JP4631249B2 - 車両の正逆転切替装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の正逆転切替装置に関するものであり、特に、農作業用車両や、建築、運搬用等、作業車両に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、車体の左右走行装置に、ソレノイドバルブへの通電量を増加するに従い油圧クラッチの圧着力を増加させて出力回転を正転状態から、非出力状態を経て逆転状態へ無段階に出力する正逆転切替装置を備えると共に、車両のエンジンの回転動力を、前記油圧クラッチへ圧油を送る油圧ポンプへ伝達して駆動し、更に同回転動力を、前記正逆転切替装置を介して左右走行装置へ伝達して駆動するトラクタ等が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−249065号公報。
【特許文献2】
特開2002−349648号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記のようなトラクタでは、ソレノイドバルブへの通電量を一律に変化させるといった簡単な制御操作で、クローラの回転速度を正転から逆転へ円滑に変化させるものであるが、前記正逆転切替装置は、初期状態において正転出力状態に設定されているため、前記正逆転切替装置の出力回転を操作する油圧クラッチまたはこれを接続する油路に異常が生じた場合、前記ソレノイドバルブへの通電量が変更された操作と同じく、クラッチの圧着力が変更し、車両が不意に減速したり、増速する恐れが有った。
【0005】
また、前記のように油路の異常によりエンジンを強制的に停止させるものは、車両を迅速に移動させることができず、メンテナンスが行い難いといった状態が想定される。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題に鑑みて車両の正逆転切替装置を以下のように構成した。
即ち、請求項1の発明では、車体の左右走行装置(C)に、ソレノイドバルブ(1)への通電量を増加するに従い油圧クラッチ(2)の圧着力を変更して出力回転を正転状態から、非出力状態を経て逆転状態へ無段階に出力する正逆転切替装置(3)を備えると共に、車両のエンジン(E)の回転動力を、前記油圧クラッチ(2)へ圧油を送る油圧ポンプ(P)へ伝達して駆動し、更に同回転動力を、前記正逆転切替装置(3)を介して左右走行装置(C)へ伝達して駆動する車両において、クラッチペダル(27)を踏んでエンジン(E)が始動されると、前記油圧クラッチ(2)を接続する走行用油路(L2)内の油圧が安定する時間(T1)経過後、パルス通電出力を行い、このパルス通電出力は、正逆転切替装置(3)が正回転を出力すると想定される所定圧(P1)を下まわる圧力と、逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)を超える圧力とを交互に出力する構成とし、
前記油圧クラッチ(2)を接続する走行用油路(L2)における油圧ポンプ(P)とソレノイドバルブ(1)を接続する箇所に油圧力を検出する圧力センサ(6)を備え、エンジン始動後に走行用油路(L2)内の圧力を圧力センサ(6)で検出して異常がある場合の警告を二段階で行うにあたり、
走行用油路(L2)内の圧力が所定圧(Pa1)を下回っていると警告ランプ(5a)を点灯して第一警告を行い、前記所定圧(Pa1)よりも低圧の所定圧(Pa2)を下回っていると警告ランプ(5a)を点滅してブザー(5b)を作動して第二警告を行う構成とし、圧力センサ(6)の検出値が前記逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)と同じ値になるとエンジンストップ回路に通電してエンジン(E)を停止させる制御手段(4)を備えたことを特徴とする車両の正逆転切替装置とした。
(請求項1の作用)
以上のように構成した請求項1の発明では、クラッチペダル(27)を踏んでエンジン(E)が始動されると、油圧クラッチ(2)を接続する走行用油路(L2)内の油圧が安定する時間(T1)経過後、パルス通電出力を行う。このパルス通電出力は、正逆転切替装置(3)が正回転を出力すると想定される所定圧(P1)を下まわる圧力と、逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)を超える圧力とを交互に出力する。このように交互に出力することで、走行用油路(L2)内の圧が変化するものの、正逆転切替装置(3)の出力回転が非回転状態を維持する程度の通電量としている。
エンジン始動後において、走行用油路(L2)内の圧力を圧力センサ(6)で検出して異常がある場合の警告を二段階で行う。まず、走行用油路(L2)内の圧力が所定圧(Pa1)を下回っていると警告ランプ(5a)を点灯して第一警告を行い、この所定圧(Pa1)よりも低圧の所定圧(Pa2)を下回っていると警告ランプ(5a)を点滅してブザー(5b)を作動して第二警告を行う。
そして、圧力センサ(6)の検出値が逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)と同じ値になるとエンジンストップ回路に通電してエンジン(E)を停止する。
【0007】
また請求項2の発明では、前記制御手段(4)のエンジン(E)停止操作は、エンジンストップ回路に備えたスイッチ接点を開通する構成とし、前記エンジンストップ回路と制御手段(4)を接続する電源ラインには、前記エンジン停止信号を遮断する信号遮断手段(7a,7b)を備える構成とし、さらに、このエンジンストップ操作において、前進操作時と後進操作時とで異なる処理を行うにあたり、後進操作時には、前記逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)を検出した時点で前記ソレノイドバルブ(1)への通電を直ちに停止する一方、前進時には、前記逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)を検出した時点で通電量を増加してから通電を停止するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両の正逆転切替装置とした。
(請求項2の作用)
以上のように構成した請求項2の発明では、前記信号遮断手段(7a,7b)を操作することで、前記エンジンストップ操作を牽制する。このエンジンストップ操作において、前進操作時と後進操作時とで異なる処理を行う。後進操作時には、逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)を検出した時点でソレノイドバルブ(1)への通電を直ちに停止する。前進時には、逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)を検出した時点で通電量を増加してから通電を停止する。
【0008】
【発明の効果】
これにより請求項1の発明では、前記のようにソレノイドバルブ(1)への通電量を増加するに従い油圧クラッチ(2)の圧着力を変更して出力回転を正転状態から、非出力状態を経て逆転状態へ無段階に出力する正逆転切替装置(3)を備えた車両において、クラッチペダル(27)を踏んでエンジン(E)が始動されると、油圧クラッチ(2)を接続する走行用油路(L2)内の油圧が安定する時間(T1)経過後、パルス通電出力を行い、このパルス通電出力は、正逆転切替装置(3)が正回転を出力すると想定される所定圧(P1)を下まわる圧力と、逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)を超える圧力とを交互に出力するように構成したので、エンジン始動時、オペレータが 急にクラッチペダル(27)を踏み離しても車両が不意に走行することを防止できて安全な走行が可能となる。
【0009】
また請求項2の発明では、前記圧力低下が生じた場合、前記警告ランプ(5a),ブザー(5b)を作動させることができるものの、エンジン(E)はそのまま駆動させることができるので、少なくとも車両を移動させることができ、修理場に移動できずメンテナンスが行い難くなるいといった恐れを低減することができる。
また、エンジンストップ操作において、前進操作時と後進操作時とで異なる処理を行うにあたり、後進操作時には、前記逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)を検出した時点で前記ソレノイドバルブ(1)への通電を直ちに停止する一方、前進時には、前記逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)を検出した時点で通電量を増加してから通電を停止するように構成したので、後進時には圧力低下と共に車両が減速して停止し、前進時にも減速可能な圧が維持された状態で車両を減速し停止するので、安全性を損なうことを防止できるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をクローラ型トラクタに搭載した例について説明する。
図2に示すように、クローラ型トラクタ10は、車体前部にエンジンEを搭載し、この回転動力をミッションケース9内に入力し、同ケース9内の各種変速装置にて適宜変速した後、車体後部の左右クローラ式走行装置C,Cへ伝達して駆動する構成となっている。
【0011】
前記クローラ式走行装置Cは、前記ミッションケース側部から突設するアクスル軸11を有し、同軸11に駆動スプロケット12を取り付け、トラックフレーム13に前後の従動輪14f,14rと複数の転輪15…を枢着し、これら駆動スプロケット12と前後従動輪14f,14r及び転輪15…間にクローラ16を卷装する構成となっている。
【0012】
またトラクタ10の操縦席18の側方には、前記クローラ16の上方を覆うフェンダー17を備え、この操縦席18とフェンダー17間に、後部に連結した作業機(図例ではロータリ作業機R)を上下操作するポジションレバー19、走行用主変速装置を切り替える主変速レバー20a、副変速装置を切り替える副変速レバー20b、更には後述するスピンターン(超信地旋回)の入切を設定するスピンターン入切スイッチ21等を設け、更に操縦席18の前方には、操向操作部となるステアリングハンドル22を設け、この回動基部に操向操作量を検出するステアリング切角センサ22sを設けている。
【0013】
また、ステアリングハンドル22の右下方には、エンジンEのキースイッチK、アクセル位置を設定保持するアクセルレバー(図示省略)、車両の前後進を切り替える前後進切替レバー24等を設け、この前後進切替レバー24の回動基部には、オペレータの前進、後進の操作位置を検出する前後進操作位置センサ24sを設けている。またハンドル22下方のフロア25には、ブレーキペダル26及びクラッチペダル27を設ける構成となっている。また、前記クラッチペダル27は、前記ミッションケース9内の主クラッチ41へ接続し、同クラッチ41の動力伝達状態を入り切り操作すると共に、この回動基部にクラッチペダル踏込スイッチ27sを設け、同スイッチ27sのON操作によりエンジンスタータ回路内への通電を入りとしてエンジンEを始動可能とする構成となっている。
【0014】
また、前記操縦席18の下方には制御手段であるコントローラ4を設けている。
また、前記ミッションケース9の後部には、作業機昇降用油圧シリンダ28のピストン伸縮により回動するリフトアーム29と、左右のロワリンク31,31とをリフトロッド32,32にて連結する二点リンク機構を設け、前記ポジションレバー19の上下操作に応じて前記シリンダ28の駆動し、ロアリンク31,31を上下、即ち作業機Rを上下操作する構成となっている。
【0015】
また、前記左右一方のリフトロッド32には、作業機Rの左右傾斜姿勢を変更するローリング用油圧シリンダ34を介装し、このローリングシリンダ34のピストンを伸縮させて左右ロワリンク31,31の相対角度を変えることにより、対地作業機26のローリング角を変更する構成となっている。
【0016】
次に、図3に基づいて、このトラクタ10の動力伝達系の構成を説明する。
前記エンジンEから出力された回転動力は、まず前記ミッションケース9内の前部に設けた減速ギヤ組40を介して減速し、車体後方の主クラッチ41と前方の油圧ポンプPへ伝達する構成となっている。
【0017】
前記主クラッチ41は、前記クラッチペダル27の踏み込み操作で伝達動力を入切操作するクラッチであり、前記回転動力を出力軸42へ伝達する構成となっている。また前記出力軸42に伝達された回転は、二つの減速ギヤ組43,44を経由して、主変速装置46の主変速駆動軸47へ伝達し駆動する構成となっている。
【0018】
また前記主変速装置45は、前記主変速レバー20aを前後に操作し変速位置を切り替え操作する所謂キーシフト式変速装置となっており、前記主変速駆動軸47と主変速被駆動軸48間に前方から順に1速から4速の主変速ギヤ組50a,50b,50c,50cを設けている。
【0019】
これにより、前記主変速レバーを20aを前後に操作し、前記主変速被駆動軸48内に設けたスライドキー52を前後に操作することにより、何れか一つの主変速ギヤ組を選択して回転動力を副変速装置53へ伝達する構成となっている。
また、前記副変速装置53は、前記副変速レバー20bを左右に操作し変速位置を切り替え操作する所謂コンスタントメッシュギヤ式変速装置となっており、前記主変速被駆動軸47の延長上に副変速出力軸54を枢着すると共に、同軸54上に、「高速」伝動となるクラッチギヤ55a及び「低速」伝動となる平ギヤ55bを有するスライドギヤ55を備える一方、前記主変速駆動軸47の延長上に、副変速カウンタギヤー57を空転支持し、前記主変速被駆動軸48の回転を中継して前記平ギヤ55bへ伝達する構成となっている。
【0020】
これにより、前記副変速レバー20bにより前記スライドギヤ55を前方へ移動させると、前記クラッチギヤ55aが主変速被駆動軸48後端のクラッチギヤに噛み合い回転動力を「高速」で伝達し、後方へ移動させると前記カウンターギヤ上の後側ギヤと平ギヤ55bが噛み合って「低速」で伝達する構成となっている。
【0021】
以上のように構成したトラクタ10では、4段の主変速装置45と2段の副変速装置53の組み合わせにより全8速の変速位置を得ることができる。そして、この伝達動力を前記副変速出力軸54後端のピニオンギヤ64及びベベルギヤ65、減速ギヤ組66を介して前記ミッションケース9の左右両側部に取り付けたアクスルケース8,8内へ入力する構成となっている。
【0022】
尚、前記主変速駆動軸47は、ミッションケース9の後端部まで延設し、PTO用変速装置61を経て、同ケース9の背面に突設したPTO軸62を駆動する構成となっている。
更に、図4に基づいて、トラクタ10の動力伝達系について説明する。
【0023】
前記ピニオンギヤ64から伝達された回転動力は、前記べベルギヤ65を軸装するベベルギヤ支持軸67に伝達され、同軸67の左右一端部に設けた前記減速ギヤ組66を介して、正逆転切替装置3,3の左右一体の入力軸70へ伝達する構成となっている。また、前記ベベルギヤ支持軸67の他端部には、ディスク式ブレーキ装置68を設け、前記ブレーキペダル26の踏み込む操作で、ブレーキディスクを圧着し、前記入力軸70の回転、即ち左右クローラ16,16の回転を同時に制動する構成となっている。
【0024】
また、前記正逆転切替装置3は、前記アクスルケース8内に左右略対称に内装され、前記ミッションケース9側から貫入する入力軸70と、この入力軸70と同軸上に枢着された出力軸71、前記入力軸70と出力軸71の間に介装した湿式多板形態のクラッチ2(正転クラッチ2b(車体外側)、逆転用クラッチ2a(車体内側))、及び遊星ギヤ機構79等から構成されている。
前記逆転用クラッチ2aは、前記アクスルケース8側に固定される逆転用圧着側ディスクと、クラッチケース80の内側に固定される逆転用被圧着側ディスクを備える構成となっている。
【0025】
また前記正転用クラッチ2bは、前記入力軸70側に固定され一体的に回転する正転用圧着側ディスクと、前記クラッチケース80の内側に固定される正転用被圧着側ディスクを備える構成となっている。
また前記クラッチケース80の左右中央部には、前記正転用クラッチ2b及び逆転用クラッチ2aを仕切る中壁部80sを設け、同中壁80sと正転用クラッチ2b間に、同クラッチ2bを常時圧着するよう付勢する板バネ81を内装すると共に、中壁80sと逆転用クラッチ2aと間に、油室82を構成し、同油室82へ圧油を送り込むことで、ピストン83を逆転用クラッチ2a側、即ち前記板バネ81の付勢力に抗してクラッチケース80全体をアクスルハウジング8の内側へ移動する構成となっている。
【0026】
また、前記遊星ギヤ機構79は、前記入力軸70の外端部に入力側サンギヤ70aを固設し、前記出力軸71の内端部に出力軸側サンギヤ71aを固設すると共に、前記出力軸71の軸回りに、同軸と併設した軸ピン85を備える延設ケース89(キャリア)を設け、この軸ピン85に、二段ギヤ、詳しくは前記入力軸側サンギヤ70aと常時噛み合う入力軸側プラネタリギヤ86と、及び前記出力軸側サンギヤ71aと出力軸側内プラネタリギヤ87を介して常時噛み合う出力軸側外プラネタリギヤ88を有する二段ギヤを枢着する構成となっている。
【0027】
尚、前記プラネタリギヤ87及び出力軸側外プラネタリギヤ88は、出力軸側サンギヤ70bの周囲に当配分状に3組備え、所謂二段遊星ギヤ機構となっている。
また、前記軸ピン85は、前記クラッチケース80とボルトにより一体的に連結する延設ケース89に枢着する構成となっている。
【0028】
以上のように構成した正逆転切替装置3は、前記油室82に圧油を送らない状態では、板バネ81により正転用クラッチ2bが圧着状態となり、前記入力軸70とクラッチケース80、延設ケース89は一体的に回転すると共に、前記入力軸側サンギヤ70aと噛み合う前記入力軸側サンギヤ86、更には出力軸側サンギヤ88及び出力軸側内プラネタリギヤ87は、出力軸71回りに一体で回転する。
【0029】
これにより、入力軸70と出力軸71は、1対1の回転比で回転する。
そして、後述するソレノイドバルブ1により油路の開度を徐々に拡大し、前記油室82へ圧油を徐々に送り込むと、前記正転用クラッチ2bは半クラッチ状態となる。
【0030】
これにより、前記クラッチケース80の回転と入力軸70の回転に差が生じ、前記出力軸側内プラネタリギヤ87が前記出力軸側サンギヤ70の軸回りを、前記延設ケース89よりも減速した回転数で回転し始め、前記入力軸側サンギヤ70aの回転は、前記出力軸側サンギヤ71aへ徐々に減速されて伝達される。
【0031】
更に、前記油室82へ所定圧P1以上の圧油を送り込むと、前記正転用クラッチ2bの圧着状態が完全に解除され動力が断たれ、また入力軸側サンギヤ70aの回転動力も、出力軸71円周を公転する出力軸側内プラネタリギヤ87を回転するのみで、出力軸71は無回転状態となる。
【0032】
更に、前記油室82へ所定圧P2以上の圧油を送り込むと、前記逆転用クラッチ2aが半クラッチ状態で圧着されて、前記同様、更にクラッチケース80及び延設ケース89の回転は、前記入力軸側サンギヤの回転と比して減速され、入力軸70と出力軸71とは、前記二段ギヤ86,88及び出力軸側内プラネタリギヤ87の回転を介して逆回転で伝達し始める。
【0033】
そして、前記油室82へ圧油を全圧で送り込むと、前記クラッチケース80を完全に固定することにより、入力軸70の回転は、二段ギヤ86,88及び出力軸側内プラネタリギヤ87により全速で出力軸71へ伝達される。
尚、ここでは、トラクタ10を後進する場合の安全性を鑑み、前記正転用クラッチ2bが完全に圧着している場合の正転回転数と、逆転用クラッチ2aが完全に圧着している場合の逆転回転数との比を、前記各ギヤの減速比を10対7となるよう設定している。従って、同変速位置では、前進速よりも後進速が30%減速される。
【0034】
また前記出力軸71には、出力軸回転数検出用ギヤ90を軸装し、同ギヤ90と近接して電磁ピックアップ式回転センサ(以下、クローラ回転センサ91)を設けている。
また前記出力軸71の外端部は、アクスルケース8の外側を遮蔽する鋳物製の蓋状ケース94に支持する構成となっており、この蓋状ケース94の内部には、前記出力軸71と同軸上にスプロケットを支持するアクスル軸11を枢着すると共に、両軸71,11間に、前記出力軸71の回転を減速させてアクスル軸11へ伝達する遊星ギヤ機構96を内装する構成となっている。
【0035】
そして前記アクスル軸11の外端部にスプロケット12を軸装し、このスプロケット12に前記クローラ16を掛け回して駆動する構成となっている。
次に、図5に基づいて前記トラクタ10の油圧回路について説明する。
前記ミッションケース9には、同ケース9の前後二個所にサクションフィルターF1,F2を設け、前記油圧ポンプPの駆動により、両フィルターF1,F2より合流させた油を作業機姿勢用油路L1と走行用油路L2へ送る構成となっている。また、前記フィルターF1,F2は、それぞれメッシュの密度が異なり、目の細かいフィルターF1には、前記油圧ポンプPへ至るパイプの径を大径に設定し、目の粗いフィルターF2は、前記油圧ポンプPへ至るパイプの径を小径に設定する構成となっている。
【0036】
これにより、車体が前後に傾斜したときにでも、一方のフィルターから確実に油を吸引することができ、また平地での作業では、ケース内の前後の油を均等に前記ポンプPへ送り込み、一部の油を停滞すること無く油全体を円滑に循環することができる。
【0037】
また、前記作業機姿勢用油路L1は、回路下手側にリリーフ弁100と分流弁101を設け、同分流弁101から切替制御弁102を経て作業機ローリング用油圧シリンダ34へ送る油路と、切替弁103を経て作業機昇降用油圧シリンダ28へ送る油路とを備える構成となっている。尚、前記切替弁103は、前記操縦席横のポジションレバー19により切替操作され、前記切替制御弁102は別途備えた車体の傾斜センサの検出値に応じて前記コントローラ4の通電指令により切替操作されるものである。
【0038】
また前記前記ローリング用油圧シリンダ34及び昇降用油圧シリンダ28共に利用されなかった圧油は、前記油圧ポンプPとサクションフィルターF1との間に合流させた戻り油路Lbを通じて、再度前記油圧ポンプPの吸引側に戻す構成となっている。
【0039】
これにより、前記ミッションケース9内に溜まった粉塵等を吸い込むことを極力減少し、回路内の圧油を清浄に保つと共に、低温時のオイルの流動を円滑にして、油圧ポンプPの駆動効率を向上することができる。
また前記走行用油路L2は、回路下手側に減圧弁104を設け、更にフィルター105を介して左右夫れ夫れの逆転用油圧クラッチ2b,2bへ油路を分岐する構成となっている。また前記分岐後の回路には、この発明のソレノイドバルブとなる比例流量制御弁1を設け、同制御弁1を前記コントローラ4の通電指令により油路を開通する構成となっている。
【0040】
これにより、前記比例流量制御弁1から通電量を一律に増加するに従い前記逆転用クラッチ2aに圧油を送り、正逆転切替装置3の出力回転を正転から非出力状態を経て逆転に無段階で出力することができる。
また、前記走行用油路L2に設けたフィルター105の回路下手側には、同回路内の油圧力を感知する圧力センサ6を備え、この検出値を前記コントローラ4へ送る構成となっている。
【0041】
これにより、走行用油路L2内の圧力が常時一定圧に保たれているかどうかを検出することができる。
次に図6に基づいて前記トラクタ10の電装系について説明する。
前記コントローラ4の内部には、各種情報を演算処理するCPUと、各種センサ値や設定値を記憶するRAMと、この発明の故障診断手段となる第一及び第二油圧力感知制御などの各種制御プログラムなどを記憶するROM等を有しており、この入力部には、前記クラッチペダル踏込スイッチ27s、前記主変速レバー20a及び副変速レバー20b基部に設けた主変速位置センサ107、副変速位置センサ108、左右の正逆転切替装置3の出力回転数及び回転方向を検出するクローラ回転センサ91,91、旋回時スピンターンを作動させるか否かを指定するスピンターン入切スイッチ21、前後進操作位置センサ24s、圧力センサ6、エンジンオイルプレッシャースイッチ109等を接続して設けている。
【0042】
また、コントローラ4の出力部には、前記エンジンEへの通電を遮断するエンジンストップ回路内のエンジン停止スイッチ101、報知手段となる警告ランプ5a及びブザー5b、左右クローラ16,16の回転数を操作する比例流量制御弁1,1のソレノイド1s,1s等を接続して設けている。また、前記エンジン停止スイッチ101は、この配線の途中にコネクタ7a,7bを設け、同コネクタ7a,7bを外すことにより、後述するような各種制御によるエンジン停止ができないようになっている。
【0043】
以上のように構成したトラクタ10では、図1と図7乃至図11に示すように各種制御が行われる。
図7に示すフローチャートは、前記コントローラ4が実行する制御全体の概要を示す。最初にオペレータにより、エンジンキースイッチKによりトラクタ10の電源がONとされると(STEP1)、同コントローラ4へ電源が安定して供給されているかどうかを判定し、これが異常であればバッテリの電源が無くなっていたり、配線等の電気系統に異常があるとして、前記警告ランプ5aを点滅する(STEP3)。そして、前記電源が正常であれば、まずエンジン始動時の圧力感知制御(以下,第一油圧力感知制御)を行う。
【0044】
そして、エンジン始動後は、各種制御(エンジン始動後の油圧力感知制御(以下、第二油圧力感知制御)、クローラ回転制御、作業機ローリング制御等)を並列処理する構成となっている。
前記第一油圧力感知制御は、エンジン始動時に前記走行用油路L2内の油圧が正常かどうかをチェックするものである。
【0045】
詳細に説明すると、図8のタイムチャートと図9のフローチャートに示すように、最初に、警告ランプ5aを点灯し、未だエンジンEは駆動されていないといった状態を表示すると共に、前記左右の比例流量制御弁1,1に対し、エンジンEが駆動された場合、前記正逆転切換装置3から回転が出力しないと想定される程度(中立域)の通電を行う(STEP1〜2、図8の(A))。
【0046】
その後、オペレータの所定の操作、即ちクラッチペダル27が踏み込まれ、前記エンジンキースイッチKを回してエンジンスタータ回路に電源が連通されると、エンジンEが始動される。
そしてこの際、前記エンジンプレシャースイッチ109によりエンジンEが始動されたかどうかを判定し、エンジンEが始動された後には、前記走行用油路L2内への油圧が安定すると想定される極短時間T1だけ待機したの後、パルス通電を出力する(STEP4〜5)。
【0047】
また前記パルス通電は、平滑通電とした場合、前記正逆転切替装置が正回転を出力すると想定される所定圧P1を下まわる圧と、逆回転を出力すると想定される所定圧P2の圧を超える圧とを瞬間的に交互に出力するもので、前記走行用油路L2内の圧を変化させるものの、前記正逆転切替装置3の出力回転が非回転状態を維持する程度の通電量に設定されている。
【0048】
これにより、エンジン始動時、オペレータがクラッチペダル27を踏み離しても車両が不意に走行することが無くなり、トラクタ10を安全に走行することができる。また前記のようなトラクタ10では、エンジンスタータ回路により、クラッチペダル27の踏み込み時にだけエンジンEを始動する構成となっているので、エンジン始動時に油圧回路L2内の第一油圧力感知制御を行うことで、万一、前記油路L2に異常があってもクラッチペダル27の踏み離し前に異常を報知することができるので、極力安全性を維持することができる。
【0049】
また、前記パルス通電を出力後にも圧力が変動しない場合、即ち油圧系または電気系統に異常を検出した場合には、直ちに第二油圧力感知制御を行う。また前記油圧系が正常な場合は、前記警告ランプ5aを消灯し、前記各種制御を並列した処理する。
【0050】
前記第二油圧力感知制御は、エンジン始動後に前記走行用油路L2内に油圧が常に維持されているかどうかを検出し、図1と図10に示すように、オペレータに対し二段階で警告を行う構成となっている。
詳細に説明すると、まず図10のSTEP1の処理では、前記圧力センサ6により、同回路L2内の圧力が所定圧Pa1(第一警告圧)以上であるかどうかを判定し、これが前記所定圧Pa1を下回っていると警告ランプ5aを点灯する(STEP2,3)。これは、軽度の異常状態であって、例えば高負荷で前記ポンプPの駆動が不安定となった場合など、オペレータの操作で回避操作で十分回復可能な圧を想定したものである。
【0051】
また続けて、STEP4の処理で、前記同回路L2内の圧力が更に低圧の所定圧Pa2(第二警告圧)以下であるかどうかを判定し、これが下回っていると判定されると警告ランプ5aを点滅作動し、ブザー5bを作動する。この所定圧Pa2は、後進操作時にトラクタ10が高負荷となった場合に、後進を維持できなくなると想定される圧で、前記第一警告圧Pa1よりも低圧で且つ前記図8の中立域の上限値P2よりもやや上回った圧に設定されている。
【0052】
更に、前記圧力センサ6の検出値が前記中立域の上限値P2と同じになった場合は、前記エンジンストップ回路へ通電しエンジンEを停止させる。
また、このエンジンストップ操作では、前進操作時と後進操作時とは異なる処理で、後進操作時には、前記中立域の上限値P2を検出した時点で比例流量制御弁のソレノイドへの通電を直ちに停止する一方、前進時には、上記上限値P2を検出した時点で、通電量を上げて、即ち車両を減速させて後、通電を停止する。
【0053】
これにより、車輌の前後進操作に応じてソレノイド1sへの通電を異ならせて、即ち、後進時には圧力低下と共に車両が減速して停止し、前進時にも減速可能な圧が維持された状態で車両を減速し停止するので、安全性を損なうことがない。
【0054】
また、図示は省略するが、前記図7のSTEP6のクローラ回転制御は、前記左右のクローラ16の回転を左右夫れ夫れの比例流量制御弁1,1の油路開放操作により制御するものである。
即ち、前記前後進切替レバー24の操作位置が前進位置に操作されているときには、左右の正逆転切替装置3,3の出力回転を共に正転として車両を前進させ、前記前後進切替レバー24が後進位置に操作されているときには、前記左右の正逆転切替装置3,3の出力回転を共に逆転として車両を後進させる。また、前記クラッチペダル27が踏込まれている状態では、前記正逆転切替装置3,3の出力回転をゼロに設定し、その後前記クローラ回転センサ91,91により車速値がゼロの状態を検出している間は、前記左右の比例流量制御弁1のソレノイド1sに対し、所定時間間隔、例えば20秒間隔で1回のパルス通電を行って、前記油室82内の圧油の自然低下を防止する構成となっている。
【0055】
また、前記クローラ回転制御では、ハンドル22が回転操作されると、操向内側のクローラ16の回転を減速させたり停止させて車両を操向させる。またこの際前記スピンターン入切スイッチ21が入の時には、車体の旋回時に旋回内側のクローラ16の回転を逆転させて所謂超信地旋回とする構成となっている。
【0056】
また、前記図7のSTEP7の逆走感知制御は、前記左右のクローラ回転センサ91,91よりクローラ16,16の回転が正常であるかどうかを検出し、異常である場合はエンジンEを停止する制御である。
詳しくは、図11に示すように、同制御は、前記前後進切替レバー24が切替え操作後一定時間内の間は、またはクラッチペダル27の踏み込み操作を検出している間は、同処理を行わないでリターンとなる(STEP1〜2)。
【0057】
これにより、例えば、車両の進行方向を切り替える時や、上り坂等で高負荷が発生しクラッチペダル27を踏み込んで車両を一時的に坂に沿って滑らせて負荷を回避する場合等に、無闇にエンジンEが停止しないように図られている。
またSTEP3では、前記ステアリング切角センサ24sによりオペレータのハンドル操作位置が直進域であるか操向域であるかを判定し、これが直進域であれば、前記前後進操作位置センサ24sの検出方向と、左右のクローラ回転センサ91,91の検出回転方向とを読み込み、これら検出値が一定値以上であり、且つ双方の回転方向が相反する回転かどうかを判定する(STEP5〜6)。
【0058】
また前記ハンドル操作位置が直進域外、即ち操向域であると、前記前後進操作位置センサ24sの検出方向と、操向方向とは反対側(旋回外側)のクローラ回転センサ91の検出回転方向とを読み込み、両検出方向が相反する回転かどうかを判定する(STEP4,6,7)。
【0059】
そして前記STEP6の判定で、背反する回転方向を検出した場合は、前記油路L2や比例流量制御弁1の油圧系、または前後進操作位置センサセンサ24sや左右のクローラ回転センサ91,91等に異常があるとして、前記エンジンストップ回路へ通電を行ない、エンジンEを停止する。
【0060】
これにより、トラクタ10のクローラ式走行装置Cにかかる油圧系または電装系に異常があるまま走行することを防止し、車両の安全性を確保することができる。
また、前記第二油圧力感知制御及び逆走感知制御のように、トラクタ10の異常時エンジンEを強制的に停止させる場合は、その後、車両を移動できないといった課題が想定される。よって、ここでは、前記コントローラ4とエンジンストップ回路と間の電源ラインに、信号切断手段となるコネクタ7a,7b(所謂ギボシスイッチ)を設け、両コネクタを外すことにより、警告ランプ5aやブザー5b等の報知手段は作動させるものの、トラクタ10のエンジンEは停止できない構成としている。
【0061】
これにより、トラクタ10は正常な走行は不可能であるとしても、少なくとも車両を走行できる状態として、修理場に移動できず作業場で立ち往生し、メンテナンスが行い難くなるいといった恐れを低減することができる。
次に、図12に基づいて前記トラクタ10の作業機を連結するリンク機構について説明する。
【0062】
従来、トラクタに取り付けるリンク機構は、前記のような二点リンク機構の他、トップリンクと左右ロアリンクとから成る所謂三点リンク機構が知られている。更に前記三点リンク機構は、寸法の異なる標準三点リンク機構と、特殊三点リンク機構が規格化され知られている。
【0063】
しかしながら、前記各種のリンク機構は、トラクタに対し一種類が常設されているのみであり、他のリンク機構に対応した作業機を連結するには、車両に大幅な改良を必要とし、特に特殊三点リンク機構に対応した作業機は重量の大きなものであるので、同作業機を連結するには、強度を損なうことの無い構成が必要とされて改良コストがかかるもので有った。
【0064】
よって、ここでは、前記二点リンク機構を備えたミッションケース9の後部に、標準三点リンク機構を構成するには、符号37のような標準三点リンク対応ブラケットを取り付け、特殊三点リンク機構を構成するには、前記標準三点リンク対応ブラケット37に特殊三点リンク対応ブラケット38を追加的に取り付ける構成となっている。
【0065】
前記標準三点リンク対応ブラケット37は、側面視、上下反対のL字状の金属製ブラケットであり、前記ミッションケースの後部上面と背面に当接する取付面37a,37bを有する構成となっている。また同ブラケット37の背面37aには、トップリンクブラケット37cを突設すると共に、前記PTO軸62を挿通する開口部37dを開口する構成となっている。
【0066】
また特殊三点リンク取付ブラケット38は、前記標準三点リンク対応ブラケット37の上面に固定し、後方へ延設する金属製アーム部材であり、このアーム先端部を二股状に構成している。また、前記アーム中間部には、前記トップリンクブラケット37cの取付孔と対向するボルト貫通穴38a,38を開口して設け、前記二股部に標準三点リンク機構のトップリンクブラケット37cを挟持してボルト39を貫通して固定する構成となっている。
【0067】
これにより、安価且つ簡単な構成で二点リンク機構から標準三点リンク機構、特殊三点リンク機構を構成することができ、またこの際二点リンク機構から標準三点リンク機構を構成する場合は、ミッションケース9の上面と背面に当接して固定するため強度を損なうこともない。また標準三点リンク機構から特殊三点リンク機構へ構成する場合も、ケース9の上面とアーム中間部に固定部を設けるため、強度を損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)油圧異常時のセンサ値の例を示すタイムチャート。
(B)前進時と後進時の通電を示すフローチャート。
【図2】トラクタの全体側面図。
【図3】トラクタの伝導機構線図。
【図4】アクスルハウジングの一部断面図。
【図5】トラクタの油圧回路図。
【図6】コントローラの接続状態を示す図。
【図7】制御全体の流れを示すフローチャート。
【図8】(A)エンジン始動時の油圧力を示すタイムチャート。
(B)エンジン始動時の通電を示すタイムチャート。
【図9】エンジン始動時の油圧力感知制御。
【図10】エンジン始動後の油圧力感知制御。
【図11】逆走感知制御の概要を示すフローチャート。
【図12】二点リンク機構から標準、特殊三点リンク機構への変更を示す図。
【符号の説明】
C 車体の左右走行装置
E エンジン
L1 作業機操作用油路
L2 走行用油路
P 油圧ポンプ
Pa1 油路L2内の所定圧
Pa2 Pa1よりも低い油路L2内の所定圧
P1 正逆転切替装置3が正回転を出力すると想定される所定圧
P2 正逆転切替装置3が逆回転を出力すると想定される所定圧
T1 走行用油路L2内の油圧が安定する時間
1 比例流量制御弁(ソレノイドバルブ)
2 油圧クラッチ
2a 逆転用クラッチ
2a 正転用クラッチ
正逆転切替装置
4 コントローラ
5a 警告ランプ
5b ブザー
6 圧力センサ
7a コネクタ
7b コネクタ
10 トラクタ
27 クラッチペダル

Claims (2)

  1. 車体の左右走行装置(C)に、ソレノイドバルブ(1)への通電量を増加するに従い油圧クラッチ(2)の圧着力を変更して出力回転を正転状態から、非出力状態を経て逆転状態へ無段階に出力する正逆転切替装置(3)を備えると共に、車両のエンジン(E)の回転動力を、前記油圧クラッチ(2)へ圧油を送る油圧ポンプ(P)へ伝達して駆動し、更に同回転動力を、前記正逆転切替装置(3)を介して左右走行装置(C)へ伝達して駆動する車両において、クラッチペダル(27)を踏んでエンジン(E)が始動されると、前記油圧クラッチ(2)を接続する走行用油路(L2)内の油圧が安定する時間(T1)経過後、パルス通電出力を行い、このパルス通電出力は、正逆転切替装置(3)が正回転を出力すると想定される所定圧(P1)を下まわる圧力と、逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)を超える圧力とを交互に出力する構成とし、
    前記油圧クラッチ(2)を接続する走行用油路(L2)における油圧ポンプ(P)とソレノイドバルブ(1)を接続する箇所に油圧力を検出する圧力センサ(6)を備え、エンジン始動後に走行用油路(L2)内の圧力を圧力センサ(6)で検出して異常がある場合の警告を二段階で行うにあたり、
    走行用油路(L2)内の圧力が所定圧(Pa1)を下回っていると警告ランプ(5a)を点灯して第一警告を行い、前記所定圧(Pa1)よりも低圧の所定圧(Pa2)を下回っていると警告ランプ(5a)を点滅してブザー(5b)を作動して第二警告を行う構成とし、圧力センサ(6)の検出値が前記逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)と同じ値になるとエンジンストップ回路に通電してエンジン(E)を停止させる制御手段(4)を備えたことを特徴とする車両の正逆転切替装置
  2. 前記制御手段(4)のエンジン(E)停止操作は、エンジンストップ回路に備えたスイッチ接点を開通する構成とし、前記エンジンストップ回路と制御手段(4)を接続する電源ラインには、前記エンジン停止信号を遮断する信号遮断手段(7a,7b)を備える構成とし、さらに、このエンジンストップ操作において、前進操作時と後進操作時とで異なる処理を行うにあたり、後進操作時には、前記逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)を検出した時点で前記ソレノイドバルブ(1)への通電を直ちに停止する一方、前進時には、前記逆回転を出力すると想定される所定圧(P2)を検出した時点で通電量を増加してから通電を停止するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両の正逆転切替装置
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