JP5030016B2 - 楽音発生装置および楽音発生処理プログラム - Google Patents
楽音発生装置および楽音発生処理プログラム Download PDFInfo
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Description
(a)シンバルやトライアングル等の実際の打楽器においては、発音後に発音体を素手で掴んで減衰中の音を意図的にミュートさせる「チョーク」と呼ばれる奏法をしばしば用いるが、上述した、ノートオフを無視して最後まで自然減衰させてから消音する楽音発生形態ではその奏法を実現することが出来ない。
A.構成
(1)全体構成
図1は、本発明の実施の一形態による楽音発生装置を備えた電子楽器の全体構成を示すブロック図である。この図において、CPU10は、操作部15に配設される各種スイッチ操作に応じて楽器各部の動作形態を指定する他、後述するメインルーチンおよびエンベロープ処理を実行することによって、意図的に途中で消音させた打楽器音や最後まで自然に減衰させた打楽器音を音源18から発生させる。なお、CPU10が実行するエンベロープ処理にて具現される音量エンベロープ制御機能については追って詳述する。
次に、図3〜図9を参照してCPU10の音量エンベロープ制御機能について説明する。上述したように、CPU10では、音源18の増幅器18bに供給する音量エンベロープ波形を、タイマ割り込みにて所定周期(例えば10msec)毎に実行するエンベロープ処理(後述する)にて発生する。
アタックレベルAL(%)=(ONV×ONV/127×127)×100……[1]
図8は、こうした[1]式に基づき、各種ノートオンベロシティONVに対応して算出されるアタックレベルAL1〜AL6、アタックレートARおよびディケイレートDRに従って形成される音量エンベロープ波形の一例を図示している。
更新後ミュートレートMR=MR+(127−OFV)……[2]
したがって、例えばノートオフベロシティOFVの値が「127」、つまり最も速く離鍵操作した場合には、更新後ミュートレートMRは、音色パラメータとして読み出されたミュートレートMRに一致する。図9は、こうしてノートオフベロシティOFVで修飾されるミュートレートMRに従って形成される音量エンベロープ波形の一例を図示している。
次に、図10〜図13を参照して上記構成による実施形態の動作について説明する。以下では、最初に全体動作としてメインルーチンの動作を説明した後、このメインルーチンからコールされるノートオン処理およびノートオフ処理の各どうさを説明し、続いてタイマ割り込みによって所定周期毎に実行されるエンベロープ処理の動作について述べる。
図10は、メインルーチンの動作を示すフローチャートである。パワーオン(電源投入)に応じてメインルーチンが実行されると、CPU10は図10に図示するステップSA1に進み、RAM12のワークエリアWEに格納される各種レジスタ・フラグデータを初期値設定したり、ゼロリセットしたりするイニシャライズを実行する。イニシャライズが完了すると、ステップSA2に進み、スイッチ処理を実行する。スイッチ処理では、例えばユーザのリズム音色選択スイッチ操作に応じて、RAM12のリズム音色パラメータエリアRT(図2参照)から選択されたリズム音色の音色パラメータ(スレッショルドゲートタイムTGT、アタックレートAR、ディケイレートDRおよびミュートレートMR)を読み出してワークエリアWEにストアする。
図11は、ノートオン処理の動作を示すフローチャートである。上述したメインルーチンのステップSA4(図10参照)を介して本処理が実行されると、CPU10は、図11に図示するステップSB1に進む。ステップSB1では、音源18が備える複数の発音チャンネルの中から発音されていない空きチャンネルを探し出し、該当するチャンネルにノートオン(キーオン)をアサインする周知の発音割り当てを行い、発音割り当てされたチャンネルの番号をレジスタChにストアする。なお、全ての発音チャンネルが発音中で空きチャンネルが無く、発音割り当てすることが出来ない場合には、レジスタChに無効なチャンネル番号をストアする。
図12は、ノートオフ処理の動作を示すフローチャートである。上述したメインルーチンのステップSA5(図10参照)を介して本処理が実行されると、CPU10は、図12に図示するステップSC1に進む。ステップSC1では、音源18が備える複数の発音チャンネルの内、発音中のチャンネルの中から離鍵された鍵のキーナンバKNが割り当てられたチャンネルを検索し、該当するチャンネルの番号をレジスタChにストアする。なお、該当するチャンネルが検索されない場合には、レジスタChに無効なチャンネル番号を表す値「−1」をストアする。
図13は、タイマ割り込みによって所定周期毎に実行されるエンベロープ処理の動作を示すフローチャートである。割り込みタイミングになると、CPU10は図13に図示するステップSD1に進み、チャンネル番号を指定するポインタChをゼロリセットする。以後、チャンネルループ開始CLSからチャンネルループ終了CLEまでの間、後述するステップSD2〜SD10の処理を全ての発音チャンネル(例えば8Ch)について実行する。すなわち、ポインタChを歩進させる毎にステップSD2〜SD10の処理を繰り返し実行し、歩進させたポインタChが「8」に達した時にチャンネルループ終了CLEを介して本処理を終える。
レジスタEnvStatus[Ch]のフラグ値が「0」の場合は、音量エンベロープ波形発生が停止しているので、何も行わずにチャンネルループ終了CLEに進む。
レジスタEnvStatus[Ch]のフラグ値が「1」の場合、すなわち音量エンベロープ波形がアタック中であると、ステップSD3に進み、アタックレートARに応じた加算値を発生してレジスタrにストアする。つまり、図3に図示したように、ROM11に記憶される変換テーブルT1を参照してアタックレートARに対応する増加率を読み出し、読み出した増加率を音量エンベロープ波形に乗算して加算値を算出する。
レジスタEnvStatus[Ch]に格納されるフラグ値が「2」の場合、すなわち音量エンベロープ波形が自然減衰中ならば、ステップSD7に進み、ROM11に記憶される変換テーブルT2を参照してディケイレートDRに応じた乗率を読み出してレジスタrにストアする。次いで、ステップSD8では、上記ステップSD7にて発生した乗率を現在エンベロープレベルEnvLevel[Ch]に乗算する。これによりディケイレートDRに従って自然減衰する現在エンベロープレベルEnvLevel[Ch]が算出される。
レジスタEnvStatus[Ch]に格納されるフラグ値が「3」の場合、すなわちスレッショルドゲートタイムTGTより後にノートオフされ、音量エンベロープ波形が強制減衰中ならば、ステップSD11に進む。ステップSD11では、前述した[2]式に基づき、ノートオフベロシティOFVに応じてミュートレートMRを更新すると共に、更新されたミュートレートMRに応じた乗率をROM11に記憶される変換テーブルT2から読み出してレジスタrにストアする。
11 ROM
12 RAM
13 鍵盤
14 パッド
15 操作部
16 表示部
17 波形メモリ
18 音源
18a 波形発生器
18b 増幅器
19 加算器
20 サウンドシステム
Claims (6)
- 発音開始を指示する押鍵が行われたノートオン時刻から発音停止を指示する離鍵が行われたノートオフ時刻までの押鍵期間を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された押鍵期間が、押鍵に応じて発音される打楽器音に対応付けられた閾値時間より短ければ、発音中の打楽器音を自然減衰させて消音し、当該閾値時間より長ければ、発音中の打楽器音をノートオフ時刻から強制減衰させて消音する消音制御手段と
を具備することを特徴とする楽音発生装置。 - 発音開始を指示する押鍵が行われたノートオン時刻を検出するノートオン時刻検出手段と、
発音停止を指示する離鍵が行われたノートオフ時刻を検出するノートオフ時刻検出手段と、
前記ノートオン時刻検出手段により検出されるノートオン時刻から前記ノートオフ時刻検出手段により検出されるノートオフ時刻までの押鍵期間を計時する計時手段と、
前記計時手段により計時された押鍵期間が、押鍵に応じて発音される打楽器音に対応付けられた閾値時間より長いか否かを判別する押鍵期間判別手段と、
前記押鍵期間判別手段によって押鍵期間が閾値時間より短いと判別された場合には発音中の打楽器音を自然減衰させて消音し、一方、押鍵期間が閾値時間より長いと判別された場合には発音中の打楽器音をノートオフ時刻から強制減衰させて消音する消音制御手段と
を具備することを特徴とする楽音発生装置。 - 前記押鍵期間判別手段は、予め各種音色の打楽器音の閾値時間を記憶しておき、その内から押鍵に応じて発音される打楽器音に対応付けられた閾値時間を選択する選択手段を具備することを特徴とする請求項2記載の楽音発生装置。
- 前記消音制御手段は、離鍵速度に応じて、打楽器音をノートオフ時刻から強制減衰させるレートを可変設定することを特徴とする請求項2記載の楽音発生装置。
- 発音開始を指示する押鍵が行われたノートオン時刻から発音停止を指示する離鍵が行われたノートオフ時刻までの押鍵期間を検出する検出処理と、
前記検出処理により検出された押鍵期間が、押鍵に応じて発音される打楽器音に対応付けられた閾値時間より短ければ、発音中の打楽器音を自然減衰させて消音し、当該閾値時間より長ければ、発音中の打楽器音をノートオフ時刻から強制減衰させて消音する消音制御処理と
をコンピュータで実行させることを特徴とする楽音発生処理プログラム。 - 発音開始を指示する押鍵が行われたノートオン時刻を検出するノートオン時刻検出処理と、
発音停止を指示する離鍵が行われたノートオフ時刻を検出するノートオフ時刻検出処理と、
前記ノートオン時刻検出処理により検出されるノートオン時刻から前記ノートオフ時刻検出処理により検出されるノートオフ時刻までの押鍵期間を計時する計時処理と、
前記計時処理により計時された押鍵期間が、押鍵に応じて発音される打楽器音に対応付けられた閾値時間より長いか否かを判別する押鍵期間判別処理と、
前記押鍵期間判別処理によって押鍵期間が閾値時間より短いと判別された場合には発音中の打楽器音を自然減衰させて消音し、一方、押鍵期間が閾値時間より長いと判別された場合には発音中の打楽器音をノートオフ時刻から強制減衰させて消音する消音制御処理と
をコンピュータで実行させることを特徴とする楽音発生処理プログラム。
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