JP4439183B2 - ブレーキ制御機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧−機械式変速装置を備えた車両のブレーキ制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧式無段変速機構(以後、HSTと表現する)及び遊星歯車を用いた作動機構を備えた油圧−機械式変速装置(以後、HMTと表現する)が知られている。HSTは、油圧ポンプ又は油圧モータのうち少なくとも一方が可動斜板により可変容量型とされ、該可動斜板が主変速操作手段と連結連動されて、該主変速操作手段の回動操作により油圧ポンプの油吐出量が変更されることによりHSTの出力軸の出力回転数が変更されて駆動軸に伝達され、主変速が行われる。また、主変速操作手段を中立位置から回動することにより、車両の前後進の切り換えとともに変速を行えるように構成されている。
【0003】
そして、HMTでは、油圧伝動部であるHSTと、機械伝動部に具備される駆動軸との間に、遊星歯車を用いた作動機構を介在させるとともに、HSTにより変速される油圧変速モードと、HST及び遊星歯車を用いた作動機構により変速される油圧−機械変速モードとを切り換えるためのクラッチが設けられている。そして、特許文献1に記載の技術では、前記クラッチを開放し、駆動力の伝達を遮断することによって、該クラッチが車両の主クラッチの役割も担うように構成されている。従って、主クラッチ操作手段であるクラッチペダルの回動操作によりクラッチが係脱されるだけでなく、ブレーキ操作手段であるブレーキペダルの回動操作によりブレーキスイッチがONとなればクラッチが開放され駆動力の伝達が遮断された状態となるように制御されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−127780号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、坂道等の傾斜地を走行する際には、平地を走行するときと比較して、車両を制動するためにより大きな制動力が必要とされる。従って、傾斜地を走行する際にブレーキスイッチがONとなると同時にクラッチが切れてしまうと、車両を制動させるために必要な必要制動力が発生する前に、クラッチが切断されてしまうため、傾斜地での微量なずり下がりが生じるおそれがあるという不具合があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
請求項1においては、少なくとも一方が可変容積の油圧ポンプ(22)と油圧モータ(23)とから成るHST(21)を用いた油圧伝動部と、油圧伝動部と機械伝動部との両方に接続された遊星歯車を用いた作動機構とを具備した油圧−機械式変速装置において、該HST(21)のHST変速比を所定値から略ゼロまで低減させる、又は、該HST変速比を略ゼロから所定値まで増加させる時の、該HST変速比と時間の関数であるHST変速比制御曲線を予め設定登録し、ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなると、HST斜板角のブレーキ作動制御を開始し、該HST斜板角のブレーキ作動制御では、HST斜板角の目標値を車速ゼロに相当する角度である中立位置とし、エンジンブレーキの如く作動させるべく、HST斜板角制御を行い、ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがOFFとなり、HST斜板角のブレーキ解除制御においては、作業中か路上走行中かを判断し、作業中であれば、ブレーキ作動制御前に検出され記憶されたHST変速比を読み出して開始変速比とし、該開始変速比の値に基づいてHST変速比制御曲線を決定し、路上走行中であれば、主変速操作手段である主変速レバー(84)の操作位置に基づいて、HST変速比を制御すべく構成したブレーキ制御機構において、ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがON又はOFFとなれば、HST変速比を、予め設定登録されたHST変速比制御曲線に沿って変更制御するように構成し、該予め設定登録されたHST変速比制御曲線を複数種設定登録し、制御曲線決定要素の値に基づいてHST斜板角制御曲線のうちの一つを採用するようにしたものである。
【0008】
請求項2においては、前記ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなる際の、該制御曲線決定要素を、ブレーキ操作手段に設けた回動角検出手段により検出されるブレーキペダルの回動角としたものである。
【0009】
請求項3においては、前記ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなる際の、該制御曲線決定要素を、ブレーキ装置に具備される油圧装置に設けた油圧検出手段より検出される油圧の値としたものである。
【0010】
請求項4においては、前記ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなる際の、該制御曲線決定要素を、選択操作手段の操作位置したものである。
【0011】
請求項5においては、前記ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなる際の、該予め設定登録されたHST斜板角制御曲線の傾きを、車速検出手段により検出される車速により補正するようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1はHMT式変速装置のスケルトン図、図2はHSTの側面断面展開図、図3はトランスミッション前部の側面断面展開図、図4はHST斜板制御のための構成を示す説明図である。図5は車速とHST回転数との関係を示す図、図6はHST斜板角変更手段の構成を示す説明図である。
【0013】
図7はブレーキ制御フロー図、図8はHST変速比制御曲線を示す図、図9はHST斜板角ブレーキ作動制御フロー図、図10は中立制御フロー図、図11はHST斜板角ブレーキ解除制御フロー図である。
【0014】
図12は第二実施例に係る制御曲線選択フロー図、図13はHST変速比制御曲線を示す図、図14はブレーキペダルの回動角と時間の関係を示す図、図15は第二実施例に係る制御曲線補正フロー図、図16はHST変速比制御曲線の補正を示す図、図17は第三実施例に係る制御曲線選択フロー図である。
【0015】
本実施例に係る、油圧−機械式変速装置は作業車両に搭載されたトランスミッションに具備されており、作業車両はトランスミッションによって変速されたエンジンの動力によって走行駆動され、また、エンジンの動力によって車両に装備された作業機を駆動可能としている。
【0016】
〔動力伝達構成〕
以下に、本実施例に係る油圧−機械式変速装置を具備するトランスミッションの動力伝達構成について説明する。
【0017】
(1)油圧伝動部
まず、トランスミッションの油圧伝動部について説明する。図1及び図2に示す如く、トランスミッションの油圧伝動部としてHST21が設けられており、該HST21は油圧ポンプ22及び油圧モータ23を備えており、両者22・23は平板状のセンタセクション32に付設されて、HSTハウジング31内に収容されている。前記センタセクション32はミッションケース33に固設されている。
【0018】
HST21の油圧ポンプ22の回転軸心を、ポンプ出力軸25が貫通しており、該ポンプ出力軸25は駆動源であるエンジン20からの動力を該油圧ポンプ22に伝達するとともに、遊星歯車を用いた差動機構である遊星歯車機構10に伝達させ、さらには、後述するPTO駆動系を介して、PTO軸53へも動力を伝達させている。該ポンプ出力軸25には、油圧ポンプ22のシリンダブロック22bが係合されて相対回転不能とされ、ポンプ出力軸25とともにシリンダブロック22bが駆動される。該シリンダブロック22bには複数のプランジャ22cが摺動自在に配設され、該プランジャ22cの頭部には可動斜板22aが当接している。該可動斜板22aは傾動自在に枢支され、その傾斜角を調節することにより油圧ポンプ22の容積が変更可能とされている。以後、可動斜板22aの傾斜角を「HST斜板角」と表すことにする。
【0019】
油圧ポンプ22により吐出された作動油は、センタセクション32に設けられた油路を介して油圧モータ23に送油される。そして、同様にシリンダブロック、プランジャ等より構成される固定容積型の油圧モータ23を駆動させることによって、該油圧モータ23の出力軸であるモータ出力軸26の回転速度及び方向が制御される。以後、モータ出力軸26の回転速度及び方向を「HST回転数」、このHST回転数を得るためのHST21の変速比を「HST変速比」と表すことにする。なお、本実施例に係るHST21では油圧ポンプ22のみを可変容積型とし、油圧モータ23は固定容積型としているが、その構成のHST21に限るものではなく、例えば、油圧ポンプ22と油圧モータ23の双方を可変容積型とする構成でも、本発明を適用することができる。
【0020】
(2)機械伝動部
次に、トランスミッションの機械伝動部30の構成について、図1乃至図4を参照して説明する。機械伝動部30はミッションケース33により被装されており、該ミッションケース33にはポンプ出力軸25、モータ出力軸26、駆動軸27、副変速軸28、PTO軸53等が水平で前後方向に配設され、それぞれ回動自在に支持されている。このうち、駆動軸27以降の伝動系を機械伝動部とする。また、ミッションケース33内には、遊星歯車を用いた差動機構である遊星歯車機構10が設けられている。遊星歯車機構10は、前記油圧伝動部と機械伝動部との両方に接続されている。
【0021】
前記モータ出力軸26には遊星歯車機構10の構成要素であるリングギア3のボス部3aと、ギア12が遊嵌されており、該リングギア3のボス部3aと駆動軸27との間には、第一の油圧パッククラッチであるHMTクラッチ13が、ギア12と駆動軸27との間には、第二の油圧パッククラッチであるHSTクラッチ14が、それぞれ介在されている。この二つの油圧パッククラッチ13・14は、二つの変速モードを切り換えるために用いられ、変速モードに応じて二つの油圧パッククラッチ13・14のうちいずれか一方を係合させ、他方を係合解除させることにより、リングギア3又はギア12のいずれか一方を介して駆動軸27に動力が伝達される。前記二つの変速モードとは、HST21により変速する油圧変速モードである「HSTモード」と、HST21及び遊星歯車機構10により変速する油圧−機械変速モードである「HMTモード」である。
【0022】
また、この二つの油圧パッククラッチ13・14を双方とも係合させないことで、駆動軸27に対し動力が完全に断たれる状態をも現出させることができ、この意味で前記二つの油圧パッククラッチ13・14は、車両のメインクラッチとしての機能を果たしている。
【0023】
一方、前記ポンプ出力軸25は前記HST21のセンタセクション32を貫通してミッションケース33内に延出しており、該延出部分上にポンプ側入力ギア8が外嵌されている。該ポンプ側入力ギア8と、サンギア1に同心的に遊嵌したキャリア5の前部外周面に形成したギア5aとが噛合して、キャリア5を回転させている。そして、該キャリア5には、前記サンギア1及びリングギア3と噛合する複数のプラネタリギア2・2が支承されて、これらの、サンギア1、プラネタリギア2・2、リングギア3、キャリア5等より遊星歯車機構10が構成されている。
【0024】
前記遊星歯車機構10を説明する。遊星歯車機構10の第一の要素たるサンギア1は駆動軸27に遊嵌され、プラネタリギア2は前記サンギア1と、前記サンギア1に同心して配置された、第三の要素たるリングギア3に噛合されている。ここでプラネタリギア2は、駆動軸27上に遊嵌された第二の要素たるキャリア5に回転自在に支持され、自転しながら該キャリア5とともに公転し得るように構成されている。該キャリア5の前部にはギア5aが形成されており、該ギア5aは、前記ポンプ出力軸25上に外嵌されたポンプ側入力ギア8と噛合されている。
【0025】
一方、前記駆動軸27と平行にモータ出力軸26が配設されており、該モータ出力軸26上にはモータ側入力ギア9が固定されて、駆動軸27に遊嵌したサンギア1の前部に外嵌固定したギア6と、モータ側入力ギア9が噛合されてサンギア1が回転駆動されている。このモータ出力軸26上には、モータ側入力ギア9の後方にさらにギア15が固設されており、該ギア15は、前記駆動軸27上に遊嵌される前記ギア12と噛合されている。
【0026】
また、図1及び図4で示す如く、駆動軸27の後端にはカップリングを介して伝達軸34が連結されており、該伝達軸34の後部に二つのギア17・18が固定されている。前記伝達軸34と平行に副変速軸28が支持され、該副変速軸28上にはギア60・61が遊嵌されており、該ギア60・61が前記ギア17・18に噛合されて互いに異なる回転数で駆動されている。そして、副変速軸28に設けられた副変速クラッチ62を操作することにより、ギア60・61のうちいずれか一方の回転駆動力を副変速軸28に伝達できるように構成し、副変速機構が構成されている。該副変速軸28の後端にはベベルギア69が形設され、該ベベルギア69を介して後輪デフ70に動力が伝達される。
【0027】
前記後輪デフ70の両側よりデフヨーク軸71L・71Rが側方に突出され、該デフヨーク軸71L・71R上にブレーキ装置95(95L・95R)が配設されている。該ブレーキ装置95(95L・95R)は、複数の摩擦板がデフヨーク軸71L・71R上にそれぞれ外嵌され、この複数の摩擦板間にミッションケースまたはアクスルケースに嵌合した摩擦板が配置され、該摩擦板を押圧することにより制動する構成としている。この摩擦板を押圧するプレッシャプレートは、ブレーキペダル35の踏込操作によりメカニカルリンク99を介して摺動され、ブレーキ装置95を作動してブレーキ作用を発生させるよう構成されている。メカニカルリンク99には油圧(倍力装置)が利用され、ブレーキペダル35の操作踏力の低減が図られている。また、ブレーキスイッチ96はブレーキペダル35の踏込操作によりONとなり、その作動信号を制御装置90へ出力するように構成されている。なお、ブレーキペダル35は左右設けられているが、本実施例では左右のブレーキペダルを連結した状態で使用する場合を説明する。
【0028】
また、図1に示す如く、副変速軸28の前端部には二つのギア63・64が固設されており、該ギア63・64は前輪出力軸29上に遊嵌されたギア65・66にそれぞれ噛合され、該ギア65・66が異なる回転数で駆動されている。そして、前輪出力軸29上には二つの油圧クラッチ67・68が設けられており、該油圧クラッチ67・68のうちいずれか一方を接続することにより、ギア65・66のいずれか一方の回転駆動力が前輪出力軸29に伝達可能とされ、前輪増速と四輪駆動が切り換えられる前輪増速切換機構が構成されている。
【0029】
(3)PTO駆動系
次に、図1を参照してPTO駆動系を説明する。前記ポンプ出力軸25の後端はPTOクラッチ40を介してPTO入力軸41に接続され動力が伝達される。PTO入力軸41の後端には三つのギア42・43・44が相対回転不能に挿嵌され、それぞれPTO副変速軸45に遊嵌されたギア46・47・48に噛合されている。そして、PTO変速クラッチ49の操作により三段階に変速された出力が、ギア50・52・54を介してPTO軸53に伝達され、作業機等に動力を伝達するよう構成されている。
【0030】
〔各変速モードにおける駆動伝達構成〕
次に、以上の構成における変速装置において、「HMTモード」/「HSTモード」の各変速モードにおける走行駆動系の駆動伝達構成を説明する。
【0031】
(1)「HMTモード」
最初に、「HMTモード」としたときの駆動伝達構成について説明する。「HMTモード」においては前記二つの油圧パッククラッチ13・14のうちHMTクラッチ13が係合され、HSTクラッチ14は係合を解除される。
【0032】
このとき、エンジン20に連結されたポンプ出力軸25に固設のポンプ側入力ギア8が、前記キャリア5に形成されたギア5aに噛合されているので、ポンプ出力軸25の回転出力が遊星歯車機構10のキャリア5に伝達される。一方、モータ出力軸26の回転出力によって、モータ側入力ギア9とサンギア1の前部に固設のギア6が噛合されて、サンギア1が回転駆動される。従って、前記キャリア5に支持され、更に前記サンギア1に噛合されているプラネタリギア2には、両者5・1の回転が合成されて伝達され、該合成された駆動力が、該プラネタリギア2に噛合するリングギア3に伝達される。
【0033】
そして、「HMTモード」においては前記HMTクラッチ13が係合するよう制御されるので、リングギア3の回転動力が駆動軸27に伝達される。駆動軸27の動力は副変速軸28を経て後輪や前輪に伝達され、車両が駆動されることとなる。
【0034】
(2)「HSTモード」
次に、「HSTモード」としたときの駆動伝達構成について説明する。「HSTモード」においては前記二つの油圧パッククラッチ13・14のうちHSTクラッチ14が係合され、HMTクラッチ13の係合は解除される。
【0035】
ギア12には前述のとおりギア15が噛合されているので、モータ出力軸26の回転出力が駆動軸27に伝達される。この動力は副変速軸28を経て後輪や前輪に伝達され、車両が駆動される。
【0036】
この「HSTモード」においては、エンジン20の出力が前後輪にまで伝達されるまでの間に遊星歯車機構10を経由しない動力伝達構成となる。すなわち、エンジン20の出力がポンプ出力軸25を介してキャリア5を駆動するが、リングギア3のボス部3aと駆動軸27が係合しないので、遊星歯車機構10はそのキャリア5の回転により空転するのみとされる。結局は、エンジン20の出力はHST21により変速されてモータ出力軸26→駆動軸27と伝達された後、副変速されて前後輪に伝達されることとなる。
【0037】
(3)各変速モードにおけるHST回転数
ここで、各変速モードにおけるHST回転数について説明する。図5に示す図表では、HST回転数と車速との関係が示されている。後進域の全域〜前進低速域においては「HSTモード」とされ、該モードにおいては前記モータ出力軸26の回転出力が前記駆動軸27にそのまま出力されることから、HST変速比が中立にあるときは車両は駆動されず、モータ出力軸26が正転したときは車両は前進し、逆転したときは車両は後進する。また、車速は該モータ出力軸26の回転速度に比例する。このことから、「HSTモード」において車両を前進側に増速させるためには、HST変速比を正転側に変更制御させる必要がある。
【0038】
一方、前進の中速域〜高速域においては「HMTモード」とされ、該モードにおいてはモータ出力軸26とポンプ出力軸25の回転出力を前記遊星歯車機構10にて合成し、差動的に取り出された動力が前記駆動軸27に出力される。従って、「HMTモード」において車両を前進側に増速させるには、前記「HSTモード」とは逆に、HST変速比を逆転側に変更制御させる必要がある。
【0039】
以上のことから、車両の変速比を前進低速域から前進高速域まで加速するときには、変速比が予め設定された変速モード切換変速比に至るまでは「HSTモード」であり、HST回転数は正転側に増加し、従って、HST斜板角も正転側に制御される。そして、変速比が変速モード切換変速比に至れば「HMTモード」に切り換わって、HST回転数は逆転側に減速し、従って、HST斜板角も逆転側に制御される。
【0040】
〔変速モード切換機構〕
次に、変速モード切換機構の構成を説明する。図4は変速モード切換機構の構成を示した説明図である。
【0041】
本実施例においては、モータ出力軸26に外嵌したモータ側入力ギア9に近接して設けた検出器81で該モータ出力軸26の回転量がパルス信号として検出され、また、その回転方向も検出可能とされている。さらに、前記駆動軸27に固定したダミーギア82aにも検出器82が近接して設けられ、該検出器82にて該駆動軸27の回転量やその方向が検出されている。また、エンジン20のクランク軸にも検出器83が設けられて、エンジン回転数を検出可能とされている。
【0042】
車両の運転席には主変速操作手段である主変速レバー84や、副変速操作手段である副変速切換スイッチ87が設けられて、その枢支部には回動角検出手段(例えば、ポテンショメータ)84a・87aが配設され、該主変速レバー84や副変速切換スイッチ87の操作位置が検出可能とされている。
【0043】
図4に示す如く、前記三つの検出器81・82・83は制御装置90に電気的に接続され、該制御装置90は前記主変速レバー84の操作位置や前記検出器82の検出値をもとに、車速が該主変速レバー84で指示される車速となるよう、HST斜板角変更手段86を通じて、前記油圧ポンプ22の可動斜板22aの傾斜角(HST斜板角)はフィードバック制御されている。
【0044】
前記HST斜板角変更手段86は、図6に示す如く、主に、油圧ポンプ22の可動斜板22aにリンクを介して連結した油圧式のサーボシリンダ86b・86bと、該サーボシリンダ86b・86bへの圧油を制御する制御バルブ86aから構成されている。該制御バルブ86aは電磁弁であって、与えられた電流値によって該電磁弁が切り換えられて、サーボシリンダ86b・86bが伸縮駆動され、可動斜板22aの斜板角、すなわち、HST斜板角が変更される。従って、制御バルブ86aに与えられる電流の値によって、該サーボシリンダ86bの作動量が制御され、HST斜板角が変更される。そして、前記制御バルブ86aの電磁弁は制御装置90に対して電気的に接続されており、制御バルブ86aのソレノイドに与えられる電流値は、制御装置90により制御されている。
【0045】
一方、図4に示す如く、前記HMTクラッチ13及びHSTクラッチ14には、それぞれ電磁弁91・92が接続されて圧油を給排可能に構成されており、前記制御装置90は該電磁弁91・92に対し電気的に接続されている。
【0046】
制御装置90は前記検出器82・83の検出値から変速装置の変速比を計算する演算手段を備えており、求められた変速比が高速側の一定領域にあるときは「HMTモード」となって前記電磁弁91・92に信号を送り、前記HMTクラッチ13を係合させ、HSTクラッチ14を係合解除させる。一方、変速比が低速側の一定領域にあるときは「HSTモード」となって電磁弁91・92に信号を送り、前記HMTクラッチ13を係合解除させ、HSTクラッチ14を係合させる。すなわち、中速域〜高速域では「HMTモード」、後進域の全域〜前進低速域では「HSTモード」と、変速比に応じて二つの変速モードを自動切換し、前記電磁弁91・92を電気的に制御してHMTクラッチ13及びHSTクラッチ14を係脱させるように構成されている。
【0047】
また、車両の運転部の適宜位置にはクラッチ係脱手段たるクラッチペダル85が配設され、該クラッチペダル85の枢支部にはその踏込み量を検出するための回動角検出手段(例えば、ポテンショメータ)85aが配設されて、該回動角検出手段85aは制御装置90に接続されている。そして制御装置90はクラッチペダル85の踏込操作量を検知し、予め定められた所定の閾値をこえて踏み込まれている場合は前記駆動モードの如何にかかわらず、HMTクラッチ13及びHSTクラッチ14の双方とも係合が解除された状態となるよう制御される。この制御によって、HMTクラッチ13及びHSTクラッチ14には、前述の如く駆動モードを切り換えさせるとともに、車両のメインクラッチ(動力伝達クラッチ)としての役割をも担わせている。言い換えれば、「HSTモード」のときはHSTクラッチ14が、「HMTモード」のときはHMTクラッチ13が、それぞれメインクラッチ(動力伝達クラッチ)としての役割を果たすように構成されている。
【0048】
さらに、車両の運転部の適宜位置にはブレーキ装置95の操作手段たるブレーキペダル35が配設されている。ブレーキペダル35はペダルアーム35aの端部に固設されており、ブレーキペダル35を踏込操作すれば、ペダルアーム35aの支承軸35bを中心としてブレーキペダル35が回動する。該ブレーキペダル35には、ブレーキペダル35の踏込操作を検出するブレーキスイッチ96が設けられている。ブレーキスイッチ96はブレーキペダル35の下方に離間して配設され、ブレーキペダル35の回動によりブレーキペダル35が当接してONとされ、ブレーキペダル35が離れてOFFとされる。すなわち、ブレーキスイッチ96はブレーキペダル35の踏込操作量が所定の閾値を越えればON、閾値を越えなければOFFであり、該ブレーキスイッチ96は制御装置90に電気的に接続されており、ブレーキスイッチ96のON/OFF信号を制御装置90により検出可能とされている。
【0049】
ここで、第一実施例に係るブレーキ制御について説明する。図7のブレーキ制御フローに示す如く、操縦者によりブレーキペダル35の踏込操作が為されて、ブレーキスイッチ96がONとなったことが制御装置90において検出されると(S11)、ブレーキランプに対してON信号が発信されて(S12)、運転席近傍に設けたブレーキランプが点灯される。このとき、主変速レバー84に設けた回動角検出手段84aより主変速レバー84aの操作位置が検出され、ブレーキ制御開始時の変速比が制御装置90に取得され記憶される(S13)。続いて、HST斜板角のブレーキ作動制御が開始される(S14)。HST斜板角のブレーキ作動制御では、HST斜板角の目標値を車速ゼロに相当する角度、すなわち中立位置とするように変更すべくHST斜板角制御が行われ、エンジンブレーキの如く作動する。そして、HST斜板角が中立位置近傍となれば、中立制御に移行される(S15)。そして、ブレーキスイッチのOFFが検出されれば、HST斜板角のブレーキ解除制御が開始され(S16)、通常の速度制御に戻る(S17)。
【0050】
次に、HST斜板角のブレーキ作動制御について説明する。図7のブレーキ制御フロー及び図8のHST斜板角のブレーキ作動制御フローに示す如く、HST斜板角のブレーキ作動制御が開始されると(S14)、制御曲線選択要素に応じて後述するHST変速比制御曲線が選択され(152)、先程検出された現段階の変速比の値と選択されたHST変速比制御曲線より、HST変速比制御曲線の数値等の情報が決定され取得される(153)。前記HST変速比制御曲線は、図9に示す如く、ブレーキ作動制御開始時のHST変速比によって決定される曲線であり、ブレーキ作動制御時におけるHST変速比と時間の関係を示す曲線である。該HST変速比制御曲線に沿ってHST変速比を時間とともに低減させることによって、HST斜板角が徐々に中立位置まで変更制御されることになる。そして、HST変速比制御曲線の傾きによりブレーキ作動の程度が決定され、該HST変速比制御曲線の傾きが大きくなるほど短時間で大きくHST変速比が変更されることとなり、従って、車体は急激に減速することとなる。HST変速比制御曲線を決定する関数は、予め制御装置90に登録(メモリに記憶)されており、制御装置90により検出されたブレーキスイッチ96のON時のHST変速比の値やブレーキペダル35の踏込操作量及び操作速度等の制御曲線選択要素の値に基づいて算出され決定される。
【0051】
HST変速比制御曲線が取得されれば、該HST変速比制御曲線に従ってサーボシリンダ86bが駆動され、可動斜板22aが傾倒されるように、HST斜板角変更手段86に対し、信号が発信され(154)、続いて、中立制御に移行される。
【0052】
次に、ブレーキ制御に係る中立制御について説明する。図10の中立制御フローに示す如く、中立制御では、まず、HST斜板角が中立位置近傍にあるかの判定が行われる(212)。条件分岐212において、HST斜板角が中立位置近傍であることが検出されると、さらに条件分岐214において、車軸に設けた車軸の回転を検出する検出手段78により車軸の回転方向が検出され、該回転方向が前進方向であれば、HST斜板角を最小動作斜板角分(HST斜板角の角度調整可能な最小単位分)だけ減少させる(216)。
そして、条件分岐214において、回転方向が後進であれば、HST斜板角を最小動作斜板角分だけ増加させる(215)。つまり、低速で前進状態にある場合は、後進方向にわずかに加速し、低速で後進状態にある場合には、前進方向にわずかに加速するのである。
【0053】
そして、以上の処理215若しくは処理216を終え、条件分岐218において、ブレーキスイッチ96がONであれば条件分岐14に戻り制御ループを繰り返す。上述した処理を繰り返すことにより、低速前進中の機体は徐々に減速して、やがて低速で後進走行となる。そして低速後進走行状態となった機体は、徐々に増速して、やがて低速で前進走行へ移行する。このようにして、機体は低速走行でわずかに前進、後進を繰り返すが、前記処理215・216での増速又は減速は、斜板の角度調整可能な最小単位で行われるため、極めて低速状態にある車体は、僅かに前後に微動する程度であり、略停止状態を維持することができる。そして、この中立制御による停止状態は、駆動軸27に動力が伝達されているので、傾斜面や坂道で停止した場合でも、確実な停止状態を維持できる。また、再び主変速レバー84を前進または後進の速度比に操作した場合には、クラッチ13・14の接続等の動作が不要であるので、発進時の遅れ時間がなくなり、速やかに発進することができる。一方、条件分岐218において、ブレーキスイッチ96がOFFであれば、HST斜板角のブレーキ解除制御に移行される(S16)。
【0054】
次に、HST斜板角のブレーキ解除制御について説明する。図11のHST斜板角のブレーキ解除制御フローに示す如く、まず、条件分岐161において、作業中か路上走行中かが判断される。この判断には、PTO軸53の駆動状況や副変速切換スイッチ87の操作位置等が判断要素とされ、PTO軸53が駆動され且つ副変速切換スイッチ87の操作位置が低速であれば、作業中と判断され、それ以外では路上走行中と判断される。前記条件分岐161において、作業中であれば、ブレーキ制御開始時に検出され記憶されたHST変速比が走行再開時のHST変速比である開始変速比とされ、該開始変速比となるように、HST斜板角が制御されることとなる。従って、作業中に、ブレーキペダル35の踏込操作を行って車体を一時的に制動させても、もとの作業速に戻ることができるように制御されているのである。
【0055】
前記条件分岐161において、作業中であれば、ブレーキ作動制御前に、検出され記憶されたHST変速比が読み出されて開始変速比とされ(162)、該開始変速比の値に基づいてHST変速比制御曲線が決定される。このとき決定されるHST変速比制御曲線は、HST変速比と時間の関数で示される曲線であり、略ゼロであるHST変速比を、開始変速比まで変化させる際に、急激にHST変速比を変化させるのではなく、段階的に徐々に変更させるようにして、スムースな発進を促すための曲線である。HST変速比制御曲線は予め制御装置90に記憶されており、開始変速比の情報が取得されると、採用されるHST変速比制御曲線が決定される。
【0056】
上述の如く決定されたHST変速比制御曲線に従ってサーボシリンダ86bが駆動され、可動斜板22aが傾倒されるように、HST斜板角変更手段86に対し、信号が発信され(164)、続いて、条件分岐165において、HST斜板角が開始変速比に対応する斜板角の設定誤差範囲内にあるかが判断され、HST斜板角が設定誤差範囲内にあれば、速度制御(S17)に移行される。
【0057】
一方、前記条件分岐161において、路上走行中であれば、通常の速度制御(S17)が開始されて、主変速操作手段である主変速レバー84に設けた回動角検出手段84aより検出される該主変速レバー84の操作位置に基づいて、HST変速比が制御される。
【0058】
上述の如くブレーキ制御することによって、ブレーキペダル35が踏込操作されても、車体の主クラッチとして機能するHMTクラッチ13及びHSTクラッチ14の両方を切断した状態とすることなく、ブレーキスイッチ96がONされることを受けて、HSTの変速比制御により車体を停止させるため、駆動軸27が自由回転することなく、登り坂等の傾斜地における制動であっても車体のずり下がりが発生することがない。また、ブレーキペダル35が踏込操作されていても、HSTクラッチ14が接続された状態であるため、ブレーキペダル35の踏込解除操作時において、HSTクラッチ14又はHMTクラッチ13の接続動作が無く、スムースな発進が可能となる。さらに、ブレーキペダル35の回動によりON・OFF操作されるブレーキスイッチ96を検出するように構成されているため、ブレーキペダル35の踏込解除操作が速やかに検出されて、発進までのロスタイムを低減させることができる。
【0059】
次に、本発明に係るブレーキ制御の第二実施例について説明する。
【0060】
同じ速度から同じ時間内で停止する場合、つまり、ブレーキペダル35を同じ時間で同じストロークを操作した場合でも、始めにスピードを早く落としてから停止時のショックを和らげるために停止直前はゆっくり速度が低下する制動と(図13の制御曲線L1)、高速から中速まではゆっくり速度を下げて、中速から一定の割合で減速させて停止する制動、つまり、スピードが速い領域は徐々に下げて、スピードが遅くなると速やかに減速する制動と(制御曲線L3)と、始めから停止するまで略一定の割合で減速する制動(制御曲線L2)があるが、これは操縦者の好みによって異なるものである。
【0061】
本実施例においては、異なる傾きを有する三つのHST変速比制御曲線から一つが採用され、HST変速比制御曲線として採用される。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、HST変速比制御曲線は一つ以上登録することができ、また、HST変速比制御曲線の制御形態もこれに限定されるものではなく、例えば、変速装置が採用される車体の目的に応じて変更することが好ましい。
【0062】
本実施例では、前記第一実施例の図8に示すブレーキ作動制御フローの制御曲線選択処理(152)において、ブレーキ制御に採用するHST変速比制御曲線を制御曲線選択要素としてのブレーキ操作手段であるブレーキペダル35の回動角θに応じて変更することで、操縦者の所望に応じた制動状態の現出が図られている。
【0063】
図4に示す如く、ブレーキ操作手段であるブレーキペダル35にポテンショメータ等のブレーキペダル35の回動角θを検出する回動角検出手段98が設けられ、該回動角検出手段98は制御装置90に電気的に接続されている。但し、ブレーキペダル35のペダルアーム35aに回動角検出手段98を設け、該ペダルアーム35aの回動角θをブレーキ操作手段の回動角θとして検出するように構成することもできる。
【0064】
図14に示す如く、ブレーキペダル35の回動角θと時間の関係を示すと、ブレーキペダル35の踏込操作において、ブレーキペダル35の踏込速さは、急激に強く踏み込む操作(L7)、中程度に踏み込む操作(L8)、ゆっくりと弱く踏み込む操作(L9)に大概すると、急激に踏み込む操作ほど傾きは大きくなる。そこで、ブレーキペダル35がONとなってからある単位時間Δtの間のブレーキペダル35の回動角θの変化量、すなわち、ブレーキペダル35がONとなってから単位時間Δt後のブレーキペダル35の回動角θの値に基づいて、前記制動曲線L1・L2・L3のうちから一つが選択され、ブレーキ作動制御に採用されるようにしている。
【0065】
図8に示すブレーキ作動制御フローの制御曲線選択処理(152)において、図12に示す制御曲線選択フローに示す如く、制御装置90は制御曲線選択要素としてブレーキペダル35の回動角θを検出し、該回動角θを予め設定された設定値と比較することにより、ブレーキペダル35の回動角θの程度が判断される。ブレーキペダル35の回動角θには、異なる二つの閾値が設けられており、それぞれ小さい方から閾値Aa、閾値Abとする。
【0066】
図8に示すブレーキ作動制御フローの制御曲線選択処理(152)において、図12に示す制御曲線選択フローに示す如く、ブレーキペダル35がONとなってから単位時間Δt後のブレーキペダル35の回動角θが回動角検出手段35aにより検出され、制御装置90に取得される。続いて、まず、条件分岐124において、回動角検出手段98により検出されたブレーキペダル35の回動角θと、小さい方の閾値Aaとの値の大小関係が判断され、閾値Aaより回動角θが小さければ、『程度弱』判断され、程度弱の制御曲線L3に沿ったHST変速比制御が選択される(126)。前記条件分岐124において、ブレーキペダル35の回動角θが閾値Aa以上であれば、次に、条件分岐125において、大きい方の閾値Abと回動角θとの値の大小関係が判断され、閾値Abより回動角θが小さければ、『程度中』と判断され、程度中の制御曲線L2に沿ったHST変速比制御が選択される(127)。また、条件分岐125において、ブレーキペダル35の回動角θが閾値Ab以上であれば、『程度強』と判断され、程度強の制御曲線L1に沿ったHST変速比制御が選択される(128)。
【0067】
なお、HST変速比制御曲線の傾きを、単位時間Δt後のブレーキペダル35の回動角θによって決定される関数とすることもできる。この場合、ブレーキペダル35の回動角θが大きいほどHST変速比制御曲線の傾きが大きくなるような傾きが算出され、すなわち、ブレーキペダル35の回動角θが大きいほど単位時間当たりのHST変速比の変更量が大きいようにHST変速比制御曲線が算出され決定される。これにより、程度強・程度中・程度弱の制御曲線L1・L2・L3を設定するときと比較して、よりブレーキペダル35の回動角θに対して敏感にHST変速比制御曲線が設定されることになり、より操縦者の操作フィーリングに合ったブレーキ制御とすることができる。
【0068】
このように、制御曲線選択要素としてブレーキペダル35の踏込操作程度、すなわち、ブレーキペダル35の回動角θが採用され、該制御曲線選択要素の値に応じて、車体の制動の程度をコントロールできるように構成されており、操縦者の所望に応じたブレーキ制御が行われる。
【0069】
なお、制動フィーリングは、高速走行から徐々に減速して停止する場合には、ブレーキペダル35の踏み込み操作に殆ど依存されるが、比較的短い時間で停止する場合は前記制御曲線L1・L2・L3の制動フィーリングが顕著に表れるので、本発明ではこの数種の制動パターンをマップに記憶させて、運転部近傍に設けた選択スイッチやダイヤル等で選択できるようにし、選択後はブレーキペダルを踏むたびに前記パターンが再現されて制動できるようにしている。このように、ブレーキ制御に採用するHST変速比制御曲線を操縦者が任意に選択できるので、例えば、ブレーキペダル35の踏込操作力を十分に与えることのできない操縦者であっても、程度強のHST変速比制御曲線の傾きを選択することによって、素早く車体を停止させることが可能となる。また、ブレーキペダル35の踏込操作力が不安定となっても、常に同様に安定して車体が制動されるようにすることができる。
【0070】
図4に示す如く、運転席近傍の所定位置に、HST変速比制御曲線を変更操作する選択操作手段としてダイヤルスイッチ79を設けており、該ダイヤルスイッチ79の操作位置が制御曲線選択要素とされている。前記ダイヤルスイッチ79に設けられた回動角検出手段79aにより検出され、該回動角検出手段79aは制御装置90に電気的に接続されている。
【0071】
そして、図7に示すブレーキ制御フローの制御曲線選択処理(122)において、制御装置90はダイヤルスイッチ79の回動角検出手段79aよりダイヤルスイッチ79の操作位置を検出し、ダイヤルスイッチ79の操作位置に応じて、予め登録されている制御曲線L1・L2・L3のうち一つが選択されブレーキ作動制御におけるHST変速比制御曲線として採用される。
【0072】
また、高速走行時と低速走行時とで同じ時間の間に(同じ速さで)ブレーキペダル35を同じストロークで踏み込んだとき、高速走行時の方が制動距離は長くなる。そこで、前記制御曲線L1・L2・L3の制動フィーリングの何れかを選択した状態で、高速走行のときは低速走行のときよりも、制御曲線の傾斜を大きくするようにしている。すなわち、高速であるほど傾斜は大きく、低速であるほど傾斜を小さくしている。このように制御することにより、同じブレーキ操作であっても、高速走行では早く(時間が短く)変速比がゼロ(中立)となって急激にエンジンブレーキがかかる状態となって制動距離を短くすることができる。また、低速走行ではゆっくりと制動されてスムースに停止することができるのである。なお、このとき、障害物が迫ったときにはブレーキペダル35を強く踏み込むことにより急ブレーキをかけることができる。
【0073】
図4に示す如く、検出器82より駆動軸27の回転数が検出され、該回転数より車速Vが推定され、該車速VによりHST変速比制御の程度が決定される。但し、車速Vの検出手段は、これに限定されるものではなく、車輪や車軸に検出手段を設け、これらの回転数を得ることにより車速Vを推定することもできる。
【0074】
図15に示す制御曲線補正フローに示す如く、制御装置90により車速Vが検出され(134)、該車速Vの値を予め設定された閾値と比較することにより、車速Vの程度が判断される。本実施例においては、車速Vの程度を三段階に分け、車速Vの値に応じてHST変速比制御曲線を補正するようにされている。車速Vに対して、異なる二つの閾値が設けられており、それぞれ小さい方から閾値Aa、閾値Abとする。
【0075】
車速Vの判断は、まず、条件分岐135において、検出器82により検出された車速Vと、小さい方の閾値Aaとの値の大小関係が判断され、閾値Aaより車速Vが小さければ、低速走行であると判断され、図16に示す如く、補正前の制御曲線Lに対し傾斜を小さくするように補正したHST変速比制御曲線(L4)が採用される(136)。条件分岐135において、車速Vが閾値Aa以上であれば、次に、条件分岐136において、大きい方の閾値Abと油圧Pとの値の大小関係が判断され、閾値Abより車速Vが小さければ、中速走行であると判断され、HST変速比制御曲線がそのまま採用される(137)。また、条件分岐136において、車速Vが閾値Ab以上であれば、高速走行であると判断され、補正前の制御曲線Lに対し傾斜を大きくするように補正したHST変速比制御曲線(L5)が採用される(138)。
【0076】
次に、第三実施例について説明する。
【0077】
本実施例では、図8に示すブレーキ作動制御フローの制御曲線選択処理(152)において、ブレーキ制御に採用するHST変速比制御曲線を、制御曲線選択要素であるブレーキ装置95に具備される油圧機構の油圧の値に応じて変更することで、操縦者の所望に応じた制動状態の現出が図られている。
【0078】
図4に示す如く、ブレーキ装置95は油圧を媒体として作動されており、その作動油の油圧を検出する油圧検出手段76が設けられている。該油圧検出手段76は、制御装置90に電気的に接続されており、制御装置90により油圧が検出される。すなわち、本第三実施例では、前記第二実施例において、ブレーキペダル35の回動角θを検出する代わりに、油圧検出手段76によりブレーキペダル76の踏み込みによる圧力と圧力変化を検知し、前記制御曲線L1・L2・L3の制動フィーリングで制動できるようにしているのである。
【0079】
図8に示すブレーキ作動制御フローの制御曲線選択処理(152)において、図17に示す制御曲線選択フローに示す如く、油圧検出手段76により制御曲線選択要素として、ブレーキスイッチ96がONとされてから単位時間Δt後の油圧Pが制御装置90において検出され(131)、該油圧Pの値を予め設定された閾値と比較することにより、油圧Pの程度が判断される。本実施例においては、油圧Pの程度を三段階に分け、油圧Pの値に応じてHST変速比制御するようにされている。油圧Pに対して、異なる二つの閾値が設けられており、それぞれ小さい方から閾値Aa、閾値Abとする。
【0080】
まず、条件分岐132において、油圧検出手段76により検出された油圧Pと、小さい方の閾値Aaとの値の大小関係が判断され、閾値Aaより油圧Pが小さければ『程度弱』と判断され、程度弱の制御曲線L3に沿ったHST変速比制御が選択される(126)。条件分岐132において、油圧Pが閾値Aa以上であれば、次に、条件分岐133において、大きい方の閾値Abと油圧Pとの値の大小関係が判断され、閾値Abより油圧Pが小さければ、『程度中』と判断され、程度中の制御曲線L2に沿ったHST変速比制御が選択される(127)。また、条件分岐133において、油圧Pが閾値Ab以上であれば、『程度強』と判断され、程度強の制御曲線L1に沿ったHST変速比制御が選択される(128)。なお、程度強・程度中・程度弱の制御曲線L1・L2・L3は、第二実施例に示す通りである。
【0081】
このように、ブレーキペダル35の踏込操作程度に応じて変動する油圧Pの値が制御曲線選択要素として採用され、該油圧Pの値により車体の制動の程度をコントロールできるように構成されており、操縦者の所望に応じたブレーキ制御が行われる。
【0082】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0083】
請求項1に示す如く、少なくとも一方が可変容積の油圧ポンプ(22)と油圧モータ(23)とから成るHST(21)を用いた油圧伝動部と、油圧伝動部と機械伝動部との両方に接続された遊星歯車を用いた作動機構とを具備した油圧−機械式変速装置において、該HST(21)のHST変速比を所定値から略ゼロまで低減させる、又は、該HST変速比を略ゼロから所定値まで増加させる時の、該HST変速比と時間の関数であるHST変速比制御曲線を予め設定登録し、ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなると、HST斜板角のブレーキ作動制御を開始し、該HST斜板角のブレーキ作動制御では、HST斜板角の目標値を車速ゼロに相当する角度である中立位置とし、エンジンブレーキの如く作動させるべく、HST斜板角制御を行い、ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがOFFとなり、HST斜板角のブレーキ解除制御においては、作業中か路上走行中かを判断し、作業中であれば、ブレーキ作動制御前に検出され記憶されたHST変速比を読み出して開始変速比とし、該開始変速比の値に基づいてHST変速比制御曲線を決定し、路上走行中であれば、主変速操作手段である主変速レバー(84)の操作位置に基づいて、HST変速比を制御すべく構成したブレーキ制御機構において、ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがON又はOFFとなれば、HST変速比を、予め設定登録されたHST変速比制御曲線に沿って変更制御するように構成し、該予め設定登録されたHST変速比制御曲線を複数種設定登録し、制御曲線決定要素の値に基づいてHST斜板角制御曲線のうちの一つを採用するようにしたので、ブレーキ作動時にも動力伝達系が切断されないので、傾斜地等でのずり下がりや空走を防止することができる。また、ブレーキ解除時に、動力伝達系の接続動作が不要であるので、スムースに発進することができる。
【0084】
また、前記HST斜板角制御曲線の傾きを、制御曲線決定要素の値に応じて変更し、値の増加に伴って変化量が増大し、値の低減に伴って変化量が減少するようにしたので、状況に応じたブレーキ作動状況とすることができ、操作フィーリングを向上させることができる。
【0085】
また、前記HST斜板角制御曲線を複数種設定登録し、制御曲線決定要素の値に基づいてHST斜板角制御曲線のうちの一つを採用するようにしたので、状況に応じたブレーキ作動状況とすることができ、操作フィーリングを向上させることができる。
【0086】
請求項2に示す如く、前記ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなる際の、該制御曲線決定要素を、ブレーキ操作手段に設けた回動角検出手段により検出されるブレーキペダルの回動角としたので、操縦者の所望に応じたブレーキ作動状況とすることができ、操作フィーリングを向上させることができる。
【0087】
請求項3に示す如く、前記ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなる際の、該制御曲線決定要素を、ブレーキ装置に具備される油圧装置に設けた油圧検出手段より検出される油圧の値としたので、状況に応じたブレーキ作動状況とすることができ、操作フィーリングを向上させることができる。
【0088】
請求項4に示す如く、前記ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなる際の、該制御曲線決定要素を、選択操作手段の操作位置としたので、操縦者の所望に応じたブレーキ作動状況とすることができ、操作フィーリングを向上させることができる。
【0089】
請求項5に示す如く、前記ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなる際の、該HST斜板角制御曲線の傾きを、車速検出手段により検出される車速により補正するようにしたので、状況に応じたブレーキ作動状況とすることができ、操作フィーリングを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 HMT式変速装置のスケルトン図。
【図2】 HSTの側面断面展開図。
【図3】 トランスミッション前部の側面断面展開図。
【図4】 HST斜板制御のための構成を示す説明図。
【図5】 車速とHST回転数との関係を示す図。
【図6】 HST斜板角変更手段の構成を示す説明図。
【図7】 ブレーキ制御フロー図。
【図8】 HST変速比制御曲線を示す図。
【図9】 HST斜板角ブレーキ作動制御フロー図。
【図10】 中立制御フロー図。
【図11】 HST斜板角ブレーキ解除制御フロー図。
【図12】 第二実施例に係る制御曲線選択フロー図。
【図13】 HST変速比制御曲線を示す図。
【図14】 ブレーキペダルの回動角と時間の関係を示す図。
【図15】 第二実施例に係る制御曲線補正フロー図。
【図16】 HST変速比制御曲線の補正を示す図。
【図17】 第三実施例に係る制御曲線選択フロー図。
【符号の説明】
21 HST
22 油圧ポンプ
22a 可動斜板
23 油圧モータ
25 ポンプ出力軸
26 HST出力軸
27 出力軸
35 ブレーキペダル(ブレーキ操作手段)
35a ペダルアーム
76 油圧検出手段
79 ダイヤルスイッチ(選択操作手段)
86 HST斜板角制御手段
90 制御装置
91・92 電磁弁
95 ブレーキ装置
96 ブレーキスイッチ
98 回動角検出手段

Claims (5)

  1. 少なくとも一方が可変容積の油圧ポンプ(22)と油圧モータ(23)とから成るHST(21)を用いた油圧伝動部と、油圧伝動部と機械伝動部との両方に接続された遊星歯車を用いた作動機構とを具備した油圧−機械式変速装置において、該HST(21)のHST変速比を所定値から略ゼロまで低減させる、又は、該HST変速比を略ゼロから所定値まで増加させる時の、該HST変速比と時間の関数であるHST変速比制御曲線を予め設定登録し、ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなると、HST斜板角のブレーキ作動制御を開始し、該HST斜板角のブレーキ作動制御では、HST斜板角の目標値を車速ゼロに相当する角度である中立位置とし、エンジンブレーキの如く作動させるべく、HST斜板角制御を行い、ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがOFFとなり、HST斜板角のブレーキ解除制御においては、作業中か路上走行中かを判断し、作業中であれば、ブレーキ作動制御前に検出され記憶されたHST変速比を読み出して開始変速比とし、該開始変速比の値に基づいてHST変速比制御曲線を決定し、路上走行中であれば、主変速操作手段である主変速レバー(84)の操作位置に基づいて、HST変速比を制御すべく構成したブレーキ制御機構において、ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがON又はOFFとなれば、HST変速比を、予め設定登録されたHST変速比制御曲線に沿って変更制御するように構成し、該予め設定登録されたHST変速比制御曲線を複数種設定登録し、制御曲線決定要素の値に基づいてHST斜板角制御曲線のうちの一つを採用するようにしたことを特徴とするブレーキ制御機構。
  2. 前記ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなる際の、該制御曲線決定要素を、ブレーキ操作手段に設けた回動角検出手段により検出されるブレーキペダルの回動角としたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御機構。
  3. 前記ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなる際の、該制御曲線決定要素を、ブレーキ装置に具備される油圧装置に設けた油圧検出手段より検出される油圧の値としたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御機構。
  4. 前記ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなる際の、該制御曲線決定要素を、選択操作手段の操作位置としたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御機構。
  5. 前記ブレーキ操作手段により操作されるスイッチがONとなる際の、該予め設定登録されたHST斜板角制御曲線の傾きを、車速検出手段により検出される車速により補正するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御機構。
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