JP6573100B2 - 楽音制御装置、楽音制御方法、プログラム、および電子楽器 - Google Patents

楽音制御装置、楽音制御方法、プログラム、および電子楽器 Download PDF

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本発明は、楽音のエンベロープを制御可能な楽音制御装置楽音制御方法、プログラムおよび電子楽器に関する。
鍵のタッチに応じて発生する楽音を修飾する技術が知られている。この種の技術として、例えば特許文献1には、鍵操作に応じてスイッチング動作して離鍵状態、中間状態および押鍵状態を表す信号を発生する接点スイッチを演奏操作子の各鍵に設け、この接点スイッチの信号が押鍵状態から中間状態を経て離鍵状態になるまでの離鍵時間を計時して得られる離鍵タッチデータに応じて、発生楽音に付与するエフェクト(トレモロ、コーラス、リバーブ、ディレイ)を制御する離鍵タッチレスポンス技術が開示されている。
特開平2−118695号公報
ところで、上記特許文献1に開示の技術では、単に離鍵タッチに応じて、発生楽音に付与するエフェクトの強さや深さを制御するだけに留まり、離鍵の仕方で次の音の立ち上がりを制御することが出来ないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、離鍵の仕方で楽音のエンベロープを制御可能な楽音制御装置、楽音制御方法、プログラム、および電子楽器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の楽音制御装置は、
押鍵操作と離鍵操作が可能な演奏操作子による前記離鍵操作の速度を取得する取得部と、
前記取得した前記離鍵操作の速度に基づいて、前記速度を取得した前記離鍵操作が行われた後、次に行われる前記押鍵操作に応答して生成される楽音のエンベロープの立ち上がりレートを制御する制御部と、
を具備することを特徴とする。
また、本発明の楽音制御方法は、
楽音制御装置が、
押鍵操作と離鍵操作が可能な演奏操作子による前記離鍵操作の速度を取得し、
前記速度を取得した前記離鍵操作が行われた後、前記取得した前記離鍵操作の速度に基づいて、次に行われる前記押鍵操作に応答して生成される楽音のエンベロープの立ち上がりレートを制御する、ことを特徴とする。
本発明のプログラムは、
コンピュータに、
押鍵操作と離鍵操作が可能な演奏操作子による前記離鍵操作の速度を取得する処理と、
前記速度を取得した前記離鍵操作が行われた後、前記取得した前記離鍵操作の速度に基づいて、次に行われる前記押鍵操作に応答して生成される楽音のエンベロープの立ち上がりレートを制御する処理と、
を実行させることを特徴とする。
本発明では、離鍵の仕方で次の音の立ち上がりを制御することが出来る。
本発明の一実施形態による電子楽器100の構成を示すブロック図である。 ベロシティ取得部14の機能を説明するための図である。 エンベロープ生成部17cに格納されるエンベロープ属性テーブルETの構成を示す図である。 エンベロープ生成部17cに格納されるレート係数デーブルRTの構成を示す図である。 CPU処理の動作を示すフローチャートである。 スイッチ処理の動作を示すフローチャートである。 鍵盤処理の動作を示すフローチャートである。 音源処理の動作を示すフローチャートである。 音源処理の動作を示すフローチャートである。 音源処理の動作を説明する為の図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
A.構成
図1は、本発明の一実施形態である電子楽器100の全体構成を示すブロック図である。この図において、本発明における処理部としてのCPU10は、スイッチ部11から出力されるスイッチイベントに応じて装置各部の処理動作を設定したり、後述の演奏操作子13としての鍵盤から、発音・消音指示操作に基づいて出力される鍵盤情報やベロシティ取得部14が発生するオン/オフベロシティに応じたノートオン/ノートオフイベントを生成して音源部17に供給する。本発明の要旨に係わるCPU10の特徴的な処理動作については追って詳述する。
スイッチ部11は、操作パネルに設けられる電源スイッチや音色スイッチ、オフベロシティ反映スイッチなどの各種操作スイッチから構成され、操作されるスイッチ種に応じたスイッチイベントを発生する。スイッチ部11が発生するスイッチイベントはCPU10に取り込まれる。表示部12は、例えば液晶表示パネルなどから構成され、CPU10の制御の下に、装置各部の設定状態や動作状態などを画面表示する。
演奏操作子13としての鍵盤は、押離鍵操作に応じたキーオン/キーオフ信号および鍵番号を含む鍵盤情報を発生する。ベロシティ取得部14は、演奏操作子13を構成する鍵盤の各鍵毎に配設される鍵SW1、SW2を備え、押離鍵操作される鍵に配設される鍵SW1、SW2のオンオフタイミングから押鍵時のオンベロシティおよび離鍵時のオフベロシティを取得する。
ここで、図2を参照してベロシティ取得部14が取得する押鍵時のオンベロシティおよび離鍵時のオフベロシティについて説明する。図2に図示するように、離鍵状態にある鍵を押鍵すると、押鍵操作に揺動する鍵の動きに従って先ず鍵SW1がオンとなった後に鍵SW2がオンとなるので、鍵SW1のオン時点から鍵SW2のオン時点までの時間を計時することで押鍵速度を表すオンベロシティを取得する。同様に、離鍵操作に揺動する鍵の動きに従って先ず鍵SW2がオフとなった後に鍵SW1がオフとなるので、鍵SW2のオフ時点から鍵SW1のオフ時点までの時間を計時することで離鍵速度を表すオフベロシティを取得する。
ROM15は、CPU10や音源部17にロードされる各種制御プログラムを記憶する。なお、このROM14に格納される各種制御プログラムとは、後述するCPU処理と、当該CPU処理からコールされるスイッチ処理および鍵盤処理の他、音源部17にロードされる音源処理を含む。RAM16には、CPU10の処理に用いられる各種レジスタ・フラグデータが一時記憶される。
本発明における楽音発生装置に係る音源部17は、周知の波形メモリ読み出し方式によって構成され、時分割動作する複数の楽音信号生成部17aに相当する発音チャンネルを備える。この音源部17では、内蔵する波形メモリに記憶される各種音色の波形データの内、ユーザ操作に応じてCPU10が指定する音色の楽音波形データに基づいて当該CPU10から供給されるノートオン/ノートオフイベントに従って楽音波形信号を発生する。このために、音源部17は、CPU10から供給されるノートオン/ノートオフイベントを受信するための受信部17bを備えている。
そして音源部17は、楽音信号生成部17aにより生成される楽音信号に付与すべきエンベロープを生成するエンベロープ生成部17cを備える。このエンベロープ生成部17cには、エンベロープ属性テーブルETおよびレート係数テーブルRTを備えている。これらテーブルは、オフベロシティ反映モードである場合に参照される。オフベロシティ反映モードとは、離鍵の仕方で次の音の立ち上がりを制御するモードを指す。
オフベロシティ反映モード下におけるエンベロープ生成部17cでは、後述するように、オルガンやハーモニカ等の持続音系の音色の楽音において、離鍵時のオフベロシティに応じて次押鍵で発音する楽音に付与すべきエンベロープの立ち上がりレートを制御する。これにより、例えばゆっくりと離鍵すれば次押鍵で発音する楽音の立ち上がりを緩やかにしたり、素早く離鍵すれば次押鍵で発音する楽音の立ち上がりを急峻にしたりすることで通常の持続音では得られない演奏効果を実現する。こうした本発明の要旨に係わる音源部17、特にエンベロープ生成部17cの特徴的な処理動作については追って詳述する。
ここで、図3および図4を参照して、エンベロープ生成部17cのエンベロープ属性テーブルETおよびレート係数テーブルRTの内容について説明する。図3は、エンベロープ属性テーブルETの構成を示す図である。エンベロープ属性テーブルETは、音色番号TNで指定される音色波形のエンベロープ属性を表す立ち上がりレートAR、立ち上がりレベルALおよび立ち下がりレートRRから構成される。立ち上がりレートARは、ノートオン時点から立ち上がりレベルALに達するまでの時間を表す。立ち下がりレートRRは、ノートオフ時点の立ち上がりレベルALから消音レベル「0」に達するまでの時間を表す。
次に、図4は、レート係数テーブルRTの一例を示す図である。レート係数テーブルRTは、直前オフベロシティ値(前離鍵時のエンベロープ値)を、次押鍵時の立ち上がりレートARに反映させる係数を発生するテーブルである。この図に示す一例の場合、直前オフベロシティ値が中央値「64」以上ならば「1」以上のレート係数RCを発生し、一方、直前オフベロシティ値が中央値「64」未満ならば「1」未満のレート係数RCを発生する。
一方、音源部17はさらに、オフカウンタ17dを有する。このオフカウンタ17dは、ノートオフ(離鍵)時点からの経過時間をカウントするカウンタであり、前離鍵から所定時間経過しているかどうかを判断するために用いられるものである。
再び図1を参照して実施形態の説明を進める。発音部18は、音源部17から出力される楽音データをアナログ形式の楽音信号に変換した後、その楽音信号から不要ノイズを除去する等のフィルタリングを施してからレベル増幅してスピーカより発音させる。
B.動作
次に、図5〜図10を参照して、上記構成による電子楽器100の動作を説明する。以下では、CPU10が動作主体となるCPU処理、スイッチ処理および鍵盤処理の各動作について説明した後、音源部17が動作主体となる音源処理の動作を説明する。
(1)CPU処理の動作
図5は、CPU10が実行するCPU処理の動作を示すフローチャートである。電源スイッチ操作により電子楽器100がパワーオンされると、CPU10は図5に図示するCPU処理を実行してステップSA1に進み、装置各部を初期化するイニシャライズを実行する。そして、次のステップSA2では、音色スイッチ操作で指定された音色番号を取得して音源部17へ送付したり、オフベロシティ反映スイッチのオン操作に応じてモードフラグMFを「1」にセットしてオフベロシティ反映モードに設定したりするスイッチ処理を実行する。
続いて、ステップSA3では、演奏操作子13としての鍵盤の各鍵について鍵走査を行い、押鍵によるキーオン信号を検出すると、押鍵された鍵の鍵番号およびオンベロシティを含むノートオンイベントを作成して音源部17へ送付し、一方、キーオフ信号を検出すると、離鍵された鍵の鍵番号およびオフベロシティを含むノートオフイベントを作成して音源部17へ送付する鍵盤処理を実行する。
そして、ステップSA4では、例えば表示部12の表示画面に装置の動作状態や設定状態を表示する等の、その他の処理を実行した後、上記ステップSA2に処理を戻。以後、装置電源がパワーオフされる迄、上記ステップSA2〜SA4を繰り返し実行する。
(2)スイッチ処理の動作
次に、図6を参照してCPU10が実行するスイッチ処理の動作について説明する。図6は、スイッチ処理の動作を示すフローチャートである。上述したメインルーチンのステップSA2(図5参照)を介して本処理が実行されると、CPU10は図6に図示するステップSB1に進み、音色スイッチが操作されたか否かを判断する。音色スイッチが操作されなければ、判断結果は「NO」になり、ステップSB4に進む。
一方、音色スイッチが操作されると、上記ステップSB1の判断結果が「YES」になり、ステップSB2に進む。ステップSB2では、音色スイッチの操作で指定された音色に割り当てられた音色番号を取得し、続くステップSB3では、取得した音色番号を音源部17へ送付してステップSB4に進む。
ステップSB4では、オフベロシティ反映スイッチをオン操作あるいはオフ操作の何れが為されたかを判別する。オフベロシティ反映スイッチは、オフベロシティ反映モードに設定するか否かを指定するスイッチである。オフベロシティ反映モードとは、消音の仕方で次の音の立ち上がりを制御するモードを指す。オフベロシティ反映スイッチをオン操作した場合には、ステップSB5に進み、モードフラグMFを「1」にセットしてオフベロシティ反映モードに設定した後、ステップSB7に進む。
これに対し、オフベロシティ反映スイッチをオフ操作した場合には、ステップSB6に進み、モードフラグMFをゼロリセットしてオフベロシティ反映モードを解除した後、ステップSB7に進む。そして、ステップSB7では、例えば発生楽音に付加するエフェクト種を選択するエフェクト選択スイッチ操作など、その他のスイッチ処理を実行して本処理を終える。
このように、スイッチ処理では、音色スイッチ操作で指定された音色の音色番号を取得して音源部17へ送付したり、オフベロシティ反映スイッチのオン操作に応じてモードフラグMFを「1」にセットしてオフベロシティ反映モードに設定したりする他、例えば発生楽音に付加するエフェクト種を選択する等の、その他のスイッチ操作に関する処理を実行する。
(3)鍵盤処理の動作
次に、図7を参照してCPU10が実行するスイッチ処理の動作について説明する。図7は、スイッチ処理の動作を示すフローチャートである。上述したメインルーチンのステップSA3(図5参照)を介して本処理が実行されると、CPU10は図7に図示するステップSC1に進み、演奏操作子13としての鍵盤の各鍵についてキーオン/キーオフ信号の有無を検出する鍵走査を行う。
続いて、ステップSC2では、上記ステップSC1で行われた鍵走査の結果に基づき鍵変化を判別する。押離鍵操作が行われず、鍵変化が生じなければ、ステップSC2において鍵変化無しと判別して本処理を終えるが、押鍵操作によるキーオン信号を検出した場合には、後述のステップSC3〜SC5を、離鍵操作によるキーオフ信号を検出した場合には、後述のステップSC6〜SC7、SC5を実行する。以下、キーオン信号を検出した場合と、キーオフ信号を検出した場合とに分けて動作の説明を進める。
<キーオン信号を検出した場合>
押鍵操作によるキーオン信号を検出すると、ステップSC2を介してステップSC3に進む。ステップSC3では、演奏操作子13としての鍵盤から出力される鍵盤情報に含まれる鍵番号を取得すると共に、ベロシティ取得部14からオンベロシティを取得する。次いで、ステップSC4では、上記ステップSC3で取得した鍵番号およびオンベロシティを含むノートオンイベントを作成し、続くステップSC5では、作成したノートオンイベントを音源部17へ送付して本処理を終える。
<キーオフ信号を検出した場合>
一方、離鍵操作によるキーオフ信号を検出すると、上記ステップSC2を介してステップSC6に進む。ステップSC6では、演奏操作子13としての鍵盤から出力される鍵盤情報に含まれる鍵番号を取得すると共に、ベロシティ取得部14からオフベロシティを取得する。そして、ステップSC7では、上記ステップSC6で取得した鍵番号およびオフベロシティを含むノートオフイベントを作成し、続くステップSC5では、作成したノートオフイベントを音源部17へ送付して本処理を終える。
このようにCPU10は、鍵盤処理において、演奏操作子13としての鍵盤の各鍵について鍵走査を行い、押鍵によるキーオン信号を検出すると、押鍵された鍵の鍵番号およびオンベロシティを含むノートオンイベントを作成して音源部17へ送付し、一方、キーオフ信号を検出すると、離鍵された鍵の鍵番号およびオフベロシティを含むノートオフイベントを作成して音源部17へ送付する処理を実行する。
(4)音源処理の動作
次に、図8〜図10を参照して音源部17が実行する音源処理の動作について説明する。図8〜図9は、音源処理の動作を示すフローチャートである。図10は、音源処理の動作を説明するための図である。なお、本処理では、ことわりが無い限り音源部17が動作の主体となる。
音源部17では、ステップSD1において、CPU10側から何らかのデータを受信したか否かを受信部17bが判断する。CPU10からのデータを受信していなければ、判断結果は「NO」になり、後述のステップSD17(図9参照)に進むが、CPU10より何らかのデータを受信部17bが受信すると、判断結果が「YES」になり、ステップSD2に進む。
ステップSD2では、受信したデータが音色番号であるか否かを受信部17bが判断する。受信したデータが音色番号であれば、判断結果は「YES」になり、次のステップSD3に進む。ステップSD3において、エンベロープ生成部17cは、エンベロープ属性テーブルET(図3参照)を参照して、受信した音色番号に対応した音色波形のエンベロープ属性(立ち上がりレートAR、立ち上がりレベルALおよび立ち下がりレートRR)を取得した後、後述のステップSD17(図9参照)に進む。
一方、受信したデータが音色番号でなければ、上記ステップSD2の判断結果が「NO」になり、ステップSD4に進む。ステップSD4では、受信したデータがモードフラグMFであるか否かを判断する。受信したデータがモードフラグMFならば、判断結果は「YES」になり、ステップSD5に進み、モードフラグMFを取得した後、後述のステップSD17(図9参照)に進む。
これに対し、受信したデータがモードフラグMFでなければ、上記ステップSD4の判断結果は「NO」になり、ステップSD6に進む。ステップSD6では、受信部17bで受信したデータがノートオンイベントであるか否かを判断する。受信したデータがノートオンイベントでなければ、判断結果は「NO」になり、図9に図示するステップSD13に進む。一方、受信したデータがノートオンイベントならば、判断結果は「YES」になり、ステップSD7に進む。以下、受信したデータがノートオンイベントの場合と、ノートオフイベントの場合とに分けてエンベロープ生成部17cでの動作説明を進める。
<受信したデータがノートオンイベントの場合>
受信部17bで受信したデータがノートオンイベントであると、ステップSD7に進み、受信したノートオンイベントに含まれる鍵番号およびオンベロシティを取得する。続いて、ステップSD8では、上記ステップSD5で取得したモードフラグMFが「1」、すなわち消音の仕方で次の音の立ち上がりを制御するオフベロシティ反映モードに設定されているかどうかを判断する。
オフベロシティ反映モードに設定されていれば、判断結果は「YES」になり、次のステップSD9に処理を進める。ステップSD9では、オフカウンタ値が所定値より小さいか否かを判断する。オフカウンタ値とは、後述するように、ノートオフ(離鍵)時点からの経過時間を計時するオフカウンタ17dの値を指す。したがって、このステップSD9では、前離鍵から所定時間経過しているかどうかを判断する。
オフカウンタ値が所定値より小さく、離鍵から所定時間経過していない状況ならば、判断結果は「YES」になり、ステップSD10に進む。ステップSD10では、データメモリ17bに格納されるレート係数テーブルRT(図4参照)から直前オフベロシティに対応するレート係数RCを取得する。直前オフベロシティとは、後述するように、前離鍵ベロシティである。
次いで、ステップSD11では、上記ステップSD3で取得した立ち上がりレートARに、上記ステップSD10で取得したレート係数RCを乗算して新たな立ち上がりレートNARを算出する。これにより前離鍵ベロシティを次押鍵の立ち上がりレートNARに反映させる。そして、次のステップSD12に進み、オンフラグONFを「1」にセットして発音中を表した後、図9に図示するステップSD17に処理を進める。
ステップSD17では、オンフラグONFが「1」、つまり発音中であるかどうかを判断する。ノートオン直後ならば、判断結果は「YES」になり、ステップSD18に進む。ステップSD18では、上記ステップSD11において算出した新たな立ち上がりレートNARと、上述のステップSDにおいて取得した立ち上がりレベルALとに従って発音時のエンベロープを発生する。
続いて、ステップSD19では、楽音信号生成部17aが波形メモリ17aから音色番号で指定される音色の波形データを、鍵番号(音高)に対応した読み出し速度で読み出し、この読み出した波形データにオンベロシティの値(音量)を乗算して波形形成する。そして、ステップSD20では、この形成された波形に、上記ステップSD18においてエンベロープ生成部17cで生成された発音時のエンベロープを乗算して楽音波形を発生し、続くステップSD21では、発生した楽音波形を楽音信号として発音部18へ出力する。これにより、発音部18が楽音を放音する。
次いで、ステップSD22では、エンベロープレベルが「0」以下、すなわち消音状態に達したか否かを判断する。消音状態に達していなければ、判断結果は「NO」になり、前述のステップSD1に処理を戻す。以後、オンフラグONFが「1」の発音中であると、上記ステップSD17〜SD22を繰り返して発音時エンロープに基づいて楽音波形を形成して発音を継続させる。
<受信したデータがノートオフイベントの場合>
そして、受信部17bにて受信したデータがノートオフイベントであると、図9に図示するステップSD13の判断結果が「YES」になり、ステップSD14に進む。ステップSD14では、エンベロープ生成部17cにより、受信したノートオフイベントに含まれる鍵番号およびオフベロシティを取得し、続くステップSD15では、離鍵からの経過時間を計時する為、オフカウンタ17dをクリアしてスタートさせる。そして、ステップSD16では、上記ステップSD14において取得したオフベロシティを直前オフベロシティに設定する。
この後、ステップSD17に進み、オンフラグONFが「1」、つまり発音中であるかどうかを判断する。ノートオフ直後ならば、判断結果は「YES」になり、ステップSD18に進む。ステップSD18では、エンベロープ生成部17cは前述のステップSD3においてエンベロープ属性テーブルETから取得した音色番号に対応する立ち下がりレートRRに従って消音時のエンベロープを発生する。
続いて、ステップSD19〜SD21では、楽音信号生成部17aは、消音時のエンベロープに従って消音過程の楽音波形を発生させ、エンベロープレベルが「0」以下の消音状態に達すると、ステップSD22の判断結果が「YES」になり、ステップSD23に進み、オンフラグONFをゼロリセットして消音状態を表した後、前述のステップSD1に処理を戻す。
このように、エンベロープ生成部17cにおいては、前離鍵時に取得したオフベロシティを直前オフベロシティとし、当該前離鍵から所定時間以内に行われる次の押鍵において、レート係数テーブルRT(図4参照)から取得した直前オフベロシティに対応するレート係数RCを、発生楽音の音色に対応付けられた立ち上がりレートARに乗算し、これにより得られる新たな立ち上がりレートNARおよび発生楽音の音色に対応付けられた立ち上がりレベルALに従った発音時エンベロープを生成し、楽音信号生成部はこのエンベロープに対応した楽音信号を生成する。
したがって、図10(a)に図示する一例のように、前離鍵のオフベロシティが大きければ、当該前離鍵から所定時間以内に行われる次押鍵の立ち上がりレートARも大きくなり、一方、図10(b)に示すように前離鍵のオフベロシティが小さければ、当該前離鍵から所定時間以内に行われる次押鍵の立ち上がりレートARも小さくなる。
この結果、例えばゆっくりと離鍵すれば次押鍵で発生する楽音の立ち上がりを緩やかにしたり、素早く離鍵すれば次押鍵で発生する楽音の立ち上がりを急峻にしたりするので、離鍵の仕方で次の音の立ち上がりを制御することが出来る。なお、音の立ち上がりを制御することで発生楽音の倍音成分が変化し、これにより離鍵の仕方で次押鍵で発音する音に音色変化を付与することも可能になる。
本実施形態においては、押鍵時のエンベロープ立ち上がりレートは前離鍵のオフベロシティのみで決定しているが、この前離鍵のオフベロシティと押鍵時のオンベロシティとに基づいて決定するようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下では、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された各発明について付記する。
(付記)
[請求項1]
受信されたノートオフイベントからオフベロシティを取得するオフベロシティ取得部と、
前記取得したオフベロシティに基づいて、前記ノートオフイベントの受信後に続くノートオンイベント受信に応答して生成されるエンベロープの立ち上がりレートを決定する決定部と、
を備えたことを特徴とするエンベロープレート決定装置。
[請求項2]
ノートオフイベント受信時点からの経過時間を計時するオフカウンタを備え、
前記決定部は、前記オフカウンタにより計時されるノートオフイベント受信時点からの経過時間が所定時間以内にノートオンイベント受信が行われた場合に、前記取得したオフベロシティに基づいて、エンベロープの立ち上がりレートを決定することを特徴とする請求項1記載のエンベロープレート決定装置。
[請求項3]
前記決定部は、レート係数テーブルを有し、
オフベロシティに対応したレート係数を前記レート係数テーブルから取得するレート係数取得部と、前記取得されたレート係数を、発生すべき楽音の音色に対応付けられたレート値に乗算することによりエンベロープの立ち上がりレートを算出するレート算出部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のエンベロープレート決定装置。
[請求項4]
オフベロシティ取得部と、決定部とを有するエンベロープレート決定装置に用いられるエンベロープレート決定方法であって、
前記オフベロシティ取得部が、受信されたノートオフイベントからオフベロシティを取得し、
前記決定部が、前記取得したオフベロシティに基づいて、前記ノートオフイベントの受信後に続くノートオンイベント受信に応答して生成されるエンベロープの立ち上がりレートを決定する、エンベロープレート決定方法。
[請求項5]
エンベロープレート決定装置として用いられるコンピュータに、
受信されたノートオフイベントからオフベロシティを取得するステップと、
前記取得したオフベロシティに基づいて、前記ノートオフイベントの受信後に続くノートオンイベント受信に応答して生成されるエンベロープの立ち上がりレートを決定するステップと、
を実行させるプログラム。
[請求項6]
請求項1乃至3のいずれかに記載のエンベロープ決定装置と、
前記エンベロープ決定装置により決定されたエンベロープの立ち上がりレートを有するエンベロープを生成するエンベロープ生成処理とを実行するエンベロープ生成部と、
を備えたエンベロープ生成装置。
[請求項7]
請求項6に記載のエンベロープ生成装置と、
前記エンベロープ生成装置にて生成されたエンベロープに従った楽音信号を生成する楽音信号生成部と
を備えた楽音発生装置。
[請求項8]
請求項7に記載の楽音発生装置と、
演奏操作子と、
前記演奏操作子による発音及び消音を指示する演奏操作に応答して、ノートオンイベント及びノートオフイベントを前記楽音発生装置に送信する処理部と、
を備えた電子楽器。
10…CPU
11…スイッチ部
12…表示部
13…演奏操作子
14…ベロシティ取得部
15…ROM
16…RAM
17…音源部
17a…楽音信号生成部
17b…受信部
17c…エンベロープ生成部
17d…オフカウンタ
18…発音部
100…電子楽器

Claims (8)

  1. 押鍵操作と離鍵操作が可能な演奏操作子による前記離鍵操作の速度を取得する取得部と、
    前記速度を取得した前記離鍵操作が行われた後、前記取得した前記離鍵操作の速度に基づいて、次に行われる前記押鍵操作に応答して生成される楽音のエンベロープの立ち上がりレートを制御する制御部と、
    を備えた楽音制御装置。
  2. 前記制御部は、
    前記取得した前記離鍵操作の速度が大きいほど、次に行われる前記押鍵操作に応答して生成される楽音のエンベロープの立ち上がりレートが大きくなるように制御する、請求項1記載の楽音制御装置。
  3. 前記取得部は、前記押鍵操作に応答して発生するノートオンイベントに含まれる前記押鍵操作の速度情報であるオンベロシティを取得するとともに、前記離鍵操作に応答して発生するノートオフイベントに含まれる前記離鍵操作の速度情報であるオフベロシティを取得し、
    前記制御部は、前記取得したオフベロシティに基づいて、前記ノートオフイベントの受信後に続くノートオンイベント受信に応答して生成されるエンベロープの立ち上がりレートを決定する、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の楽音制御装置。
  4. ノートオフイベント受信時点からの経過時間を計時するオフカウンタを備え、
    前記制御部は、前記オフカウンタにより計時されるノートオフイベント受信時点からの経過時間が所定時間以内にノートオンイベント受信が行われた場合に、前記取得したオフベロシティに基づいて、エンベロープの立ち上がりレートを決定することを特徴とする請求項3記載の楽音制御装置。
  5. 前記制御部は、レート係数テーブルを有し、
    オフベロシティに対応したレート係数を前記レート係数テーブルから取得するレート係数取得部と、前記取得されたレート係数を、発生すべき楽音の音色に対応付けられたレート値に乗算することによりエンベロープの立ち上がりレートを算出するレート算出部と、
    を備えたことを特徴とする請求項3記載の楽音制御装置。
  6. 楽音制御装置が、
    押鍵操作と離鍵操作が可能な演奏操作子による前記離鍵操作の速度を取得し、
    前記速度を取得した前記離鍵操作が行われた後、前記取得した前記離鍵操作の速度に基づいて、次に行われる前記押鍵操作に応答して生成される楽音のエンベロープの立ち上がりレートを制御する、楽音制御方法。
  7. コンピュータに、
    押鍵操作と離鍵操作が可能な演奏操作子による前記離鍵操作の速度を取得する処理と、
    前記速度を取得した前記離鍵操作が行われた後、前記取得した前記離鍵操作の速度に基づいて、次に行われる前記押鍵操作に応答して生成される楽音のエンベロープの立ち上がりレートを制御する処理と、
    を実行させるプログラム。
  8. 押鍵操作と離鍵操作が可能な演奏操作子と、
    前記演奏操作子による前記離鍵操作の速度を取得する取得部と、
    前記演奏操作子による前記押鍵操作と前記離鍵操作に応答して楽音の発音及び消音を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記速度を取得した前記離鍵操作が行われた後、前記取得した前記離鍵操作の速度に基づいて、次に行われる前記押鍵操作に応答して発音する楽音のエンベロープの立ち上がりレートを制御する、電子楽器。
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