JP5194603B2 - 作業車両用トレッド可変式走行装置 - Google Patents

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本発明は、トラクタ等の作業車両に適用されるトレッド可変式走行装置に関するものである。
特許文献1に示されるように、トラクタ等の作業車両の走行装置に適用され、自動的にトレッド変更が可能な作業車両用トレッド可変式走行装置が知られている。この走行装置は、詳細には、トレッド変更が可能に機体を走行支持する走行車輪とその伸縮動作を制御する制御部とから構成され、トレッド調節セットスイッチをセット操作することにより、機体走行の開始とともに、自動的に走行車輪を指定のトレッド幅に伸縮変更することができる。
特開2000−301906号公報
しかしながら、上記構成の走行装置におけるトレッド変更は、トレッド調節セットスイッチをセット操作した後に走行開始の条件を満たした時において、作業者によるセット操作から遅れて動作することから、作業車両の走行の際の各種の作業機器に関する煩雑な操作とトレッド変更の動作タイミングとが重なることがあり、特に、事前にスイッチ操作等をまとめて行った後にエンジンを始動した場合等に、機体走行の開始に伴う必要な操作と同時にトレッド変更動作が重なること等により、トレッド変更時の対応が不十分となって不測の事態を招く場合があった。
本発明の目的は、自動トレッド変更による不測の事態を回避することができるトレッド可変式走行装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、トレッド変更が可能に機体を走行支持する走行車輪と、この走行車輪のトレッド変更動作をトレッド調節セットスイッチのセットにより機体の走行動作を条件に駆動制御する制御部とからなる作業車両用トレッド可変式走行装置において、上記制御部は、機体に搭載した走行動力供給用の原動機の回転動作を条件に上記トレッド調節セットスイッチのセット操作を可能に制御し、上記トレッド調節セットスイッチと、そのトレッド幅を選択指定するためのダイヤルと、これらトレッド調節セットスイッチ及びトレッド幅設定ダイヤルを有効にする自動ズームのセットスイッチと、左右いずれのズーム位置を表示するのか選択する左スイッチ及び右スイッチと、現在のトレッド位置を判断できるLED(α、β、γ)とを設け、上記左スイッチ又は右スイッチとトレッド伸縮スイッチとを同時に押すことによりトレッド幅を手動で変更可能に構成すると共に、右スイッチのみ単独で押すとLED(α)が点灯し、右側の車輪のトレッドの位置をLED(γ)に目安として表示し、左スイッチのみ単独で押すとLED(β)が点灯し、左側の車輪のトレッドの位置をLED(γ)に目安として表示する構成にすることを特徴とする。
上記走行装置は、制御部21により、トレッド調節セットスイッチ19のセット後において機体の走行を条件にトレッド変更を行い、この場合において、原動機11の回転動作を条件にトレッド調節セットスイッチ19のセット操作が可能となることから、原動機の始動前においてはトレッド調節セットスイッチの操作が無効となり、操作可能な時期が原動機の始動後に限定される。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、前記制御部は、所定車速以上の車速信号を条件としてトレッド変更を行うと共に、切れ角センサを設け、自動ズームトレッド制御時は切れ角が一定値以下の判定によって該当する時のみズーム駆動出力を許可する制御処理を行うことを特徴とする
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の構成において、前記制御部は、伸縮スイッチの操作による手動伸縮信号によってトレッドを伸縮制御すると共に、手動によるズーム操作で左右同時に出力操作をされた場合に後に押した側の方向を優先する制御を行うことを特徴とする
請求項1の発明による走行装置は、原動機の始動後におけるセット操作に限り自動ズーム動作が可能となることから、実際のトレッド変更動作が作業者の目的意識が継続しうるスイッチ操作と接近したタイミングで行われることとなるので、セット操作から遅れたタイミングでトレッド変更が動作することによる不測の事態を回避することができる。
また、右スイッチのみ単独で押すとLED(α)が点灯し、右側の車輪のトレッドの位置をLED(γ)に目安として表示し、左スイッチのみ単独で押すとLED(β)が点灯し、左側の車輪のトレッドの位置をLED(γ)に目安として表示する構成であるので、現在のトレッド位置がどこなのかが簡単に判る。
請求項2の発明による走行装置は、走行を開始して負荷範囲を抑えることができる場合に限りトレッド変更が行われることから、過大負荷対応のための油圧系の保護動作による機能停止の事態を回避するとともに耐久性を確保することができる。
また、切れ角センサを設け、自動ズームトレッド制御時は切れ角が一定値以下の判定によって該当する時のみズーム駆動出力を許可する制御処理を行うので、間違った異常検出を可能な限り抑え、また、危険を回避することができる。
請求項3の発明による走行装置は、走行車速によることなく伸縮スイッチの操作と対応してトレッドが伸縮されることから、自動によるトレッド変更と比較して、手動変更による作業者の意図と対応して違和感のない操作性を確保することができる。
また、手動によるズーム操作については、左右同時に出力を行うことを禁止できる。
以下、この発明を、図面に示す農業用トラクタに装備しているトレッド調節装置の実施例について具体的に説明する。
まず、トラクタ9は、その全体側面図および背面作用図をそれぞれ図1、図2に示すように、前部のボンネット10内にエンジン11を搭載し、このエンジン11の後部に主クラッチを内装するクラッチハウジング、ギヤ式変速装置を内装するミッションケース12を一体に連結して設けている。そして、前記ミションケース12の左右両側にトレッド調節可能なリヤアクスルケース13を設け、左右両側の同ケース13の端部に車輪2,2を軸架して設けている。
また、前記エンジン11の下方には、フロントアクスルケースを前後軸心周りにローリング自在に設けると共に、この両側端に前輪14を操向自在に設けている。
そして、操縦席15は、車体上に搭載されているキャビン16内に設けられ、前方にはメータパネル17やステアリングハンドル18、各操作レバー類を集中さして配置した構成としている。また、レバー類の近傍には、後述するトレッド調節セットスイッチ19やトレッド幅設定ダイヤル20等の各種設定器を設け、これらの設定信号を前記操縦席15下方の制御部であるコントローラ21へ入力する構成としている。
そして、図1において、前記ミッションケース12の後方上部には、作業機昇降用の油圧シリンダを内装したシリンダケース23pを設けている。そして、リフトアーム24pは、上記シリンダケース23p内の油圧シリンダのピストンを伸縮することによって上下に回動し、これに連結している後部のロータリー耕耘装置25pを昇降する構成としている。また、前記リフトアーム24pの一方には作業機の高さを検出するポテンショメータ式のリフトアーム角センサが設けられ、作業機昇降用レバーのポテンショメータの検出位置と、上記リフトアーム24pの回転設定位置とが一致するように、前記した昇降制御用のコントローラによる制御信号で油圧回路内の作業機上昇、又は下降用の切替制御弁が切り替えられる構成となっている。
(トレッド調節装置)
つぎに、トレッド調節装置について説明する。
まず、トレッド調節装置を示すリヤアクスルケースの水平断面図を図3に示すように、中央に配置した後輪デフ機構27から左右に延長された駆動軸28,28は、ブレーキ装置29,29と、減速装置30,30とを介してそれぞれ左右伝動筒31,31に走行動力が伝動される構成となっている。一方、車輪2,2は、図面に示すように、それぞれホイールシャフト32,32に軸着されており、更に、そのホイールシャフト32,32がホイール支持ケース33,33に軸受け支持された構成となっている。
そして、前記ホイールシャフト32,32は、図3から解るように、車両1側にある前記伝動筒31,31に対して、先端部(外側)の車輪2,2が左右伸縮自在になるようにスプライン嵌合して摺動自由とし、前記後輪デフ機構27から走行動力が車輪2,2まで伝動できる構成としている。そして、トレッド調節用の油圧シリンダ3,3は、シリンダロット35をハウジングケース37(伝動筒31側)に固着し、前記伝動筒31,31とホイール支持ケース33,33との間に設け、シリンダ左室3Lとシリンダ右室3Rからなり、両室3L,3Rの間における伸縮作動によってトレッド調節ができる構成としている。
この場合、左右の油圧バルブ4,4は、図3に示すように、それぞれオイルタンクT(ポンプP)と油圧シリンダ3,3側の両室3L,3Rとに配管5,5で接続し、シリンダ左室3Lは、左側の配管5から、シリンダ右室3Rは、右側の配管5からそれぞれ給排油が行われ、伸縮する構成となっている。
以上のように構成したトレッド調節装置は、後述するトレッド幅設定ダイヤル20によって、予め、調節するトレッド幅を設定し、その後、トレッド調節セットスイッチ19をON操作することによって行うことができる。
(油圧回路)
つぎに、トレッド調節装置の油圧回路について実施例を説明する。
まず、トレッド調節装置の油圧回路50は、図4に示すように、油路51のすぐ上手側に、左右の油圧バルブ4,4に油量を1/2つ均等に分流する分流弁52が設けられ、その上手側には水平シリンダ制御用の油圧回路53が接続され、更に、その上手側に分流弁54を接続した構成としている。
したがって、上記水平シリンダ制御用の油圧回路53は、図4の回路図に示すように、その上手側に接続している分流弁54によって流量を少なく減らした作動油で水平シリンダの制御作動を行う構成となっている。更に、トレッド調節装置の油圧回路50は、水平シリンダ制御用の油圧回路53を経由した作動油が、分流弁52で1/2ずつ左右の油圧バルブ4,4に分流されて送られ、接続している油圧シリンダ3,3に供給される。
この場合、トレッド調節用の油圧シリンダ3,3は、作動油の供給流量が少なくなっているから、ゆっくりした伸縮作動になるが、このゆっくりした伸縮作動がトレッド調節には適している。
このように、実施例の油圧回路50は、上手側から供給される流量が絞られて少なくなっているから、トレッド調節をする油圧シリンダ3,3の伸縮作動が上記の通りゆっくり行われることになり、きわめて安全にトレッド調節ができる特徴がある。更に、実施例は、油圧回路50の左右の油圧バルブ4,4に供給される作動油の流量が上手側の分流弁52によって、左右均等に1/2つに分流されて送られるから、左右の油圧シリンダ3,3が適確に同期して伸縮作動し、図2に示すように、左右の調節幅に差が生じることがほとんどなく、予め設定した調節幅に変更できる優れた特徴がある。
(制御部)
つぎに、図5に示す自動牽制制御について実施例を説明する。
トレッド調節装置は、車輪2,2を回転させながら行うものである、言い換えると、車輪2,2の停止中には変更調節を行わない自動牽制制御装置としている。
すなわち、入力軸センサ43は、車輪2,2の回転を検出するセンサであって、検出情報をコントローラ21に入力する構成としている。なお、コントローラ21は、図5(図5)に示す実施例の場合、入力側に上記入力軸センサ43の他に、左右のストロークセンサ44,44をそれぞれ接続して、調節長さを実測して入力する構成となっており、出力側には電磁バルブ(油圧バルブ4,4)を接続して制御する構成としている。また、自動ズームトレッド調整をセットするためのセットスイッチ19、および、そのトレッド幅を選択指定するためのダイヤル20を備えた操作部と接続する。図例では、ダイヤル20により選択された信号により、5つのトレッド幅について自動トレッド調節を可能とする。
以上のように、実施例は、入力軸センサ43によって車輪2,2の回転を検出して回転中にのみトレッド調節を実施できる自動牽制制御装置とし、トレッド調節機構を保護し、安全を確保する装置としている。
更に、発展させて、上記自動牽制制御装置は、副変速レバーがニュートラル位置にあるときに、これを検出すると、トレッド調節装置を不能にする制御ができる構成にしてもよい。
要するに、実施例に係るトレッド調節装置は、自動牽制制御装置によって車輪2,2の回転状態が監視され、回転していないときには、例え、トレッド幅設定ダイヤル20によって調節幅を設定して、トレッド調節セットスイッチ19を押しても、調節作動はしない構成となっており、装置の保護と、安全性が保持できる特徴がある。
そして、他の実施例として、車速を限定し、一定車速幅(例えば、車速が2km/h以下)の範囲内でのみトレッド調節を行うことができる構成とする。これを言い換えると、実施例の場合、トレッド調節は、車輪2,2が停止中、及び2km/hより高速走行時には不能になるから、安全性がきわめて高くなる特徴がある。
又、現実にはほとんど必要性は無いが、バック走行時にトレッド調節を可能にすることもできる。
(エンジン始動条件)
また、上記トレッド可変式走行装置は、エンジン始動時の動作制御として更に次の制御構成を備える。
エンジン始動時の制御処理について詳細に説明すると、図6のフローチャートに示すように、制御部21は、トレッド調節セットスイッチ19の判定処理(S1,S2)をし、「入」の場合はエンジン回転についての判定(S3)により、例えば500rpm以上に該当すればズーム制御許可(S4a)とし、非該当であればズーム制御禁止(S4b)とする制御処理を構成する。
上記制御処理により、車輪2、2は、トレッド調節セットスイッチ19のセット後において機体の走行を条件にトレッド変更を行い、この場合において、原動機11の回転動作を条件としてトレッド調節セットスイッチ19のセット操作が可能となることから、原動機の始動前においてはトレッド調節セットスイッチ19の操作が無効となり、セット操作可能な時期が原動機11の始動後に限定される。
したがって、上記走行装置は、原動機11の始動後におけるセット操作に限り自動ズーム動作が可能となることから、実際のトレッド変更動作が作業者の目的意識が継続しうるスイッチ操作と接近したタイミングで行われることとなるので、セット操作から遅れたタイミングでトレッド変更が動作することによる不測の事態を回避することができる。
次に、車速条件を考慮してズーム動作を行うように制御する例について説明する。
この制御は、図7のフローチャートに示すように、ズーム出力要求(S11)があった場合においては、自動ズームによる一定の低車速(例えば、0.5km/h未満)の範囲(S12、S13)ではズーム出力禁止(S14b)とし、その他の場合、特に、手動の場合はズーム出力許可(S14a)とする制御処理を構成する。
このような制御処理により、自動ズームの場合は一定車速以上になるまでズーム出力が規制され、走行を開始して所定車速以上になった場合に限り、トレッド変更が行われることから、低速走行時におけるトレッド変更の際にトレッド可変式走行車輪に作用する大きな油圧作用力による過負荷を防止し、作業機を含む車両重量や路面状況によって過負荷保護機能が作動することにより油圧系が停止して走行不能となる事態を回避するとともに、耐久性を確保することができる。また、手動ズーム調整の場合は上記車速制限を外すことにより、作業者の意図に応じた違和感のない操作が可能となる。
一方、上記制御処理については、トラクタが一定車速以上になるまで自動ズーム調整を禁止した場合に、トラクタが走り出した後に、自動トレッド調節セットスイッチ19を押して調整を開始しなければならなくなり、操作が煩わしいという問題があり、また、自動トレッド調節セットスイッチが右側後方配置等でレイアウトが悪い場合は、走行し始めた後に振り返るような格好で押す必要があり少し危険である
このような問題に対して、図8のフローチャートに示すように、トラクタ停止状態で自動トレッド調節セットスイッチを押し操作した場合について、その後の規定時間(例えば、7秒)経過を判定(S21)し、経過によっても車速を検出しない(0.5km/h以上)場合(S21a)は、自動ズーム調整を中止(S22)し、液晶表示にてブザー吹鳴と共に報知(S23)する制御処理を構成する。
このような制御処理構成により、自動トレッド調節セットスイッチ19を押してから少しの間、車速を拾い始めるのを待つ時間を設けることで、自動トレッド調節セットスイッチ19を押してから前を向いて走り始めるというような調整が行えるので、落ち着いて安全に行うことができる。
次に、旋回走行時の制御処理について説明する。
旋回走行におけるハンドル18を切った状態では遠心力の影響で外側のタイヤのシリンダに掛かる負荷が大きくなり、ズーム駆動出力をしても動作しにくい場合があり、条件によっては動作できずにストロークエンドを検出する可能性がある。また、旋回時にトレッドが変化すると不安定な状態になり危険である。
このような問題に対して、図9のフローチャートに示すように、切れ角センサを設け、自動ズームトレッド制御時は切れ角が一定値以下の判定(S31)によって該当する時のみズーム駆動出力を許可(S32)する制御処理を構成することにより、間違った異常検出を可能な限り抑え、また、危険を回避することができる。
次に、ズームトレッド調整終了時の制御処理について説明する。
ズームトレッド調整が終了した時は、図10のフローチャートに示すように、正常終了についての判定処理(S41)をし、異常終了した時は異常報(ピッピッピッピッピッ)でブザー吹鳴(S41b)をし、液晶モニタにてオペレータに報知する。また、正常終了時は異常時とは異なる正常報(ピッ)でブザー吹鳴(S41a)してオペレータに報知する制御処理を構成する。
一般には、自動トレッド調整が終了したことが認識できた場合であっても、目的としたトレッドまで正常に動作して終了したか否かは判らないので、異常終了している(目的のトレッド幅になっていない)にもかかわらず、作業を開始して作物を傷める恐れがあるので、上記制御処理において液晶モニタとブザー吹鳴により、確実にオペレータに異常終了を報知することにより、上記問題を解決することができる。
次に、車速が不安定な場合の制御処理について説明する。
車速が不安定な場合は、図11のフローチャートに示すように、車速が0.5km/h以上になって自動ズームトレッド調整出力を開始した後は、車速が0.5km/h未満になっても直ぐに自動ズームトレッド調整を中止せず、ズーム駆動出力だけ中断(S51,S52)とし、規定時間以上継続して車速が0.5km/h未満になった時に自動ズームトレッド調整を中止(S53,S54)する制御処理を構成する。
車速が0.5km/h付近でふらつきがあった時に直ぐに自動ズームトレッド調整を中止すると非常に使いにくいので、一度車速を拾ったら、車速が0.5km/h付近でふらついたり、少しくらい停止したりしても、直ぐには自動ズームトレッド調整を中止しないことで、より使いやすいものになる。
(操作パネル)
次に、ズーム操作を含む操作具を配置した操作パネル装置について説明する。
操作パネル装置22は、拡大斜視図を図12(a)に示すように、操作性を向上するために作業機や走行系およびエンジン回転数等の操作部を操縦席15の片側方(図例は右側方)に集中配置したものであり、トラクタを構成する走行系および作業系の機器を制御操作するための操作具23a〜25eと、これら操作具23a〜25eを支持して操縦席15の片側方に集中配置する操作パネル22とから構成する。
操作パネル装置22は、操縦席15と隣接する平坦状の基段部23と、その奥側から急傾斜で起立する中段部24と、その上端から奥高に緩く傾斜する上段部25とからなり、それぞれに操作具を配置する。これらを一体のレバーガイドで上面をカバーして構成し、基段部23、中段部24、上段部25の全ての面に各々、操作スイッチやレバー等の操作具を配置する。特に、操縦席15から近い基段部23と中段部24は、スイッチ等の電気系の操作具を配置し、比較的離れている上段部25はストローク動作するレバー類による操作具を配置することにより、操作具に応じた操作性を確保することができる。
上記操作パネル装置22の操作具の詳細配置は以下のとおりである。
基段部23には、PTO入り切りスイッチ23a、PTO手動自動スイッチ23b、デフロックスイッチ23c、ズームトレッド設定のためのトレッド調節セットスイッチ19、トレッド幅設定ダイヤル20を配置する。トレッド調節セットスイッチ19は、押し込むとトレッド幅設定ダイヤル20で選択したトレッド幅に自動変更が有効となる。
中段部24には、2つのエンジン回転数記憶スイチ24a、24b、ドラフト比調整ダイヤル24c、上げ調整ダイヤル24d、4WD切替スイッチ24f、トレッド伸縮スイッチ24g等を配置する。トレッド伸縮スイッチ24gは、図12(b)の拡大図に示すように、上側と下側との選択操作に応じてトレッド伸縮シリンダが動作してトレッドの短縮と伸張とを手動調節することができる。
上段部25には、スロットルレバー25a、副変速レバー25b、外部油圧取り出し用のサブコントロールレバー(サブコンレバー)25c〜25f、また、操作パネル22の後部には、スイッチボックス26a、シガーライター26bを配置する。
(スイッチボックス)
上記スイッチボックス26aは、各種の操作具を集合配置した操作パネル22の後部位置において操縦席15のオペレータに向けて傾斜して配置され、使用頻度が低い機能について操作部を小さくしてコンパクトに構成し、使用しない場合はオペレータの視界の外に位置し、使用する場合は操縦席15から操作できる近い位置に配置することにより、通常の作業に支障を来すことなく、ユーザーにより、或いは、作業により、必要に応じて、全ての機能を操縦席15から操作することができる。
上記スイッチボックス26aには、図13のスイッチボックス26aのパネルの見取り図に示すように、以下のスイッチ類が配置されている。
パネル面には、作業機上昇・下降モニタランプ32a、ATシフト作業感度ダイヤル32b、下げ速度ダイヤル32c、ズーム幅設定ダイヤル32dを上半部に配置する。下半部には、電子油圧制御を初めとする制御設定のスイッチ類について操作ボタンBをモニタランプLとともに集中して配置する。
スイッチ類の内訳は、左半部にATシフト路上スイッチ33a、ATシフト作業スイッチ33b、バックアップ入切スイッチ33c、オートリフト入切スイッチ33d、オートアクセル入切スイッチ33e、また、右半部に接続感度変速スイッチ34a、接続感度PTOスイッチ34b、自動トレッド調節セットのセットスイッチ34c、ズーム調整右スイッチ34d、ズーム調整左スイッチ34eを配置する。
(ズームモニ
次に、ズームモニタ表示について説明する。
ズームトレッド調整の際のシリンダの動作速度はトラクタの負荷や作業機を含む総重量および車速等の条件によって変わってくる。また、トレッドの変化は運転席に座った状態では確認しにくい。そのために、いつまでズーム調整が実施されているかをオペレータが確認しにくいという問題がある。
この問題を解決するために、スイッチボックス26aにおいて、自動ズームのセットスイッチ34cと対応して自動ズームトレッド調整中に点灯するモニタ(LED)L1、L2を操作パネル装置22とスイッチボックス26aに設ける。上記セットスイッチ34cは、「入」にすると、操作パネル装置22のトレッド調節セットスイッチ19、トレッド幅設定ダイヤル20が有効になる。このように、自動調整中であることをオペレータに報知するように構成することにより、運転席に座った状態でズーム調整中であることを簡単に確認することができる。
また、現在のトレッド位置を判断できるLEDと左右いずれのズーム位置を表示するのか選択する左スイッチ34e、右スイッチ34dを設けて一方のトレッド位置を報知するように構成する。左・右スイッチ34d,34eは、操作パネル装置22のズーム伸・縮スイッチ24gと同時押しをすることで、ズーム幅を手動変更できる調整スイッチを兼ねて構成する。すなわち、右スイッチ34dとトレッド伸縮スイッチ24gの伸び又は縮み側を同時に押すと、押している間のみ、右側車輪が手動で伸び又は縮少(LEDα、β、γは消灯)し、左スイッチ34eとトレッド伸縮スイッチ24gの伸び又は縮み側を同時に押すと、押している間のみ、左側車輪が手動で伸び又は縮少(LEDα、β、γは消灯)する。右スイッチ34dのみ単独で押すとLEDαが点灯し、右側の車輪のトレッドの位置をLEDγ(1〜4の4段階)に目安として表示し、左スイッチ34eのみ単独で押すとLEDβが点灯し、左側の車輪のトレッドの位置をLEDγ(1〜4の4段階)に目安として表示する。このように構成することにより、現在のトレッド位置がどこなのかが簡単に判る。また、左右を選択するスイッチ34d,34eについては、手動調整のために元々必要であり、この左右スイッチで片方だけ表示することでコスト低減ができる。
次に、ズームセンサの基準値の記憶方法について説明する。
ズームセンサの基準値の記憶方法は、図14のフローチャートに示すように、チェックヒューズ等による所定の操作条件(S61)により基準値調整を可能とし、次いでズーム調整スイッチの操作(S62a〜S62c、S63a、S63b)条件に応じて「最縮み基準値」と「最伸び基準値」を記憶(S64a、S64b)する。このような制御処理により、ズームセンサの基準値について、簡単に変更できるものでもなく、かつ、簡単な方法で、基準値の記憶が可能となる。
また、上記基準値の調整モードでは、トレッド最縮み位置と最伸び位置という両極端な位置へ変更し、そして記憶させるという行為が必要なため、シフト変速位置に意識が行かなくなる可能性があることから、図15のフローチャートに示すように、ズームセンサの基準値調整モードの時に、0.5km/h〜5km/hになる車速帯のシフト位置にしか変速できないように制御処理(S71、S72)を構成する。上記制御構成により、トレッド調整を行うのに最適なシフト位置にしか変速できない(そこでしか変速できない)ので、不意に速く走ってトレッドを変えるということがなくなり、安全性を確保することができる。
手動によるズーム操作については、図16のフローチャートに示すように、左右同時に出力操作をされた場合に、後に押した側の方向を優先(S81〜S83)し、左右同時に出力を行うことを禁止するように制御処理を構成する。
トレッド幅の基準値の記憶方法については、ズームトレッドは幅としては、前述のように、5つの幅から選択する構成であるが、全ての位置をいちいち基準値として記憶すると基準値の記憶だけで途方もなく時間を要することから、図17のフローチャートに示すように、最縮み位置と最伸び位置とを記憶(S91、S92)しておき、その基準値からズームトレッド目標を算出(S93、S94a〜S94c)するように制御処理を構成する。このように、最縮み位置と最伸び位置の2点のみとして残りは演算式で算出することにより、基準値の調整(記憶)が楽になり、生産性の向上を図ることができる。
トラクタの全体側面図 トラクタの背面作用図 トレッド調節装置を示すリヤアクスルケースの水平断面図 トレッド調節装置の油圧回路図 トレッド調節装置の制御操作パネル装置の概略図 エンジン始動時の制御処理のフローチャート 車速条件を考慮したズーム動作制御のフローチャート ズーム制御のフローチャート ズーム制御のフローチャート ズーム制御のフローチャート ズーム制御のフローチャート 操作パネル装置の斜視図(a)および、要部拡大図(b) スイッチボックスのパネルの見取り図 ズーム制御のフローチャート ズーム制御のフローチャート ズーム制御のフローチャート ズーム制御のフローチャート
2 車輪(走行車輪)
3 油圧シリンダ
9 トラクタ(作業車両)
11 エンジン(原動機)
19 トレッド調節セットスイッチ
20 トレッド幅設定ダイヤル
21 コントローラ(制御部)
22 操作パネル装置
24g トレッド伸縮スイッチ
26a スイッチボックス
32d ズーム幅設定ダイヤル
34c セットスイッチ
34d ズーム調整右スイッチ
34e ズーム調整左スイッチ
43 入力軸センサ
B 操作ボタン
L モニタランプ

Claims (3)

  1. トレッド変更が可能に機体を走行支持する走行車輪(2)と、この走行車輪(2)をトレッド調節セットスイッチ(19)のセットにより機体の走行動作を条件に駆動制御する制御部(21)とからなる作業車両用トレッド可変式走行装置において、
    上記制御部(21)は、機体に搭載した走行動力供給用の原動機(11)の回転動作を条件に上記トレッド調節セットスイッチ(19)のセット操作を可能に制御し、
    上記トレッド調節セットスイッチ(19)と、そのトレッド幅を選択指定するためのダイヤル(20)と、これらトレッド調節セットスイッチ(19)及びトレッド幅設定ダイヤル(20)を有効にする自動ズームのセットスイッチ(34c)と、左右いずれのズーム位置を表示するのか選択する左スイッチ(34e)及び右スイッチ(34d)と、現在のトレッド位置を判断できるLED(α、β、γ)とを設け、
    上記左スイッチ(34e)又は右スイッチ(34d)とトレッド伸縮スイッチ(24g)とを同時に押すことによりトレッド幅を手動で変更可能に構成すると共に、
    右スイッチ(34d)のみ単独で押すとLED(α)が点灯し、右側の車輪のトレッドの位置をLED(γ)に目安として表示し、左スイッチ(34e)のみ単独で押すとLED(β)が点灯し、左側の車輪のトレッドの位置をLED(γ)に目安として表示する構成にすることを特徴とする作業車両用トレッド可変式走行装置。
  2. 前記制御部(21)は、車速信号により所定車速以上を条件としてトレッド変更を行うと共に、切れ角センサを設け、自動ズームトレッド制御時は切れ角が一定値以下の判定(S31)によって該当する時のみズーム駆動出力を許可(S32)する制御処理を行うことを特徴とする請求項1記載の作業車両用トレッド可変式走行装置。
  3. 前記制御部(21)は、伸縮スイッチ(24g)の操作による手動伸縮信号によってトレッドを伸縮制御すると共に、手動によるズーム操作で左右同時に出力操作をされた場合に後に押した側の方向を優先する制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の作業車両用トレッド可変式走行装置。
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