JP3651194B2 - 作業車両のトレッド変更制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、農業用や建設用の作業車両の車輪間隔を変更調節するトレッド変更制御装置に関する。
【0002】
【従来技術、及び発明が解決しようとする課題】
従来、農業用トラクタ等では、特開平9−2013号公報のように、油圧シリンダを駆動して車輪間隔、即ちトレッドを変更する技術がある。
しかしながら、前記公報のようにトレッドを変更する場合、車両を停止したまま油圧シリンダを駆動すると、車輪と地面間の摩擦力が大きくこの力で車輪、或いはトレッド変更装置の部品を破損してしまうという課題があった。
【0003】
また、逆に車両の走行速度が早い状態でトレッドを変更すると、車体側方の障害物に接触し易くなったり、誤って車両を操向すると車体が急旋回したり、前記油圧シリンダが円滑に作動しないという課題が有った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以上のような課題に対し、作業車両に、車両をトレッド変更状態に切替える手段32と、車体の進行を検出する手段1と、前記トレッドを変更するアクチュエータ3L,3Rとを備え、この車両のトレッドを変更するときには、前記切替手段32が入り状態で、且つ車体の進行が検出されたときに前記アクチュエータ3L,3Rを駆動する制御構成とした。
【0005】
また、上記記載の作業車両のトレッド変更制御装置において、車体の進行を検出する手段1を車速検出式センサで構成し、この車速センサの検出車速が予め設定した範囲内であるときに、前記アクチュエータ3L,3Rを駆動する構成とした。
【0006】
【発明の効果】
作業車両のトレッド幅を変更するときは、前記切替手段32が入り状態で、且つ車体の進行が検出されたときに前記アクチュエータ22,22を駆動するように構成したので、地表面との摩擦力が軽減され、車輪、或いはクローラなどの走行装置、またはトレッド変更装置を破損することを極力防止する。
【0007】
また、車体の進行を検出する手段1を車速検出式のセンサで構成し、高速走行中にはトレッド変更を牽制する構成としたので、前記障害物との接触による双方の破損を極力防止し、また、不意な操向より車体が大きく振れて操向不能に陥ることが無くなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を農業用トラクタについて説明する。
トラクタは、図5に示すように、車体5の前部にエンジンEを搭載し、このエンジンEの後側にクラッチハウジングケース6、ミッションケース7等を順次連結して、該エンジンEの下方には、前車輪9,9を操向自在に支架している。
【0009】
前記ミッションケース7の後部左右には、リヤアクスルハウジング19を連結してこの外端部に後車輪2,2を軸装し、該エンジンEからの伝動で前車輪9,9、及び後車輪2,2を駆動して走行し、ステアリングポスト10上のステアリングハンドル11の操作で前車輪9,9を操向する構成となっている。
符号12はフェンダー、13は操縦席、14はミッションケース7の後部に連結するロータリ耕耘装置で、リフトアーム15,15によって昇降される三点リンク機構16で連結する。該操縦席13の横側には、内部に制御部であるコントローラ17を収納するコントロールボックス18を設けている。そして、このコントローラ18の上面には、作業機の高さを設定するポジションレバー8、トラクタをトレッド変更状態に切り替える手段であるトレッド変更スイッチ32、トレッド幅設定器33等を設けている。尚、前記ポジションレバー8の回動基部には、ポテンショメータ8aを設け、この検出値により作業機14を昇降する構成となっている。
【0010】
トレッドを変更する後車輪2について、図3(ミッションケース7、及び左右リヤアクスルハウジング19を水平に断面したときの上面図)に基づいて説明する。前記左右リヤアクスルハウジング19L,19Rの前部には、左右方向に沿ってトレッド間隔Lを変更するアクチュエータであるズームシリンダ3L,3Rが設けられ、このズームシリンダ3L,3Rのピストン21L,21Rを、後述するトレッド変更用油圧回路20からの油圧力によって伸縮することで、後車輪2を左右外方向へ移動する構成となっている。また、このズームシリンダ3L,3Rのピストン21L,21Rの伸縮量を、これに併設した夫れ夫れのストロークセンサ22L,22Rで検出する構成となっている。このように、ズームシリンダ3L,3R、及びストロークセンサ22L,22Rをリヤアクスルハウジング19L,19Rの前部へ集中して設けたので、前記車体後部の作業機14との接触による破損や、泥はねによる腐食を極力回避して、これら装置の耐久性を向上することができる。
【0011】
また、ミッションケース7は、変速装置から連動されるピニオンギヤ軸23、及びこれによって連動される後輪用デフ装置24を内装し、このデフ装置24左右からブレーキディスク装置26を有する中継軸25を突出して設け、この中継軸25と後輪駆動軸28とを減速ギヤ27を介して連結した構成となっている。この後輪駆動軸28は先端部にスプラインを形成し、前記後車輪2を有する回転軸29がスプライン嵌合され、一体的に回転しながら左右スライド可能に構成されている。そして、前記回転軸29は前記ズームシリンダ3やストロークセンサ22を固着するスライドケース30にベアリング31を介して回転自在に軸装され、このズームシリンダ3のピストン伸縮により、一体に左右伸縮する構成となっている。
【0012】
トラクタの進行を検出する手段である車速センサ1は、前記スライドケース30の一側側に取付けられて、後車輪2の回転数を検出して前記コントローラ17に送信し、このコントローラ17で後車輪2の回転径との関係で車速を演算する構成となっている。
尚、このトラクタの進行を検出する手段の別形態としては、対地式のドップラセンサとしても良いし、変速位置を検出し且つクラッチの接続を検出することで間接的にトラクタの進行、或いは車速を検出する構成としても良い。
【0013】
次に、トラクタの一部油圧回路について図4に基づいて説明する。トラクタは、前記ミッションケース13を兼ねて油タンクTとし、このタンクTからポンプPで油を吸い上げ各種油圧アクチュエータへ送る構成となっている。前記ポンプPの回路下手側には、後述する牽制手段である切替制御弁40が設けられ、この制御弁40の切り替えにより、圧油を前記リフトアーム15,15を作動する作業機昇降用油圧シリンダ42へ送る場合と、前記トレッドを変更するズームシリンダ33,33へ送る場合とに切り替える構成となっている。また、この切替制御弁40は通常時、スプリング40sの付勢により油路を作業機昇降用油圧シリンダ42側へ連通する油圧室側が位置し、前記トレッド変更スイッチ32がオンの状態で切り替わる構成となっている。
【0014】
これにより、トレッド変更時には作業機14の昇降を牽制し、また逆に作業機14を昇降して作業を行っているときにはトレッドの変更を牽制する構成となっている。従って、トラクタの油圧回路構成を簡素化すると共に、トレッド変更、或いは作業を安全に行うことができる。
前記コントローラ17は、図1に示すように、内部に各種信号の演算処理部であるCPUや、トレッド変更制御プログラム等の格納するROMや、各種設定器の値を一次記憶するRAM等を有する構成となっている。そして、この入力側には、前記ポジションレバー8のポテンショメータ8a、トレッド変更スイッチ32、このトレッド幅を設定するトレッド幅設定器33、ストロークセンサ22L,22R、車速センサ1等を接続して設けている。また、出力側には、前記作業機昇降用油圧シリンダ42を駆動する切替制御弁35の上昇用ソレノイド35a、及び下降用ソレノイド35b、前記油路を切り替える切替制御弁40のソレノイド40a、左ズームシリンダ3Lを駆動する切替制御弁38Lの伸用ソレノイド37La、及び縮用ソレノイド37Lb、右ズームシリンダ3Rを駆動する切替制御弁38Rの伸用ソレノイド37Ra、及び縮用ソレノイド37Rb、警報ブザー39等を接続して設けている。
【0015】
以上のように構成したトラクタのトレッド変更制御装置の作用について、図2に基づいて説明する。
最初にトラクタのエンジンEの始動と共に電気系がオン状態となり、コントローラ17は各種設定器やセンサの状態を読み込みRAMに記憶する。次に、前記前記トレッド変更スイッチ32のオンオフ状態を判定し、このスイッチ32がONであれば、切替制御弁40のソレノイド40a通電し油路を切り替える。続いて前記車速センサ1からの検出値からこの車速値を演算する。そしてこの演算結果が、0か或いは0に近い微速であるかどうかを判定すると共に、トレッドを変更するに適当とされる低速域、例えば10km/h以内であるかどうかを判定する。そしてこれらの判定がYESであれば、前記トレッド幅設定器33の設定値と左右夫れ夫れのストロークセンサ22L,22Rの設定値との比較し、これに応じて、切替制御弁38L,38Rソレノイド38a,38bへ切替指令を行う。即ち、設定値>検出値の場合はズームシリンダ3L,3Rを伸長し、設定値<検出値の場合はズームシリンダ3L,3Rを短縮する。
【0016】
また、前記車速が0であった場合、警報ブザー39を間欠的に鳴らしてオペレータへトレッドの変更準備状態であることを報知する。また、車速が高速である場合、警報ブザー39を連続的に鳴らしてオペレータへトレッド変更が牽制されていることを報知する。
以上のようにトラクタのトレッドを変更するときには、前記トレッド変更スイッチ32がオンの状態で、且つ車体が低速で走行しているときにだけ、前記切替制御弁38L,38Rへ通電を行ってズームシリンダ3L,33Rを駆動するように構成したので、後輪2L,2Rと地表面との摩擦力が軽減され、このラグ等を破損したり、ズームシリンダ3L,3Rやストロークセンサ22L,22R、或いはこれらを支持するスライドケース30等の破損を防止することができる。
【0017】
また、高速でのトレッド変更を牽制する構成としたので、このトレッド変更時に車体の側方の障害物との接触による双方の破損を極力防止し、また、不意な操向より車体が大きく振れて操向不能に陥ることが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コントローラの接続状態を示すブロック図。
【図2】制御フローチャート。
【図3】ミッションケースの水平断面図。
【図4】トラクタの一部油圧回路図。
【図5】トラクタの側面図。
【符号の説明】
1 車速センサ
2 後車輪
3 ズームシリンダ
32 トレッド変更スイッチ
L トレッド間隔
Claims (2)
- 車両をトレッド変更状態に切替える手段32と、車体の進行を検出する手段1と、前記トレッドを変更するアクチュエータ3L,3Rとを備え、この車両のトレッドを変更するときには、前記切替手段32が入り状態で、且つ車体の進行が検出されたときに前記アクチュエータ3L,3Rを駆動するように構成した作業車両のトレッド変更制御装置。
- 請求項1に記載の作業車両のトレッド変更制御装置において、車体の進行を検出する手段1を車速検出式センサで構成し、この車速センサの検出車速が予め設定した範囲内であるときに、前記アクチュエータ3L,3Rを駆動することを特徴とする作業車両のトレッド変更制御装置。
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