JP6578734B2

JP6578734B2 - 作業機械の前後進誤作動報知装置

Info

Publication number: JP6578734B2
Application number: JP2015097404A
Authority: JP
Inventors: 小林　利彰; 利彰小林; 慎吾酒井; 吉田　英司; 英司吉田; 森田　耕一; 耕一森田; 一寿大西
Original assignee: Tadano Ltd
Current assignee: Tadano Ltd
Priority date: 2015-05-12
Filing date: 2015-05-12
Publication date: 2019-09-25
Anticipated expiration: 2035-05-12
Also published as: US10415656B2; JP2016211693A; EP3296584A4; CN107532659B; EP3296584B1; US20190154092A1; WO2016181712A1; CN107532659A; EP3296584A1

Description

本発明は、例えば、ラフテレーンクレーン等、油圧ポンプから吐出された作動油によって前進及び後進の切り替えを行うクラッチを有するトランスミッションを備えた作業機械の前後進誤作動報知装置に関するものである。

従来の作業機械の前後進切替装置としては、油圧源から供給された作動油によって走行体の前進または後進の切り替えを行うクラッチを有するトランスミッションと、クラッチを走行体の前進側に設定する場合に作動油を流通させる前進用作動油流路と、クラッチを走行体の後進側に設定する場合に作動油を流通させる後進用作動油流路と、油圧ポンプから供給された作動油の流路を、前進用作動油流路側または後進用作動油流路側に切り替える流路切替機構と、走行体の前進または後進させる操作を入力する操作入力部と、を備えたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。

実開平０５−９２５４４号公報

前記前後進切替装置では、流路切替機構が電磁式の流路切替弁によって構成されている。このため、例えば、流路切替弁が固着する等、流路切替機構が正常に動作しない場合に、操作入力部に入力された進行方向に対して、トランスミッションのクラッチの状態が一致せず、操作入力部に入力された進行方向と異なる方向に走行体が走行する可能性がある。

本発明の目的とするところは、操作入力部に入力された進行方向とトランスミッションのクラッチの状態が一致しない場合に、その旨を作業者に対して報知することで、安全性を向上することのできる作業機械の前後進誤作動報知装置を提供することにある。

本発明は、前記目的を達成するために、油圧ポンプから吐出された作動油によって走行体の前進または後進の切り替えを行うクラッチを有するトランスミッションと、クラッチを走行体の前進側に設定する場合に作動油を流通させる前進用作動油流路と、クラッチを走行体の後進側に設定する場合に作動油を流通させる後進用作動油流路と、油圧ポンプから吐出された作動油の流路を、前進用作動油流路側または後進用作動油流路側に切り替える流路切替機構と、前進用作動油流路内の圧力を検出する前進用圧力センサと、後進用作動油流路内の圧力を検出する後進用圧力センサと、走行体の前進または後進させる操作を入力する操作入力部と、前進用圧力センサの検出圧力及び後進用圧力センサの検出圧力の少なくとも一方と操作入力部に入力された進行方向とに基づいて、クラッチの状態が操作入力部に入力された進行方向と一致しているか否かを判定する状態判定手段と、状態判定手段によってクラッチの状態が操作入力部に入力された進行方向と一致していないと判定された場合に、走行体に誤作動が発生する旨を走行体が走行を開始する前に報知する報知手段と、を備えている。

これにより、走行体に誤作動が発生する旨が報知されることから、走行体が実際に走行を開始する前にその旨を搭乗者に認識させることが可能となる。

本発明によれば、走行体が実際に走行を開始する前に走行体に誤作動が発生する旨を搭乗者に認識させることが可能となるので、走行体の走行時における安全性を向上させることが可能となる。

本発明の一実施形態を示す移動式クレーンの側面図である。動力伝達装置の概略構成図である。制御系を示すブロック図である。前後進誤作動報知処理のフローチャートである。

図１乃至図４は、本発明の一実施形態を示すものである。

本発明の前後進誤作動報知装置を備えた作業機械としての移動式クレーン１は、図１に示すように、一般の道路や作業エリア内を走行するための走行体としての車体１０と、クレーン作業を行うためのクレーン装置２０と、車体１０の走行及びクレーン装置２０によるクレーン作業の操作を行うためのキャブ３０と、を備えている。クレーン装置２０及びキャブ３０は、車体１０に対して水平方向に旋回可能な旋回台４０に支持され、旋回台４０の幅方向一方にクレーン装置２０が配置され、幅方向他方にキャブ３０が配置されている。

車体１０は、前後方向に延びるキャリアフレーム１１の前側に２つの車軸が設けられ、キャリアフレーム１１の後側に１つの車軸が設けられた３軸車であり、各車軸の両端部に車輪１２が設けられている。車体１０は、キャリアフレーム１１の後側に設けられたエンジン１３の動力によって車輪１２を駆動させて走行する。また、キャリアフレーム１１の前側の車輪１２の前方及び後側の車輪１２の後方の左右両側には、アウトリガ１４が設けられている。

クレーン装置２０は、車体１０に対して起伏自在に設けられると共に伸縮自在な伸縮ブーム２１を有している。伸縮ブーム２１は、油圧式の起伏シリンダ２２によって起伏動作を行う。また、伸縮ブーム２１は、筒状に形成された複数のブーム部材によって構成されたテレスコピック機構によって伸縮するものであり、図示しない油圧式のシリンダによって伸縮動作を行う。

キャブ３０の内部には、搭乗者が着座するシート、車体１０の走行用及びクレーン作業用のハンドル、操作レバー及びフットペダル等が設けられている。移動式クレーン１は、キャブ３０の前面を車体１０の前方に向けた状態で走行する。

また、移動式クレーン１は、エンジン１３の動力を車輪１２に伝達するための動力伝達装置１００を備えている。

動力伝達装置１００は、図２に示すように、エンジン１３から出力される動力のトルクを増幅させるためのトルクコンバータ１１０と、トルクコンバータ１１０から出力された動力の回転数及び回転方向を変換するためのトランスミッション１２０と、トランスミッション１２０の変速比を切り替える操作を行うための作動油回路１３０と、を備えている。

トルクコンバータ１１０は、エンジン１３の動力が直接伝達されるポンプインペラと、ポンプインペラの回転によって生じたオイルの流れによって回転し、トランスミッションに動力を伝達するためのタービンライナと、ポンプインペラとタービンライナとの間においてオイルの流れを整えるためのステータを有している。

トランスミッション１２０は、図２に示すように、互いに異なる変速比となる前進走行用の第１〜第３前進クラッチ１２１，１２２，１２３（以降、１２１〜１２３と記載する）と、車体１０を後進させるための後進クラッチ１２４と、を有している。トランスミッション１２０は、第１〜第３前進クラッチ１２１〜１２３及び後進クラッチ１２４のいずれか１つを接続した状態とし、その他の接続を解除した状態とすることで、トルクコンバータ１１０から出力された動力の回転数及び回転方向が変換される。また、トランスミッション１２０は、第１〜第３前進クラッチ１２１〜１２３及び後進クラッチ１２４のそれぞれが接続されている状態において、変速比を２段階に切り替えるための高変速比クラッチ１２５及び低変速比クラッチ１２６と、を有している。したがって、トランスミッション１２０は、前進方向に６段階の変速比の切り替えが可能であり、後進方向に２段階の変速比の切り替えが可能である。各クラッチ１２１〜１２６は、作動油回路１３０を介して供給された作動油によって接続と接続の解除との切り替えがなされる。

作動油回路１３０は、図２に示すように、エンジン１３の動力によって駆動する油圧ポンプ１３１と、油圧ポンプ１３１が吐出する作動油を貯留するための作動油タンク１３２と、油圧ポンプ１３１と第１〜第３前進クラッチ１２１〜１２３側との間における作動油の流れを制御するための流路切替機構としての前進設定バルブ１３３と、油圧ポンプ１３１と後進クラッチ１２４との間における作動油の流れを制御するための流路切替機構としての後進設定バルブ１３４と、油圧ポンプ１３１と高変速比クラッチ１２５との間の作動油の流れを制御するための高変速比設定バルブ１３５と、油圧ポンプ１３１と低変速比クラッチ１２６との間の作動油の流れを制御するための低変速比設定バルブ１３６と、第１〜第３前進クラッチ１２１〜１２３のいずれかに接続を切り替えるための第１及び第２速度段切替バルブ１３７，１３８と、を有している。

前進設定バルブ１３３は、３ポート単動常時開電磁弁である。

後進設定バルブ１３４、高変速比設定バルブ１３５及び低変速比設定バルブ１３６は、それぞれ３ポート単動常時閉電磁弁である。

第１速度段切替バルブ１３７は、４方向４ポート単動電磁弁である。

第２速度段切替バルブ１３８は、４方向４ポート３位置電磁弁である。第２速度段切替バルブ１３８は、中立位置において、Ａポート及びＢポートがＴポートに連通している。

ここで、作動油回路１３０の回路構成について説明する。

油圧ポンプ１３１の吸入側には、作動油タンク１３２が接続されている。油圧ポンプ１３１の吐出側には、前進設定バルブ１３３、後進設定バルブ１３４、高変速比設定バルブ１３５及び低変速比設定バルブ１３６のそれぞれのＰポートが互いに並列に接続されている。前進設定バルブ１３３のＡポートには、第１速度段切替バルブ１３７のＰポートが接続されている。前進設定バルブ１３３のＡポートと第１速度段切替バルブ１３７のＰポートとの間の前進用作動油流路１３０ａには、前進用圧力センサとしての第１圧力センサ１３３ａが設けられている。後進設定バルブ１３４のＡポートには、後進クラッチ１２４が接続されている。後進設定バルブ１３４のＡポートと後進クラッチ１２４との間の後進用作動油流路１３０ｂには、後進用圧力センサとしての第２圧力センサ１３４ａが設けられている。高変速比設定バルブ１３５のＡポートには、高変速比クラッチ１２５が接続されている。低変速比設定バルブ１３６のＡポートには、低変速比クラッチ１２６が接続されている。また、第１速度段切替バルブ１３７のＡポートには、第２速度段切替バルブ１３８のＰポートが接続されている。第１速度段切替バルブ１３７のＢポートには、第３前進クラッチ１２３が接続されている。第２速度段切替バルブ１３８のＡポートには、第１前進クラッチ１２１が接続されている。第２速度段切替バルブ１３８のＢポートには、第２前進クラッチ１２２が接続されている。

また、移動式クレーン１は、車体１０の走行やクレーン装置２０の動作を制御するためのコントローラ１４０を備えている。

コントローラ１４０は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を有している。コントローラ１４０は、入力側に接続された装置から入力信号を受信すると、ＣＰＵが、入力信号に基づいてＲＯＭに記憶されたプログラムを読み出すとともに、入力信号によって検出された状態をＲＡＭに記憶したり、出力側に接続された装置に出力信号を送信したりする。

コントローラ１４０の入力側には、図３に示すように、エンジン１３と、第１圧力センサ１３３ａと、第２圧力センサ１３４ａと、トランスミッション１２０の設定を入力するための操作入力部としてのセレクトレバー１４１と、車体１０を走行不能な状態と走行可能な状態とを切り替えるためのパーキングブレーキ１４２と、が接続されている。

コントローラ１４０の出力側には、図３に示すように、前進設定バルブ１３３と、後進設定バルブ１３４と、高変速比設定バルブ１３５と、低変速比設定バルブ１３６と、第１速度段切替バルブ１３７と、第２速度段切替バルブ１３８と、作業者に対して音によって所定の状態を報知するための報知手段としてのブザー１４３が接続されている。

以上のように構成された移動式クレーン１において、車体１０による前進走行を行う場合には、エンジン１３を駆動させると共にパーキングブレーキ１４２を解除し、セレクトレバー１４１を例えば、Ｄレンジ等の前進走行に設定する。これにより、後進設定バルブ１３４の流路を閉鎖した状態で、前進設定バルブ１３３の流路が開放された状態となり、油圧ポンプ１３１から吐出された作動油は、第１〜第３前進クラッチ１２１〜１２３側に流通し、第１〜第３前進クラッチ１２１〜１２３のいずれかの接続が可能となる。このとき、コントローラ１４０は、搭乗者による「Ｈｉモード」または「Ｌｏｗモード」の設定、及び、例えばエンジンの回転数や走行速度等、予め設定された条件に基づいて、第１速度段切替バルブ１３７、第２速度段切替バルブ１３８、高変速比設定バルブ１３５及び低変速比設定バルブ１３６を操作し、第１〜第３前進クラッチ１２１〜１２３の切り替え、及び、高変速比クラッチ１２５または低変速比クラッチ１２６の切り替えを行う。

また、車体１０よる後進走行を行う場合には、セレクトレバー１４１をＲレンジの後進走行に設定する。これにより、前進設定バルブ１３３の流路を閉鎖した状態で、後進設定バルブ１３４の流路が開放された状態となり、油圧ポンプ１３１から吐出された作動油は、後進クラッチ１２４側に流通し、後進クラッチ１２４が接続される。このとき、コントローラ１４０は、搭乗者による「Ｈｉモード」または「Ｌｏｗモード」の設定に基づいて、高変速比設定バルブ１３５及び低変速比設定バルブ１３６を操作し、高変速比クラッチ１２５または低変速比クラッチ１２６の切り替えを行う。

さらに、車体１０による前進または後進の走行を行う場合に、コントローラ１４０は、トランスミッション１２０の各クラッチ１２１〜１２４の状態が前進走行を行う状態か後進走行を行う状態かを判定し、セレクトレバー１４１に入力された進行方向に対して各クラッチ１２１〜１２４の状態が一致しない場合に車体１０の走行方向に誤作動が発生する旨を報知する前後進誤作動報知処理を行う。このときの、コントローラ１４０のＣＰＵの動作を、図４のフローチャートを用いて説明する。

（ステップＳ１）
ステップＳ１においてＣＰＵは、エンジン１３が駆動している状態（所謂アイドル状態）か否かを判定する。エンジン１３が駆動していると判定した場合にはステップＳ２に処理を移し、エンジン１３が駆動していると判定しなかった場合には前後進誤作動報知処理を終了する。

（ステップＳ２）
ステップＳ１においてエンジン１３が駆動していると判定した場合に、ステップＳ２においてＣＰＵは、エンジン１３が始動してから第１所定時間Ｔｓ（例えば、５秒間）以上経過しているか否かを判定する。エンジン１３が始動してから第１所定時間Ｔｓ以上経過していると判定した場合にはステップＳ３に処理を移し、エンジン１３が始動してから第１所定時間Ｔｓ以上経過していると判定しなかった場合にはステップＳ１に処理を戻す。

（ステップＳ３）
ステップＳ２においてエンジン１３が始動してから第１所定時間Ｔｓ以上経過していると判定した場合に、ステップＳ３においてＣＰＵは、セレクトレバー１４１が例えばＮレンジやＤレンジ等、中立または前進走行に設定されているか否かを判定する。セレクトレバー１４１が中立または前進走行に設定されていると判定した場合にはステップＳ４に処理を移し、セレクトレバー１４１が中立または前進走行に設定されていると判定しなかった場合にはステップＳ６に処理を移す。

（ステップＳ４）
ステップＳ３においてセレクトレバー１４１が中立または前進走行に設定されていると判定した場合に、ステップＳ４においてＣＰＵは、第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆが第１所定圧力Ｐ１（例えば、０．９３ＭＰａ）以下（Ｐｆ≦Ｐ１）か否かを判定する。第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆが第１所定圧力Ｐ１以下と判定した場合にはステップＳ５に処理を移し、第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆが第１所定圧力Ｐ１以下と判定しなかった場合には前後進誤作動報知処理を終了する。
ここで、第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆが第１所定圧力Ｐ１以下である状態とは、作動油回路１３０における前進用作動油流路１３０ａの圧力が第１所定圧力Ｐ１以下である状態を示し、セレクトレバー１４１が前進走行に設定されているにもかかわらず、第１〜第３前進クラッチ１２１〜１２３の全てが接続されていない可能性があることを示す。

（ステップＳ５）
ステップＳ４において第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆが第１所定圧力Ｐ１以下と判定した場合に、ステップＳ５においてＣＰＵは、第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆが所定の第１所定圧力Ｐ１以下の状態が第２所定時間Ｔｃ（例えば、３秒間）以上経過したか否かを判定する。第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆが所定の第１所定圧力Ｐ１以下の状態が第２所定時間Ｔｃ以上経過したと判定した場合にはステップＳ９に処理を移し、第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆが所定の第１所定圧力Ｐ１以下の状態が第２所定時間Ｔｃ以上経過したと判定しなかった場合にはステップＳ３に処理を戻す。

（ステップＳ６）
ステップＳ３においてセレクトレバー１４１が中立または前進走行に設定されていると判定しなかった場合に、ステップＳ６においてＣＰＵは、セレクトレバー１４１がＲレンジである後進走行に設定されているか否かを判定する。セレクトレバー１４１が後進走行に設定されていると判定した場合にはステップＳ７に処理を移し、セレクトレバー１４１が後進走行に設定されていると判定しなかった場合には前後進誤作動報知処理を終了する。

（ステップＳ７）
ステップＳ６においてセレクトレバー１４１が後進走行に設定されていると判定した場合に、ステップＳ７においてＣＰＵは、第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒが第２所定圧力Ｐ２（例えば、０．９３ＭＰａ）以下（Ｐｒ≦Ｐ２）か否かを判定する。第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒが第２所定圧力Ｐ２以下と判定した場合にはステップＳ８に処理を移し、第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒが第２所定圧力Ｐ２以下と判定しなかった場合には前後進誤作動報知処理を終了する。
ここで、第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒが第２所定圧力Ｐ２以下である状態とは、作動油回路１３０における後進用作動油流路１３０ｂの圧力が第２所定圧力Ｐ２以下である状態を示し、セレクトレバー１４１が後進走行に設定されているにもかかわらず、後進クラッチ１２４が接続されていない可能性があることを示す。

（ステップＳ８）
ステップＳ７において第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒが第２所定圧力Ｐ２以下と判定した場合に、ステップＳ８においてＣＰＵは、第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒが所定の第２所定圧力Ｐ２以下の状態が第２所定時間Ｔｃ（例えば、３秒間）以上経過したか否かを判定する。第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒが所定の第２所定圧力Ｐ２以下の状態が第２所定時間Ｔｃ以上経過したと判定した場合にはステップＳ９に処理を移し、第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒが所定の第２所定圧力Ｐ２以下の状態が第２所定時間Ｔｃ以上経過したと判定しなかった場合にはステップＳ６に処理を戻す。

（ステップＳ９）
ステップＳ５において第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆが所定の第１所定圧力Ｐ１以下の状態が第２所定時間Ｔｃ以上経過したと判定した場合、または、ステップＳ８において第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒが所定の第２所定圧力Ｐ２以下の状態が第２所定時間Ｔｃ以上経過したと判定した場合に、ステップＳ９においてＣＰＵは、パーキングブレーキ１４２が解除されているか否かを判定する。パーキングブレーキ１４２が解除されていると判定した場合にはステップＳ１０に処理を移し、パーキングブレーキ１４２が解除されていると判定しなかった場合には前後進誤作動報知処理を終了する。

（ステップＳ１０）
ステップＳ９においてパーキングブレーキ１４２が解除されていると判定した場合に、ステップＳ１０においてＣＰＵは、ブザーをオンの状態として前後進誤作動報知処理を終了する。

このように、本実施形態の作業機械の前後進誤作動報知装置によれば、第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆまたは第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒとセレクトレバー１４１に入力された進行方向とに基づいて、クラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致しているか否かを判定し、クラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致していないと判定した場合に、車体１０に誤作動が発生する旨を報知する。

これにより、車体１０が実際に走行を開始する前に車体１０に誤作動が発生する旨を搭乗者に認識させることが可能となるので、車体１０の走行時における安全性を向上させることが可能となる。

また、クラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致していないと判定されてから第２所定時間Ｔｃが経過するまで、ブザー１４３による報知を規制する。

これにより、前進設定バルブ１３３及び後進設定バルブ１３４が切り替えられた直後の前進用作動油流路１３０ａ及び後進用作動油流路１３０ｂの圧力の変動によってブザー１４３が鳴ることを防止することができるので、実際に誤作動が発生する場合のみにブザー１４３による報知を行うことが可能となる。

また、クラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致していないと判定された状態で、パーキングブレーキ１４２が車体１０を走行不能としている状態である場合に、ブザー１４３による報知を規制する。

これにより、搭乗者が実際に車体１０による走行を開始する操作を行う場合を除いてブザー１４３が鳴ることを防止することができるので、不要にブザー１４３が鳴ることを防止することができる。

また、セレクトレバー１４１に中立または進行方向が前方の入力がなされ、第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆが第１所定圧力Ｐ１以下である場合に、クラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致していないと判定し、セレクトレバー１４１に進行方向が後方の入力がなされ、第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒが第２所定圧力Ｐ２以下である場合に、クラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致していないと判定する。

これにより、簡単な構成によってクラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致していないと判定することが可能となるので、製造コストの高くなることを防止することができる。

また、車体１０に誤作動が発生する旨をブザー１４３によって報知する。

これにより、ブザー１４３の音によって搭乗者に確実に車体１０の誤作動の発生を報知することができ、安全性を向上することが可能となる。

尚、前記実施形態では、セレクトレバー１４１に中立または進行方向が前方の入力がなされ、第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆが第１所定圧力Ｐ１以下である場合に、クラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致していないと判定し、セレクトレバー１４１に進行方向が後方の入力がなされ、第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒが第２所定圧力Ｐ２以下である場合に、クラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致していないと判定するようにしたものを示したが、これに限られるものではない。
例えば、セレクトレバー１４１に中立または進行方向が前方の入力がなされ、第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒが所定圧力よりも以上である場合に、クラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致していないと判定し、セレクトレバー１４１に進行方向が後方の入力がなされ、第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆが所定圧力以上である場合に、クラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致していないと判定してもよい。
また、セレクトレバー１４１に中立または進行方向が前方の入力がなされ、第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆが第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒよりも小さい場合に、クラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致していないと判定し、セレクトレバー１４１に進行方向が後方の入力がなされ、第２圧力センサ１３４ａの検出圧力Ｐｒが第１圧力センサ１３３ａの検出圧力Ｐｆよりも小さい場合に、クラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致していないと判定してもよい。

また、前記実施形態では、作業機械として移動式クレーン１を適用したものを示したが、油圧や空気圧によってクラッチを切り替えるトランスミッションを備えた作業機械であれば、掘削機等の作業機械にも適用可能である。

また、前記実施形態では、クラッチ１２１〜１２４の状態がセレクトレバー１４１に入力された進行方向と一致していない旨をブザー１４３によって報知するようにしたものを示したが、これに限られるものではない。例えば、液晶ディスプレイ等の表示部にその旨を表示してもよいし、その旨を表示するＬＥＤ等のランプを点灯するようにしてもよい。

１…移動式クレーン、１０…車体、１００…動力伝達装置、１２０…トランスミッション、１２１…第１前進クラッチ、１２２…第２前進クラッチ、１２３…第３前進クラッチ、１２４…後進クラッチ、１３０…作動油回路、１３０ａ…前進用作動油流路、１３０ｂ…後進用作動油流路、１３３…前進設定バルブ、１３３ａ…第１圧力センサ、１３４…後進設定バルブ、１３４ａ…第２圧力センサ、１４１…セレクトレバー、１４２…パーキングブレーキ、１４３…ブザー。

Claims

油圧ポンプから吐出された作動油によって走行体の前進または後進の切り替えを行うクラッチを有するトランスミッションと、
クラッチを走行体の前進側に設定する場合に作動油を流通させる前進用作動油流路と、
クラッチを走行体の後進側に設定する場合に作動油を流通させる後進用作動油流路と、
油圧ポンプから吐出された作動油の流路を、前進用作動油流路側または後進用作動油流路側に切り替える流路切替機構と、
前進用作動油流路内の圧力を検出する前進用圧力センサと、
後進用作動油流路内の圧力を検出する後進用圧力センサと、
走行体の前進または後進させる操作を入力する操作入力部と、
前進用圧力センサの検出圧力及び後進用圧力センサの検出圧力の少なくとも一方と操作入力部に入力された進行方向とに基づいて、クラッチの状態が操作入力部に入力された進行方向と一致しているか否かを判定する状態判定手段と、
状態判定手段によってクラッチの状態が操作入力部に入力された進行方向と一致していないと判定された場合に、走行体に誤作動が発生する旨を走行体が走行を開始する前に報知する報知手段と、を備えた
ことを特徴とする作業機械の前後進誤作動報知装置。
状態判定手段によってクラッチの状態が操作入力部に入力された進行方向と一致していないと判定されてから所定時間経過するまで、報知手段による報知を規制する判定開始時報知規制手段を備えた
ことを特徴とする請求項１に記載の作業機械の前後進誤作動報知装置。
走行体を走行不能な状態とするパーキングブレーキと、
状態判定手段によってクラッチの状態が操作入力部に入力された進行方向と一致していないと判定された状態で、パーキングブレーキが走行体を走行不能としている状態である場合に、報知手段による報知を規制する非走行時報知規制手段と、を備えた
ことを特徴とする請求項１または２に記載の作業機械の前後進誤作動報知装置。
状態判定手段は、
操作入力部に入力された進行方向が前方であり、前進用圧力センサの検出圧力が第１所定圧力以下である場合に、クラッチの状態が操作入力部に入力された進行方向と一致していないと判定し、
操作入力部に入力された進行方向が後方であり、後進用圧力センサの検出圧力が第２所定圧力以下である場合に、クラッチの状態が操作入力部に入力された進行方向と一致していないと判定する
ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の作業機械の前後進誤作動報知装置。
報知手段は、走行体に誤作動が発生する旨をブザーによって報知する
ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の作業機械の前後進誤作動報知装置。