JP3191723B2 - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機

Info

Publication number
JP3191723B2
JP3191723B2 JP11678897A JP11678897A JP3191723B2 JP 3191723 B2 JP3191723 B2 JP 3191723B2 JP 11678897 A JP11678897 A JP 11678897A JP 11678897 A JP11678897 A JP 11678897A JP 3191723 B2 JP3191723 B2 JP 3191723B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
swash plate
lock
shaft
input
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11678897A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10311402A (ja
Inventor
憲嗣 紀ノ上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP11678897A priority Critical patent/JP3191723B2/ja
Publication of JPH10311402A publication Critical patent/JPH10311402A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3191723B2 publication Critical patent/JP3191723B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バス、トラック、
各種建設機械、もしくは、各種産業機械等に用いられる
無段変速機に関し、特に、ハイドロメカニカルトランス
ミッション(Hydro Mechanical Transmission ;以下、
「HMT」という)といわれる無段変速機に関する。こ
のHMTは、流体の静圧エネルギーを利用するハイドロ
スタティックトランスミッション(Hydro Static Trans
mission ;以下、「HST」という)と、メカニカルト
ランスミッション(以下、「MT」という)とを、遊星
歯車機構等を介して組み合わせることにより、無段階で
連続した変速を行うようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の無段変速機として
は、米国特許第4,341,131号公報、もしくは、
特開昭54−35560号公報により提案されたものが
知られている。これは、図1に示すように、可変斜板
(51)を有する油圧ポンプ(5)、及び、固定斜板
(61′)を有する油圧モータ(6)を互いに結合させ
たHST(4′)と、第1及び第2の2つの遊星歯車機
構(7′,8′)並びにこの各遊星歯車機構(7′,
8′)の作動条件を切換えるための第1〜第3の3つの
クラッチ機構(10,11,12)等を備えたMT
(3′)とを組み合わせたものである。そして、上記提
案の無段変速機は、上記2つの遊星歯車機構(7′,
8′)の各歯数比の関係を特定条件に設定し、かつ、3
つの運転モードに分けて運転する場合の各モード切換え
の際に上記可変斜板(51)を上記固定斜板(61′)
と同じ斜板角度(最大斜板角度)とする等の条件の下で
変速制御を行うものである。
【0003】通常、上記特許公報のHMTにおいては、
図2に示すように、上記HST(4′)の油圧ポンプ
(5)の可変斜板(51)がHMTの変速比に応じて3
つの運転モードに分けて変更制御され、これにより、例
えばエンジン等の駆動源からHMTの入力軸(1)に入
力される一定回転数の回転が、HMTの出力軸(2)に
対し回転数を無段階かつ連続的に変化させて伝達される
ようにシステムが設計されている。つまり、第1モー
ド,第2モード及び第3モードの3つの各運転モードに
おいて、HST(4′)の油圧ポンプ(5)の容量制御
を行うことにより、HMTの変速比が無段階かつ連続的
に変化するように制御されている。この場合、上記各運
転モードにおいて、上記油圧ポンプ(5)の可変斜板
(51)が、同図に二点鎖線で示すようにHMT変速比
に応じて最大斜板角度(例えば+17度と−17度)位
置と、中立位置(斜板角度ゼロ)との間で斜板角度が一
定の増減変更比率で徐々に増減変更制御される一方、上
記油圧モータ(6)の斜板は固定斜板(61′)とされ
て、その斜板角度は、同図に一点鎖線で示すように常に
上記の最大斜板角度になるようにされている。このよう
なHST(4′)の容量制御は、通常は、入力軸(1)
の入力回転数に対する出力軸(2)の出力回転数の入出
力回転数比をフィードバックすることによりその入出力
回転数比が上記HMT変速比に応じた所定の値になるよ
うに上記可変斜板(51)を傾転作動させてその斜板角
度を増減変更することにより行われている。そして、上
記可変斜板(51)が正転側または反転側の最大斜板角
度になって、その絶対値が固定斜板(61′)と同じ斜
板角度になる変速比位置(同図にI及びIII で示す回転
数と対応する変速比の位置)において、第1モードから
第2モードへの切換え、及び、第2モードから第3モー
ドへの切換えが行われるようになっている。
【0004】一方、上記のMT(3′)の側では、上記
第1モードで第1クラッチ機構(10)のみが接続状態
にされ、第2モードで第2クラッチ機構(11)のみが
接続状態にされ、第3モードで第3クラッチ機構(1
2)のみが接続状態にされるようになっており、各モー
ド切換えに際し各クラッチ機構(10,11,12)の
断続が切換えられるようになっている。そして、この各
クラッチ機構(10,11,12)の断続切換えの際
に、同じ回転数で同調し切換前後で連続した変速比で回
転伝達されるように上記第1及び第2の遊星歯車機構
(7′,8′)の各歯数比が次の特定関係を有するよう
に条件付けられている。すなわち、上記第1遊星歯車機
構(7′)の太陽歯車(71′)と内歯歯車(73′)
との間の歯数比をYとし、第2遊星歯車機構(8′)の
太陽歯車(81′)と内歯歯車(83′)との間の歯数
比をXとした場合に、 Y=X+1 の関係が成立するように条件付けられている(図3参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
無段変速機が搭載された車両が定速走行を維持する場合
にも、MT(3′)とHST(4′)との双方を介して
動力伝達を行う通常運転を継続するのでは伝達効率の面
で好ましくないため、このような場合には、上記の無段
変速機において、HST(4′)を介した動力伝達を遮
断して入力軸(1)から出力軸(2)への動力伝達をM
T(3′)のみを介したものに切換えることによりロッ
クアップ運転を行なわせるようにすることが考えられ
る。
【0006】しかし、上記の無段変速機では、ロックア
ップ運転を行う場合に、HST(4′)の可変斜板(5
1)の斜板角度の制御がHMTの入出力回転数比に基づ
いて行われているため、ロックアップ運転中は上記斜板
角度の制御が不能になってしまうという不都合が生じる
ことになる。このため、ロックアップ運転を解除して通
常運転に復帰する際に可変斜板(51)の通常運転にお
ける斜板角度の増減変更制御に戻すことができず、ロッ
クアップ運転を行うこと自体が不能になる。その上に、
ロックアップ運転中に上記可変斜板(51)の斜板角度
にずれを生じるおそれがあり、ずれが生じるとHST
(4′)の油圧ポンプ(5)と油圧モータ(6′)との
間を接続する連通路内の圧力(メイン圧)の異常上昇を
招くおそれがある。
【0007】ここで、このような不都合を回避するため
に、上記の通常運転時の容量制御において、可変斜板
(51)の斜板角度の検出値をフィードバックすること
により上記可変斜板(51)の斜板角度がHMT変速比
に対応する所定の斜板角度になるように上記斜板角度を
増減変更し、ロックアップ運転中及びロックアップ運転
を解除して通常運転に復帰する際にも上記斜板角度の検
出値に基づいて可変斜板(51)を復帰時の通常運転に
対応する斜板角度に制御するようにすることも考えられ
る。
【0008】しかし、この場合、ロックアップ運転を行
うこと自体は可能になるものの、上記可変斜板(51)
の斜板角度の検出のために斜板角度センサもしくは斜板
変位センサを新たに設ける必要があり、このセンサやア
ンプの新設にかなり高いコスト増や重量増を招くことに
なる。その上、上記の斜板角度センサや斜板変位センサ
には温度依存性があるため、HST(4′)内の油温上
昇によりセンサ精度の低下を招くおそれがあり、この検
出精度が低下した検出値に基づき斜板角度の制御を行う
結果、油圧ポンプ(5)からの吐出油量と油圧モータ
(6′)での吸収油量との間にずれが生じてメイン圧の
異常上昇を招いてしまうことにもなる。
【0009】また、上記のロックアップ運転中の可変斜
板(51)の斜板角度を制御する代わりに、その可変斜
板(51)を何等かのストッパーにより所定の斜板角度
の状態(例えば零度の中立位置)に機械的に固定するこ
とも考えられるが、このようにした場合、ロックアップ
運転中に可変斜板(51)の斜板角度の変動は生じない
ものの、ロックアップ運転を解除して通常運転に切換え
る際に切換ショックや異音等が発生することになる。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、斜板角度を検
出することなくロックアップ運転を可能にすることにあ
り、しかも、そのロックアップ運転中におけるHSTの
メイン圧の異常上昇を確実に防止し得るようにし、ま
た、ロックアップ運転から通常運転への復帰時の切換シ
ョックの発生を確実に解消し得るようにすることにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、次のような無段変速機を前
提とする。すなわち、動力源に接続される入力軸(1)
と、出力軸(2)と、上記入力軸(1)と出力軸(2)
との間に介装され複数のクラッチ機構(10,11,1
2,13,14)及び複数の遊星歯車機構(7,8,1
5)を備えた機械式トランスミッション(3)と、上記
入力軸(1)及び出力軸(2)に対し並列に配設され入
力側が上記入力軸(1)に接続され出力側が上記機械式
トランスミッション(3)を介して上記出力軸(2)に
接続された静液圧式トランスミッション(4)とを備え
たものを前提とする。さらに、上記静液圧式トランスミ
ッション(4)として、可変斜板(51)の斜板角度の
増減変更制御により上記入力軸(1)からポンプ軸(5
2)に入力する回転力を所定の吐出圧液に変換する入力
側の液圧ポンプ(5)と、所定の傾斜状態の斜板(6
1)により上記液圧ポンプ(5)からの吐出圧液を回転
力に変換してモータ軸(62)を回転させる出力側の液
圧モータ(6)とを備えたものを前提とする。加えて、
通常運転において上記機械式トランスミッション(3)
と、静液圧式トランスミッション(4)とを変速比に応
じて複数の運転モードに分けて作動させることにより、
上記入力軸(1)に入力する入力回転を無段階に変速さ
せて上記出力軸(2)に伝達するように構成された無段
変速機を前提とする。
【0012】このような前提の無段変速機において、請
求項1記載の発明は、上記静液圧式トランスミッション
(4)のモータ軸(62)を上記機械式トランスミッシ
ョン(3)に対し断続切換可能に連結するモータクラッ
チ機構(17)を備えるものとする。また、上記出力軸
(2)の回転数が特定回転数にある場合に、上記モータ
クラッチ機構(17)を遮断状態に切換えて上記モータ
軸(62)を空転状態にすることにより、上記入力軸
(1)から出力軸(2)に対し上記機械式トランスミッ
ション(3)を介してのみ動力伝達を行うロックアップ
運転に切換制御するロックアップ切換制御手段(18)
と、ロックアップ運転状態において液圧モータ(6)の
モータ軸(62)の空転回転数を検出するモータ回転数
検出手段(21)と、ロックアップ運転を解除して通常
運転に切換制御するロックアップ解除制御手段(18)
とを備えるものとする。そして、上記ロックアップ解除
制御手段(18)として、上記モータ回転数検出手段
(21)により検出された空転回転数が上記モータ軸
(62)との接続端である達機械式トランスミッション
(3)側の歯車(76)に対する噛み合い回転数に等し
くなるように液圧ポンプ(5)の可変斜板(51)の斜
板角度を変更制御する斜板補正制御部と、上記モータ軸
(62)の空転回転数が上記歯車(76)に対する噛み
合い回転数に等しくなった状態でモータクラッチ機構
(17)を遮断状態から接続状態に切換えるモータクラ
ッチ切換制御部とを備えた構成とするものである。
【0013】上記の構成の場合、通常運転において、M
T(3)の複数のクラッチ機構(10〜14)やHST
(4)の可変斜板(51)の斜板角度が変速比に応じて
複数の運転モードに分けて作動され、これにより、入力
軸(1)から入力する一定回転数の入力回転が無段階に
変速されて出力軸(2)に伝達される。
【0014】一方、その出力軸(2)の回転数が特定回
転数になるような変速比においては、ロックアップ切換
制御手段(18)が作動され、モータクラッチ機構(1
7)が遮断状態に切換えられる。これにより、HST
(4)の出力側であるモータ軸(62)とMT(3)と
が互いに分離されてモータ軸(62)からMT(3)へ
の動力伝達が完全に遮断されるため、液圧ポンプ(5)
の可変斜板(51)の斜板角度等のHST(4)側の状
態の如何に拘らずロックアップ運転への切換えが可能に
なる。そして、上記モータクラッチ機構(17)が遮断
状態に切換えられると、HST(4)の側では上記液圧
モータ(6)のモータ軸(62)が空転状態になる。す
なわち、HST(4)においては、入力軸(1)からの
入力回転数でポンプ軸(52)が強制的に回転駆動され
ることによりその時の可変斜板(51)の斜板角度に対
応する吐出量の吐出圧液が液圧モータ(6)に吐出さ
れ、液圧モータ(6)の各ピストン(64)が液圧モー
タ(6)の斜板(61)に対し上記吐出圧液により押し
付けられることによりモータ軸(62)が上記吐出量に
対応する回転数により無負荷状態で空転することにな
る。このため、上記可変斜板(51)の斜板角度が変動
してもHST(4)内部でメイン圧が異常上昇すること
もない。
【0015】そして、上記ロックアップ運転を解除して
通常運転に復帰させる際には、ロックアップ解除手段の
斜板補正制御部により、モータ軸(62)の空転回転数
に基づいて、この空転回転数がMT(3)側の歯車(7
6)に対する噛み合い回転数に等しくなるように可変斜
板(51)の斜板角度が変更制御され、次いで、モータ
クラッチ機構切換制御部によりモータクラッチ機構(1
7)が接続状態に切換えられることになるため、ロック
アップ運転を解除して通常運転に復帰させる際において
も、斜板角度を検出するためのセンサ等を用いることな
く、通常運転での可変斜板(51)の増減変更制御に迅
速に復帰させることが可能になる
【0016】請求項記載の発明は、次のような無段変
速機を前提とする。すなわち、動力源に接続される入力
軸(1)と、出力軸(2)と、上記入力軸(1)と出力
軸(2)との間に介装され複数のクラッチ機構(10,
11,12,13,14)及び複数の遊星歯車機構
(7,8,15)を備えた機械式トランスミッション
(3)と、上記入力軸(1)及び出力軸(2)に対し並
列に配設され入力側が上記入力軸(1)に接続され出力
側が上記機械式トランスミッション(3)を介して上記
出力軸(2)に接続された静液圧式トランスミッション
(4)とを備えたものを前提とする。さらに、上記静液
圧式トランスミッション(4)として、可変斜板(5
1)の斜板角度の増減変更制御により上記入力軸(1)
からポンプ軸(52)に入力する回転力を所定の吐出圧
液に変換する入力側の液圧ポンプ(5)と、所定の傾斜
状態の斜板(61)により上記液圧ポンプ(5)からの
吐出圧液を回転力に変換してモータ軸(62)を回転さ
せる出力側の液圧モータ(6)と、上記液圧ポンプ
(5)と液圧モータ(6)との間を上記吐出圧液が供給
・環流されるよう閉回路として構成された一対の連通路
(57a,57b)とを備えたものを前提とする。加え
て、通常運転において上記機械式トランスミッション
(3)と、静液圧式トランスミッション(4)とを変速
比に応じて複数の運転モードに分けて作動させることに
より、上記入力軸(1)に入力する入力回転を無段階に
変速させて上記出力軸(2)に伝達するように構成され
た無段変速機を前提とする。
【0017】このような無段変速機において、請求項
記載の発明は、上記出力軸(2)の回転数が特定回転数
にある場合に、上記静液圧式トランスミッション(4)
を介した上記出力軸(2)に対する動力伝達を非伝達状
態に切換えることにより上記入力軸(1)から出力軸
(2)への動力伝達を上記機械式トランスミッション
(3)を介してのみ行うロックアップ運転に切換制御す
るロックアップ切換制御手段(18)を備えるととも
に、該ロックアップ切換制御手段(18)により切換え
られたロックアップ運転状態において上記液圧ポンプ
(5)と液圧モータ(6)との間の一対の連通路(57
a,57b)内の両液圧が互いに等しくなるように上記
液圧ポンプ(5)の可変斜板(51)の斜板角度を変更
制御するロックアップ運転時制御手段(18または2
2)を備える。
【0018】さらに、上記ロックアップ運転時制御手段
が、上記液圧ポンプ(5)と液圧モータ(6)との間の
一対の連通路(57a,57b)内の両液圧の差圧が零
になるよう上記液圧ポンプ(5)の可変斜板(51)の
斜板角度を変更する斜板角度変更機構(22)により構
成されていて、この斜板角度変更機構(22)が、その
進退作動により上記可変斜板(51)を傾転作動させる
ようその可変斜板に接続されたピストンシリンダ(2
0)と、このピストンシリンダ(20)の前進側作動室
(20a)に上記一対の連通路(57a,57b)の内
の一方の連通路内の液圧を作用させる第1導入管路(2
22a)と、上記ピストンシリンダ(20)の後進側作
動室(20b)に他方の連通路内の液圧を作用させる第
2導入管路(222b)とを備えた構成とするものであ
る。
【0019】上記の構成の場合、上記請求項1記載の発
明の場合と同様に通常運転が行われ、その通常運転の途
中で出力軸(2)の回転数が特定回転数となる変速比に
おいて、ロックアップ切換制御手段によりHST(4)
を介したMT(3)側への動力伝達が非伝達状態に切換
えられて出力軸(2)への動力伝達がMT(3)のみを
介して行われるロックアップ運転に切換えられる。
【0020】そして、このロックアップ運転状態では、
モータ軸(62)がMT(3)に対して従動することに
なるが、ロックアップ運転時制御手段(18)により、
液圧ポンプ(5)と液圧モータ(6)との間の一対の連
通路内の両液圧、すなわち、両メイン圧が互いに等しく
なるように可変斜板(51)の斜板角度が変更制御され
ることになる。この結果、液圧ポンプ(5)から液圧モ
ータ(6)に対し一方の連通路を通して吐出(供給)さ
れる吐出圧液の吐出圧(メイン圧A)と、液圧モータ
(6)から吐出(排出)されて他方の連通路を通して上
記液圧ポンプ(5)に環流される吐出圧液の吐出圧(メ
イン圧B)とが常に等しくなるため、ロックアップ運転
中におけるHST(4)内部でのメイン圧の異常上昇発
生のおそれが確実に解消されることになる。しかも、斜
板角度を検出するためのセンサ等を用いることなくロッ
クアップ運転期間中の可変斜板(51)の斜板角度を制
御することが可能になる上に、ロックアップ運転を解除
して通常運転へ復帰させる際の可変斜板(51)の増減
変更制御への移行をも迅速に行い得る。
【0021】また、上記の構成では、上記ロックアップ
運転時制御手段による可変斜板(51)の斜板角度の変
更制御を斜板角度変更機構(22)により行うための一
手段が具体的に特定される。この場合、可変斜板(5
1)の傾転作動用のピストンシリンダの前進側作動室に
対し第1導入管路を通して一方の連通路内の吐出圧(例
えばメイン圧A)が導入され、上記ピストンシリンダの
後進側作動室に対し第2導入管路を通して他方の連通路
内の吐出圧(例えばメイン圧B)が導入されると、上記
ピストンシリンダのピストンは前進側及び後進側作動室
の両液圧(メイン圧Aとメイン圧B)に差圧があれば、
その差圧が零になる位置まで前進もしくは後進して上記
両液圧が均圧状態になって静止することになる。
【0022】従って、可変斜板(51)は上記ピストン
が静止するまでの前進もしくは後進に伴い斜板角度が変
更され、ピストンが静止した時の斜板角度で上記メイン
圧Aとメイン圧Bとが互いに等しい状態になる。これに
より、上記の比較的高圧の各メイン圧を検出するための
高圧センサ等を設置することなく、斜板角度変更機構
(22)を用いてロックアップ運転中の両メイン圧を自
動的に等圧にすることが可能になる
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。 <第1実施形態> 図4は本発明の実施形態に係る無段変速機であるHMT
を示し、同図中、1は動力源としてのエンジン(図示省
略)に接続されてエンジンからの一定回転数の回転が入
力される入力軸(1)、2は最終減速機(図示省略)を
経て駆動輪(図示省略)等に接続される出力軸、3は上
記入力軸(1)と出力軸(2)との間に介装された機械
式トランスミッションとしてのMTである。また、4は
上記入力軸(1)、MT(3)、及び、出力軸(2)に
対し並列に配設された静液圧式トランスミッションとし
てのHSTであって、このHST(4)は可変斜板(5
1)を有する入力側の液圧ポンプ(5)と、主として最
大斜板角度に固定される斜板(61)を有する出力側の
液圧モータ(6)とを備えている。さらに、15は上記
入力軸(1)の回転数を減速してMT(3)の入力側に
入力する入力回転数減速機構としての第3遊星歯車機
構、13はこの第3遊星歯車機構(15)による減速機
能を作動状態にする第4クラッチ機構、14は上記第3
遊星歯車機構(15)による減速機能を非作動状態にす
る第5クラッチ機構であり、第4及び第5クラッチ機構
(13,14)によって上記第3遊星歯車機構(15)
による減速機能を作動状態と非作動状態とに切換える切
換機構が構成されている。加えて、17はHST(4)
のモータ軸(62)の出力端とMT(3)との間を断続
切換可能に連結するモータクラッチ機構、18は通常運
転時制御手段、ロックアップ切換制御手段及びロックア
ップ解除制御手段等を備えたコントロールユニットであ
る。
【0024】−MTの構成− 上記MT(3)は、第1遊星歯車機構(7)と、第2遊
星歯車機構(8)と、入力軸(1)及び出力軸(2)と
同軸に配設された中間軸(9)と、第1〜第3の3つの
クラッチ機構(10,11,12)とを備えたものであ
り、このMT(3)の入力側に上記第4及び第5クラッ
チ機構(13,14)と第3遊星歯車機構(15)とが
付設されている。以下、各機構(7,8,10,11,
12,13,14,15)について詳細に説明する。
【0025】上記第1遊星歯車機構(7)は、第1太陽
歯車(71)と、この第1太陽歯車(71)と噛み合う
第1遊星歯車(72)と、この第1遊星歯車(72)と
噛み合う第1内歯歯車(73)と、上記第1遊星歯車
(72)を保持する第1キャリア(74)とを備えてい
る。また、上記第2遊星歯車機構(8)は、上記中間軸
(9)に形成された第2太陽歯車(81)と、この第2
太陽歯車(81)と噛み合う第2遊星歯車(82)と、
この第2遊星歯車(82)と噛み合う第1内歯歯車(8
3)と、上記第2遊星歯車(82)を保持する第2キャ
リア(84)とを備えている。
【0026】そして、上記第1太陽歯車(71)は、出
力軸(2)に対し相対回転可能に外挿された環状の接続
軸(75)を介して歯車(76)と一体的に形成されて
おり、この歯車(76)と、後述の歯車(66)とを介
して上記液圧モータ(6)と接続されている。また、上
記第1キャリア(74)は管状部材(77)に取付けら
れており、この管状部材(77)の内周面には上記第2
内歯車(83)が形成され、これにより、第1遊星歯車
(72)と第2内歯歯車(83)とが互いに同期して回
転するようになっている。さらに、上記第1内歯歯車
(73)は鍔状部材(78)の外周側に形成され、この
鍔状部材(78)には上記第2キャリア(84)が取付
けられている。この鍔状部材(78)は上記出力軸
(2)に一体的に取付けられており、これにより、上記
第2遊星歯車(82)は上記第1内歯歯車(73)と同
期して回転し、かつ、上記第1内歯歯車(73)及び第
2遊星歯車(82)が出力軸(2)と結合されるように
なっている。
【0027】上記第1クラッチ機構(10)は、複数の
クラッチプレート(101)と、この各クラッチプレー
ト(101)を間に挟む複数のプレッシャープレート
(102)とを備えている。各プレッシャープレート
(102)は本HMTのケーシング(19)(図4にの
み示す)である非回転部(103)に相対回転が阻止さ
れた状態で固定されており、これにより、上記第1クラ
ッチ機構(10)は接続状態にすることによりブレーキ
力を付与するようになっている。上記各クラッチプレー
ト(101)は上記管状部材(77)の周囲に取付けら
れており、これにより、上記第1クラッチ機構(10)
は、第1遊星歯車(72)と第2内歯歯車(83)とを
上記非回転部(103)に対し断続切換可能に連結する
ようになっている。
【0028】上記第2クラッチ機構(11)は、中間軸
(9)の外周囲に取付けられた複数のクラッチプレート
(111)と、筒状部材(112)の内周面に設けられ
たプレッシャープレート(113)とを備えている。上
記筒状部材(112)は第4クラッチ機構(13)及び
第3遊星歯車機構(15)を介して入力軸(1)と連結
されており、これにより、上記第2クラッチ機構(1
1)は第2太陽歯車(81)に対し接続状態の第4クラ
ッチ機構(13)から入力する減速回転数の回転を断続
切換可能に伝達するようになっている。
【0029】上記第3クラッチ機構(12)は、上記管
状部材(77)の外周囲に取付けられた複数のクラッチ
プレート(121)と、上記筒状部材(112)の内周
面に設けられたプレッシャープレート(122)とを備
えたものであり、これにより、上記第1遊星歯車(7
2)と第2内歯歯車(83)とに対し減速回転数の回転
を断続切換可能に伝達するようになっている。
【0030】また、上記第3遊星歯車機構(15)は、
入力軸(1)に対し後述の歯車(114)と併設して固
定された第3太陽歯車(151)と、この第3太陽歯車
(151)と噛み合う第3遊星歯車(152)と、この
第3遊星歯車(152)と噛み合いかつ上記ケーシング
(19)である非回転部(154)に相対回転が阻止さ
れた状態で固定された第3内歯歯車(153)と、上記
第3遊星歯車(152)を保持する第3キャリア(15
5)とを備えている。そして、上記第3遊星歯車機構
(152)の各歯車(151,152,153)は、第
3太陽歯車(151)に入力する入力軸(1)の入力回
転数を所定の減速比で減速した減速回転数にして上記第
3キャリア(155)を回転させるように歯数設定がさ
れている。
【0031】そして、上記第4クラッチ機構(13)
は、上記第3キャリア(155)の外周囲に取付けられ
た複数のクラッチプレート(131)と、上記筒状部材
(112)の内周面に設けられたプレッシャープレート
(132)とを備えている。そして、この第4クラッチ
機構(13)は、接続状態にされることにより第2及び
第3クラッチ機構(11,12)の入力端側である筒状
部材(112)に対し、上記減速回転数の回転を伝達さ
せるようになっている。
【0032】加えて、上記第5クラッチ機構(14)
は、上記入力軸(1)の先端部に固定された環状部材
(140)と、この環状部材(140)の内周面に設け
られたプレッシャープレート(142)と、中間軸
(9)の外周囲に取付けられた複数のクラッチプレート
(141)とを備えている。そして、この第5クラッチ
機構(14)は、接続状態にされることにより中間軸
(9)を介して第2太陽歯車(81)を入力軸(1)と
直結してこの入力軸(1)の回転数を上記第2太陽歯車
(81)に伝達するようになっている。
【0033】このような構造において、上記第1及び第
2の両遊星歯車機構(7,8)の各要素の歯数比と、上
記第3遊星歯車機構(15)による減速比とが以下の関
係を有するように設定されており、これにより、後述の
第1〜第4モードの4つの運転モードの切換前後で実質
的に連続した伝達比を与えるようになっている。すなわ
ち、図5の遊星速度線図に示すように、第1太陽歯車
(71)と第1内歯歯車(73)との間の歯数比をYと
し、第2太陽歯車(81)と第2内歯歯車(83)との
間の歯数比をXとした場合に、Y=X+1の関係が成立
するように設定されている。加えて、上記減速比が、Y
/(2X+Y+2)で表される値となるように設定され
ている。そして、上記歯数比Xが略2に、従って、歯数
比Yが略3にそれぞれ設定され、上記減速比が略1/3
に設定されている。従って、入力軸(1)からの入力回
転数をNi とすると、減速回転数NirはNi /3とな
る。
【0034】−HSTの構成− 一方、上記HST(4)は互いにほぼ同じ構成の一対の
油圧ユニットにより構成されるものであり、エンジンか
らの回転力が入力される入力側の油圧ユニットを液圧ポ
ンプ(5)と呼び、変速後の回転力が出力される出力側
の油圧ユニットを液圧モータ(6)と呼ぶものである。
【0035】上記液圧ポンプ(5)は、図6にも示すよ
うに、スプラインを介してポンプ軸(52)と一体に回
転するシリンダブロック(53)と、このシリンダブロ
ック(53)内に円周方向に列状に収容された複数の往
復動ピストン(54,54,…)と、上記シリンダブロ
ック(53)に対し非回転状態で液密に結合された非回
転ブロック(55)と、この複数の往復動ピストン(5
4,54,…)の往復動の行程を調整する可変斜板(5
1)とを備えている。そして、上記ポンプ軸(52)に
連結された歯車(56)が入力軸(1)の歯車(11
4)に噛み合わされ、これにより、上記ポンプ軸(5
2)にも上記入力軸(1)を介してエンジンからの回転
力が入力するようになっている。また、上記非回転ブロ
ック(55)の内部には、上記複数の往復動ピストン
(54,54,…)の各シリンダ室(54a)と連通可
能な2つの円弧状の開口(55a,55b)(Aキドニ
ー及びBキドニー;図7参照)が形成され、このAキド
ニー(55a)もしくはBキドニー(55b)は、後述
の液圧モータ(6)側の非回転ブロック(65)の対応
するAキドニー(65a)もしくはBキドニー(65
b)とそれぞれ連通路(57a,57b)を介して連通
されている。以後、上記Aキドニー(55a,65a)
間の連通路(57a)内の液圧をメイン圧Aといい、上
記Bキドニー(55b,65b)間の連通路(57b)
内の液圧をメイン圧Bという。
【0036】さらに、上記可変斜板(51)は、上記ポ
ンプ軸(52)の位置を横切る直径を回転軸(P)とし
て、斜板角度がゼロとなる中立位置(N)を挟んで最大
斜板角度(例えば絶対値で17度)となる両最大傾斜角
度位置(M,M′)の間をアクチュエータ(20)の作
動により傾動可能となっており、この可変斜板(51)
の斜板角度がコントロールユニット(18)内の通常運
転時制御手段によって第1〜第4の4つの運転モードに
応じた所定の増減変更比率で連続的に増減変更されると
ともに、上記コントロールユニット(18)内のロック
アップ解除制御手段の第1及び第2斜板補正制御部から
の制御信号を受けて上記可変斜板(51)の斜板角度を
制御するようになっている。
【0037】また、上記液圧モータ(6)は、スプライ
ンを介してモータ軸(62)と一体に回転するシリンダ
ブロック(63)と、このシリンダブロック(63)内
に円周方向に列状に収容された複数の往復動ピストン
(64,64,…)と、上記シリンダブロック(63)
に対し非回転状態で液密に結合された非回転ブロック
(65)と、この複数の往復動ピストン(64,64,
…)の往復動の行程を調整する斜板(61)とを備えて
いる。そして、上記モータ軸(62)の出力端側がモー
タクラッチ機構(17)を介して歯車(66)と連結さ
れ、この歯車(66)が、第1太陽歯車(71)と一体
の接続軸(75)に結合された歯車(76)に噛み合わ
され、これにより、上記モータ軸(62)からの回転力
が接続状態にされたモータクラッチ機構(17)を介し
て第1太陽歯車(71)に伝達されるようになってい
る。そして、上記非回転ブロック(65)の内部には、
上記の他の非回転ブロック(55)と同様に、上記複数
の往復動ピストン(64,64,…)の各シリンダ室
(64a)と連通可能なAキドニー(65a)及びBキ
ドニー(65b)(図7参照)が形成されている。ま
た、上記斜板(61)は、第1〜第3モードにおいては
最大斜板角度(17度)に固定され、第4モードの最高
変速比域においては斜板角度が上記コントロールユニッ
ト(18)内の通常運転時制御手段からの指令を受けた
斜板角度変更機構(16)により徐々に低減されるよう
になっている。
【0038】上記斜板角度変更機構(16)は、圧油に
より作動されるアクチュエータにより構成されており、
非作動状態で上記斜板(61)を最大斜板角度位置に保
持する一方、上記コントロールユニット(18)からの
作動信号を受けて例えばHST(4)にチャージ油を供
給する図示省略のチャージポンプからのチャージ圧が導
入され、これにより、上記最大斜板角度位置の斜板(6
1)を押して傾動させるようになっている。
【0039】上記モータクラッチ機構(17)は、図8
に詳細を示すように、軸受(661)を介してモータ軸
(62)に対し回転自在に配設された歯車(66)の側
に設けられた複数のクラッチプレート(171)と、モ
ータ軸(62)の出力端に非回転状態に連結された鍔状
部材(621)の内周面に設けられたプレッシャープレ
ート(172)と、このプレッシャープレート(17
2)を押圧するピストン部材(173)と、このピスト
ン部材(173)を解除側(遮断側)に押圧するばね部
材(174)と、作動油が供給されて上記ピストン部材
(173)を係合側(接続側)に押圧するクラッチ室
(175)とを備えている。そして、このモータクラッ
チ機構(17)は、接続状態にされることによりモータ
軸(62)と歯車(66)とが一体に回転されて歯車
(76)を介してHST(4)からの回転動力を接続軸
(75)に伝達させる一方、遮断状態にされることによ
り上記モータ軸(62)と歯車(66)とは互いに自由
に相対回転可能となってHST(4)の出力側とMT
(3)とが互いに分離されるようになっている。なお、
図8中21は上記モータ軸(62)の回転数を検出する
モータ回転数検出手段としての回転数センサであり、こ
の回転数センサ(21)は後述の如くロックアップ運転
から通常運転に復帰させる際に上記モータ軸(62)の
空転回転数を検出するために用いられる。
【0040】ここで、上記のHST(4)の作動原理に
ついて概説すると、エンジンからの回転が入力軸
(1)、歯車(114)及び歯車(56)を介してポン
プ軸(52)に伝達されても、可変斜板(51)が中立
位置Nに位置している場合には各ピストン(54)がス
トロークしないため、各シリンダ(54a)内の作動油
は液圧モータ(6)側には吐出されずに、シリンダブロ
ック(53)は空転状態になる。ところが、上記可変斜
板(51)が最大傾斜位置M側に傾くと、その斜板角度
に応じて各ピストン(54)がストロークしこのストロ
ークに応じた吐出量の圧油が一方のキドニー(55aま
たは55b)及び一方の連通路(57aまたは57b)
を通して液圧モータ(6)の各シリンダ室(64a)に
吐出されることになる。この吐出量の圧油を受けた上記
液圧モータ(6)の各ピストン(64)が傾斜状態の斜
板(61)を押すことにより、シリンダブロック(6
3)が上記吐出量に応じた回転数で回転し、この回転が
モータ軸(62)、歯車(66)及び歯車(76)を経
て第1太陽歯車(71)に伝達される。そして、上記シ
リンダブロック(63)から他方のキドニー(65bま
たは65a)及び他方の連通路(57bまたは57a)
を通して液圧ポンプ(5)側に戻される。この際、上記
可変斜板(51)が(+)側の最大傾斜位置M側の斜板
角度であると、液圧モータ(6)のシリンダブロック
(63)は入力回転と同方向に正転し、逆に、上記可変
斜板(51)が(−)側の最大傾斜位置M′側の斜板角
度であると、上記シリンダブロック(63)は入力回転
と逆方向に逆転するようになる。
【0041】−通常運転におけるMT及びHSTの運転
− MT(3)とHST(4)とは変速比に応じて区分され
た4つの運転モード、すなわち、発進から低変速比域
(低速域)の第1モードと、中低変速比域(中低速域)
の第2モードと、中高変速比域(中高速域)の第3モー
ドと、高変速比域(高速域)の第4モードとの4つの運
転モードに分けてコントロールユニット(18)内の通
常運転時制御手段により作動制御されるようになってい
る。
【0042】この通常運転時制御手段は第1〜第5の各
クラッチ機構(10〜14)の作動制御と、アクチュエ
ータ(20)の作動制御による可変斜板(51)の斜板
角度の増減変更制御とを入出力回転数比に基づいて行う
ようになっている。すなわち、実際の入出力回転数比を
検出し、この検出入出力回転数比をフィードバックする
ことにより、上記各クラッチ機構(10〜14)及び斜
板角度がHMT変速比に対する特性として予め設定され
た各クラッチ作動特性及び斜板角度特性になるように制
御するようになっている。なお、上記検出入出力回転数
比は、入力軸(1)に入力する入力回転数としてエンジ
ンの作動制御において回転数センサにより検出される回
転数を用い、出力軸(2)の出力回転数としてその出力
軸(2)に設けられた回転数センサにより検出された回
転数を用い、両回転数の出力を受けてコントロールユニ
ット(18)で演算するようになっている。また、この
通常運転においては、モータクラッチ機構(17)は接
続状態に維持されている。
【0043】まず、上記MT(3)における各運転モー
ドにおける各クラッチ機構(10〜14)の断続切換制
御を、図9の下半部及び図4を参照しつつ説明する。
【0044】上記第1モードでは、第1クラッチ機構
(10)及び第4クラッチ機構(13)のみが接続状態
にされ、これにより、入力軸(1)からの回転入力はH
ST(4)側にのみ入力軸回転数Ni が伝達され、出力
軸(2)はHST(4)からの伝達力のみによって回転
されることになる。一方、MT(3)においては、接続
状態の第4クラッチ機構(13)により筒状部材(11
2)が空転作動状態にされるものの、第1遊星歯車(7
2)が一体に取付けられた管状部材(77)は第1クラ
ッチ機構(10)により非回転部(103)と連結され
て非回転状態に固定されることになる。なお、上記の第
4クラッチ機構(13)は、上記の如く筒状部材(11
2)を空転させるのみであるため、第1モードにおいて
は必ずしも接続状態にする必要はなく、第1モードで既
に第4クラッチ機構(13)を接続状態にしているの
は、第1モードから第2モードへのモード切換時点で必
要となる第4クラッチ機構(13)の接続を予め準備し
ているにすぎない。
【0045】上記第2モードでは、第2クラッチ機構
(11)及び第4クラッチ機構(13)のみが接続状態
にされ、これにより、入力軸(1)からの回転入力はH
ST(4)に対し入力軸回転数Ni が伝達される一方、
中間軸(9)に対し第3遊星歯車機構(15)、第4ク
ラッチ機構(13)及び第2クラッチ機構(11)を介
して減速回転数Nirが伝達される。そして、出力軸
(2)は第2遊星歯車機構(8)を介した中間軸(9)
からの伝達力と、第1遊星歯車機構(7)を介したHS
T(4)からの伝達力との合成力によって回転される。
【0046】また、上記第3モードでは、第3クラッチ
機構(11)及び第4クラッチ機構(13)のみが接続
状態にされ、これにより、入力軸(1)からの回転入力
はHST(4)に対し入力軸回転数Ni が伝達される一
方、管状部材(77)に対し第3遊星歯車機構(1
5)、第4クラッチ機構(13)及び第3クラッチ機構
(12)を介して減速回転数Nirが伝達される。そし
て、出力軸(2)は第1遊星歯車機構(7)の第1遊星
歯車のキャリア(74)を介した管状部材(77)から
の伝達力と、第1遊星歯車機構(7)の第1太陽歯車
(71)を介したHST(4)からの伝達力との合成力
によって回転される。
【0047】さらに、上記第4モードでは、第3クラッ
チ機構(12)及び第5クラッチ機構(14)のみが接
続状態にされ、これにより、入力軸(1)からの回転入
力はHST(4)に対し入力軸回転数Ni が伝達される
一方、第2太陽歯車(81)に対し第5クラッチ機構
(14)を介して入力軸回転数Ni がそのまま伝達され
る。そして、出力軸(2)は第2遊星遊星歯車機構
(8)の第2キャリア(84)からの伝達力と、第1遊
星歯車機構(7)の第1太陽歯車(71)を介したHS
T(4)からの伝達力との合成力によって回転される。
なお、上記第3クラッチ機構(12)を接続状態にして
いるのは、後述の回転数でのロックアップ作動で必要
となる第2クラッチ機構(11)の接続を準備している
に過ぎない。
【0048】一方、上記HST(4)における可変斜板
(51)の作動制御を同様に図9に基づいて説明する。
なお、液圧モータ(6)の斜板(61)は、第1モー
ド、第2モード、第3モード及び第4モード低速側の各
変速比(回転数比)域の範囲において斜板角度変更機構
(16)が非作動状態にされて最大斜板角度(例えば1
7度)の一定角度に固定される。そして、上記第4モー
ド高速側の範囲において、上記斜板角度変更機構(1
6)が作動されて上記斜板(61)の斜板角度は徐々に
小さく変更されるようになっている。
【0049】液圧ポンプ(5)の可変斜板(51)の斜
板角度は、第1モードでは、発進時の中立位置(斜板角
度ゼロ)から高変速比側に移行するにつれて徐々に傾動
されて第2モードとの第1切換回転数(出力軸の回転
数)に対応する第1切換変速比(回転数比)で最大傾斜
の−17度になるような増減変更比率でHMT変速比の
増大に応じて(−)側に連続的に傾動される。
【0050】第2モードでは、上記斜板角度(−17
度)から絶対値で上記第1モードと同じ増減変更比率で
(+)側に連続的に傾動され、上記第2モードの中央変
速比(中間回転数)で可変斜板(51)が中立位置に
なり、それを過ぎて同様に傾動されて第3モードとの切
換回転数に対応する第2切換変速比において斜板角度
は+17度に至る。
【0051】また、第3モードでは、上記第2切換変速
比において上記の増減変更比率と同じ増減変更比率で
(−)側に傾動するように切換えられ、第3モードの中
央変速比(中間回転数)で上記可変斜板(51)が中
立位置に戻り、それを過ぎて同様に傾動されて第4モー
ドとの切換回転数に対応する第3切換変速比において
斜板角度は−17度に至る。
【0052】さらに、第4モードでは、上記第3切換変
速比において上記の増減変更比率と同じ増減変更比率で
(+)側に傾動するように切換えられ、第4モードの中
央変速比(中間回転数)で上記可変斜板(51)が中
立位置に戻り、それを過ぎて同様に傾動され、斜板角度
が+17度に至ると、次に、液圧モータ(6)の斜板
(61)の斜板角度を徐々に小さく変更して最大変速比
の回転数に至る。
【0053】以上の如きコントロールユニット(18)
による第1〜第5クラッチ機構(10〜14)の断続切
換制御と、可変斜板(51)の斜板角度の増減変更制御
とによって、上記第1モードにおける前進側の変速範囲
は図5の矢印M1 で示す範囲に、上記第2モードにおけ
る変速範囲は同図の矢印M2 で示す範囲に、上記第3モ
ードにおける変速範囲は同図の矢印M3 で示す範囲に、
上記第4モードにおける変速範囲は同図の矢印M4 で示
す範囲にそれぞれなり、出力軸(2)の回転数は第1モ
ードから第4モードまでにわたり無段階で連続して変化
されることになる。
【0054】−ロックアップ運転におけるMT及びHS
Tの運転− 上記の図5もしくは図9において、ロックアップ作動は
出力軸(2)の回転数が各モード間の切換変速比に対応
する切換回転数,,と、可変斜板(51)が中立
位置に位置付けられる各中央変速比に対応する中間回転
数,,と、第4モードの最大変速比に対応する最
大回転数との7つの特定回転数にある時に、すなわ
ち、7つのロックアップ作動点においてコントロールユ
ニット(18)内のロックアップ切換制御手段により通
常運転からロックアップ運転への切換制御が行われるよ
うになっている。なお、上記通常運転からロックアップ
運転への切換判定は、出力軸(2)の回転数が上記のい
ずれかの特定回転数にあって、アクセル変動量(踏み込
み量の変化割合)が所定の設定値内の小値であること、
もしくは、車両速度の変化割合が所定の設定値内の小値
であること等の条件を満足することによりロックアップ
作動を行うように決定される。そして、上記ロックアッ
プ運転への切換後、上記のロックアップ切換判定におけ
る各条件を外れる場合には、ロックアップ解除指令が発
せられてロックアップ解除制御手段によりロックアップ
運手を解除して通常運転への復帰が行われる。
【0055】上記ロックアップ切換制御手段ではロック
アップ運転への切換判定条件を満足することによりモー
タクラッチ機構(17)を接続状態から遮断状態に切換
えるという基本制御が行われる。この際、各モード切換
点及び第4モードの最高変速比における各ロックアップ
作動点(回転数,,,)においては、以下のよ
うに各クラッチ機構(10〜14)の作動制御を行う。
すなわち、図9に黒丸で示すように切換回転数におけ
るロックアップ運転では第1モードと第2モードとの切
換前後の第1クラッチ機構(10)及び第2クラッチ機
構(11)をダブルクラッチ作動状態にしかつ第4クラ
ッチ機構(13)を接続状態に維持し、切換回転数に
おけるロックアップ運転では、第2モードと第3モード
との切換前後の第2クラッチ機構(11)及び第3クラ
ッチ機構(12)をダブルクラッチ作動状態にしかつ第
4クラッチ機構(13)を接続状態に維持し、切換回転
数におけるロックアップ運転では第3モードと第4モ
ードとの切換前後の第3クラッチ機構(12),第4ク
ラッチ機構(13)及び第5クラッチ機構(14)の3
者をトリプルクラッチ作動状態に維持し、最大回転数
におけるロックアップ運転は、第2クラッチ機構(1
1)を接続状態に切換えかつ第3クラッチ機構(12)
及び第5クラッチ機構(14)を接続状態に維持するよ
うに制御する。一方、中間回転数におけるロックアップ
作動点(回転数,,)においては、通常運転にお
けるクラッチ機構の作動状態を継続する。
【0056】上記のモータクラッチ機構(17)の遮断
状態への切換えにより、モータ軸(62)と歯車(6
6)とが互いに切り離されるため、入力軸(1)から出
力軸(2)への回転動力の伝達はMT(3)のみを介し
て行われることになる。そして、上記モータ軸(62)
は入力軸(1)からポンプ軸(52)に対し回転動力が
伝達されても空転状態になる。
【0057】ここで、上記切換回転数,,,の
ロックアップ作動点においては、ロックアップ運転に切
換えられる際の通常運転において可変斜板(51)の斜
板角度が最大斜板角度まで傾動されているため、ポンプ
軸(52)が入力軸(1)からの入力回転を受けて回転
されることにより液圧モータ(6)に対し作動油が吐出
されその吐出油によりモータ軸(62)が回転されるこ
とになる。この際、そのモータ軸(62)は上記の如く
自由に空転可能な状態になっているため、上記油圧ポン
プ(5)からの吐出油量が過不足なく油圧モータ(6)
でモータ軸(62)を回転作動させるために消費される
ため、HST(4)内でメイン圧が異常上昇することは
ない。
【0058】一方、上記中間回転数,,のロック
アップ作動点においては、ロックアップ運転に切換えら
れる際の通常運転において可変斜板(51)の斜板角度
が略零とされているため、ポンプ軸(52)が入力軸
(1)からの入力回転を受けて回転されても、油圧ポン
プ(5)から油圧モータ(6)への作動油の吐出はない
状態になり、ポンプ軸(52)が空転状態になりモータ
軸(62)が停止した状態となる。そして、ロックアッ
プ運転期間中に上記可変斜板(51)の斜板角度が零の
状態から(+)側もしくは(−)側に僅かに変動して油
圧ポンプ(5)からの吐出油によりモータ軸(62)が
僅かに回転作動されたとしても、そのモータ軸(62)
は上記の停止状態から僅かに回転するだけであり、HS
T(4)内でメイン圧が異常上昇することはない。
【0059】−ロックアップ運転から通常運転への復帰
− ロックアップ解除制御手段は、後述の第1斜板補正制御
部と、モータクラッチ機構切換制御部と、トルク推定部
と、第2斜板補正制御部とを基本部分として備えるもの
である。
【0060】このロックアップ解除制御手段による制御
は、上記第1斜板補正制御部とモータクラッチ機構切換
制御部との制御によりロックアップ解除指令を受けてモ
ータクラッチ機構(17)を遮断状態から接続状態(O
N状態)へ切換えることを基本とするものであるが、運
転モードの切換回転数,,でのロックアップ運転
の場合には上記の基本制御に加えてダブルクラッチ状態
もしくはトリプルクラッチ作動状態であった2つもしく
は3つのクラッチ機構(10,11、11,12、1
2,13,14)の内、復帰させる通常運転の各運転モ
ードで不要なクラッチ機構(離合側クラッチ機構)を離
合させて遮断状態(OFF状態)に切換える制御を行
う。そして、このような切換回転数,,でのロッ
クアップ運転において上記の離合側クラッチ機構をOF
Fにする場合には、通常運転への切換えの際に切換ショ
ックが発生しないように、上記トルク推定部と第2斜板
補正制御部とによる制御が行われる。
【0061】モータクラッチ機構(17)の接続状態へ
の切換えに際しては、まず、上記第1斜板制御部によっ
て、回転数センサ(21)により検出したモータ軸(6
2)の空転回転数Nm と、入力軸(1)及び出力軸
(2)の両回転数から演算して得られた、歯車(76)
の回転数に対する噛み合い回転数とが互いに等しくなる
ように可変斜板(51)の斜板角度θp を同調補正す
る。そして、空転回転数Nmが上記の噛み合い回転数に
等しくなった段階で、上記モータクラッチ機構切換制御
部によりモータクラッチ機構(17)をそれまでの遮断
状態から接続状態(ON状態)に切換える(図10参
照)。
【0062】次に、上記の切換ショックをなくすため
に、上記トルク推定部により上記モータクラッチ機構
(17)が遮断状態から接続状態に切換えられた場合に
MT(3)側からモータ軸(62)に作用するトルク
(負荷)をエンジンのスロットル開度等に基づいて演算
して推定し、この推定トルクがモータ軸(62)に作用
した場合に生じるHST(4)の容積効率の低下分を演
算により推定する。そして、第2斜板補正制御部によ
り、この容積効率の低下分を補正するためにその容積効
率の低下分に相当する補正角度θp ′だけ可変斜板(5
1)の斜板角度θp を補正する。これにより、メイン圧
差(メイン圧PA −メイン圧PB )ΔPが増大し、この
状態で離合側クラッチ機構を遮断状態(OFF状態)に
する。つまり、上記離合側クラッチ機構をOFF状態に
して通常運転に復帰させた場合にモータ軸(62)に作
用することになる負荷分だけHST(4)側の吐出油圧
を予め増大させた状態で、上記離合側クラッチ機構をO
FF状態にすることにより通常運転への復帰時の切換シ
ョックが発生しないようにすることができる。
【0063】従って、本第1実施形態では、モータクラ
ッチ機構(17)を設けてそれを遮断状態にすることに
より通常運転からロックアップ運転への切換えが容易に
なり、そのロックアップ運転期間中においてはモータ軸
(62)が自由に空転可能であるためHST(4)内メ
イン圧の異常上昇が発生するおそれもなく、さらに、そ
のロックアップ運転を解除して通常運転に復帰させるロ
ックアップ解除もその復帰時の切換ショックの発生をな
くした状態で行うことができるようになる。
【0064】なお、上記のロックアップ解除制御手段の
第1斜板補正制御部によるモータ軸(62)の空転回転
数Nm が歯車(76)に対する噛み合い回転数に等しく
なるように可変斜板(51)の斜板角度を補正する制御
を、ロックアップ解除指令が発せられた時に行うのでは
なく、ロックアップ期間中を通して継続して行い、これ
により、ロックアップ解除指令が発せられる前に上記斜
板角度の補正を予め行うようにしてもよい。 <第2実施形態> 図11は本発明の第2実施形態に係る無段変速機に適用
するロックアップ運転時制御手段としての斜板角度変更
機構(22)を示す。この斜板角度変更機構(22)
は、第1実施形態のモータクラッチ機構(17)付きの
無段変速機に対し適用しても、上記モータクラッチ機構
(17)を省略した無段変速機に対し適用してもいずれ
でもよい。以下の説明では第1実施形態のものから上記
モータクラッチ機構(17)を省略した構造、すなわ
ち、モータ軸(62)と歯車(66)とが互いに一体に
回転するように連結された無段変速機に対し上記斜板角
度変更機構(22)が設けられた場合について説明す
る。
【0065】この第2実施形態においては、通常運転に
おける通常運転時制御手段による各クラッチ機構(10
〜14)の作動制御及び可変斜板(51)の斜板角度の
増減変更制御は第1実施形態の場合と全く同様に行われ
る。また、ロックアップ作動点の位置やロックアップ切
換制御手段によるロックアップ運転への切換時点の制御
もモータクラッチ機構(17)の遮断状態への切換えを
除き各クラッチ機構(10〜14)や可変斜板(51)
の斜板角度の状態等については第1実施形態と同様に行
われる。一方、本第2実施形態ではロックアップ運転期
間中も上記斜板角度変更機構(22)を用いたロックア
ップ運転時制御を行い、ロックアップ解除制御手段によ
る通常運転への復帰も第1実施形態とは異なる制御を行
うようにしている。従って、第2実施形態におけるコン
トロールユニット(18)は、上記の通常運転時制御手
段と、ロックアップ切換制御手段と、ロックアップ解除
制御手段とを備え、ロックアップ運転時制御手段として
はコントロールユニット(18)による電子制御ではな
く上記斜板角度変更機構(22)による機構的に行うよ
うに構成されている。
【0066】図11において、23はエンジンの回転動
力により作動されて図示省略のチャージ通路を通してH
ST(4)の低圧側連通路(57bもしくは57a)に
対しチャージ油を補給するチャージポンプ、24はこの
チャージポンプ(23)とピストンシリンダにより構成
されたアクチュエータ(20)との間に介装された4ポ
ート3位置弁により構成された電磁比例式の方向切換
弁、25a及び25bはこの方向切換弁(24)と上記
アクチュエータ(20)の前進側作動室(20a)及び
後進側作動室(20b)との間を互いに接続する第1及
び第2の供給管路である。
【0067】上記方向切換弁(24)は、センタ位置、
前進側作動位置(図11の右側位置)、及び、後進側作
動位置(図11の左側位置)との3位置を有し、上記セ
ンタ位置に切換えられることにより上記第1及び第2の
両供給管路(25a,25b)を互いに連通させて可変
斜板(51)を中立位置に位置付けるようになってい
る。また、上記前進側作動位置に切換えられると、チャ
ージポンプ(23)からのチャージ油がアクチュエータ
(20)に対し可変斜板(51)を(+)側に傾動させ
る作動油として所定流量だけ供給される一方、後進側作
動位置に切換えられると、上記チャージ油がアクチュエ
ータ(20)に対し可変斜板(51)を(−)側に傾動
させる作動油して所定流量だけ供給されるようになって
いる。そして、上記チャージポンプ(23)の作動制御
と、上記方向切換弁(24)の方向切換制御及び流量制
御とをそれぞれ行うことにより通常運転における可変斜
板(51)の斜板角度の増減変更制御が行われるように
なっている。
【0068】なお、同図中26は上記HST(4)の一
対の連通路(57a,57b)間に介装された3ポート
3位置のシャトル弁であり、このシャトル弁(26)は
上記両連通路(57a,57b)の内、メイン圧が設定
圧を超えた時にその設定圧を超えた側の連通路(57a
または57b)を圧力調整弁(27)を介して油タンク
(T)と連通させることによりメイン圧の異常上昇を防
止するようになっている。
【0069】そして、このような通常運転時におけるア
クチュエータ(20)の油圧制御回路に対し、電磁制御
弁(221)と、この電磁制御弁(221)を介して一
方の連通路(57a)のメイン圧Aを導入するための第
1導入管路(222a)と、同様に上記電磁制御弁(2
21)を介して他方の連通路(57b)のメイン圧Bを
導入するための第2導入管路(222b)とが設けられ
ている。これら電磁制御弁(221)と、第1及び第2
の一対の導入管路(222a,222b)と、上記アク
チュエータ(20)とによって上記の斜板角度変更機構
(22)が構成されている。
【0070】上記電磁制御弁(221)は、図11(図
12においても同じ)においてはシンボル数を簡略化し
て示すが、上記第1及び第2供給管路(25a,25
b)の途中に介装されて通常運転時には方向切換弁(2
4)を介してチャージポンプ(23)からの作動油をア
クチュエータ(20)に供給するように構成されている
一方、上記第1及び第2供給管路(25a,25b)と
上記第1及び第2導入管路(222a,222b)との
間をブロックするようになっている。
【0071】一方、ロックアップ運転に切換えられる
と、上記チャージポンプ(23)から第1及び第2供給
管路(25a,25b)への作動油の供給をブロックす
る一方、第1及び第2導入管路(222a,222b)
を上記第1及び第2供給管路(25a,25b)に連通
させるようになっている。この際、可変斜板(51)が
いずれの向きに傾動しているかの状態によって圧力導入
の向きが2通りに切換えられるようになっている。すな
わち、アクチュエータ(20)の前進作動により上記可
変斜板(51)が(+)側の最大斜板角度に傾動された
状態でロックアップ運転に切換えられた場合(回転数
,でのロックアップ作動点の場合)、及び、上記ア
クチュエータ(20)の後進作動により可変斜板(5
1)が(−)側の最大斜板角度に傾動された状態でロッ
クアップ運転に切換えられた場合(回転数,でのロ
ックアップ作動点の場合)のいずれにおいても、図12
に示すように、連通路(57a)のメイン圧Aが後進側
作動室(20b)に導入されるように第1導入管路(2
22a)が第2供給管路(25b)に連通され、かつ、
連通路(57b)のメイン圧Bが前進側作動室(20
a)に導入されるように第2導入管路(222b)が第
1供給管路(25a)に連通されるようになっている。
これにより、上記回転数,でのロックアップ運転で
は、液圧モータ(6)の正転側回転が高回転数側に振れ
ればメイン圧Aが上昇して後進側作動室(20b)に流
入しアクチュエータ(20)のピストンを後進側に押す
ことにより上記可変斜板(51)を中立位置側に近付け
て液圧モータ(6)の正転側回転数の絶対値を下げるよ
うになっている。また、上記回転数,でのロックア
ップ運転では、液圧モータ(6)の逆転側回転が絶対値
で高回転数側に振れればメイン圧Bが上昇して前進側作
動室(20a)に流入し上記ピストンを前進側に押すこ
とにより可変斜板(51)を中立位置側に近付けて液圧
モータ(6)の逆転側回転数の絶対値を下げるようにな
っている。
【0072】この第2実施形態の場合、ロックアップ運
転に切換えられると、可変斜板(51)の斜板角度が第
1及び第2導入管路(222a,222b)と、電磁制
御弁(221)と、第1及び第2供給管路(25a,2
5b)とを通して導入されるメイン圧A及びメイン圧B
のメイン圧差によって変更調整されることになる。この
ため、一対の連通路(57a,57b)内のいずれか一
方のメイン圧AまたはBが他方のメイン圧BまたはAよ
りも高くなる場合には、その差圧分だけアクチュエータ
(20)のピストンが前進または後進作動されて可変斜
板(51)が(+)側もしくは(−)側に傾動調整され
ることになる。そして、この可変斜板(51)が傾動さ
れる結果、上記の両メイン圧A,Bが等しく(メイン圧
差が零)なれば、前進側作動室(20a)と後進側作動
室(20b)とが均圧状態になり、この均圧状態の位置
で上記ピストンが静止し、その時の斜板角度で上記可変
斜板(51)が静止することになる。従って、ロックア
ップ運転期間中は、常に、一対の連通路(57a,57
b)の両メイン圧A,Bが互いに等しい圧力に維持され
てメイン圧の異常上昇が発生するおそれもない。しか
も、上記両メイン圧A,Bが常に等圧に維持される結
果、モータ軸(62)の回転数がポンプ軸(52)の回
転数と等しく維持されて上記モータ軸(62)は一定回
転数で回転されることになる。
【0073】そして、上記斜板角度変更機構(20)に
よる可変斜板(51)の斜板角度の変更調整により、ロ
ックアップ解除指令が発せられるまでHST(4)の両
メイン圧A,Bが互いに等しくなるようにされ、ロック
アップ解除指令が発せられると、ロックアップ解除制御
手段によりロックアップ運転を解除して通常運転に復帰
させるための制御が行われる。上記ロックアップ解除制
御手段は、第1実施形態のトルク推定演算部と同様構成
のトルク推定演算部と、このトルク推定演算部により推
定されたトルク推定値に基づき実際の入出力回転数比を
増減補正する入出力回転数比補正演算部と、この補正さ
れた入出力回転数比値に基づいて可変斜板(51)の斜
板角度を増減補正する第3斜板補正制御部とを備えるも
のである。そして、まず、上記入出力回転数比補正演算
部によって実際の入出力回転数比がトルク推定演算部に
より推定されたトルク推定値に対応するHST(4)の
容積効率の変動分だけ増減補正され、次に、この補正後
の入出力回転数比に基づき可変斜板(51)斜板角度が
上記第3斜板補正制御部により増減補正されることにな
る。
【0074】このため、HST(4)の液圧ポンプ
(5)から液圧モータ(6)に供給される吐出圧が上記
の増減補正分だけ増減される結果、通常運転への切換え
によりモータ軸(62)からの回転動力がMT(3)に
対し伝達状態となってMT(3)側からのトルクをモー
タ軸(62)が受けることになっても、その切換えに伴
う切換ショックの発生を回避することが可能になり、こ
れにより、通常運転への復帰が滑らかに行われることに
なる。そして、上記の補正された入出力回転数比を実際
値に直して通常運転時制御手段による通常運転時の各制
御が行われる。 <参考例> 図13は第2実施形態におけるロックアップ運転期間中
の可変斜板(51)の変更調整をコントロールユニット
(18;図4参照)内のロックアップ運転時制御手段に
よる電子制御によって行う場合の入出力対象を示す。こ
の参考例は、モータクラッチ機構(17)付きの第1実
施形態の如き無段変速機に対し適用しても、上記モータ
クラッチ機構(17)を省略した無段変速機に対し適用
してもいずれでもよい。以下の説明では第1実施形態の
ものから上記モータクラッチ機構(17)を省略した構
造、すなわち、モータ軸(62)と歯車(66)とが互
いに一体に回転するように連結された無段変速機に対し
上記の図13の入出力対象が設けられた場合について説
明する。
【0075】この参考例においては、通常運転における
通常運転時制御手段による各クラッチ機構(10〜1
4)の作動制御及び可変斜板(51)の斜板角度の増減
変更制御、ロックアップ作動点の位置やロックアップ切
換制御手段によるロックアップ運転への切換時点の制
御、及び、ロックアップ解除制御手段によるロックアッ
プ運転から通常運転への復帰時の制御は第2実施形態と
同様に行われる。以下、本参考例におけるロックアップ
運転時制御手段による制御について説明する。
【0076】図13において、28aは連通路(57
a)のメイン圧Aを検出する第1液圧検出手段としての
第1高圧センサ、28bは連通路(57b)のメイン圧
Bを検出する第2液圧検出手段としての第2高圧センサ
であり、第1及び第2の両高圧センサ(28a,28
b)はその検出信号を上記コントロールユニット(1
8)内のロックアップ運転時制御手段に入力するように
なっている。そして、このロックアップ運転時制御手段
は、上記両メイン圧A,Bの検出信号に基づいて出力対
象である電磁比例式の方向切換弁(24)の作動制御を
行いアクチュエータ(20)への流量を制御することに
より可変斜板(51)の斜板角度を変更調整するように
構成されている。
【0077】上記ロックアップ運転時制御手段による制
御を図14に基づいて具体的に説明すると、まず、ステ
ップS1で検出したメイン圧A(=PA )とメイン圧B
(=PB )との差であるメイン圧差ΔP(=PA −PB
)を演算し、このメイン圧差ΔPが零であるなら、上
記方向切換弁(24)をそのままの状態に保持する(ス
テップS2,S3)。一方、上記メイン圧差ΔPが零で
はなく、そのメイン圧差ΔPが負の値であれば、上記可
変斜板(51)を(+)側に傾動させるように上記方向
切換弁(24)からの前進作動室(20a)への流量を
増大させ(ステップS4,S5)、逆に上記メイン圧差
ΔPが正の値であれば、上記可変斜板(51)を(−)
側に傾動させるように上記方向切換弁(24)からの後
進作動室(20b)への流量を増大させる(ステップS
4,S6)。以後、上記のステップS1〜S6を繰り返
す。すなわち、上記ロックアップ運転時制御手段は、上
記両メイン圧A,Bの検出値に基づいて両メイン圧A,
Bが互いに等圧になるように可変斜板(51)をフィー
ドバック制御するようになっている。
【0078】このような制御により、本参考形態におい
ても、ロックアップ運転期間中は、常に、一対の連通路
(57a,57b)の両メイン圧A,Bが互いに等しい
圧力に維持されてメイン圧の異常上昇が発生するおそれ
はない。しかも、上記両メイン圧A,Bが常に等圧に維
持される結果、モータ軸(62)の回転数が歯車(7
6)に対する噛み合い回転数と等しく維持されて上記モ
ータ軸(62)は一定回転数で回転されることになる。
【0079】なお、上記の高圧センサ28a,28bは
温度依存性が殆どなく、油温の上昇による影響を受け難
いため、各連通路(57a,57b)内の油温が上昇し
ても各メイン圧の検出を正確に行うことができ、この各
メイン圧の検出値に基づく斜板角度の制御も正確に行い
得る。 <他の実施形態> なお、本発明は上記第1、第2実施形態に限定されるも
のではなく、その他種々の実施形態を包含するものであ
る。すなわち、上記第1、第2実施形態のロックアップ
運転中のHST(4)の無負荷運転における損失を排除
してさらに効率の向上を図るために、上記HST(4)
へのチャージ圧の解除、各シリンダブロック(53,6
3)の押圧力の軽減、両連通路(57a,57b)間の
バイパス等を行うようにしてもよい。
【0080】上記実施形態では、入力回転数減速機構と
しての第3遊星歯車機構(15)と、これの作動切換を
行う切換機構としての一対のクラッチ機構(13,1
4)とを設けることにより運転モードを4モードに増加
し、この増加によりロックアップ作動点の増加を図って
いるが、例えば、さらにもう1つのクラッチ機構を追加
することにより運転モードを5モードに増加させ、この
運転モードの増加に伴うロックアップ作動点の増加を図
るようにしてもよい。これにより、図5にで示す回転
数におけるロックアップ作動が可能となり、ロックアッ
プ作動点のさらなる増加に加えて、第4モードよりもさ
らに高変速比でのオーバードライブを実現することがで
きる。
【0081】また、逆に、上記の第3遊星歯車機構(1
5)と、一対のクラッチ機構(13,14)とを省略し
て運転モードを3モードにしてもよい。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における無段変速機によれば、ロックアップ切換制御
手段(18)によりモータクラッチ機構(17)を遮断
状態に切換えることによりロックアップ運転への切換え
ることができ、そして、上記モータクラッチ機構(1
7)が遮断状態に切換えられと、HST(4)の側では
上記液圧モータ(6)のモータ軸(62)が無負荷状態
で空転することになるため、ロックアップ運転期間中は
可変斜板(51)の斜板角度のいかんに拘らずHST
(4)内部でメイン圧が異常上昇することもない。ま
た、ロックアップ運転を解除して通常運転に復帰させる
際には、ロックアップ解除手段の斜板補正制御部により
モータ軸(62)の空転回転数に基づいて可変斜板(5
1)の斜板角度が変更制御され、次いで、モータクラッ
チ機構切換制御部によりモータクラッチ機構(17)が
接続状態に切換えられることになるため、ロックアップ
運転を解除して通常運転に復帰させる際においても、斜
板角度を検出するためのセンサ等を用いることなく、通
常運転での可変斜板(51)の増減変更制御に迅速に復
帰させることができるようになる
【0083】請求項記載の発明によれば、基本的効果
として、ロックアップ切換制御手段により通常運転から
ロックアップ運転への切換えを可能にしつつ、ロックア
ップ運転期間中もロックアップ運転時制御手段によりH
ST(4)内の両メイン圧が互いに等しくなるように可
変斜板(51)の斜板角度が変更制御されるため、ロッ
クアップ運転中におけるHST(4)内部でのメイン圧
の異常上昇発生のおそれを確実に解消させることができ
る。しかも、斜板角度を検出するためのセンサ等を用い
ることなくロックアップ運転期間中の可変斜板(51)
の斜板角度を制御することが可能になる上に、ロックア
ップ運転を解除して通常運転へ復帰させる際の可変斜板
(51)の増減変更制御への移行をも迅速に行うことが
できる。
【0084】そして、付加的な効果として、ロックアッ
プ運転時制御手段による可変斜板(51)の斜板角度の
変更制御を、斜板角度変更機構(22)を用いて機構的
に行うことができ、比較的高圧の各メイン圧を検出する
ための高圧センサ等を設置することなく、ロックアップ
運転中の両メイン圧を自動的にかつ簡易に等圧に維持す
ることができるようになる
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の無段変速機を示す模式図である。
【図2】図1の液圧ポンプの可変斜板及び液圧モータの
斜板の両斜板角度とHMT変速比との関係と、入力軸及
び出力軸の回転数とHMT変速比との関係を関連付けて
示す説明図である。
【図3】図1の第1及び第2遊星歯車機構の遊星速度線
図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る無段変速機の断面
説明図である。
【図5】図4の第1及び第2遊星歯車機構の遊星速度線
図である。
【図6】HSTを示す簡略縦断面図である。
【図7】図6のC−C線及びD−D線における両非回転
ブロックを示す断面説明図である。
【図8】モータクラッチ機構の拡大断面説明図である。
【図9】各運転モードにおけるクラッチ機構の作動,斜
板角度及びモータ軸回転数の関係を示す図である。
【図10】ロックアップ解除時の可変斜板の斜板角度,
メイン圧差,ポンプ軸回転数及びモータ軸回転数の変化
を示す図である。
【図11】第2実施形態に適用される斜板角度変更機構
を示す模式図である。
【図12】ロックアップ運転期間中の状態を示す図11
対応図である。
【図13】参考例におけるHSTの油圧回路を示す模式
図である。
【図14】参考例におけるロックアップ運転時制御手段
による制御のフローチャートである。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 MT(機械式トランス
ミッション) 4 HST(静液圧式トラ
ンスミッション) 5 液圧ポンプ 6 液圧モータ 7 第1遊星歯車機構 8 第2遊星歯車機構 10 第1クラッチ機構 11 第2クラッチ機構 12 第3クラッチ機構 13 第4クラッチ機構 14 第5クラッチ機構 15 第3遊星歯車機構 17 モータクラッチ機構 18 コントロールユニット
(通常運転時制御手段,ロックアップ切換制御手段,ロ
ックアップ運転時制御手段,ロックアップ解除制御手
段) 20 アクチュエータ(ピス
トンシリンダ) 20a 前進側作動室 20b 後進側作動室 21 回転数センサ(モータ
回転数検出手段) 22 斜板角度変更機構(ロ
ックアップ運転時制御手段) 28a 高圧センサ(第1液圧
検出手段) 28b 高圧センサ(第2液圧
検出手段) 51 可変斜板 52 ポンプ軸 57a,57b 連通路 61 斜板 62 モータ軸 76 MT側の歯車 222a 第1導入管路 222b 第2導入管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 47/02 - 47/04 F16H 61/38 - 61/64

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力源に接続される入力軸(1)と、出
    力軸(2)と、上記入力軸(1)と出力軸(2)との間
    に介装され複数のクラッチ機構(10,11,12,1
    3,14)及び複数の遊星歯車機構(7,8,15)を
    備えた機械式トランスミッション(3)と、上記入力軸
    (1)及び出力軸(2)に対し並列に配設され入力側が
    上記入力軸(1)に接続され出力側が上記機械式トラン
    スミッション(3)を介して上記出力軸(2)に接続さ
    れた静液圧式トランスミッション(4)とを備え、 上記静液圧式トランスミッション(4)は、可変斜板
    (51)の斜板角度の増減変更制御により上記入力軸
    (1)からポンプ軸(52)に入力する回転力を所定の
    吐出圧液に変換する入力側の液圧ポンプ(5)と、所定
    の傾斜状態の斜板(61)により上記液圧ポンプ(5)
    からの吐出圧液を回転力に変換してモータ軸(62)を
    回転させる出力側の液圧モータ(6)とを備え、 通常運転において上記機械式トランスミッション(3)
    と、静液圧式トランスミッション(4)とを変速比に応
    じて複数の運転モードに分けて作動させることにより、
    上記入力軸(1)に入力する入力回転を無段階に変速さ
    せて上記出力軸(2)に伝達するように構成された無段
    変速機において、 上記静液圧式トランスミッション(4)のモータ軸(6
    2)を上記機械式トランスミッション(3)に対し断続
    切換可能に連結するモータクラッチ機構(17)と、 上記出力軸(2)の回転数が特定回転数にある場合に、
    上記モータクラッチ機構(17)を遮断状態に切換えて
    上記モータ軸(62)を空転状態にすることにより、上
    記入力軸(1)から出力軸(2)に対し上記機械式トラ
    ンスミッション(3)を介してのみ動力伝達を行うロッ
    クアップ運転に切換制御するロックアップ切換制御手段
    (18)と、 上記ロックアップ運転状態において液圧モータ(6)の
    モータ軸(62)の空転回転数を検出するモータ回転数
    検出手段(21)と、 ロックアップ運転を解除して通常運転に切換制御するロ
    ックアップ解除制御手段(18)とを備えており、 上記ロックアップ解除制御手段(18)は、 上記モータ回転数検出手段(21)により検出された空
    転回転数が上記モータ軸(62)との接続端である達機
    械式トランスミッション(3)側の歯車(76)に対す
    る噛み合い回転数に等しくなるように液圧ポンプ(5)
    の可変斜板(51)の斜板角度を変更制御する斜板補正
    制御部と、 上記モータ軸(62)の空転回転数が上記歯車(76)
    に対する噛み合い回転数に等しくなった状態でモータク
    ラッチ機構(17)を遮断状態から接続状態に切換える
    モータクラッチ切換制御部とを備えていることを特徴と
    する無段変速機。
  2. 【請求項2】 動力源に接続される入力軸(1)と、出
    力軸(2)と、上記入力軸(1)と出力軸(2)との間
    に介装され複数のクラッチ機構(10,11,12,1
    3,14)及び複数の遊星歯車機構(7,8,15)を
    備えた機械式トランスミッション(3)と、上記入力軸
    (1)及び出力軸(2)に対し並列に配設され入力側が
    上記入力軸(1)に接続され出力側が上記機械式トラン
    スミッション(3)を介して上記出力軸(2)に接続さ
    れた静液圧式トランスミッション(4)とを備え、 上記静液圧式トランスミッション(4)は、可変斜板
    (51)の斜板角度の増減変更制御により上記入力軸
    (1)からポンプ軸(52)に入力する回転力を所定の
    吐出圧液に変換する入力側の液圧ポンプ(5)と、所定
    の傾斜状態の斜板(61)により上記液圧ポンプ(5)
    からの吐出圧液を回転力に変換してモータ軸(62)を
    回転させる出力側の液圧モータ(6)と、上記液圧ポン
    プ(5)と液圧モータ(6)との間を上記吐出圧液が供
    給・環流されるよう閉回路として構成された一対の連通
    路(57a,57b)とを備え、 通常運転において上記機械式トランスミッション(3)
    と、静液圧式トランスミッション(4)とを変速比に応
    じて複数の運転モードに分けて作動させること により、
    上記入力軸(1)に入力する入力回転を無段階に変速さ
    せて上記出力軸(2)に伝達するように構成された無段
    変速機において、 上記出力軸(2)の回転数が特定回転数にある場合に、
    上記静液圧式トランスミッション(4)を介した上記出
    力軸(2)に対する動力伝達を非伝達状態に切換えるこ
    とにより上記入力軸(1)から出力軸(2)への動力伝
    達を上記機械式トランスミッション(3)を介してのみ
    行うロックアップ運転に切換制御するロックアップ切換
    制御手段(18)と、 上記ロックアップ切換制御手段(18)により切換えら
    れたロックアップ運転状態において上記液圧ポンプ
    (5)と液圧モータ(6)との間の一対の連通路(57
    a,57b)内の両液圧が互いに等しくなるように上記
    液圧ポンプ(5)の可変斜板(51)の斜板角度を変更
    制御するロックアップ運転時制御手段(18または2
    2)とを備えており、 上記ロックアップ運転時制御手段が、上記液圧ポンプ
    (5)と液圧モータ(6)との間の一対の連通路(57
    a,57b)内の両液圧の差圧が零になるよう上記液圧
    ポンプ(5)の可変斜板(51)の斜板角度を変更する
    斜板角度変更機構(22)により構成され、 上記斜板角度変更機構(22)は、 その進退作動により上記可変斜板(51)を傾転作動さ
    せるようその可変斜板に接続されたピストンシリンダ
    (20)と、 このピストンシリンダ(20)の前進側作動室(20
    a)に上記一対の連通路(57a,57b)の内の一方
    の連通路内の液圧を作用させる第1導入管路(222
    a)と、 上記ピストンシリンダ(20)の後進側作動室(20
    b)に他方の連通路内の液圧を作用させる第2導入管路
    (222b)とを備えている ことを特徴とする無段変速
    機。
JP11678897A 1997-05-07 1997-05-07 無段変速機 Expired - Fee Related JP3191723B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11678897A JP3191723B2 (ja) 1997-05-07 1997-05-07 無段変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11678897A JP3191723B2 (ja) 1997-05-07 1997-05-07 無段変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10311402A JPH10311402A (ja) 1998-11-24
JP3191723B2 true JP3191723B2 (ja) 2001-07-23

Family

ID=14695721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11678897A Expired - Fee Related JP3191723B2 (ja) 1997-05-07 1997-05-07 無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3191723B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5564016B2 (ja) * 2011-08-11 2014-07-30 株式会社クボタ 農作業機の走行伝動装置
KR101322605B1 (ko) * 2012-03-20 2013-10-29 한국기계연구원 상용차량에 장착되는 기계유압식 무단변속기
CN112434564B (zh) * 2020-11-04 2023-06-27 北方工业大学 公交车内异常聚集行为的检测系统
CN112347906B (zh) * 2020-11-04 2023-06-27 北方工业大学 公交车内异常聚集行为的检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10311402A (ja) 1998-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3458818B2 (ja) 変速比無限大無段変速機の制御装置
EP0301590B1 (en) A stepless speed reducer
EP0866242B1 (en) Control system for toroidal type continuously variable transmission
EP1334298B1 (en) Control system and method for a continuously variable transmission
US7416503B2 (en) Speed-changing device
WO1998043002A1 (fr) Transmission toroidale a changement de vitesses continu
AU2011343891B2 (en) Variator Switching Valve Scheme For A Toroidal Traction Drive Transmission
US20050101436A1 (en) Vehicle control system
US11767904B2 (en) Transmission structure and working vehicle
JP4162328B2 (ja) 車輌の走行用トランスミッション
JPS63167171A (ja) 油圧式無段変速機
JP3191723B2 (ja) 無段変速機
US6409625B1 (en) Controller of toroidal continuously variable transmission
JP3923777B2 (ja) 油圧−機械式変速装置
JP5249930B2 (ja) 無段階変速機を制御する装置
JP3716568B2 (ja) トロイダル式無段変速機
JP3465488B2 (ja) 無段変速機におけるロックアップ制御方法
CN108602431B (zh) 传动系统
JP4181048B2 (ja) 最小旋回装置を備えたトランスミッション
EP0615080A1 (en) Flow control valve for a continuously variable transmission control system
JP2002139125A (ja) Hmt式トランスミッションを備えるトラクタの駆動モード切換機構
JP4438337B2 (ja) 無段変速機の油圧制御装置
JP3465552B2 (ja) トロイダル型無段変速機の油圧制御装置
JP2009036299A (ja) 車両用油圧式変速機の制御装置
JP3090087B2 (ja) 無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010424

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080525

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090525

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees