η)−1
(η:トルエンの粘度、η:溶液の粘度)
次に、比粘度〔ηsp〕を下記式(B)に示すHugginsの関係式に代入し、固有粘度〔η〕を求める。
・式(B):ηsp=〔η〕+K’〔η〕
(K’:Hugginsの定数 K’=0.3(〔η〕=1〜3の適応時))
次に、固有粘度〔η〕を下記式(C)に示すA.Kolorlovの式に代入し、分子量Mを求める。

・式(C):〔η〕=0.215×10−40.65
分子量Mを下記式(D)に示すA.J.Barryの式に代入してシロキサン粘度〔η〕を求める。
・式(D):logη=1.00+0.0123M0.5
−表面付着量−
シロキサン化合物のシリカ粒子表面への表面付着量は、シリカ粒子の流動性、分散性及び取り扱い性を良好にする観点から、シリカ粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上3質量%以下がより好ましく、0.10質量%以上2質量%以下がさらに好ましい。
表面付着量は、以下に示す方法により測定される。
シリカ粒子100mgを、クロロホルム1mL中に分散し、内部標準液としてDMFを1μL加えた後、超音波洗浄機で30分間超音波処理し、クロロホルム溶媒中へシロキサン化合物の抽出を行う。その後JNM−AL400型核磁気共鳴装置(JEOL日本電子データム株式会社製)で水素核スペクトル測定を行い、DMF由来ピーク面積に対するシロキサン化合物由来ピーク面積の比からシロキサン化合物表面付着量を得る。
ここで、本実施形態に係るシリカ粒子は、粘度1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物により表面処理され、かつ、シロキサン化合物のシリカ粒子表面への表面付着量が0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
上記要件を満たすことで、流動性及び分散性が良好であると共に、取り扱い性が向上したシリカ粒子が得られる。
<シリカ粒子の製造方法>
本実施形態に係るシリカ粒子は、シリカ粒子に対して、表面付着量が0.01質量%以上5質量%以下となるように、粘度1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物により、シリカ粒子の表面を表面処理することで得られる。
本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法によれば、流動性及び分散性が良好であると共に、取り扱い性が向上したシリカ粒子が得られる。
前記表面処理方法としては、超臨界二酸化炭素中で、シロキサン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する方法;大気中で、シロキサン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する方法;が挙げられる。
前記表面処理方法としては、具体的に、例えば、超臨界二酸化炭素を利用して、超臨界二酸化炭素中にシロキサン化合物を溶解させて、シリカ粒子表面にシロキサン化合物を付着させる方法;大気中において、シロキサン化合物とシロキサン化合物を溶解する溶媒とを含む溶液をシリカ粒子表面に付与(例えば噴霧、塗布)して、シリカ粒子表面にシロキサン化合物を付着させる方法;大気中において、シリカ粒子分散液にシロキサン化合物とシロキサン化合物を溶解する溶媒とを含む溶液を添加して保持した後、シリカ粒子分散液及び前記溶液の混合溶液を乾燥させる方法;が挙げられる。
中でも、前記表面処理方法としては、超臨界二酸化炭素を利用して、シリカ粒子表面にシロキサン化合物を付着させる方法が好ましい。
前記表面処理を超臨界二酸化炭素中で行うと、超臨界二酸化炭素中にシロキサン化合物が溶解した状態となる。超臨界二酸化炭素は界面張力が低いという特性を持つことから、超臨界二酸化炭素中に溶解した状態のシロキサン化合物は、超臨界二酸化炭素と共に、シリカ粒子の表面の孔部の深くまで拡散して到達し易くなるものと考えられ、シリカ粒子の表面のみならず、孔部の奥深くまで、シロキサン化合物による表面処理がなされると考えられる。
このため、超臨界二酸化炭素中でシロキサン化合物により表面処理されたシリカ粒子は、シロキサン化合物により表面が均一に近い状態(例えば薄膜状に表面処理層が形成されている状態)に処理されたシリカ粒子になると考えられる。
また、本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法では、超臨界二酸化炭素中でシロキサン化合物と共に疎水化処理剤を用いてシリカ粒子の表面に疎水性を付与する表面処理を行ってもよい。
この場合、超臨界二酸化炭素中にシロキサン化合物と共に疎水性処理剤が溶解した状態となり、超臨界二酸化炭素中に溶解した状態のシロキサン化合物及び疎水性処理剤は、超臨界二酸化炭素と共に、シリカ粒子の表面の孔部の深くまで拡散して到達し易くなるものと考えられ、シリカ粒子の表面のみならず、孔部の奥深くまで、シロキサン化合物及び疎水性処理剤による表面処理がなされると考えられる。
この結果、超臨界二酸化炭素中でシロキサン化合物及び疎水性処理剤により表面処理されたシリカ粒子は、シロキサン化合物及び疎水性処理剤により表面が均一に近い状態に処理されると共に、高い疎水性が付与され易くなる。
また、本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法では、シリカ粒子の他の製造過程(例えば、溶媒除去工程等)において、超臨界二酸化炭素を利用してもよい。
他の製造過程において超臨界二酸化炭素を利用するシリカ粒子の製造方法としては、例えば、ゾルゲル法によって、シリカ粒子とアルコール及び水を含む溶媒とを含有するシリカ粒子分散液を準備する工程(以下、「分散液準備工程」と称する)と、超臨界二酸化炭素を流通させ、シリカ粒子分散液から溶媒を除去する工程(以下、「溶媒除去工程」と称する)と、超臨界二酸化炭素中で、溶媒を除去した後のシリカ粒子の表面をシロキサン化合物により表面処理する工程(以下、「表面処理工程」と称する)と、を有するシリカ粒子の製造方法が挙げられる。
また、シリカ粒子分散液からの溶媒除去を、超臨界二酸化炭素を利用して行うと、粗粉の発生が抑えられ易くなる。
この理由は定かではないが、1)シリカ粒子分散液の溶媒を除去する場合、超臨界二酸化炭素が「界面張力が働かない」という性質から、溶媒を除去する際の液架橋力による粒子同士の凝集もなく溶媒を除去できるものと考えられる点、2)超臨界二酸化炭素の「臨界点以上の温度・圧力下においた状態の二酸化炭素であり、気体の拡散性と液体の溶解性との双方を持つ」といった性質により、比較的低温(例えば250℃以下)で、超臨界二酸化炭素に効率良く接触し、溶媒を溶解することから、この溶媒を溶解した超臨界二酸化炭素を除去することで、シラノール基の縮合による2次凝集体等の粗粉を生じることなくシリカ粒子分散液中の溶媒を除去できるものと考えられる点、等が理由として考えられる。
ここで、溶媒除去工程、及び表面処理工程は、個別に行なってもよいが、連続(つまり大気圧下に開放しない状態で各工程を実施)して行うことが好ましい。これら各工程を連続して行うことと、溶媒除去工程後において、シリカ粒子が水分を吸着する機会を無くし、シリカ粒子への過剰な水分の吸着が抑えられた状態で、表面処理工程を行える。これにより、大量のシロキサン化合物を使用したり、過剰な加熱を行い高温で、溶媒除去工程及び表面処理工程を行う必要がなくなる。その結果、より効果的に、粗粉の発生が抑えられ易くなる。
以下、本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法の詳細について、各工程別に詳細に説明する。
なお、本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法は、これに限られるわけではなく、例えば、1)表面処理工程のみ超臨界二酸化炭素を使用する態様、2)各工程を個別に行う態様等であってもよい。
以下、各工程について詳細に説明する。
−分散液準備工程−
分散液準備工程では、例えば、シリカ粒子とアルコール及び水を含む溶媒とを含有するシリカ粒子分散液を準備する。
具体的には、分散液準備工程は、例えば、湿式(例えば、ゾルゲル法等)によりシリカ粒子分散液を作製して、これを準備する。特に、シリカ粒子分散液は、湿式としてゾルゲル法、具体的には、テトラアルコキシシランを、アルコール及び水の溶媒にアルカリ触媒存在下で、反応(加水分解反応、縮合反応)を生じさせてシリカ粒子を生成し、シリカ粒子分散液を作製することがよい。
なお、シリカ粒子の平均円相当径の好ましい範囲、及び平均円形度の好ましい範囲は既述のとおりである。
分散液準備工程において、例えば、シリカ粒子を湿式により得る場合、シリカ粒子が溶媒に分散された分散液(シリカ粒子分散液)の状態で得られる。
ここで、溶媒除去工程に移行する際、準備するシリカ粒子分散液は、そのアルコールに対する水の質量比が例えば0.05以上1.0以下であることがよく、好ましくは0.07以上0.5以下、より好ましくは0.1以上0.3以下である。
シリカ粒子分散液において、そのアルコールに対する水の質量比を上記範囲とすると、表面処理後にシリカ粒子の粗粉の発生が少なく、良好な電気抵抗を有するシリカ粒子が得られ易くなる。
アルコールに対する水の質量比が0.05を下回ると、溶媒除去工程において、溶媒を除去する際のシリカ粒子表面のシラノール基の縮合が少なくなることから、溶媒除去後のシリカ粒子表面への吸着水分が多くなることで、表面化処理後のシリカ粒子の電気抵抗が低くなり過ぎることがある。また、水の質量比が1.0を超えると、溶媒除去工程において、シリカ粒子分散液中の溶媒除去の終点付近で水が多く残留し、液架橋力によるシリカ粒子同士の凝集が生じ易く、表面処理後に粗粉として存在することがある。
また、溶媒除去工程に移行する際、準備するシリカ粒子分散液は、そのシリカ粒子に対する水の質量比が例えば0.02以上3以下であることがよく、好ましくは0.05以上1以下、より好ましくは0.1以上0.5以下である。
シリカ粒子分散液において、そのシリカ粒子に対する水の質量比を上記範囲とすると、シリカ粒子の粗粉の発生が少なく、良好な電気抵抗を有するシリカ粒子が得られ易くなる。
シリカ粒子に対する水の質量比が0.02を下回ると、溶媒除去工程において、溶媒を除去する際のシリカ粒子表面のシラノール基の縮合が極端に少なくなることから、溶媒除去後のシリカ粒子表面への吸着水分が多くなることで、シリカ粒子の電気抵抗が低くなり過ぎることがある。
また、水の質量比が3を超えると、溶媒除去工程において、シリカ粒子分散液中の溶媒除去の終点付近で水が多く残留し、液架橋力によるシリカ粒子同士の凝集が生じ易くなることがある。
また、溶媒除去工程に移行する際、準備するシリカ粒子分散液は、当該シリカ粒子分散液に対するシリカ粒子の質量比が例えば0.05以上0.7以下がよく、好ましくは0.2以上0.65以下、より好ましくは0.3以上0.6以下である。
シリカ粒子分散液に対するシリカ粒子の質量比が0.05を下回ると、溶媒除去工程において、使用する超臨界二酸化炭素の量が多くなり、生産性が悪くなってしまうことがある。
また、シリカ粒子分散液に対するシリカ粒子の質量比が0.7を超えると、シリカ粒子分散液中においてシリカ粒子間距離が近くなり、シリカ粒子の凝集やゲル化による粗粉が発生し易くなることがある。
−溶媒除去工程−
溶媒除去工程は、例えば、超臨界二酸化炭素を流通させ、シリカ粒子分散液の溶媒を除去する工程である。
つまり、溶媒除去工程では、超臨界二酸化炭素を流通させることにより、超臨界二酸化炭素をシリカ粒子分散液に接触させて、溶媒を除去する工程である。
具合的には、溶媒除去工程では、例えば、密閉反応器内に、シリカ粒子分散液を投入する。その後、密閉反応器内に、液化二酸化炭素を加えて加熱し、高圧ポンプにより反応器内を昇圧させ、二酸化炭素を超臨界状態とする。そして、密閉反応器内に超臨界二酸化炭素を導入すると共に、排出し、密閉反応器内、つまりシリカ粒子分散液に流通させる。
これにより、超臨界二酸化炭素が溶媒(アルコール及び水)を溶解しつつ、これを同伴してシリカ粒子分散液の外部(密閉反応器内の外部)へと排出され、溶媒が除去される。
ここで、超臨界二酸化炭素とは、臨界点以上の温度・圧力下においた状態の二酸化炭素であり、気体の拡散性と液体の溶解性との双方を持つものである。
溶媒除去の温度条件、つまり超臨界二酸化炭素の温度は、例えば、31℃以上350℃以下がよく、好ましくは60℃以上300℃以下、より好ましくは、80℃以上250℃以下である。
この温度が上記範囲未満であると、溶媒が超臨界二酸化炭素に溶解し難くなるため、溶媒の除去がし難くなることがある。また溶媒や超臨界二酸化炭素の液架橋力により粗粉が生じ易くなることがあると考える。一方、この温度が上記範囲を超えると、シリカ粒子表面のシラノール基の縮合により2次凝集体等の粗粉が生じ易くなることがあると考えられる。
溶媒除去の圧力条件、つまり超臨界二酸化炭素の圧力は、例えば、7.38MPa以上40MPa以下がよく、好ましくは10MPa以上35MPa以下、より好ましくは15MPa以上25MPa以下である。
この圧力が上記範囲未満であると、超臨界二酸化炭素に溶媒が溶解し難くなる傾向にあり、一方、圧力が上記範囲を超えると、設備が高額となる傾向となる。
また、密閉反応器内への超臨界二酸化炭素の導入・排出量は、例えば、15.4L/分/m以上1540L/分/m以下であることがよく、好ましくは77L/分/m以上770L/分/m以下である。
導入・排出量が15.4L/分/m未満であると、溶媒除去に時間がかかるため生産性が悪くなり易くなる傾向となる。
一方、導入・排出量が1540L/分/m以上であると、超臨界二酸化炭素がショートパスし、シリカ粒子分散液の接触時間が短くなってしまい、効率的に溶媒除去でき難くなる傾向となる。
−表面処理工程−
表面処理工程は、例えば、溶媒除去工程と連続して、超臨界二酸化炭素中で、シロキサン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する工程である。
つまり、表面処理工程では、例えば、溶媒除去工程から移行する前に、大気開放を行わず、超臨界二酸化炭素中で、シロキサン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する。
具体的には、表面処理工程では、例えば、溶媒除去工程における密閉反応器内への超臨界二酸化炭素を導入・排出を停止した後、密閉反応器内の温度、圧力を調整し、密閉反応器内に、超臨界二酸化炭素が存在する状態で、シリカ粒子に対して一定の割合のシロキサン化合物を投入する。そして、この状態を維持した状態、つまり超臨界二酸化炭素中で、シロキサン化合物を反応させて、シリカ粒子の表面処理を行う。
ここで、表面処理工程は、超臨界二酸化炭素中で(つまり超臨界二酸化炭素の雰囲気下で)、シロキサン化合物の反応を行えばよく、超臨界二酸化炭素を流通(つまり密閉反応器内への超臨界二酸化炭素を導入・排出)させながら表面処理を行ってよいし、非流通で表面処理を行ってもよい。
表面処理工程において、反応器の容積に対するシリカ粒子の量(つまり仕込み量)は、例えば、30g/L以上600g/L以下がよく、好ましくは50g/L以上500g/L以下、より好ましくは80g/L以上400g/L以下である。
この量が上記範囲より少ないとシロキサン化合物の超臨界二酸化炭素に対する濃度が低くなりシリカ表面との接触確率が低下し、反応が進み難くなることがある。一方で、この量が上記範囲よりも多いと、シロキサン化合物の超臨界二酸化炭素に対する濃度が高くなり、シロキサン化合物が超臨界二酸化炭素へ溶解しきれず分散不良となり、粗大凝集物を発生させ易くなる。
超臨界二酸化炭素の密度は、例えば、0.10g/ml以上0.80g/ml以下がよく、好ましくは0.10g/ml以上0.60g/ml以下、より好ましくは0.2g/ml以上0.50g/ml以下)である。
この密度が上記範囲より低いと、超臨界二酸化炭素に対するシロキサン化合物の溶解度が低下し、凝集物を発生させる傾向がある。一方で、密度が上記範囲よりも高いと、シリカ細孔への拡散性が低下するため、表面処理が不十分となる場合がある。特に、シラノール基を多く含有しているゾルゲルシリカ粒子に対しては上記密度範囲での表面処理を行うことがよい。
なお、超臨界二酸化炭素の密度は、温度及び圧力等により調整される。
シロキサン化合物の具体例は前述のとおりである。また、シロキサン化合物の重量平均分子量の好ましい範囲、及び粘度の好ましい範囲も既述のとおりである。
シロキサン化合物の中でも、シリコーンオイルを適用すると、シリカ粒子表面にシリコーンオイルが均一に近い状態で付着され易くなり、シリカ粒子の流動性、分散性及び取り扱い性が向上し易くなる。
シロキサン化合物の使用量は、シリカ粒子に対する表面付着量を0.01質量%以上5質量%以下に制御し易くする観点から、例えば、シリカ粒子に対し、0.05質量%以上3質量%以下がよく、好ましくは0.1質量%以上2質量%以下、より好ましくは0.15質量%以上1.5質量%以下である。
なお、シロキサン化合物は、単独で使用してもよいが、シロキサン化合物が溶解しやすい溶媒との混合液として使用してもよい。この溶媒としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
表面処理工程では、シロキサン化合物と共に疎水化処理剤を含む混合物によりシリカ粒子の表面処理を行ってもよい。
疎水化処理剤としては、例えば、シラン系疎水化処理剤が挙げられる。シラン系疎水化処理剤としては、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)を持つ公知の珪素化合物が挙げられ、具体例には、例えば、シラザン化合物(例えばメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシランなどのシラン化合物、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン等)等が挙げられる。疎水化処理剤は、1種で用いてもよいし、複数種用いてもよい。
シラン系疎水化処理剤の中でも、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などのトリメチル基を有する珪素化合物、特にヘキサメチルジシラザン(HMDS)が好適である。
シラン系疎水化処理剤の使用量は、特に限定はされないが、例えば、シリカ粒子に対し、例えば、1量%以上100質量%以下がよく、好ましくは3質量%以上80質量%以下、より好ましくは5質量%以上50質量%以下である。
なお、シラン系疎水化処理剤は、単独で使用してもよいが、シラン系疎水化処理剤が溶解しやすい溶媒との混合液として使用してもよい。この溶媒としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
表面処理の温度条件、つまり超臨界二酸化炭素の温度は、例えば、80℃以上300℃以下がよく、好ましくは100℃以上250℃以下、より好ましくは120℃以上200℃以下である。
この温度が上記範囲未満であると、シロキサン化合物による表面処理能力が低下することがある。一方で、温度が上記範囲を超えると、シリカ粒子のシラノール基間による縮合反応が進み、粒子凝集が発生することがある。特に、シラノール基を多く含有しているゾルゲルシリカ粒子に対しては上記温度範囲での表面処理を行うことがよい。
一方、表面処理の圧力条件、つまり超臨界二酸化炭素の圧力は、上記密度を満足する条件であればよいが、例えば、8MPa以上30MPa以下がよく、好ましくは10MPa以上25MPa以下、より好ましくは15MPa以上20MPa以下である。
以上説明した各工程を経て、シリカ粒子が得られる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。また、「部」は特に断りがない限り「質量部」を示す。
(シリカ粒子分散液(1)の調製)
攪拌機、滴下ノズル、温度計を具備した1.5Lのガラス製反応容器にメタノール300部、10%アンモニア水70部を添加して混合し、アルカリ触媒溶液を得た。
このアルカリ触媒溶液を30℃に調整した後、攪拌しながら、テトラメトキシシラン185部と8.0%アンモニア水50部とを同時に滴下を行い、親水性のシリカ粒子分散液(固形分濃度12.0質量%)を得た。ここで、滴下時間は30分とした。
その後、得られたシリカ粒子分散液をロータリーフィルターR−ファイン(寿工業社製)で固形分濃度40質量%まで濃縮した。この濃縮したものをシリカ粒子分散液(1)とした。
(シリカ粒子分散液(2)〜(4)の調製)
シリカ粒子分散液(1)の調製において、表1に従って、アルカリ触媒溶液(メタノール量、及び10%アンモニア水量)、シリカ粒子生成条件(アルカリ触媒溶液へのテトラメトキシシラン(TMOSと表記)及び8%アンモニア水の総滴下量、並びに、滴下時間)を変更した以外は、シリカ粒子分散液(1)と同様にして、シリカ粒子分散液(2)〜(4)を調製した。
表1に、シリカ粒子分散液(1)〜(4)をまとめて示す。
[実施例1]
(表面処理シリカ粒子(S1)の作製)
シリカ粒子分散液(1)を用いて、以下に示すようにして、シリカ粒子に対し超臨界二酸化炭素雰囲気下でシロキサン化合物による表面処理を行った。なお、表面処理には、二酸化炭素ボンベ、二酸化炭素ポンプ、エントレーナポンプ、撹拌機付きオートクレーブ(容量500ml)、圧力弁を具備した装置を用いた。
まず、撹拌機付きオートクレーブ(容量500ml)へ、シリカ粒子分散液(1)を300部投入し、攪拌機を100rpmで回転させた。その後、オートクレーブ内に液化二酸化炭素を注入し、ヒーターにより昇温しながら二酸化炭素ポンプにより昇圧し、オートクレーブ内を150℃、15MPaの超臨界状態とした。圧力弁でオートクレーブ内を15MPaに保ちながら二酸化炭素ポンプより超臨界二酸化炭素を流通させ、シリカ粒子分散液(1)からメタノールと水を除去し(溶媒除去工程)、シリカ粒子(未処理のシリカ粒子)を得た。
次に、流通した超臨界二酸化炭素の流通量(積算量:標準状態の二酸化炭素の流通量として測定)が900部となった時点で、超臨界二酸化炭素の流通を停止した。
その後、ヒーターにより温度150℃、二酸化炭素ポンプにより圧力15MPaを維持し、オートクレーブ内で二酸化炭素の超臨界状態を維持させた状態で、上記シリカ粒子(未処理のシリカ粒子)100部に対して、予め疎水化処理剤としてヘキサメチルジシラザン(HMDS:有機合成薬品工業社製)20部に、シロキサン化合物として、粘度10000cStであるジメチルシリコーンオイル(DSO:商品名「KF-96(信越化学工業社製)」)0.3部を溶解した処理剤溶液をエントレーナポンプにてオートクレーブ内に注入した後、撹拌しながら、180℃で20分間反応させた。その後、再度超臨界二酸化炭素を流通させ、余剰の処理剤溶液を除去した。その後、撹拌を停止し、圧力弁を開けてオートクレーブ内の圧力を大気圧まで開放し温度を室温(25℃)まで下げた。
このように、溶媒除去工程、シロキサン化合物による表面処理を順次行い、表面処理シリカ粒子(S1)を得た。
[実施例2〜5、7〜9]
(表面処理シリカ粒子(S2)〜(S5)、(S7)〜(S9)の作製)
実施例1の表面処理シリカ粒子(S1)の作製において、表2に従って、シリカ粒子分散液、表面処理条件(処理雰囲気、シロキサン化合物(種、粘度及びその添加量)、疎水化処理剤及びその添加量)を変更した以外は、表面処理シリカ粒子(S1)と同様にして、表面処理シリカ粒子(S2)〜(S5)、(S7)〜(S9)を作製した。
[実施例6]
(表面処理シリカ粒子(S6)の作製)
実施例1の表面処理シリカ粒子(S1)の作製で用いたシリカ粒子分散液(1)と同様の分散液を用いて、以下に示すようにして、シリカ粒子に対し大気雰囲気下でシロキサン化合物による表面処理を行った。
シリカ粒子分散液(1)の作製に用いた反応容器にエステルアダプターと冷却管を取り付け、シリカ粒子分散液(1)を60〜70℃に加熱しメタノールを留去したところで水を添加し、さらに70〜90℃に加熱しメタノールを留去しシリカ粒子の水性分散液を得た。この水性分散液中のシリカ固形分100部に対し室温でメチルトリメトキシシラン(MTMS:信越化学工業社製)3部を添加し2時間反応させてシリカ粒子表面の処理を行った。この表面処理分散液にメチルイソブチルケトンを添加した後、80℃〜110℃に加熱しメタノール水を留去し、得られた分散液中のシリカ固形分100部に対し室温でヘキサメチルジシラザン(HMDS:有機合成薬品工業社製)80部と、シロキサン化合物として粘度10000cStであるジメチルシリコーンオイル(DSO:商品名「KF-96(信越化学工業社製)」)0.3部を添加し、120℃で3時間反応させ、冷却した後、噴霧乾燥(スプレードライ)により乾燥し、表面処理シリカ粒子(S6)を得た。
[実施例10]
(表面処理シリカ粒子(S10)の作製)
実施例1の表面処理シリカ粒子(S1)の代わりにヒュームドシリカOX50(日本アエルジル社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で表面処理シリカ粒子(S10)を作製した。すなわち、実施例1と同じ撹拌機付きオートクレーブへOX50を100部投入し、攪拌機を100rpmで回転させた。その後、オートクレーブ内に液化二酸化炭素を注入し、ヒーターにより昇温しながら二酸化炭素ポンプにより昇圧し、オートクレーブ内を180℃、15MPaの超臨界状態とした。圧力弁でオートクレーブ内を15MPaに保ちながら、予め疎水化処理剤としてヘキサメチルジシラザン(HMDS:有機合成薬品工業社製)20部に、シロキサン化合物として粘度10000cStであるジメチルシリコーンオイル(DSO:商品名「KF-96(信越化学工業社製)」)0.3部を溶解した処理剤溶液をエントレーナポンプにてオートクレーブ内に注入した後、撹拌しながら、180℃で20分間反応させ、その後、超臨界二酸化炭素を流通させ、余剰の処理剤溶液を除去し、表面処理シリカ粒子(S10)を得た。
[比較例1]
(表面処理シリカ粒子(SC1)の作製)
実施例1の表面処理シリカ粒子(S1)の作製において、シロキサン化合物を添加しない以外は、表面処理シリカ粒子(S1)と同様にして表面処理シリカ粒子(SC1)を作製した。
[比較例2〜4]
(表面処理シリカ粒子(SC2)〜(SC4)の作製)
実施例1の表面処理シリカ粒子(S1)の作製において、表3に従って、シリカ粒子分散液、表面処理条件(処理雰囲気、シロキサン化合物(種、粘度及びその添加量)、疎水化処理剤及びその添加量)を変更した以外は、表面処理シリカ粒子(S1)と同様にして、表面処理シリカ粒子(SC2)〜(SC4)を作製した。
[比較例5]
(表面処理シリカ粒子(SC5)の作製)
実施例6の表面処理シリカ粒子(S6)の作製において、シロキサン化合物を添加しない以外は、表面処理シリカ粒子(S6)と同様にして表面処理シリカ粒子(SC5)を作製した。
[評価]
各例で得られた表面処理シリカ粒子について、平均円相当径、平均円形度、未処理のシリカ粒子に対するシロキサン化合物の付着量、圧縮凝集度、粒子圧縮比、及び粒子分散度を既述の方法で測定した。
表面処理シリカ粒子の特性(取り扱い性、流動性及び分散性)を以下の3つのグレードで総合的に評価した。なお、G1が、表面処理シリカ粒子の特性が最も良好であることを示す。以下、各グレードとなった圧縮凝集度、及び粒子圧縮比を示す。また、結果を表2、3に示す。
−評価基準−
G1(◎):70%≦圧縮凝集度≦95%、0.28≦粒子圧縮比≦0.36
G2(○):60%≦圧縮凝集度<70%、0.20≦粒子圧縮比<0.28または0.36<粒子圧縮比≦0.40
G3(×):G2に記載した圧縮凝集度、粒子圧縮比の内、少なくとも1以上の要件を満たさないもの
また、粒子分散度は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
上記結果から、本実施例では、圧縮凝集度が60%以上95%以下、かつ粒子圧縮比が0.20以上0.40以下であるシリカ粒子が得られたことがわかる。この結果、本実施例のシリカ粒子は、流動性及び分散性が良好であると共に、取り扱い性が向上したものであることがわかった。
超臨界二酸化炭素中で、シロキサン化合物により表面処理した実施例2は、大気中でシロキサン化合物により表面処理した実施例6に比べ、圧縮凝集度及び粒子分散度が高いことがわかる。
以下、表2、表3中の略称について示す。
・DSO :ジメチルシリコーンオイル
・HMDS:ヘキサメチルジシラザン

Claims (8)

  1. 圧縮凝集度が60%以上95%以下、粒子圧縮比が0.20以上0.40以下であるシリカ粒子。
  2. 平均円相当径が40nm以上200nm以下である請求項1に記載のシリカ粒子。
  3. 粒子分散度が90%以上100%以下である請求項1又は請求項2に記載のシリカ粒子。
  4. 粘度1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物により表面処理され、前記シロキサン化合物の表面付着量が0.01質量%以上5質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のシリカ粒子。
  5. 前記シロキサン化合物が、シリコーンオイルである請求項4に記載のシリカ粒子。
  6. 表面付着量が0.01質量%以上5質量%以下となるように、粘度1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物により、シリカ粒子の表面を表面処理する工程を有するシリカ粒子の製造方法。
  7. 超臨界二酸化炭素中で、前記シリカ粒子の表面を表面処理する工程を行う請求項6に記載のシリカ粒子の製造方法。
  8. 前記シロキサン化合物が、シリコーンオイルである請求項6又は請求項7に記載のシリカ粒子の製造方法。
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