JP4853634B2 - 作業車両 - Google Patents

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本発明は、作業車両に関し、特に走行伝動系の油圧クラッチに異常が生じた場合の安全装置を備えた作業車両に関するものである。
トラクタなどの作業車両の変速装置において、油圧回路に設けられた油圧クラッチ作動用のソレノイドバルブへの通電量を変化させて油圧クラッチへ供給する油圧を変えてクラッチの入・切を行っている。
しかし油圧回路の油路が詰まるなどの異常により油圧クラッチが正常に作動しないことがあると、変速装置の作動コントロールができなくなるおそれがある。そのための対策として油圧回路の油圧が低下したことを検知すると、警告を発して、同時に車両を減速すべくソレノイドバルブへの通電量を増加させた後、エンジンを停止させる制御機構を備えた下記特許文献記載の発明などがある。
特開2004−293750号公報
上記特許文献1記載の発明では、油圧回路の油圧が低下したことを検知すると、車両を減速させ、その後でエンジンを停止させることで車両の走行安全性を図っている。
しかし、上記特許文献1に記載の発明では、車両を減速した後に停止させる構成であり、車両の減速開始から車両停止までの間に油圧クラッチのディスクの過剰なすべりによる加熱などがあるのでクラッチディスクが損傷し易い。
本発明の課題は、エンジンを停止するまでもなく油圧回路の油圧が異常低下したことを検知すると、クラッチディスクを損傷させないで車両を停止さることができる制御装置を備えた作業車両を提供することである。
本発明の上記課題は次の解決手段で解決される。
請求項1記載の発明は、エンジン(62)を設け、該エンジン(62)からの動力を走行装置(61,63)に伝達する走行動力伝動系に摩擦伝動式の前後進クラッチ(D)と主変速切替用クラッチ(E)とHi−Lo変速切替用クラッチ(F)を設け、前記前後進クラッチ(D)の切替を手動で行う前後進切替レバー(115)を設け、前記各クラッチ(D)、(E)及び(F)の各作動用シリンダ(85,87,88,91,92及び95)に供給する作動油の圧力をそれぞれ検出する各圧力検出手段(116,117;112a,112b;113a,113b;110,111)を設け、走行中に前記各圧力検出手段(116,117;112a,112b;113a,113b;110,111)によってそれぞれ検出する作動油の圧力がそれぞれ設定された所定時間(T1)以上にわたって第一の設定値(P1)以下に低下した場合には異常状態と判定し、該異常状態と判定された各クラッチ(D)、(E)及び/又は(F)の作動用シリンダ(85,87,88,91,92及び95)への作動油の供給を断って前後進切替レバー(115)を中立位置にする操作と同じ出力をする制御装置(100)を設け、表示を操縦部に設け、前記前後進クラッチ(D)の作動用のクラッチペダルを設け、該クラッチペダルの操作と連動して制御装置(100)に信号を送る前後進クラッチ(D)のクラッチペダルセンサ(120)と、該クラッチペダルの切り操作時には制御装置(100)を経由せずに前後進クラッチ(D)の作動用シリンダ(85)のオン・オフ制御弁(129)をクラッチ切り側に操作することもできるクラッチペダルスイッチ(121)とからなる2系統のクラッチペダル制御系を設け前記制御装置(100)は、走行中に前記前後進クラッチ(D)と主変速切替用クラッチ(E)及びHi−Lo変速切替用クラッチ(F)の各作動用シリンダ(85,87,88,91,92及び95)に供給する作動油の圧力が前記第一の設定圧力(P1)以上の圧力範囲において前記第一の設定圧力(P1)よりも高い第二の設定圧力(P2)以下に低下したことが検出された場合には、前記表示部に異常状態の表示のみを行い、走行制御は継続する機能と、前後進クラッチ(D)を作動するクラッチペダルスイッチ(121)が異常であると判定した場合、クラッチペダルを踏み込んだときに作動油が前後進クラッチ(D)へ供給されるのを遮断するように前後進クラッチ(D)の作動用シリンダ(85)のオン・オフ制御弁(129)のソレノイドを作動させる機能と前記クラッチペダルスイッチ(121)の異常状態の解除後も、前記エンジン(62)が掛っている間は、再度クラッチペダルスイッチ(121)が異常であると判定した場合に、クラッチペダルを踏み込んだときに作動油が前後進クラッチ(D)へ供給されるのを遮断するように前記前後進クラッチ(D)の作動用シリンダ(85)のオン・オフ制御弁(129)のソレノイドの作動を継続させる機能を有する作業車両である。
請求項2記載の発明は、PTO系の動力の入り切りを行うPTO入切スイッチ(123)を設け、前記クラッチペダルスイッチ(121)の作動でエンジン(62)の始動牽制回路とクラッチ圧力供給遮断回路の両方の起動を行うことができる制御回路を設け、該制御回路は、クラッチペダルスイッチ(121)と、該クラッチペダルスイッチ( 121)と連動するリレーRst(124)の接点(124’)と、リレーRst(124)の前方に設けたPTO入切スイッチ(123)と連動するリレーRs(125) の接点(125’)とを直列接続した回路であり、前記クラッチペダルスイッチ(121)の入りでリレーRst(124)が作動して接点(124’)が接続し、エンジン(62)のスタータモータ(126)の回路が繋がってエンジン(62)が始動可能となる一方、前記クラッチペダルスイッチ(121)の入りでクラッチペダルのクラッチペダルソレノイド(128)が同時に作動して、前後進クラッチ(D)の作動用シリンダ(85)のオン・オフ制御弁(129)のソレノイドが作動し、前後進クラッチ(D)の作動用シリンダ(85)へのオイル供給を遮断する構成である請求項1記載の作業車両である。
請求項1記載の発明によれば、エンジンを停止するまでもなく油圧回路の油圧が異常低下したことを検知すると、前後進切替レバー(115)を中立位置にする操作と同じ出力をすることで、油圧クラッチのディスクを損傷させることがない。
また、前記いずれかのクラッチシリンダ(85,87,88,91,92及び95)の検出圧力が判定圧力(P1)より高い圧力(P2)以下で圧力(P1)以上の圧力が発生する場合は異常表示のみを行い、走行制御は継続する構成としておくことでクラッチのダメージは少ない状態で走行を継続できる。異常発生は表示等で確認できるため、早期に修理できクラッチ交換等の最悪事態になる前の修理が可能になる。
また、前後進クラッチ(D)を作動するクラッチペダルスイッチ(121)が異常であると判定した場合、クラッチペダルを踏み込んだときに作動油が前後進クラッチ(D)へ供給されるのを遮断する(ニュートラルにする)ように前後進クラッチ(D)の作動用シリンダ(85)のオン・オフ制御弁(129)のソレノイドを作動させることで、異常発生を早期に発見できる。
本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1には本実施例のトラクタの側面図を示す。
乗用四輪駆動の走行形態を有するトラクタ車体Tは、ステアリングハンドル73で前輪61を操向しながら走行運転する。車体Tの後部にはロータリ耕耘装置84等の作業機を昇降可能に装着して対地作業を行うことができる。この車体Tは、前端部にフロントアクスルハウジングに支架させるエンジンブラケットを介してエンジン62を搭載し、このエンジン62の後側にクラッチハウジングや、ミッションケース65等を一体的に連結し、このミッションケース65の最後部にリヤアクスルハウジング75を設けて、左右両側部に後輪63を軸装する。
図2には本実施例のトラクタの動力伝動系統図を示す。なお本実施例でトラクタの前進方向に向かって左右をそれぞれ左、右といい、前後をそれぞれ前、後ということにする。
エンジン62は後側に突出のエンジン軸1を有し、このエンジン軸1をクラッチハウジング部の入力軸2に連結する。ミッションケース65内の伝動機構を介して後端部の出力軸3及びPTO軸14を連動すると共に、ミッションケース65の下部に設けた前輪出力軸5を連動する構成としている。この出力軸3はミッションケース65内の後部の略中央部において前後方向に沿うように軸受されて後端にドライブピニオンギヤ53を有し、リヤデフ45のデフリングギヤ46に噛合し、リヤアクスルハウジングに沿って軸装されたリヤデフ軸10と後輪軸11を遊星減速機構を介して連動する。また、前輪出力軸5はミッションケース65の下部からエンジン62の下部を経て、フロントアクスルハウジングの中央部に設けられるフロントデフ47の入力軸26に連結され、このフロントアクスルハウジングに沿って軸装されるフロントデフ軸12及び遊星減速機構等を介して前輪軸13へ連動する構成としている。なお、入力軸2から油圧ポンプ80(図3)への動力取り出し用のギヤ駆動軸15,17が入力軸2に並列配置されている。
本実施例のトランスミッションは、エンジン軸1によって駆動される入力軸2から入力ギヤ31に連動されるPTO変速カウンタギヤ44を有するPTOカウンタ軸9上にPTOクラッチパック66を設けている。また入力軸2には前後進切替用の前後進切替ギア42、42が遊転状態に設けられ、一方の後進側の前後進切替ギア42には入力軸2と並列配置されたバックカウンタ軸8に設けられたバックカウンタギア43が噛合し、他方の前進側の前後進切替ギア42には主変速軸19上に固定した入力ギヤ48と該主変速軸19上に遊転自在に設けた有効径の異なる4つの主変速ギヤ33を設ける。これら4つの主変速ギヤ33は、四段変速に構成され、クラッチパック76によって切替シフトされ、4つの主変速ギヤ33から構成される変速装置を主変速装置Aということにする。
前記主変速軸19上には、前記主変速装置Aの4つの主変速ギヤ33のうち、最も有効径の小さい主変速ギヤ33(第1速用)と3番目に有効径の小さい主変速ギヤ33(第3速用)との間にクラッチパック76を固定して設け、2番目に有効径の小さい主変速ギヤ33(第2速用)と最も有効径の大きい主変速ギヤ33(第4速用)との間にクラッチパック76を固定して設ける。前記2つのクラッチパック76には、各主変速ギヤ33を主変速軸19と一体回転するように連結する摩擦クラッチが各々設けられている。
主変速軸19と同軸芯位置に設けられた副変速軸20にはクラッチパック76によって切替シフトされる有効径の異なる2つの高低速切替ギヤ34が設けられており、主変速後の駆動力を更に減速して高速と低速とに切り替えることができる。この高速と低速とに切り替え可能なギア構成をハイ・ロー変速装置Bということにする。
さらに副変速軸20と同軸上には有効径の異なる3つの副変速ギヤ35を有する出力軸3が配置されている。出力軸3は副変速ギヤ35により三段変速する構成としている。この三段変速可能なギヤ35の構成を副変速装置Cということにする。
また、前後進切替ギヤ42の前進側のギヤと噛合可能な入力ギヤ48は、前後進切替ギヤ42の後進側のギヤともバックカウンタ軸8上のバックカウンタギヤ43と噛合っており、該前後進切替ギヤ42のうちの前進側のギヤ42と後進側のギヤ42とを、前後独立した摩擦クラッチから成る2つの前後進切替クラッチパック60の切替によって択一的に入力軸2と一体化して、前進走行と後進走行とに切替えられる構成である。後述する油圧シリンダ85(図3)を含めてギヤ42とクラッチパック60などからなる構成を前後進クラッチDといい、油圧シリンダ87,88,91,92(図3参照)を含めてギヤ33,39とクラッチパック76などからなる構成を主変速切替用クラッチEといい、油圧シリンダ95を含めてギヤ34,40とクラッチパック76などからなる構成をHi−Lo変速切替用クラッチFということにする。
図3に示すように前後進クラッチシリンダ85に供給する作動油の圧力をそれぞれ検出する圧力センサ110,111が設けられ、主変速切替クラッチシリンダ87,88,91,92に供給する作動油の圧力を検出する圧力センサ112a,112b;113a,113bが設けられ、さらにHi−Lo変速切替クラッチシリンダ95に供給する作動油の圧力を検出する圧力センサ116,117が設けられている。
また、前後進クラッチDの切替を手動で行う前後進切替レバー115をステアリングハンドルのポスト部分に設けている。
副変速ギヤ35に噛合するクリープカウンタギヤ49を備えたクリープカウンタ軸21が出力軸3に並列位置に設けられている。また主変速ギヤ33や高低速切替ギヤ34等と噛合する主変速カウンタギヤ39と高低速切替ギヤ40を有する走行カウンタ軸6が主変速軸19や副変速軸20と並列位置に配置されており、主変速軸19から伝動される回転が主変速ギヤ33で変速されて、その回転が主変速カウンタギヤ39と高低速切替ギア40を順次経由して副変速軸20に設けられた高低速切替ギヤ34に伝達される。高低速切替ギヤ34に伝達された動力はクラッチパック76を介して副変速軸20上に設けた副変速ギヤ35による変速機構を介して出力軸3に伝達される。
本実施例の走行動力伝達系では、前記副変速ギヤ35と噛み合う副変速カウンタギヤ38の副変速カウンタ軸27を回転自在に支持すると共に、出力軸3から連動される前輪連動ギヤ51を有する前輪連動軸28を設け、この前輪連動軸28の前方延長軸芯上にはPTO減速ギヤ50を有するPTO減速軸23を設けている。さらに、前輪連動軸28の並行位置にPTO連動軸4を設け、該PTO連動軸4と同軸芯上前端部にPTO連動軸4を正転と逆転に切替えるPTO正逆切替ギヤ37のPTO正逆切替軸22と、PTO変速ギヤ32のPTO変速軸18を配置している。
また、PTO正逆切替ギヤ37と噛合するPTO逆回転カウンタギヤ52を有するPTO逆回転カウンタ軸24が前記PTO正逆切替軸22の側部に設けられ、PTOクラッチパック66の入りによって、入力軸2からPTO変速ギヤ32、PTO変速カウンタギヤ44及びPTO正逆切替ギヤ37等を介してPTO正逆切替軸22へ動力が伝動するように構成している。前記正逆切替ギヤ37は前記PTO変速ギヤ32と同形態のクラッチリングを用いる形態としている。このPTO正逆切替軸22の側方にはPTO逆回転カウンタギヤ52を有する逆回転カウンタ軸24を設け、PTO逆回転カウンタギヤ52は、PTO減速ギヤ50からの連動を受けてPTO正逆切替ギヤ37を逆回転することができる。なお、前記PTOカウンタ軸9の後方に減速軸23が配置される。
更に、ミッションケース65内の下段部に配置された前輪出力軸5は、ミッションケース65の後部底部に軸装されて、前輪連動軸25やカップリング等を介して前記フロントデフ47の入力軸26へ連結する。この前輪出力軸5の横側には前輪駆動軸7が配置されている。前輪駆動軸7の後端には前輪ギヤ55が設けられている。また、前記出力軸3の後端部の前輪取出ギヤ36に前輪連動軸28上の第1の前輪連動ギヤ51が噛合し、該第1の前輪連動ギヤ51を介して前輪連動軸28に伝達される出力軸3の駆動力は、前輪連動軸28と一体回転する第2の前輪連動ギア54に伝達されて、該前輪連動ギア54から前輪駆動軸7に伝達される。
また前輪駆動クラッチパック67を前輪駆動軸7上に設け、この駆動軸7の前端部から前輪出力軸5へギヤ連動する。また、有効径の異なる2つの前輪駆動切替ギヤ41が前輪駆動クラッチパック67の左右に配置されており、該2つの前輪駆動切替ギヤ41は、カウンタ軸59に設けた有効径の異なる2つの切替駆動カウンタギヤ56に各々噛み合わされ、前輪駆動クラッチパック67を択一的に接続することにより、2つの減速比のうちのいずれか一方の減速比で前輪駆動軸7を駆動することができる。
前輪駆動クラッチパック67を中立位置にシフトするときは前輪61を駆動させない後輪駆動の二駆形態とし、この前輪駆動クラッチパック67を油圧操作によって切り換えて低速位置にシフトするときは前輪61を後輪63に対して約1倍の等速駆動させる四駆形態とし、また、この前輪駆動クラッチパック67を油圧操作によって切り換えて高速位置にシフトするときは前輪61を後輪63に対して約2倍に増速駆動させる四駆形態とすることによって走行することができる。
上記構成からなる噛合式変速装置により、エンジン62の回転動力は主クラッチを構成する前後進クラッチDを経由して4段の変速段からなる主変速装置Aと2段の変速段からなるハイ・ロー変速装置B及び3段の変速段からなる副変速装置Cで合計24段のうちのいずれかの変速段に変速され、得られた回転動力はリヤデフ45を経て後輪63が駆動される。また、前記副変速装置Cで変速された回転動力は前輪駆動クラッチ(二駆四駆切替クラッチ)パック67にも伝達され、該クラッチパック67により前輪61が「等速」もしくは「増速」に切り換えられた後、フロントデフ47を経て前輪61が駆動される。
また、PTO変速ギヤ32、走行系の主変速ギヤ33、高低速切替ギヤ34及び副変速ギヤ35等を、ドライブピニオンギヤ53を有する出力軸3の軸芯上に沿って配置する構成とする。走行系の伝動は、入力軸2から出力軸3の軸芯上に配置される主変速ギヤ33、高低速切替ギヤ34及び複変速ギヤ35等を介してドライブピニオンギヤ53へ多段変速連動される。また、PTO系の変速は、この出力軸3の軸芯上の前端部に設けられるPTO変速ギヤ32を介して連動される。
次に図3に本実施例のトラクタの油圧回路図を示す。
図3の油圧回路図では左右の後輪63を独立して制動する左右のブレーキシリンダ83、前輪61へ伝達する動力を「等速」もしくは「増速」に切り換える四駆切換クラッチシリンダ99、ステアリングハンドル73の回転操作により作動するパワーステアリング装置103、PTOクラッチシリンダ104、PTOクラッチ圧力コントロール用バルブ105,106などが設けられている。なお、一点鎖線部分の回路101はメイン油圧回路(作業機昇降・作業機水平や外部油圧取出しなど)となり、サブ回路(走行・ブレーキ・デフロック・PTO側回路)とあまり関係がないため、回路図の図示を省略している。
油圧ポンプ80から吐出した作動油は、減圧弁81aを介して主変速装置Aの第4速用と第2速用の各ギア33をクラッチパック76を介してそれぞれ作動させる油圧クラッチシリンダ87と油圧クラッチシリンダ88を切り替える4−2速切替用の変速制御弁89に供給され、さらに主変速装置Aの第1速用と第3速用の各ギア33をそれぞれ作動させる油圧クラッチシリンダ91と油圧クラッチシリンダ92を切り替える1−3速切替用の変速制御弁93に供給される。
減圧弁81aを経由する作動油は、前後進クラッチシリンダ85のオン・オフ制御弁129を介して前後進クラッチシリンダ85の前進側と後進側のクラッチDを切り替える切替弁86に供給される。該前後進クラッチシリンダ85の前進側と後進側のクラッチDのいずれに作動油が供給されているかは前進側クラッチ圧力センサ110と後進側クラッチ圧力センサ111で検出できる。
同様に、上記及び下記油圧クラッチシリンダに供給される作動油はそれぞれの油圧クラッチシリンダへの入口側の油路に設けた圧力センサで検知できる構成になっている。
油圧ポンプ80から吐出した作動油は、減圧弁81bを介してブレーキバルブ82aを経由して左右のブレーキシリンダ83に分岐供給される。前記ブレーキバルブ82aは後輪63を選択する切替制御弁であり、該ブレーキバルブ82aはブレーキ力を調整する圧力制御弁82bと一体構成となっている。
さらに、減圧弁81bを経由する作動油は、前記第1速〜第4速用の各ギア33で変速された速度を「高速」と「低速」の二つのギヤ40のいずれかにクラッチパック76を介して作動させるハイ・ロー油圧クラッチシリンダ95を切り替えるための制御弁96a,96bに供給される。
また、減圧弁81bを経由する作動油は、デフロック制御弁97を経てフロントデフ47用の前輪デフロックシリンダ98a及びリアデフ45用の後輪デフロックシリンダ98bに分岐される。
さらに、前輪駆動クラッチパック67のギア41の切替用の油圧シリンダ99には切替制御弁94を経て前記減圧弁81bを経由する作動油が供給される。
同様に、減圧弁81bを経由する作動油は、PTO用バルブ105,106を介してPTOクラッチシリンダ104に供給され、PTOクラッチの圧力を調整する。
また図3に示す油圧ポンプ80からの油圧は、パワステアリングハンドル73の操作で作動されるオービットロール107に作動油を供給する構成である。
図4には本実施例の図2に示す常時噛合式変速装置の制御装置100とその入出力装置を説明する制御ブロック図を示し、図5に制御装置100の概略の制御フローチャートを示す。
エンジン62からの動力を前後進クラッチDから主変速装置A、Hi−Lo変速装置Bおよび副変速装置Cを経由して変速する変速機構において、前記各装置A〜Dの油圧クラッチシリンダ85,87,88,91,92,95の圧力を検出するセンサ110,111,112a,112b,113a,113b,116,117をそれぞれ設けておき、変速出力中の主変速装置Aの油圧クラッチシリンダ87,88,91,92の圧力が、規定時間(T1;例えば1秒)以上、規定圧(P1;例えば3kgf/cm2)以下に低下した場合、走行を強制的に停止する構成とした。
これは、主変速クラッチシリンダ87,88,91,92が異常状態のために圧力低下した場合に、トラクタを走行停止状態とした場合に、前記異常状態が解除されると急にトラクタが走行し始めるおそれがある。従って、主変速クラッチシリンダ87,88,91,92の圧力低下で走行停止状態となると、トラクタを強制的に走行停止状態にしておき、異常状態が解除されても急にトラクタが走行し始めることがないようにして走行安全性を高めることができる。
なお、前記強制的に走行停止状態とする動作は前後進切替レバー115をニュートラル(N)操作した場合と同じ出力を実施して行う構成にすると、制御アルゴリズムが簡単に組み込める。
また、前記主変速クラッチシリンダ87,88,91,92の異常状態発生と連動して主変速装置Aの異常表示を図示しないメータ部の表示部で行い、同時に強制停止動作を実施する。その後、メータ部の表示部に前後進切替レバー115のニュートラル(N)操作等に該当する走行変速のニュートラル(N)操作を促す表示を行う。
更に、前記異常表示は異常状態が解除された状態又は異常状態が検出できない出力状態になっても表示可能な状態を継続させ、表示切替等で通常表示であっても規定時間毎に再表示する構成とすることが望ましい。
これは、異常発生内容をオペレータに伝えるとともに、強制停止状態の解除方法を伝えることで異常発生後の停止状態で分かりやすい操作を可能にする。
前記主変速クラッチシリンダ87,88,91,92に異常が発生すると、トラクタの走行停止状態では主変速装置Aの変速操作は受付けて走行可能にするが、走行中は変速操作を受け付けないように構成することができる。これは主変速クラッチシリンダ87,88,91,92の油圧センサが異常であるだけでなく、同時に他の油圧制御弁の異常、他の油圧クラッチシリンダの異常などが起こっている可能性があるからである。例えば、主変速装置Aを第1速位置から第2速位置に変速させたとき、油圧制御弁の異常で第1速位置と第2速位置のギアが同時に噛み合うことがあり得る。この場合は車両が急停止するので、このような不具合を避けるために上記したように走行中は変速操作を受け付けないように構成する。
前記主変速クラッチシリンダ87,88,91,92の異常発生と連動して主変速装置Aの変速操作を禁止するとともに、走行停止操作をした後に、走行停止中は主変速装置Aの変速位置を目標とする変速位置に変更することは可能とし、再度、走行開始した場合には新たな変速位置に変更することを禁止し、さらにこの状態をエンジン62が停止するまで継続させる制御構成とすることもできる。
この制御は、主変速クラッチシリンダ87,88,91,92に異常が発生している場合、主変速装置Aの変速操作をすると、隣接する変速位置を飛び越してしまう、いわゆる「飛び段」が起こり得るので、複数の変速位置での同時異常発生の可能性も考慮に入れると、制御アルゴリズムが複雑になるために目標とする変速位置に変更することだけを可能にすることで安全性を図るためである。
また走行中に目標とする変速位置に変速してもフィーリングが悪い状態になるので、上記制御により走行停止状態でのみ変速操作を可能にしておき、主変速クラッチシリンダ87,88,91,92の異常時でも走行可能な位置で目的とする車速に一番近い変速位置だけが選べるようにして、停止後にはトラクタを安全な場所又は修理可能な場所に移動可能にしている。
前記主変速クラッチシリンダ87,88,91,92の圧力が規定時間(T1;例えば1秒)以上、規定圧(P2;例えば14kgf/cm2)以下に低下した場合に、主変速クラッチシリンダ87,88,91,92に異常が発生した場合に、当該クラッチシリンダ87,88,91,92の作動油が抜ける側のクラッチシリンダの圧力が低下するまで入り側のクラッチシリンダの出力タイミングであっても、作動油が入り側クラッチシリンダに入らないように牽制し、規定時間(T2;例えば5秒)経過後も抜き側クラッチシリンダ圧力が抜けない場合は、入り側クラッチシリンダの出力(変速目標)を中止し、抜き側クラッチシリンダの出力を復帰させて走行を継続させる構成とすることもできる。
このとき、メータ部の表示画面に異常表示をメッセージ表示するとともに、走行中は変速を禁止し、走行停止後は走行停止している限り変速が可能にしておく。前記異常表示が可能な状態はエンジン62の停止まで継続させておき、また規定時間(T3;例えば0.5秒)が経過すると再表示も行う構成とすることができる。
上記トラクタが走行を停止するまで変速を禁止することは、異なる速度段のギアの二重噛みを防止することであり、走行停止中は前記ギアの二重噛みが発生しても、その状態では走れないだけであり、異常解除もあり得ることから走行停止中の変速を許容しておく。
また、主変速クラッチシリンダ87,88,91,92に異常が発生した場合に主変速装置Aの目標とする変速位置の変速クラッチシリンダ87などの出力中に、目標としない他の変速位置の変速クラッチシリンダ92などの圧力が規定圧力(P3;例えば2kgf/cm2)以上で、規定時間(T3;例えば0.5秒)以上継続する場合には走行を強制的に停止する構成とする。これは異なる変速位置のギアが二重噛み合いになることを避けるためである。
このとき、走行を強制的に停止する動作は他の強制停止動作と同じアルゴリズムの動作とする(例えば、前後進クラッチDの出力をオフにする動作とHi−Lo変速切替クラッチFの出力のオフ動作とを同じにする)。しかもその動作アルゴリズムは、前後進切替レバー115をニュートラル(N)位置に操作する場合と同じ動作とし、更に異常表示動作と前後進切替レバー115のニュートラル(N)操作を促す表示を行う構成とする。また走行停止後に、停止中の変速操作許可と走行中の変速禁止動作も同じにしておくと、走行強制停止という出力を解除(リセット)する操作がわかりやすい。
本実施例の主変速クラッチシリンダ87,88,91,92の圧力センサ112a〜113bには、配線の断線等が判断できるように検出出力範囲の電圧をマイコンのA/D変換器入力電圧範囲0〜5Vに対し、正常時0.5〜4.5Vの出力を行うセンサを使用し、配線の断線などで、範囲外の入力がマイコンに入力される場合は、異常表示すると共に走行中の変速は禁止し、停車中の変速は許可するようにしている。
これは、該クラッチシリンダ87,88,91,92の圧力が検出できない場合に、該シリンダ87,88,91,92の油圧制御弁89,93等に異常発生があった場合にギアの二重噛み合いになることを防止できなくなるので、このような状態で運転を継続させないために規制条件を厳しくするためである。
また、Hi−Lo変速装置Bのクラッチシリンダ95の作動ができない異常発生時は、主変速装置Aのクラッチシリンダ87,88,91,92とHi−Lo変速装置Bのクラッチシリンダ95を共に異常発生前の元の変速位置に戻す出力を行い、走行を継続させるようにしても良い。
これは、Hi−Lo変速装置Bのクラッチシリンダ95だけを異常発生前の元の変速位置に戻してしまうと、車速が大きく変速されてしまう不具合があるため、Hi−Lo変速装置Bのクラッチシリンダ95は、主変速装置Aのクラッチシリンダ87,88,91,92と同時に元に戻す必要があるためである。
また、Hi−Lo変速装置Bのクラッチシリンダ95だけの異常発生時には、該シリンダ95は作動しないが、主変速装置Aのクラッチシリンダ87,88,91,92のみの変速は許可する構成としても良い。これは主変速装置Aのクラッチシリンダ87,88,91,92の合計4段の変速位置は正常に作動しているので、主変速装置Aは作動可能にしておくためである。
また前記異常表示は他の場合と同様にエンジン62が停止するまで表示可能状態を継続させ、規定時間毎に前記異常表示を行い、これをエンジン62が停止するまで継続させる。また、前記異常表示メッセージを表示している間は、前記主変速装置Aが作動可能であることを同時に表示しておく。
本実施例では、副変速レバー(図示せず)の操作部には副変速レバーの変速位置を検出できる複数のセンサ(図示せず)を設けておき、前記副変速レバー位置センサの2カ所以上のセンサが同時に副変速レバーを検知する状態、すなわち、副変速レバーの操作が正常に作動されていない状態か、または副変速レバーの操作が正常に作動しているが、センサの作動用の配線のショートしている状態などがトラクタの走行中に発生した場合は、前記2カ所以上のセンサが同時に副変速レバーを検知する状態の発生直前の走行状態を維持し、その走行状態表示をメータ部の表示部に継続して表示する。
また、トラクタの停車中に前記2カ所以上のセンサが同時に副変速レバーを検知する状態が発生した場合には、高速、中速及び低速の3つの副変速位置の中の高速側の表示をメータ部の表示部に行い、その後の制御動作も副変速装置の高速位置で行う。
上記した制御を行う理由は、トラクタの走行中に2カ所以上のセンサが同時に副変速レバーを検知する状態であるときに、当該状態の発生直前の走行状態より異なる変速位置で走行する状態での制御アルゴリズムによっては車速を変更するような動作をするおそれがあるため、異常判定のみ行い、走行状態を変える変速位置制御動作は行わなくする。また、トラクタの走行停止中に2カ所以上のセンサが同時に副変速レバーを検知する状態が発生した場合には、センサの作動用の配線のショートがあり得るので、副変速位置を高速側にして、その状態で走行しながら、高速側の表示をメータ部の表示部にさせることで、走行に支障のないようにする。
前記いずれかのクラッチシリンダ85,87,88,91,92及び95の検出圧力が判定圧力(P1)より高い圧力(P2)の判定基準を持ち、この判定基準圧力P2以下で圧力P1以上の圧力が発生する場合は異常表示のみを行い、走行制御は継続する構成とする。
この判定基準の継続時間(T2)は、前記継続時間(T1)より長くする(T2>T1)とともに、クラッチシリンダの油温により判定圧力に差を設ける構成としても良い。
上記圧力(P1)は、完全に異常と判断できる低めの圧力で異常判定する圧力であり、圧力(P2)は、正常ではないが高めの圧力で異常判定する圧力である。このとき、他のクラッチ動作による一瞬(数百msec)の圧力低下で圧力(P2)以下を異常と判定しないために継続時間(T2)は長めにする。
このようにして他のクラッチシリンダなどの動作による誤検出や油温による誤検出を防止することができる。
本実施例のトラクタでは、前後進クラッチDをメインクラッチと兼用し、クラッチペダル(図示せず)の稼動部にはクラッチペダル操作位置を検出するセンサ120(図4)を設けている。そして、当該クラッチペダルセンサ120の調整用に、該センサ120の規定の設定操作で基準となる調整データを制御装置100のメモリに書き込み、記憶して使用する構成を備えている。
そこで、トラクタを使用するにあたって、前記制御装置100の記憶値が初期値(記憶操作してない)の場合、トラクタのメインキーの入り操作と連動して(走行開始操作と連動する構成でも良い)調整操作を促すメッセージを表示できるようにした。
これは、トラクタの出荷前にトラクタ製造工場でクラッチペダルセンサ120の踏み込み位置、離し位置を機械毎に調整するときに本来行うべき機能である。
しかし、トラブル等が発生し、制御装置100を交換したような場合、クラッチペダルの基準位置が無くなり、そのまま運転開始すると思わぬ不具合が発生するおそれがあるので、前記クラッチペダルセンサ120の踏み込み位置、離し位置を調整するときに表示部に表示させながら新たに設定をし直すことを促すことができる。
本実施例では、前記クラッチペダル操作と連動して制御装置100に信号を送る前後進クラッチDのクラッチペダルセンサ120と、該クラッチペダルの切り操作時には制御装置100を経由せずに前後進クラッチシリンダ85のオン・オフ制御弁129をクラッチ切り側に操作することもできるクラッチペダルスイッチ121とからなる2系統のクラッチペダル制御系を設けている。
このとき制御装置100が前後進クラッチDを作動するクラッチペダルスイッチ121が異常であると判定した場合、クラッチペダルを踏み込んだときに作動油が前後進クラッチDへ供給されるのを遮断する(ニュートラルにする)ように前後進クラッチシリンダ85のオン・オフ制御弁129のソレノイドを作動させて一旦、強制的に車両を停止動作させる構成にする。
また、再度前後進クラッチDのニュートラル(N)操作で強制停止を解除するが、再度クラッチペダルスイッチ121が異常であると判定した場合は再度、走行を強制的に停止させる状態(ニュートラルにする)をエンジン62が掛っている間は継続させる。
クラッチペダルスイッチ121の作動でエンジン62の始動牽制回路(エンジン62を始動できないようにする回路)とクラッチ圧力供給遮断回路の両方の起動を行うことができる構成としている。
図4のクラッチペダルスイッチ121と連動するリレーRst124の接点124’と、リレーRst124の前方にPTO入切スイッチ123と連動するリレーRs125の接点125’がそれぞれ直列接続している。クラッチペダルスイッチ121が作動すると、リレーRst124が作動し、スタータモータ126の回路が繋がりエンジン62が始動可能になる。
また、クラッチペダルスイッチ121の「入り」でクラッチペダルソレノイド128が同時に作動するので、ソレノイドバルブ129(図3)が作動し、クラッチシリンダ85へのオイル供給を遮断する。
PTO入切スイッチ123との連動は、PTO入切スイッチ123の「入り」の時、リレーRs125が作動して、前記スタータモータ126の回路を遮断するため、メインキースイッチ130を「スタート」位置に回してもスタータモータ126を回すことができず、エンジン62が掛からないので始動できない。
エンジン62の前記始動牽制はクラッチペダルスイッチ121の「切」の他に副変速装置Cがニュートラル位置にある時に切れる副変速装置スイッチ(図示せず)とPTO作業機が連結されていないときに切れるPTOスイッチ123が共に、又はいずれかが「切」である時に初めて実行される構成にしても良い。
こうして、クラッチペダルスイッチ121に異常があった場合にエンジン62を始動できない状態とクラッチペダルスイッチ121の異常発生が分からない場合(クラッチペダルスイッチ121が異常であるにも拘わらず、クラッチペダルスイッチ121が「入」状態となっている場合)でも他の牽制用のスイッチの「切り」検出でエンジン62の始動ができなくしておくことで安全性が向上する。
クラッチペダルスイッチ121は、図4に示すように、通常はクラッチペダルの切操作時には制御装置100を経由せずに前後進クラッチシリンダ85のオン・オフ制御弁129のソレノイドを入・切操作できるが、前記制御弁129のソレノイドは制御装置100に信号を送信可能に構成し、クラッチペダルスイッチ121が異常であると判定された時にはオン・オフ制御弁129のソレノイドへ制御装置100からの入・切信号が送信されるようにして、該ソレノイドの出力制御を実施できる構成としている。
こうして、クラッチペダルスイッチ121の異常時にも前後進クラッチシリンダ85へ作動油が供給さないため、異常発生を早期に発見できる。
クラッチペダルセンサ120は可動範囲で出力電圧範囲(0.5〜4.5V)が規制されるように配置し、センサ値が範囲外になった場合(0.5V未満、4.5Vを超えた場合)は前後進クラッチDの作動はクラッチペダルスイッチ121に連動するように切り替えて、前後進クラッチDを規定の昇圧パターンで昇圧させるようにした構成した。
これにより、クラッチペダルセンサ120が故障時(特に配線不良による故障時)の判断を可能にし、前記故障時の前後進クラッチDの操作性をある程度補助することができるようになる。
また、本実施例のトラクタでは、前輪61の回転と同期するギヤ(シャフト等)の回転を検出する前輪回転センサ131と後輪63の回転と同期するギヤ(シャフト等)の回転を検出する後輪回転センサ132を設け、車速表示は後輪回転に基づいて行い、制御動作の牽制(例えば、前輪駆動制御は路上走行時には禁止するなど)を行う時に車速は後輪63と前輪61の少なくともいずれかの回転に基づいて行うようにしている。
これは、センサ異常発生時、車速表示が無くても特に危険はないが、前輪回転センサ13又は後輪回転センサ132のどちらかの車速センサに異常があっても前記制御動作の牽制ができるようにしておくためである。
本発明のトラクタは農作業以外の各種作業用の車両にも適用できる。
本発明の実施例のトラクタの左側面図である。 図1のトラクタのトランスミッション内の動力伝動図である。 図2の動力伝動図の油圧回路図である。 図1のトラクタの動力伝動系の制御ブロック図である。 図1のトラクタの前後進クラッチシリンダの異常発生時の制御フロー図である。
符号の説明
1 エンジン軸 2 入力軸
3 出力軸 4 PTO連動軸
5 前輪出力軸 6 走行カウンタ軸
7 前輪駆動軸 8 バックカウンタ軸
9 PTOカウンタ軸 10 リヤデフ軸
11 後輪軸 12 フロントデフ軸
13 前輪軸 14 PTO軸
15,17 ギヤ駆動軸 18 PTO変速軸
19 主変速軸 20 副変速軸
21 クリープカウンタ軸 22 PTO正逆切替軸
23 PTO減速軸 24 PTO逆回転軸
25 前輪連動軸 26 入力軸
27 副変速カウンタ軸 28 前輪連動軸
31 入力ギヤ 32 PTO変速ギヤ
33 主変速ギヤ 34 高低速切替ギヤ
35 副変速ギヤ 36 前輪取出ギヤ
37 PTO正逆切替ギヤ 38 副変速カウンタギヤ
39 主変速カウンタギヤ 40 高低速切替ギヤ
41 前輪駆動切換ギヤ 42 前後進切替ギヤ
43 バックカウンタギヤ 44 PTO変速カウンタギヤ
45 リヤデフ 46 デフリングギヤ
47 フロントデフ 48 入力ギヤ
49 クリープカウンタギヤ 50 PTO減速ギヤ
51 前輪連動ギヤ 52 PTO逆回転ギヤ
53 ドライブピニオンギヤ 54 前輪連動ギヤ
55 前輪ギヤ 56 切替駆動カウンタギヤ
59 カウンタ軸 60 前後進切替クラッチパック
61 前輪 62 エンジン
63 後輪 65 ミッションケース
66 PTOクラッチパック 67 前輪駆動クラッチパック
73 ステアリングハンドル 75 リヤアクスルハウジング
76 クラッチパック 80 油圧ポンプ
81a,81b 減圧弁 82a ブレーキバルブ
82b 圧力制御弁 83 ブレーキシリンダ
84 作業機 85 前後進クラッチシリンダ
86 切替弁 89 変速制御弁
87,88,91,92 油圧クラッチシリンダ
93 変速制御弁 94 切替制御弁
95 ハイ・ロー油圧クラッチシリンダ
96a,96b 制御弁 97 デフロック制御弁
98a 前輪デフロックシリンダ 98b 後輪デフロックシリンダ
99 四駆切替クラッチシリンダ 100 制御装置
103 パワーステアリング装置 104 PTOクラッチシリンダ
105,106 PTOクラッチ圧力コントロール用バルブ
107 オービットロール 110 前進側クラッチ圧力センサ
111 後進側クラッチ圧力センサ 115 前後進切替レバー
112a,112b,113a,113b,116,117 クラッチ圧力センサ
120 クラッチペダルセンサ 121 クラッチペダルスイッチ
123 PTO入切スイッチ 124 リレーRst
125 リレーRs 126 スタータモータ
128 クラッチペダルソレノイド 129 前後進クラッチオン・オフ制御弁
130 メインキースイッチ 131 前輪回転センサ
132 後輪回転センサ A 主変速装置
B ハイ・ロー変速装置 C 副変速装置
D 前後進クラッチ E 主変速切替クラッチ
F Hi−Lo変速切替クラッチ T トラクタ車体

Claims (2)

  1. エンジン(62)を設け、
    該エンジン(62)からの動力を走行装置(61,63)に伝達する走行動力伝動系に摩擦伝動式の前後進クラッチ(D)と主変速切替用クラッチ(E)とHi−Lo変速切替用クラッチ(F)を設け、
    前記前後進クラッチ(D)の切替を手動で行う前後進切替レバー(115)を設け、
    前記各クラッチ(D)、(E)及び(F)の各作動用シリンダ(85,87,88,91,92及び95)に供給する作動油の圧力をそれぞれ検出する各圧力検出手段(116,117;112a,112b;113a,113b;110,111)を設け、
    走行中に前記各圧力検出手段(116,117;112a,112b;113a,113b;110,111)によってそれぞれ検出する作動油の圧力がそれぞれ設定された所定時間(T1)以上にわたって第一の設定値(P1)以下に低下した場合には異常状態と判定し、該異常状態と判定された各クラッチ(D)、(E)及び/又は(F)の作動用シリンダ(85,87,88,91,92及び95)への作動油の供給を断って前後進切替レバー(115)を中立位置にする操作と同じ出力をする制御装置(100)を設け、
    表示を操縦部に設け、
    前記前後進クラッチ(D)の作動用のクラッチペダルを設け、
    該クラッチペダルの操作と連動して制御装置(100)に信号を送る前後進クラッチ(D)のクラッチペダルセンサ(120)と、該クラッチペダルの切り操作時には制御装置(100)を経由せずに前後進クラッチ(D)の作動用シリンダ(85)のオン・オフ制御弁(129)をクラッチ切り側に操作することもできるクラッチペダルスイッチ(121)とからなる2系統のクラッチペダル制御系を設け
    前記制御装置(100)は、走行中に前記前後進クラッチ(D)と主変速切替用クラッチ(E)及びHi−Lo変速切替用クラッチ(F)の各作動用シリンダ(85,87,88,91,92及び95)に供給する作動油の圧力が前記第一の設定圧力(P1)以上の圧力範囲において前記第一の設定圧力(P1)よりも高い第二の設定圧力(P2)以下に低下したことが検出された場合には、前記表示部に異常状態の表示のみを行い、走行制御は継続する機能と、
    前後進クラッチ(D)を作動するクラッチペダルスイッチ(121)が異常であると判定した場合、クラッチペダルを踏み込んだときに作動油が前後進クラッチ(D)へ供給されるのを遮断するように前後進クラッチ(D)の作動用シリンダ(85)のオン・オフ制御弁(129)のソレノイドを作動させる機能と
    前記クラッチペダルスイッチ(121)の異常状態の解除後も、前記エンジン(62)が掛っている間は、再度クラッチペダルスイッチ(121)が異常であると判定した場合に、クラッチペダルを踏み込んだときに作動油が前後進クラッチ(D)へ供給されるのを遮断するように前記前後進クラッチ(D)の作動用シリンダ(85)のオン・オフ制御弁(129)のソレノイドの作動を継続させる機能を有することを特徴とする作業車両。
  2. PTO系の動力の入り切りを行うPTO入切スイッチ(123)を設け、
    前記クラッチペダルスイッチ(121)の作動でエンジン(62)の始動牽制回路とクラッチ圧力供給遮断回路の両方の起動を行うことができる制御回路を設け、
    該制御回路は、クラッチペダルスイッチ(121)と、該クラッチペダルスイッチ( 121)と連動するリレーRst(124)の接点(124’)と、リレーRst(124)の前方に設けたPTO入切スイッチ(123)と連動するリレーRs(125) の接点(125’)とを直列接続した回路であり、
    前記クラッチペダルスイッチ(121)の入りでリレーRst(124)が作動して接点(124’)が接続し、エンジン(62)のスタータモータ(126)の回路が繋がってエンジン(62)が始動可能となる一方、前記クラッチペダルスイッチ(121)の入りでクラッチペダルのクラッチペダルソレノイド(128)が同時に作動して、前後進クラッチ(D)の作動用シリンダ(85)のオン・オフ制御弁(129)のソレノイドが作動し、前後進クラッチ(D)の作動用シリンダ(85)へのオイル供給を遮断する構成であることを特徴とする請求項1記載の作業車両
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