JP2002156038A - 作業車両のhst斜板制御機構 - Google Patents

作業車両のhst斜板制御機構

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JP2002156038A
JP2002156038A JP2000350374A JP2000350374A JP2002156038A JP 2002156038 A JP2002156038 A JP 2002156038A JP 2000350374 A JP2000350374 A JP 2000350374A JP 2000350374 A JP2000350374 A JP 2000350374A JP 2002156038 A JP2002156038 A JP 2002156038A
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Fumio Ishibashi
文雄 石橋
Yukio Kubota
幸雄 久保田
Yasuo Noma
康男 野間
Takashi Miyamoto
貴志 宮本
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Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本機の極めて微小な速度での前進・後進をも
検知して、それに基づいてHST斜板を制御し、本機を
より確実に停止させ得る構成を提供する。 【解決手段】 主変速操作手段84の操作位置に応じて
HST斜板22aの傾斜角を変更させる作業車両のHS
T斜板制御機構であって、車軸に連動する軸26の回転
量を検出する検出手段81、該軸26の回転方向を検出
する検出手段81、及び、HST斜板22aの角度を変
更させるアクチュエータ86を備え、前記主変速操作手
段84が中立位置にあるときに前記軸26の回転が検出
された場合は、前記アクチュエータ86を介して前記H
ST斜板22aの角度を変更して前記軸26を前記回転
と逆の方向に加速させるよう制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業車両のHST
斜板を制御するHST斜板制御機構の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来においては、主変速操作手段を中立
位置(ニュートラル)にして走行停止を行う場合におい
ては、動力伝達経路に配置されるメインクラッチを切断
することで、エンジンからの動力伝達を遮断して本機の
停止状態を現出させていた。
【0003】一方、特開2000−130757号に開
示される技術においては、上記のように動力伝達を遮断
して本機の停止状態を作り出す構成では、傾斜地におい
て本機を停止させた場合に傾斜下り方向に動いてしまう
という問題が指摘され、これを解消する手段として、本
機停止時にメインクラッチを係合状態とした上で、機体
の低速前進走行を後進側に加速し、機体の低速後進走行
を前進側に加速するようにHST斜板を制御する中立制
御方法が提案されている。この構成は、傾斜地に本機を
停止させた場合でもわずかに前進・後進を反復すること
で略停止状態を維持でき、傾斜面や坂道で停止した場合
でも確実な停止状態を維持できる点で優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した特開
2000−130757号の技術は、本機のわずかな前
進・後進を検出できるようにするために、精度の良い速
度検出手段(あるいは精度の良い速度算出手段)を必要
とする。即ち、分解能の高い速度検出手段を採用しない
と、検出可能な最小速度未満で本機が動いている場合に
HST斜板を制御できず、本機はいつまでも止まらずに
微速でズルズルと動いてしまうことになる。本発明は以
上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、停止
中に本機が極めて微小な速度で動き出した場合でも、そ
れを検知してHST斜板を制御できるようにし、本機を
より確実に停止させ得る構成を提供することにある。
【0005】また、本発明は、車両の操作性や乗り心地
を向上させ、傾斜地停止時の車両を発進させる場合にス
ムーズにスタートさせ得るような、HST斜板の制御機
構の構成を提供することも、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。
【0007】即ち、請求項1においては、主変速操作手
段の操作位置に応じてHST斜板の傾斜角を変更させる
作業車両のHST斜板制御機構であって、車軸に連動す
る軸の回転量を検出する検出手段、該軸の回転方向を検
出する検出手段、及び、HST斜板角を変更させるアク
チュエータを備え、前記主変速操作手段が中立位置にあ
るときに前記軸の回転が検出された場合は、前記軸を前
記回転と逆の方向に加速させるように前記HST斜板角
を前記アクチュエータを介して変更制御するものであ
る。
【0008】請求項2においては、請求項1記載のHS
T斜板制御機構であって、車軸に連動する軸の回転量を
前記検出手段にてパルスに変換して検出し、検出される
パルスをカウントし、カウント積算値が設定値に達した
場合には前記アクチュエータを駆動してHST斜板角を
設定角度増加又は減少させるとともに、前記カウント積
算値をリセットするように構成したものである。
【0009】請求項3においては、主変速操作手段の操
作位置に応じてHST斜板の傾斜角を変更させる作業車
両のHST斜板制御機構であって、前記主変速操作手段
の操作量を検出する検出手段を設け、HST斜板角を変
更させるアクチュエータを設け、前記主変速操作手段の
操作量に対する前記アクチュエータの駆動量の比を切り
換える切換手段を設けたものである。
【0010】請求項4においては、請求項3記載の作業
車両のHST斜板制御機構であって、前記切換手段は、
トランスミッションに配設される機械式変速機構の変速
比切換手段をも兼ねているものである。
【0011】請求項5においては、主変速操作手段の操
作位置に応じてHST斜板の傾斜角を変更させる作業車
両のHST斜板制御機構であって、走行時に主変速操作
手段がその中立位置を跨いで操作された場合であって、
HST斜板が中立位置まで戻ったときに車体の速度がゼ
ロでない場合は、該速度がゼロになるまでHST斜板を
中立位置に保持させるものである。
【0012】請求項6においては、主変速操作手段の操
作位置に応じてHST斜板の傾斜角を変更させる作業車
両のHST斜板制御機構であって、車軸に連動する軸の
回転量及び回転方向を検出する検出手段、及び、HST
斜板角を変更させるアクチュエータを備え、動力伝達ク
ラッチを操作するクラッチ係脱手段を車両のブレーキ手
段と兼用させ、走行中に前記クラッチ係脱手段が操作さ
れると前記動力伝達クラッチの係合を解除しかつ車両を
制動するように構成し、車両が略停止されているとき
は、前記動力伝達クラッチを係合させるとともに、前記
軸の回転が検出された場合は該回転を戻す方向に前記H
ST斜板角を変更すべくアクチュエータを制御するもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明す
る。図1は本発明に係るHMT式トランスミッションの
スケルトン図、図2はHST及びミッション前部の側面
断面展開図、図3はミッション後部の側面断面展開図で
ある。
【0014】図1〜図3を参照して、HMT式トランス
ミッションの構成について説明する。このトランスミッ
ションは作業車両、本実施例では農用トラクタに適用さ
れており、HST(油圧式無段変速装置)21、及び、
遊星歯車機構10を含むミッション30を備えて構成さ
れている。
【0015】〔走行駆動系〕まず、走行駆動系を説明す
る。図2に示すようにHST21は油圧ポンプ22及び
油圧モータ23を備えており、両者21・22は平板状
のセンタセクション32に付設されて、HSTハウジン
グ31内に収容されている。前記センタセクション32
はミッションケース33に固設されている。
【0016】HST21の油圧ポンプ22の回転軸心を
入力軸25が貫通しており、該入力軸25は駆動源であ
るエンジン20からの動力を該油圧ポンプ22に伝達す
るとともに、遊星歯車機構10の後述するサンギア1に
伝達させ、更には後述するPTO駆動系を介して、図3
に示すPTO軸53へも動力を伝達させている。該入力
軸25には油圧ポンプ22のシリンダブロック22bが
係合されて相対回転不能とされ、入力軸25とともにシ
リンダブロック22bが駆動される構成になっている。
該シリンダブロック22bには複数のプランジャ22c
が摺動自在に配設され、該プランジャ22cの頭部には
可動斜板22aが当接している。該可動斜板22aは傾
動自在に枢支され、その傾斜角を調節することにより油
圧ポンプ22の容積を変更することができる。油圧ポン
プ22により吐出された作動油は、センタセクション3
2に設けられた油路を介して油圧モータ23に送油され
る。そして、同様にシリンダブロック、プランジャ等よ
り構成される固定容積型の油圧モータ23を駆動させる
ことによって、該油圧モータ23のモータ出力軸26の
回転速度及び方向を制御する構成になっている。なお、
本実施例のHST21では油圧ポンプのみを可変容積型
とし、油圧モータは固定容積型としているが、その構成
のHSTに限るものでもない。例えば、油圧ポンプと油
圧モータの双方を可変容積型とする構成でも、本発明を
適用することができる。
【0017】ミッション30の構成について、図1〜図
3を参照して説明する。ミッション30はミッションケ
ース33により被装されており、該ミッションケース3
3には入力軸25、モータ出力軸26、駆動軸27、副
変速軸28、PTO軸53等が水平で前後方向に配設さ
れ、それぞれ回動自在に支持されている。また、ミッシ
ョンケース33内には遊星歯車機構10が設けられてい
る。遊星歯車機構10は前記HST21の油圧ポンプ2
2後方に配設され、後述するサンギア1、プラネタリギ
ア2、出力ギア3、キャリア5等より構成されている。
【0018】一方、HST21のモータ出力軸26には
二つのギア11・12が遊嵌されており、該ギア11と
該モータ出力軸26との間には第一の油圧パッククラッ
チ13が、ギア12とモータ出力軸26との間には第二
の油圧パッククラッチ14が、それぞれ介在させてあ
る。この二つの油圧パッククラッチ13・14は二つの
駆動モード(HMT駆動モードとHST駆動モード)を
切り換えるために用いられ、駆動モードに応じて二つの
油圧クラッチ13・14のうちいずれか一方を係合させ
他方を係合解除させることにより、モータ出力軸26か
らギア11・12のいずれか一方に動力が伝達されるこ
ととなる。
【0019】前記入力軸25は前記HST21のセンタ
セクション32を貫通してミッションケース33内に延
出しており、該延出部分上には遊星歯車機構10を備え
ている。この遊星歯車機構10を説明する。遊星歯車機
構の第一の要素たるサンギア1は入力軸25に対して相
対回転不能に係合され、プラネタリギア2は二連のギア
とし、一方のギア2aは前記サンギア1に噛合し、他方
のギア2bは、前記サンギア1に同心して配置された、
第三の要素たる出力ギア3に噛合している。ここでプラ
ネタリギア2は、入力軸25上に遊嵌された第二の要素
たるキャリア5に回転自在に支持され、自転しながら該
キャリア5とともに公転し得るように構成されている。
該キャリア5にはギア6が固設されており、該ギア6
は、前記モータ出力軸26上に遊嵌される前記ギア11
と噛合している。
【0020】また、遊星歯車機構10の前記出力ギア3
は入力軸25上に遊嵌されたパイプ軸7の前端部に形成
されており、該パイプ軸7の後端にはギア8が相対回転
自在に遊嵌されている。該ギア8と前記パイプ軸7との
間には第三のクラッチ19が介設され、該クラッチ19
は油圧駆動されるシフタにより係脱されるように構成さ
れている。
【0021】一方、前記HST21のモータ出力軸26
と平行に駆動軸27が配設されており、該駆動軸27上
にはギア16が固定されて前記ギア8と噛合されてい
る。この駆動軸27上には更にギア15が固設してあ
り、該ギア15は、前記モータ出力軸26上に遊嵌され
る前記ギア12と噛合している。図3で示すように駆動
軸27の後端にはカップリングを介して伝達軸34が連
結されており、該伝達軸34の後部に二つのギア17・
18を固定している。
【0022】前記伝達軸34と平行に副変速軸28が支
持され、該副変速軸28上にはギア60・61が遊嵌さ
れており、該ギア60・61が前記ギア17・18に噛
合して互いに異なる回転数で駆動している。そして、副
変速軸28に設けられた副変速クラッチ62を操作する
ことにより、ギア60・61のうちいずれか一方の回転
駆動力を副変速軸28に伝達できるように構成し、副変
速機構を構成している。該副変速軸28の後端にはベベ
ルギア69が形設され、該ベベルギア69を介して後輪
デフ70に動力が伝達される。
【0023】また図3に示すように、副変速軸28の前
端部には二つのギア63・64が固設されており、該ギ
ア63・64は前輪出力軸29上に遊嵌されたギア65
・66にそれぞれ噛合し、該ギア65・66を異なる回
転数で駆動している。また、前輪出力軸29上には二つ
の油圧クラッチ67・68が設けられており、該油圧ク
ラッチ67・68のうち何れか一方を接続することによ
り、ギア65・66の何れか一方の回転駆動力を前輪出
力軸29に伝達できるようにし、前輪増速切換機構を構
成している。
【0024】〔PTO駆動系〕次に、図3を参照してP
TO駆動系を説明する。前記入力軸25の後端はPTO
クラッチ40を介してPTO入力軸41に伝達される。
PTO入力軸41の後端には三つのギア42・43・4
4が相対回転不能に挿嵌され、それぞれPTO副変速軸
45に遊嵌されたギア46・47・48に噛合してい
る。そしてPTO副変速クラッチ49の操作により三段
階に変速された出力が、ギア50・52・54を介して
PTO軸53に伝達され、作業機等に動力を伝達するよ
う構成している。
【0025】〔各駆動モードにおける駆動伝達構成〕次
に、以上の構成におけるトランスミッションにおいて、
HMT/HSTの各駆動モードにおける走行駆動系の駆
動伝達構成を説明する。
【0026】〔HMT駆動モード〕最初に、HMT駆動
モードとしたときの駆動伝達構成について説明する。H
MT駆動モードにおいては前記二つの油圧クラッチ13
・14のうち第一の油圧クラッチ13は係合され、第二
の油圧クラッチ14は係合を解除される。これにより、
モータ出力軸26の回転出力はギア12には伝達され
ず、ギア11のみを回転駆動する。前記ギア11は前記
キャリア5に固設されたギア6に噛合しているので、モ
ータ出力軸26の回転出力が遊星歯車機構10のキャリ
ア5に伝達される。一方、エンジン20に連結された入
力軸25の回転出力によりサンギア1は回転駆動されて
いる。従って、前記キャリア5に支持され、更に前記サ
ンギア1に噛合しているプラネタリギア2には、両者5
・1の回転が合成されて伝達され、該合成された駆動力
が、該プラネタリギア2に噛合する出力ギア3に伝達さ
れて、パイプ軸7が駆動される。
【0027】そして、HMT駆動モードにおいては前記
第三のクラッチ19が係合するよう制御されるので、パ
イプ軸7の駆動力がその後端のギア8に伝達され、該ギ
ア8に噛合しているギア16を介して、前記パイプ軸7
の動力が駆動軸27に伝達される。駆動軸27の動力は
副変速軸28を経て後輪や前輪に伝達され、車両が駆動
されることとなる。
【0028】〔HST駆動モード〕次に、HST駆動モ
ードとしたときの駆動伝達構成について説明する。HS
T駆動モードにおいては前記二つの油圧クラッチ13・
14のうち第二の油圧クラッチ14が係合され、第一の
油圧クラッチ13は係合を解除される。これにより、モ
ータ出力軸26の回転出力はギア11には伝達されず、
ギア12のみを回転駆動する。ギア12には前述のとお
りギア15が噛合されているので、モータ出力軸26の
回転出力が駆動軸27に伝達される。この動力は副変速
軸28を経て後輪や前輪に伝達され、車両が駆動され
る。
【0029】このHST駆動モードにおいては、エンジ
ン20の出力が前後輪にまで伝達されるまでの間に遊星
歯車機構10を経由しない動力伝達構成となっている。
即ち、エンジン出力が入力軸25を介してサンギア1を
駆動するが、遊星歯車機構10はそのサンギア1の回転
により空転するのみとされる。結局は、エンジン出力は
HST21により変速されてモータ出力軸26→駆動軸
27と伝達された後、副変速されて前後輪に伝達される
ことになる。
【0030】一方、前述のとおり前記駆動軸27にはギ
ア16が固定されており、該ギア16に噛合しているギ
ア8は、前記駆動軸27の回転が伝達されて駆動される
ことになる。しかし、HST駆動モードにおいては前記
第三のクラッチ19が係合を解除するように制御される
ため、前記駆動軸27の動力がパイプ軸7を介して出力
ギア3まで伝達されることはなく、出力ギア3の空回り
は防止される。この構成により動力伝達ロスが抑えら
れ、遊星歯車機構10の長寿命化が図られている。
【0031】〔HST斜板制御機構の構成〕次に、HS
T斜板制御機構の構成を説明する。図4はHST斜板制
御のための構成を示す説明図である。
【0032】本実施例においては図2・図4に示すよう
に、モータ出力軸26の後端に回転ピックアップのため
のダミーギア9を配設し、該ダミーギア9に近接して設
けた検出器81で該モータ出力軸26の回転量をパルス
信号として検出し、またその回転方向をも検出できるよ
うにしている。更に、前記駆動軸27に固定した前記ギ
ア15にも検出器82を近接して設け、該検出器82に
て該駆動軸27の回転量やその方向を検出している。ま
た図4に示すように、エンジン20のクランク軸にも検
出器83が設けられて、エンジン回転数を検出可能とし
ている。更には車両の運転席には主変速レバー84が設
けられて、その枢支部には回動角検出手段(例えば、ポ
テンショメータ)84aが配設され、該主変速レバー8
4の操作位置を検出できるようにしている。
【0033】図4に示すように前記三つの検出器81・
82・83は制御装置90に電気的に接続され、該制御
装置90は前記主変速レバー84の操作位置や前記検出
器82の検出値をもとに、車速が該主変速レバー84で
指示される車速となるよう、HST斜板角アクチュエー
タ86を通じて前記油圧ポンプ22の可動斜板22aの
傾斜角度を制御する。これについては後述する。また、
前記第一・第二油圧クラッチ13・14や、前記第三の
クラッチ19のシフタを駆動する油圧シリンダ94に
は、それぞれ電磁弁91・92・93が接続されて圧油
を給排可能に構成されており、前記制御装置90は該電
磁弁91・92・93に対し電気的に接続されている。
制御装置90は前記検出器82・83の検出値からトラ
ンスミッションの変速比を計算する演算手段を備えてお
り、求められた変速比が高速側の一定領域にあるときは
「HMT駆動モード」となって前記電磁弁91・92・
93に信号を送り、前記第一の油圧クラッチ13及び第
三のクラッチ19を係合させ、第二の油圧クラッチ14
を係合解除させる。一方、変速比が低速側の一定領域に
あるときは「HST駆動モード」となって電磁弁91・
92・93に信号を送り、前記第一の油圧クラッチ13
及び第三のクラッチ19を係合解除させ、第二の油圧ク
ラッチ14を係合させる。即ち、中速域〜高速域では
「HMT駆動モード」、低速域では「HST駆動モー
ド」というように、変速比に応じて二つの駆動モードを
自動切換し、前記電磁弁91・92・93を電気的に制
御してクラッチ13・14・19を係脱させるように構
成しているのである。
【0034】なお、車両の運転部の適宜位置にはクラッ
チ係脱手段たるクラッチペダル85が配設され、該クラ
ッチペダル85の枢支部にはその踏込み量を検出するた
めの回動角検出手段(例えば、ポテンショメータ)85
aが配設されて、該回動角検出手段85aは制御装置9
0に接続されている。そして制御装置90はクラッチペ
ダル85の踏込み量を調べ、予め定められた所定の閾値
Aをこえて踏み込まれている場合は前記駆動モードの如
何にかかわらず、第一・第二の油圧クラッチ13・14
の双方とも係合が解除された状態となるよう制御する。
この制御によって、第一・第二の油圧クラッチ13・1
4には、前述の如く駆動モードを切り換えさせるととも
に、車両のメインクラッチ(動力伝達クラッチ)として
の役割をも担わせている。言い換えれば、「HST駆動
モード」のときは第二の油圧クラッチ14が、「HMT
駆動モード」のときは第一の油圧クラッチ13が、それ
ぞれメインクラッチ(動力伝達クラッチ)としての役割
を果たすように構成している。
【0035】〔斜板角制御〕次に、上記HST斜板制御
機構により行われる斜板角制御について、図5以降のフ
ローチャートを参照しながら説明する。図5は制御装置
のメイン制御フローを説明するフローチャート図、図6
は速度制御ブロックの処理を表すフローチャート図、図
7は中立制御ブロックの処理を表すフローチャート図で
ある。
【0036】最初に、メインフローについて図5を参照
しながら説明する。制御ループが開始されると、制御装
置90は主変速レバー84の操作位置を調べ、該主変速
レバー84が中立位置(正確には、中立位置近傍の設定
範囲以内)にあるかどうかを判定する(101)。中立
位置近傍にない場合は後述する速度制御ブロックを実行
し、その操作位置に応じてHST斜板角を変更させる制
御を行う(104)。主変速レバー84が中立位置近傍
の設定範囲内にある場合は、制御装置90は前記検出器
82・83の検出値から変速比を計算し、該変速比が予
め設定されたゼロ付近の範囲(図8(b)に示す変速比
−U〜+U)内にあるか否かを判定する(102)。変
速比が該設定範囲−U〜+Uを外れている場合は、前記
の速度制御ブロックを実行する。設定範囲−U〜+U内
にある場合は、後述する中立制御ブロックを実行し、本
機を停止させるべくHST斜板角を制御する。対応する
制御ブロックを実行した後は、再びステップ101に戻
り、同じ処理を反復する。
【0037】前記した速度制御ブロックについて、図6
を参照して説明する。速度制御ブロックでは先ず、前記
検出器81又は検出器82からのパルスを調べ、本機の
実際の車速がゼロであるかどうか(実際には、ゼロ近傍
の予め設定された車速の範囲に入っているかどうか)を
判定する(201)。実際の車速が前記範囲に入ってい
ない場合は、前記検出器81からの信号をもとにモータ
軸26の回転方向を調べ、本機の進行方向と主変速レバ
ー84の操作方向との関係を判定する(205)。両者
の関係が逆である場合は、主変速レバー84の操作位置
の如何にかかわらず、HST斜板制御目標値Pを中立位
置に対応した値(ゼロ)に設定する(206)。この処
理により、オペレータが主変速レバー84を中立位置を
跨いで急激に反転操作しても、激しい変速ショックは抑
制されることになる。これについては後述する。一方、
前記条件分岐201において本機の実際の車速がゼロ近
傍の前記範囲内に入っていると判定された場合、又は、
前記条件分岐205において本機進行方向と主変速レバ
ー84の操作方向との関係が一致していると判定された
場合は、制御装置90はスイッチ87の状態を調べ、そ
の操作位置に応じて応答特性係数kの値を定める(20
2)。応答特性係数kは低速側が小さくなるように前記
操作位置との対応関係を設定しており、本実施例では、
「低速位置」Lの場合はk=0.3、「中速位置」M及
び「高速位置」Hの場合はk=1としている。次に制御
装置90は、主変速レバー84の操作位置を調べる(2
03)。得られた主変速レバー84の操作位置は数値と
して変数Rに保持され、この変数Rは前進側に操作され
た場合はプラスの値を、後進側に操作された場合はマイ
ナスの値をとるようにしてある。主変速レバー84が中
立位置に操作されているときはRはゼロであり、Rは、
主変速レバー84が中立位置から操作される量が大きい
ほど、ゼロから離れた値をとることとなる。
【0038】次に制御装置90は、主変速レバー84の
操作位置を表す前記数値Rに前記応答特性係数kを乗じ
たものに基づいて、HST斜板22aを傾斜させる目標
角度(HST斜板制御目標値P)を定める(204)。
このPを定めるにあたっては、予め作成され制御装置9
0に記憶されてある、両者の対応関係を表す関数又はマ
ップが用いられる。この処理を行うことにより、主変速
レバー84の操作量に対する車両変速比の応答特性を、
前記スイッチ87に基づいて切り換えることができる。
この構成については後述する。
【0039】こうして得られたHST斜板制御目標値P
は数値で表され、モータ出力軸26を正転させる側にH
ST斜板22aを傾斜させる場合は正の値、逆転させる
側にHST斜板22aを傾斜させる場合は負の値とさ
れ、HST斜板22aを中立位置に制御させる場合はP
=0が対応し、目標とするHST斜板22aの傾斜角度
が大きくなるに従ってゼロから離れた値をとるようにし
ている。主変速レバー84が中立位置にあれば前記Rは
ゼロであり、これに対応するHST斜板制御目標値はP
=0になる。
【0040】以上に説明したフローにおいてHST斜板
制御目標値Pを決定した後は、該目標値Pに基づいた値
をHST斜板角アクチュエータ86に指令する(20
7)。なお、詳細な制御は詳細するが、この際はアクチ
ュエータ86に指令する値の変化量が一定値をこえない
ようにして、HST斜板の傾斜角度が一回の制御で過大
に変更されないようにしており、激しい急加速及び急減
速を防止し、乗り心地が穏やかとなるようにしている。
最後に、先程HST斜板角アクチュエータ86に指令し
た値をメモリに記憶させ(208)、ブロックの処理を
終了する。
【0041】中立制御ブロックについて、図7を参照し
て説明する。中立制御の処理においては先ず、中立制御
ブロックに切り換わった直後であるか否か(言い換えれ
ば、直前まで速度制御ブロックの処理が行われていたか
否か)を判定し(301)、中立制御ブロックに切り換
わった直後であればカウント積算値nをゼロに初期化す
る(302)。次に、前記モータ出力軸26に設けられ
た回転数検出装置81が前回の制御ループから今回の制
御ループまでの間に送信するパルスをカウントして、そ
のパルスの回数を変数Cに記憶させる(303)。回転
数検出装置81は、前記ダミーギア9の一歯分の回転を
一回のパルスとして検出するように構成される。従っ
て、前記パルス回数Cは該軸26の回転速度に比例し、
まったく静止しているときはC=0となる。なお、パル
ス回数Cはモータ出力軸26の回転方向に関わらず、常
に正の値をとる。
【0042】制御装置は次に、回転数検出装置81から
の信号に基づいて、前記モータ出力軸26の回転方向を
判定する(304)。前記モータ出力軸26の回転が正
転方向の場合は、前回の制御ループにおけるカウント積
算値nをメモリから読み出した上で、前記パルス回数C
をカウント積算値nに加算し(305)、得られたカウ
ント積算値nが所定の設定値+Nを上回っているかどう
かを判定する(306)。上回っている場合は、前回の
HST斜板角アクチュエータ86に指令した値より設定
値Sだけ逆転側(前記モータ出力軸26の逆転側をい
う。)にシフトさせた値を該アクチュエータ86に対し
指令するとともに(307)、積算値nをゼロにリセッ
トする(308)。更には、HST斜板角アクチュエー
タに対し新しく指令した値をメモリに保持させる(30
9)。カウント積算値nが所定の設定値+Nを上回って
いない場合は該アクチュエータ86の制御は行わず、従
って、HST斜板角はそのままの傾斜角度に維持され
る。一方、前記条件分岐304において前記モータ出力
軸26の回転が逆転方向であると判定された場合は、前
回の制御ループにおけるカウント積算値nをメモリから
読み出した上で、前記パルス回数Cをカウント積算値n
から減算し(310)、得られたカウント積算値nが所
定の設定値−Nを下回っているか判定する(311)。
下回っている場合は、前回のHST斜板角アクチュエー
タ86に指令した値より設定値Sだけ正転側(前記モー
タ出力軸26の正転側をいう。)にシフトさせた値を該
アクチュエータ86に対し指令するとともに(31
2)、積算値nをゼロにリセットする(308)。更に
は、HST斜板角アクチュエータに対し新しく指令した
値をメモリに保持させる(309)。カウント積算値n
が所定の設定値−Nを下回っていない場合は該アクチュ
エータ86の制御は行わず、従って、HST斜板角はそ
のままの傾斜角度に維持される。
【0043】以上のフローの後、新しいカウント積算値
nをメモリに記憶させて(313)、中立制御ブロック
のフローが終了する。
【0044】以上の構成により本機が具体的にどのよう
に制御されるかについて、図8の例を参照しながら説明
する。図8はHST斜板の制御の例を説明するグラフ図
であり、上から(a)主変速レバー84の操作位置、
(b)本機の前進・停止・後進の状態あるいはトランス
ミッションの変速比、(c)前記カウント積算値n、
(d)HST斜板角アクチュエータ86への指令値が示
されている。四つのグラフにおいて横軸の時間軸はすべ
て共通である。
【0045】まず、(a)に示すように主変速レバー8
4は当初は前進側の適宜の位置におかれ、それに応じて
制御装置90は図6に示す速度制御ブロックの処理を行
い、(d)に示すようにHST斜板アクチュエータ86
に対しHST斜板22aを前進側に適宜傾斜させるよう
指令する。これに伴い(b)に示すようにトランスミッ
ション変速比は前進側の適宜の変速比とされ、本機は前
進しているものとする。
【0046】そしてある時間t1から主変速レバー84
が(a)に示すように中立位置に戻されると、それを検
知した制御装置90は(d)に示すようにHST斜板2
2aを徐々に中立に戻すようHST斜板角アクチュエー
タ86に指令し、それに応じて本機は減速され、(b)
に示すように徐々に停止状態に近づいていく。そして変
速比がゼロ近傍の設定範囲(−Uから+U)に入った時
点t2で、制御装置90は中立制御モードとされ、図7
に示す前記中立制御ブロックの処理を行う。
【0047】時間t2以降の中立制御モードにおいて
は、最初にカウント積算値nがゼロに初期化された後、
前記モータ軸26の回転量が前記検出器81によりパル
ス数として検出され、そのパルス数が前記カウント積算
値nに積算されていく。図8に示す例においては(d)
に示す如く、中立制御モードに入ったt2直後の時点で
HST斜板22aは完全な中立位置にはなく、また本機
には慣性が働くので、本機は(b)に示す如く前進して
おり、それに基づく検出器81からのパルス信号がカウ
ント積算値nに次々と加算され、(c)に示すようにカ
ウント積算値nは増加する。カウント積算値nが+Nを
上回った時点t3で、(d)に示す如くHST斜板22
aは設定角度Sだけ後進側に傾動させるようHST斜板
角アクチュエータ86を介して制御され、従って本機は
減速される。前記の時点t3でカウント積算値nはゼロ
にリセットされるが、本機は減速されつつあるものの
(b)に示す如く未だ前進しているので、モータ軸26
の回転を検出する検出器81からのパルス信号が再びカ
ウント積算値nに次々と加算され、再び+Nに達した時
点t4で、HST斜板22aは設定角度Sだけ更に後進
側に傾動させるようHST斜板角アクチュエータ86を
介して制御され、従って本機は更に減速される。
【0048】このように、本機が前進している状態にお
いては、(1)カウント積算値nに検出器81からのパ
ルス数を加算→(2)カウント積算値nが設定値+Nに
達した時点でHST斜板22aを後進側へ設定角度Sだ
け制御→(3)カウント積算値nのリセット、の一連の
制御処理が反復されて、これにより本機は徐々に速度を
落としていく。
【0049】なお、アクチュエータ86への指令値がH
ST斜板22aの中立位置相当の値に達していても、H
ST斜板22aの応答遅れや本機の慣性等によって本機
が前進することがあり、そのような前進状態が検出され
ればHST斜板はt5に示すように更に後進側へ制御さ
れることになる。従って、本機は結果として(b)のt
6以降に示すように、後進する場合もあり得る。しかし
本機が後進を始めた時間t6以降は、検出器81からの
パルス数をカウント積算値nから減算し、カウント積算
値nが設定値−Nに達した時点t7でHST斜板22a
を前進側へ制御しカウント積算値nをリセットする制御
が行われ、本機は今度は前進側に向かって加速するので
ある。
【0050】更に、この前進側への加速により本機が再
び前進した場合は、今度は後進側へ加速制御されること
になる。結局本機は、後進時の前進加速→前進時の後進
加速→後進時の前進加速→…と、停止状態を跨いで交互
に逆方向に加速され、これにより前後にわずかに揺動す
る程度の略停止状態が現出されることとなる。
【0051】以上のように、前記モータ出力軸26の機
体の進行に伴う回転量を検出器81によりパルス信号と
して検出した上で、該パルス信号の数が積算されて一定
の範囲(前記設定値−Nから前記設定値+Nまでの範
囲)を外れた場合には、HST斜板角22aを設定角度
Sだけ変更して、該モータ出力軸26の回転を戻す方向
に加速制御するのである。このことは、本機が何らかの
事情で前進や後進をわずかでも始めた場合は、それに抗
して逆向きに加速させるようなHST斜板22aの制御
が行われることを意味する。この結果、本機において
は、前後にわずかに揺動する程度の略停止状態を最終的
に現出させることができるのである。また、この揺動
も、前記設定値Nや設定角度Sを適切に設定すること
で、オペレータの通常の感覚では感知できない程度のご
くわずかなものとすることができ、強力なブレーキ装置
を制動させた場合に匹敵する安定した停止状態を作り出
すことができるのである。
【0052】従って、傾斜地上で停止した本機が自重に
より下降側に動き出そうとしたり、前記HST斜板22
aの中立が正確に出ておらず機体が微速で前後進しよう
としても、それを戻す方向にHST斜板22aが制御さ
れ、結局は本機は停止状態を維持するのである。
【0053】また、車軸に連動する駆動軸27の回転の
速度でなく、該駆動軸27の回転の量を直接検出してそ
れに基づいてHST斜板22aを制御する構成であるか
ら、停止中に本機が動き出し、その動き出す速度がいか
に小さかったとしても、その移動距離が前記設定値N以
上になればHST斜板22aが逆方向に加速させるべく
制御されるのである。従って、従来技術のような、前進
速度を検出して後進側に加速させ後進速度を検出して前
進側に加速させる制御に比して、検出可能な最低速度以
下で本機が動き出した場合に逆加速制御がなされずその
ままズルズルと動き出す事態の発生を防止でき、車両停
止の確実性に優れる点で有利である。
【0054】〔分解能切換制御〕つぎに、主変速レバー
84の操作量に対するHST斜板角度の応答特性を切換
え可能とする構成について説明する。トラクタの運転部
の適宜位置にスイッチ87が配設され、該スイッチ87
は「低速」L・「中速」M・「高速」Hの三つの操作位
置を切換可能に構成されて、前記制御装置90に電気的
に接続されている。そして、前述した図6の速度制御ブ
ロックにおいて、該スイッチ87の操作位置に応じて応
答特性係数kが定められており(202)、本実施例で
は「低速」位置でk=0.3、「中速」及び「高速」位
置においてk=1である。その上で、主変速レバー84
の操作位置に対応する変数Rに前記応答特性係数kを乗
じて得たもの(k×R)に基づいてHST斜板制御目標
値Pを定め(204)、この制御目標値Pを基にHST
斜板角アクチュエータ86を制御するようにしているの
である。
【0055】この構成により、アクチュエータ86を等
しい量だけ駆動してHST斜板角を等しい角度だけ変更
させるのに必要な主変速レバー84の操作量は、スイッ
チ87を「低速」位置Lとした場合は、「中速」位置M
又は「高速」位置(L)とした場合に比して、1/0.
3=3.33…倍となる。即ち、主変速操作手段84の
操作量に対する前記アクチュエータ86の駆動量の比
を、前記スイッチ87にて切り換えることができるよう
に構成しているのである。これにより、前記スイッチ8
7を「低速」位置(L)とすることで主変速レバー84
の感度を鈍くでき、低速走行時の速度の微調整を可能と
する一方、「中速」位置(M)及び「高速」位置(H)
位置においては主変速レバー84を大きく操作すること
で高速走行を達成でき、いわば電子的な副変速を可能と
しているのである。
【0056】なお、スイッチ87を「低速」L及び「中
速」位置Mとした場合は、前記制御装置90は図示せぬ
電磁弁、油圧シリンダを介して、前記副変速機構のクラ
ッチスライダ62(図3)を低速側ギア61に係合さ
せ、スイッチ87を「高速」位置Hとした場合は、前記
制御装置90は前記副変速機構のクラッチスライダ62
を高速側ギア62に係合させるように構成している。従
って、前記スイッチ87は、電子的な副変速手段である
と同時に、機械的な副変速を行わせる手段を兼ねること
になる。これにより、機械式変速機構の切換と、主変速
レバー84の操作に対する車両変速比の応答特性の切換
とを、一つのスイッチ87で行うことが可能になる。こ
れは、シンプルで覚えるのが容易な簡素な操作方法を提
供できることを意味する。
【0057】〔反転制御〕次に、オペレータが主変速レ
バー84を中立位置を跨いで急激に反転操作した場合
の、変速ショック抑制のための制御について説明する。
即ち、本制御装置90の制御フローにおける速度制御ブ
ロック(図6)においては、本機の進行方向と主変速レ
バー84の操作方向との関係が判定され(205)、逆
である場合はHST斜板制御目標値Pは、主変速レバー
84の操作位置如何にかかわらず常に中立位置に対応す
る値(即ち、ゼロ)とされるので、HST斜板22aが
中立位置となるようにHST斜板角アクチュエータ86
が制御されるのである。即ち、オペレータが主変速レバ
ー84を後進側から前進側に急激に反転するような場合
は、本機は未だ後進中であるにもかかわらず主変速レバ
ー84が前進側に操作されているような状態が生じ得
る。このときに主変速レバー84の操作位置に対応させ
てHST斜板22aを前進側へ傾斜させた場合、場合に
よっては車体が浮く程の急激な変速ショックが生じて、
オペレータが不快を感じる原因になる。この点本発明で
は、二つの条件分岐201・205により、本機進行方
向が主変速レバー84の操作方向と逆の関係にある場合
はHST斜板22aは強制的に中立制御され、本機の車
速がゼロとなるか、又は本機進行方向が主変速レバー8
4操作方向と一致している場合にのみ、主変速レバー8
4の操作位置に対応したHST斜板22aの制御が行わ
れることになる。これにより、オペレータが急激に主変
速レバー84を反転操作するような場合でも不必要な変
速ショックが抑制されて、乗り心地の良い車両を提供で
きることとなる。
【0058】〔変形例〕次に、前記クラッチペダル85
をブレーキ操作のための手段と兼用させた変形例につい
て、その制御を説明する。図9は変形例においてHST
斜板制御のための構成を示す説明図である。
【0059】まず、変形例の構成を説明する。即ち、図
9に示される変形例では、エンジン20から車軸に至る
動力伝達経路の中途に適宜のブレーキ装置95を配設
し、該ブレーキ装置95は制御装置90に接続されてい
る。この変形例ではブレーキ装置95は前記駆動軸27
に配設されているが、この位置に限るものでもなく、例
えばモータ軸26に配設することとしても構わない。ブ
レーキ装置95は例えば電磁油圧式ブレーキや電磁パウ
ダ式ブレーキ等により構成され、制御装置90によって
その制動、制動解除、及び制動力の調節制御が行えるよ
うになっている。以上に示した以外の構成は、最初に説
明した実施例と全く同様である。
【0060】このような変形例における制御装置90の
斜板角制御フローの例について、図10〜図12を参照
して説明する。図10は制御装置のメイン制御フローを
説明するフローチャート図、図11は四つの各制御モー
ドにおけるクラッチ・HST斜板・ブレーキ装置の制御
の処理を表すフローチャート図、図12は制御モードの
切換の条件を表として説明した図である。
【0061】即ち、制御装置90は以下に説明する四つ
の制御モードを有しており、本機の状態に応じて四つの
制御モードを自動的に切り換えて、HST斜板22a
や、動力伝達クラッチとしての前記第二の油圧クラッチ
14や、ブレーキ装置95を制御するように構成してい
る。尚、ここでの説明は駆動モードが前記「HST駆動
モード」である場合を前提としたものであり、「HMT
駆動モード」の場合は前記第一の油圧クラッチ13が動
力伝達クラッチとしての役割を果たすこととなるため、
該「HMT駆動モード」の場合は第二の油圧クラッチ1
4の代わりに第一の油圧クラッチ13を制御することに
なる。
【0062】第一のモードは「走行モード」であり、主
変速レバー84の操作位置に応じてHST斜板角22a
を制御して車速をコントロールするモードである。第二
のモードは「発進モード」であり、主に、クラッチペダ
ル85を踏んで本機を停止させている状態から徐々に該
踏込みを解除させるのに応じて本機を加速させるべく、
HST斜板角22aの制御を行わせるものである。第三
のモードは「停止モード」であり、HST斜板角22a
の中立制御を行って本機を確実に停止させるためのモー
ドである。第四のモードは「ブレーキモード」であり、
クラッチペダル85の踏込みに応じて走行中の車両に制
動力を付与して、本機を減速あるいは停止させるための
モードである。
【0063】図10に示されるのは制御装置90のメイ
ンフローであり、制御ループは、制御モードを上記に示
される四つのうちいずれにするかを決定するステップ
(501)と、決定された制御モードに基づいて実際に
HST斜板22aやクラッチ14やブレーキ装置95を
制御するステップ(502)とによりなる。
【0064】最初に、各制御モードにおいてHST斜板
22aやクラッチ14やブレーキ装置95の制御がどの
ように行われるかについて説明する。
【0065】「走行モード」では、クラッチ14の係合
状態を調べ、係合されていない場合は係合させる(51
1)。また、ブレーキ装置95の状態を調べ、制動状態
にある場合は強制的に解除させる(512)。その上
で、前記実施例における図6と全く同様の速度制御ブロ
ックを行わせ(513)、主変速レバー84の操作位置
に対応したHST斜板22aの制御を行い、本機の速度
をコントロールする。
【0066】「発進モード」では、クラッチ14の係合
状態を調べ、係合されていない場合は係合させる(52
1)。また、ブレーキ装置95の状態を調べ、制動状態
にある場合は強制的に解除させる(522)。その上
で、主変速レバー84とクラッチペダル85の操作位置
を調べ、HST斜板22aを、クラッチペダル85の踏
込み量が小さいほど、その中立位置から前記主変速レバ
ー84の操作位置に応じた角度に近づけるような制御を
行う。
【0067】「停止モード」では、クラッチ14の係合
状態を調べ、係合されていない場合は係合させる(53
1)。また、ブレーキ装置95の状態を調べ、制動状態
にある場合は強制的に解除させる(532)。その上
で、前記実施例における図7と全く同様の中立制御ブロ
ックを行わせ(533)、本機をその位置に確実に停止
させておく制御が行われる。
【0068】「ブレーキモード」では、クラッチ14の
係合状態を調べ、係合されている場合はその係合を解除
させる(541)。その上で、クラッチペダル85の踏
込み量に応じて前記ブレーキ装置95の制動力を調節す
る制御を行う(542)。
【0069】次に、前記メインフローにおける、前記四
つの制御モードを決定するステップ501について説明
する。このステップ501においては、制御装置90は
現在の制御モード(実際には、前回の制御ループにおけ
る制御モード)を調べ、クラッチペダル85の踏込み量
や主変速レバー84の操作位置や検出器81の検出値等
を調べた上で、現在の制御モードを維持するか他の制御
モードへ移行するかを決定する。この制御の条件の一覧
が図12に表形式で示され、以下、場合分けをして具体
的に説明する。
【0070】即ち、現在の制御モードが「走行モード」
であるとき;条件1に示すように、クラッチペダル85
が図9に示す閾値Aをこえて踏み込まれている場合は、
該踏込みに応じて走行中の車両を制動すべく、「ブレー
キモード」へ移行する。あるいは条件2に示すように、
主変速レバー84が中立位置に操作され、かつ、本機の
略停止が検出された場合は、その停止状態を維持すべく
「停止モード」へ移行する。なお、本機が略停止状態に
あるか否かは、一定時間内に前記検出器81が検出する
パルス数をカウントし、該カウント値が設定値未満であ
るか否かによって判定することとしている。これは以後
も同様である。上記以外の場合は、現在の「走行モー
ド」が維持され、主変速レバー84の操作位置に応じた
HST斜板22aの制御を続行させる。
【0071】現在の制御モードが「発進モード」である
とき;条件3に示すように、クラッチペダル85の踏込
みが前記閾値Aをこえて解除された(クラッチペダル8
5の踏込みが殆ど完全に戻された)場合は、クラッチペ
ダル85踏込み解除に応じた加速制御を終了させ、通常
の「走行モード」へ移行する。一方、条件4に示すよう
に、クラッチペダル85が再び一定量以上踏み込まれた
場合は、オペレータの発進の意思がキャンセルされたも
のと判断して、クラッチペダル85の踏込みに応じて車
両を制動すべく「ブレーキモード」へ移行する。条件5
に示すように主変速レバー84が中立位置に操作され、
かつ、本機の略停止が検出された場合は、発進の意思が
キャンセルされたものと判断して、本機の停止状態を維
持する「停止モード」へ移行する。上記以外の場合は、
現在の「発進モード」が維持され、クラッチペダル85
の踏込み解除に応じてHST斜板22aを増速側に制御
し、本機を加速させる制御を続行する。
【0072】現在の制御モードが「停止モード」である
とき;条件6に示すように、主変速レバー84の操作位
置が中立以外にあり、かつ、クラッチペダル85の踏込
みが閾値Bをこえて解除された場合は、オペレータがク
ラッチペダル85を徐々に解除して発進させようとして
いると判断して、「発進モード」へ移行する。条件7に
示すように、クラッチペダル85の踏込み量が閾値A未
満であり、かつ、主変速レバー84が中立位置を外れて
操作された場合は、オペレータはクラッチ14を繋いだ
まま主変速レバー84により停止状態から徐々に加速さ
せようとしているものと判断し、該主変速レバー84の
操作位置に応じてHST斜板22aを制御する、「走行
モード」へ移行する。上記以外の場合は、現在の「停止
モード」が維持され、本機の停止状態を維持すべく前記
図7に示されるHST斜板22aの中立制御を続行させ
る。
【0073】現在の制御モードが「ブレーキモード」で
あるとき;条件8に示すように、クラッチペダル85の
踏込みが閾値Aをこえて解除された場合は、オペレータ
の制動の意思がキャンセルされたものと判断して、「走
行モード」に移行する。条件9に示すように、該クラッ
チペダル85の踏込み量が閾値Aをこえて戻されていな
くても、最大に踏み込んだときから一定量をこえて戻さ
れている場合は、オペレータの制動の意思がキャンセル
され、逆に本機を加速させたいものであると判断して、
「発進モード」へ移行する。条件10に示すように、本
機の略停止が検出された場合は、該停止状態を保持させ
るべく「停止モード」に移行する。上記以外の場合は、
現在の「ブレーキモード」が維持され、クラッチペダル
85の踏込みに応じてブレーキ装置95により前記駆動
軸27を制動させる制御を続行させる。
【0074】以上に前記変形例における制御装置90の
制御構成が示されるが、この構成により車両が具体的に
どのように制御されるかについて、以下、説明する。即
ち、この変形例に係る斜板制御機構を適用した車両にお
いて、オペレータが主変速レバー84を前進側の適宜の
位置において、本機は「HST駆動モード」で適宜の速
度で前進しているものとする。このときにクラッチペダ
ル85を閾値Aをこえて踏み込むと、前記条件1が満た
されて制御装置が「走行モード」から「ブレーキモー
ド」へ移行し、クラッチ14は係合を解除され(54
1)、ブレーキ装置95の制動力が該クラッチペダル8
5の踏込み量に応じて調節される(542)。この結果
車両に制動力が働いて、本機は減速されることになる。
該減速の結果として車両の速度がゼロ近傍まで至ると、
本機の略停止を検出した制御装置90は条件10が満た
されたと判定し、「停止モード」へ移行する。この結
果、クラッチ14はクラッチペダル85の踏込み如何に
かかわらず係合され(531)、ブレーキ装置95が強
制的に制動解除される(532)。しかし、前述のよう
なHST斜板22aの中立制御が行われるので(53
3)、本機はブレーキ解除にもかかわらず停止した状態
を確実に維持し、傾斜地上で本機を停止させた場合でも
下り方向に本機が動いてしまう事態は防止される。
【0075】この状態からクラッチペダル85の踏込み
を解除させてゆくと、踏込み量が閾値B未満になった時
点で前記条件6が満たされ、制御装置90は「発進モー
ド」へ移行し、クラッチ14の係合状態及びブレーキ装
置95の制動解除状態を維持したまま(521・52
2)、クラッチペダル85の踏込み解除に応じてHST
斜板22aを増速側に制御し、本機は加速する。このと
き、クラッチ14は先程の停止時から係合が維持されて
いるので、上り坂で停止されている本機を発進させるよ
うなときでも、車両がいったん後方へ下がるような挙動
が防止され、本機の発進をスムーズに容易に行わせるこ
とができるのである。
【0076】そして、更にクラッチペダル85の踏込み
を徐々に解除し、該踏込み量が閾値A未満となった時点
で、条件3が満たされて制御装置90は「停止モード」
から「走行モード」に切り換わって、クラッチ14の係
合状態及びブレーキ装置95の制動解除状態を維持した
まま(511・512)、主変速レバー84の操作位置
に応じてHST斜板22aが制御されることとなる(5
13)。
【0077】なお、前記「走行モード」においては、前
記駆動軸27の回転量を常時検出器81によって検出
し、該検出された回転量から車速を演算しており、予め
設定された上限値を該車速が超えないようHST斜板2
2aのフィードバック制御が行われている。これによ
り、法規制によって定められる車速の上限値ギリギリを
狙って制御することができ、圃場間の移動の際は高速走
行を達成させて作業時間の短縮を図っている。
【0078】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏する。
【0079】即ち、請求項1に示す如く、主変速操作手
段の操作位置に応じてHST斜板の傾斜角を変更させる
作業車両のHST斜板制御機構であって、車軸に連動す
る軸の回転量を検出する検出手段、該軸の回転方向を検
出する検出手段、及び、HST斜板角を変更させるアク
チュエータを備え、前記主変速操作手段が中立位置にあ
るときに前記軸の回転が検出された場合は、前記軸を前
記回転と逆の方向に加速させるように前記HST斜板角
を前記アクチュエータを介して変更制御するので、傾斜
地での停止時でブレーキを解除したとたんに車両が下り
方向に動き出すような事態が防止され、オペレータが安
心して車両を運転できる。また、車軸に連動する軸の回
転速度を検出してHST斜板を制御して車両の停止制御
を行わせる場合は、検出可能な最低回転速度を下回って
軸が回転する場合にそれに応じた斜板制御ができず、車
両がズルズルと微速で動いて止まらない場合が生じる
が、本発明は該軸の回転量を検出してそれに基づいてH
ST斜板を制御することから、そのような問題は生じ
ず、より確実で安定した車両の停止が得られるのであ
る。
【0080】請求項2に示す如く、請求項1記載のHS
T斜板制御機構であって、車軸に連動する軸の回転量を
前記検出手段にてパルスに変換して検出し、検出される
パルスをカウントし、カウント積算値が設定値に達した
場合には前記アクチュエータを駆動してHST斜板角を
設定角度増加又は減少させるとともに、前記カウント積
算値をリセットするように構成したので、請求項1に示
す効果のほか、パルス数に基づく制御であるので、電子
制御に適し、精度の高い正確な制御を行える。また、設
定値を適宜の値に調整することにより、停止時の車両の
前後揺動をごくわずかに抑えることができ、車両停止時
の安定性・乗り心地が向上する。
【0081】請求項3に示す如く、主変速操作手段の操
作位置に応じてHST斜板の傾斜角を変更させる作業車
両のHST斜板制御機構であって、前記主変速操作手段
の操作量を検出する検出手段を設け、HST斜板角を変
更させるアクチュエータを設け、前記主変速操作手段の
操作量に対する前記アクチュエータの駆動量の比を切り
換える切換手段を設けたので、主変速操作手段の分解能
を目的に応じて切り換えて使用できるので、路上走行時
には高速走行を確保させるとともに、作業時には速度の
微調整を容易に行える。
【0082】請求項4に示す如く、請求項3記載の作業
車両のHST斜板制御機構であって、前記切換手段は、
トランスミッションに配設される機械式変速機構の変速
比切換手段をも兼ねているので、請求項3に示す効果の
ほか、機械式変速機構の変速比の切換えと、主変速操作
手段の操作量に対するアクチュエータの駆動量の比の切
換えが、一つの操作手段で行えることとなり、簡素な操
作構成を提供できる。
【0083】請求項5に示す如く、主変速操作手段の操
作位置に応じてHST斜板の傾斜角を変更させる作業車
両のHST斜板制御機構であって、走行時に主変速操作
手段がその中立位置を跨いで操作された場合であって、
HST斜板が中立位置まで戻ったときに車体の速度がゼ
ロでない場合は、該速度がゼロになるまでHST斜板を
中立位置に保持させるので、車体が後進しているのにH
ST斜板が前進側に傾斜されたり、車体が前進している
のにHST斜板が後進側に傾斜されたりすることが防止
される。従って、急激な主変速操作手段の反転操作が行
われた場合でも、激しい変速ショックの発生を回避でき
る。
【0084】請求項6に示す如く、主変速操作手段の操
作位置に応じてHST斜板の傾斜角を変更させる作業車
両のHST斜板制御機構であって、車軸に連動する軸の
回転量及び回転方向を検出する検出手段、及び、HST
斜板角を変更させるアクチュエータを備え、動力伝達ク
ラッチを操作するクラッチ係脱手段を車両のブレーキ手
段と兼用させ、走行中に前記クラッチ係脱手段が操作さ
れると前記動力伝達クラッチの係合を解除しかつ車両を
制動するように構成し、車両が略停止されているとき
は、前記動力伝達クラッチを係合させるとともに、前記
軸の回転が検出された場合は該回転を戻す方向に前記H
ST斜板角を変更すべくアクチュエータを制御するの
で、車両の停止時から動力伝達クラッチが係合されてい
るので、上り坂で停止してから発進する場合に車体がい
ったん後に下がる挙動が防止でき、車両のスムーズなス
タートを容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るHMT式トランスミッションのス
ケルトン図。
【図2】HST及びミッション前部の側面断面展開図。
【図3】ミッション後部の側面断面展開図。
【図4】HST斜板制御のための構成を示す説明図。
【図5】制御装置のメイン制御フローを説明するフロー
チャート図。
【図6】速度制御ブロックの処理を表すフローチャート
図。
【図7】中立制御ブロックの処理を表すフローチャート
図。
【図8】HST斜板の制御の例を説明するグラフ図。
【図9】変形例においてHST斜板制御のための構成を
示す説明図。
【図10】制御装置のメイン制御フローを説明するフロ
ーチャート図。
【図11】四つの各制御モードにおけるクラッチ・HS
T斜板・ブレーキ装置の制御の処理を表すフローチャー
ト図。
【図12】制御モードの切換の条件を表として説明した
図。
【符号の説明】
21 HST 22a HST斜板 26 HSTモータ軸(車軸に連動する軸) 81 検出器(検出手段) 84 主変速レバー(主変速操作手段) 86 アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 幸雄 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (72)発明者 野間 康男 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内 (72)発明者 宮本 貴志 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内 Fターム(参考) 3J053 AB01 AB04 AB43 DA06 DA21 EA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主変速操作手段の操作位置に応じてHS
    T斜板の傾斜角を変更させる作業車両のHST斜板制御
    機構であって、 車軸に連動する軸の回転量を検出する検出手段、該軸の
    回転方向を検出する検出手段、及び、HST斜板角を変
    更させるアクチュエータを備え、前記主変速操作手段が
    中立位置にあるときに前記軸の回転が検出された場合
    は、前記軸を前記回転と逆の方向に加速させるように前
    記HST斜板角を前記アクチュエータを介して変更制御
    することを特徴とする、作業車両のHST斜板制御機
    構。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のHST斜板制御機構であ
    って、車軸に連動する軸の回転量を前記検出手段にてパ
    ルスに変換して検出し、検出されるパルスをカウント
    し、カウント積算値が設定値に達した場合には前記アク
    チュエータを駆動してHST斜板角を設定角度増加又は
    減少させるとともに、前記カウント積算値をリセットす
    るように構成したことを特徴とする、作業車両のHST
    斜板制御機構。
  3. 【請求項3】 主変速操作手段の操作位置に応じてHS
    T斜板の傾斜角を変更させる作業車両のHST斜板制御
    機構であって、 前記主変速操作手段の操作量を検出する検出手段を設
    け、HST斜板角を変更させるアクチュエータを設け、
    前記主変速操作手段の操作量に対する前記アクチュエー
    タの駆動量の比を切り換える切換手段を設けたことを特
    徴とする、作業車両のHST斜板制御機構。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の作業車両のHST斜板制
    御機構であって、前記切換手段は、トランスミッション
    に配設される機械式変速機構の変速比切換手段をも兼ね
    ていることを特徴とする、HST斜板制御機構。
  5. 【請求項5】 主変速操作手段の操作位置に応じてHS
    T斜板の傾斜角を変更させる作業車両のHST斜板制御
    機構であって、 走行時に主変速操作手段がその中立位置を跨いで操作さ
    れた場合であって、HST斜板が中立位置まで戻ったと
    きに車体の速度がゼロでない場合は、該速度がゼロにな
    るまでHST斜板を中立位置に保持させることを特徴と
    する、作業車両のHST斜板制御機構。
  6. 【請求項6】 主変速操作手段の操作位置に応じてHS
    T斜板の傾斜角を変更させる作業車両のHST斜板制御
    機構であって、 車軸に連動する軸の回転量及び回転方向を検出する検出
    手段、及び、HST斜板角を変更させるアクチュエータ
    を備え、動力伝達クラッチを操作するクラッチ係脱手段
    を車両のブレーキ手段と兼用させ、 走行中に前記クラッチ係脱手段が操作されると前記動力
    伝達クラッチの係合を解除しかつ車両を制動するように
    構成し、 車両が略停止されているときは、前記動力伝達クラッチ
    を係合させるとともに、前記軸の回転が検出された場合
    は該回転を戻す方向に前記HST斜板角を変更すべくア
    クチュエータを制御することを特徴とする、作業車両の
    HST斜板制御機構。
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