JP4087961B2 - 油圧−機械式変速機の中立制御方法 - Google Patents

油圧−機械式変速機の中立制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧−機械式変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、速度比支持レバーを中立位置(ニュートラル)にして走行停止を行う場合においては、動力伝達のクラッチを切断することにより、動力伝達を遮断し、本機の停止状態を作り出していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来技術においては、傾斜地で速度比支持レバーを中立位置にして停止した場合には、傾斜下り方向に対して本機が動いてしまうという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上が本発明の解決する課題であり、次に課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
少なくとも一方が可変容量の油圧式無段変速機(21)を用いた油圧伝動部と、該油圧伝動部と機械伝動部の両方に接続された遊星歯車部(7)を用いた差動機構を具備する油圧−機械式変速機の、速度比指示レバー(120)を中立位置に操作した場合における制御方法であって、該速度比指示レバー(120)が中立位置に操作されたことを、コントローラ(100)が検出すると、次に該油圧ポンプ(22)の斜板角が中立位置付近にあるかの判定を行い、該油圧ポンプ(22)の斜板角が中立位置にない場合には、斜板角が平地における中立静止斜板角となるように制御し、該斜板角が中立位置付近であることを検出すると、次に速度比が低速であるかどうかの判定を行い、低速であれば、次に回転方向の判定を行い、前記機体の低速前進走行状態においては、油圧式無段変速機(21)の油圧ポンプ(22)の斜板角を、該油圧ポンプ(22)の可動斜板(22a)の角度調整可能な最小単位分である最小動作斜板角分だけ減少させ、後進方向にわずかに加速し、前記機体の低速後進走行状態においては、該油圧ポンプ(22)の斜板角を、該油圧ポンプ(22)の可動斜板(22a)の角度調整可能な最小単位分である最小動作斜板角分だけ増加させ、前進方向にわずかに加速し、該低速前進中の機体は徐々に減速して、やがて低速で後進走行状態ヘ移行し、該低速後進走行状態となった機体は徐々に増速して、やがて低速で前進走行へ移行し、該制御を繰り返すものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について説明する。図1は油圧−機械式変速機の正面図、図2はA−A線断面図、図3は油圧−機械式変速機のブロック図、図4は油圧−機械式変速機の出力と油圧ポンプおよび油圧モータの吐出量の関係を示す図、図5は変速状態に対応したクラッチの作動状況を示す図、図6はクラッチ切換指示制御フローチャート図、図7は時間と速度比の関係図、図8は時間を軸としたクラッチの制御出力図、図9は指示速度比制御フローチャート図、図10は容積補正分担制御フローチャート図、図11は速度比指示レバーの操作量と目標速度の対応関係図、図12はコントローラ100の制御図、図13はブレーキ制御フローチャート図、図14は中立制御フローチャート図である。
【0007】
図1および図2において、油圧−機械式変速機(以下HMTとする)の構成について説明する。該HMTは、HST(油圧式無段変速機)21および遊星歯車部7を備えるミッション30により構成されている。HST21はHSTケース31およびセンターセクション32に内包される油圧ポンプ22および油圧モータ23を備えており、該センターセクション32はミッション30のケース33に固設されている。
【0008】
該HST21には入力軸25が挿嵌貫通されており、該入力軸25には油圧ポンプ22の可動斜板22aおよびシリンダブロック22bが挿嵌されている。該シリンダブロック22bは入力軸25に相対回動不能に挿嵌されており、入力軸25とともにシリンダブロック22bが駆動される構成になっている。該シリンダブロック22bにはプランジャーポンプ22cが複数摺動自在に配設されている。該プランジャーポンプ22cの先端には前記可動斜板22aが当接しており、該可動斜板22aの傾斜角を調節することにより、油圧ポンプ22の作動油の吐出量を調節可能に構成されている。油圧ポンプ22により吐出された作動油は、センターセクション32に設けられた油路を介して油圧モータ23に送油される。
【0009】
HST21の油圧モータ23には油圧モータ出力軸26が挿嵌されており、該油圧モータ出力軸26の一端はHSTケース31に回動自在に枢支されている。油圧モータ出力軸26には油圧モータ23の可動斜板23aおよびシリンダブロック23bが挿嵌されており、該シリンダブロック23bは油圧モータ出力軸26に相対回動不可に構成されている。該シリンダブロック23bにはプランジャーポンプ23cが複数摺動自在に配設されており、該プランジャーポンプ23cの先端には前記可動斜板23aが当接しており、該可動斜板23aの傾斜角を調節することにより、油圧モータ23の容量を調節可能に構成されている。該構成により、前記油圧ポンプ22より送油される作動油量に対しての回転速度を調節する構成になっている。
【0010】
次に、ミッション30の構成について説明する。該ミッション30はミッションケース33により被装されており、該ミッションケース33には入力軸25、油圧モータ出力軸26、駆動軸27および駆動軸18が配設され、回動自在に支持されている。また、ミッションケース33内には遊星歯車より構成される遊星歯車部7が設けられており、該ミッションケース33内において、遊星歯車部7は、クラッチ部35とケース34により分割されている。
遊星歯車部7は後述するサンギヤ1、プラネタリーギヤ2・3、入力ギヤ4、キャリヤ6により構成されており、該キャリヤ6に固設したギア5は遊星歯車部7とともにケース34によりクラッチ部35より隔離される構成となっている。
【0011】
クラッチ部35には前記油圧モータ出力軸26上に挿嵌されたクラッチ11および駆動軸27上に挿嵌されたクラッチ12が配設されている。該クラッチ11のクラッチハウジングは油圧モータ出力軸26上に固設されており、クラッチ11のクラッチボックスは油圧モータ出力軸26に挿嵌された転がり軸受に挿嵌されている。クラッチ11のクラッチボックスにはギヤ14が固設されており、該クラッチ11を接続することにより油圧モータ出力軸26とともにギヤ14が駆動される。また、該クラッチ12のクラッチハウジングは駆動軸27上に固設されており、クラッチ12のクラッチボックスは駆動軸27に挿嵌された転がり軸受に挿嵌されている。クラッチ12のクラッチボックスにはギヤ16が固設されており、ラッチ12を接続することにより駆動軸27とともにギヤ16が駆動される。
【0012】
ミッションケース33内においてケース34により遊星歯車部7がクラッチ部35から隔離される構成をとるので、遊星歯車部7をクラッチ11・12より発生するスラッジ等より保護することができ、該遊星歯車部7の耐久性を向上している。
【0013】
入力軸25にはサンギヤ1が挿嵌固定されており、ギヤ4が一体形成された動力電動パイプ28が相対回動可能に挿嵌されている。前記遊星歯車部7は入力軸25および動力伝動パイプ28に挿嵌された構成になっている。遊星歯車部7のキャリア6に固設されたギヤ5は駆動軸27に挿嵌固定されたギヤ9に噛合しており、該ギヤ9は駆動軸18に挿嵌固定されたギヤ19に噛合している。該構成により前記ギヤ5の駆動力がギヤ9・19を介して駆動軸18に伝達される構成になっている。
【0014】
図3において、エンジン24の出力はHST21、遊星歯車部7のどちらか一方もしくはHST21および遊星歯車部7を介して駆動軸27に伝達される。エンジン24には入力軸25の一端が接続されており、該エンジン24の出力は入力軸25を介してHST21に導入される。HST21は油圧ポンプ22および油圧モータ23により構成されており、該油圧ポンプ22および油圧モータ23は容量を可変に構成されている。このため、該油圧ポンプ22もしくは油圧モータ23の容量を調節することにより、油圧ポンプ22に対する油圧モータ23の駆動比を調節することができる。油圧ポンプ22には前記入力軸25が接続しており、該入力軸25により油圧ポンプ22が駆動される。上記の構成によりエンジン24の出力は入力軸25を介してHST21の油圧ポンプ22を駆動し、該油圧ポンプ22により油圧モータ23が駆動される。該油圧モータ23には油圧モータ出力軸26が接続されており、該油圧モータ23により駆動される構成になっている。
【0015】
また、前記入力軸25の他端は遊星歯車部7に接続している。遊星歯車部7はサンギヤ1、プラネタリーギヤ2、プラネタリーギヤ3、キャリヤ6および入力ギヤ4により構成されている。該サンギヤ1は入力軸25の他端に挿嵌固定されており、該サンギヤ1にはプラネタリーギヤ2が噛合している。プラネタリーギヤ2はプラネタリーギヤ3に噛合しており、プラネタリーギヤ3は入力ギヤ4に噛合している。前記プラネタリーギヤ2・3はそれぞれキャリヤ6に固設された枢軸に回動自在に枢支されており、サンギヤ1に対して公転する構成になっている。
【0016】
また、遊星歯車部7において、プラネタリーギヤ2およびプラネタリーギヤ3は三対配設されており、プラネタリーギヤ2およびプラネタリーギヤ3は前記キャリア6の回動中心を同心円とした円周上を回動する構成になっている。サンギヤ1の外周上にはプラネタリーギヤ2が噛合しており、キャリヤ6の回動中心に対して該プラネタリーギヤ2より外側にプラネタリーギヤ3が配設されている。また、キャリヤ6にはギヤ5が固設されており、サンギヤ1、入力ギヤ4、キャリヤ6およびギヤ5の回動中心は同一直線上に位置するように構成されている。キャリヤ6に固設した前記ギヤ5は駆動軸27の一端に挿嵌固定されたギヤ9に噛合しており、該ギヤ9に駆動力を伝達可能に構成されている。該ギヤ9は駆動軸18に挿嵌固定されたギヤ19に噛合している。該構成により前記ギヤ5の駆動力がギヤ9・19を介して駆動軸18に伝達される構成になっている。
【0017】
前記入力ギヤ4は動力伝動パイプ28の一端において該動力伝動パイプ28の外周上に一体的に挿嵌固定されており、該動力伝動パイプ28の他端の外周上にはギヤ10が挿嵌固定されている。該ギヤ10には油圧モータ出力軸26に挿嵌されたギヤ14が噛合している。該ギヤ14には油圧モータ出力軸26に挿嵌固定されたクラッチ11のクラッチボックスに固設されており、該クラッチ11を作動させることにより該油圧モータ出力軸26とともにギヤ14が駆動される構成になっている。また、油圧モータ出力軸26の一端の外周上にはギヤ15が挿嵌固定されており、該ギヤ15は駆動軸27に挿嵌したギヤ16に噛合している。該ギヤ16は駆動軸27に挿嵌固定されたクラッチ12のクラッチボックスに固設されており、該クラッチ12を作動させることによりギヤ16により、駆動軸27に駆動力を与えギヤ16とともに駆動軸27を回動させる構成になっている。該駆動軸27にはギヤ9が固設されており、該ギヤ9には駆動軸18に挿嵌固定されたギヤ19が噛合している。該ギヤ9・19を介して駆動軸27の出力が駆動軸18に、伝達されている。
【0018】
上記構成において、クラッチ11が切られており、クラッチ12が作動し、ギヤ16と駆動軸27が接続されている場合には、前記HST21の油圧モータ出力軸26の駆動力により駆動軸27が駆動される。また、ギヤ9・19を介して駆動軸27の出力が駆動軸18に、伝達されている。前記エンジン24の出力はHST21において変速され油圧モータ出力軸26より出力される。該油圧モータ出力軸26が駆動されることにより、ギヤ15が駆動され、該ギヤ15に噛合したギヤ16が駆動される。該ギヤ16にはクラッチ12のクラッチボックスが固設されており、該クラッチ12が作動しているため、ギヤ16と駆動軸27が接続される。これにより、油圧モータ出力軸26の出力により駆動軸27が駆動される。即ち、クラッチ11の接続を切り、クラッチ12を作動させることにより、HST21により変速された駆動力のみにより前記駆動軸27を駆動する。また、ギヤ9・19を介して駆動軸27の出力が駆動軸18に、伝達されている。
【0019】
また、クラッチ11が作動し、ギヤ14と油圧モータ出力軸26が接続され、クラッチ12の接続が切られている場合には、入力軸25の駆動力と油圧モータ出力軸26の駆動力が遊星歯車部7において合成され、該遊星歯車部7において合成された出力により駆動軸27が駆動される。サンギヤ1には入力軸25を介してエンジン24の出力が伝達され、該サンギヤ1により入力軸25の駆動力が遊星歯車部7に導入される。また、油圧モータ出力軸26の駆動力はクラッチ11の接続によりギヤ14を介してギヤ10に伝達される。該ギヤ10により動力伝動パイプ28が駆動され、該動力伝動パイプ28の他端に一体に形成された入力ギヤ4が駆動される。該入力ギヤ4により油圧モータ出力軸26の駆動力が遊星歯車部7に伝達される。該遊星歯車部7において入力軸25と油圧モータ出力軸26の駆動力が合成され、キャリヤ6が駆動される。該キャリヤ6の駆動力は該キャリヤ6に固設されたギヤ5によりギヤ9に伝達され、ギヤ9により駆動軸27に伝達される。これにより、入力軸25により遊星歯車部7に伝達された駆動力とHST21により変速された駆動力により駆動軸27が駆動される。また、ギヤ9・19を介して駆動軸27の出力が駆動軸18に、伝達されている。
【0020】
また、入力軸25の近傍には動力源回転数検出器104が配設されており、該入力軸25の回転数を検出可能に構成されている。駆動軸27の一端に挿嵌固定されたギヤ9近傍にも回転検出器103が配設され、該ギヤ9の回転数を検出する構成になっている。動力源回転数検出器104および回転検出器103はコントローラ100に接続されており、該動力源回転数検出器104および回転検出器103の検出値が該コントローラ100に入力される構成になっている。
【0021】
該コントローラ100には速度表示器および電磁弁105・106が接続されており、コントローラ100により制御される。該速度表示器には前記動力源回転数検出器104および回転検出器103の検出値より速度が算出され、表示される構成になっている。また、該コントローラ100に接続された電磁弁105・106により前記クラッチ11およびクラッチ12の作動が制御される構成になっている。コントローラ100において、前記動力源回転数検出器104および回転検出器103の検出値により演算がなされ、該コントローラ100により電磁弁105・106が制御されクラッチ11・12の切断もしくは接続がなされ駆動状態の切換えが行われる。即ち、コントローラ100によりHMTの駆動速度に応じて自動的に駆動状態の切換えを行うことができ、円滑な変速が実現される。
【0022】
前記駆動方法において、HST21の油圧モータ出力軸26の駆動力により駆動軸27が駆動される場合をHSTモード、入力軸25の駆動力と油圧モータ出力軸26の駆動力の合成駆動力により駆動軸27が駆動される場合をHMTモードとする。HSTモードにおいては前述のごとくクラッチ11が切られており、クラッチ12が接続されている。また、HMTモードにおいては前述のごとくクラッチ11が接続されており、クラッチ12が切られている。図4においてグラフ41は油圧ポンプ22の作動油吐出量を示すものであり、グラフ42は油圧モータ23の作動油吐出量を示すものであり、グラフ43はHMTの出力を示すものである。グラフ43において、中立点Nより左を後進駆動、右を前進駆動とする。また、中立点Nにおいては出力回転は0であり、駆動が行われない。該構成において後進側の全域および前進側の低速回転の範囲においてはHSTモードにより駆動され、中速回転および高速回転の範囲においてはHMTモードにより駆動される。
【0023】
次に、グラフ43に対応した油圧ポンプ22の作動油吐出量を示すグラフ41において油圧ポンプ22の吐出量の制御構成について説明する。前記グラフ43の中立点Nに対応する点において油圧ポンプ22の吐出量は0であり、吐出量0より下方が吐出量がマイナスであり、上方がプラスである。また、点P1および点P2は油圧ポンプ22における最小吐出量である。即ち、点P1および点P2における油圧ポンプ22の吐出量は最大のマイナス吐出量である。グラフ42において油圧モータ23の作動油の吐出量は点P2より後進側においては減少し、点P1より前進側においても減少する構成になっており、点P1とP2の間においては吐出量が一定に保たれている。
【0024】
即ち、中立点Nより後進側に出力回転を増す場合には、油圧ポンプ22の吐出量をマイナス側に増すことにより、油圧モータ23を後進側に駆動する出力回転を増している。即ち油圧ポンプ22の可動斜板22aをマイナス側に傾斜させることにより、油圧ポンプ22の作動油の吐出をマイナス側に増すものである。油圧モータ23の吐出量は一定に保たれているので、該油圧ポンプ22の吐出量がマイナス側に増すことにより油圧モータ23がさらにマイナス側に駆動される。
【0025】
出力回転を後進側にさらに増し、点P2よりも後進側に出力回転を行う場合には、油圧ポンプ22の吐出量を点P2における吐出量に維持し、油圧モータ23の吐出量を減少させる。これにより、油圧ポンプ22と油圧モータ23の相対的な吐出量が変化し、油圧モータ23の吐出量に対して油圧ポンプ22の吐出量が増大する。すなわち、油圧モータ23の出力回転がマイナス側にさらに増すこととなる。上記のごとく後進側に出力制御を行う際に油圧ポンプ22と油圧モータ23の吐出量を調節することにより、後進側への出力回転範囲を増すことが可能である。
【0026】
次に、前進側に出力回転を増す場合について説明する。中立点Nより前進側に出力回転を増す場合には、油圧ポンプ22の吐出量を増すことにより行われる。HST21の油圧モータ23の吐出量が一定であるため、該油圧ポンプ22の吐出量を増すことにより、油圧モータ23の吐出量に対して油圧ポンプ22の吐出量が増大し、油圧モータ23の回転が増す。HSTモードにおいては、HST21のみにより駆動が行われるため、油圧モータ23の出力回転が増すことにより、出力回転が増す。また、後進域より前進域への変速および前進域より後進域への変速の際にはクラッチ操作を必要としない。後進全域および前進低速域においてはHST21による変速を行うので、該後進全域および前進低速域においてはクラッチ操作を必要としない。このため、後進全域および前進低速域において円滑な変速操作を行うことができ、微妙な速度調停を行いやすいHST21により変速を行うので操作性がよい。
【0027】
前進側出力範囲において、該油圧ポンプ22の吐出量をさらに増すと、点XにおいてHSTモードによる出力回転と、該油圧ポンプ22の吐出量に対応するHMTモードによる出力回転が一致する。即ち、前進側の出力回転を増して行く場合にはこの点XにおいてHSTモードよりHMTモードへの切換が行われる。また、HMTモードにて出力している状態より出力回転を減少させ、出力回転が点Xより減少する場合にはHMTモードよりHSTモードに切換がおこなわれる。
【0028】
該HSTモードよりHMTモードへの切換は前述のごとく、クラッチ11とクラッチ12の接続と断続を制御することにより行われる。即ち図5に示されるごとく、HSTモードよりHMTモードに切り換える場合には、クラッチ11を切れた状態より接続した状態に作動させるとともに、クラッチ12を接続した状態より切れた状態に作動させる。逆に、HMTモードよりHSTモードに切り換える場合には、クラッチ12を切れた状態より接続した状態に作動させるとともに、クラッチ11を接続した状態より切れた状態に作動させる。上記のごとくクラッチ11・12を制御することにより、点Xにおける駆動モードの切換を行うことができる。
【0029】
出力回転が点Xを越えて、HMTモードにより駆動が行われる場合には、油圧モータ23が遊星歯車部7に供給する回転とエンジン24の回転が機械的に伝達される入力軸25が遊星歯車部7に供給する回転により出力回転が決定される。即ち、HMTモードにおいては、入力軸25と油圧モータ23の回転数の差に出力差が大きくなるほど出力回転が増大する。X点より前進側の出力回転において、油圧ポンプ22の吐出量を減少させ、油圧モータ23の出力回転を減少させると、前記入力軸25は一定に維持されているため、該油圧モータ23と入力軸25の出力回転の差が増す。これにより、出力回転が増す。
【0030】
更に、油圧ポンプ22の吐出量を減少させ、該油圧ポンプ22の吐出量がP1に達した場合には、該油圧ポンプ22の吐出量はP1に維持され、油圧モータ23の吐出量が減少する。該油圧ポンプ22の吐出量が一定であり、油圧モータ23の吐出量が減少するため、油圧モータ23に対する油圧ポンプ22の吐出量が相対的に増大する。これにより、油圧モータ23が増速する。グラフ41・42に示すごとく、該油圧モータ23はマイナス側に出力回転を増大しているため、前記入力軸25の遊星歯車部7への入力回転と油圧モータ23の遊星歯車部7への入力回転の差が増し、出力回転が増大する。
【0031】
上記構成のごとく、油圧ポンプ22の吐出量を調節し、油圧モータ23の出力を制御するとともに、更に出力を増す場合には油圧ポンプ22の吐出量を一定に維持し、油圧モータ23の吐出量を調節し、油圧ポンプ22と油圧モータ23の相対的な吐出量の変化により出力を調節することにより、吐出量の少ない油圧ポンプおよび油圧モータにおいても調節可能な出力の範囲が増大する。このため、HST21をコンパクトに構成することができる。また、HSTモードとHMTモードの出力が一致する点Xにおいて、HSTモードとHMTモードの切換を行うため、円滑な出力モードの切換を行うことができる。
【0032】
また、上記の構成において後進域の全域および前進低速域においてはHST21により出力がなされ、前進中速域から高速域にかけてはHMT(油圧−機械式変速機)により駆動されるので、小型の車両等に該HMTを搭載することにより、該小型の車両の使用状況に応じた変速を行うことができる。また、変速域が小型の車両に対応しているため、該小型の車両の取り扱い性が向上する。
【0033】
さらに、前進および後進域においてはHST21により駆動されるので、倍速度範囲において微妙な速度設定を行うことができ、作業の質を向上することが出来る。また、前進中速域から高速域にかけてはHMTにより駆動されるので、円滑に変速を行うと同時にエンジンの出力の損失を減少し、出力を向上すると共に、燃費が向上し、経済的である。さらに変速機構をシンプルに構成できる。
【0034】
以下において、コントローラ100等を中心とした変速、速度段切替え、ブレーキ等の制御構造について図3及び図6乃至図13を用いて説明する。図3に示すように、前記駆動軸18にはブレーキパック110が配設され、ブレーキペダル140の踏込みによりメカニカルリンク141を介してブレーキパック110を制御し、駆動軸18にブレーキ作用を発生させるよう構成している。また、ブレブレーキスイッチ111はブレーキペダル140の踏込みにより作動信号をコントローラ100に出力するよう構成している。
【0035】
また、前記コントローラ100には、走行操作レバーである速度比指示レバー120、ポンプ斜板制御器121、モータ斜板制御器122が連動されており、該速度比指示レバー120とコントローラ100間には速度比指示レバー120の操作量を検出する位置センサ120aが配設されている。そして位置センサ120aの検出結果を入力したコントローラ100が、該ポンプ・モータ斜板制御器121・122にそれぞれ傾斜角度を出力することにより、該ポンプ・モータ斜板制御器121・122に連動した前記油圧ポンプ・モータ22・23の可動斜板22a・22bを調節し、HST21の回転出力を制御している。
【0036】
また、該コントローラ100には電磁弁105・106が連動しており、該電磁弁105・106を制御して前記クラッチ11・12の断接を制御している。さらに、前記駆動軸27に固設されたギヤ9には、駆動軸27の回転数及び回転方向を検出可能に回転検出器103が配設されており、該回転検出器103により駆動軸27の回転数及び回転方向をコントローラ100で入力可能としている。
【0037】
以上の構成により、前述したHSTモードとHMTモードとの速度段切換制御方法について、図6乃至図8を用いて説明する。前述したように、HSTモードによる出力回転と、HMTモードの出力回転が一致している点Xにおいて速度段切換えを行えば、切換操作によるショックを低減することが可能であるが、速度段切換えはコントローラ100からの指示により電磁弁105・106を介して前記クラッチ11・12を作動することにより行われるため、電気的な遅れ時間と機械的な遅れ時間が生ずる。このため、点Xにおける切換え速度比Vxを検出してから速度段切換指示を出した場合、タイミングのずれが生じ、切換え動作によるショックが発生する。
【0038】
そこで、遅れ時間を加味した速度段切換えの制御方法について、図6のフローチャートを用いて説明する。まず、コントローラ100は処理232において、動力源回転数検出器104よりエンジン24の回転数を、作動油センサ131(図3に図示)より油圧機用の作動油タンク130の作動油温を検出し入力する。そして入力したエンジン回転数及び作動油温を入力値として遅れ時間算出マップから遅れ時間hを算出する。なお、遅れ時間算出マップは、エンジン回転数及び作動油温と、クラッチ11・12の電気的、機械的な作動所要時間とを対応させたマッピングである。
【0039】
そして、処理233において遅れ時間hを、時間刻みとしてシミュレーション計算を行い、時間tにおけるh秒後の速度比V(t+h)を予測する。ここでは例としてミルン法による予測計算を行っているが、遅れ時間hを時間刻みとしているので、その他の様々なシミュレーション計算が可能となっている。次に条件分岐234において、予測計算したh秒後の速度比V(t+h)と、X点における切換え速度比Vxとの大小を比較し、速度比V(t+h)が速度比Vxよりも大であれば(つまりh秒後には切換え到達点Xに達すると予測される)、処理235においてクラッチ11を作動させる。これにより、前述したギヤ14が油圧モータ出力軸26により駆動され、HMTモードによる動力が駆動し始める。
【0040】
そして、条件分岐236において現在の速度比V(t)と切換え速度比Vxとの大小を比較する。ここで速度比V(t)が速度比Vxより小さい場合には、制御ループの終端238を経て、開始231に戻り次制御ループに入る。そして、再び処理236において速度比V(t)が速度比Vxより大となることで、処理237へ進み、クラッチ12を切断する。これにより、前記油圧モータ出力軸26からギヤ15・16を介して駆動軸27への駆動伝達が遮断され、HSTモードによる動力が遮断される。また、処理234において速度比V(t+h)が切換え速度比Vxより小さければ、条件分岐236へ進み、速度比V(t)の判定を行い、以降ループ制御が行われる。
【0041】
つまり、前記遅れ時間hをシミュレーション計算の時間刻みとし、該時間刻みより、ある時間tにおけるh秒後の速度比V(t+h)を予測計算し、速度比V(t+h)が、速度段切換えの最適速度比である速度比Vxに到達するかどうかの判定を行うのである。そして速度比V(t+h)が速度比Vxに到達することが予想されれば、直ちにクラッチ11を接続し、HMTモードによる駆動を開始する。そして、制御ループを続行し、現時点での速度比V(t)が速度比Vxに到達した時点で、直ちにクラッチ12を切断し、HSTモードによる駆動を遮断するのである。図7は、時間と速度比の関係を表すグラフであり、図8は速度段切換え制御によるクラッチ11及びクラッチ12の接続状態を表す図である。そして、時間Txは速度比がVxに到達する予測時間であり、図8はクラッチ11が時間Txのh時間前に作動され、時間Txに到達した時点でクラッチ12が切断されることを示している。
【0042】
次に、HST21の制御方法について図4、図9等を用いて説明する。HSTモード及びHMTモードにおいては、HST21の油圧ポンプ・モータ22・23の吐出量を制御することにより増減速を可能しており、前述したように、図4に示したP1・P2の両側において、吐出量を変化させる対象を油圧ポンプ・モータ22・23の間で切り替えるよう構成している。
【0043】
このような構成としている場合、作業者が急激な減速や加速を望む場合であっても、油圧ポンプ22の吐出量の制御と、油圧モータ23の吐出量の制御をシーケンシャルに行うため、加速・減速時間が長くなってしまう。そこで、図9に示すような指示速度比制御を行うことによりこれらの問題を解消する。
【0044】
まず、図4においてPaからPbに急減速する場合について説明する。Paにおいて作業者が前記速度比指示レバー120を操作して、Pbを目標とした速度比指示を行う。この時、Pbにおける速度比を実現する油圧ポンプ・モータ22・23の吐出量がそれぞれ決定される。そこで、コントローラ100は同時にポンプ・モータ斜板制御器121・122に制御命令を出す。これにより、Pbにおける速度比を実現すべく、油圧ポンプ・モータ22・23の可動斜板22a・23aを同時に傾斜させるのである。
【0045】
これにより、PaからPbへの急減速が可能となり、作業者は期待する速度を早く得られることができ、操作性が向上するのである。また、PbからPaに向けて、急加速する場合においても、上述した同様の操作を行うことで可能となっている。
【0046】
また、急減速及び急加速を作業者が指示した場合で、図4における速度段切換点Xを跨って変速する場合について説明する。図4におけるPcからPaへ向けて急加速する場合、Pcにおいて作業者が前記速度比指示レバー120を操作して、Paを目標とした速度比指示を行う。この時、Paにおける速度比を実現する油圧ポンプ・モータ22・23の吐出量がそれぞれ決定される。しかし、Pcにおいて油圧ポンプ22・23にPaにおける吐出量を指示した場合、前述の如くX点を跨っているので、HSTモードからHMTモードへの切換えが行われることになり、モード切換えによるショックが発生し、場合によってはクラッチ11・12等の部品を破損する可能性がある。
【0047】
そこで、PcにおいてPaの速度比指示が行われた場合、コントローラ100はポンプ・モータ斜板制御器121・122に対して点Xにおける切換え速度比Vxを指示する。これにより油圧ポンプ・モータ22・23が点Xにおける速度比に調整され、この時、前述したHSTモードからHMTモードへの切換えが行われる。そして続いてコントローラ100はポンプ・モータ斜板制御器121・122に対してPaにおける速度比を指示し、同時に油圧ポンプ・モータ22・23の可動斜板22a・23aを調整して、Pdにおける速度比を得るのである。
【0048】
このようにして、X点を跨る急加速においても、一旦、X点における速度比Vxを経由することで、クラッチ等に負荷を与えることなく急加速が可能となり、低速状態から高速状態への急加速も可能となるのである。また、同様に、PaからPcへの急減速を行う場合においても、X点における速度比Vxを経由した後、Pcの速度比を指示することで、HMTモードからHSTモードへの切換えショックを発生することなく、急減速可能としている。
【0049】
以上の、PaからPb、PcからPaへの急加速、急減速の例で示した制御フローを図9のフローチャートを用いて説明する。まず、条件分岐242において指示された速度比がX点を跨っているかどうかの判定を行う。そしてX点を跨っていなければ、速度段切換え(HSTモード、HMTモードの切換え)が必要でないので、処理244において指示された速度比を目標速度比として油圧ポンプ・モータ22・23を同時に制御し変速を行う。また、X点を跨る変速である場合には、処理243において暫定目標速度比に切換え速度比Vxをセットする。そして条件分岐245において速度段切換えが可能かどうかの判定、つまり前述した速度段切換えのタイミングの判定を行う。そして切換え不可能(HSTモードとHMTモードの出力回転が異なる。)であれば、待ち時間ループ246を繰り返し、切換え可能となった時点で、処理247で速度段切換えを実行し、続いて処理248において作業者の指示速度比を目標速度比にセットして、油圧ポンプ・モータ22・23を同時に制御し、急加速、急減速を行うのである。
【0050】
次に、速度段切換え点X付近におけるHSTモード及びHMTモード切換え規制制御について説明する。前述したように、HSTモードからHMTモードへの切換え及びHMTモードからHSTモードへの切換えは、速度段切換え点Xにおいて行われるものであるが、点X付近での速度比において走行中に、負荷変動が発生した場合等、外部要因により速度比が変化して自動的に速度段が切り換わる場合がある。これにより点Xの付近で頻繁に速度段切換えが発生し、クラッチ11・12等に対する負荷が大きくなり、また振動が頻繁に発生し続けるという問題がある。
【0051】
そこで、これらの問題を解消するために、以下の構成をとる。つまり、点Xにおいて速度段の切換え制御が行われるのは、作業者により速度比指示レバー120から指示された場合に限り、速度比指示レバー120の指示による速度比の変速、若しくは、速度段の切換えが行われた後は、現在の速度段を維持するように制御する。このような制御を行うことで、例えばトラクタの牽引作業等において負荷変動の大きな走行を行っても、速度段の頻繁な切換えは発生せず、安定した走行が可能となる。
【0052】
次に、容積効率の補正分担制御について説明する。変速部分のHST21は、負荷変動により容積効率が変化するため、作業者が速度比指示レバー120を操作して油圧ポンプ・モータ22・23を制御しても、期待される速度が得られない場合があり、その補正が必要となる。そこで、図10のフローチャートより補正分担の制御フローについて説明する。まず条件分岐252において、油圧ポンプ22の可動斜板22aの斜板角が最大となっているかどうかの判定を行う。ここで可動斜板22aの斜板角が最大となっていなければ、ポンプ斜板制御器121に指示を送り可動斜板22aを傾斜させ補正を行う。そして可動斜板22aの斜板角が最大となっていることを検出すれば、処理253においてHST21の油圧モータ23の可動斜板23aの斜板角目標値を算出し、モータ斜板制御器122に指示を送り油圧モータ23の斜板角を制御するのである。
【0053】
これにより、負荷変動時における補正は、油圧ポンプ22において補正できる範囲においては油圧ポンプ22の可動斜板22aを制御して補正を行い、可動斜板22aの斜板角が最大に達した後は、油圧モータ23の可動斜板23aが補正を受継ぐので、図4におけるP1及びP2付近で、連続的に補正することが可能となり、ショックや走行違和感を減少させることができるのである。
【0054】
次に、速度比指示レバー120による操作フィーリングの向上方法について説明する。前述の如く作業者により速度比指示レバー120が操作されると、位置センサ120aが該速度比指示レバー120の操作量(位置または回動角等)を検出し、検出結果をコントローラ100が入力する。ここでコントローラ100は入力値221から走行車の目標速度222を算出するが、該入力値221と目標速度222の関係223は図11に示すように、位置センサ120aからの入力値221により幾つかの領域に分けて変化させている。そして本実施例においては入力値221が低速域であった場合には、関係223の傾きが小さく、入力値221が中速域、高速域となるにつれて、関係223の傾きが大きくなるようにしている。
【0055】
そして、コントローラ100は関係223より算出した目標速度222をポンプ・モータ斜板制御器121・122に出力し、該ポンプ・モータ斜板制御器121・122により油圧ポンプ・モータ22・23の可動斜板22a・22bが目標速度222を出力するよう制御されるのである。
【0056】
以上の如くコントローラ100は関係223に基づいて目標速度222を算出しているので、従来のように、速度比指示レバー120の操作量と目標速度222との関係が単純な一次関数でなく、速度比指示レバー120の指示位置が低速位置であれば緩やかな増速を行う。これにより、作業者が機体を倉庫等に収容する場合等、低速で微妙な移動を行いたい場合には、作業者の感覚に合致した動作が行えるのである。また、速度比指示レバー120の指示位置が高速位置であれば、加速度が大きくなる。これにより、微妙な速度変化を必要としない高速走行中においては有効な増減速が行えるし、低速域から一気に増速したい場合においても作業者の感覚にフィットした速度が得られるのである。
【0057】
次に、速度比指示レバー120の操作速度に応じた目標速度222の制御方法について説明する。上述の如く、速度比指示レバー120の操作量を位置センサ120aが検出し、コントローラ100が入力値221を入力するが、ここで速度補正手段224は、図12に示すように、入力値221から速度比指示レバー120の操作速度(ΔV/Δt)を算出し、該操作速度に係数kを乗じた補正値(k×ΔV/Δt)を出力する。そして入力値221に補正値を加算した値を新たな入力値221として目標速度222を算出するのである。
【0058】
このような制御を行うことにより、従来は、速く速度比指示レバー120を動かしても、動作が大きくなる位置まで移動させないと、走行速度が期待する速度に上昇せず、操作フィーリングを悪くしていた問題点が解消され、作業者が早く増速させたいことを期待して速度比指示レバー120を速い動作で操作した場合には、操作速度を加味した目標速度222が設定されるため、作業者の期待する走行速度が設定され、作業者の感覚に合った操作フィーリングが得られるのである。
【0059】
次に、ブレーキ機構の動作状態を、図13のフローチャートを用いて説明する。まず、条件分岐202において、ブレーキスイッチ111の状態をコントローラ100が検出する。そしてHSTモード若しくはHMTモードによる走行中、作業者の操作により、前記ブレーキスイッチ111がONにされれば、処理203でクラッチ11若しくはクラッチ12を切断する。これにより、ブレーキパック110により駆動軸18にブレー作用が発生するが、HSTモードの走行時においてはクラッチ12を、HMTモードの走行時においてはクラッチ11を切断することにより、駆動軸18への動力伝達が遮断されるため、ブレーキ作用と駆動力が競合することなく、ブレーキ作用が効率よく発生するし、クラッチ11・12の消耗を防止でき、クラッチ11・12の耐久性の向上が図られるのである。
【0060】
次に、条件分岐202においてブレーキスイッチ111からON信号を検出しない場合においては、さらに条件分岐204において前回の条件分岐202の検出結果を判定し、前回ブレーキスイッチ111がON信号を検出していなければ制御ループの終端210へ進み、続いて開始201から次の制御ループへと進む。つまり、ブレーキスイッチ111がON状態のまま維持されている場合においては、処理は行われず制御ループを繰り返す。
【0061】
一方、前記条件分岐204において前回の条件分岐202がON信号を検出していた場合、つまり前回制御ループにおいてはブレーキスイッチ111からON信号を検出し、現制御ループにおいてはブレーキスイッチ111からON信号を検出しない場合は、処理205において実際の速度比の値を目標変速比にセットする。ここで実際の速度比とは、前記回転検出器103により検出した駆動軸27の速度比である。そして処理206において該目標変速比から油圧ポンプ・モータ22・23の傾斜角を算出し、コントローラ100が前記ポンプ・モータ斜板制御器121・122を介して油圧ポンプ・モータ22・23の斜板角を制御する。そして、条件分岐207において該目標変速比とX点における変速比とを比較し、該目標変速比がX点における変速比より大きければ、処理208においてクラッチ11を接続し、動力を伝達してHMT走行を行い、該目標変速比がX点における変速比より小さければ、処理209においてクラッチ12を接続して、動力を伝達しHST走行を行うのである。
【0062】
このようにして、クラッチ11・12による動力切断状態からブレーキを離して駆動力を復帰させる場合には、動力伝達側の速度比と駆動軸27の実際の速度比とを合わせてから、さらにHSTモード、HMTモードの判定を行った後、クラッチ11・12を再嵌合させるよう構成しているので、スムーズな動力復帰が可能になるとともに、クラッチ11・12等、構成部材に対する衝撃を小さくして耐久性の向上も図れるのである。
【0063】
次に、本発明の前記速度比指示レバー120の中立位置操作時におけるコントローラ100等による制御方法について、図14のフローチャートを用いて説明する。エンジン24からの回転駆動力は、該速度比指示レバー120の操作量により、HSTの油圧ポンプ・モータ22・23の斜板角を調整することにより変速され出力されるものであり、本機を停止させる場合には速度比指示レバー120を中立位置に操作する。そこで、該速度比指示レバー120が中立位置に操作されたことをコントローラ100が検出すると、まず図における条件分岐212においてHSTの油圧ポンプ22の斜板角が中立位置付近にあるかの判定を行う。
【0064】
ここで、油圧ポンプ22の斜板角が中立位置にない場合には、処理217において油圧ポンプ217の斜板角が平地における中立静止斜板角となるように制御し、制御フローの終端218から開始211へ戻り次の制御ループを行う。一方、条件分岐212において中立位置付近であることが検出されると、さらに条件分岐213において速度比が低速であるかどうかの判定を行い、低速であれば、条件分岐214において回転方向の判定を行う。
【0065】
そして、回転方向が前進であれば処理216において、油圧ポンプ22の斜板角を最小動作斜板角分(油圧ポンプ22の傾斜板の角度調整可能な最小単位分)だけ減少させる。そして回転方向が後進であれば処理215において、油圧ポンプ22の斜板角を最小動作斜板角分だけ増加させる。つまり、低速で前進状態にある場合は、後進方向にわずかに加速し、低速で後進状態にある場合には、前進方向にわずかに加速するのである。
【0066】
そして、以上の処理215若しくは処理216を終えると、中立制御フローの終端218から開始211に戻り次の制御ループを繰り返す。そして上述した処理を繰り返すことにより、低速前進中の機体は徐々に減速して、やがて低速で後進走行となる。そして低速後進走行状態となった機体は、徐々に増速して、やがて低速で前進走行へ移行する。また、低速後進中の機体においても同様に、低速前進、後進を繰り返す。
【0067】
このような中立制御を行うことにより、速度比指示レバー120中立位置への操作が行われれば、機体は低速走行でわずかに前進、後進を繰り返すが、前記処理215・216での増速又は減速は、斜板の角度調整可能な最小単位で行われるため、ごく低速状態にある本機は、わずかに前後に微動する程度であり、略停止状態を維持できるのである。そして、この中立制御による停止状態は、駆動軸27に動力が伝達されているので、傾斜面や坂道で停止した場合でも、確実な停止状態を維持できるのである。また、再び速度比指示レバー120を前進または後進の速度比に操作した場合には、クラッチの接続等の動作が不要であるので、発進時の遅れ時間がなくなり、作業者の操作フィーリングが向上し、操作性に優れた中立制御が実現するのである。
【0068】
【発明の効果】
本発明は以上の如く、構成したので以下のような効果を奏するものである。
少なくとも一方が可変容量の油圧式無段変速機(21)を用いた油圧伝動部と、該油圧伝動部と機械伝動部の両方に接続された遊星歯車部(7)を用いた差動機構を具備する油圧−機械式変速機の、速度比指示レバー(120)を中立位置に操作した場合における制御方法であって、該速度比指示レバー(120)が中立位置に操作されたことを、コントローラ(100)が検出すると、次に該油圧ポンプ(22)の斜板角が中立位置付近にあるかの判定を行い、該油圧ポンプ(22)の斜板角が中立位置にない場合には、斜板角が平地における中立静止斜板角となるように制御し、該斜板角が中立位置付近であることを検出すると、次に速度比が低速であるかどうかの判定を行い、低速であれば、次に回転方向の判定を行い、前記機体の低速前進走行状態においては、油圧式無段変速機(21)の油圧ポンプ(22)の斜板角を、該油圧ポンプ(22)の可動斜板(22a)の角度調整可能な最小単位分である最小動作斜板角分だけ減少させ、後進方向にわずかに加速し、前 記機体の低速後進走行状態においては、該油圧ポンプ(22)の斜板角を、該油圧ポンプ(22)の可動斜板(22a)の角度調整可能な最小単位分である最小動作斜板角分だけ増加させ、前進方向にわずかに加速し、該低速前進中の機体は徐々に減速して、やがて低速で後進走行状態ヘ移行し、該低速後進走行状態となった機体は徐々に増速して、やがて低速で前進走行へ移行し、該制御を繰り返すので、坂道等傾斜面において走行操作レバーを中立位置にした場合において、傾斜下り方向へ機体が動くこと無く停止できるので、平地、傾斜地で確実な停止状態を維持できるのである。
また、再び走行操作レバーを前進または後進の速度比に操作した場合には、メインクラッチ装置の接続等の動作が不要であるので、発進時の遅れ時間がなくなり、作業者の操作フィーリングが向上し、操作性に優れた中立制御が実現するのである。
【0069】
また、前記機体の低速前進走行時は、油圧式無段変速機の油圧ポンプの斜板角を最小動作斜板角分だけ減少させ、低速後進走行時は、該油圧ポンプの斜板角を最小動作斜板角分だけ増加させたので、前後方向への変速が斜板の角度調整可能な最小単位で行われるため、ごく低速状態にある本機は、わずかに前後に微動する程度であり、略停止状態を維持できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 油圧−機械式変速機の正面図である。
【図2】 図1におけるA−A線断面図である。
【図3】 油圧−機械式変速機のブロック図である。
【図4】 油圧−機械式変速機の出力と油圧ポンプおよび油圧モータの吐出量の関係を示す図である。
【図5】 変速状態に対応したクラッチの作動状況を示す図である。
【図6】 クラッチ切換指示制御フローチャート図である。
【図7】 時間と速度比の関係図である。
【図8】 時間を軸としたクラッチの制御出力図である。
【図9】 指示速度比制御フローチャート図である。
【図10】 容積補正分担制御フローチャート図である。
【図11】 速度比指示レバーの操作量と目標速度の対応関係図である。
【図12】 コントローラの制御図である。
【図13】 ブレーキ制御フローチャート図である。
【図14】 中立制御フローチャート図である。
【符号の説明】
22 油圧ポンプ
22a (油圧ポンプ)可動斜板
23 油圧モータ
23a (油圧モータ)可動斜板
100 コントローラ
103 回転検出器
104 エンジン回転数検出器
105 電磁弁
106 電磁弁
110 ブレーキパック
111 ブレーキスイッチ
120 速度比指示レバー
120a 位置センサ
121 ポンプ斜板制御器
122 モータ斜板制御器

Claims (1)

  1. 少なくとも一方が可変容量の油圧式無段変速機(21)を用いた油圧伝動部と、該油圧伝動部と機械伝動部の両方に接続された遊星歯車部(7)を用いた差動機構を具備する油圧−機械式変速機の、速度比指示レバー(120)を中立位置に操作した場合における制御方法であって、該速度比指示レバー(120)が中立位置に操作されたことを、コントローラ(100)が検出すると、次に該油圧ポンプ(22)の斜板角が中立位置付近にあるかの判定を行い、該油圧ポンプ(22)の斜板角が中立位置にない場合には、斜板角が平地における中立静止斜板角となるように制御し、該斜板角が中立位置付近であることを検出すると、次に速度比が低速であるかどうかの判定を行い、低速であれば、次に回転方向の判定を行い、前記機体の低速前進走行状態においては、油圧式無段変速機(21)の油圧ポンプ(22)の斜板角を、該油圧ポンプ(22)の可動斜板(22a)の角度調整可能な最小単位分である最小動作斜板角分だけ減少させ、後進方向にわずかに加速し、前記機体の低速後進走行状態においては、該油圧ポンプ(22)の斜板角を、該油圧ポンプ(22)の可動斜板(22a)の角度調整可能な最小単位分である最小動作斜板角分だけ増加させ、前進方向にわずかに加速し、該低速前進中の機体は徐々に減速して、やがて低速で後進走行状態ヘ移行し、該低速後進走行状態となった機体は徐々に増速して、やがて低速で前進走行へ移行し、該制御を繰り返すことを特徴とする油圧−機械式変速機の中立制御方法。
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