JP3923777B2 - 油圧−機械式変速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両等に備えられる油圧−機械式変速装置(HMT)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、HST(油圧式無段変速機構)と遊星歯車機構とを組み合わせた油圧−機械式変速装置(HMT)が知られている。HSTは可変容量型の油圧ポンプの可動斜板を主変速操作手段と連結連動して、該主変速操作手段を回動操作することにより油圧ポンプからの吐出量を変更して出力回転数を変更して主変速を行い、主変速操作手段を中立位置から逆方向に回動することにより前後進を切り換えて、同時に変速を行えるようにしている。
【0003】
そして、油圧−機械式変速装置において、例えば、特開2001−108061号公報に掲載されているように、変速装置の変速比が設定値より低速側にあるときは、第一のクラッチが係合されてHSTの出力回転を車軸に出力する「HST駆動モード」とし、増速されて前記変速比が前記設定値を上回った場合は、第二のクラッチが係合されてHSTの出力回転とエンジンの出力回転とを合成して車軸に出力する「HMT駆動モード」とするよう構成されたものが、提案されている。
【0004】
上述の従来技術では、加速あるいは減速されて車両の変速比が、予め定められた切換変速比と等しくなる点でHST駆動モード」と「HMT駆動モード」間の切換が行われるように構成している。しかし、車両の変速比が切換変速比と等しくなったことが検知されてから「HMT駆動モード」に切り換えるよう動作するのでは、実際に「HMT駆動モード」となるまでに、電気的な時間遅れと機械的な時間遅れとに起因するタイムラグが生じてしまい、HSTの出力回転とHMTの出力回転とのズレが生じ、モード切換時のショックの原因となる。また、HSTは負荷が大きくなると、回路内の油圧が上昇し、油圧が上昇するとHSTの特性上、油の漏れや圧縮により容積効率が低下し、油圧ポンプの可動斜板の角度が一定であっても油圧−機械式変速装置の車軸に連動する出力軸の回転数が変化し、すなわち、車速が変化する。従って、HSTに掛かる負荷を加味した制御をしなければ、所望の加速及び減速を得られなくなるという事態が生じることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、HSTに掛かる負荷を検出し、該検出値に応じてHST斜板角を減速側(又は増速側)に変更させる制御を行うようにし、モード切換時や加速・減速時のショックを排除しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に、この課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
請求項1においては、前部にHST(21)を配置し、後部に遊星歯車機構(10)を配置し、前記HST(21)と遊星歯車機構(10)により変速するHMT駆動モードと、HST(21)のみにより変速するHST駆動モードとを切り換え可能とした油圧−機械式変速装置において、制御装置(90)において、エンジン(20)の回転数を検出する検出器(83)、HST(21)の油圧モータ回転数を検出する検出器(81)、主変速レバー(84)の位置を検出する検出手段(84a)からの情報で、変速比による出力軸(27)の目標回転数(Mp)を算出し、車軸に連動している出力軸(27)の回転数を検出する検出器(82)から得られる実際の出力軸(27)の回転数(m)と、目標回転数(Mp)の差(M)(M=Mp−m)を算出し、該算出した差(M)の値を、HST(21)に掛かる負荷と推測し、差(M)の値と、補正値(Δr0)との対応関係を表すマップを予め作成し、制御装置(90)に記憶させておき、該マップに基づいて付加に対応した補正値(Δr0)を定め、該補正値(Δr0)は車両を増速させようと主変速レバー(84)を操作するときは、HST(21)の減速側に可動斜板(22a)の傾斜角を補正する値とし、車両を減速させようと操作するときは増速側に傾斜角を補正する値とし、検出されたHST(21)に掛かる負荷の値に応じて決定した補正値(Δr0)だけ、HST斜板角をオフセット制御するものである。
【0008】
請求項2においては、請求項1の油圧−機械式変速装置において、該補正値(Δr0)は、1回前の制御ループにおいて検出されたHST(21)に掛かる負荷に対応して決定される値とし、該補正値(Δr0)によるHST斜板角のフィードバック制御を、断続的に行うものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1はHMT式変速装置のスケルトン図、図2はHSTの側面断面展開図、図3はミッション前部の側面断面展開図、図4はHST斜板制御のための構成を示す説明図である。図5は車両の変速比とHST変速比との関係を示した図、図6はHST変速比と時間との関係を示した図、図7は制御装置の速度制御に係るメインフロー図、図8はHST斜板角制御ブロックに係るフロー図、図9はHSTモードからHMTモードへの切換時におけるフロー図、図10はHSTモードからHMTモードへの切換時におけるHST斜板角の制御を示した図、図11はHSTモードからHMTモードへの切換時におけるHST斜板角の制御を示した図、図12はHSTモードからHMTモードへの切換時におけるHST斜板角の制御を示した図である。
【0010】
以下に、本実施例に係る油圧−機械式変速装置(HMT)を搭載した作業車両について説明する。
〔走行駆動系〕
まず、走行駆動系を説明する。図1及び図2に示すようにHST21は油圧ポンプ22及び油圧モータ23を備えており、両者21・22は平板状のセンタセクション32に付設されて、HSTハウジング31内に収容されている。前記センタセクション32はミッションケース33に固設されている。
【0011】
HST21の油圧ポンプ22の回転軸心をポンプ出力軸25が貫通しており、該ポンプ出力軸25は駆動源であるエンジン20からの動力を該油圧ポンプ22に伝達するとともに、遊星歯車機構10に伝達させ、更には後述するPTO駆動系を介して、PTO軸53へも動力を伝達させている。該ポンプ出力軸25には油圧ポンプ22のシリンダブロック22bが係合されて相対回転不能とされ、ポンプ出力軸25とともにシリンダブロック22bが駆動される構成になっている。該シリンダブロック22bには複数のプランジャ22cが摺動自在に配設され、該プランジャ22cの頭部には可動斜板22aが当接している。該可動斜板22aは傾動自在に枢支され、その傾斜角を調節することにより油圧ポンプ22の容積を変更することができる。
【0012】
油圧ポンプ22により吐出された作動油は、センタセクション32に設けられた油路を介して油圧モータ23に送油される。そして、同様にシリンダブロック、プランジャ等より構成される固定容積型の油圧モータ23を駆動させることによって、該油圧モータ23のモータ出力軸26の回転速度及び方向を制御する構成になっている。なお、本実施例のHST21では油圧ポンプのみを可変容積型とし、油圧モータは固定容積型としているが、その構成のHSTに限るものでもない。例えば、油圧ポンプと油圧モータの双方を可変容積型とする構成でも、本発明を適用することができる。
【0013】
ミッション30の構成について、図1乃至図4を参照して説明する。ミッション30はミッションケース33により被装されており、該ミッションケース33にはポンプ出力軸25、モータ出力軸26、出力軸27、副変速軸28、PTO軸53等が水平で前後方向に配設され、それぞれ回動自在に支持されている。また、ミッションケース33内には遊星歯車機構10が設けられている。遊星歯車機構10は前記HST21の後方に配設され、後述するサンギア1、プラネタリギア2、リングギア3、キャリア5等より構成されている。
【0014】
一方、HST21のモータ出力軸26にはリングギア3のボス部3aと、ギア12が遊嵌されており、該リングギア3のボス部3aと該モータ出力軸26との間には第一の油圧パッククラッチ13が、ギア12とモータ出力軸26との間には第二の油圧パッククラッチ14が、それぞれ介在させてある。この二つの油圧パッククラッチ13・14は二つの駆動モード(HMT駆動モードとHST駆動モード)を切り換えるために用いられ、駆動モードに応じて二つの油圧パッククラッチ13・14のうちいずれか一方を係合させ他方を係合解除させることにより、リングギア3又はギア12のいずれか一方を介して出力軸27に動力が伝達されることとなる。
【0015】
一方、前記ポンプ出力軸25は前記HST21のセンタセクション32を貫通してミッションケース33内に延出しており、該延出部分上にポンプ側入力ギア8を外嵌している。該ポンプ側入力ギア8と、サンギア1に同心的に遊嵌したキャリア5の前部外周面に形成したギア5aとが噛合して、キャリア5を回転させている。そして、該キャリア5には、前記サンギア1及びリングギア3と噛合する複数のプラネタリギア2・2が支承されて、これらの、サンギア1、プラネタリギア2・2、リングギア3、キャリア5等よりで遊星歯車機構10を構成している。
【0016】
この遊星歯車機構10を説明する。遊星歯車機構10の第一の要素たるサンギア1は出力軸27に遊嵌され、プラネタリギア2は前記サンギア1と、前記サンギア1に同心して配置された、第三の要素たるリングギア3に噛合している。ここでプラネタリギア2は、出力軸27上に遊嵌された第二の要素たるキャリア5に回転自在に支持され、自転しながら該キャリア5とともに公転し得るように構成されている。該キャリア5の前部にはギア5aが形成されており、該ギア5aは、前記ポンプ出力軸25上に外嵌されたポンプ側入力ギア8と噛合している。
【0017】
一方、前記出力軸27と平行にHST21のモータ出力軸26が配設されており、該モータ出力軸26上にはモータ側入力ギア9が固定されて、出力軸27に遊嵌したサンギア1の前部に外嵌固定したギア6とモータ側入力ギア9が噛合してサンギア1を回転駆動している。このモータ出力軸26上には、モータ側入力ギア9の後方に更にギア15が固設してあり、該ギア15は、前記出力軸27上に遊嵌される前記ギア12と噛合している。
【0018】
図1で示すように出力軸27の後端にはカップリングを介して伝達軸34が連結されており、該伝達軸34の後部に二つのギア17・18を固定している。前記伝達軸34と平行に副変速軸28が支持され、該副変速軸28上にはギア60・61が遊嵌されており、該ギア60・61が前記ギア17・18に噛合して互いに異なる回転数で駆動している。そして、副変速軸28に設けられた副変速クラッチ62を操作することにより、ギア60・61のうちいずれか一方の回転駆動力を副変速軸28に伝達できるように構成し、副変速機構を構成している。該副変速軸28の後端にはベベルギア69が形設され、該ベベルギア69を介して後輪デフ70に動力が伝達される。
【0019】
また図1に示すように、副変速軸28の前端部には二つのギア63・64が固設されており、該ギア63・64は前輪出力軸29上に遊嵌されたギア65・66にそれぞれ噛合し、該ギア65・66を異なる回転数で駆動している。また、前輪出力軸29上には二つの油圧クラッチ67・68が設けられており、該油圧クラッチ67・68のうちいずれか一方を接続することにより、ギア65・66のいずれか一方の回転駆動力を前輪出力軸29に伝達できるようにし、前輪増速切換機構を構成している。
【0020】
〔PTO駆動系〕
次に、図1を参照してPTO駆動系を説明する。前記ポンプ出力軸25の後端はPTOクラッチ40を介してPTO入力軸41に伝達される。PTO入力軸41の後端には三つのギア42・43・44が相対回転不能に挿嵌され、それぞれPTO副変速軸45に遊嵌されたギア46・47・48に噛合している。そして、PTO副変速クラッチ49の操作により三段階に変速された出力が、ギア50・52・54を介してPTO軸53に伝達され、作業機等に動力を伝達するよう構成している。
【0021】
〔各駆動モードにおける駆動伝達構成〕
次に、以上の構成におけるトランスミッションにおいて、HMT/HSTの各駆動モードにおける走行駆動系の駆動伝達構成を説明する。
【0022】
〔HMT駆動モード〕
最初に、HMT駆動モードとしたときの駆動伝達構成について説明する。HMT駆動モードにおいては前記二つの油圧パッククラッチ13・14のうち第一の油圧パッククラッチ13は係合され、第二の油圧パッククラッチ14は係合を解除される。
【0023】
エンジン20に連結されたポンプ出力軸25に固設のポンプ側入力ギア8が、前記キャリア5に形成されたギア5aに噛合しているので、ポンプ出力軸25の回転出力が遊星歯車機構10のキャリア5に伝達される。一方、モータ出力軸26の回転出力によって、モータ側入力ギア9とサンギア1の前部に固設のギア6が噛合してサンギア1が回転駆動されている。従って、前記キャリア5に支持され、更に前記サンギア1に噛合しているプラネタリギア2には、両者5・1の回転が合成されて伝達され、該合成された駆動力が、該プラネタリギア2に噛合するリングギア3に伝達される。
【0024】
そして、HMT駆動モードにおいては前記第一の油圧パッククラッチ13が係合するよう制御されるので、リングギア3の回転動力が出力軸27に伝達される。出力軸27の動力は副変速軸28を経て後輪や前輪に伝達され、車両が駆動されることとなる。
【0025】
〔HST駆動モード〕
次に、HST駆動モードとしたときの駆動伝達構成について説明する。HST駆動モードにおいては前記二つの油圧パッククラッチ13・14のうち第二の油圧パッククラッチ14が係合され、第一の油圧パッククラッチ13は係合を解除される。
【0026】
ギア12には前述のとおりギア15が噛合されているので、モータ出力軸26の回転出力が出力軸27に伝達される。この動力は副変速軸28を経て後輪や前輪に伝達され、車両が駆動される。
【0027】
このHST駆動モードにおいては、エンジン20の出力が前後輪にまで伝達されるまでの間に遊星歯車機構10を経由しない動力伝達構成となっている。即ち、エンジン20の出力がポンプ出力軸25を介してキャリア5を駆動するが、リングギア3のボス部3aと出力軸27が係合しないので、遊星歯車機構10はそのキャリア5の回転により空転するのみとされる。結局は、エンジン20の出力はHST21により変速されてモータ出力軸26→出力軸27と伝達された後、副変速されて前後輪に伝達されることになる。
【0028】
〔駆動モード切換機構の構成〕
次に、駆動モード切換機構の構成を説明する。図4はトランスミッションの駆動モード切換機構の構成を示した説明図である。
【0029】
本実施例においては、図3及び図4に示すように、モータ出力軸26に外嵌したモータ側入力ギア9に近接して設けた検出器81で該モータ出力軸26の回転量をパルス信号として検出し、またその回転方向をも検出できるようにしている。更に、前記出力軸27に固定したダミーギア82aにも検出器82を近接して設け、該検出器82にて該出力軸27の回転量やその方向を検出している。また図4に示すように、エンジン20のクランク軸にも検出器83が設けられて、エンジン回転数を検出可能としている。更には車両の運転席には主変速操作手段である主変速レバー84が設けられて、その枢支部には回動角検出手段(例えば、ポテンショメータ)84aが配設され、該主変速レバー84の操作位置を検出できるようにしている。
【0030】
図4に示すように前記三つの検出器81・82・83は制御装置90に電気的に接続され、該制御装置90は前記主変速レバー84の操作位置や前記検出器82の検出値をもとに、車速が該主変速レバー84で指示される車速となるよう、HST斜板角アクチュエータ86を通じて前記油圧ポンプ22の可動斜板22aの傾斜角をフィードバック制御する。これについては後述する。また、前記第一・第二油圧パッククラッチ13・14には、それぞれ電磁弁91・92が接続されて圧油を給排可能に構成されており、前記制御装置90は該電磁弁91・92に対し電気的に接続されている。
【0031】
制御装置90は前記検出器82・83の検出値からトランスミッションの変速比を計算する演算手段を備えており、求められた変速比が高速側の一定領域にあるときは「HMT駆動モード」となって前記電磁弁91・92に信号を送り、前記第一の油圧パッククラッチ13を係合させ、第二の油圧パッククラッチ14を係合解除させる。一方、変速比が低速側の一定領域にあるときは「HST駆動モード」となって電磁弁91・92に信号を送り、前記第一の油圧パッククラッチ13を係合解除させ、第二の油圧パッククラッチ14を係合させる。即ち、中速域〜高速域では「HMT駆動モード」、低速域では「HST駆動モード」というように、変速比に応じて二つの駆動モードを自動切換し、前記電磁弁91・92を電気的に制御してクラッチ13・14を係脱させるように構成しているのである。
【0032】
ここで、油圧ポンプ22の可動斜板22aの傾斜角のフィードバック制御について説明する。前述の如く、目標変速比を得るためのHST斜板角アクチュエータ84に対する指令値において、油圧ポンプ22の可動斜板22aの傾斜角には、補正値Δr0のフィードバック制御が断続的に行われている。
【0033】
図11において、上側の線はHST21に掛かる負荷が大きい場合の油圧ポンプ22の可動斜板22aの斜板角と油圧モータ23の単位時間当たりの回転数との関係を示すものであり、下側の線はHST21に掛かる負荷が小さい場合のものである。また、可動斜板22aの斜板角が0の時、HST21の油圧ポンプ22は中立位置となる。図11に示す如く、HST21に掛かる負荷により、HST21の油圧モータ23の駆動効率が変化する。HST21の容積効率は作動油の温度、劣化度合い、HST21に掛かる負荷により変化する。例えば、HST21に掛かる負荷による回路内の油圧の上昇を起因とする油の漏れや圧縮、また、これらの反復による経時劣化や油温の変化等を原因として容積効率が変化する。HST21に掛かる負荷が大きい場合には、可動斜板22aの斜板角に対して油圧モータ23の回転数の上昇率が少なく、負荷が小さい場合には、可動斜板22aの斜板角に対して油圧モータ23の回転数の上昇率が大きくなる。すなわち、単位時間当たりの油圧モータ23の回転数が同じでも、HST21に掛かる負荷により、油圧ポンプ22の可動斜板22aの斜板角が異なる。
【0034】
従って、HST21の容積効率が変化した状態では、主変速レバー84操作により決定された変速比に対応する操作量だけHST斜板角アクチュエータ86が可動斜板22aの傾斜角を変更しても、所望の速度にならない事態が生じる。そこで、アクチュエータ86の操作量に容積効率の変化を加味し、可動斜板22aの傾斜角を補正値Δr0だけオフセット制御することによって、HST21の容積効率の変化に対応するようにしている。
【0035】
上述のHST21の容積効率の変化に対応する可動斜板22aの傾斜角の補正値Δr0は、HST21に掛かる負荷の値から決定している。制御装置90は、エンジン20の回転数を検出する検出器83、HST21の油圧モータ回転数を検出する検出器81、主変速レバー84位置及び副変速スイッチ87位置を検出する検出手段84a・87a等からの情報で決定される変速比に必要な出力軸27の目標回転数Mpを算出し、車軸に連動している出力軸27の回転数を検出する検出器82から得られる実際の出力軸27の回転数mと、目標回転数Mpの差M(M=Mp−m)を算出する。このようにして算出した差Mの値を、HST21に掛かる負荷より生じたものであると推測することによって、これをHST21に掛かる負荷の目安としている。そして、差Mの値と、補正値Δr0との対応関係を表すマップを予め作成し制御装置90に記憶させておき、該マップに基づいて前記補正値Δr0を定める。
【0036】
補正値Δr0は、1回前の制御ループにおいて検出されたHSTに掛かる負荷に対応して決定される構成として、すなわち、HST斜板角アクチュエータ86に対する指令値における可動斜板22aの傾斜角(HST斜板角)はフィードバック制御されている。なお、補正値Δr0は車両を増速させようと主変速レバー84を操作するときは減速側に可動斜板22aの傾斜角を補正する値であり、車両を減速させようと主変速レバー84を操作するときは増速側に可動斜板22aの傾斜角を補正する値である。従って、HST斜板角アクチュエータ86に対する指令値における傾斜角は、主変速レバー84位置及び副変速スイッチ87位置を検出する検出手段84a・87a等からの情報で決定される傾斜角r0に、補正値Δr0を合成した値(r=r0+Δr0)となる。上述のように、断続的に可動斜板22aの傾斜角をフィードバック制御するので、様々な状況に応じたキメ細かい制御が可能とされ、滑らかな加速をより安定的に達成できる。
【0037】
次に、上記駆動モード切換機構において「HST駆動モード」から「HMT駆動モード」へ切り換えるための構成を説明する。
【0038】
まず、HSTの変速比と車両の変速比との関係が図5に示している。前述するように後進域の全域〜前進低速域においては「HST駆動モード」とされ、該モードにおいては前記HST21の回転出力が前記出力軸27にそのまま出力されることから、HST21が中立位置にあるときは車両は駆動されず、HST出力軸(モータ出力軸)26が正転したときは車両は前進し、逆転したときは車両は後進する。また、車両速度は該出力軸27の回転速度に比例する。このことから、「HST駆動モード」において車両を前進側に増速させるためには、HST21の変速比を正転側に変更制御させる必要がある。
【0039】
一方、前進の中速域〜高速域においては「HMT駆動モード」とされ、該モードにおいてはHST21の回転出力とポンプ出力軸25の回転出力を前記遊星歯車機構10にて合成し、差動的に取り出された動力が前記出力軸27に出力される。従って、「HMT駆動モード」において車両を前進側に増速させるには、前記「HST駆動モード」とは逆に、HST21の変速比を逆転側に変更制御させる必要がある。
【0040】
次に、駆動モードの切換時におけるクラッチの切換制御について説明する。駆動モードの切換時において、第一・第二油圧パッククラッチ13・14前後のリングギア3とギア12の回転数が等しく、前記二つのモードのいずれであっても車両の変速比が等しくなる点が存在し、本実施例においては図5におけるX点がそれである。本発明の駆動モード切換機構は、車両が加速あるいは減速されて、車両の変速比がこのX点に至った場合に両駆動モード間の切換が行われるように構成して、切換時におけるショックの発生を抑えるようにしている。
【0041】
ここで、「HST駆動モード」時に車両が加速して前記X点に至った場合の制御について説明する。即ち、X点に至ったことが検知されてから「HMT駆動モード」に切り換えるべく前記電磁弁91・92に信号を送るとしたのでは、制御装置90が信号を送ってから実際に前記クラッチ13・14が係合又は係合解除されて実際に「HMT駆動モード」となるまでに、電気的な時間遅れと機械(油圧機器など)的な時間遅れとに起因するタイムラグ(特に機械的時間遅れによるタイムラグ)が生じてしまい、実際にクラッチ13・14が動作する時点では、第一・第二油圧パッククラッチ13・14前後のリングギア3及びギア12の回転数にズレが生じ、モード切換時のショックの原因となる。
【0042】
そこで本発明では、該タイムラグによる回転数のズレを抑制すべく、図6に示す如く、例えば、「HSTモード」から「HMTモード」へ(又は「HMTモード」から「HSTモード」へ)、切り換えるときには、第一の油圧パッククラッチ13及び第二の油圧パッククラッチ14それぞれにおいて油圧・機械の遅れ時間Δt2・Δt1を予め計測しておき、遅れ時間Δt2・Δt1がわかれば変速比に到達する時間よりΔt2・Δt1だけ早い時間にモードの切換を行うようにしている。このようにして、ちょうど実変速比が切換変速比v1となるときにモードの切換動作を行うことができるようにしている。つまり、制御装置90で実変速比の傾きを計算し、現在の変速比と計算した実変速比の傾きからΔt1後(又は、Δt2後)の変速比を予測し、該変速比が切換変速比v1に到達していれば、第二の油圧パッククラッチ14(又は、第一の油圧パッククラッチ13)を係合すべく電磁弁92(又は、電磁弁91)に信号を送ってクラッチ切換動作を行うようにするのである。
【0043】
なお、前記X点における駆動モード切換においては、二つの油圧パッククラッチ13・14のうち一方を係合させるとともに他方を係合解除させる制御を行うことになるが、本実施例では切換の際に、両油圧パッククラッチ13・14を双方とも係合させておく状態を短時間(後述のΔt)だけ現出させるようにし、これによって切換を円滑に行うようにしている。
【0044】
以下に、本発明の駆動モード切換機構における制御装置90内部で行われる処理の流れを説明する。図7に示されるのは変速比制御に関するメインフローを説明した流れ図である。
【0045】
変速比制御において制御ループがスタートすると、回転数検出器82・83の検出値からトランスミッションの現在の変速比が算出される(S100)。そして、現在の駆動モードが「HST駆動モード」「HMT駆動モード」のいずれであるかを判定し(S101)、「HST駆動モード」である場合は、先程算出された変速比のΔt1後の変速比を予測し、該変速比が予め定められた設定値(切換変速比v1)を上回っているかどうかを判定する(S102)。上回っていない場合は、後述のHST斜板角制御ブロックを実行し(S103)、可動斜板22aの傾斜角を主変速レバー84の操作位置に応じて変更する。上回っている場合は、「HMT駆動モード」に切り換えるべく、後述する駆動モード切換ブロックを実行する(S104)。
【0046】
現在の駆動モードが「HMT駆動モード」である場合は、先程算出された変速比のΔt2後の変速比を予測し、該変速比が設定値(切換変速比v1)を下回っているかどうかを判定する(S105)。上回っていない場合はHST斜板角制御ブロックを実行し(S103)、可動斜板22aの傾斜角を主変速レバー84の操作位置に応じて変更する。上回っている場合は、「HST駆動モード」に切り換えるべく、駆動モード切換ブロックを実行する(S106)。
【0047】
図8に示されるHST斜板角制御ブロックにおいては、まず、主変速レバー84の操作位置を検出して、HST斜板制御目標値を該操作位置に対応する値に設定する(S201)。続いて、該HST斜板制御目標値から、1回前の制御ループにおいてHST斜板角アクチュエータ86に指令した値を減算し、算出された値と設定値Eとを比較する(S202)。
【0048】
前記差が設定値E未満であれば、制御目標値をそのままHST斜板角アクチュエータ86に指令する(S203)。該HST斜板制御目標値と前回の指令値との差が設定値E以上あるときは、HST斜板角アクチュエータ86に指令する値は、前回の指令値に前記設定値Eを加算又は減算して、該制御目標値に近づけた値とする(S204)。このようにして、1回の制御ループで可動斜板22aが変更される量が常に前記設定値E以下であることが確保され、極端な急加速・急減速を防止でき、激しい変速ショックが回避されるようにしている。
【0049】
最後に、先程HST斜板角アクチュエータ86に指令した値をメモリに保持して(S205)、斜板角制御ブロックのフローは終了する。このメモリは配列メモリとされ、現在から所定の回数前までの各制御ループにおいてアクチュエータに指令した値を保持できるようになっている。
【0050】
次に、「HST駆動モード」→「HMT駆動モード」の駆動モード切換フローについて説明する。
【0051】
図9に示される「HST駆動モード」→「HMT駆動モード」の駆動モード切換フローにおいては、実変速比よりΔt1後の変速比を予測し、該変速比が設定値(切換変速比v1)となったときに、第二油圧パッククラッチ14を係合させるべく、電磁弁92に係合信号を送信する(S301)。なお、図6及び図10に示す如く、本実施例では前記設定時間Δt1は、前記第二の油圧パッククラッチ14の応答遅れ時間と同じとなるように設定しているため、電磁弁92に係合信号を送信してからΔt1後には、実変速比は切換変速比v1に達し、このとき第二の油圧パッククラッチ14が実際に係合することになる。
【0052】
この構成により、第二の油圧パッククラッチ14の応答の時間遅れを原因とするHST出力の回転数オーバーが前記制御により吸収され、モード切換の際(具体的には、前記第二の油圧パッククラッチ14が実際に係合された時)のショックが低減される。従って、「HST駆動モード」→「HMT駆動モード」の切換を伴う加速を滑らかに行うことができる。なお、この可動斜板22aの傾斜角の制御は、車両が減速されて前記と逆の「HMT駆動モード」→「HST駆動モード」の切り換えが行われるときも、同様に行われる。
【0053】
そこで、第二のパッククラッチ14を係合すべく電磁弁92に信号を送ると同時に、時間Δt1だけ前の指令値r1をメモリから読み出し、HST斜板角アクチュエータ86に指令する(S302)。すなわち、切換変速比v1に対応する可動斜板22aの斜板角の値であり、第二のパッククラッチ14を係合すべく電磁弁92に信号を送るときよりΔt1前の指令値である値r1を、HST斜板角アクチュエータ86に対する可動斜板22aの斜板角の指令値とする。
【0054】
ここで、車両は加速中であるので、値r1は、第二のパッククラッチ14を係合すべく電磁弁92に信号を送る1回だけ前の制御ループにおいてHST斜板角アクチュエータ86に指令した値r2より、HSTとして減速側となるような値になる。即ち、第二のパッククラッチ14を係合すべく電磁弁92に信号を送ると同時に、可動斜板22aの傾斜角は減速側へ制御されることになる。
【0055】
以上に説明したHST斜板角アクチュエータ86の制御の後は、直ちに時間計測が開始され(S303)、計測された時間がΔt−Δt2に至るまでは何もせずループを繰り返す(S304)。Δt−Δt2を経過したら、HST変速比が徐々に減速側となるようにHST斜板角アクチュエータ86に信号を送り、計測時間がΔtを経過するまでこれを繰り返す(S305・S306)。Δtが経過したら、第一の油圧パッククラッチ13を係合解除させるべく、電磁弁91に信号を送信する(S307)。そして直ちに、HST21の可動斜板22aの斜板角をΔrだけ正転側に傾動するように、HST斜板角アクチュエータ86に信号を送って(S308)、ブロックの制御フローを終了する。
【0056】
ここで、第二の油圧パッククラッチ14を係合させる信号を送信した後の一定時間(Δt−Δt2)においては、可動斜板22aの傾斜角は一定に制御されるが、その時間Δt−Δt2を経過した後は、HST斜板角アクチュエータ86を介してHST斜板角をHSTとして徐々に減速側(HMT全体としては増速側)となるよう、制御する構成としている。
【0057】
即ち、第二の油圧パッククラッチ14を係合させる信号を送信した後、第一の油圧パッククラッチ13を係合解除させる信号を送信する前のタイミングにおいて、HST21が減速されるようにHST斜板角アクチュエータ86を制御して、第一のパッククラッチ13が実際に係合解除される、第一の油圧パッククラッチ13を係合解除させる信号を送信してからΔt2後には、HST21が主変速レバー84操作により決定された目標値r0より、油圧ポンプ22の可動斜板22aを斜板角差Δrだけ正転側に傾動した状態になるようにしているのである。
【0058】
ここで、駆動モードの切換時における、HST21の油圧ポンプ斜板角度の補正制御について説明する。図11において回転数Raは、図5に示される点Xにおける油圧ポンプの回転数を示している。点Xにおいて、「HST駆動モード」から「HMT駆動モード」へ、もしくは「HMT駆動モード」から「HST駆動モード」へと切換が行われる場合には、HST21に掛かる負荷が変化する。これは、「HSTモード」と「HMTモード」のモード切換時にはHST21の油圧ポンプ22に対する力の掛かり方が変化するためである。すなわち、「HSTモード」では油圧ポンプ22が油圧モータ23を回転させているのに対し、「HMTモード」では油圧モータ23が回ろうとするのを油圧ポンプ22が抑えているのである。このため、駆動モード切換時に円滑な変速操作を行うためには、負荷による斜板角の修正(斜板角差Δrの補正)を行う必要がある。
【0059】
そこで、図12に示す如く、HST21に掛かる負荷に応じて油圧ポンプ22の可動斜板22aの斜板角を調節することにより、円滑な変速制御を行うことを可能としている。すなわち、駆動モードの切換時において、斜板角差Δrを補正することにより、円滑な変速を行うことを可能としているのである。詳しくは、斜板角差Δrを補正することにより、「HST駆動モード」から「HMT駆動モード」へ切換る際には、油圧ポンプの斜板を斜板角差Δrだけ正転側に傾動し、「HMT駆動モード」から「HST駆動モード」へと切換る際には、油圧ポンプの斜板を斜板角差Δrだけ中立側に傾動するようにしている。
【0060】
斜板角差ΔrはHST21に掛かる負荷の大きさにより生じるものである。前述の如く、エンジン20の出力軸は検出器83により認識されており、HST21の油圧ポンプの出力は検出器81により認識されている。また、HST21の油圧ポンプ斜板の角度はアクチュエータ86により認識されている。これにより、制御装置90において、HST21に掛かる負荷を認識し、これに基づいて、斜板角の補正に必要となる斜板角差Δrを算出するようにしている。すなわち、制御装置90は常にHST21に掛かる負荷を認識して、駆動モードの切換時において、負荷に対する可動斜板22aの斜板角の補正を行い、円滑な変速を実現できるようにしている。
【0061】
こうして、駆動モードの切換時に、HSTに掛かる負荷による容積効率の変化による車速の一時的な落ち込みを防止すべくHST21を減速側(HMTとしては増速側)に制御している。従って、第一の油圧パッククラッチ13の応答の時間遅れを原因とするHMT出力の回転数の不足を吸収すると共に、HST21の容積効率の変化をカバーするようにして、駆動モード切換の際(具体的には、該第一の油圧パッククラッチ13の実際の係合解除時)のショックを低減するようにしているのである。
【0062】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0063】
即ち、請求項1に示す如く、前部にHST(21)を配置し、後部に遊星歯車機構(10)を配置し、前記HST(21)と遊星歯車機構(10)により変速するHMT駆動モードと、HST(21)のみにより変速するHST駆動モードとを切り換え可能とした油圧−機械式変速装置において、制御装置(90)において、エンジン(20)の回転数を検出する検出器(83)、HST(21)の油圧モータ回転数を検出する検出器(81)、主変速レバー(84)の位置を検出する検出手段(84a)からの情報で、変速比による出力軸(27)の目標回転数(Mp)を算出し、車軸に連動している出力軸(27)の回転数を検出する検出器(82)から得られる実際の出力軸(27)の回転数(m)と、目標回転数(Mp)の差(M)(M=Mp−m)を算出し、該算出した差(M)の値を、HST(21)に掛かる負荷と推測し、差(M)の値と、補正値(Δr0)との対応関係を表すマップを予め作成し、制御装置(90)に記憶させておき、該マップに基づいて付 加に対応した補正値(Δr0)を定め、該補正値(Δr0)は車両を増速させようと主変速レバー(84)を操作するときは、HST(21)の減速側に可動斜板(22a)の傾斜角を補正する値とし、車両を減速させようと操作するときは増速側に傾斜角を補正する値とし、検出されたHST(21)に掛かる負荷の値に応じて決定した補正値(Δr0)だけ、HST斜板角をオフセット制御するので、HSTの容積効率の変化を原因とする車速の低下を防止でき、滑らかな加速又は減速が得られる。
【0064】
請求項2に示す如く、請求項1の油圧−機械式変速装置において、該補正値(Δr0)は、1回前の制御ループにおいて検出されたHST(21)に掛かる負荷に対応して決定される値とし、該補正値(Δr0)によるHST斜板角のフィードバック制御を、断続的に行うので、前記「HMT駆動モード」移行時のHSTの容積効率の変動が、HST作動油の温度や車軸に掛かる負荷によって異なることを加味した、状況に応じたキメの細かい制御を行うことができる。従って、様々な条件の下でも車速の一時的な落ち込みを防止でき、滑らかな加速及び減速が安定的に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 HMT式変速装置のスケルトン図。
【図2】 HSTの側面断面展開図。
【図3】 ミッション前部の側面断面展開図。
【図4】 HST斜板制御のための構成を示す説明図。
【図5】 車両の変速比とHST変速比との関係を示した図。
【図6】 HST変速比と時間との関係を示した図。
【図7】 制御装置の速度制御に係るメインフロー図。
【図8】 HST斜板角制御ブロックに係るフロー図。
【図9】 HSTモードからHMTモードへの切換時におけるフロー図。
【図10】 HSTモードからHMTモードへの切換時におけるHST斜板角の制御を示した図。
【図11】 油圧ポンプ斜板角度と油圧モータ単位時間当たりの回転数との関係を示す図。
【図12】 HSTの油圧ポンプ斜板角と変速比の関係を示す図。
【符号の説明】
13 第一の油圧パッククラッチ
14 第二の油圧パッククラッチ
20 エンジン
21 HST
22 油圧ポンプ
22a 可動斜板
23 油圧モータ
25 ポンプ出力軸
26 モータ出力軸
27 出力軸
81 検出器
82 検出器
84 主変速レバー(主変速操作手段)
84a 検出手段
86 アクチュエータ
90 制御装置

Claims (2)

  1. 前部にHST(21)を配置し、後部に遊星歯車機構(10)を配置し、前記HST(21)と遊星歯車機構(10)により変速するHMT駆動モードと、HST(21)のみにより変速するHST駆動モードとを切り換え可能とした油圧−機械式変速装置において、制御装置(90)において、エンジン(20)の回転数を検出する検出器(83)、HST(21)の油圧モータ回転数を検出する検出器(81)、主変速レバー(84)の位置を検出する検出手段(84a)からの情報で、変速比による出力軸(27)の目標回転数(Mp)を算出し、車軸に連動している出力軸(27)の回転数を検出する検出器(82)から得られる実際の出力軸(27)の回転数(m)と、目標回転数(Mp)の差(M)(M=Mp−m)を算出し、該算出した差(M)の値を、HST(21)に掛かる負荷と推測し、差(M)の値と、補正値(Δr0)との対応関係を表すマップを予め作成し、制御装置(90)に記憶させておき、該マップに基づいて付加に対応した補正値(Δr0)を定め、該補正値(Δr0)は車両を増速させようと主変速レバー(84)を操作するときは、HST(21)の減速側に可動斜板(22a)の傾斜角を補正する値とし、車両を減速させようと操作するときは増速側に傾斜角を補正する値とし、検出されたHST(21)に掛かる負荷の値に応じて決定した補正値(Δr0)だけ、HST斜板角をオフセット制御することを特徴とする油圧−機械式変速装置。
  2. 請求項1の油圧−機械式変速装置において、該補正値(Δr0)は、1回前の制御ループにおいて検出されたHST(21)に掛かる負荷に対応して決定される値とし、該補正値(Δr0)によるHST斜板角のフィードバック制御を、断続的に行うことを特徴とする油圧−機械式変速装置。
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