JP6577536B2 - 固定子及び電動機 - Google Patents

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Description

本発明は、固定子及び電動機に関する。
従来、固定子の固定子コアに対してコイルを固定するコイル固定部品において、サイズの異なる電動機に共通に使用でき、かつ簡易なものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このコイル固定部品は、固定子コアに形成された挿入孔に挿入される突起を備えており、突起を固定子コアの挿入孔に挿入することで、固定子コアに装着することができる。
特許第5977311号公報
特許文献1に記載のコイル固定部品によれば、コイル固定部品自体を固定子コアに装着する作業性が向上する。しかしながら、このコイル固定部品は、コイルを固定子コアに固定する作業性が向上するものではない。
本発明は、コイルを固定子コアに固定する作業性が向上するコイル固定部品を有する固定子及び電動機を提供することを目的とする。
(1)本発明は、円筒状の継鉄部(例えば、後述する継鉄部11)と、前記継鉄部の内周部における周方向(例えば、後述する周方向D2)に互いに間隔をあけた位置から前記継鉄部における径方向(例えば、後述する径方向D3)の内側に突出すると共に前記継鉄部における軸方向(例えば、後述する軸方向D1)に延びる複数の歯部(例えば、後述する歯部12)と、を有する固定子コア(例えば、後述する固定子コア10)と、前記歯部を包囲するように前記歯部に取り付けられる複数のコイル(例えば、後述するコイル20)であって、前記コイルの内周部(例えば、後述する内周部20a)と前記歯部における前記軸方向の一端の側の第1の端面(例えば、後述する第1の端面12a)との間に第1の空隙部(例えば、後述する第1の空隙部SP1)を形成すると共に、前記コイルの内周部と前記歯部における前記軸方向の他端の側の第2の端面(例えば、後述する第2の端面12b)との間に第2の空隙部(例えば、後述する第2の空隙部SP2)を形成する複数のコイルと、前記第1の空隙部に、前記径方向の内側から外側に向けて挿入されて前記コイルを固定する複数の第1のコイル固定部品(例えば、後述する第1のコイル固定部品30,30A,30B)と、前記第2の空隙部に、前記径方向の内側から外側に向けて挿入されて前記コイルを固定する複数の第2のコイル固定部品(例えば、後述する第2のコイル固定部品40)と、を備え、前記第1の端面は、第1の凹部(例えば、後述する貫通孔13)を有し、前記第2の端面は、第2の凹部(例えば、後述する貫通孔13)を有し、前記第1のコイル固定部品は、前記第1の空隙部に挿入される第1の本体部(例えば、後述する第1の本体部31)と、前記第1の本体部における前記第1の端面に面する位置から突出して前記第1の凹部に挿入される第1の凸部(例えば、後述する第1の凸部32)と、前記第1の本体部における前記径方向の内側の端部から前記第1の端面とは反対の側に延出して前記径方向の内側から前記コイルを係止する第1の係止部(例えば、後述する第1の係止部33)と、を有し、前記第2のコイル固定部品は、前記第2の空隙部に挿入される第2の本体部(例えば、後述する第2の本体部41)と、前記第2の本体部における前記第2の端面に面する位置から突出して前記第2の凹部に挿入される第2の凸部(例えば、後述する第2の凸部42)と、前記第2の本体部における前記径方向の内側の端部から前記第2の端面とは反対の側に延出して前記径方向の内側から前記コイルを係止する第2の係止部(例えば、後述する第2の係止部43)と、を有し、前記第1の本体部及び前記第2の本体部の少なくとも一方は、前記軸方向の弾性を発現する弾性発現構造を有する固定子(例えば、後述する固定子1)に関する。
(2) (1)に記載の固定子において、前記第1の本体部は、前記第1の空隙部への挿入を案内する第1の案内部(例えば、後述する第1の案内部31a)を有し、前記第2の本体部は、前記第2の空隙部への挿入を案内する第2の案内部(例えば、後述する第2の案内部41a)を有してもよい。
(3) (2)に記載の固定子において、前記第1の凸部が、前記第1の案内部による前記第1の空隙部への前記第1の本体部の案内を補助する第1の補助案内部(例えば、後述する第1の補助案内部32a)を有するか、又は、前記第2の凸部が、前記第2の案内部による前記第2の空隙部への前記第2の本体部の案内を補助する第2の補助案内部を有してもよい。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の固定子において、前記第1の本体部及び前記第2の本体部のいずれか一方(例えば、後述する第2の本体部41)は、前記弾性発現構造を有し、前記第1の本体部及び前記第2の本体部のいずれか他方(例えば、後述する第1の本体部31)は、前記弾性発現構造を実質的に有しなくてもよい。
(5)本発明は、(1)〜(4)のいずれかに記載の固定子と、前記固定子の内側に配置される回転子と、を備える電動機に関する。
本発明によれば、コイルを固定子コアに固定する作業性が向上するコイル固定部品を有する固定子及び電動機を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る固定子を斜め上方から視た斜視図である。 図1のA−A線による部分断面図である。 一実施形態に係る固定子が備える固定子コアを斜め上方から視た斜視図である。 一実施形態に係る固定子が備える固定子コアを斜め下方から視た斜視図である。 一実施形態に係る固定子が備える第1のコイル固定部品の斜視図である。 一実施形態に係る固定子が備える第2のコイル固定部品の斜視図である。 第1及び第2のコイル固定部品を装着する工程を順次説明する図である。 第1及び第2のコイル固定部品を装着する工程を順次説明する図である。 第1及び第2のコイル固定部品を装着する工程を順次説明する図である。 第1のコイル固定部品を外す工程を順次説明する図である。 第1のコイル固定部品を外す工程を順次説明する図である。 第1のコイル固定部品を外す工程を順次説明する図である。 別の実施形態に係る固定子が備える第1のコイル固定部品の側面図である。 更に別の実施形態に係る固定子が備える第1のコイル固定部品の側面図である。
以下、本発明に係る固定子1及び電動機の一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る固定子1を斜め上方から視た斜視図である。図2は、図1のA−A線による部分断面図である。図3Aは、一実施形態に係る固定子1が備える固定子コア10を斜め上方から視た斜視図である。図3Bは、一実施形態に係る固定子1が備える固定子コア10を斜め下方から視た斜視図である。図4は、一実施形態に係る固定子1が備える第1のコイル固定部品30の斜視図である。図5は、一実施形態に係る固定子1が備える第2のコイル固定部品40の斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の固定子1は、固定子1の内側に配置される回転子(図示省略)と共に電動機を構成する。本実施形態の固定子1が構成する電動機は、かご形誘導電動機である。固定子1は、固定子コア10と、複数のコイル20と、複数の第1のコイル固定部品30と、複数の第2のコイル固定部品40と、を備える。
図3A及び図3Bに示すように、固定子コア10は、電磁鋼板が軸方向D1に積層されることで構成される。この固定子コア10は、継鉄部11と、複数の歯部12と、を有する。
継鉄部11は、円筒状である。複数の歯部12は、継鉄部11の内周部における周方向D2に互いに間隔をあけた位置から継鉄部11における径方向D3の内側に突出する。また、歯部12は、継鉄部11における軸方向D1に延びており、詳細には、継鉄部11の一端から他端まで亘る長さを有する。
複数の歯部12は、それぞれ、略直方体形状であって、貫通孔13を有する。貫通孔13は、歯部12における軸方向D1の一端の側の第1の端面12aから他端の側の第2の端面12bに亘って貫通する。貫通孔13における第1の端面12aにおいて露出する部分13a(図3A参照)は、第1のコイル固定部品30の第1の凸部32が挿入される第1の凹部として機能する。貫通孔13における第2の端面12bにおいて露出する部分13b(図3B参照)は、第2のコイル固定部品40の第2の凸部42が挿入される第2の凹部として機能する。
なお、軸方向D1について、第2の端面12bから第1の端面12aに向かう方向を「第1軸方向D11」ともいい、その反対方向を「第2軸方向D12」ともいう。径方向D3について、内側から外側に向かう方向を「外径方向D31」ともいい、その反対方向を「内径方向D32」ともいう。
図1及び図2に戻って説明する。複数のコイル20は、固定子コア10における歯部12を包囲するように、歯部12に取り付けられる。なお、コイル20を構成する線材の周りには、接着剤が付されているので、線材を巻回して形成されるコイル20は、全体として環状に維持される。歯部12に取り付けられたコイル20は、コイル20の内周部20aと歯部12の第1の端面12aとの間に第1の空隙部SP1を形成すると共に、コイル20の内周部20aと歯部12の第2の端面12bとの間に第2の空隙部SP2を形成する。第1の空隙部SP1は、第1のコイル固定部品30が挿入される空隙となる。第2の空隙部SP2は、第2のコイル固定部品40が挿入される空隙となる。
図2及び図4に示すように、第1のコイル固定部品30は、第1の空隙部SP1に、径方向D3の内側から外側に向けて(外径方向D31に向けて)挿入されて、固定子コア10における歯部12に取り付けられたコイル20を固定する。具体的に、第1のコイル固定部品30は、第1の本体部31と、第1の凸部32と、第1の係止部33と、を有する。
第1の本体部31は、径方向D3の外側で且つ軸方向D1の外側の位置に(外径方向D31の側で且つ第1軸方向D11の側に)、第1の案内部31aを有する。第1の案内部31aは、径方向D3の外側に向けて先細となるテーパ形状を有し、第1の空隙部SP1への挿入を案内する。本発明において「挿入を案内する」とは、見方を変えると、挿入性を向上させる、挿入抵抗を低下させることである。第1の凸部32は、第1の空隙部SP1へ挿入された第1の本体部31における第1の端面12aに面する位置から軸方向D1の内側に(第2軸方向D12に)突出して、貫通孔13に挿入される。挿入された第1の凸部32は、コイル20の取り付け状態に応じて、貫通孔13に係合したり、嵌合したりする。
第1の凸部32は、第1の補助案内部32aを有する。第1の補助案内部32aは、径方向D3の外側で且つ軸方向D1の内側(外径方向D31の側で且つ第2軸方向D12の側に)が傾斜する側面視略三角形状を有し、第1の案内部31aによる第1の本体部31の第1の空隙部SP1への案内を補助する。第1の係止部33は、第1の本体部31における径方向D3の内側の端部から第1の端面12aとは反対の側に(軸方向D1の外側に)延出して、径方向D3の内側からコイル20を係止する係止片である。なお、第1の本体部31は、第2の本体部41が有する弾性発現構造(後述)を実質的に有していない。
図2及び図5に示すように、第2のコイル固定部品40は、第2の空隙部SP2に、径方向D3の内側から外側に向けて挿入されて、固定子コア10における歯部12に取り付けられたコイル20を固定する。具体的に、第2のコイル固定部品40は、第2の本体部41と、第2の凸部42と、第2の係止部43と、を有する。
第2の本体部41は、軸方向D1の弾性を発現する弾性発現構造を有する。詳細には、第2の本体部41は、互いに平行な二枚の板状部411,412が互いに間隔をあけて別の一枚の板状部413に連結された形状を有する。そのため、第2の本体部41は、高温に耐える素材として硬い樹脂が採用されている場合であっても、軸方向D1の弾性を有する。この第2の本体部41は、径方向D3の外側で軸方向D1の外側(第2軸方向D12の側)の位置に(板状部413に)、第2の案内部41aを有する。第2の案内部41aは、径方向D3の外側に向けて先細となるテーパ形状を有し、第2の空隙部SP2への第2の本体部41の挿入を案内する。
第2の凸部42は、第2の空隙部SP2へ挿入された第2の本体部41における第2の端面12bに面する位置から軸方向D1の内側に突出して、貫通孔13に挿入される。挿入された第2の凸部42は、コイル20の取り付け状態に応じて、貫通孔13に係合したり、嵌合したりする。なお、第2の凸部42は、側面視で矩形であり、第1の凸部32のような補助案内部を有していない。第2の係止部43は、第2の本体部41における径方向D3の内側の端部から第2の端面12bとは反対の側に(軸方向D1の外側に)延出して、径方向D3の内側からコイル20を係止する係止片である。
なお、全てのコイル20が第1のコイル固定部品30及び第2のコイル固定部品40により固定された状態において、全てのコイル20を円盤状の部材(図示省略)でまとめて押さえたり、樹脂モールド(図示省略)で固めたりすることで、コイル20は拘束されている。
次に、固定子1の組立作業の手順について説明する。図6A〜図6Cは、第1及び第2のコイル固定部品を装着する工程を順次説明する図である。
まず、固定子コア10の複数の歯部12のそれぞれに、径方向D3の内側から外側に向けて(外径方向D31に)コイル20を嵌めることで、コイル20を取り付ける。次に、図6Aに示すように、コイル20の内周部20aと歯部12の第2の端面12bとの間に第2の空隙部SP2が大きく形成されるように、コイル20を配置する。
そして、図6Bに示すように、第2の空隙部SP2に、第2のコイル固定部品40を径方向D3の内側から外側に向けて(外径方向D31に)挿入する。挿入過程において、第2の案内部41aにより挿入性が高められている。第2の凸部42は、第2の端面12bの側の貫通孔13の部分13b(図6A参照)に挿入される。次いで、図6Cに示すように、コイル20の内周部20aと歯部12の第1の端面12aとの間に形成された第1の空隙部SP1に、第1のコイル固定部品30を径方向D3の内側から外側に向けて(外径方向D31に)挿入する。挿入過程において、第1の案内部31a及び第1の補助案内部32aにより挿入性が高められている。第1の凸部32は、第1の端面12aの側の貫通孔13の部分13aに挿入される。
第1の空隙部SP1に第1のコイル固定部品30を挿入される過程において、図6Cに示すように、第2の空隙部SP2に挿入された第2のコイル固定部品40の第2の本体部41が軸方向D1に収縮し、第1の空隙部SP1が拡がる。そして、第1の空隙部SP1への第1のコイル固定部品30の挿入が完了することで、図2に示すように、軸方向D1に収縮していた第2のコイル固定部品40の第2の本体部41は、軸方向D1に伸長して元の形状に戻る。この挙動によっても、第1の空隙部SP1に第1のコイル固定部品30を容易に挿入することができる。その結果、コイル20を固定子コア10に容易に固定することができる。
次に、固定子1からコイル20を外す作業の手順について、図7A〜図7Cを参照して説明する。図7A〜図7Cは、第1のコイル固定部品を外す工程を順次説明する図である。コイル20を外す作業は、例えば、それまでの製造過程において不具合が生じ、コイル20を外して手直しを行うときに行われる。
図7Aに示すように、まず、第1のコイル固定部品30の第1の係止部33の先端側を、径方向D3の内側に(内径方向D32に)引っ張ることで、第1のコイル固定部品30の第1の本体部31が径方向D3の内側を支点として回動する。これにより、第1のコイル固定部品30の第1の凸部32が貫通孔13の部分13aから脱出すると共に、コイル20が第1軸方向D11に移動する。なお、第1の凸部32には第1の補助案内部32aが設けられている(第1の凸部32は側面視で矩形ではなく、切り欠かれている)ため、第1の凸部32は貫通孔13から脱出しやすい。コイル20が軸方向D1の外側に持ち上がったことで、第2の空隙部SP2に挿入されている第2のコイル固定部品40の第2の本体部41が軸方向D1に収縮する。
次に、図7Bに示すように、第1のコイル固定部品30の第1の凸部32が貫通孔13から脱出した状態で、且つコイル20が第1軸方向D11に移動した状態のまま、第1のコイル固定部品30を第1の空隙部SP1から径方向D3の内側に向けて(内径方向D32に)引き抜く。そして、図7Cに示すように、コイル20を第2軸方向D12に移動させてから、第2のコイル固定部品40を第2の空隙部SP2から径方向D3の内側に向けて引き抜くと共に、歯部12から径方向D3の内側に向けてコイル20を外す。このようにして、コイル20を容易に外すことができる。
本実施形態の固定子1及び電動機によれば、例えば以下の効果が奏される。
本実施形態の固定子1は、円筒状の継鉄部11と、継鉄部11の内周部における周方向D2に互いに間隔をあけた位置から継鉄部11における径方向D3の内側に突出すると共に継鉄部11における軸方向D1に延びる複数の歯部12と、を有する固定子コア10と、歯部12を包囲するように歯部12に取り付けられる複数のコイル20であって、コイル20の内周部20aと歯部12における軸方向D1の一端の側の第1の端面12aとの間に第1の空隙部SP1を形成すると共に、コイル20の内周部20aと歯部12における軸方向D1の他端の側の第2の端面12bとの間に第2の空隙部SP2を形成する複数のコイル20と、第1の空隙部SP1に、径方向D3の内側から外側に向けて挿入されてコイル20を固定する複数の第1のコイル固定部品30と、第2の空隙部SP2に、径方向D3の内側から外側に向けて挿入されてコイル20を固定する複数の第2のコイル固定部品40と、を備える。第1の端面12aは、貫通孔13を有し、第2の端面12bは、貫通孔13を有し、第1のコイル固定部品30は、第1の空隙部SP1に挿入される第1の本体部31と、第1の本体部31における第1の端面12aに面する位置から突出して貫通孔13に挿入される第1の凸部32と、第1の本体部31における径方向D3の内側の端部から第1の端面12aとは反対の側に延出して径方向D3の内側からコイル20を係止する第1の係止部33と、を有し、第2のコイル固定部品40は、第2の空隙部SP2に挿入される第2の本体部41と、第2の本体部41における第2の端面12bに面する位置から突出して貫通孔13に挿入される第2の凸部42と、第2の本体部41における径方向D3の内側の端部から第2の端面12bとは反対の側に延出して径方向D3の内側からコイル20を係止する第2の係止部43と、を有し、第2の本体部41は、軸方向D1の弾性を発現する弾性発現構造を有する。
従って、固定子コア10の複数の歯部12のそれぞれにコイル20を嵌めた後に、コイル20の内周部20aと歯部12の第2の端面12bとの間に形成された第2の空隙部SP2に第2のコイル固定部品40を挿入してから、コイル20の内周部20aと歯部12の第1の端面12aとの間に形成された第1の空隙部SP1に第1のコイル固定部品30を挿入しようとすると、第2のコイル固定部品40の第2の本体部41が軸方向D1に収縮するため、第1のコイル固定部品30を第1の空隙部SP1に容易に挿入することができる。これにより、コイル20を固定子コア10に容易に固定することができる。このような単純な作業で対応できるので、コイル20を固定子コア10に固定する作業性が向上する。
また、第1のコイル固定部品30の第1の係止部33の先端を引っ張って第1の本体部31を回動させてから、第1のコイル固定部品30を第1の空隙部SP1から引き抜いた後に、コイル20を軸方向D1に押し下げてから、第2のコイル固定部品40を第2の空隙部SP2から引き抜くだけで、歯部12からコイル20を容易に外すことができる。
また、第1の本体部31は、第1の空隙部SP1への挿入を案内する第1の案内部31aを有し、第2の本体部41は、第2の空隙部SP2への挿入を案内する第2の案内部41aを有する。従って、第1の空隙部SP1への第1のコイル固定部品30の挿入が容易となると共に、第2の空隙部SP2への第2のコイル固定部品40の挿入が容易となる。
また、第1の凸部32は、第1の案内部31aによる第1の空隙部SP1への第1の本体部31の案内を補助する第1の補助案内部32aを有する。従って、第1のコイル固定部品30の第1の空隙部SP1への挿入が更に容易となる。
また、第1のコイル固定部品30の第1の本体部31は、第2のコイル固定部品40の第2の本体部41と異なり、軸方向D1の弾性を実質的に有しない。そのため、コイル20における第1のコイル固定部品30の側の端部の高さを揃えることが容易であり、品質を安定させることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更及び変形が可能である。例えば、上記実施形態において、第2のコイル固定部品40の第2の本体部41が軸方向D1の弾性を有したが、これに限定されない。つまり、第1のコイル固定部品30の第1の本体部31が軸方向D1の弾性を有してもよいし、あるいは、両方が軸方向D1の弾性を有してもよい。
また、上記実施形態において、第1のコイル固定部品30の第1の凸部32が、第1の案内部31aによる第1の本体部31の第1の空隙部SP1への案内を補助する第1の補助案内部32aを有するとしたが、これに限定されない。つまり、第1のコイル固定部品30の第1の凸部32が第1の補助案内部32aを有することに代えて、又は第1のコイル固定部品30の第1の凸部32が第1の補助案内部32aを有すると共に、第2のコイル固定部品40の第2の凸部42が、第2の案内部41aによる第2の本体部41の第2の空隙部SP2への案内を補助する第2の補助案内部を有してもよい。案内部及び補助案内部の形状は、テーパー形状に制限されず、曲面状であってもよい。
次に、別の実施形態(変形例)に係る固定子について、図8を参照して説明する。なお、変形例の説明において、図1に示す固定子1と共通する構成については同一の符号を付す等し、その説明を省略する。また、変形例の説明において、図1に示す固定子1が奏する効果と同様な効果については、その説明を割愛する。
図8は、別の実施形態に係る固定子が備える第1のコイル固定部品30Aの側面図である。この実施形態に係る固定子は、第1のコイル固定部品30に代えて、第1のコイル固定部品30Aを備える点が、図1に示す固定子1と相違する。
図8に示すように、第1のコイル固定部品30Aは、第1の本体部31を備える。第1の本体部31は、径方向D3に沿って延びるスリット315が設けられた形状を有し、軸方向D1の弾性を有する。この第1のコイル固定部品30Aの第1の本体部31は、第2のコイル固定部品40の第2の本体部41と比較して軸方向D1の収縮量が小さい(弾性係数が小さい)。
次に、更に別の実施形態に係る固定子について、図9を参照して説明する。図9は、更に別の実施形態に係る固定子が備える第1のコイル固定部品30Bの側面図である。この実施形態に係る固定子は、第1のコイル固定部品30に代えて、第1のコイル固定部品30Bを備える点が、図1に示す固定子1と相違する。
図9に示すように、第1のコイル固定部品30Bは、第1の本体部31を備える。第1の本体部31は、互いに平行な二枚の板状部311,312が互いに間隔をあけて別の板状部313で連結されると共に一方の板状部311から他方の板状部312の手前まで延出した更に別の板状部314を有する形状を有し、軸方向D1の弾性を有する。この第1のコイル固定部品30Bの第1の本体部31は、第2のコイル固定部品40の第2の本体部41と比較して軸方向D1の収縮量が小さい(弾性係数が小さい)。更に別の板状部314は、その先端部が他方の板状部312に突き当たることにより、第1の本体部31の軸方向D1の収縮量を制限する。
1 固定子
10 固定子コア
11 継鉄部
12 歯部
12a 第1の端面
12b 第2の端面
13 貫通孔(第1の凹部、第2の凹部)
20 コイル
20a 内周部
30,30A,30B 第1のコイル固定部品
31 第1の本体部
31a 第1の案内部
32 第1の凸部
32a 第1の補助案内部
33 第1の係止部
40 第2のコイル固定部品
41 第2の本体部
41a 第2の案内部
42 第2の凸部
43 第2の係止部
D1 軸方向
D2 周方向
D3 径方向
SP1 第1の空隙部
SP2 第2の空隙部

Claims (4)

  1. 円筒状の継鉄部と、前記継鉄部の内周部における周方向に互いに間隔をあけた位置から前記継鉄部における径方向の内側に突出すると共に前記継鉄部における軸方向に延びる複数の歯部と、を有する固定子コアと、
    前記歯部を包囲するように前記歯部に取り付けられる複数のコイルであって、前記コイルの内周部と前記歯部における前記軸方向の一端の側の第1の端面との間に第1の空隙部を形成すると共に、前記コイルの内周部と前記歯部における前記軸方向の他端の側の第2の端面との間に第2の空隙部を形成する複数のコイルと、
    前記第1の空隙部に、前記径方向の内側から外側に向けて挿入されて前記コイルを固定する複数の第1のコイル固定部品と、
    前記第2の空隙部に、前記径方向の内側から外側に向けて挿入されて前記コイルを固定する複数の第2のコイル固定部品と、を備え、
    前記第1の端面は、第1の凹部を有し、
    前記第2の端面は、第2の凹部を有し、
    前記第1のコイル固定部品は、前記第1の空隙部に挿入される第1の本体部と、前記第1の本体部における前記第1の端面に面する位置から突出して前記第1の凹部に挿入される第1の凸部と、前記第1の本体部における前記径方向の内側の端部から前記第1の端面とは反対の側に延出して前記径方向の内側から前記コイルを係止する第1の係止部と、を有し、
    前記第2のコイル固定部品は、前記第2の空隙部に挿入される第2の本体部と、前記第2の本体部における前記第2の端面に面する位置から突出して前記第2の凹部に挿入される第2の凸部と、前記第2の本体部における前記径方向の内側の端部から前記第2の端面とは反対の側に延出して前記径方向の内側から前記コイルを係止する第2の係止部と、を有し、
    前記第1の本体部は、前記第1の空隙部への挿入を案内する第1の案内部を有し、
    前記第2の本体部は、前記第2の空隙部への挿入を案内する第2の案内部を有し、
    前記第1の案内部及び第2の案内部は前記径方向の外側に向けて先細となる形状を有し、
    前記第1の本体部及び前記第2の本体部の少なくとも一方は、前記軸方向の弾性を発現する弾性発現構造を有することを特徴とする
    固定子。
  2. 前記第1の凸部が、前記第1の案内部による前記第1の空隙部への前記第1の本体部の案内を補助する第1の補助案内部を有するか、
    又は、
    前記第2の凸部が、前記第2の案内部による前記第2の空隙部への前記第2の本体部の案内を補助する第2の補助案内部を有することを特徴とする
    請求項に記載の固定子。
  3. 前記第1の本体部及び前記第2の本体部のいずれか一方は、前記弾性発現構造を有し、
    前記第1の本体部及び前記第2の本体部のいずれか他方は、前記弾性発現構造を実質的に有しないことを特徴とする
    請求項1又は2に記載の固定子。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の固定子と、
    前記固定子の内側に配置される回転子と、を備えることを特徴とする電動機。
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