JP4796432B2 - 作業車両の走行停止制御装置 - Google Patents

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本発明は、トラクタ等の作業車において、走行時にブレーキペダルを踏んだ時に、坂道や傾斜圃場等において加速することなくスムースに停止できるようにするための技術に関する。
従来から、トラクタ等の作業車両において、傾斜地で停止後に走行を再開する場合に、オペレーターは一旦クラッチペダルを踏み込むと同時にブレーキペダルを踏んで機体を停止させた状態から変速操作して、機体が傾斜に沿って下降しないように、所謂ずり下がりを防止するために、クラッチペダルを外すと同時にブレーキペダルからアクセルペダルに踏み替えて走行を再開する操作を行っていた。しかし、この操作は難しく煩わしいので、機体の傾斜角度を傾斜センサーで検知して、一定の傾斜角度以上であって、クラッチペダルを踏み込んだときには、そのクラッチペダルの踏込み量に応じてブレーキを制動させ、機体が傾斜に沿って下降しないように制御した技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。また、走行時にブレーキペダルを操作すると、制動開始時の変速比を検知して、HSTの斜板を所定の制御曲線に従って中立位置に回動して、減速して停止させる技術も公知となっている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−157591号公報 特開2004−218687号公報
しかし、従来の前者のような構成では、路面の状態により、例えば軟弱な圃場では所定傾斜角度でも機体は下降しないため、変速操作が多くなるとブレーキパッド等の摩耗が増加する。また、傾斜角とクラッチペダルの踏込みを検出してブレーキを作動させる構成のため、副変速装置の操作やPTO変速操作の時もブレーキが作動し、ブレーキパッド等の摩耗が促進されることになる。また、後者の従来の技術では、ブレーキペダルを踏むと予め定められた制御曲線に従って走行速度が減速されるため、ブレーキペダル操作によっては思うように止まることができない場合があった。そこで本発明は、走行速度が速い場合にはブレーキ操作をするとクラッチを切ってブレーキペダルの操作で任意に制動でき、低速では変速装置を用いてスムースな停止ができる技術を提供しようとするものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、車速を変速する油圧−機械式変速装置と、該油圧−機械式変速装置の出力回転数を変更する変速アクチュエータと、駆動源と出力軸との間に動力の伝達を断接するクラッチと、該クラッチを作動させるクラッチアクチュエータと、走行出力軸上に配置するブレーキと、該ブレーキを制動操作するブレーキペダルと、該ブレーキペダルの操作を検知する手段と、前記アクチュエータやクラッチ等を制御する制御手段を備える作業車両において、走行部に走行速度検知手段を配置して前記制御手段と接続し、ブレーキペダル踏込み操作時に検出した車速(v)と、低速の走行速度である第二設定速度(v2)とを比較し、該第二設定速度(v2)よりも遅い場合には、クラッチを「接」として、減速速度に応じて油圧−機械式変速装置を変速して停止するように制御し、また、前記検出した車速(v)が、該第二設定速度(v2)よりも速い場合には、クラッチを「断」とし、減速速度に応じて油圧−機械式変速装置を変速し、走行速度が停止間際の第一設定速度(v1)よりも低速となると、前記クラッチを「接」とするように制御するものである。
請求項2においては、請求項1記載の作業車両の走行停止制御装置において、前記ブレーキペダルを踏込み操作して、前記クラッチを「断」としたときに、ブレーキペダル踏込み後の速度が、ブレーキペダル踏込み時の速度より速くなる場合には、坂道を下っている時と判断して、クラッチを「接」とし、油圧−機械式変速装置を変速して停止する制御を行うものである。
請求項3においては、請求項1又は請求項2記載の作業車両の走行停止制御装置において、前記ブレーキペダルを踏込み操作してクラッチを「断」としたときに、ブレーキペダル踏込み後の速度が、殆ど変わらない状態が所定時間続くと、ブレーキが故障していると判断して、クラッチを「接」とし、油圧−機械式変速装置を変速して停止するように制御するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1の如く構成したので、ブレーキ踏込み時にクラッチを切って(「断」として)実車速と同じとなるように変速装置が変速されて、ブレーキペダルを途中で離しても大きく走行速度が変化せず、また、エンジンブレーキを効かせながら減速することができて、スムースな減速が行える。そして、本機が停止間際でクラッチを繋ぐ(「接」とする)ので、坂道停止して発進する場合、ブレーキペダルを離した時にずり下がりを防止することができるのである。また、坂道で停止するときにブレーキペダルを緩めた時にもずり下がりを防止することができる。
また、あゆみ板でトラックに積み込むときや降ろすとき、または、道路から圃場内に入るときや出るとき、または、畦越えするときなど、低速で慎重に移動させるときには、ちょっとした進行方向のズレなどを補正するためにブレーキペダルを踏んだり、アクセルペダルを踏んだりするが、このときクラッチが切れないので急に速度が増すことがないので、殆ど正確に操作することができ、意図しない方向に進行することもない。
請求項2の如く構成したので、下り坂等でブレーキペダルを踏んだ時に、速度が増加すると暴走のおそれがあるが、ブレーキ操作時よりも速くなった時にクラッチを「接」とすることで、加速が抑えられ、スムースな減速が可能となり、ブレーキペダルによる制動操作も楽に行える。
請求項3の如く構成したことにより、ブレーキペダルを踏んでも走行速度が変化しないときは、ブレーキ装置が故障していると判断できるので、そのときはクラッチを繋いで減速して、安全に停止制御することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の制御装置を備える作業車両の全体側面図、図2は作業車両の駆動構成を示すスケルトン図、図3はHMTの構成を示すスケルトン図、図4は変速機構の制御構成を示す図。図5は車両の変速比とHST変速比との関係を示した図。図6はブレーキ制御の第一実施例のフローチャート図。図7はブレーキ制御の他の構成例のフローチャート図である。
図1において、作業車両をトラクタとした実施例について全体構成から説明する。本機の前後に前輪1及び後輪2を支承し、前部のボンネット6内部にはエンジン5を配置し、該ボンネット6の後方には、ステアリングハンドル10を設けており、該ステアリングハンドル10の後方にはシート11を配設している。また、シート11の側部には主変速レバー3、副変速レバー4、昇降レバー、PTO変速レバー等が突設され、ステアリングハンドル10のハンドルコラム側部に前後進切換操作具として前後進切換レバー7が配置され、ステップ上にブレーキペダル75L・75Rとクラッチペダルを配置している。これらステアリングハンドル10やシート11やレバー類やペダル類等はキャビン12内の運転部に配置されている。
また、エンジン5の後部に伝動ハウジングが配置され、該伝動ハウジングの後部にミッションケース9を配設し、エンジン5からの動力を後輪2に伝達して駆動し、4輪駆動切換機構を介して前輪1にも同時に駆動力を伝達することを可能としている。
また、エンジン5の駆動力はミッションケース9後端から突出したPTO軸15に伝達されて、該PTO軸15から図示しないユニバーサルジョイント等を介して機体後端に作業機装着装置を介して装着した作業機を駆動するように構成している。
図2、図3、図4において、電子式油圧−機械式変速装置の構成について説明する。この変速装置は作業車両、本実施例では農用トラクタに適用されており、HST21、及び、遊星歯車機構22を含むトランスミッションを備えて構成されている。HST21は可変容量型の油圧ポンプ31及び固定容量型の油圧モータ32を備えており、油圧ポンプ31の斜板31aはモータまたはソレノイドまたはシリンダ等の変速アクチュエータ86と接続され、該斜板31aの角度を変更することにより吐出量及び吐出方向を変更可能としている。なお、本実施例のHST21では油圧ポンプのみを可変容量型とし、油圧モータは固定容量型としているが、その構成のHSTに限るものでもない。例えば、油圧ポンプと油圧モータの双方を可変容積型とする構成でも、本発明を適用することができる。
HST21の油圧ポンプ31の回転軸心を出力軸25が貫通しており、該出力軸25は駆動源であるエンジン5からの動力を該油圧ポンプ31に伝達するとともに、遊星歯車機構22に伝達させ、さらにはPTOクラッチ33、PTO変速機構34を介してPTO軸15へも動力を伝達させている。
ミッションケース9にはエンジン出力軸25、モータ駆動68、伝動軸52、副変速軸77、PTO軸15等が水平で前後方向に配設され、それぞれ回動自在に支持されている。また、ミッションケース9内には遊星歯車機構22が設けられている。遊星歯車機構22は前記HST21の後方に配設され、後述するサンギヤ60、プラネタリギヤ58、リング歯車59、キャリア50等より構成されている。
一方、駆動源となるエンジン5と出力軸となる副変速軸77の間には動力の伝達を断接するクラッチ61が配設されている。該クラッチ61は第一の油圧パッククラッチ61aと第二の油圧パッククラッチ61bより構成される。即ち、伝動軸52にはリング歯車59のボス部と、歯車66が遊嵌されており、該リング歯車59のボス部と該伝動軸52との間には第一の油圧パッククラッチ61aが、歯車66と伝動軸52との間には第二の油圧パッククラッチ61bが、それぞれ介在させてある。この二つの油圧パッククラッチ61a・61bは二つの駆動モード(HMT駆動モードとHST駆動モード)を切り換えるために用いられ、駆動モードに応じて二つの油圧パッククラッチ61a・61bのうちいずれか一方を係合させ他方を係合解除させることにより、リング歯車59又は歯車66のいずれか一方を介して伝動軸52に動力が伝達され、副変速機構24を介して出力軸となる副変速軸77に動力が伝達される。なお、クラッチペダルを踏むと二つの油圧パッククラッチ61a・61bは「断」となる。
また、前記出力軸25は前記HST21の油圧ポンプ31を貫通してミッションケース9内に延出しており、該延出部分上に入力歯車54を外嵌している。該歯車54とキャリア50の前部外周面に形成した歯車55とが噛合して、キャリア50を回転させている。そして、該キャリア50には、前記サンギヤ60及びリング歯車59と噛合する複数のプラネタリギヤ58・58が支承されて、これらの、サンギヤ60、プラネタリギヤ58・58、リング歯車59、キャリア5等により遊星歯車機構22を構成している。
この遊星歯車機構22を説明する。遊星歯車機構22の第一の要素たるサンギヤ60は伝動軸52に遊嵌され、プラネタリギヤ58は前記サンギヤ60と、前記サンギヤ60に同心に配置された、第三の要素たるリング歯車59に噛合している。ここでプラネタリギヤ58は、伝動軸52上に遊嵌された第二の要素たるキャリア50に回転自在に支持され、自転しながら該キャリア50とともに公転し得るように構成されている。該キャリア50の前部には歯車55が形成されており、該歯車55は前記伝動軸51上に外嵌固定された歯車54と噛合している。
一方、前記伝動軸52と平行にHST21の出力軸となる駆動軸68が配設されており、該駆動軸68上にはモータ側入力歯車56が固定されて、該歯車56は伝動軸52に遊嵌したサンギヤ60の前部に固定した歯車57と噛合してサンギヤ60を回転駆動している。この駆動軸68上には、前記歯車56の後方に更に歯車63が固設してあり、該歯車63は、前記伝動軸52上に遊嵌される前記歯車66と噛合している。
前記伝動軸52の後部にはカップリングを介して伝達軸が連結されており、該伝達軸の後部に高速用と低速用の二つの歯車を固定している。前記伝達軸と平行に配設した副変速軸77上に設けた歯車と噛合し、副変速軸77に設けられた副変速クラッチを操作することにより、いずれか一方の回転駆動力を副変速軸77に伝達できるように構成し、副変速機構を構成している。該副変速軸77の後端にはピニオンが形設され、該ピニオンを介してデフ機構36に動力が伝達されるように構成している。また、副変速軸77の前端部には前輪増速切換機構を構成し、該前輪増速切換機構より前輪デフ機構を介して前輪1を駆動可能に構成している。
次に、以上の構成におけるトランスミッションにおいて、HMT/HSTの各駆動モードにおける走行駆動系の駆動伝達構成を説明する。最初に、HMT駆動モードとしたときの駆動伝達構成について説明する。HMT駆動モードにおいては前記二つの油圧パッククラッチ61a・61bのうち第一の油圧パッククラッチ61aは係合され、第二の油圧パッククラッチ14は係合を解除される。
エンジン5に連結された出力軸25に固設した入力歯車54が、前記キャリア50に形成された歯車55に噛合しているので、出力軸25の回転出力が遊星歯車機構22のキャリア50に伝達される。一方、駆動軸68の回転出力によって、駆動軸68上の歯車56とサンギヤ60の前部に固設した歯車57が噛合してサンギヤ60が回転駆動されている。従って、前記キャリア50に支持され、更に前記サンギヤ60に噛合しているプラネタリギヤ58には、両者50・60の回転が合成されて伝達され、該合成された駆動力が、該プラネタリギヤ58に噛合するリング歯車59に伝達される。
そして、HMT駆動モードにおいては前記第一の油圧パッククラッチ61aが係合するよう制御されるので、リング歯車59の回転動力が伝動軸52に伝達される。伝動軸52の動力は副変速軸77を経て後輪2や前輪1に伝達され、車両が駆動されることとなる。
次に、HST駆動モードとしたときの駆動伝達構成について説明する。HST駆動モードにおいては前記二つの油圧パッククラッチ61a・61bのうち第二の油圧パッククラッチ61bが係合され、第一の油圧パッククラッチ61aは係合を解除される。前記歯車66には前述のとおり歯車63と噛合されているので、駆動軸68の回転出力が伝動軸52に伝達される。この動力は副変速軸28を経て後輪2や前輪1に伝達され、車両が駆動される。
このHST駆動モードにおいては、エンジン5の出力が前後輪にまで伝達されるまでの間に遊星歯車機構22を経由しない動力伝達構成となっている。即ち、エンジン5の出力が出力軸25を介してキャリア5を駆動するが、リング歯車59のボス部と伝動軸52が係合しないので、遊星歯車機構22はそのキャリア50の回転により空転するのみとされる。結局は、エンジン5の出力はHST21により変速されて駆動軸68→伝動軸52と伝達された後、副変速されて前後輪に伝達されることになる。
そして、HSTの変速比と車両の変速比との関係が図5に示している。後進域の全域〜前進低速域においては第二の油圧パッククラッチ61bが係合されて「HST駆動モード」とされ、該モードにおいては前記HST21の回転出力が前記伝動軸52にそのまま出力される。HST21が中立位置にあるときは車両は駆動されず、駆動軸(モータ出力軸)68が正転したときは車両は前進し、逆転したときは車両は後進する。また、車両速度は該伝動軸52の回転速度に比例する。このことから、「HST駆動モード」において車両を前進側に増速させるためには、HST21の変速比を正転側に変更制御させる必要がある。一方、前進の中速域〜高速域においては第一の油圧パッククラッチ61aが係合されて「HMT駆動モード」とされ、該モードにおいてはHST21の回転出力と伝動軸51の回転出力を前記遊星歯車機構22にて合成し、取り出された動力が前記伝動軸52に出力される。従って、「HMT駆動モード」において車両を前進側に増速させるには、前記「HST駆動モード」とは逆に、HST21の変速比を逆転側に変更制御させる必要がある。
次に、作業車両の走行停止制御について、図4を用いて説明する。第一実施例の作業車両の走行停止制御は、図4に示すごとく、コントローラ81により行われるものである。コントローラ81には、エンジン5に配設された回転数を制御する電子ガバナ(ラックアクチュエータ)84、エンジン5の出力軸25の回転数を検出する回転数検出手段85、主変速レバー3の回動位置(変速位置)を検出するポテンションメータ等より構成される角度検出手段88、前後進切換レバー7の回動位置を検出するスイッチまたはポテンションメータ等より構成される位置検出手段87、副変速レバー4の変速位置を検知するポテンションメータやスイッチ等より構成される副変速位置検出手段(本実施例では高速位置及び低速位置を検出するスイッチ)90、油圧モータ32の出力回転を検出するために歯車56の回転を検出する回転数検出手段80、変速後の伝動軸52の回転数(車速)を検出する回転数検出手段89、油圧ポンプ31の斜板の角度を変更するモータまたはソレノイドまたはシリンダ等よりなる変速アクチュエータ(本実施例では比例ソレノイドバルブ)86、「HMT駆動モード」と「HST駆動モード」を切り換えるための第一・第二油圧パッククラッチ61a・61aの接断を行う電磁弁(クラッチアクチュエータ)82・83、ポテンションメータやスイッチ等より構成されるブレーキペダルの踏込み検出手段71、スイッチ等より構成される左右のブレーキペダル75L・75Rを連結して係止位置(駐車ロック位置)に保持されているか検知する駐車ブレーキ制動位置検知手段76(またはサイドブレーキの駐車ブレーキ操作を検知する駐車ブレーキ位置検知手段78)、警報装置73が接続されている。
このような構成において、コントローラ81は前記検出器84・89の検出値からトランスミッションの変速比を計算する演算手段を備えており、求められた変速比が高速側の一定領域にあるときは「HMT駆動モード」となって前記電磁弁82・83に信号を送り、前記第一の油圧パッククラッチ61aを係合させ、第二の油圧パッククラッチ61bを係合解除させる。一方、変速比が低速側の一定領域にあるときは「HST駆動モード」となって電磁弁82・83に信号を送り、前記第一の油圧パッククラッチ61aを係合解除させ、第二の油圧パッククラッチ61bを係合させる。即ち、中速域〜高速域では「HMT駆動モード」、低速域では「HST駆動モード」というように、変速比に応じて二つの駆動モードを自動切換し、前記電磁弁82・83を電気的に制御してクラッチ61a・61bを係脱させるように構成しているのである。
そして、前進して作業する場合には、アクセルレバーにより回転数を設定して、主変速レバー3を回動して所望の変速段に設定すると、変速アクチュエータ86が同時に駆動されて、斜板31aが設定した傾斜角まで回動される。また、副変速レバー4を回動して所望の変速段とすると、副変速機構24の摺動体が摺動されて高低変速が行われる。なお、図示しない主クラッチペダルにはその操作を検出する手段が配置されてコントローラ81と接続され、主クラッチペダルを踏むと、作動している油圧パッククラッチ61aまたは61b及びPTOクラッチ33が「断」となり、PTO変速及び副変速操作が可能となる。また、前進走行状態から前後進切換レバー7を後進側に切り換えると、主変速レバー3及び副変速レバー4の変速位置に合わせた速度に変速アクチュエータ86が作動される。
また、傾斜地で一旦停止して走行を再開する場合等では、ずり下がりが生じないように、ブレーキを作動させながらクラッチ操作を素早く行う必要があり、この操作が遅くなるとずり下がりが生じていた。そこで、本発明はこのずり下がりが生じないように、クラッチ及び変速装置を制御している。即ち、図6に示すように、走行時において、ブレーキペダルが踏まれているかどうかが踏込み検出手段71により検知され(S1)、踏まれていない場合にはそのまま走行を続行し(S2)、踏まれると車速を回転数検出手段89により検出する(S3)。
この検出した車速vが、あゆみ板等を用いてトラックの荷台に載せたり降ろしたり、畦越えしたりするときの低速の走行速度となる第二設定速度v2と比較し(S4)、この第二設定速度v2よりも遅いと、クラッチを「接」として(S5)。そしてこの時の走行速度に相当する減速速度をコントローラ81のメモリに記憶したマップより読込み速度制御を行い(S6)、無段変速装置及びブレーキによる制動を行いながら減速し、停止する(S7)。このような状態の時、坂道等で停止するときであっても、大きなブレーキペダルの踏込み力は必要なく、また、この停止間際で発進しようとするためにブレーキペダルより足を離してもずり下がることはなく、スムースに発進することが可能となる。
また、前記検出した車速vが、低速である第二設定速度v2と比較し(S4)、この第二設定速度v2よりも速いと、クラッチを切る(「断」とする)(S11)。このとき、ブレーキペダル踏込み時の速度v0と現在の速度vを比較し(S12)、現在の速度vが踏込み時よりも遅くなっていれば(減速していれば)、制動されていると判断して、ブレーキペダルによる制動を行いながら、その減速速度に合わせて変速アクチュエータ86及びクラッチ61を駆動して変速制御を行う(S13)。そして、減速されて走行速度vが停止間際の第一設定速度v1よりも遅くなると(S14)、クラッチを「接」として(S15)変速アクチュエータを減速制御させながら停止させる(S16)。
また、前記ブレーキペダル踏込み時の速度v0と現在の速度vを比較したときに、現在の速度vが踏込み時よりも減速しておらず(S12)、速くなっていれば(S20)、坂道を下っている時と判断して、クラッチを「接」として(S21)、無段変速装置を変速して速度を低下させるようにする(S22)。
また、現在の速度vと踏込み時の速度v0と比較して(S20)略同じであり所定時間その状態が継続していれば(S23)、ブレーキが故障していると判断して、警報を発して(S24)、クラッチを「接」として(S25)、減速制御して停止するようにする(S26)。
次に、作業車両の走行停止制御の他の実施例について説明する。走行停止制御は、コントローラ81により行われるものである。コントローラ81には、図4の第一実施例と同様の構成となっている。
このような構成において、走行時においてブレーキペダルを踏んで制動すると、電磁弁82が作動されて油圧パッククラッチ61aまたは61bが「接」としたまま減速される。このとき、走行速度が検出され、その車速の変化量(減速割合)とブレーキペダルの踏込み量からt秒後の目標値を設定し、変速アクチュエータ86を作動させて斜板を回動して変速し、減速させるのである。また、ブレーキペダルの回動角度ごとに基準の減速率がマップ等により設定されてコントローラ81のメモリに記憶されており、この減速率に応じて変速アクチュエータ86を作動させて変速して、減速するようにしている。そして、この減速率は踏込み角度が小さい程減速率は小さく、踏込み角度が大きくなるほど減速率は大きくなるようにして、軽くブレーキペダルを踏んだときでも徐々に減速できるようにしている。
即ち、図7に示すように、走行時において、ブレーキペダルが踏まれているかどうかが踏込み量検出手段71により検知され(S30)、踏まれていない場合にはそのまま走行を続行し(S31)、踏まれるとクラッチ61を「接」としたまま(S32)、ブレーキペダルの回動角度を検出し(S33)、車速を回転数検出手段89により検出する(S34)。そして、車速をサンプリングして減速割合を演算し、目標減速値を算出して(S35)、この目標減速値となるように変速アクチュエータ86を作動させて減速を行い(S36)。ブレーキペダルを踏み続けることで停止させることができる(S37)。
次に、駐車ブレーキについて説明する。トラクタの駐車ブレーキの制動方式はいろいろ存在するが、本構成例では、二つについて説明する。一つは左右のブレーキペダルを制動位置でロックするものであり、二つ目はデフ装置へ動力を伝える伝動軸77(図2)上に摩擦板(図示せず)を備えて制動ロックするものである。具体的に、第一の方式の場合、左右の車軸13上には図2に示すようにブレーキ摩擦板74が固設され、該ブレーキ摩擦板74は左右のブレーキペダル75L・75Rの踏込みにより制動操作され、該ブレーキペダル75L・75Rは右側のステップ上に並設されている。該左右のブレーキペダル75L・75Rは連結部材により、連結可能に構成されている。またこの連結状態で踏み込んだ位置に係止部材で係止してロックできるように構成され、該係止部材は駐車ブレーキレバーと連動連結されている。そして、この駐車ブレーキ制動状態を検知する手段76及び警報装置73がコントローラ81と接続されている。この駐車ブレーキ制動位置検知手段76はブレーキペダルの係止位置近傍または駐車ブレーキレバーの回動基部近傍等に配置される。
このような構成において、コントローラ81は次のような制御を行う。即ち、前記左右のブレーキペダルを連結した状態で踏込み、その踏込み位置で駐車ブレーキレバーをロックした状態とすると、駐車ブレーキ制動位置検知手段76がその状態を検知して、クラッチ61を「断」とする。そして、この状態で前後進切換レバー7が前進または後進位置に切り換えられても油圧パッククラッチ61aまたは油圧パッククラッチ61bは「接」とならないように制御している。また、この状態で前後進切換レバー7が前進または後進位置に切り換えたときに、ランプまたはブザー等の警報装置73により警報を発するようにしている。
こうしてブレーキペダルを踏み込んでロックして駐車ブレーキ状態とするとクラッチ61は「断」となり、坂道ではブレーキペダルの踏込み力が小さいとずり下がるので、オペレーターに踏込み不足を認識させることができる。なお、この場合、油圧−機械式変速装置を速度0に制御しておくことも可能であるが、クラッチ「接」であっても坂道では車体が下がることがあるので、ブレーキペダルにより確実に制動状態としておくのである。また、車体を発進させるときに、前後進切換レバー7を前進または後進に切り換えたときに、車体が発進しない場合は、駐車ブレーキがかけられたままであると認識でき、また、警報装置73によっても認識でき、駐車ブレーキ解除忘れを防止でき、ブレーキを傷めることもないのである。
第二の方式の場合、図2における出力軸77上に摩擦板(図示せず)が固定され、該摩擦板を制動する手段が運転席近傍に配置したサイドブレーキレバー72とワイヤ等を介して連動連結されている。該サイドブレーキレバー72の回動基部には駐車ブレーキ位置検知手段78が設けられ(図4)、該駐車ブレーキ位置検知手段78及び警報装置73はコントローラ81と接続されている。このような構成において、コントローラ81は次のような制御を行う。即ち、サイドブレーキレバー72が引かれた駐車ブレーキ制動状態において、前後進切換レバー7が前進または後進位置に切り換えたときに、ランプまたはブザー等の警報装置73により警報を発するようにしている。このとき、クラッチ61は「接」の状態であって、サイドブレーキレバー72を用いて坂道発進ができるようにしている。
本発明の制御装置を備える作業車両の全体側面図。 作業車両の駆動構成を示すスケルトン図。 HMTの構成を示すスケルトン図。 変速機構の制御構成を示す図。 車両の変速比とHST変速比との関係を示した図。 ブレーキ制御の第一実施例のフローチャート図。 ブレーキ制御の他の構成例のフローチャート図。
5 エンジン
21 HST
61 クラッチ
71 操作を検知する手段
74 ブレーキ
81 制御手段(コントローラ)
82・83 クラッチアクチュエータ(電磁弁)
86 変速アクチュエータ

Claims (3)

  1. 車速を変速する油圧−機械式変速装置と、該油圧−機械式変速装置の出力回転数を変更する変速アクチュエータと、駆動源と出力軸との間に動力の伝達を断接するクラッチと、該クラッチを作動させるクラッチアクチュエータと、走行出力軸上に配置するブレーキと、該ブレーキを制動操作するブレーキペダルと、該ブレーキペダルの操作を検知する手段と、前記アクチュエータやクラッチ等を制御する制御手段を備える作業車両において、走行部に走行速度検知手段を配置して前記制御手段と接続し、ブレーキペダル踏込み操作時に検出した車速(v)と、低速の走行速度である第二設定速度(v2)とを比較し、該第二設定速度(v2)よりも遅い場合には、クラッチを「接」として、減速速度に応じて油圧−機械式変速装置を変速して停止するように制御し、また、前記検出した車速(v)が、該第二設定速度(v2)よりも速い場合には、クラッチを「断」とし、減速速度に応じて油圧−機械式変速装置を変速し、走行速度が停止間際の第一設定速度(v1)よりも低速となると、前記クラッチを「接」とするように制御することを特徴とする作業車両の走行停止制御装置。
  2. 請求項1記載の作業車両の走行停止制御装置において、前記ブレーキペダルを踏込み操作して、前記クラッチを「断」としたときに、ブレーキペダル踏込み後の速度が、ブレーキペダル踏込み時の速度より速くなる場合には、坂道を下っている時と判断して、クラッチを「接」とし、油圧−機械式変速装置を変速して停止する制御を行うことを特徴とする作業車両の走行停止制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の作業車両の走行停止制御装置において、前記ブレーキペダルを踏込み操作してクラッチを「断」としたときに、ブレーキペダル踏込み後の速度が、殆ど変わらない状態が所定時間続くと、ブレーキが故障していると判断して、クラッチを「接」とし、油圧−機械式変速装置を変速して停止するように制御することを特徴とする作業車両の走行停止制御装置。
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