JP3399629B2 - 電子楽器の楽音特性変化処理装置 - Google Patents

電子楽器の楽音特性変化処理装置

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JP3399629B2 JP10486094A JP10486094A JP3399629B2 JP 3399629 B2 JP3399629 B2 JP 3399629B2 JP 10486094 A JP10486094 A JP 10486094A JP 10486094 A JP10486094 A JP 10486094A JP 3399629 B2 JP3399629 B2 JP 3399629B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子楽器の楽音特性変
化処理装置に関し、さらに詳細には、演奏中に楽音の音
高、音色あるいは音量などの楽音の特性を変化すること
のできる電子楽器の楽音特性変化処理装置に関する。
【0002】
【発明の背景および発明が解決しようとする課題】一般
に電子楽器においては、演奏中にある操作子の操作によ
り楽音の音高、音色あるいは音量などの楽音の特性を変
化する指示がなされた場合には、当該電子楽器において
生成可能な全ての楽音に対して一律に、上記特性を変化
させていた。
【0003】このため、自然楽器たるギターにおいて二
本の弦を撥弦し、一方の弦のみをチョーキングしながら
その弦の音高をチョーキングしない他方の弦の音高に合
わせるような奏法や、二本の弦ともチョーキングしなが
ら、なおかつ一方の弦の音高を他方の弦の音高に合わせ
るような奏法、即ち、二本の弦のチョーキングにより変
化される音高の変化幅を各弦において異ならせるような
奏法を模擬することができないことが指摘されていた。
【0004】即ち、上記したように電子楽器において
は、演奏中にある操作子の操作により楽音の音高や音色
などの特性を変化する指示がなされた場合には、当該電
子楽器において生成可能な全ての楽音の特性が一律に変
化されることになるが、ギターにおいて複数の弦をチョ
ーキングする場合には、チョーキングしている各弦毎に
チョーキングによる音高の変化幅を任意にコントロール
することができるからである。
【0005】このため、電子楽器において生成可能な楽
音のなかで、特定の楽音の特性(音高、音色あるいは音
量など)のみを変化したり、生成中の楽音の特性の変化
幅を楽音毎に適宜異ならせたりすることのできる楽音特
性変化処理装置の案出が強く要望されていた。
【0006】また、自然楽器においては、特定の楽音の
音高のみを微妙に変化させることにより、ブルーノート
のような演奏を行ったり、和音内の特定の楽音の音高を
微妙に変化させることにより、和音内の特定の楽音に演
奏の表情を付けたり、あるいは和音内の特定の楽音の音
高を半音分あるいは全音(2半音)分変化させることに
より、ある和音から別の和音へ滑らかに移行したりする
ことができる。しかしながら、上記したように電子楽器
においては、演奏中にある操作子の操作により楽音の特
性として音高を変化する指示がなされた場合には、当該
電子楽器において生成可能な全ての楽音の音高が一律に
変化されることになるので、ブルーノートのような演奏
を行ったり、和音内の特定の楽音に演奏の表情を付けた
り、ある和音から別の和音へ滑らかに移行することを容
易に行うことができなかった。
【0007】こうした観点からも、電子楽器において生
成可能な楽音のなかで、楽音の特性として特定の楽音の
音高のみを変化することのできる楽音特性変化処理装置
の案出が強く要望されていた。
【0008】本発明は、従来からの上記要望に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、電子楽器
において生成可能な楽音のなかで、特定の楽音の特性の
みを所望の変化幅で変化させたり、楽音の特性の変化幅
を楽音毎に適宜異ならせたりすることを可能とし、新規
な演奏効果を実現することのできる電子楽器の楽音特性
変化処理装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による電子楽器の楽音特性変化処理装置は、
発音指示に基づいて楽音を生成する楽音生成手段と、上
記楽音生成手段によって生成される楽音の特性の変化を
指示する変化指示データを発生する変化指示データ発生
手段と、任意の複数の発音指示それぞれに応じて上記楽
音生成手段において同時に生成されている複数の楽音の
中から、第一の音高の楽音および第二の音高の楽音を検
出する検出手段と、第一の音高の楽音についての特性の
変化幅を第一の変化幅に設定するとともに、第二の音高
の楽音についての特性の変化幅を第二の変化幅に設定す
る変化幅設定手段と、上記変化指示データ発生手段によ
って発生される変化指示データに基づいて、上記第一の
音高の楽音の特性を上記第一の変化幅に応じ、上記第二
の音高の楽音の特性を上記第二の変化幅に応じてそれぞ
れ変化させる楽音特性変化手段とを有するようにしたも
のである(第一の発明)。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】また、本発明による電子楽器の楽音特性変
化処理装置は、発音指示に基づいて楽音を生成する楽音
生成手段と、上記楽音生成手段によって生成される楽音
の特性の変化を指示する変化指示データを発生する変化
指示データ発生手段と、上記楽音生成手段において同時
に生成されている複数の楽音により構成される和音の特
定の構成音に対応する楽音を検出する検出手段と、上記
検出手段によって検出された楽音の特性の変化幅を設定
する変化幅設定手段と、上記変化指示データ発生手段に
よって発生される変化指示データに基づいて、上記検出
手段によって検出された楽音の特性を上記変化幅設定手
段によって設定された変化幅に応じて変化させる楽音特
性変化手段とを有するようにしたものである(第二の発
明)。
【0014】
【作用】上記した第一の発明乃至第二の発明によれば、
電子楽器において生成可能な楽音のなかで、特定の楽音
の特性のみを所望の変化幅で変化させたり、楽音の特性
の変化幅を楽音毎に適宜異ならせたりすることでき、新
規な演奏効果を達成することができる。
【0015】即ち、第一の発明においては、検出された
二つの特定の楽音について、音高などの楽音の特性の変
化幅が異なるようになるので、例えば、ギターにおいて
二本の弦を撥弦し、一方の弦のみをチョーキングしなが
らその弦の音高をチョーキングしない他方の弦の音高に
合わせるような奏法や、二本の弦ともチョーキングしな
がら、なおかつ一方の弦の音高を他方の弦の音高に合わ
せるような奏法を模擬することができる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】また、第二の発明においては、発音中の和
音を他の異なる和音へ変化させることができるようにな
るので、例えば、スチール・ギターにおいて、ペダル操
作によって特定の弦の音高を変化させる奏法を模擬する
ことができる。
【0020】
【実施例】以下、添付の図面に基づいて、本発明による
電子楽器の楽音特性変化処理装置の実施例を詳細に説明
する。
【0021】図1には、本発明による電子楽器の楽音特
性変化処理装置を備えた電子楽器のブロック構成図が示
されている。
【0022】この電子楽器は、その全体の動作の制御を
中央処理装置(CPU)10を用いて制御するように構
成されており、CPU10には、バス(BUS)12を
介して、CPU10による全体の動作の制御や図2以降
に示すフローチャートに基づき後述する処理を実行する
ための所定のプログラムならびにプログラム実行時に必
要なデータなどを記憶したリード・オンリ・メモリ(R
OM)14と、CPU10によるプログラムの実行に必
要なワーキング・エリアとしてのランダム・アクセス・
メモリ(RAM)16と、複数の鍵より構成されてい
て、操作者が所望の鍵を押鍵/離鍵することにより演奏
操作を行うための鍵盤部18と、この電子楽器において
生成される楽音の音高を連続的に変化させるためのベン
ダー操作子20と、後述する各種パラメータを設定する
ための種々の操作子を備えたパラメータ設定操作子群2
2と、パラメータ設定操作子群22によるパラメータの
設定状態を表示するための表示部24と、「チャンネル
・ナンバー1」から「チャンネル・ナンバーN(「N」
は正の整数であり、例えば、「16」である。)」まで
のN個の楽音生成チャンネルを有していて、同時にN個
の楽音の生成が可能な楽音信号生成部26と、アンプや
スピーカーなどから構成されていて、楽音信号生成部2
6で生成された楽音信号を空間に楽音として放音するた
めの放音部28とが接続されている。
【0023】ここにおいて、鍵盤部18は、それぞれの
鍵の押鍵/離鍵を検出した場合に、押鍵/離鍵のいずれ
がなされたかと、いずれの鍵が押鍵/離鍵されたかと、
押鍵/離鍵の強さとを示す鍵情報をCPU10に供給す
る。
【0024】そして、鍵盤部18から押鍵を示す鍵情報
がCPU10に供給された場合には、CPU10は楽音
信号生成部26のいずれかの楽音生成チャンネルを選択
して当該鍵情報を割り当て、当該押鍵に対応する楽音の
生成開始を指示し、鍵盤部18から離鍵を示す鍵情報が
CPU10に供給された場合には、CPU10は当該離
鍵された鍵の従前の押鍵に基づき楽音生成中の楽音生成
チャンネルに対して、楽音の生成停止を指示する。
【0025】なお、楽音信号生成部26の各楽音生成チ
ャンネルで生成される楽音の音高は、いずれの鍵が押鍵
/離鍵されたかを示す鍵情報の値が大きくなるほど高く
なるように設定されている。
【0026】また、鍵情報に含まれるいずれの鍵が押鍵
/離鍵されたかを示す音高情報は、音高が半音上がる毎
に値が「1」づつ大きくなる。
【0027】さらに、本実施例においては、ベンダー操
作子20は1個のみ配設されているものであって、ベン
ダー操作子20の操作量はベンダー・データとしてCP
U10へ供給され、楽音信号生成部26の各楽音生成チ
ャンネルにおいて生成中の楽音の音高を変化させるパラ
メータとして使用されるものであり、これによって生成
中の楽音の音高が変化される。
【0028】このベンダー操作子20は、非操作時に中
央位置に自動復帰するとともに、手動操作により中央位
置から左右両方向に倒れるように構成されている。そし
て、ベンダー操作子20が非操作時の中央位置にあると
きには、ベンダー・データとして「0」が出力され、ベ
ンダー操作子20が手動操作により右方向に倒されたと
きには、楽音の音高を高くするように変化させる正(プ
ラス)の値が出力され、そして右にいっぱいに倒された
ときに「1」が出力される。また、ベンダー操作子20
が手動操作により左方向に倒されたときには、楽音の音
高を低くするように変化させる負(マイナス)の値が出
力され、そして左にいっぱいに倒されたときに「−1」
が出力される。なお、ベンダー操作子20の倒れる度合
いが大きくなるほど、出力されるベンダー・データの絶
対値が大きくなるように設定されている。
【0029】さらに、パラメータ設定操作子群22を構
成する操作子によって、ベンダー操作子20の操作によ
るベンダーのかかり具合たるベンド・センス(ベンダー
操作子18の操作に基づく音高の変化幅)を設定するこ
とができるようになされていて、パラメータ設定操作子
22によって設定されたベンダーのかかり具合(ベンド
・センス)は、ベンド・センス・データとして、RAM
16の所定の領域に記憶され、その設定状態は表示部2
4に表示される。
【0030】なお、ベンド・センス・データは、「1」
刻みで「0」〜「12」の範囲で設定されるもので、
「1」は半音を、「2」は2半音を・・・「12」は1
2半音、即ち、1オクターブを示す。
【0031】また、RAM16には、楽音生成部26の
各楽音生成チャンネルが楽音生成中であるか否かについ
てと、鍵盤部18のいずれの鍵の押鍵に対応する楽音を
生成中であるかと、各楽音生成チャンネルに割り当てら
れた鍵盤部18の鍵の押鍵の強さとを示す鍵情報を、各
楽音生成チャンネル毎に記憶する記憶領域より構成され
るテーブル(以下、「チャンネル・テーブル」と称
す。)が設定されている。そして、鍵盤部18の押鍵に
対応して楽音生成チャンネルが割り当てられる毎に、当
該割り当てられた楽音生成チャンネルに対応するチャン
ネル・テーブルの記憶領域が、当該押鍵に基づく鍵情報
によって更新される。
【0032】なお、楽音の生成を終了した楽音生成チャ
ンネルに対応するチャンネル・テーブルの記憶領域に関
しては、当該楽音の生成終了時に当該チャンネル・テー
ブルの記憶領域の記憶内容が、楽音非生成中に更新され
る。
【0033】以上の構成において、本発明の第一の実施
例による電子楽器の作用を、図2および図3に示すフロ
ーチャートを参照しながら説明するが、この電子楽器に
おいては、図3のフローチャートに示すベンド処理ルー
チンがCPU10に対するインタラプト・ルーチンとし
て所定時間(例えば、5msec)毎に繰り返し実行さ
れることによって、ベンダー操作子20の操作に基づき
楽音の音高を変化することができるようになされてい
る。
【0034】まず、図2に示す押鍵処理ルーチンを参照
しながら鍵盤部18の所望の鍵が押鍵された場合につい
て説明するが、鍵盤部18の所望の鍵が押鍵されると押
鍵処理ルーチンに従って、当該押鍵に応じて楽音信号生
成部26の適宜の楽音生成チャンネルが選択されて楽音
が生成され、放音部28を介して空間に楽音が放音され
て演奏が実現されることになる。
【0035】即ち、鍵盤部18の鍵が押鍵されると、図
2に示す押鍵処理ルーチンが起動され、ステップS20
2において、公知の技術に基づき、いずれかの楽音生成
チャンネルに押鍵に基づく鍵情報を割り当てる。この
「いずれかの楽音生成チャンネルに押鍵に基づく鍵情報
を割り当てる」処理は、所謂、アサイン処理と称される
ものであり、楽音非生成中の楽音生成チャンネルが存在
すれば、楽音非生成中の楽音生成チャンネルに対して当
該押鍵に基づく鍵情報が割り当てられることになる。ま
た、全ての楽音生成チャンネルにおいて楽音生成中であ
る場合には、例えば、最先に楽音の生成を開始した楽音
生成チャンネルを選択して現在生成中の楽音の生成を停
止し、その後に当該選択した楽音生成チャンネルに当該
押鍵に基づく鍵情報を割り当てるなどする。
【0036】ステップS202の処理を終了すると、ス
テップS204へ進み、押鍵に基づく鍵情報を割り当て
られた楽音生成チャンネルにおいて、当該鍵情報に基づ
き楽音の生成を開始する。
【0037】ステップS204の処理を終了すると、ス
テップS206へ進み、ステップS202において押鍵
を割り当てられた楽音生成チャンネルに対応するチャン
ネル・テーブルの記憶領域を、当該押鍵に基づく鍵情報
によって更新する。
【0038】ステップS206の処理を終了すると、ス
テップS208へ進み、ベンダー・データが「0」であ
るか否かを判断する。
【0039】ステップS208の判断結果が否定
(N)、即ち、ベンダー・データが「0」ではない(従
って、ベンダー操作子20が操作されている。)場合に
は、何も処理を行うことなく、この押鍵処理ルーチンを
終了する。
【0040】一方、ステップS208の判断結果が否定
(Y)、即ち、ベンダー・データが「0」である(従っ
て、ベンダー操作子20が操作されていない。)場合に
は、ステップS210へ進む。
【0041】ステップS210では、チャンネル・テー
ブルの記憶内容に基づいて、所定の条件に該当する複数
の特定の楽音(以下、特定音と称す。)を生成中の楽音
生成チャンネルを検出してRAM16の所定の領域に記
憶し、この押鍵処理ルーチンを終了する。
【0042】なお、第一の実施例においては、所定の条
件に該当する特定音として、楽音の音高が最高の「最高
音(楽音信号生成部26の各楽音生成チャンネルに割り
当てられた鍵が示す音高の中で最も高い音高の楽音)」
および楽音の音高が準最高の「準最高音(楽音信号生成
部26の各楽音生成チャンネルに割り当てられた鍵が示
す音高の中で2番目に高い音高の楽音)」を設定してい
る。従って、ステップS210では、楽音信号生成部2
6の各楽音生成チャンネルに割り当てられた鍵が示す音
高の中で、最も高い音高の楽音と2番目に高い音高の楽
音とを割り当てられた楽音生成チャンネルが、特定音を
生成中の楽音生成チャンネルとして検出される。
【0043】また、この押鍵処理ルーチンにおいては、
ベンダー・データが「0」である場合においてのみ、ス
テップS210において特定音を生成中の楽音生成チャ
ンネルの検出を行っているので、ベンダー操作子20の
操作中において鍵盤部18の新たな押鍵が行われても、
それにより特定音を生成中の楽音生成チャンネルが変化
することはない。
【0044】上記のようにして、鍵盤部18の鍵が押鍵
されたときの処理が行われるが、鍵盤部18の鍵が離鍵
されたときは、従来より公知の技術に基づくルーチンに
従って、鍵盤部18の鍵の離鍵に応じて、当該離鍵され
た鍵に対応する楽音信号生成部26の楽音生成チャンネ
ルにおける楽音の生成が停止され、放音部28を介して
空間に放音されていた楽音が消音される。また、楽音の
生成が終了した楽音生成チャンネルに関しては、楽音の
生成終了時において、当該楽音の生成を終了した楽音生
成チャンネルに対応するチャンネル・テーブルの記憶領
域の記憶内容が、楽音非生成中に更新される。
【0045】図3には、CPU10に対するインタラプ
ト・ルーチンとして所定時間毎に実行されるベンド処理
ルーチンが示されている。
【0046】このベンド処理ルーチンにおいては、まず
ステップS302において、処理変数[n]に「1」を
代入し、「チャンネル・ナンバー1」の楽音生成チャン
ネルから以降の処理を順次行う準備をする。
【0047】ステップS302の処理を終了すると、ス
テップS304へ進み、チャンネル・ナンバー[n]の
楽音生成チャンネルが楽音生成中であるか否かを判断す
る。
【0048】ステップS304の判断結果が肯定、即
ち、チャンネル・ナンバー[n]の楽音生成チャンネル
が楽音生成中である場合には、ステップS306へ進
み、チャンネル・ナンバー[n]の楽音生成チャンネル
で生成中の楽音の種類を判断する。即ち、当該楽音は特
定音のうちの最高音であるか、あるいは当該楽音は特定
音のうちの準最高音であるか、あるいは当該楽音は非特
定音であるかを判断する。
【0049】ステップS306の判断結果より、当該楽
音は特定音のうちの最高音であると判断された場合に
は、ステップS308へ進み、「ベンダー・データ×ベ
ンド・センス・データ」の演算を行い、その演算結果
を、チャンネル・ナンバー[n]の楽音生成チャンネル
で生成中の楽音の音高変化量として、チャンネル・ナン
バー[n]の楽音生成チャンネルへ供給する。これによ
り、チャンネル・ナンバー[n]の楽音生成チャンネル
で生成中の楽音の音高が、「ベンダー・データ×ベンド
・センス・データ」により示される音高変化量分だけ変
化される。
【0050】この際に、楽音生成チャンネルにおいて
は、「ベンダー・データ×ベンド・センス・データ」に
より示される音高変化量が正の値のときには音高が上が
り、負の値のときには音高が下がるように音高制御を行
う。そして、上記音高変化量に応じて連続的に音高が変
化するものであって、音高変化量が「1」のときに音高
が半音上がり、音高変化量が「2」のときに音高が2半
音上がり・・・音高変化量が「12」のときに音高が1
2半音、即ち、1オクターブ上がる。その逆に、音高変
化量が「−1」のときに音高が半音下がり、音高変化量
が「−2」のときに音高が2半音下がり・・・音高変化
量が「−12」のときに音高が12半音、即ち、1オク
ターブ下がる。
【0051】このように、最高音を生成中の楽音生成チ
ャンネルに関しては、ベンド・センス・データの値に対
応する音高を目標として、ベンダー・データの値に応じ
た変化幅だけ音高が変化される。
【0052】ステップS308の処理を終了すると、ス
テップS310へ進み、処理変数[n]を「1」だけイ
ンクリメントする。
【0053】そして、ステップS310の処理を終了す
ると、ステップS312へ進み、「n」が「N」より大
であるか否かを判断する。
【0054】ステップS312の判断結果が否定、即
ち、「n」が「N」以下である場合には、「チャンネル
・ナンバーN」までの楽音生成チャンネルの処理が終了
していないのでステップS304へ戻り、「n=N」と
なるまでチャンネル・ナンバー[n]の楽音生成チャン
ネルに対して、順次ステップS304以降の処理を繰り
返す。
【0055】そして、「チャンネル・ナンバーN」に関
しステップS304以降の処理が行われてステップS3
10へ到達すると、ステップS310において「n」が
「N+1」とされるため、ステップS312の判断結果
が肯定、即ち、「n」が「N」より大となり、既に「チ
ャンネル・ナンバーN」までの処理が終了したものと判
断されて、このベンド処理ルーチンを終了する。
【0056】また、ステップS306の判断結果より、
当該楽音は特定音のうちの準最高音であるとされた場合
には、ステップS314へ進み、ベンダー・データの値
が正(プラス)であるか否かを判断する。
【0057】ステップS314の判断結果が肯定、即
ち、ベンダー・データの値が正(プラス)である場合に
は、ステップS316へ進み、「ベンダー・データ×
(ベンド・センス・データ+準最高音と最高音との音
程)」の演算を行い、その演算結果を、チャンネル・ナ
ンバー[n]の楽音生成チャンネルで生成中の楽音の音
高変化量として、チャンネル・ナンバー[n]の楽音生
成チャンネルへ供給する。これにより、チャンネル・ナ
ンバー[n]の楽音生成チャンネルで生成中の楽音の音
高が、「ベンダー・データ×(ベンド・センス・データ
+準最高音と最高音との音程)」により示される音高変
化量分だけ変化される。
【0058】上記したように、「最高音」とは楽音信号
生成部26の各楽音生成チャンネルに割り当てられた鍵
が示す音高の中で最も高い音高の楽音であり、準最高音
とは楽音信号生成部26の各楽音生成チャンネルに割り
当てられた鍵が示す音高の中で2番目に高い音高の楽音
であって、「準最高音と最高音との音程」とは、当該最
高音を生成中の楽音生成チャンネルに割り当てられた鍵
が示す音高と当該準最高音を生成中の楽音生成チャンネ
ルに割り当てられた鍵が示す音高との音高差であり、即
ち、最高音に対応する鍵の音高情報の値から、準最高音
に対応する鍵の音高情報の値を減算した差(常に正の値
となる。)を意味するものである。
【0059】また、こうした「音程」と「ベンド・セン
ス・データ」とは、同じ「音高差(音高変化幅)」を示
すものであるならば、それを示す各々の値は一致する。
【0060】従って、準最高音を生成中の楽音生成チャ
ンネルに関しては、ベンダー・データの値が正(プラ
ス)である場合には、ベンド・センス・データの値と最
高音との音程(音高差)とを加算した値が実質的なベン
ド・センス・データの値とされて、最高音の目標音高を
目標として、ベンダー・データの値に応じた変化幅だけ
音高が変化される。
【0061】ステップS316の処理を終了すると、ス
テップS310へ進み、ステップS310以降の処理を
上記したように行う。
【0062】一方、ステップS314の判断結果が否
定、即ち、ベンダー・データの値が「0」または負(マ
イナス)である場合には、ステップS308へ進み、上
記した処理を行う。
【0063】従って、準最高音を生成中の楽音生成チャ
ンネルに関しては、ベンダー・データの値が負(マイナ
ス)である場合には、ベンド・センス・データの値に対
応する音高を目標として、ベンダー・データの値に応じ
た変化幅だけ音高が変化される。
【0064】さらに、ステップS306の判断結果よ
り、当該楽音は非特定音であるとされた場合には、 ベ
ンダー操作子20の操作により音高を変化させるべき楽
音ではないので、以降の処理を行うことなくステップS
310へジャンプする。
【0065】また、ステップS304の判断結果が否
定、即ち、楽音生成チャンネルが楽音生成中でない場合
には、ベンダー操作子20の操作により音高を変化させ
るべき楽音が存在しないものであるので、以降の処理を
行うことなくステップS310へジャンプする。
【0066】従って、例えば、ベンド・センス・データ
の値が「半音」を示す値であり、上記したベンド処理ル
ーチンにおいて最高音と準最高音との音程が「全音(2
半音)」である場合には、最高音はベンダー操作子20
の操作量に基づくベンダー・データの値に応じて「±半
音(半音分音高を高低させる)」の範囲で変化する。
【0067】一方、準最高音に関しては、ベンダー操作
子20が音高を上げる方向たる右方向に倒されるように
操作されたときには、ベンダー操作子20の操作量に基
づくベンダー・データの値に応じて「3半音」の範囲で
音高が上げられる。そして、ベンダー操作子20が最も
右方向に倒れるように操作されときに、最高音と準最高
音との音高が同一となる。従って、この場合には、ギタ
ーにおいて二本の弦をチョーキングしながら、なおかつ
一方の弦を他方の弦の音高に合わせるような奏法を模擬
することが可能となる。
【0068】また、準最高音に関してベンダー操作子2
0が音高を下げる方向たる左方向に倒されるように操作
されたときには、ベンダー操作子20の操作量に基づく
ベンダー・データの値に応じて「半音」の範囲で音高が
下げられる。即ち、この場合には、ベンダー操作子20
の操作量に基づくベンダー・データの値に応じて最高音
と準最高音との音高が下げられても、最高音と準最高音
との音程は一定に保たれる。
【0069】なお、ベンド・センス・データの値を
「0」にした場合において、ベンダー操作子20が音高
を上げる方向たる右側に倒されるように操作されたとき
には、最高音の音高は変化しないが、準最高音の音高は
最高音の音高を目標として、ベンダー操作子20の操作
量に基づくベンダー・データの値に応じて変化する。従
って、このような場合には、ギターにおいて二本の弦を
撥弦し、一方の弦のみをチョーキングしながらその弦の
音高をチョーキングしない他方の弦の音高に合わせるよ
うな奏法を模擬できる。
【0070】なお、上記した第一の実施例においては、
準最高音のみを最高音の音高を目標音高としてベンダー
操作子20の操作量に基づくベンダー・データの値に応
じて変化させたが、準最高音のみではなく最高音以外の
全ての楽音に対して、準最高音に関して行われた上記し
た処理と同様な処理を行ってもよい。こうした場合に
は、最高音以外の楽音の変化幅を、ベンド・センス・デ
ータの値と当該楽音と最高音との音程(音高差)とを加
算した値に基づいて決定するようにすれば、ベンダー操
作子20の操作が行われたときに、最高音以外の全ての
楽音の目標音高が最高音の目標音高と同一となる。
【0071】また、上記した第一の実施例においては、
ベンダー操作子20を音高を下げる方向たる左方向に倒
されるように操作した場合に、最高音と準最高音との音
程を一定に保つようにしたが、ベンダー操作子20を音
高を上げる方向たる右方向に倒されるように操作した場
合のように、準最高音の目標音高を設定されたベンド・
センス・データの値で決定し、最高音は準最高音の目標
音高を、自らの目標音高とするようにしてもよい。この
ように構成した場合には、最高音の音高が準最高音の音
高に近付くようになる。
【0072】さらに、上記した第一の実施例において
は、ベンダー操作子20の非操作時における最高音と準
最高音との音程とは無関係に、いつでもベンダー操作子
20の操作に基づく音高変化の処理を行ったが、最高音
と準最高音との音程が所定の条件(例えば、最高音と準
最高音との音程が「半音」であるなど。)を満たす場合
に限って、ベンダー操作子20の操作に基づく音高変化
の処理を行うようにしてもよい。このようにした場合
に、最高音と準最高音との音程が所定の条件を満たさな
いときには、ベンダー操作子20の操作に基づく音高変
化の処理を行わないようにしてもよいし、あるいは従来
の電子楽器のように全ての楽音の音高をベンダー操作子
20の操作に基づいて同じ変化幅だけ変化させるように
してもよいし、あるいはベンダー操作子20の操作に基
づいて最高音のみ音高変化の処理を行うようにしてもよ
い。
【0073】さらにまた、上記した第一の実施例におい
ては、準最高の音高の変化幅を決定するにあたって最高
音と準最高音との音程を考慮に入れたが、音程を考慮に
入れないようにしてもよい。この場合に、例えば、最高
音と準最高音とで独立してベンド・センス・データを設
定可能なようにしてもよいし、ベンド・センス・データ
は最高音に対してのみ設定可能とし、準最高音のベンド
・センス・データは最高音のベンド・センス・データに
対して相対的に設定するようにしてもよい。なお、上記
における「相対的」の具体例としては、準最高音のベン
ド・センスに関しては最高音のベンド・センスの何%に
するか、というように設定することを意味するものであ
る。要するに上記した第一の実施例においては、少なく
とも二種類のベンド・センスがあればよいものである。
【0074】また、上記した第一の実施例においては、
楽音の音高に基づいて最高音ならびに準最高音を特定音
としたが、これ以外の音高の楽音を特定音としてもよ
い。
【0075】さらに、上記した第一の実施例において
は、ベンダー操作子20を操作した場合に楽音の音高を
変化させるようにしたが、ベンダー操作子20の操作と
は独立して、楽音の生成開始から経過時間に基づいて音
高を自動的に変化させるようにしてもよい。例えば、準
最高音に関して、その楽音の生成を指定した鍵の示す音
高から楽音の生成を開始し、その後の経過時間に基づき
徐々に最高音の音高に向かって変化するようにする。具
体的には、音高変化幅を最高音と準最高音との音程に基
づいて決定するとともに、準最高音の生成開始からの経
過時間を計測し、この計測時間に基づいて、決定された
音高変化幅を目標として音高変化量を徐々に変化させれ
ばよい。なお、この場合には、ベンダー操作子20の操
作による音高変化と上記した経過時間に基づく音高変化
とを総合して、最終的な音高変化とするようにしてもよ
い。
【0076】さらにまた、上記した第一の実施例におい
ては、特定音の検出を楽音の音高に基づいて行ったが、
それ以外の楽音の特性に基づいて行うようにしてもよ
い。例えば、楽音の生成を指示する鍵盤部18の鍵の押
鍵の強さに基づいて、押鍵の強さが最も強い最強音と2
番目に強い準最強音とを検出するようにしてもよい。
【0077】次に、本発明の第二の実施例による電子楽
器の作用について説明するが、第一の実施例と同様な処
理に関しては説明を省略し、第一の実施例とは異なる処
理に関してのみ説明するものとする。
【0078】この第二の実施例においては、ベンダー操
作子20が操作されたときに発音中の全ての楽音の音高
が、予め設定された特定の音高に近付いたり、あるいは
遠ざかったりする処理が行われる。即ち、例えば、ベン
ダー操作子20が操作されたときに発音中の全ての楽音
が「ド」、「ファ」および「ラ」であり、特定の音高が
「ソ」であったときには、「ド」、「ファ」および
「ラ」の楽音が「ソ」に近付いたり、あるいは遠ざかっ
たりする。
【0079】この第二の実施例においては、パラメータ
設定操作子群22の所定の操作子の操作により、ベンド
・センス・データの設定を行わない代わりに、パラメー
タ設定操作子群22の所定の操作子の操作により、操作
者が「音名情報」と「オクターブ情報」とを入力する。
そうすると、入力された「音名情報」と「オクターブ情
報」とは、鍵情報に含まれる音高情報と同じ形式のデー
タたる「目標音高データ」(ベンダー操作子20の操作
時における目標音高を示すデータ))に変換されてRA
M16に記憶される。
【0080】また、第二の実施例おいては特定音を生成
している楽音生成チャンネルを検出する必要がないの
で、鍵盤18が押鍵された場合には図2に示す押鍵処理
ルーチンの中で、ステップS202「アサイン処理」、
ステップS204「楽音生成処理」、ステップS206
「チャンネル・テーブル更新処理」のみ行い、ステップ
S208およびステップS210の処理は行わない。
【0081】そして、図4に示すベンド処理ルーチン
が、CPU10に対するインタラプト・ルーチンとして
所定時間毎に実行される。以下、この図4に示すベンド
処理ルーチンを説明するが、図3に示す第一の実施例の
ベンド処理ルーチンにおける各ステップの処理内容と同
様な処理内容のステップに関しては、図3と同一のステ
ップ番号を付して示すことにより、その詳細な説明は省
略する。
【0082】図4に示すベンド処理ルーチンにおいて
は、ステップS304の判断結果が肯定、即ち、チャン
ネル・ナンバー[n]の楽音生成チャンネルが楽音生成
中である場合には、ステップS406へ進み、目標音高
データにより示される目標音高とチャンネル・ナンバー
[n]の楽音生成チャンネルで生成中の楽音の音高との
音程(目標音高データの値から、その楽音を生成中の楽
音生成チャンネルに割り当てられた鍵の音高情報の値を
減算した差である。)を検出する。この際に、目標音高
データの音高の方が、チャンネル・ナンバー[n]の楽
音生成チャンネルで生成中の楽音の音高より高い場合に
は、正(プラス)の符号を付し、その反対に、目標音高
データの音高の方が、チャンネル・ナンバー[n]の楽
音生成チャンネルで生成中の楽音の音高より低い場合に
は、負(マイナス)の符号を付す。
【0083】なお、ステップS406で検出した音程
を、以下においては単に「検出音程」と称す。
【0084】ステップS406の処理を終了すると、ス
テップS408へ進み、「ベンダー・データ×検出音
程」の演算を行い、その演算結果を、チャンネル・ナン
バー[n]の楽音生成チャンネルで生成中の楽音の音高
変化量として、チャンネル・ナンバー[n]の楽音生成
チャンネルへ供給する。これにより、チャンネル・ナン
バー[n]の楽音生成チャンネルで生成中の楽音の音高
が、「ベンダー・データ×検出音程」により示される音
高変化量分だけ変化される。
【0085】従って、各楽音生成チャンネルにおける音
高変化量は、ベンダー操作子20の操作量および目標音
高データの音高と処理対象の楽音生成チャンネルで生成
中の楽音の音高との音程(検出音程)によって決定され
るようになる。このため、目標音高データの音高と処理
対象の楽音生成チャンネルで生成中の楽音の音高との音
程(検出音程)が大きいほど、ベンダー操作子20が操
作されたときに大幅に音高が変化するようになる。
【0086】さらに、検出音程は正負(プラス・マイナ
ス)の符号付きで検出されるので、ベンダー操作子20
が音高を上げる方向たる右方向に倒されるように操作さ
れたときに、目標音高データの音高よりも高い音高の楽
音は、目標音高データの音高に近付くように音高が下が
り、目標音高データの音高よりも低い音高の楽音は、目
標音高データの音高に近付くように音高が上がるように
なる。即ち、各楽音の音高は目標音高データの音高に近
付き、ベンダー操作子20が右方向に最大に操作されて
倒されたときに、各楽音の音高は目標音高データの示す
音高となる。
【0087】一方、ベンダー操作子20が左方向に倒さ
れるように操作されると、各楽音の音高は目標音高デー
タの示す音高から遠ざかることになる。
【0088】なお、上記した第二の実施例においては、
目標音高データを「音名情報」と「オクターブ情報」と
により設定したため、全ての楽音の音高が一つの目標音
高に対して近付いたり、あるいは遠ざかったりするよう
になったが、目標音高データを「音名情報」だけで設定
するようにしてもよい。こうした場合には、各楽音の音
高を変化させるにあたり、目標音高と同じ音名の音高の
なかで、変化対象の楽音の音高に最も近い音高に対し
て、近付いたり、あるいは遠ざかったりするようにする
ことができる。
【0089】また、上記した第二の実施例においては、
特定音の検出を行わずに全ての楽音の特性を変化させる
ようにしたが、第二の実施例においても特定音の検出を
行い、特定音のみを変化させたりしてもよい。
【0090】さらに次に、本発明の第三の実施例による
電子楽器の作用について説明するが、第一の実施例と同
様な処理に関しては説明を省略し、第一の実施例とは異
なる処理に関してのみ説明するものとする。
【0091】この第三の実施例においては、ベンダー操
作子20が操作されたときに、同時に生成されている複
数の楽音から構成される和音のなかの特定の構成音の音
高を、当該構成音に応じた変化幅で変化させるものであ
る。
【0092】即ち、例えば、ベンダー操作子20が左方
向に倒されるように操作されたときのみ、現在生成中の
楽音から和音の検出を行い、検出した和音のルート音
(根音)に対して長3度の楽音の音高を、半音の変化幅
で下げるようにする。このような音高変化の制御を行う
と、長3和音は短3和音に変更されることになる。
【0093】なお、第三の実施例においては、ベンダー
操作子20が右側に倒されるように操作されたときは、
全ての楽音に対してベンド・センス・データにより設定
されている変化幅の音高制御を行う。
【0094】上記のような処理により、発音中の和音を
別の和音へ簡単に変更することができるようになるの
で、例えば、スチール・ギターにおいて、ペダル操作に
よって特定の弦の音高を変化させる奏法を模擬すること
ができる。
【0095】この第三の実施例おいて鍵盤部18の鍵が
押鍵された場合には、特定音として、同時に生成されて
いる複数の楽音から構成される和音のなかの長3度の楽
音を検出する必要がある。従って、第三の実施例におい
ては、第一の実施例と同様に特定音を生成している楽音
生成チャンネルを検出する処理を含む図2に示す押鍵処
理ルーチンが実行されることになり、特定音として、同
時に生成されている複数の楽音から構成される和音のな
かの長3度の楽音を検出する。
【0096】そして、図5に示すベンド処理ルーチン
が、CPU10に対するインタラプト・ルーチンとして
所定時間毎に実行される。以下、この図5に示すベンド
処理ルーチンを説明するが、図3に示す第一の実施例の
ベンド処理ルーチンにおける各ステップの処理内容と同
様な処理内容のステップに関しては、図3と同一のステ
ップ番号を付して示すことにより、その詳細な説明は省
略する。
【0097】図5に示すベンド処理ルーチンにおいて
は、ステップS304の判断結果が肯定、即ち、チャン
ネル・ナンバー[n]の楽音生成チャンネルが楽音生成
中である場合には、ステップS506へ進み、ベンダー
・データの値が正(プラス)であるか否かを判断する。
【0098】ステップS506の判断結果が肯定、即
ち、ベンダー・データの値が正(プラス)である場合に
は、ステップS508へ進み、「ベンダー・データ×ベ
ンド・センス・データ」の演算を行い、その演算結果
を、チャンネル・ナンバー[n]の楽音生成チャンネル
で生成中の楽音の音高変化量として、チャンネル・ナン
バー[n]の楽音生成チャンネルへ供給する。これによ
り、チャンネル・ナンバー[n]の楽音生成チャンネル
で生成中の楽音の音高が、「ベンダー・データ×ベンド
・センス・データ」により示される音高変化量分だけ変
化される。
【0099】一方、ステップS506の判断結果が否
定、即ち、ベンダー・データの値が「0」または負(マ
イナス)である場合には、ステップS514へ進み、チ
ャンネル・ナンバー[n]の楽音生成チャンネルで生成
中の楽音の種類を判断する。即ち、当該楽音は特定音
(現在生成中の和音の構成音のなかでルート音に対して
長3度の音程の楽音)であるか、あるいは当該楽音は非
特定音であるかを判断する。
【0100】ステップS514の判断結果が肯定、即
ち、当該楽音は特定音であると判断された場合には、ス
テップS516へ進み、「ベンダー・データ×半音変化
させるためのベンド・センス・データ」の演算を行い、
その演算結果を、チャンネル・ナンバー[n]の楽音生
成チャンネルで生成中の楽音の音高変化量として、チャ
ンネル・ナンバー[n]の楽音生成チャンネルへ供給す
る。これにより、ルート音の上の長3度の音程の楽音の
音高を半音下げて短3度の楽音へ変化させ、メジャー和
音をマイナー和音へ変化させることができる。
【0101】一方、ステップS514の判断結果が否
定、即ち、当該楽音は非特定音であると判断された場合
には、ベンダー操作子20の操作に基づき楽音の音高を
変化させずに、ステップS310へ進む。
【0102】なお、上記した第三の実施例においては、
ルート音の上の長3度の音程の楽音の音高を半音下げて
短3度の音程の楽音へ変化させてメジャー和音をマイナ
ー和音へ変化したが、その逆に、ルート音の上の短3度
の音程の楽音の音高を半音上げて長3度の音程の楽音へ
変化させてマイナー和音をメジャー和音へ変化させても
よい。
【0103】また、ルート音の上の完全5度の楽音を半
音上げることにより増5度の楽音へ変化させ、メジャー
和音をオーギュメント和音へ変化させたり、ルート音の
上の長3度の楽音を半音下げることにより短3度の楽音
へ変化させるとともに、ルート音の上の完全5度の楽音
を半音下げることにより減5度の楽音へ変化させ、メジ
ャー和音をディミニッシュ和音へ変化させたりしてもよ
い。
【0104】さらに、ルート音の上の長3度の楽音を半
音上げるとともに、ルート音の上の完全5度の楽音を全
音(2半音)上げることにより、楽音生成中のメジャー
和音を4度上のメジャー和音とするようにしてもよい。
【0105】さらにまた、ベンダー操作子20の操作方
向に応じて、例えば、ベンダー操作子20を左方向に倒
すように操作した場合にはメジャー和音がマイナー和音
に変化し、ベンダー操作子20を右方向に倒すように操
作した場合にはマイナー和音がメジャー和音に変化する
ようにしてもよい。
【0106】なお、上記した第一の実施例乃至第三の実
施例に関しては、以下に列挙するように変形を加えても
よい。
【0107】(1)上記した各実施例においては、楽音
の特性を制御するためにベンダー操作子を使用したが、
ベンダー操作子に代えて、ペダルなどの他の操作子を使
用してもよく、また鍵盤部18の各鍵の押鍵に応じて検
出される押鍵圧力、所謂、アフター・タッチを使用する
ようにしてもよい。
【0108】(2)上記した各実施例においては、連続
的な操作量を送出可能なベンダー操作子を使用したが、
これに限られるものではなく、押しボタン・スイッチ・
タイプの操作子を使用し、当該スイッチのオン操作に応
じて予め設定された変化幅で、楽音の特性を経時的に滑
らかに変化するとともに、当該スイッチのオフ操作に応
じて変化した特性を滑らかに元に戻すようにしてもよ
い。
【0109】なお、楽音の特性を滑らかに変化させる際
の変化時間を、鍵盤部18の各鍵域毎に設定するようし
てもよいし、あるいは当該変化時間を、特性が変化され
た楽音を発生させた押鍵の強さなどで制御するようにし
てもよい。また、当該変化時間を、全鍵に共通に一つだ
け設定しもよい。さらには、上記した押しボタン・スイ
ッチ・タイプの操作子を使用した場合には、当該スイッ
チを操作速度検出型とし、検出された操作速度に基づい
て、当該変化時間を設定してもよく、この場合には、演
奏中に操作速度を変化させることにより、当該変化時間
をさまざまに変化させることが可能となる。
【0110】また、上記した押しボタン・スイッチ・タ
イプの操作子としては、鍵盤部18の鍵域分割を行い、
特定の鍵域の鍵を使用するようにしてもよい。このよう
にした場合には、上記した押しボタン・スイッチ・タイ
プの操作子として使用する特定の鍵域の鍵は、通常の鍵
としての楽音の生成指示機能を持たないようにする。
【0111】さらにまた、上記した第三の実施例に関し
ては、ベンダー操作子20に変えて、メジャー和音とマ
イナー和音との切り換えや、メジャー和音とオーギュメ
ント和音との切り換えなどのための押しボタン・スイッ
チ・タイプの操作子を、それぞれの和音の切り換えのた
めに複数個設定してもよい。また、こうした押しボタン
・スイッチ・タイプの操作子はベンダー操作子20の近
傍に設け、ベンダー操作子20の操作中にベンダー操作
子20を操作している手で、当該押しボタン・スイッチ
・タイプの操作子を操作できるようにするとよい。
【0112】(3)本発明による電子楽器の楽音特性変
化処理装置の処理対象となる楽音の特性は、音高に限ら
れるものではなく、音色(フィルターのカット・オフ周
波数など)、音量などでもよい。
【0113】(4)鍵盤部18あるいはベンダー操作子
20などを、MIDIなどの通信手段を介して接続され
るものでもよい。
【0114】(5)上記した各実施例においては、ベン
ドに関するデータを1組だけ設定可能としたが、複数組
設定できるようにプリセットし、いずれか所望のプリセ
ットを選択するようしてもよい。
【0115】(6)音色パラメータの中にベンドに関す
るデータを含め、音色選択時にベンドに関するデータも
自動設定されるようにしてもよい。
【0116】また、ベンドに関するデータが複数組プリ
セットされている場合に、音色パラメータの中に、プリ
セットされたベンドに関するデータのいずれを使用する
かを示す情報を含めるようにしてもよい。
【0117】(7)上記した各実施例においては、ベン
ダー操作子20を一つだけ設けた場合に関して説明した
が、ベンダー操作子を二つ以上設けるようにしてもよ
い。この場合には、以下のように設定することができる
ようになる。
【0118】(ア)ベンダー操作子毎に、上記した第一
の実施例乃至第三の実施例あるいはこれらの変形例のい
ずれかのモードを割り当てる。あるいは、同じモードで
あっても異なるパラメータ(第一の実施例のベンド・セ
ンスや第二の実施例の目標音高など)を割り当てる。
【0119】(イ)ベンダー操作子毎に、第三の実施例
に関して説明した、どのような和音変換を行うかの割り
当てを行う。
【0120】(ウ)手で操作するタイプのものや、足で
操作するタイプのものなどの複数種類のベンダー操作子
を使用する。
【0121】なお、複数のベンダー操作子が同時に操作
されたときは、いずれか一つの操作子(最先に操作され
たものを選択したり、最後に操作されたものを選択した
り、あるいは操作子に固定的に優先順位をつけておくな
どすればよい。)のみに関して楽音の特性変化処理を行
ってもよいし、複数の操作子による特性変化データを総
合して楽音の特性変化処理を行ってもよい。
【0122】(8)上記した第一の実施例乃至第三の実
施例および上記した変形例(1)乃至(7)を、適宜組
み合わせてもよい。即ち、例えば、第一の実施例乃至第
三の実施例により達成される機能を、モード切り換えに
よっていずれかを選択的に使用するようにしてもよい。
また、こうしたモードの中には、従来と同じである、全
ての楽音に対して同じ変化幅で楽音の特性を変化させる
ものを含んでいてもよい。さらには、モード切り換え用
のスイッチをベンダー操作子の近傍に設け、ベンダー操
作子の操作中に、ベンダー操作子を操作している手でモ
ード切り換えができるようにするとよい。
【0123】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、電子楽器において生成可能な楽音のなか
で、特定の楽音の特性のみを所望の変化幅で変化させた
り、楽音の特性の変化幅を楽音毎に適宜異ならせたりす
ることが可能となり、今までなし得なかった新規な演奏
効果を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例による電子楽器の楽音特
性変化処理装置を備えた電子楽器を示すブロック構成図
である。
【図2】本発明の第一の実施例による押鍵処理ルーチン
のフローチャートである。
【図3】本発明の第一の実施例によるベンド処理ルーチ
ンのフローチャートである。
【図4】本発明の第二の実施例によるベンド処理ルーチ
ンのフローチャートである。
【図5】本発明の第三の実施例によるベンド処理ルーチ
ンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 CPU 12 バス 14 ROM 16 RAM 18 鍵盤部 20 ベンダー操作子 22 パラメータ設定操作子群 24 表示部 26 楽音信号生成部 28 放音部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−186293(JP,A) 特開 平2−98392(JP,A) 特開 平1−162398(JP,A) 特開 昭62−89095(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/00 - 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発音指示に基づいて楽音を生成する楽音
    生成手段と、 前記楽音生成手段によって生成される楽音の特性の変化
    を指示する変化指示データを発生する変化指示データ発
    生手段と、 任意の複数の発音指示それぞれに応じて前記楽音生成手
    段において同時に生成されている複数の楽音の中から、
    第一の音高の楽音および第二の音高の楽音を検出する検
    出手段と、 第一の音高の楽音についての特性の変化幅を第一の変化
    幅に設定するとともに、第二の音高の楽音についての特
    性の変化幅を第二の変化幅に設定する変化幅設定手段
    と、 前記変化指示データ発生手段によって発生される変化指
    示データに基づいて、前記第一の音高の楽音の特性を前
    記第一の変化幅に応じ、前記第二の音高の楽音の特性を
    前記第二の変化幅に応じてそれぞれ変化させる楽音特性
    変化手段とを有することを特徴とする電子楽器の楽音特
    性変化処理装置。
  2. 【請求項2】 発音指示に基づいて楽音を生成する楽音
    生成手段と、 前記楽音生成手段によって生成される楽音の特性の変化
    を指示する変化指示データを発生する変化指示データ発
    生手段と、 前記楽音生成手段において同時に生成されている複数の
    楽音により構成される和音の特定の構成音に対応する楽
    音を検出する検出手段と、 前記検出手段によって検出された楽音の特性の変化幅を
    設定する変化幅設定手段と、 前記変化指示データ発生手段によって発生される変化指
    示データに基づいて、前記検出手段によって検出された
    楽音の特性を前記変化幅設定手段によって設定された変
    化幅に応じて変化させる楽音特性変化手段とを有するこ
    とを特徴とする電子楽器の楽音特性変化処理装置。
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