JP6696197B2 - 樹脂粒子組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂粒子組成物に関する。
樹脂粒子は、結着剤等種々の用途に適用されている。
ここで、樹脂粒子は、例えば、樹脂粒子の強度及び流動性の向上、パッキングの抑制等の機能化のため、シリカ粒子を共に用いることがある。
特に、樹脂粒子のような粉体は、配管内を流れる空気により輸送する輸送方法(以降、空気により輸送することを「空送」と称する)に供されることが多く、この輸送方法に適用する上で、樹脂粒子の流動性の向上は重要である。
例えば、特許文献1には、「4官能性シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合生成物を加水分解及び縮合することによって得られた実質的にSiO単位からなる親水性球状シリカ微粒子の表面にRSiO3/2単位(式中、Rは非置換又は置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である)とR SiO1/2単位(式中、Rは同一又は異なり、非置換又は置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)を導入した疎水化処理シリカであり、平均粒子径が0.005〜1.0μmの範囲で、粒度分布D90/D10の値が3以下であり、平均円形度が0.8〜1である疎水性球状シリカ微粒子からなることを特徴とする粉体用流動化剤」が開示されている。
特開2013−166667号公報
本発明の課題は、樹脂粒子と潤滑剤粒子とシリカ粒子を有する樹脂粒子組成物において、シリカ粒子として、圧縮凝集度が60%未満若しくは95%を超えるシリカ粒子、又は、粒子圧縮比が0.20未満若しくは0.40を超えるシリカ粒子を用いた場合に比べ、高温条件下において、樹脂粒子の流動性及び樹脂粒子組成物の取扱い性に優れ、更に、樹脂粒子組成物を空送する際の配管内への固着が抑制される樹脂粒子組成物を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
に係る発明は、
樹脂粒子と、
潤滑剤粒子と、
圧縮凝集度が60%以上95%以下、粒子圧縮比が0.20以上0.40以下であるシリカ粒子と、
を含む樹脂粒子組成物である。
に係る発明は、
前記樹脂粒子に対する前記潤滑剤粒子の含有量が0.1質量%以上8質量%以下であるに記載の樹脂粒子組成物である。
に係る発明は、
前記シリカ粒子が、平均円相当径が40nm以上200nm以下である又はに記載の樹脂粒子組成物である。
前記シリカ粒子の粒子分散度が、90%以上100%以下であるのいずれか1項に記載の樹脂粒子組成物である。
に係る発明は、
前記シリカ粒子が、粘度1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物により表面処理され、前記シロキサン化合物の表面付着量が0.01質量%以上5質量%以下であるのいずれか1項に記載の樹脂粒子組成物である。
に係る発明は、
前記シロキサン化合物が、シリコーンオイルであるに記載の樹脂粒子組成物である。
に係る発明によれば、樹脂粒子と潤滑剤粒子とシリカ粒子を有する樹脂粒子組成物において、シリカ粒子として、圧縮凝集度が60%未満若しくは95%を超えるシリカ粒子、又は、粒子圧縮比が0.20未満若しくは0.40を超えるシリカ粒子のみを用いた場合に比べ、高温条件下において、樹脂粒子の流動性及び樹脂粒子組成物の取扱い性に優れ、更に、樹脂粒子組成物を空送する際の配管内への固着が抑制される樹脂粒子組成物が提供される。
に係る発明によれば、樹脂粒子に対する潤滑剤粒子の含有量が0.1質量%未満又は8質量%を超える場合に比べ、高温条件下において、樹脂粒子組成物を空送する際の配管内への固着が抑制される樹脂粒子組成物が提供される。
に係る発明によれば、平均円相当径が40nm未満又は200nm超えるシリカ粒子のみを用いた場合に比べ、高温条件下において、樹脂粒子の流動性及び樹脂粒子組成物の取扱い性に優れる樹脂粒子組成物が提供される。
<4>に係る発明によれば、粒子分散度が90%未満であるシリカ粒子のみを用いた場合に比べ、高温条件下において、樹脂粒子の流動性に優れ、樹脂粒子組成物を空送する際の配管内への固着が抑制される樹脂粒子組成物が提供される。
<5>又は6>に係る発明によれば、粘度が1000cSt未満若しくは50000cStを超えるシロキサン化合物により表面処理されたシリカ粒子、又は、シロキサン化合物の表面付着量が0.01質量%未満若しくは5質量%を超えるシリカ粒子を用いた場合に比べ、高温条件下において、樹脂粒子の流動性及び樹脂粒子組成物の取扱い性に優れ、樹脂粒子組成物を空送する際の配管内への固着が抑制される樹脂粒子組成物が提供される。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
<樹脂粒子組成物>
本実施形態に係る樹脂粒子組成物は、樹脂粒子と、潤滑剤粒子と、圧縮凝集度が60%以上95%以下、粒子圧縮比が0.20以上0.40以下であるシリカ粒子(以下、「特定シリカ粒子」とも称する)と、を含む樹脂粒子組成物である。
樹脂粒子組成物としては、樹脂粒子と共に潤滑剤粒子を含むものが知られている。
この樹脂粒子組成物は、潤滑剤粒子による潤滑性の発現により、樹脂粒子組成物を空送に供した際、配管の内壁に対し潤滑性が発現されて、配管内への固着等を抑制しうる。
一方で、樹脂粒子の流動性の付与のためには、樹脂粒子と共にシリカ粒子等が用いられることが好ましい。
しかしながら、汎用のシリカ粒子の場合、樹脂粒子の流動性を十分に得るためには、大量に用いる必要があり、その結果、シリカ粒子自体が舞うなど取扱いが困難になりやすいこと、樹脂粒子から遊離したシリカ粒子同士による凝集体が生じること、更には、樹脂粒子が舞うなど取扱いが困難になりやすいことがあり、樹脂粒子組成物の取扱い性が低下することがある。
本実施形態に係る樹脂粒子組成物は、樹脂粒子と潤滑剤粒子と特定シリカ粒子とを有する構成であることから、高温条件下(例えば温度30℃の条件下)において、樹脂粒子の流動性及び樹脂粒子組成物の取扱い性に優れ、更に、樹脂粒子組成物を空送する際の配管内への固着が抑制される。
この理由は定かではないが、以下に示す特定シリカ粒子の特性に起因する作用によるものと推測される。
特定シリカ粒子は、圧縮凝集度及び粒子圧縮比が上記範囲を示すことにより、以下に示す作用を及ぼすと考えられる。
まず、特定シリカ粒子の圧縮凝集度を60%以上95%以下とする意義について説明する。
圧縮凝集度は、シリカ粒子の凝集性及び樹脂粒子への付着性を示す指標となる。この指標は、シリカ粒子を圧縮することでシリカ粒子の成形体を得た後、このシリカ粒子の成形体を落下させた際の前記成形体のほぐれ難さの程度で示される。
よって、圧縮凝集度が高い程、シリカ粒子は、凝集力(分子間力)が強まる傾向があり、かつ、樹脂粒子への付着力も強まる傾向があることを示す。なお、圧縮凝集度の算出方法の詳細については後述する。
このため、圧縮凝集度を60%以上95%以下と高く制御された特定シリカ粒子は、樹脂粒子への付着性、及び凝集性を良好にしつつも、流動性、及び樹脂粒子への分散性を確保する観点から、圧縮凝集度の上限値は95%としている。
次に、シリカ粒子の粒子圧縮比が0.20以上0.40以下であることの意義について説明する。
粒子圧縮比は、シリカ粒子の流動性を示す指標となる。具体的に、粒子圧縮比は、シリカ粒子の固め見掛け比重及びゆるみ見掛け比重の差と、固め見掛け比重との比((固め見掛け比重−ゆるみ見掛け比重)/固め見掛け比重)で示される。
よって、粒子圧縮比が低い程、シリカ粒子は流動性が高いことを示す。また、流動性が高いと、樹脂粒子への分散性も高まる傾向がある。なお、粒子圧縮比の算出方法の詳細については後述する。
このため、粒子圧縮比が0.20以上0.40以下と低く制御されたシリカ粒子は、流動性及び樹脂粒子への分散性が良好となる。但し、流動性及び樹脂粒子への分散性を良好にしつつ、樹脂粒子への付着性及び凝集性を向上させる観点から、粒子圧縮比の下限値を0.20としている。
以上のことから、特定シリカ粒子は、流動し易く、樹脂粒子に分散しやすい上、更に凝集力、樹脂粒子への付着力が高いという特異な性質を有する。
したがって、圧縮凝集度及び粒子圧縮比が上記範囲を満たす特定シリカ粒子は、流動性及び樹脂粒子への分散性が高く、かつ、凝集性及び樹脂粒子への付着性も高いという性質を有するシリカ粒子となる。
次に、樹脂粒子と潤滑剤粒子とを有する樹脂粒子組成物に、特定シリカ粒子を用いたときの推定作用について説明する。
まず、特定シリカ粒子は、流動性及び樹脂粒子への分散性が高いため、樹脂粒子と混合すると、樹脂粒子の表面に、均一に近い状態で付着し易い。そして、一旦、樹脂粒子の表面に付着した特定シリカ粒子は、樹脂粒子への付着性が高いことから、樹脂粒子の表面での移動及び樹脂粒子からの遊離が生じ難くなる。特に、樹脂粒子組成物を空送したときの空気流による負荷程度では、一旦、樹脂粒子の表面に付着した特定シリカ粒子は、樹脂粒子の表面での移動及び樹脂粒子からの遊離が生じ難いと考えられる。
以上のように、特定シリカ粒子は、樹脂粒子の表面に均一に近い状態で付着し易く、この付着状態が維持され易い。この特定シリカ粒子の付着状態に伴い、潤滑剤粒子も樹脂粒子の表面に偏在化し難くなり、均一に近い状態で付着し易くなるものと考えられる。
その結果、潤滑剤粒子による配管の内壁に対する潤滑性が効率よく発現され、樹脂粒子組成物の配管内への固着等を抑制しうるものと考えられる。
樹脂粒子と潤滑剤粒子とを有する樹脂粒子組成物においては、樹脂粒子の流動性は十分に得られ難い。
特定シリカ粒子は、上述のように、樹脂粒子の表面に均一に近い状態で付着し易く、この付着状態が維持され易いといった特性を有すると共に、その材料に起因して特定粒子の流動性を高められる粒子である。そのため、樹脂粒子と潤滑剤粒子とを有する樹脂粒子組成物に特定シリカ粒子を用いると、特定シリカ粒子を大量に用いずとも、樹脂粒子の表面に効率よく付着し、樹脂粒子の流動性を高められると考えられる。
また、特定シリカ粒子は、前述のように、凝集性が高い特性を有する。そのため、樹脂粒子と潤滑剤粒子とを有する樹脂粒子組成物に特定シリカ粒子を用いると、特定シリカ粒子の有する凝集性により、樹脂粒子から遊離したシリカ粒子自体が舞うこと、樹脂粒子から遊離したシリカ粒子同士による凝集体が生じること、更には、樹脂粒子が舞うことを抑制し易いものと考えられる。したがって、本実施形態に係る樹脂粒子組成物は、取扱い性(ハンドリング性ともいう)にも優れる。
本実施形態に係る樹脂粒子組成物において、特定シリカ粒子は、更に、粒子分散度が90%以上100%以下であることが好ましい。
ここで、特定シリカ粒子の粒子分散度が90%以上100%以下であることの意義について説明する。
粒子分散度は、シリカ粒子の分散性を示す指標となる。この指標は、一次粒子状態でのシリカ粒子の樹脂粒子への分散のしやすさの程度で示される。具体的に、粒子分散度は、シリカ粒子による樹脂粒子への計算上の被覆率をCとし、実測の被覆率をCとしたとき、樹脂粒子への実測の被覆率Cと、計算上の被覆率Cとの比(実測の被覆率C/計算上の被覆率C)で示される。
よって、粒子分散度が高い程、シリカ粒子は凝集しにくく、一次粒子の状態で、樹脂粒子に分散しやすいことを示す。なお、粒子分散度の算出方法の詳細については後述する。
特定シリカ粒子は、圧縮凝集度及び粒子圧縮比を上記範囲に制御しつつ、粒子分散度を90%以上100%以下と高く制御することで、樹脂粒子への分散性が更に良好となる。これにより、樹脂粒子組成物中の潤滑剤粒子は、樹脂粒子の表面に更に均一に近い状態で付着し易くなる。その結果、本実施形態に係る樹脂粒子組成物は、配管の内壁に対する潤滑性が効率よく発現され、樹脂粒子組成物の配管内への固着等を抑制し易くなる。
本実施形態に係る樹脂粒子組成物において、上述のような、流動性及び樹脂粒子への分散性が高く、かつ、凝集性及び樹脂粒子への付着性も高いという性質を有する特定シリカ粒子としては、例えば、比較的大きい重量平均分子量を持つシロキサン化合物が表面に付着したシリカ粒子が好適である。特定シリカ粒子としては、具体的には、粘度が1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物が表面に付着したシリカ粒子が好適なものとして挙げられる。特に、粘度が1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物の表面付着量が0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
ここで、表面付着量は、表面にシロキサン化合物が付着していないシリカ粒子(未処理のシリカ粒子ともいう)に対する、表面に付着しているシロキサン化合物の質量の割合を言う。
以下、表面にシロキサン化合物が付着していないシリカ粒子(未処理のシリカ粒子)を単に「シリカ粒子」とも称する。
粘度が1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物が表面に付着し、かかるシロキサン化合物の表面付着量が0.01質量%以上5質量%以下である特定シリカ粒子は、流動性及び樹脂粒子への分散性と共に、凝集性及び樹脂粒子への付着性も高まり、圧縮凝集度及び粒子圧縮比が上記要件を満たし易くなる。
この理由は定かではないが、以下に示す作用によるものと考えられる。
粘度が上記範囲である比較的高い粘性を有するシロキサン化合物を、シリカ粒子の表面に上記範囲で少量付着させると、シリカ粒子の表面のシロキサン化合物の特性に由来する機能が発現する。そのメカニズムは明確では無いが、特定シリカ粒子が流動しているときには、比較的高い粘性を有するシロキサン化合物が上記範囲で少量付着していることにより、シロキサン化合物に由来する離型性が発現し易くなるか、又は、シロキサン化合物の立体障害による粒子間力の低減により特定シリカ粒子同士の付着性(凝集性)が低減する。これにより、特定シリカ粒子の流動性及び樹脂粒子への分散性が高まる。
一方で、特定シリカ粒子が外的応力が加えられたときは、特定シリカ粒子の表面のシロキサン化合物の長い分子鎖が絡み合い、特定シリカ粒子の最密充填性が高まり、特定シリカ粒子同士の凝集力が強まる。そして、このシロキサン化合物の長い分子鎖が絡み合うことによるシリカ粒子の凝集力は、特定シリカ粒子を流動させると解除されると考えられる。これに加え、特定シリカ粒子の表面のシロキサン化合物の長い分子鎖により、樹脂粒子への付着力も高まるとも考えられる。
以上のことから、粘度が上記範囲のシロキサン化合物をシリカ粒子の表面に上記範囲で少量付着させた特定シリカ粒子は、圧縮凝集度及び粒子圧縮比が上記要件を満たしやすくなり、粒子分散度も上記要件を満たし易くなる。
以下、樹脂粒子組成物の構成について説明する。
まず、特定シリカ粒子について説明する。
〔特定シリカ粒子〕
特定シリカ粒子は、圧縮凝集度が60%以上95%以下であり、粒子圧縮比が0.20以上0.40以下である。
まず、シリカ粒子の特性について詳細に説明する。
−圧縮凝集度−
特定シリカ粒子の圧縮凝集度は、特定シリカ粒子における、凝集性及び樹脂粒子への付着性を良好にしつつ、流動性及び樹脂粒子への分散性を確保する観点から、60%以上95%以下であり、配管輸送性の点からは、好ましくは65%以上95%以下、より好ましくは70%以上95%以下である。
圧縮凝集度は、以下に示す方法により算出される。
直径6cm、円盤状(ディスク状)の金型に、特定シリカ粒子を6.0g充填する。次いで、圧縮成型機(前川試験機製作所社製)を用いて圧力5.0t/cmで金型を60秒圧縮し、圧縮された円盤状の特定シリカ粒子の成形体(以下、「落下前の成形体」と称する)を得る。その後、落下前の成形体の質量を測定する。
次いで、落下前の成形体を目開き600μmのふるい網上に配置し、振動ふるい機(筒井理化学器械社製:品番VIBRATING MVB−1)により、落下前の成形体を振幅1mm、振動時間1分の条件下で落下させる。これにより、落下前の成形体から前記ふるい網を介して特定シリカ粒子が落下し、前記ふるい網上に特定シリカ粒子の成形体が残存する。その後、残存した特定シリカ粒子の成形体(以下、「落下後の成形体」と称する)の質量を測定する。
そして、以下の式(1)を用いて、落下後の成形体の質量と落下前の成形体の質量とから、圧縮凝集度を算出する。
・式(1):圧縮凝集度=(落下後の成形体の質量/落下前の成形体の質量)×100
−粒子圧縮比−
特定シリカ粒子の粒子圧縮比は、特定シリカ粒子における、流動性及び樹脂粒子への分散性を良好にしつつ、凝集性及び樹脂粒子への付着性を確保する観点から、0.20以上0.40以下であり、配管輸送性の点からは、好ましくは0.28以上0.38以下、より好ましくは0.28以上0.36以下である。
粒子圧縮比は、以下に示す方法により算出される。
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製、品番PT−S型)を用いて、特定シリカ粒子のゆるみ見掛け比重と固め見掛け比重とを測定する。
そして、以下の式(2)を用いて、シリカ粒子の固め見掛け比重とゆるみ見掛け比重との差、及び、固め見掛け比重から粒子圧縮比を算出する。
・式(2):粒子圧縮比=(固め見掛け比重−ゆるみ見掛け比重)/固め見掛け比重
なお、「ゆるみ見掛け比重」とは、容量が100cmの容器へ特定シリカ粒子を充填し、秤量することで導き出される測定値であって、特定シリカ粒子を容器中に自然落下させた状態の充填比重をいう。「固め見掛け比重」とは、ゆるみ見掛け比重の状態から、ストローク長18mm、タッピング速度50回/分で、180回繰り返し容器底部に衝撃を与える(タッピング)ことにより、脱気され、特定シリカ粒子が再配列し、より密に充填された、見掛け比重をいう。
−粒子分散度−
特定シリカ粒子の粒子分散度は、樹脂粒子への分散性を更に良好にする観点から、好ましくは90%以上100%以下であり、より好ましくは95%以上100%以下であり、更に好ましくは100%である。
粒子分散度とは、樹脂粒子への実測の被覆率Cと、計算上の被覆率Cとの比であり、以下の式(3)を用いて算出される。
・式(3):粒子分散度=実測の被覆率C/計算上の被覆率C
ここで、特定シリカ粒子による樹脂粒子の表面への計算上の被覆率Cは、樹脂粒子の体積平均粒径をdt(m)、特定シリカ粒子の平均円相当径をda(m)、樹脂粒子の比重をρt、特定シリカ粒子の比重をρa、樹脂粒子の重量をWt(kg)、特定シリカ粒子の添加量をWa(kg)としたとき、下記式(3−1)で算出することができる。
・式(3−1):計算上の被覆率C=√3/(2π)×(ρt/ρa)×(dt/da)×(Wa/Wt)×100(%)
特定シリカ粒子による樹脂粒子の表面への実測の被覆率Cは、X線光電子分光装置(XPS)(「JPS−9000MX」:日本電子(株)製)により、樹脂粒子のみ、特定シリカ粒子のみ、及び特定シリカ粒子を含む樹脂粒子について、それぞれ特定シリカ粒子に由来するケイ素原子のシグナル強度を測定し、下記式(3−2)で算出することができる。
・式(3−2):実測の被覆率C=(z−x)/(y−x)×100(%)
〔式(3−2)中、xは、樹脂粒子のみの特定シリカ粒子に由来するケイ素原子のシグナル強度を示す。yは、特定シリカ粒子のみの特定シリカ粒子に由来するケイ素原子のシグナル強度を示す。zは、特定シリカ粒子が付着(被覆)した樹脂粒子についての特定シリカ粒子に由来するケイ素原子のシグナル強度を示す。〕
−平均円相当径−
特定シリカ粒子の平均円相当径は、樹脂粒子の粒径に応じて適宜決定することができるが、特定シリカ粒子における、流動性、樹脂粒子への分散性、凝集性、及び樹脂粒子への付着性を良好にする観点からは、40nm以上200nm以下が好ましく、50nm以上180nm以下がより好ましく、60nm以上160nm以下が更に好ましい。
特定シリカ粒子の平均円相当径D50は、樹脂粒子に特定シリカ粒子を分散させた後の一次粒子を、走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置((株)日立製作所製:S−4100)により観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込み、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの面積を測定し、この面積値から円相当径を算出する。得られた円相当径の体積基準での累積頻度における50%径(D50)を特定シリカ粒子の平均円相当径D50とする。なお、電子顕微鏡は1視野中に特定シリカ粒子が10個以上50個以下程度写るように倍率が調整され、複数視野の観察を合わせて一次粒子の円相当径が求められる。
−平均円形度−
特定シリカ粒子の形状は、球形状、異形状のいずれであってもよいが、特定シリカ粒子の平均円形度は、特定シリカ粒子における、流動性、樹脂粒子への分散性、凝集性、及び樹脂粒子への付着性を良好にする観点から、0.85以上0.98以下が好ましく、0.90以上0.98以下がより好ましく、0.93以上0.98以下が更に好ましい。
特定シリカ粒子の平均円形度は、以下に示す方法により測定される。
まず、特定シリカ粒子の円形度は、樹脂粒子の表面にシリカ粒子を付着させた後の一次粒子を、SEM装置により観察し、得られた一次粒子の平面画像解析から、下記式(4)により算出される「100/SF2」として得られる。
・式(4):円形度(100/SF2)=4π×(A/I
〔式(4)中、Iは画像上における一次粒子の周囲長を示し、Aは一次粒子の投影面積を表す。
そして、特定シリカ粒子の平均円形度は、上記平面画像解析によって得られた一次粒子100個の円形度の累積頻度における50%円形度として得られる。
ここで、樹脂粒子組成物から、特定シリカ粒子の各特性(圧縮凝集度、粒子圧縮比、粒子分散度、平均円形度)を測定する方法について説明する。
まず、樹脂粒子組成物から、樹脂粒子、潤滑剤粒子、及び特定シリカ粒子を次のようにして分離する。
即ちメタノール中に樹脂粒子組成物を入れて分散させ、撹拌後、超音波バスにて処理することで、大径である特定シリカ粒子を樹脂粒子組成物表面から剥がし、その後、遠心分離によって樹脂粒子組成物を沈降させて特定シリカ粒子を分散したメタノールのみを回収し、その後、メタノールを揮発させることで特定シリカ粒子を取り出すことができる。
そして、分離した特定シリカ粒子を用いて、上記各特性を測定する。
次に、特定シリカ粒子の構成について説明する。
−シリカ粒子−
特定シリカ粒子は、シリカ(即ちSiO)を主成分とする粒子であり、結晶性でも非晶性でもよい。特定シリカ粒子は、水ガラスやアルコキシシラン等のケイ素化合物を原料に製造された粒子であってもよいし、石英を粉砕して得られる粒子であってもよい。
特定シリカ粒子として、具体的には、ゾルゲル法で作製されるシリカ粒子(以下「ゾルゲルシリカ粒子」)、水性コロイダルシリカ粒子、アルコール性シリカ粒子、気相法により得られるフュームドシリカ粒子、球状シリカ粒子等が挙げられ、これらの中でも、ゾルゲルシリカ粒子が好ましい。
圧縮凝集度、粒子圧縮比、及び粒子分散度が上記特定の範囲となる特定シリカ粒子としては、シロキサン化合物が表面に付着した特定シリカ粒子であることが好ましい。
シロキサン化合物が表面に付着した特定シリカ粒子を得るためには、シロキサン化合物による表面処理が用いられることが好ましく、特に、超臨界二酸化炭素を利用し、超臨界二酸化炭素中でシリカ粒子の表面を表面処理することが好ましい。なお、表面処理方法については後述する。
−シロキサン化合物−
シロキサン化合物としては、分子構造中にシロキサン骨格を有するものであれば特に制限されない。
シロキサン化合物としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーン樹脂が挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子の表面に均一に近い状態で付着させる観点から、シリコーンオイルが好ましい。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸アミド変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。中でも、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルが好ましい。
上記シロキサン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
−粘度−
シロキサン化合物の粘度(動粘度)は、特定シリカ粒子における、流動性、樹脂粒子への分散性、凝集性、及び樹脂粒子への付着性を良好にする観点から、1000cSt以上50000cSt以下が好ましく、2000cSt以上30000cSt以下がより好ましく、3000cSt以上10000cSt以下が更に好ましい。
シロキサン化合物の粘度は次の手順で求められる。特定シリカ粒子にトルエンを加え超音波分散機で30分間分散させる。その後、上澄みを回収する。このとき1g/100ml濃度のシロキサン化合物のトルエン溶液とする。このときの比粘度〔ηsp〕(25℃)を下記式(A)により求める。
・式(A):ηsp=(η/η0)−1
(η0:トルエンの粘度、η:溶液の粘度)
次に、比粘度〔ηsp〕を下記式(B)に示すHugginsの関係式に代入し、固有粘度〔η〕を求める。
・式(B):ηsp=〔η〕+K’〔η〕
(K’:Hugginsの定数 K’=0.3(〔η〕=1〜3の適応時))
次に、固有粘度〔η〕を下記式(C)に示すA.Kolorlovの式に代入し、分子量Mを求める。
・式(C):〔η〕=0.215×10−40.65
分子量Mを下記式(D)に示すA.J.Barryの式に代入してシロキサン粘度〔η〕を求める。
・式(D):logη=1.00+0.0123M0.5
−表面付着量−
シロキサン化合物の特定シリカ粒子の表面への表面付着量は、特定シリカ粒子における、流動性、樹脂粒子への分散性、凝集性、及び樹脂粒子への付着性を良好にする観点から、表面にシロキサン化合物が付着していないシリカ粒子(未処理のシリカ粒子)に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上3質量%以下がより好ましく、0.10質量%以上2質量%以下が更に好ましい。
表面付着量は、以下に示す方法により測定される。
特定シリカ粒子100mgを、クロロホルム1mL中に分散し、内部標準液としてDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)を1μL加えた後、超音波洗浄機で30分間超音波処理し、クロロホルム溶媒中へシロキサン化合物の抽出を行う。その後、JNM−AL400型核磁気共鳴装置(日本電子(株)製)で水素核スペクトル測定を行い、DMF由来ピーク面積に対するシロキサン化合物由来ピーク面積の比からシロキサン化合物の量を求める。求められたシロキサン化合物の量及びシロキサン化合物が遊離したシリカ粒子(表面にシロキサン化合物が付着していないシリカ粒子)の量から、表面付着量が算出される。
本実施形態に係る樹脂粒子組成物における特定シリカ粒子の含有量は、樹脂粒子の流動性の発現、樹脂粒子組成物の取扱い性の発現、樹脂粒子組成物の空送性の観点から、例えば、樹脂粒子に対して、0.05質量%以上7.0質量%以下が好ましく、0.2質量%以上4.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以上3.0質量%以下が更に好ましい。
〔潤滑剤粒子〕
次に、潤滑剤粒子について説明する。
潤滑剤粒子としては、潤滑性を示す粒子であればよく、脂肪酸金属塩粒子、無機潤滑剤粒子、樹脂潤滑剤粒子等が挙げられる。
潤滑剤粒子は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
脂肪酸金属塩粒子としては、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ベヘン酸、モンタン酸、ラウリン酸、その他有機酸等の脂肪酸)と、金属(例えば、カルシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、鉛、マグネシウム、アルミニウム、その他金属(Na、Li等))と、の塩の粒子が挙げられる。
中でも、優れた潤滑性の発現点から、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、オレイン酸鉛、ラウリン酸からなる群より選択される1種の脂肪酸と、亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、マンガン、鉛からなる群より選択される1種の金属と、の塩の粒子が好ましい。
脂肪酸金属塩粒子として、具体的には、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉛、ラウリン酸亜鉛等の粒子が挙げられる。
脂肪酸金属塩粒子は、これらの中でも、潤滑性の高さ、入手容易性の点から、ステアリン酸亜鉛の粒子が好ましい。
なお、脂肪酸金属塩粒子は、複数種の脂肪酸金属塩の混合粒子であってもよい。
また、脂肪酸金属塩粒子は、脂肪酸金属塩と他の成分とを含む粒子であってもよい。
他の成分としては、例えば、高級脂肪酸、高級アルコール等が挙げられる。ただし、脂肪酸金属塩粒子には、潤滑性の発現の点から、脂肪酸金属塩を1質量%以上含むことが好ましい。
無機潤滑剤粒子としては、物質自身がへき開して潤滑する機能を持つ粒子、又は、内部滑りを起こす粒子が挙げられる。
無機潤滑剤粒子として具体的には、雲母、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、滑石、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、フッ化カルシウム、グラファイト等の粒子が挙げられる。
これらの中でも、無機潤滑剤粒子としては、潤滑性の高さ点から、窒化ホウ素の粒子が好ましい。
樹脂潤滑剤粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂の粒子、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィンの粒子等が挙げられる。
その他の潤滑剤粒子としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミドの粒子、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックスの粒子;ミツロウ等の動物系ワックスの粒子;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物系又は石油系ワックスの粒子;それらの変性物等の粒子が挙げられる。
潤滑剤粒子の選択は、樹脂粒子を構成する樹脂種、汎用性等に応じて、行われればよい。
樹脂粒子に対する汎用性の高さ、入手汎用性の観点等から、潤滑剤粒子としては、脂肪酸金属塩粒子が好ましい。
潤滑剤粒子の体積基準による平均円相当径は、樹脂粒子の粒径に応じて適宜決定することができるが、樹脂粒子への分散性の観点からは、0.1μm以上10.0μm以下が好ましく、0.2μm以上10.0μm以下がより好ましく、0.2μm以上8.0μm以下が更に好ましい。
脂肪酸金属塩粒子の体積基準による平均円相当径は、次に示す方法により測定される値である。測定装置としては、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置「LA−920」((株)堀場製作所)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、LA−920に付属の専用ソフト「HORIBA LA−920 for Windows(登録商標) WET(LA−920) Ver.2.02((株)堀場製作所)」を用いる。また、測定溶媒としては、予め不純固形物などを除去したイオン交換水を用いる。
また、無機潤滑剤粒子の体積基準による平均円相当径は、無機潤滑剤粒子の一次粒子100個を、SEM(Scanning Electron Microscope)装置により観察し、一次粒子の画像解析によって得られた円相当径の累積頻度における50%径(D50v)であり、この方法にて測定される。
本実施形態に係る樹脂粒子組成物における潤滑剤粒子の含有量は、潤滑性の発現、配管輸送性の観点から、例えば、樹脂粒子に対して、0.1質量%以上8質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましく、2質量%以上5質量%以下が更に好ましい。
〔樹脂粒子〕
次に、樹脂粒子について説明する。
樹脂粒子は、特定シリカ粒子及び潤滑剤粒子が付着し易い形状、粒径、及び材料(成分)であれば特に制限されず、本実施形態に係る樹脂粒子組成物の用途など使用目的に応じて決定すればよい。
樹脂粒子の形状は特に制限されないが、空送への適用容易性、取扱い性(ハンドリング性)の点から、樹脂粒子の体積平均粒径D50Vは、1μm以上20μm以下であることが好ましく、2μm以上15μm以下であることがより好ましく、3μm以上10μm以下であることが更に好ましい。樹脂粒子の体積平均粒径が上記範囲であることで、樹脂粒子組成物の流動性の低下が抑制され易い。
ここで、樹脂粒子の体積平均粒径は、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として界面活性剤、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下の範囲で加える。これを電解液100mlないし150mlの中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散機で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2μm以上50μm以下の範囲にある粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
体積平均粒径D50Vは、測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を描き、体積で累積50%となる粒径で定義される。具体的に、体積平均粒径D50Vは、次のようにして得る。画像解析によって得られた体積分布を用いて、累積分布を描き、体積で累積50%となる体積平均粒径D50Vを得る。
樹脂粒子を構成する樹脂は、特に限定されない。樹脂粒子を構成する樹脂は、各種の天然又は合成高分子物質よりなる熱可塑性樹脂を用い得る。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)等のポリスチレン樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂;ポリブタジエン、ポリイソプレン等のゴム状(共)重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;塩化ビニル樹脂、ビニル芳香族樹脂、ポリビニル樹脂等のビニル系樹脂;エポキシ樹脂;共役ジエン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;熱可塑性ポリウレタン樹脂;フッ素樹脂;などが挙げられる。
これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
樹脂粒子を構成する樹脂は、代表的には、重量平均分子量5,000以上10万以下の樹脂(エポキシ樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂など)が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。樹脂は、目的の用途に応じて、好適な樹脂を選択すればよいが、通常極性の高い樹脂に対して効果が高く、また樹脂表面に極性基が多く存在しやすいものに効果がより高く出やすい点から樹脂はポリエステル樹脂が好ましく、また製法は混錬粉砕法が好ましい。
なお、樹脂粒子は、目的の用途に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。
<樹脂粒子組成物の製造方法>
本実施形態に係る樹脂粒子組成物は、例えば、以下の方法により製造される。
即ち、本実施形態に係る樹脂粒子組成物は、特定シリカ粒子、潤滑剤粒子、及び樹脂粒子を準備する工程(以下、「粒子準備工程」と称する)と、特定シリカ粒子、潤滑剤粒子、及び樹脂粒子を混合する工程(以下、「粒子混合工程」と称する)と、を経て製造される。
〔粒子準備工程〕
まず、粒子準備工程では、本実施形態に係る樹脂粒子組成物に含まれる、特定シリカ粒子、潤滑剤粒子、及び樹脂粒子を準備する。
特に、特定シリカ粒子及び樹脂粒子に関しては、以下のような製造方法により製造されたものを用いてもよい。
−特定シリカ粒子の製造−
特定シリカ粒子は、例えば、シリカ粒子に対して、表面付着量が0.01質量%以上5質量%以下となるように、粘度1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物により、シリカ粒子の表面を表面処理することで得られる。
表面処理方法としては、超臨界二酸化炭素中で、シロキサン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する方法;大気中で、シロキサン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する方法;が挙げられる。
表面処理方法としては、具体的に、例えば、超臨界二酸化炭素を利用して、超臨界二酸化炭素中にシロキサン化合物を溶解させて、シリカ粒子の表面にシロキサン化合物を付着させる方法;大気中において、シロキサン化合物とシロキサン化合物を溶解する溶媒とを含む溶液をシリカ粒子の表面に付与(例えば噴霧、塗布)して、シリカ粒子の表面にシロキサン化合物を付着させる方法;大気中において、シリカ粒子分散液にシロキサン化合物とシロキサン化合物を溶解する溶媒とを含む溶液を添加して保持した後、シリカ粒子分散液及び前記溶液の混合溶液を乾燥させる方法;が挙げられる。
ここで、「超臨界二酸化炭素」とは、臨界点以上の温度・圧力下においた状態の二酸化炭素であり、気体の拡散性と液体の溶解性との双方を持つものである。
中でも、表面処理方法としては、超臨界二酸化炭素を利用して、シリカ粒子の表面にシロキサン化合物を付着させる方法が好ましい。
表面処理を超臨界二酸化炭素中で行うと、超臨界二酸化炭素中にシロキサン化合物が溶解した状態となる。超臨界二酸化炭素は界面張力が低いという特性を持つことから、超臨界二酸化炭素中に溶解した状態のシロキサン化合物は、超臨界二酸化炭素と共に、シリカ粒子の表面の孔部の深くまで拡散して到達し易くなるものと考えられ、シリカ粒子の表面のみならず、孔部の奥深くまで、シロキサン化合物による表面処理がなされると考えられる。
このため、超臨界二酸化炭素中でシロキサン化合物により表面処理されたシリカ粒子は、シロキサン化合物により表面が均一に近い状態(例えば、薄膜状に表面処理層が形成されている状態)で付着した特定シリカ粒子になると考えられる。
また、超臨界二酸化炭素中でシロキサン化合物と共に疎水化処理剤を用いて、シリカ粒子の表面に疎水性を付与する表面処理を行ってもよい。
この場合、超臨界二酸化炭素中にシロキサン化合物と共に疎水化処理剤が溶解した状態となり、超臨界二酸化炭素中に溶解した状態のシロキサン化合物及び疎水化処理剤は、超臨界二酸化炭素と共に、シリカ粒子の表面の孔部の深くまで拡散して到達し易くなるものと考えられ、シリカ粒子の表面のみならず、孔部の奥深くまで、シロキサン化合物及び疎水化処理剤による表面処理がなされると考えられる。
この結果、超臨界二酸化炭素中でシロキサン化合物及び疎水化処理剤により表面処理されたシリカ粒子は、シロキサン化合物及び疎水化処理剤により表面が均一に近い状態で付着し、高い疎水性が付与され易くなる。
特定シリカ粒子は、以下のような方法で製造されたものであることが好ましい。
特定シリカ粒子は、例えば、ゾルゲル法によって、シリカ粒子とアルコール及び水を含む溶媒とを含有するシリカ粒子分散液を準備する工程(以下、「分散液準備工程」と称する)と、超臨界二酸化炭素を流通させ、シリカ粒子分散液から溶媒を除去する工程(以下、「溶媒除去工程」と称する)と、超臨界二酸化炭素中で、溶媒を除去した後のシリカ粒子の表面をシロキサン化合物により表面処理する工程(以下、「表面処理工程」と称する)と、を有する製造方法で製造されてもよい。
上記のように、シリカ粒子分散液からの溶媒除去を、超臨界二酸化炭素を利用して行うと、粗粉の発生が抑えられ易くなる。
この理由は定かではないが、1)シリカ粒子分散液の溶媒を除去する場合、超臨界二酸化炭素が「界面張力が働かない」という性質から、溶媒を除去する際の液架橋力による粒子同士の凝集もなく溶媒を除去できるものと考えられる点、2)超臨界二酸化炭素の「臨界点以上の温度・圧力下においた状態の二酸化炭素であり、気体の拡散性と液体の溶解性との双方を持つ」といった性質により、比較的低温(例えば250℃以下)で、超臨界二酸化炭素に効率良く接触し、溶媒を溶解することから、この溶媒を溶解した超臨界二酸化炭素を除去することで、シラノール基の縮合による二次凝集体等の粗粉を生じることなくシリカ粒子分散液中の溶媒を除去できるものと考えられる点、等が理由として考えられる。
ここで、溶媒除去工程、及び表面処理工程は、個別に行なってもよいが、連続(つまり大気圧下に開放しない状態で各工程を実施)して行うことが好ましい。これらの工程を連続して行うことで、溶媒除去工程後において、シリカ粒子が水分を吸着する機会を無くし、シリカ粒子への過剰な水分の吸着が抑えられた状態で、表面処理工程を行える。
これにより、大量のシロキサン化合物を使用すること、過剰な加熱を行い高温で、溶媒除去工程及び表面処理工程を行う必要がなくなる。その結果、より効果的に、粗粉の発生が抑えられ易くなる。
以下、上述の、分散液準備工程、溶媒除去工程、及び表面処理工程について、詳細に説明する。
なお、特定シリカ粒子の製造方法は、上記3つの工程で行われる方法に限られるわけではなく、例えば、前述したように、1)表面処理工程のみ超臨界二酸化炭素を使用する態様、2)各工程を個別に行う態様等であってもよい。
・分散液準備工程
分散液準備工程では、例えば、シリカ粒子とアルコール及び水を含む溶媒とを含有するシリカ粒子分散液を準備する。
具体的には、分散液準備工程は、例えば、湿式法(例えば、ゾルゲル法等)によりシリカ粒子分散液を作製して、これを準備する。
特に、シリカ粒子分散液は、湿式法としてゾルゲル法(具体的には、テトラアルコキシシランを、アルコール及び水の溶媒にアルカリ触媒存在下で、反応(加水分解反応、縮合反応)を生じさせてシリカ粒子を生成する方法)にて作製することがよい。
なお、シリカ粒子の平均円相当径の好ましい範囲、及び平均円形度の好ましい範囲は既述の通りであり、この範囲となるようシリカ粒子(未処理のシリカ粒子)を作製することが好ましい。
分散液準備工程において、例えば、シリカ粒子を湿式法により得る場合、シリカ粒子が溶媒に分散された分散液(シリカ粒子分散液)の状態で得られる。
また、溶媒除去工程に移行する際、準備するシリカ粒子分散液においては、シリカ粒子分散液に対するシリカ粒子の質量比が、例えば、0.05以上0.7以下がよく、好ましくは0.2以上0.65以下、より好ましくは0.3以上0.6以下である。
シリカ粒子分散液に対するシリカ粒子の質量比が0.05を下回ると、溶媒除去工程において、使用する超臨界二酸化炭素の量が多くなり、生産性が悪くなってしまうことがある。
また、シリカ粒子分散液に対するシリカ粒子の質量比が0.7を超えると、シリカ粒子分散液中においてシリカ粒子間距離が近くなり、シリカ粒子の凝集やゲル化による粗粉が発生し易くなることがある。
・溶媒除去工程
溶媒除去工程は、例えば、超臨界二酸化炭素を流通させ、シリカ粒子分散液の溶媒を除去する工程である。
つまり、溶媒除去工程では、超臨界二酸化炭素を流通させることにより、超臨界二酸化炭素をシリカ粒子分散液に接触させて、溶媒を除去する工程である。
具体的には、溶媒除去工程では、例えば、密閉反応器内に、シリカ粒子分散液を投入する。その後、密閉反応器内に、液化二酸化炭素を加えて加熱し、高圧ポンプにより反応器内を昇圧させ、二酸化炭素を超臨界状態とする。そして、密閉反応器内に超臨界二酸化炭素を導入すると共に、排出し、密閉反応器内、つまりシリカ粒子分散液に流通させる。
これにより、超臨界二酸化炭素が溶媒(アルコール及び水)を溶解しつつ、これを同伴してシリカ粒子分散液の外部(密閉反応器内の外部)へと排出され、溶媒が除去される。
溶媒除去の温度条件、つまり超臨界二酸化炭素の温度は、例えば、31℃以上350℃以下がよく、好ましくは60℃以上300℃以下、より好ましくは、80℃以上250℃以下である。
この温度が31℃未満であると、溶媒が超臨界二酸化炭素に溶解し難くなるため、溶媒の除去がし難くなることがある。また、溶媒や超臨界二酸化炭素の液架橋力により粗粉が生じ易くなることがあると考える。一方、この温度が350℃を超えると、シリカ粒子の表面のシラノール基の縮合により二次凝集体等の粗粉が生じ易くなることがあると考えられる。
溶媒除去の圧力条件、つまり超臨界二酸化炭素の圧力は、例えば、7.38MPa以上40MPa以下がよく、好ましくは10MPa以上35MPa以下、より好ましくは15MPa以上25MPa以下である。
この圧力が7.38MPa未満であると、超臨界二酸化炭素に溶媒が溶解し難くなる傾向にあり、一方、圧力が40MPaを超えると、設備が高額となる傾向がある。
また、密閉反応器内への超臨界二酸化炭素の導入・排出量は、例えば、15.4L/分/m以上1540L/分/m以下であることがよく、好ましくは77L/分/m以上770L/分/m以下である。
導入・排出量が15.4L/分/m未満であると、溶媒除去に時間がかかるため生産性が悪くなり易くなる傾向となる。一方、導入・排出量が1540L/分/mを超えると、超臨界二酸化炭素がショートパスし、シリカ粒子分散液の接触時間が短くなってしまい、効率的に溶媒除去でき難くなる傾向となる。
・表面処理工程
表面処理工程は、例えば、溶媒除去工程と連続して、超臨界二酸化炭素中で、シロキサン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する工程である。
つまり、表面処理工程では、例えば、溶媒除去工程から移行する前に、大気開放を行わず、超臨界二酸化炭素中で、シロキサン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する。
具体的には、表面処理工程では、例えば、溶媒除去工程における密閉反応器内への超臨界二酸化炭素を導入・排出を停止した後、密閉反応器内の温度、圧力を調整し、密閉反応器内に、超臨界二酸化炭素が存在する状態で、シリカ粒子に対して一定の割合のシロキサン化合物を投入する。そして、この状態を維持した状態、つまり超臨界二酸化炭素中で、シロキサン化合物を反応させて、シリカ粒子の表面処理を行う。
ここで、表面処理工程は、超臨界二酸化炭素中で(つまり超臨界二酸化炭素の雰囲気下で)、シロキサン化合物の反応を行えばよく、超臨界二酸化炭素を流通(つまり密閉反応器内への超臨界二酸化炭素を導入・排出)させながら表面処理を行ってよいし、非流通で表面処理を行ってもよい。
表面処理工程において、反応器の容積に対するシリカ粒子の量(つまり仕込み量)は、例えば、30g/L以上600g/L以下がよく、好ましくは50g/L以上500g/L以下、より好ましくは80g/L以上400g/L以下である。
この量が上記範囲より少ないとシロキサン化合物の超臨界二酸化炭素に対する濃度が低くなりシリカ粒子の表面との接触確率が低下し、反応が進み難くなることがある。一方で、この量が上記範囲よりも多いと、シロキサン化合物の超臨界二酸化炭素に対する濃度が高くなり、シロキサン化合物が超臨界二酸化炭素へ溶解しきれず分散不良となり、粗大凝集物を発生させ易くなる。
超臨界二酸化炭素の密度は、例えば、0.10g/ml以上0.80g/ml以下がよく、好ましくは0.10g/ml以上0.60g/ml以下、より好ましくは0.2g/ml以上0.50g/ml以下である。
この密度が0.10g/mlより低いと、超臨界二酸化炭素に対するシロキサン化合物の溶解度が低下し、凝集物を発生させる傾向がある。一方で、密度が0.80g/mlよりも高いと、シリカ粒子の孔部への拡散性が低下するため、表面処理が不十分となる場合がある。特に、シラノール基を多く含有しているゾルゲルシリカ粒子に対しては上記密度範囲での表面処理を行うことがよい。
なお、超臨界二酸化炭素の密度は、温度及び圧力等により調整される。
表面処理の温度条件、つまり超臨界二酸化炭素の温度は、例えば、80℃以上300℃以下がよく、好ましくは100℃以上250℃以下、より好ましくは120℃以上200℃以下である。
この温度が80℃未満であると、シロキサン化合物による表面処理能力が低下することがある。一方で、温度が300℃を超えると、シリカ粒子のシラノール基間による縮合反応が進み、粒子凝集が発生することがある。特に、シラノール基を多く含有しているゾルゲルシリカ粒子に対しては上記の温度範囲での表面処理を行うことがよい。
一方、表面処理の圧力条件、つまり超臨界二酸化炭素の圧力は、上記密度を満足する条件であればよいが、例えば、8MPa以上30MPa以下がよく、好ましくは10MPa以上25MPa以下、より好ましくは15MPa以上20MPa以下である。
表面処理に用いるシロキサン化合物の具体例は前述の通りである。また、シロキサン化合物の粘度の好ましい範囲も既述の通りである。
シロキサン化合物の中でも、シリコーンオイルを適用すると、シリカ粒子の表面にシリコーンオイルが均一に近い状態で付着され易くなり、特定シリカ粒子の流動性、分散性、及び取扱い性が向上し易くなる。
シロキサン化合物の使用量は、シリカ粒子に対する表面付着量を0.01質量%以上5質量%以下に制御し易くする観点から、例えば、シリカ粒子に対し、0.05質量%以上3質量%以下がよく、好ましくは0.1質量%以上2質量%以下、より好ましくは0.15質量%以上1.5質量%以下である。
なお、シロキサン化合物は、単独で使用してもよいが、シロキサン化合物が溶解しやすい溶媒との混合液として使用してもよい。この溶媒としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
表面処理工程では、シロキサン化合物と共に疎水化処理剤を含む混合物によりシリカ粒子の表面処理を行ってもよい。
疎水化処理剤としては、例えば、シラン系疎水化処理剤が挙げられる。シラン系疎水化処理剤としては、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)を持つ公知の珪素化合物が挙げられ、具体例には、例えば、シラザン化合物(例えばメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシランなどのシラン化合物、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン等)等が挙げられる。疎水化処理剤は、1種で用いてもよいし、複数種用いてもよい。
シラン系疎水化処理剤の中でも、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などのトリメチル基を有する珪素化合物、特にヘキサメチルジシラザン(HMDS)が好適である。
疎水化処理剤の使用量は、特に限定はされないが、例えば、シリカ粒子に対し、例えば、1量%以上100質量%以下がよく、好ましくは3質量%以上80質量%以下、より好ましくは5質量%以上50質量%以下である。
なお、疎水化処理剤は、単独で使用してもよいが、疎水化処理剤が溶解しやすい溶媒との混合液として使用してもよい。この溶媒としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
−樹脂粒子の製造−
樹脂粒子の製造方法は、樹脂の種類、粒子形状等に応じて決定されればよく、特に制限はない。
樹脂粒子は、例えば、樹脂を、溶融混練した後、粉砕、分級する方法(混練粉砕法)、樹脂を水溶性有機溶剤に溶解した油相を、分散剤を含む水相中にて懸濁分散した後、溶剤を除去する方法(溶解懸濁法)、樹脂モノマーから乳化重合等にて得られた樹脂を、凝集させて粒子化する方法(乳化重合凝集法)等により製造される。
〔粒子混合工程〕
粒子混合工程では、特定シリカ粒子と、潤滑剤粒子と、樹脂粒子と、を混合する。
特定シリカ粒子と潤滑剤粒子と樹脂粒子との混合には、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等が用いられる。
特定シリカ粒子と潤滑剤粒子とを、別々に樹脂粒子と混合してもよい。
以下、本発明を、実施例を挙げて更に具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。また、「部」、「%」は、特に断りがない限り、質量基準である。
(シリカ粒子分散液(1)の調製)
撹拌機、滴下ノズル、温度計を具備した1.5Lのガラス製反応容器にメタノール300部、10%アンモニア水70部を添加して混合し、アルカリ触媒溶液を得た。
このアルカリ触媒溶液を30℃に調整した後、撹拌しながら、テトラメトキシシラン185部と8.0%アンモニア水50部とを同時に滴下を行い、親水性のシリカ粒子分散液(固形分濃度12.0質量%)を得た。ここで、滴下時間は30分とした。
その後、得られたシリカ粒子分散液をロータリーフィルターR−ファイン(寿工業社製)で固形分濃度40質量%まで濃縮した。この濃縮したものをシリカ粒子分散液(1)とした。
(シリカ粒子分散液(2)〜(4)の調製)
シリカ粒子分散液(1)の調製において、表1に従って、アルカリ触媒溶液(メタノール量、及び10%アンモニア水量)、シリカ粒子生成条件(アルカリ触媒溶液へのテトラメトキシシラン(TMOSと表記)及び8%アンモニア水の総滴下量、並びに、滴下時間)を変更した以外は、シリカ粒子分散液(1)と同様にして、シリカ粒子分散液(2)〜(8)を調製した。
表1に、シリカ粒子分散液(1)〜(8)をまとめて示す。
Figure 0006696197
(表面処理シリカ粒子(S1)の作製)
シリカ粒子分散液(1)を用いて、以下に示すようにして、シリカ粒子に対し超臨界二酸化炭素雰囲気下でシロキサン化合物による表面処理を行った。なお、表面処理には、二酸化炭素ボンベ、二酸化炭素ポンプ、エントレーナポンプ、撹拌機付きオートクレーブ(容量500ml)、圧力弁を具備した装置を用いた。
まず、撹拌機付きオートクレーブ(容量500ml)へ、シリカ粒子分散液(1)を250部投入し、撹拌機を100rpmで回転させた。その後、オートクレーブ内に液化二酸化炭素を注入し、ヒーターにより昇温しながら二酸化炭素ポンプにより昇圧し、オートクレーブ内を150℃、15MPaの超臨界状態とした。圧力弁でオートクレーブ内を15MPaに保ちながら二酸化炭素ポンプより超臨界二酸化炭素を流通させ、シリカ粒子分散液(1)からメタノールと水を除去し(溶媒除去工程)、シリカ粒子(未処理のシリカ粒子)を得た。
次に、流通した超臨界二酸化炭素の流通量(積算量:標準状態の二酸化炭素の流通量として測定)が900部となった時点で、超臨界二酸化炭素の流通を停止した。
その後、ヒーターにより温度150℃、二酸化炭素ポンプにより圧力15MPaを維持し、オートクレーブ内で二酸化炭素の超臨界状態を維持させた状態で、上記シリカ粒子(未処理のシリカ粒子)100部に対して、予め疎水化処理剤としてヘキサメチルジシラザン(HMDS:有機合成薬品工業社製)20部に、シロキサン化合物として、粘度10000cStであるジメチルシリコーンオイル(DSO:商品名「KF-96」:信越化学工業社製)0.3部を溶解した処理剤溶液をエントレーナポンプにてオートクレーブ内に注入した後、撹拌しながら、180℃で20分間反応させた。その後、再度超臨界二酸化炭素を流通させ、余剰の処理剤溶液を除去した。その後、撹拌を停止し、圧力弁を開けてオートクレーブ内の圧力を大気圧まで開放し温度を室温(25℃)まで下げた。
このように、溶媒除去工程、シロキサン化合物による表面処理を順次行い、表面処理シリカ粒子(S1)を得た。
(表面処理シリカ粒子(S2)〜(S5)、(S7)〜(S9)、(S12)〜(S17)の作製)
表面処理シリカ粒子(S1)の作製において、表2に従って、シリカ粒子分散液、表面処理条件(処理雰囲気、シロキサン化合物(種、粘度及びその添加量)、疎水化処理剤及びその添加量)を変更した以外は、表面処理シリカ粒子(S1)と同様にして、表面処理シリカ粒子(S2)〜(S5)、(S7)〜(S9)、(S12)〜(S17)を作製した。
(表面処理シリカ粒子(S6)の作製)
表面処理シリカ粒子(S1)の作製で用いたシリカ粒子分散液(1)と同様の分散液を用いて、以下に示すようにして、シリカ粒子に対し大気雰囲気下でシロキサン化合物による表面処理を行った。
シリカ粒子分散液(1)の作製に用いた反応容器にエステルアダプターと冷却管を取り付け、シリカ粒子分散液(1)を60℃〜70℃に加熱しメタノールを留去したところで水を添加し、更に70℃〜90℃に加熱しメタノールを留去しシリカ粒子の水性分散液を得た。この水性分散液中のシリカ粒子の固形分100部に対し室温でメチルトリメトキシシラン(MTMS:信越化学工業社製)3部を添加し2時間反応させてシリカ粒子の表面の処理を行った。この表面処理分散液にメチルイソブチルケトンを添加した後、80℃〜110℃に加熱しメタノール水を留去し、得られた分散液中のシリカ粒子の固形分100部に対し室温でヘキサメチルジシラザン(HMDS:有機合成薬品工業社製)80部と、シロキサン化合物として粘度10000cStであるジメチルシリコーンオイル(DSO:商品名「KF-96」:信越化学工業社製)1.0部を添加し、120℃で3時間反応させ、冷却した後、噴霧乾燥(スプレードライ)により乾燥し、表面処理シリカ粒子(S6)を得た。
(表面処理シリカ粒子(S10)の作製)
表面処理シリカ粒子(S1)の作製において、シリカ粒子分散液(1)からメタノールと水を除去して得られたシリカ粒子(未処理のシリカ粒子)の代わりに、ヒュームドシリカ:AEROSIL OX50(日本アエルジル社製)を用いた以外は、表面処理シリカ粒子(S1)の作製と同様にして、表面処理シリカ粒子(S10)を作製した。
すなわち、表面処理シリカ粒子(S1)の作製と同じ撹拌機付きオートクレーブへ、AEROSIL OX50を100部投入し、撹拌機を100rpmで回転させた。その後、オートクレーブ内に液化二酸化炭素を注入し、ヒーターにより昇温しながら二酸化炭素ポンプにより昇圧し、オートクレーブ内を180℃、15MPaの超臨界状態とした。圧力弁でオートクレーブ内を15MPaに保ちながら、予め疎水化処理剤としてヘキサメチルジシラザン(HMDS:有機合成薬品工業社製)20部に、シロキサン化合物として粘度10000cStであるジメチルシリコーンオイル(DSO:商品名「KF-96」:信越化学工業社製)0.3部を溶解した処理剤溶液をエントレーナポンプにてオートクレーブ内に注入した後、撹拌しながら、180℃で20分間反応させ、その後、超臨界二酸化炭素を流通させ、余剰の処理剤溶液を除去し、表面処理シリカ粒子(S10)を得た。
(表面処理シリカ粒子(S11)の作製)
シリカ粒子分散液(1)からメタノールと水を除去して得られたシリカ粒子(未処理のシリカ粒子)の代わりに、ヒュームドシリカ:AEROSIL A50(日本アエルジル社製)を用いた以外は、表面処理シリカ粒子(S1)に準じて、表面処理シリカ粒子(S11)を作製した。
すなわち、表面処理シリカ粒子(S1)の作製と同じ撹拌機付きオートクレーブへ、AEROSIL A50を100部投入し、攪拌機を100rpmで回転させた。その後、オートクレーブ内に液化二酸化炭素を注入し、ヒーターにより昇温しながら二酸化炭素ポンプにより昇圧し、オートクレーブ内を180℃、15MPaの超臨界状態とした。圧力弁でオートクレーブ内を15MPaに保ちながら、予め疎水化処理剤としてヘキサメチルジシラザン(HMDS:有機合成薬品工業社製)40部に、シロキサン化合物として粘度10000cStであるジメチルシリコーンオイル(DSO:商品名「KF-96(信越化学工業社製)」)1.0部を溶解した処理剤溶液をエントレーナポンプにてオートクレーブ内に注入した後、撹拌しながら、180℃で20分間反応させ、その後、超臨界二酸化炭素を流通させ、余剰の処理剤溶液を除去し、表面処理シリカ粒子(S11)を得た。
(表面処理シリカ粒子(SC1)の作製)
表面処理シリカ粒子(S1)の作製において、シロキサン化合物を添加しない以外は、表面処理シリカ粒子(S1)の作製と同様にして、表面処理シリカ粒子(SC1)を作製した。
(表面処理シリカ粒子(SC2)〜(SC4)の作製)
表面処理シリカ粒子(S1)の作製において、表3に従って、シリカ粒子分散液、表面処理条件(処理雰囲気、シロキサン化合物(種、粘度及びその添加量)、疎水化処理剤及びその添加量)を変更した以外は、表面処理シリカ粒子(S1)の作製と同様にして、表面処理シリカ粒子(SC2)〜(SC4)を作製した。
(表面処理シリカ粒子(SC5)の作製)
表面処理シリカ粒子(S6)の作製において、シロキサン化合物を添加しない以外は、表面処理シリカ粒子(S6)の作製と同様にして、表面処理シリカ粒子(SC5)を作製した。
(表面処理シリカ粒子(SC6)の作製)
シリカ粒子分散液(8)をろ過、120℃にて乾燥後、電気炉に入れ、400℃にて6時間焼成し、その後HMDSをシリカ粒子100部に対して10部、スプレードライにて噴霧、乾燥して表面処理シリカ粒子(SC6)を作製した。
各例で得られた表面処理シリカ粒子について、平均円相当径、平均円形度、未処理のシリカ粒子に対するシロキサン化合物の付着量、圧縮凝集度、粒子圧縮比、及び粒子分散度を既述の方法で測定した。
Figure 0006696197
Figure 0006696197
(樹脂粒子(A)の作製)
撹拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器中に、テレフタル酸ジメチル23mol%、イソフタル酸10mol%、ドデセニルコハク酸無水物15mol%、トリメリット酸無水物3mol%、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物5mol%、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物45mol%の割合で投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、触媒としてジブチルスズオキシド0.06mol%の割合で加え、窒素ガス気流下約190℃で約7時間撹拌反応させ、更に温度を約250℃に上げて約5.0時間撹拌反応させた後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で約0.5時間撹拌反応させて、分子内に極性基を有するポリエステル樹脂を得た。
次に、ポリエステル樹脂100部を、バンバリーミキサー型混練機で溶融混練した。混練物を圧延ロールで厚さ1cm程度の板状に成形し、フィッツミル型粉砕機で数ミリ程度まで粗粉砕し、IDS型粉砕機で微粉砕を行った後、エルボー型分級機で分級を順次行い、体積平均粒径7μmの樹脂粒子Aを得た。
(樹脂粒子(B)、(C)の作製)
樹脂粒子(A)の製造において、エルボー型分級機で分級を順次行い、体積平均粒径1μmの樹脂粒子(B)、体積平均粒径15μmの樹脂粒子(C)を得た。
(樹脂粒子(D)の作製)
−樹脂粒子分散液の調製−
スチレン285部、n−ブチルアクリレート115部、アクリル酸8部、ドデカンチオール24部、を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したフラスコ中で乳化させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、平均粒子径が150nmであり、ガラス転移温度(Tg)=53℃、重量平均分子量Mw=32000の樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40%であった。
−離型剤分散液の調製−
・カルナバワックス(東亜化成(株)製)5部:45部
・カチオン性界面活性剤Neogen RK(第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
上記成分を混合し120℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子の中心粒径が196nm、固形分量が22.0%の離型剤分散液を得た。
−離型剤含有樹脂粒子の調製−
・樹脂粒子分散液 320部
・離型剤分散液 16部
・ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S) 0.5部
・イオン交換水 600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で30分保持した後、平均粒径(D50)が4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1.5時間保持し、D50は6.8μmとなった。
この凝集体粒子を含む分散液に、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを5.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、樹脂粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥して、体積平均粒径が6.3μmの樹脂粒子(D)を得た。
樹脂粒子(D)において、離型剤の含有量は5質量%であった。
また、樹脂粒子(D)の離型剤の露出率は8atom%であり、平均円形度は0.95であった。
(潤滑剤粒子の準備)
潤滑剤粒子として、以下のものを準備した。
・潤滑剤粒子(a): ステアリン酸亜鉛粒子(ニッサンエレクトール(登録商標)MZ−2、体積基準による平均円相当径1.5μm、日油社製)
・潤滑剤粒子(b): 窒化ホウ素粒子(FS−1、体積基準による平均円相当径0.5μm 水島合金鉄株式会社製)
・潤滑剤粒子(c): ポリテトラフルオロエチレン粒子(ルブロン(登録商標)L−2、体積基準による平均円相当径3.5μm ダイキン工業社製)
<実施例1〜25、比較例1〜7>
表4及び表5にしたがって、樹脂粒子(A)20部に対し、表面処理シリカ粒子及び潤滑剤粒子を組み合わせ、0.4Lサンプルミルにて15000rpmで30秒間混合し、実施例1の樹脂粒子組成物を得た。
<樹脂粒子組成物の評価>
実施例1〜25、及び比較例1〜7で得られた樹脂粒子組成物について、樹脂粒子組成物の取扱い性、樹脂粒子の流動性、樹脂粒子組成物を空送する際の配管内への固着量について、以下の方法で評価した。
結果を表4及び表5に示す。
(樹脂粒子組成物の取扱い性の評価)
樹脂粒子組成物の取り扱い性の指標として、各例で得られた樹脂粒子組成物の高温下環境取り扱い性として評価した。具体的には樹脂組成物を高温低湿環境下(温度30℃、湿度20%RHの 環境下)に17時間放置した後、振とう機を用いて25分間振とうして混合した後、75μmの篩にのせ、振幅1mmで90秒間振動させて、樹脂粒子組成物の樹脂粒子の落下の様子を観察し、下記の評価基準に基づいて評価した。
−評価基準−
A:篩上に樹脂粒子が残らない。
B:篩上に樹脂粒子が若干残る。
C:篩上にかなりの樹脂粒子が残る。
(樹脂粒子組成物の流動性の評価)
ホソカワミクロン社製パウダーテスターにより、樹脂粒子組成物の取扱い性の評価に用いた樹脂粒子組成物を、樹脂粒子組成物のゆるみ見掛け比重と固め見掛け比重とを測定し、以下の式を用いてゆるみ見掛け比重と固め見掛け比重との比から圧縮比を求め、算出された圧縮比から、樹脂粒子組成物の流動性を評価した。
・式:圧縮比=〔(固め見掛け比重)−(ゆるみ見掛け比重)〕/固め見掛け比重
なお、「ゆるみ見掛け比重」とは、容量が100cm3の試料カップへ樹脂粒子組成物を充填し、秤量する事で導き出される測定値であって、樹脂粒子組成物を試料カップ中に自然落下させた状態の充填比重をいう。「固め見掛け比重」とは、ゆるみ見掛け比重の状態からタッピングすることにより、脱気され、樹脂粒子組成物の粒子が再配列し、より密に充填された、見掛け比重をいう。 また、流動性評価でも分散維持性の評価と同様に、測定前にターブラ振とう機で60分間混合行って機械的負荷を与えている。以下の基準に基づいて評価し。
−評価基準−
A:圧縮比が0.2未満
B:圧縮比が0.2以上0.3未満
C:圧縮比が0.3以上0.4未満
D:圧縮比が0.4以上
−樹脂粒子組成物を空送する際の配管内への付着量(固着量))の評価−
配管内径φ47.8mmの配管の内側に室温硬化型シリコーン樹脂(東レ−ダウコーニングシリコーン社製、SR2411)を塗布したものを用意し、途中90°の直角に曲がるようにエルボ部分を要した試験配管に対して、ブロアでの吸引先にフィルタを設置して線速度が5.0m/minになるようにして、樹脂粒子組成物の吸引試験を行った。その後、固気比が0.5になるように樹脂粒子を空送し、3min後の配管付着量が空送した全量のどれくらいの割合になるか下記の評価基準に基づいて評価した。
−評価基準−
A:配管付着量が1%未満
B:配管付着量が1%以上5%未満
C:配管付着量が5%以上
Figure 0006696197
Figure 0006696197
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、樹脂粒子の流動性及び樹脂粒子組成物の取扱い性に優れ、また、樹脂粒子組成物を空送する際の配管内への付着量(固着量)も少ないことが分かる。

Claims (4)

  1. 樹脂粒子と、
    潤滑剤粒子と、
    圧縮凝集度が60%以上95%以下、粒子圧縮比が0.20以上0.40以下、平均円相当径が40nm以上200nm以下であり、かつ粘度1000cSt以上50000cSt以下のシロキサン化合物により表面処理され、前記シロキサン化合物の表面付着量が0.01質量%以上5質量%以下であるシリカ粒子であって、と、
    を有する樹脂粒子組成物。
  2. 前記樹脂粒子に対する前記潤滑剤粒子の含有量が0.1質量%以上8質量%以下である請求項1に記載の樹脂粒子組成物。
  3. 前記シリカ粒子の粒子分散度が、90%以上100%以下である請求項1又は請求項2に記載の樹脂粒子組成物。
  4. 前記シロキサン化合物が、シリコーンオイルである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂粒子組成物。
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