JP6176480B2 - 楽音発生装置、楽音発生方法およびプログラム - Google Patents
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Description
A.構成
図1は、本発明の実施の一形態による楽音発生装置100の全体構成を示すブロック図である。この図において、CPU10は、操作部15に配設される各種スイッチ操作に応じて装置各部の動作形態を指定する他、鍵盤13から出力される演奏情報に応じた楽音を生成するよう波形発生器(OSC)17および増幅器(AMP)18に指示する。また、CPU10は、後述する押鍵イベント処理を実行することによって、演奏されたコードの構成音間の音程差を維持したまま音高変化するポリフォニック・ポルタメントを具現する。なお、CPU10が実行する押鍵イベント処理については追って詳述する。
次に、図2〜図5を参照して、上記構成による楽音発生装置100のCPU10が実行する押鍵イベント処理、起点処理1および起点処理2の各動作について説明する。
なお、本実施形態においては、ポルタメントは、指定される音高1つ前の押鍵により指定される音高から現在押鍵により指定された音高まで連続的に音高を変化させるものであり、この動作は押鍵がなされたときに前の押鍵された鍵が離鍵されていないことが条件である。したがって、以下に説明するフローチャートにおいては、1つ前の押鍵音高と現在の押鍵音高とが同一とならないことが前提となっている。
図2は、押鍵イベント処理の動作を示すフローチャートである。押鍵イベント処理は、押鍵操作に応じて鍵盤13が演奏情報(キーオン信号、ノートナンバおよびベロシティ)を発生した場合に実行される。本処理が実行されると、CPU10は図2に図示するステップSA1に進み、現在押鍵された鍵の音高(以下、押鍵音高と略称する)を目標値に設定する。
次に、図3を参照して起点処理1の動作を説明する。上述した押鍵イベント処理のステップSA5を介して本処理が実行されると、CPU10は図3に図示するステップSB1に進み、現在の押鍵音高と、2つ前の押鍵音高とを比較する。以下、現在の押鍵音高の方が高い場合と、現在の押鍵音高の方が低い場合とに分けて動作説明を進める。
この場合、ステップSB1を介してステップSB2に進み、ポルタメントで発音している楽音の音高が上がっているか否かを判別する。ポルタメントで発音している楽音の音高が下がっている場合には、ステップSB2を介してステップSB3に進み、ポルタメントで発音している楽音の音高を起点に設定して本処理を終える。
この場合、ステップSB1を介してステップSB5に進み、ポルタメントで発音している楽音の音高と目標値とを比較する。目標値の方が高い場合には、上記ステップSB5を介してステップSB6に進み、ポルタメントで発音している楽音の音高を起点に設定して本処理を終える。
次に、図4を参照して起点処理2の動作を説明する。前述した押鍵イベント処理のステップSA6を介して本処理が実行されると、CPU10は図4に図示するステップSC1に進み、現在の押鍵音高と、2つ前の押鍵音高とを比較する。以下、現在の押鍵音高の方が高い場合と、現在の押鍵音高の方が低い場合とに分けて動作説明を進める。
この場合、ステップSC1を介してステップSC2に進み、ポルタメントで発音している楽音の音高と目標値とを比較する。目標値の方が低い場合には、ステップSC2を介してステップSC3に進み、ポルタメントで発音している楽音の音高を起点に設定して本処理を終える。
この場合、ステップSC1を介してステップSC5に進み、ポルタメントで発音している楽音の音高が上がっているか否かを判別する。ポルタメントで発音している楽音の音高が上がっている場合には、判断結果が「YES」になり、ステップSC6に進み、ポルタメントで発音している楽音の音高を起点に設定して本処理を終える。
次に、図5を参照して押鍵イベント処理の具体的動作を説明する。図5は、鍵盤上で為される前押鍵(前回コード演奏)の位置および現押鍵(今回コード演奏)の位置を示すと共に、前押鍵タイミングと現押鍵タイミングとを示す図であり、前回、構成音「C1音」、「F1音」、「A♭1音」の順に押鍵してなる「Fマイナー」のコード演奏が為された後、今回「Cメジャー」のコード演奏として構成音「C4音」、「E4音」、「G4音」の順に押鍵する一例を図示している。
[請求項1]
音高指定操作が行われる度に、当該音高指定操作によって指定された音高を、目標音高として設定する目標音高設定手段と、
前記音高指定操作の1つ前の音高指定操作によって指定された音高による楽音の発音がポルタメント発音中であるか否か判別する判別手段と、
前記判別手段によりポルタメント発音中であると判別された場合に、前記目標音高、前記1つ前の音高指定操作によって指定された音高、前記音高指定操作の2つ前の音高指定操作により指定された音高、及び前記ポルタメント発音されている音高夫々の関係に基づいて決定された音高を、起点音高として設定する第1の起点音高設定手段と、
前記設定された起点音高を発音開始音高として前記設定された目標音高まで連続的に音高を可変させることにより楽音のポルタメント発音を行うポルタメント発音手段と、
を有する楽音発生装置。
前記第1の起点音高設定手段は、前記目標音高が前記1つ前の音高指定操作によって指定された音高及び前記音高指定操作の2つ前の音高指定操作により指定された音高より高いと判別された場合で、前記ポルタメント発音されている音高が上がっているときは、前記目標音高と前記1つ前の音高指定操作によって指定された音高との差分を、前記ポルタメント発音中の音高に加算した音高を起点音高として設定するとともに、ポルタメント発音されている音高が上がっていないときは、前記ポルタメント発音中の音高を起点音高として設定する、請求項1記載の楽音発生装置。
前記第1の起点音高設定手段は、前記目標音高が前記1つ前の音高指定操作によって指定された音高より高くかつ前記音高指定操作の2つ前の音高指定操作より指定された音高より低いと判別された場合で、前記ポルタメント発音されている音高が前記目標音高より高いときは、前記目標音高と前記1つ前の音高指定操作によって指定された音高との差分を、前記ポルタメント発音中の音高に加算した音高を起点音高として設定するとともに、前記ポルタメント発音されている音高が前記目標音高より低い場合は、前記ポルタメント発音中の音高を起点音高として設定する、請求項1または2記載の楽音発生装置。
前記第1の起点音高設定手段は、前記目標音高が前記1つ前の音高指定操作によって指定された音高及び前記音高指定操作の2つ前の音高指定操作により指定された音高より低いと判別された場合で、前記ポルタメント発音されている音高が上がっていないときは、前記目標音高と前記1つ前の音高指定操作によって指定された音高との差分を、前記ポルタメント発音中の音高に加算した音高を起点音高として設定するとともに、ポルタメント発音されている音高が上がっているときは、前記ポルタメント発音中の音高を起点音高として設定する、請求項1乃至3のいずれかに記載の楽音発生装置。
前記第1の起点音高設定手段は、前記目標音高が前記1つ前の音高指定操作によって指定された音高より低くかつ前記音高指定操作の2つ前の音高指定操作により指定された音高より高いと判別された場合で、前記ポルタメント発音されている音高が前記目標音高より高いときは、前記目標音高と前記1つ前の音高指定操作によって指定された音高との差分を、前記ポルタメント発音中の音高に加算した音高を起点音高として設定するとともに、前記ポルタメント発音されている音高が前記目標音高より低い場合は、前記ポルタメント発音中の音高を起点音高として設定する、請求項1乃至4いずれかに記載の楽音発生装置。
前記判別手段によりポルタメント発音中でないと判別された場合には、前記1つ前の音高指定操作によって指定された音高を起点音高として設定する第2の起点音高設定手段をさらに有する、請求項1乃至5のいずれかに記載の楽音発生装置。
音高指定操作が行われる度に、当該音高指定操作によって指定された音高を、目標音高として設定し、
前記音高指定操作の1つ前の音高指定操作によって指定された音高による楽音の発音がポルタメント発音中であるか否か判別し、
ポルタメント発音中であると判別された場合に、前記目標音高、前記1つ前の音高指定操作によって指定された音高、前記音高指定操作の2つ前の音高指定操作により指定された音高、及び前記ポルタメント発音されている音高夫々の関係に基づいて決定された音高を、起点音高として設定し、
前記設定された起点音高を発音開始音高として前記設定された目標音高まで連続的に音高を可変させることにより楽音のポルタメント発音を行う、楽音発生方法。
音高指定操作が行われる度に、当該音高指定操作によって指定された音高を、目標音高として設定するステップと、
前記音高指定操作の1つ前の音高指定操作によって指定された音高による楽音の発音がポルタメント発音中であるか否か判別するステップと、
ポルタメント発音中であると判別された場合に、前記目標音高、前記1つ前の音高指定操作によって指定された音高、前記音高指定操作の2つ前の音高指定操作により指定された音高、及び前記ポルタメント発音されている音高夫々の関係に基づいて決定された音高を、起点音高として設定するステップと、
前記設定された起点音高を発音開始音高として前記設定された目標音高まで連続的に音高を可変させることにより楽音のポルタメント発音を行うステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
11 ROM
12 RAM
13 鍵盤
14 ポルタメント操作子
15 操作部
16 表示部
17 波形発生器(OSC)
18 増幅器(AMP)
19 サウンドシステム
100 楽音発生装置
Claims (10)
- 音高指定操作によって指定された第1の音高を、目標音高として設定する目標音高設定手段と、
前記第1の音高が指定されるよりも前に前記音高指定操作によって指定された第2の音高による楽音の発音がポルタメント発音中であるか否か判別する判別手段と、
前記判別手段によりポルタメント発音中であると判別された場合に、前記目標音高、前記第2の音高、前記第2の音高が指定されるよりも前に前記音高指定操作により指定された第3の音高、及び前記ポルタメント発音されている音高夫々の関係に基づいて決定された音高を、起点音高として設定する第1の起点音高設定手段と、
前記設定された起点音高を発音開始音高として前記設定された目標音高まで連続的に音高を可変させることにより楽音のポルタメント発音を行うポルタメント発音手段と、
を有する楽音発生装置。 - 前記目標音高設定手段は、前記音高指定操作が行われる度に、前記音高指定操作によって指定された音高を、前記第1の音高とするとともに目標音高として設定し、
前記判別手段は、前記第1の音高を指定する前記音高指定操作の1つ前の音高指定操作によって指定された音高を前記第2の音高として、前記第2の音高による楽音の発音がポルタメント発音中であるか否か判別し、
前記第1の起点音高設定手段は、前記判別手段によりポルタメント発音中であると判別された場合に、前記目標音高、前記第2の音高、前記第2の音高を指定する前記音高指定操作の1つ前の音高指定操作によって指定された第3の音高、及び前記ポルタメント発音されている音高夫々の関係に基づいて決定された音高を、起点音高として設定する、
請求項1記載の楽音発生装置。 - 前記第1の起点音高設定手段は、前記判別手段によりポルタメント発音中であると判別された場合に、前記目標音高と前記第2の音高との差を保ったままで音高が変化するように、前記起点音高を設定する、請求項1又は2記載の楽音発生装置。
- 前記第1の起点音高設定手段は、前記目標音高が前記第2の音高及び前記第3の音高より高いと判別された場合で、前記ポルタメント発音されている音高が上がっているときは、前記目標音高と前記第2の音高との差分を、前記ポルタメント発音中の音高に加算した音高を起点音高として設定するとともに、ポルタメント発音されている音高が上がっていないときは、前記ポルタメント発音中の音高を起点音高として設定する、請求項1乃至3のいずれかに記載の楽音発生装置。
- 前記第1の起点音高設定手段は、前記目標音高が前記第2の音高より高くかつ前記第3の音高より低いと判別された場合で、前記ポルタメント発音されている音高が前記目標音高より高いときは、前記目標音高と前記第2の音高との差分を、前記ポルタメント発音中の音高に加算した音高を起点音高として設定するとともに、前記ポルタメント発音されている音高が前記目標音高より低い場合は、前記ポルタメント発音中の音高を起点音高として設定する、請求項1乃至4のいずれかに記載の楽音発生装置。
- 前記第1の起点音高設定手段は、前記目標音高が前記第2の音高より低くかつ前記第3の音高より低いと判別された場合で、前記ポルタメント発音されている音高が上がっていないときは、前記目標音高と前記第2の音高との差分を、前記ポルタメント発音中の音高から減算した音高を起点音高として設定するとともに、ポルタメント発音されている音高が上がっているときは、前記ポルタメント発音中の音高を起点音高として設定する、請求項1乃至5のいずれかに記載の楽音発生装置。
- 前記第1の起点音高設定手段は、前記目標音高が前記第2の音高より低くかつ前記第3の音高より高いと判別された場合で、前記ポルタメント発音されている音高より前記目標音高の方が高い場合は、前記目標音高と前記第2の音高との差分を、前記ポルタメント発音中の音高から減算した音高を起点音高として設定するとともに、前記ポルタメント発音されている音高より前記目標音高の方が低い場合は、前記ポルタメント発音中の音高を起点音高として設定する、請求項1乃至6のいずれかに記載の楽音発生装置。
- 前記判別手段によりポルタメント発音中でないと判別された場合には、前記第2の音高を起点音高として設定する第2の起点音高設定手段をさらに有する、請求項1乃至7のいずれかに記載の楽音発生装置。
- 楽音発生装置により実行される方法であって、
楽音発生装置が、
音高指定操作によって指定された第1の音高を、目標音高として設定し、
前記第1の音高が指定されるよりも前に前記音高指定操作によって指定された第2の音高による楽音の発音がポルタメント発音中であるか否か判別し、
ポルタメント発音中であると判別された場合に、前記目標音高、前記第2の音高、前記第2の音高が指定されるよりも前に前記音高指定操作により指定された第3の音高及び前記ポルタメント発音されている音高夫々の関係に基づいて決定された音高を、起点音高として設定し、
前記設定された起点音高を発音開始音高として前記設定された目標音高まで連続的に音高を可変させることにより楽音のポルタメント発音を行う、楽音発生方法。 - 音高指定操作によって指定された第1の音高を、目標音高として設定するステップと、
前記第1の音高が指定されるよりも前に前記音高指定操作によって指定された第2の音高による楽音の発音がポルタメント発音中であるか否か判別するステップと、
ポルタメント発音中であると判別された場合に、前記目標音高、前記第2の音高、前記第2の音高が指定されるよりも前に前記音高指定操作により指定された第3の音高、及び前記ポルタメント発音されている音高夫々の関係に基づいて決定された音高を、起点音高として設定するステップと、
前記設定された起点音高を発音開始音高として前記設定された目標音高まで連続的に音高を可変させることにより楽音のポルタメント発音を行うステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
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