JPH0968980A - 電子鍵盤楽器の音色制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電子鍵盤楽器のエディットモード
時に、鍵盤を押下する簡単な操作で所望の音色のパラメ
ータ値を容易に選択して設定できる電子鍵盤楽器の音色
制御装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明は、エディット機能を有する電子
鍵盤楽器において、エディットモード時にエディットす
べき音色のパラメータを選択するパラメータ選択手段
と、選択されたパラメータの操作可能範囲の値を各鍵に
連続的に割り当てる演算手段と、各鍵毎に割り当てられ
たパラメータの値を記憶するエディットバッファと、エ
ディットバッファに記憶されているパラメータの値から
所望のパラメータの値が選択されると、該パラメータ値
を固定値バッファに記憶させることを指示するライトリ
クエスト手段と、前記ライトリクエスト手段の指示によ
り選択されたパラメータ値を記憶する固定値バッファと
を有し、鍵を押下することにより所望のパラメータ値を
選択・設定可能なように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子ピアノ、電子
オルガン、シンセサイザー、電子キーボード等のエディ
ット機能を有する電子鍵盤楽器の音色制御装置に関し、
特にエディット時の音色パラメータの設定を容易ならし
める電子鍵盤楽器の音色制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子鍵盤楽器に用いられる発音指示装置
としては、一般に、キーボード式の鍵盤装置が用いられ
ている。この鍵盤装置における各鍵は、発音すべき音の
音高、発音すべきタイミング、及び発音すべき音の強さ
（速さ）を指示するために使用される。

【０００３】そして、発音すべき音の音高は鍵番号情報
として、発音すべきタイミングは鍵盤のオン／オフ情報
として、発音すべき音の強さ（速さ）はベロシティ情報
として、それぞれ楽音信号発生手段に送られ、発音に供
されることになる。

【０００４】このように、電子鍵盤楽器における各鍵は
キー情報を発生するものであり、音色やメロディ、リズ
ム等はエディットモード時に操作パネル上で設定され、
該パネル上で設定された情報はキー情報が発生した都
度、パネルイベントバッファから読み出され発音され
る。

【０００５】かかるパネル上で設定される音色情報とし
てのパラメータには、例えば音量、音程（ピッチ）、フ
ィルタ特性等があり、これらのパラメータのエディット
は、従来、ピッチベンダー、ボリューム、スライダー、
アップダウンボタン、インクリメンタルダイヤル等の入
力装置を用いて行われていた。

【０００６】上記の、ピッチベンダー、ボリューム等の
入力装置によりエディットされる音色のパラメータ値
は、例えば０から１００の連続した数値で表現されてお
り、演奏者はダイヤルやスライダー等の増減操作を繰り
返し、鍵盤を押下して発音を聞きながら所望の効果の得
られる値を選択していた。

【０００７】このため、適切な設定値を決めるまでに、
上記入力装置で増減操作を繰り返しながら所望の設定値
を探すため時間が掛かり、しかも一旦、他の設定値を選
択した後に元のバリュー値に戻そうと思っても、演奏者
が元の設定値を記憶していなければ、また増減を繰り返
しながら設定値を決め直さなければならなかった。

【０００８】しかも所望の設定値を検索するためのダイ
ヤルやスライダーの操作は非常に微妙で困難であった。
また、どのバリュー値が適切であるか弾き比べて選択す
る際に、従来の方法では操作が面倒で簡単に弾き比べを
することができないという問題点もあった。

【０００９】そこで、エディット時に簡単な操作で所望
の設定値が選択でき、しかも弾き比べが容易な扱いやす
い電子鍵盤楽器が望まれていた。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたものであり、エディットモード時に鍵を押
下する簡単な操作で目的の音色のパラメータを容易に選
択して設定できる電子鍵盤楽器の音色制御装置を提供す
ることを課題とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、エディット機
能を有する電子鍵盤楽器において、エディットモード時
にエディットすべき音色のパラメータを選択するパラメ
ータ選択手段３ａと、前記パラメータ選択手段３ａによ
り選択されたパラメータの操作可能範囲の値を各鍵に連
続的な変化値として割り当てる演算手段２１と、前記演
算手段２１により各鍵毎に割り当てられたパラメータの
値を記憶するエディットバッファ２３と、前記エディッ
トバッファ２３に記憶されているパラメータの値から所
望のパラメータの値が選択されると、該パラメータ値を
固定値バッファ２４に記憶させることを指示するライト
リクエスト手段３ｂと、前記ライトリクエスト手段３ｂ
の指示により選択されたパラメータ値を記憶する固定値
バッファ２４とを有し、鍵を押下することにより所望の
パラメータ値を選択・設定可能なように構成される。

【００１２】また、前記パラメータ選択手段３ａの選択
可能な音色のパラメータは、音量、音程、フィルタ特性
である。なお、該パラメータは音量、音程、フィルタ特
性のうち何れか１つ以上を選択できる。

【００１３】さらに、前記エディットバッファ２３に記
憶される各鍵に応じたパラメータ値は等間隔に割り当て
られることを特徴とする。

【００１４】

【作用】本発明は、音色パラメータのエディット時に、
設定可能なパラメータ値を各鍵に連続的に割り当て、押
鍵された鍵に割り当てられているパラメータ値で発音す
ることにより、エディット時のパラメータ値の選択を容
易に行うことができるようにするものである。

【００１５】このため、パラメータ選択手段３ａにより
パラメータ値の設定を行いたい音色のパラメータを選択
し、演算手段２１により選択されたパラメータの設定可
能範囲の値を連続的に各鍵に割り当て、割り当てられた
値はエディットバッファ２３に記憶される。

【００１６】これにより、演奏者がエディットモード時
に鍵を押下することにより、該鍵に割り当てられエディ
ットバッファ２３に記憶されているデータが読み出され
て発音されるため、該鍵に割り当てられているパラメー
タの効果が容易に確認可能となる。

【００１７】また、各鍵毎に設定値が決まっているの
で、演奏者がパラメータの設定値を元の設定値に戻した
い際には元の設定値の鍵を押下するだけで選択できる。
従って紛らわし設定値を記憶する必要はなく、単に鍵の
位置を記憶するだけでよい。

【００１８】また、各鍵にパラメータ値が割り当てられ
ているので、演奏者は次々と押鍵することにより各パラ
メータ値の効果を迅速容易に確認できる。従って、弾き
比べが容易となり扱いやすい電子鍵盤楽器が提供でき
る。

【００１９】さらに、最適なパラメータ値が選択される
と、このパラメータ値をライトリクエスト手段３ｂによ
り固定値バッファ２４に記憶させる。これにより演奏時
は該固定値バッファ２４よりパラメータ値が読み出され
て楽音信号が生成されるので、迅速な処理が可能とな
る。

【００２０】

【発明の実施の形態】図１は、本発明のエディット機能
を備えた電子鍵盤楽器の概略構成を示すシステムブロッ
ク図である。以下図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて説明する。

【００２１】図において、１０はＣＰＵであり、１１は
ＲＯＭ，１２はＲＡＭである。また、１は鍵盤、２はキ
ースキャン回路、３は操作パネル、４はパネルスキャン
回路、５は楽音信号発生部、６は波形メモリ、７はＤ／
Ａ変換器、８は増幅器、９はスピーカである。

【００２２】ＣＰＵ１０は、ＲＯＭ１１の図示しないプ
ログラムメモリ部に記憶された制御プログラムに従って
当該電子鍵盤楽器の各部を制御するものである。

【００２３】このため、該ＣＰＵ１０には、演算部２１
及び制御部２２が設けらており、入出力されたデータの
変換及び表示のための処理を行う。

【００２４】演算部２１は、エディットモード時に指定
されたパラメータの操作可能範囲の値を展開して各鍵に
割り当てたり、演奏時に押鍵された鍵に応じて音色デー
タより読み出されたデータに、固定値バッファ２４より
読み出されたデータを演算して楽音信号を生成するもの
である。

【００２５】制御部２２は、電子鍵盤楽器全般を制御す
るものであり、鍵盤１や操作パネル３から送られてくる
信号に基づき、エディット時における所要のデータの読
み出しや書込み、演奏時における楽音信号生成のための
制御、生成された信号の楽音信号発生部５への送信等を
制御するものである。

【００２６】ＲＯＭ１１は、上述したＣＰＵ１０を動作
させる制御プログラムの他、音色データ、その他、種々
の固定データを記憶している。この音色データメモリ部
には、楽音信号を生成するためのデータである周波数ナ
ンバ、波形ナンバ、エンベロープ波形ナンバ、モードデ
ータ等が記憶されている。

【００２７】ＲＡＭ１２は、ＣＰＵ１０の作業用領域、
当該電子鍵盤楽器を制御するための各種レジスタ、カウ
ンタ、フラグ、バッファ等が定義されている他、ＲＯＭ
１１に記憶されているデータのうち必要なデータが転送
されて一時的に格納されるデータエリアを有している。

【００２８】なお、該ＲＡＭ１２にはエディットバッフ
ァ２３、固定値バッファ２４が設けられている。また、
音色データの固定された部分はＲＯＭ１１に記憶されて
いるが、演奏者が操作可能な可変部分のデータは、該Ｒ
ＡＭ１２に記憶されている。

【００２９】エディットバッファ２３は、エディットす
る音色データを展開するものであり、演奏者が操作する
各パラメータごとに設けられており、エディット時に各
パラメータの変化可能範囲の値を各鍵に展開して割り当
てられた値を記憶する。

【００３０】パラメータ値の設定時に任意の鍵を選択し
て押下すると、該鍵に割り当てられているパラメータ値
がエディットバッファ２３から読み出され発音される。
これにより、パラメータ値の選択が簡単で瞬時に発音さ
れるので、各パラメータの値の弾き比べが容易となる。

【００３１】固定値バッファ２４は、エディット時に選
択決定されたパラメータのデータ値を記憶するものであ
り、各パラメータごとの記憶エリアを有しており、演奏
時には該固定値バッファ２４からデータが読み出され演
奏される。

【００３２】また、操作パネル３の各鍵やスイッチの設
定状態に対応して放音に必要なデータがセットされた複
数のレジスタ、楽音信号発生部５の各楽音発生回路を未
使用チャンネルに割り付けるためのデータを記憶するア
サイナメモリ、楽音情報を記憶する記憶領域等も該ＲＡ
Ｍ１２に設けられている。

【００３３】鍵盤１は押鍵情報としての鍵番号を演算部
２１に送るものであり、複数のキーと、これらのキーの
押鍵・離鍵動作に連動して開閉するキースイッチとで構
成され、演奏者の押鍵・離鍵動作はキースキャン回路２
によって検出され、ＣＰＵ１０の制御のもとに検出され
た信号は楽音信号発生部５に供給される。

【００３４】なお、本電子鍵盤楽器がエディットモード
に設定されると、鍵盤１の各鍵には選択されているパラ
メータの操作可能範囲の値が連続的に変化させた値で割
り当てられ、エディットバッファ２３に記憶される。

【００３５】キースキャン回路２は、演奏者の押鍵・離
鍵動作、つまり鍵のオン／オフを検出し、検出したオン
／オフ状態をその鍵番号とともに発音チャンネル割当部
に伝えるものである。ＣＰＵ１０の制御部２２は、この
検出された鍵のオン／オフ情報をＲＡＭ１２の所定のエ
リアに一時記憶させ、所定のタイミングになると読み出
す。

【００３６】操作パネル３は、音色の選択情報、エディ
ットパラメータの選択情報、エディットデータのライト
リクエスト情報を制御部２２の制御のもと演算部２１へ
送るものであり、該操作パネル３には、電源スイッチの
他、音色選択スイッチ、モード指定スイッチ、メロディ
選択スイッチ、リズム選択スイッチ等、各種のスイッチ
や表示器が設けられている。

【００３７】なお、図示しないエディットモードを指定
するスイッチやパラメータの選択スイッチ３ａ、選択さ
れた設定値の固定値バッファ２４への書込みを指示する
ライトリクエストスイッチ３ｂは、該操作パネル３上に
設けられている。

【００３８】操作パネル３の各スイッチのセット／リセ
ット状態は内部に含まれるパネルスキャン回路４によっ
て検出されるようになっており、このパネルスキャン回
路４で検出したスイッチのセット状態に関するデータは
ＣＰＵ１０の制御の下にＲＡＭ１２上の所定の領域に記
憶される。

【００３９】楽音信号発生部５は、ＣＰＵ１０から出力
される信号に対応する楽音波形データ及びエンベロープ
データを波形メモリ６から読み出し、読み出した楽音波
形データにエンベロープを付加して楽音信号として出力
するものである。

【００４０】この楽音信号発生部５から出力された楽音
信号はＤ／Ａ変換器７でアナログ変換されたのち増幅器
８に供給される。このため、楽音信号発生部５には波形
データやエンベロープデータを記憶する波形メモリ６が
接続されている。

【００４１】Ｄ／Ａ変換器７は、入力されたデジタル楽
音信号をアナログ楽音信号に変換するものである。この
Ｄ／Ａ変換器７で変換されたアナログ楽音信号は、増幅
器８に供給されるようになっている。

【００４２】増幅器８は、Ｄ／Ａ変換器７から供給され
るアナログ楽音信号を所定の利得で増幅するものであ
る。この増幅器８の出力はスピーカ９に供給されるよう
になっている。

【００４３】スピーカ９は、増幅器８より送られた電気
信号としてのアナログ楽音信号を音響信号に変換するも
のである。つまり、発生された楽音信号に応じて楽音を
放音するものである。

【００４４】図２はエディット時の操作に関連する部位
の機能を説明するための機能構成図である。

【００４５】図において、演奏者は操作パネル３上の図
示しないエディットモード指定スイッチを操作してエデ
ィットモードにし、次いで音色選択スイッチを操作し
て、パラメータ値の設定を行いたい音色を選択する。続
いてパラメータ選択スイッチ３ａを操作してパラメータ
値の設定を行いたいパラメータを選択する。

【００４６】これにより、ＣＰＵ１０の制御部２２は、
選択されたパラメータの操作可能範囲の上限及び下限の
値をＲＯＭ１１より読み取り、これを演算部２１に送
る。

【００４７】演算部２１は、送られてきた上限及び下限
のデータに基づき、データ値を各鍵に均等に割り当て
る。制御部２２は、この割り当てられた値をエディット
バッファ２３に記憶させる。なお、演算部２１の割り当
て動作については図３のフローチャートで詳述する。

【００４８】次いでパラメータの設定値を決定する。即
ち、演奏者が任意の鍵を押下すると、該鍵に割り当てら
れているデータがエディットバッファ２３より読み出さ
れ発音される。これにより演奏者は容易に弾き比べて所
望の音（パラメータの設定値）を選択できる。

【００４９】所望の音が定まると、演奏者はライトリク
エストスイッチ３ｂを操作して、選択されたデータを固
定値バッファ２４に記憶させる。以下、同様の操作を設
定したい各パラメータの数だけ繰り返し、各パラメータ
のパラメータ値を設定する。

【００５０】パラメータ値の設定が終わると、次いでエ
ディットモード指定スイッチを操作してエディットモー
ドを抜け演奏モードにする。これにより、その後、演奏
間におけるパラメータの設定値は、固定値バッファ２４
から読み出され演奏が行われることになる。

【００５１】演奏間におけるＣＰＵ１０の楽音信号の生
成は、制御部２２が押下された鍵に応じて読み出したＲ
ＯＭ１１上の音色データと、固定値バッファ２４のデー
タを演算部２１に送り、該演算部２１で所定の演算を行
い、その結果を制御部２２が楽音信号発生部５に送り所
望の楽音が発音されることになり、以下、同様の処理が
繰り返される。

【００５２】これにより、操作パネル３上で設定された
パラメータ値に基づく楽音が、鍵の操作に応じたタイミ
ングと鍵番号で発音されることになる。

【００５３】次に、上記の構成における本実施例の動作
につきフローチャートを参照しながら説明する。図３
は、本実施例における電子鍵盤楽器の動作を示すメイン
フローチャートである。

【００５４】電源の投入や図示しないリセットスイッチ
が押下されることにより発生するリセット信号により、
当該電子鍵盤楽器の初期設定処理が行われる（ステップ
Ｓ１１）。

【００５５】この初期設定処理は、楽音信号発生部５の
内部状態を初期状態に設定して電源投入時に不要な音が
発生されるのを防止したり、ＲＡＭ１２の作業用領域を
クリアしたり、レジスタやフラグ、音量、音色等のデー
タを初期設定する処理である。

【００５６】次いで、エディットモードであるか否かが
調べられる（ステップＳ１２）。これは、上記ステップ
Ｓ１１の初期設定処理で作成したイベントマップのエデ
ィットモードのフラグを調べることにより行われる。

【００５７】そして、エディットモードのフラグがオン
でないことが判断されると、エディットモードではない
のでステップＳ１４のパネル処理に分岐する。

【００５８】一方、エディットモードのフラグがオンで
あることが判断されるとエディットモードであるので、
エディット処理を行い（ステップＳ１３）、パネル処理
に進む。なお、エディット処理については図４で詳述す
る。

【００５９】次いで、パネル処理を行う（ステップＳ１
４）。このパネル処理では、操作パネル３のパネルスキ
ャン回路４で検出された各スイッチのオン／オフ状態を
示す情報を取り込む。

【００６０】そして、前回取り込んだ各スイッチのオン
／オフ状態を示す情報（既にＲＡＭ１２の所定領域に記
憶されている）と今回取り込んだ情報を比較することに
より、新たにオンにされたスイッチに対応するビットの
みをセットしたオンイベントマップをＲＡＭ１２上に作
成する処理である。

【００６１】次いで、鍵盤処理が行われる（ステップＳ
１５）。この鍵盤処理は、鍵盤１のキースキャン回路２
からキーデータを読み込み、新鍵バッファにセットす
る。そして、旧鍵バッファと新鍵バッファの内容を比較
することにより新たに操作された鍵に対応する部分がオ
ン又はオフにされた鍵イベントバッファを作成する。

【００６２】そして、その他の処理が行われる（ステッ
プＳ１６）。この「その他の処理」は、パネル処理や鍵
盤イベント処理等で検出したスイッチの指定に従った処
理であり、例えば音色や音量の変更処理、リズム選択処
理や、鍵番号に対応した発音処理、消音処理等が行われ
る。

【００６３】その後、ステップＳ１２に戻り、以下同様
の処理が繰り返し実行される。これにより、操作パネル
３の操作に応じた音色や音量で、鍵盤１の操作に応じた
音感の楽音が連続して発音されることになる。

【００６４】次に、図４のフローチャートを参照しなが
らエディトモード時に、パラメータ値の操作可能範囲の
値が各鍵に自動的に割り当てられる演算部２１のエディ
ット演算処理の動作について説明する。

【００６５】エディット処理においては、先ず、該処理
がパラメータ値を各鍵に割り当てるエディット演算処理
であるか否かが調べられる（ステップＳ２１）。これは
音色のパラメータ、即ち音量、音程、またはフィルタ特
性が選ばれているか否かを調べることにより行われる。

【００６６】音色のパラメータが選ばれていない場合
は、従来行なわれている通常のエディット処理であるの
で、通常のエディット処理を行い（ステップＳ２３）、
メインルーチンに戻る。

【００６７】なお、上記のエディット演算処理であるか
否かは、例えば、音量には１、音程には２、フィルタ特
性には３のようにＩＤ番号を付し、パラメータ選択スイ
ッチ３ａが該ＩＤ番号に設定されているか否かを判定す
るように構成すればよい。

【００６８】一方、上記ステップＳ２１でエディト演算
処理の指定がなされている場合は、設定されているパラ
メータのＩＤ番号に基づいて、当該パラメータのパラメ
ータ値の設定を行なう。

【００６９】パラメータ値の設定においては先ずパラメ
ータバリューの変化幅（ΔＶ）の計算を行なう（ステッ
プＳ２２）。

【００７０】パラメータバリューの変化幅（ΔＶ）は、 により各鍵に割り当てられるパラメータ値の差分が求め
られる。

【００７１】例えば、６１鍵のシンセサイザーで、パラ
メータ値の変化幅が１０〜１３０の場合、 となる。

【００７２】続いてノートナンバ分の変化幅（ＴＶ）の
計算が行なわれる（ステップＳ２４）。ノートナンバ分
の変化幅（ＴＶ）、即ち、押鍵される鍵のパラメータ値
と最小のパラメータ値が割り当てられている鍵のパラメ
ータ値の差分の計算は、

【００７３】ＴＶ ＝ ΔＶ＊（押鍵される鍵のノート
ナンバ− 最小のパラメータ値が割り当てられている鍵
のノートナンバ） により求められる。

【００７４】例えば、押鍵される鍵のノートナンバが１
５で、最小のパラメータ値が割り当てられている鍵のノ
ートナンバが０の場合は、

【００７５】 ＴＶ ＝ ２＊（１５−０） ＝ ３０ となる。

【００７６】従って、最小のパラメータ値が割り当てら
れているノートナンバ０の鍵のパラメータ値と、押鍵さ
れるノートナンバ１５の鍵のパラメータ値の差分は３０
となる。

【００７７】次いで、押鍵されたノートナンバに対応す
る鍵のパラメータ値（ＶＬ）を次式により求める（ステ
ップＳ２５）。

【００７８】 ＶＬ ＝ ＴＶ ＋ パラメータの最小値

【００７９】従って、ノートナンバ１５の鍵のパラメー
タ値は、 ＶＬ ＝ ３０ ＋ １０ ＝ ４０ となる。

【００８０】このような計算を各鍵ごとに繰り返し、各
鍵に割り当てられるパラメータ値を決定し、これをエデ
ィットバッファ２３の各鍵に対応する領域に記憶させる
（ステップＳ２６）。

【００８１】続いて、パラメータ選択スイッチ３ａによ
り設定されている全てのパラメータについて、各鍵への
パラメータ値の割り当てが終わったか否かが調べられる
（ステップＳ２７）。

【００８２】未だ、全てのパラメータについて、各鍵へ
のパラメータ値の割り当てが終わっていない場合は、ス
テップＳ２２に戻り同様の処理を繰り返す。

【００８３】全てのパラメータについて、各鍵へのパラ
メータ値の割り当てが終わると、演奏者はパラメータ値
の決定処理を行なう（ステップＳ２８）。

【００８４】即ち、演奏者はパラメータ値の決定処理を
行なうパラメータを選択して、鍵を押下して発音させて
弾き比べ、どのパラメータ値が最適かを選択する。望ま
しいパラメータ値を決定すると、ライトリクエストスイ
ッチ３ｂを押して選択したパラメータ値を固定値バッフ
ァ２４の所定の領域に記憶させる。

【００８５】これにより、演奏間、音色に関するパラメ
ータ値、即ち、音量、音程、フィルタ特性等について
は、固定値バッファ２４から読み出されて発音されるこ
とになる。

【００８６】なお、上記ステップＳ２７のパラメータ値
の決定処理については、選択されている全てのパラメー
タについて設定が終わるまで繰り返される。

【００８７】このようにして、全てのパラメータについ
て設定が終わるとメインルーチンに復帰する。

【００８８】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
エディットモード時に任意の鍵を押下するという簡単な
操作でパラメータ値の選択ができる。これにより演奏者
は、例えばピッチベンダー等を増減させて選択する微妙
な操作がなくなり、パラメータ値を容易に選択でき扱い
やすい電子鍵盤楽器の音色制御装置を提供することがで
きる。

【００８９】また、過去に設定されたことのあるパラメ
ータ値は数値として覚える必要はなく、鍵盤上の音階と
して記憶できるので覚えやすく、パラメータ値の変更が
容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電子鍵盤楽器の全体構成を説明する図
である。

【図２】本発明の電子鍵盤楽器のエディット演算関連部
位の機能構成図である。

【図３】本発明の電子鍵盤楽器のメインフローチャート
である。

【図４】演算部のエディット演算処理を説明するフロー
チャートである。

【符号の説明】

１ 鍵盤 ２ キースキャン回路 ３ 操作パネル ３ａ パラメータ選択スイッチ（パラメータ選択手
段） ３ｂ ライトリクエストスイッチ（ライトリクエスト
手段） ４ パネルスキャン回路 ５ 楽音信号発生部 ６ 波形メモリ ７ Ｄ／Ａ変換器 ８ 増幅器 ９ スピーカ １０ ＣＰＵ １１ ＲＯＭ １２ ＲＡＭ ２１ 演算部（演算手段） ２２ 制御部（制御手段） ２３ エディットバッファ ２４ 固定値バッファ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エディット機能を有する電子鍵盤楽器に
   おいて、 エディットモード時にエディットすべき音色のパラメー
   タを選択するパラメータ選択手段と、 前記パラメータ選択手段により選択されたパラメータの
   操作可能範囲の値を各鍵盤に連続的な変化値として割り
   当てる演算手段と、 前記演算手段により各鍵盤毎に割り当てられたパラメー
   タの値を記憶するエディットバッファと、 前記エディットバッファに記憶されているパラメータの
   値から所望のパラメータの値が選択されると、該パラメ
   ータ値を固定値バッファに記憶させることを指示するラ
   イトリクエスト手段と、 前記ライトリクエスト手段の指示により選択されたパラ
   メータ値を記憶する固定値バッファと、を有し鍵盤を押
   下することにより所望のパラメータ値を選択・設定可能
   なことを特徴とする電子鍵盤楽器の音色制御装置。
2. 【請求項２】 前記パラメータ選択手段の選択可能な音
   色のパラメータは、音量、音程、フィルタ特性であるこ
   とを特徴とする請求項１記載の電子鍵盤楽器の音色制御
   装置。
3. 【請求項３】 前記エディットバッファに記憶される各
   鍵に応じたパラメータ値は等間隔に割り当てられること
   を特徴とする請求項１または２のいずれかに記載の電子
   鍵盤楽器の音色制御装置。