JP2015179229A - 楽音発生装置、電子楽器、楽音発生方法およびプログラム - Google Patents

楽音発生装置、電子楽器、楽音発生方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】鍵盤操作に不慣れなビギナーユーザでも簡単に和音グリッサンドを演奏出来る楽音発生装置を実現する。
【解決手段】CPU10は、押鍵操作により指定された少なくとも3つの音で初回和音が成立するかどうかを判定し、初回和音が成立した場合には当該初回和音を主和音(I度の和音)に持つスケール(音階)を判定すると共に、初回和音の構成音の数を和音グリッサンドで発音する発音数に決定する。そして、初回和音の発音後に、当該初回和音の構成音の何れか一つを指定し、指定した構成音の音高を起点として高音側又は低音側へ一音一音を区切らず順番に指定するグリッサンド操作が為されると、そのグリッサンド操作に応じて順番に指定される音高を最低音とする上記スケール上の和音を順次導出して発音させる。
【選択図】図8

Description

本発明は、鍵盤操作に不慣れなビギナーユーザでも簡単に和音グリッサンドを演奏し得る楽音発生装置、電子楽器、楽音発生方法およびプログラムに関する。
従来よりグリッサンド奏法が可能な電子楽器が知られている。グリッサンド奏法とは、例えば鍵盤楽器であれば、低音側の鍵から高音側の鍵あるいは高音側の鍵から低音側の鍵へ向かって一音一音を区切らず隙間無く滑るように押鍵し、これにより例えば「ドレミファソラシド」や「ドシラソファミレド」などように単音を連続して発音させるものである。
また、ハープの和音グリッサンド奏法として、同時に複数の弦を撥弦して各種の和音や、それに近い和音関係の音を高音側から低音側へあるいは低音側から高音側へ発音させるものが知られている。このような和音グリッサンドで奏でられる楽音は、和音関係にある音高が次々発音されることからメロディ音的なものではなく音の響きを強調する所謂効果音的な演奏に用いられることが多い。
こうした和音グリッサンドを可能する技術として、例えば特許文献1には、鍵盤を上鍵盤(上鍵域)および下鍵盤(下鍵域)に分け、下鍵盤の鍵操作でコードの根音(ルート)およびコード種(タイプ)を指定しておき、上鍵盤の押鍵でメロディ音の音高を指定すると、その指定されたメロディ音を根音とする和音構成音を下鍵盤の鍵操作で指定されたコード種に応じて決定して和音発音させる為、上鍵盤の鍵を例えば右から左へ撫でるように弾くことで和音グリッサンドを実現する電子楽器が開示されている。
特開2000−172253号公報
ところで、上記特許文献1に開示の技術では、鍵盤を上鍵盤および下鍵盤に分け、下鍵盤の鍵操作でコード情報(根音およびタイプ)を指定しつつ、上鍵盤の鍵操作でメロディ音高を指定する必要がある為、鍵盤操作に不慣れなビギナーユーザでは両手を使ってコード情報とメロディ音高とを指定することが難しい。言い換えれば、鍵盤操作に不慣れなビギナーユーザでは簡単に和音グリッサンドを演奏することが出来ない、という問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、鍵盤操作に不慣れなビギナーユーザでも簡単に和音グリッサンドを演奏することが出来る楽音発生装置、電子楽器、楽音発生方法およびプログラムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の楽音発生装置は、
音高指定操作により指定された少なくとも3つの初期音高に基づいて初回和音を判定する初回和音判定手段と、
前記初回和音判定手段により判定された初回和音からスケールを判定するスケール判定手段と、
前記スケールが判定された後に行われるグリッサンド操作により順次指定される複数の音高と、前記初回和音判定手段により判定された初回和音と、前記スケール判定手段により判定されたスケールとに基づいて、当該スケール上の和音を順次導出して発音する和音グリッサンド発音手段と
を具備することを特徴とする。
本発明の電子楽器は、
前記楽音発生装置と、
前記音高指定操作を行う演奏入力操作子と、
前記和音グリッサンド発音手段によって導出された音に基づき楽音を生成して出力する楽音出力部とを備えることを特徴とする。
本発明の楽音発生方法は、
音高指定操作により指定された少なくとも3つの初期音高に基づいて初回和音を判定し、
前記判定された初回和音からスケールを判定し、
前記スケールが判定された後に行われるグリッサンド操作により順次指定される複数の音高と、前記判定された初回和音と、前記判定されたスケールとに基づいて、当該スケール上の和音を順次導出して発音することを特徴とする。
本発明のプログラムは、
楽音発生装置に搭載されるコンピュータに、
音高指定操作により指定された少なくとも3つの初期音高に基づいて初回和音を判定するステップと、
前記判定された初回和音からスケールを判定するステップと、
前記スケールが判定された後に行われるグリッサンド操作により順次指定される複数の音高と、前記判定された初回和音と、前記判定されたスケールとに基づいて、当該スケール上の和音を順次導出して発音するステップと、
を実行させることを特徴とする。
本発明では、鍵盤操作に不慣れなビギナーユーザでも簡単に和音グリッサンドを演奏することが出来る。
本発明の実施の一形態による楽音発生装置100の外観を示す外観図である。 楽音発生装置100の電気的構成を示すブロック図である。 RAM15のデータ構成を示すメモリマップである。 CPU10が実行するメインルーチンの動作を示すフローチャートである。 CPU10が実行する押鍵処理の動作を示すフローチャートである。 CPU10が実行する押鍵処理の動作を示すフローチャートである。 ダイアトニックコードテーブルDCTから主和音(I度の和音)に持つスケール(ハ長調音階)を判定する動作を説明する為の図である。 基準音がルート音の場合の和音グリッサンドの動作を説明するための図である。 基準音がルート音の場合の和音グリッサンドの動作を説明するための図である。 基準音が第3音の場合の和音グリッサンドの動作を説明するための図である。 基準音が第3音の場合の和音グリッサンドの動作を説明するための図である。 基準音が第5音の場合の和音グリッサンドの動作を説明するための図である。 基準音が第5音の場合の和音グリッサンドの動作を説明するための図である。 離鍵処理の動作を示すフローチャートである。 第2実施形態による押鍵処理の動作を示すフローチャートである。 第2実施形態による押鍵処理の動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
A.外観
図1は、本発明の実施の一形態による楽音発生装置100の外観を示す外観図である。この図に図示する楽音発生装置100は、上面視長方形状の筐体を有し、当該筐体の長手方向に沿って液晶表示パネル13−1およびタッチパネル13−2から構成される鍵盤部13を備えると共に、装置パネル面にスピーカSP、スイッチ部11および表示部12を備える。
鍵盤部13を構成する液晶表示パネル13−1には、例えば88鍵(白鍵52鍵、黒鍵36鍵)の各鍵の画像が画面表示される。この液晶表示パネル13−1上には、画面に表示される各鍵の画像位置に対応付けて2次元マトリクス配置される透明電極を用いた静電容量方式のマルチタッチ検出機能を備えるタッチパネル13−2が敷設される。
したがって、鍵盤部13では、ユーザが画面に表示される鍵の画像にタッチ(接触)する操作が押鍵操作となり、その押鍵操作に応じてタッチパネル13−2から出力されるタッチ位置情報が鍵番号(又はノートナンバ)として扱われる。なお、後述するように、鍵盤部13では、鍵の画像のタッチに応じて押鍵状態を示す画像を表示し、さらにタッチを離すと元の離鍵状態を示す画像を表示するようになっている。
B.構成
図2は、楽音制御装置100の構成を示すブロック図である。この図において、CPU10は、スイッチ部11から出力されるスイッチイベントに応じて装置各部の処理動作を設定したり、鍵盤部13を構成するタッチパネル13−2の検出出力に応じたノートオン/ノートオフイベントを生成して音源部16に供給する。本発明の要旨に係わるCPU10の特徴的な処理動作については追って詳述する。
スイッチ部11は、操作パネルに設けられる電源スイッチや音色選択スイッチ、終了スイッチなどの各種操作スイッチから構成され、スイッチ操作に応じた種類のスイッチイベントを発生する。スイッチ部11が発生するスイッチイベントはCPU10に取り込まれる。表示部12は、液晶表示パネルなどから構成され、CPU10の制御の下に、装置各部の設定状態や動作状態などを画面表示する。
鍵盤部13は、上述したように、鍵盤の各鍵を画像として画面表示する液晶表示パネル13−1と、液晶表示パネル13−1上に敷設され、画面に表示される各鍵の画像位置に対応付けて2次元マトリクス配置される透明電極を用いた静電容量方式のタッチパネル13−2とから構成され、鍵の画像に接触した触れたり離したりする押離鍵操作に応じて、当該タッチパネル13−2が検出出力する。
なお、タッチパネル13−2の検出出力は、CPU10が実行する鍵走査により鍵変化として検出される。CPU10は、タッチパネル13−2の検出出力に基づき押鍵によるキーオンイベントを検出すると、押鍵された鍵の鍵番号を含むノートオンイベントを発生して音源部16に供給し、一方、離鍵によるキーオフイベントを検出すると、離鍵された鍵の鍵番号を含むノートオフイベントを発生して音源部16に供給する。
また、上記液晶表示パネル13−1と、タッチパネル13−2との間に、圧電性を有する透明感圧層を介在させた構造を形成し、タッチ位置情報と共に鍵タッチに相当する押圧力を検出する態様としても構わない。この場合、検出した鍵タッチ(押圧力)が発生楽音の音量を表すベロシティとしてノートオンイベントに含まれる。
ROM14は、CPU10にロードされる各種制御プログラムを記憶する他、鍵盤部13の液晶表示パネル13−1に画面表示する各鍵の画像データ(押鍵状態を示す画像や離鍵状態を示す画像)を記憶する。なお、このROM14に格納される各種制御プログラムとは、後述するメインルーチンと、当該メインルーチンからコールされる押鍵処理および離鍵処理を含む。
RAM15は、図3に図示するように、ワークエリアWAおよびダイアトニックコードテーブルエリアDCAを備える。ワークエリアWAには、CPU10の処理に用いられる各種レジスタ・フラグデータが一時記憶される。ダイアトニックコードテーブルエリアDCAには、各調における三和音や七の和音等のダイアトニックコードを示す複数種のダイアトニックコードテーブルが格納される。図3に図示する一例のダイアトニックコードテーブルDCTは、メジャースケールにおける三和音のダイアトニックコードを示す。このダイアトニックコードテーブルDCTを用いて主和音(テーブル中のI度の和音)を持つスケール(音階)を判定する。
音源部16は、周知の波形メモリ読み出し方式にて構成される複数の発音チャンネルを備え、CPU10から供給されるノートオン/ノートオフイベントに従って楽音波形データWを発生する。サウンドシステム17は、音源部16から出力される楽音波形データWをアナログ形式の楽音信号に変換し、当該楽音信号から不要ノイズを除去する等のフィルタリングを施した後、これを増幅してスピーカSP(図1参照)から発音させる。
C.動作
次に、図4〜図14を参照して、上記構成による楽音発生装置100のCPU10が実行するメインルーチン、押鍵処理および離鍵処理の各動作について説明する。以下では、最初に全体動作の説明としてメインルーチンの処理動作について述べた後、続いてメインルーチンからコールされる押鍵処理および離鍵処理の各動作を説明する。
(1)メインルーチンの動作
図4は、CPU10が実行するメインルーチンの動作を示すフローチャートである。楽音発生装置100のパワーオンに応じて、CPU10がメインルーチンを実行すると、図4に図示するステップSA1に進み、装置各部を初期化するイニシャライズを実行する。そして、次のステップSA2では、ROM14に記憶される各鍵の画像データを用いて鍵盤部13の液晶表示パネル13−1に鍵盤画像を表示する。
次いで、ステップSA3では、例えば音色選択スイッチ操作に応じて発生楽音の音色を設定する等、スイッチ部11から出力されるスイッチイベントに応じて装置各部の処理動作を設定するスイッチ処理を実行する。次に、ステップSA4では、スイッチ部11に設けられる終了スイッチが操作(終了操作)されたか否かを判断する。終了操作が為されなければ、判断結果は「NO」になり、次のステップSA5に進む。
ステップSA5では、鍵盤部13(タッチパネル13−2)について鍵走査を行い鍵変化を検出する。続いて、ステップSA6では、上記ステップSA5の検出結果に基づき押鍵の有無を判断する。鍵盤部13の何れかの鍵が押鍵された場合には、判断結果が「YES」になり、ステップSA7に進み、押鍵処理を実行する。
押鍵処理では、後述するように、3つ以上の鍵を押鍵して初回和音が成立すると、その初回和音を主和音(I度の和音)に持つスケール(音階)を判定すると共に、初回和音の構成音の数を和音グリッサンドで発音する発音数に決定する。そして、初回和音の発音後、当該初回和音の構成音の何れか一つを押鍵したまま、例えば鍵盤上右方向グリッサンドにより順次1度上の鍵を押鍵して行くと、押鍵された鍵の音を最低音とする上記スケール上の和音が順次発音される和音グリッサンドとなる。ステップSA7における押鍵処理が終了すると、次のステップSA8へ進む。
一方、鍵盤部13で押鍵が為されなければ、上記ステップSA6の判断結果は「NO」になり、ステップSA8に進み、上記ステップSA5の検出結果に基づき離鍵の有無を判断する。鍵盤部13において押鍵中の鍵が離鍵された場合には、判断結果が「YES」になり、ステップSA9に進み、離鍵処理を実行する。離鍵処理では、後述するように、離鍵された鍵に対応するノートオフイベントを発生して音源部16に消音指示した後、消音された鍵の画像を押鍵状態から離鍵状態に切り換える。そして、全鍵が離鍵状態であれば、フラグGFをゼロリセットして和音グリッサンド完了を表してステップSA9における離鍵処理を終え、次のステップSA10へ進む。
これに対し、鍵盤部13で押鍵も離鍵も為されず、上記ステップSA5において鍵変化が検出されなければ、上記ステップSA6、SA8の各判断結果は何れも「NO」になり、ステップSA10に進む。ステップSA10では、鍵盤部13において為された押離鍵操作に対応して、押鍵された鍵の画像を押鍵状態の画像に、離鍵された鍵の画像を離鍵状態の画像にそれぞれ表示更新した後、上記ステップSA3に処理を戻す。なお、このステップSA10では、押離鍵操作されない場合には、鍵盤画像の表示更新は行われない。
上記ステップSA3に処理を戻すと、以後はスイッチ部11に設けられる終了スイッチが操作される迄、上記ステップSA3〜SA10を繰り返し実行する。そして、スイッチ部11に設けられる終了スイッチが操作されると、上記ステップSA4の判断結果が「YES」になり、本ルーチンを完了させる。
(2)押鍵処理の動作
図5〜図6は、押鍵処理の動作を示すフローチャートである。上述したメインルーチンのステップSA7(図4参照)を介して本処理が実行されると、CPU10は図5に図示するステップSB1に進み、フラグGFが「1」であるか否かを判断する。フラグGFは、和音グリッサンド中であるか否かを表すフラグであり、「1」の場合に和音グリッサンド中を表し、「0」の場合に和音グリッサンド中ではない旨を表す。したがって、上記ステップSB1では、和音グリッサンド中であるかどうかを判断する。以下、和音グリッサンド中ではない場合と、和音グリッサンド中の場合に分けて動作説明を進める。
a.和音グリッサンド中ではない場合
この場合、上記ステップSB1の判断結果が「NO」になり、ステップSB2に進む。ステップSB2では、新たに押鍵された鍵が3つ以上であるか否か、すなわち和音演奏されたかどうかを判断する。和音演奏でなければ、判断結果は「NO」になり、ステップSB3に進み、新たに押鍵された鍵に対応するノートオンイベントを発生して音源部16に供給する。これにより、新たに押鍵された鍵で指定される音高の楽音が発音される。この後、ステップSB10に進み、発音された鍵の画像を離鍵状態から押鍵状態に切り換えるよう指示して本処理を終える。なお、この切り換え指示に従い、前述したステップSA10(図4参照)において鍵盤画像が表示更新される。
さて一方、新たに押鍵された鍵が3つ以上の和音演奏が為されると、上記ステップSB2の判断結果が「YES」になり、ステップSB4に進む。この場合、例えば所定の短い時間間隔の間に押鍵された鍵が3つ以上あるか否かを判断することにより、人間の押鍵タイミングのずれ(誤差)等を吸収するようにしても良い。ステップSB4では、公知のコード判定処理により和音構成を解析する。すなわち、3音押鍵の場合には、その最低音を根音(ルート)として他の構成音が根音に対してそれぞれ3度音および5度音の基本形の和音であるか、あるいは根音以外の構成音(3度音および5度音)が最低音となる第1転回形/第2転回形かを判定する。また、4音押鍵の場合には、その最低音を根音(ルート)として他の構成音が根音に対してそれぞれ3度音、5度音および7度音の基本形の和音であるか、あるいは根音以外の構成音(3度音5度音および7度音)が最低音となる第1転回形〜第3転回形かを判定する。
次いで、ステップSB5では、上記ステップSB4の解析の結果から判別された和音構成音(3和音の場合は根音、3度音、5度音/4和音の場合は根音、3度音、5度音、7度音)および基本形/転回形の別を表すコード構成情報と、調(根音の音名)およびコード種からなるコード名とからなる初回和音データを決定してRAM15のワークエリアWAに一時記憶させる。
続いて、ステップSB6では、RAM15のダイアトニックコードテーブルエリアDCAに格納される複数種のダイアトニックコードテーブルDCT(1)〜(n)の内、上記ステップSB5で決定した初回和音データと同じ調のダイアトニックコードテーブルDCTにおいて、当該初回和音データを主和音(I度の和音)に持つスケール(音階)を読み出す。
例えば図7に図示する一例のように、ユーザによって弾かれた初回和音が「ドミソ(C)」であったとすると、ダイアトニックコードテーブルDCTから当該初回和音を主和音(I度の和音)に持つCメジャースケール(ハ長調音階)を読み出す。続いて、ステップSB7では、上記ステップSB5で決定した初回和音の構成音の数を、和音グリッサンドで発音する発音数に決定する。
そして、ステップSB8に進むと、上記ステップSB5で決定した初回和音を発音させるノートオンイベントを音源部16に送付する。これにより、音源部16は初回和音を発音する。次いで、ステップSB9では、フラグGFを「1」にセットして和音グリッサンド中を表す。この後、ステップSB10に進み、発音された鍵の画像を離鍵状態から押鍵状態に切り換えるよう指示して本処理を終える。なお、この切り換え指示に従い、前述したステップSA10において鍵盤画像の表示更新が行われる。
このように、和音グリッサンド中ではない場合にユーザが3つ以上の鍵を押下する和音演奏を行うと、押鍵された3つ以上の音に基づき和音構成の解析を行い、その結果、和音が成立していれば初回和音に決定する。そして、ダイアトニックコードテーブルDCTを参照して初回和音を主和音(I度の和音)に持つスケール(音階)を判定すると共に、初回和音の構成音の数を和音グリッサンドで発音する発音数に決定する。
b.和音グリッサンド中の場合
一方、和音グリッサンド中であると、上記ステップSB1の判断結果が「YES」になり、図6に図示するステップSB11に進む。ステップSB11では、押鍵中の鍵が1つであるか否かを判断する。複数の鍵が押鍵されている場合には、判断結果が「NO」になり、ステップSB12に進み、フラグGFをゼロリセットして和音グリッサンド中でない旨を表す。
そして、ステップSB13に進み、押鍵された鍵に対応するノートオンイベントを発生して音源部16に供給して発音指示する。この後、図5に図示するステップSB10に進み、発音された鍵の画像を離鍵状態から押鍵状態に切り換えるよう指示して本処理を終える。なお、この切り換え指示に従い、前述したステップSA10において鍵盤画像の表示更新が行われる。
これに対し、一つの鍵が押鍵されるグリッサンドが為された場合には、上記ステップSB11の判断結果が「YES」になり、ステップSB14に進む。ステップSB14では、押鍵中の鍵の鍵番号を取得する。次いで、ステップSB15では、取得した鍵番号をグリッサンドの基準音に決定する。
そして、ステップSB16では、前述したステップSB6(図5参照)でダイアトニックコードテーブルDCTから読み出したスケール(音階)において、上記ステップSB16で決定したグリッサンドの基準音(現在押鍵中の音)を最低音とする和音を、ダイアトニックコードテーブルDCTを参照して導出する。
続いて、ステップSB17では、導出した和音を発音させるノートオンイベントを音源部16に送付する。これにより、音源部16は和音グリッサンドを発音する。この後、図5に図示するステップSB10に進み、発音された鍵の画像を離鍵状態から押鍵状態に切り換えるよう指示して本処理を終える。なお、この切り換え指示に従い、前述したステップSA10において鍵盤画像の表示更新が行われる。
ここで、図8〜図13を参照して、上記ステップSB12〜SB18の具体的な動作を例示して説明する。以下では、説明の簡略化を図る為、三和音の基準音(最低音)が「ルート音(根音)」の場合、「第3音」の場合および「第5音」の場合に分けて説明を進める。
<基準音(最低音)がルート音(根音)の場合>
例えば前述したように、ユーザによって弾かれた初回和音が「ドミソ」(C)であると、図8に図示するように、当該初回和音を主和音(I度の和音)に持つCメジャースケールにおけるI度〜VII度の和音が定まる。そして、初回和音「ドミソ」が発音された後、図9に図示するように、ルート音以外の指を離し、ルート音を押鍵している指を鍵盤上右方向へグリッサンドして1度上の「レ」の鍵を押鍵したとする。
そうすると、その「レ」の鍵を最低音とするCメジャースケール上の和音、すなわちII度の和音「レファラ」(Dm)が発音される。そして、さらに「レ」の鍵を押鍵している指を鍵盤上右方向へグリッサンドして1度上の「ミ」の鍵を押鍵すると、図8および図9に図示するように、その「ミ」の鍵を最低音とするCメジャースケール上の和音、すなわちIII度の和音「ミソシ」(Em)が発音される。
以後、右方向グリッサンドにより順次1度上の「ファ」、「ソ」、「ラ」、「シ」、「ド」の鍵を押鍵して行くと、図8に図示する通り、それぞれ押鍵された鍵を最低音とするCメジャースケール上のIV度の和音「ファラド」(F)、V度の和音「ソシレ」(G)、VI度の和音「ラドミ」(Am)、VII度の和音「シレファ」(Bm-5)およびI度の和音「ドミソ」(C)が発音される。
なお、ここから逆に左方向グリッサンドにより順次1度下の「シ」、「ラ」、「ソ」、「ファ」、「ミ」、「レ」、「ド」が押鍵された場合には、上記とは逆の順序でVII度の和音「シレファ」(Bm-5)からI度の和音「ドミソ」(C)が発音されることになる。このように、初回和音を弾いた後、そのルート音を押鍵している指で鍵盤上右方向又は左方向へグリッサンドするだけで鍵盤操作に不慣れなビギナーユーザでも簡単に和音グリッサンドを演奏することが可能になっている。
<基準音(最低音)が第3音の場合>
例えばユーザによって弾かれた初回和音が「ミソド」であると、図10に図示するように、当該初回和音を主和音(I度の和音)に持つCメジャースケールにおけるI度〜VII度の和音が定まる。そして、初回和音「ミソド」が発音された後、図11に図示するように、第3音以外の指を離し、当該第3音を押鍵している指を鍵盤上右方向グリッサンドして1度上の「ファ」の鍵を押鍵したとする。
そうすると、その「ファ」の鍵を最低音とするCメジャースケール上の和音、すなわちII度の和音「ファラレ」(Dm)が発音される。そして、さらに「ファ」の鍵を押鍵している指を鍵盤上右方向グリッサンドして1度上の「ソ」の鍵を押鍵すると、図10および図11に図示するように、その「ソ」の鍵を最低音とするCメジャースケール上の和音、すなわちIII度の和音「ソシミ」(Em)が発音される。
以後、右方向グリッサンドにより順次1度上の「ラ」、「シ」、「ド」、「レ」、「ミ」の鍵を押鍵して行くと、図10に図示する通り、それぞれ押鍵された鍵を最低音とするCメジャースケール上のIV度の和音「ラドファ」(F)、V度の和音「シレソ」(G)、VI度の和音「ドミラ」(Am)、VII度の和音「レファシ」(Bm-5)およびI度の和音「ミソド」(C)が発音される。
なお、ここから逆に左方向グリッサンドにより順次1度下の「レ」、「ド」、「シ」、「ラ」、「ソ」、「ファ」、「ミ」が押鍵された場合には、上記とは逆の順序でVII度の和音「レファシ」(Bm-5)からI度の和音「ミソド」(C)が発音されることになる。このように、初回和音を弾いた後、その第3音を押鍵している指で鍵盤上右方向又は左方向へグリッサンドするだけで鍵盤操作に不慣れなビギナーユーザでも簡単に和音グリッサンドを演奏することが可能になっている。
<基準音(最低音)が第5音の場合>
例えばユーザによって弾かれた初回和音が「ソドミ」であると、図12に図示するように、当該初回和音を主和音(I度の和音)に持つCメジャースケールにおけるI度〜VII度の和音が定まる。そして、初回和音「ソドミ」が発音された後、図13に図示するように、第5音以外の指を離し、当該第5音を押鍵している指を鍵盤上右方向グリッサンドして1度上の「ラ」の鍵を押鍵したとする。
そうすると、その「ラ」の鍵を最低音とするCメジャースケール上の和音、すなわちII度の和音「ラレファ」(Dm)が発音される。そして、さらに「ラ」の鍵を押鍵している指を鍵盤上右方向グリッサンドして1度上の「シ」の鍵を押鍵すると、図12および図13に図示するように、その「シ」の鍵を最低音とするCメジャースケール上の和音、すなわちIII度の和音「シミソ」(Em)が発音される。
以後、右方向グリッサンドにより順次1度上の「ド」、「レ」、「ミ」、「ファ」、「ソ」の鍵を押鍵して行くと、図12に図示する通り、それぞれ押鍵された鍵を最低音とするCメジャースケール上のIV度の和音「ドファラ」(F)、V度の和音「レソシ」(G)、VI度の和音「ミラド」(Am)、VII度の和音「ファシレ」(Bm-5)およびI度の和音「ソドミ」(C)が発音される。
なお、ここから逆に左方向グリッサンドにより順次1度下の「ファ」、「ミ」、「レ」、「ド」、「シ」、「ラ」、「ソ」が押鍵された場合には、上記とは逆の順序でVII度の和音「ファシレ」(Bm-5)からI度の和音「ソドミ」(C)が発音されることになる。このように、初回和音を弾いた後、その第3音を押鍵している指で鍵盤上右方向又は左方向へグリッサンドするだけで鍵盤操作に不慣れなビギナーユーザでも簡単に和音グリッサンドを演奏することが可能になっている。
以上のように、押鍵処理では、3つ以上の鍵を押鍵して初回和音が成立すると、その初回和音を主和音(I度の和音)に持つスケール(音階)を判定すると共に、初回和音の構成音の数を和音グリッサンドで発音する発音数に決定する。そして、初回和音の発音後、当該初回和音の構成音の何れか一つを押鍵したまま、例えば鍵盤上右方向グリッサンドにより順次1度上の鍵を押鍵して行くと、押鍵された鍵の音を最低音とする上記スケール上の和音が順次発音される和音グリッサンドとなる。
(3)離鍵処理の動作
図14は、離鍵処理の動作を示すフローチャートである。前述したメインルーチンのステップSA9(図4参照)を介して本処理が実行されると、CPU10は図14に図示するステップSC1に進み、離鍵された鍵に対応するノートオフイベントを発生して音源部16に消音指示する。これにより、音源部16では、ノートオフイベントで指定される音高の楽音を消音する。なお、この際、和音グリッサンドを行っている場合は、和音グリッサンド処理で発音された、押鍵されている鍵以外の和音構成音についても、消音する。
続いて、ステップSC2では、消音された鍵の画像を押鍵状態から離鍵状態に切り換えるよう指示する。なお、この切り換え指示に従い、前述したステップSA10(図4参照)において鍵盤画像の表示更新が行われる。次いで、ステップSC3では、前述した押鍵処理(図5〜図6参照)において取得した情報のうち不要になったものをリセットする。例えば、離鍵された鍵の押鍵情報などである。
そして、ステップSC4では、全鍵が離鍵状態であるか否かを判断する。全鍵が離鍵状態ならば、判断結果は「YES」になり、ステップSC5に進み、フラグGFをゼロリセットして和音グリッサンド完了を表して本処理を終える。このとき同時に、和音グリッサンドで用いた諸情報(主和音、スケール、グリッサンド発音数、グリッサンド基準音等)もリセットすることとしても良い。一方、全鍵が離鍵状態でなければ、上記ステップSC4の判断結果は「NO」になり、本処理を終える。
このように、離鍵処理では、離鍵された鍵に対応するノートオフイベントを発生して音源部16に消音指示した後、消音された鍵の画像を押鍵状態から離鍵状態に切り換える。そして、全鍵が離鍵状態であれば、フラグGFをゼロリセットして和音グリッサンド完了を表して本処理を終える。
以上のように、本実施形態では、音高指定操作により指定された少なくとも3つの音で初回和音が成立するかどうかを判定し、初回和音が成立した場合には当該初回和音を主和音(I度の和音)に持つスケール(音階)を判定すると共に、初回和音の構成音の数を和音グリッサンドで発音する発音数に決定する。そして、初回和音の発音後に、当該初回和音の構成音の何れか一つを指定し、指定した構成音の音高を起点として高音側又は低音側へ一音一音を区切らず順番に指定するグリッサンド操作が為されると、そのグリッサンド操作に応じて順番に指定される音高を最低音とする上記スケール上の和音を順次導出して発音するので、鍵盤操作に不慣れなビギナーユーザでも簡単に和音グリッサンドを演奏することが出来る。
D.第2実施形態
次に、第2実施形態による押鍵処理の動作について、図15〜図16を参照して説明する。図15〜図16は、第2実施形態による押鍵処理の動作を示すフローチャートである。前述した第1実施形態と同様にメインルーチンのステップSA7(図4参照)を介して本処理が実行されると、CPU10は図15に図示するステップSD1に進み、フラグGFが「1」であるか否かを判断する。フラグGFは、和音グリッサンド中であるか否かを表すフラグであり、「1」の場合に和音グリッサンド中を表し、「0」の場合に和音グリッサンド中ではない旨を表す。したがって、上記ステップSD1では、和音グリッサンド中であるかどうかを判断する。以下、和音グリッサンド中ではない場合と、和音グリッサンド中の場合に分けて動作説明を進める。
a.和音グリッサンド中ではない場合
この場合、上記ステップSD1の判断結果が「NO」になり、ステップSD2に進む。ステップSD2では、新たに押鍵された鍵が3つ以上であるか否か、すなわち和音演奏されたかどうかを判断する。和音演奏でなければ、判断結果は「NO」になり、ステップSD3に進み、新たに押鍵された鍵に対応するノートオンイベントを発生して音源部16に供給する。
これにより、新たに押鍵された鍵で指定される音高の楽音が発音される。この後、ステップSD10に進み、発音された鍵の画像を離鍵状態から押鍵状態に切り換えるよう指示して本処理を終える。なお、この切り換え指示に従い、前述したステップSA10(図4参照)において鍵盤画像が表示更新される。
さて一方、新たに押鍵された鍵が3つ以上の和音演奏が為されると、上記ステップSD2の判断結果が「YES」になり、ステップSD4に進む。ステップSD4では、公知のコード判定処理により和音構成を解析する。すなわち、3音押鍵の場合には、その最低音を根音(ルート)として他の構成音が根音に対してそれぞれ3度音および5度音の基本形の和音であるか、あるいは根音以外の構成音(3度音および5度音)が最低音となる第1転回形/第2転回形かを判定する。また、4音押鍵の場合には、その最低音を根音(ルート)として他の構成音が根音に対してそれぞれ3度音、5度音および7度音の基本形の和音であるか、あるいは根音以外の構成音(3度音5度音および7度音)が最低音となる第1転回形〜第3転回形かを判定する。
次いで、ステップSD5では、上記ステップSD4の解析の結果から判別された和音構成音(3和音の場合は根音、3度音、5度音/4和音の場合は根音、3度音、5度音、7度音)および基本形/転回形の別を表すコード構成情報と、調(根音の音名)およびコード種からなるコード名とからなる初回和音データを決定してRAM15のワークエリアWAに一時記憶させる。
続いて、ステップSD6では、RAM15のダイアトニックコードテーブルエリアDCAに格納される複数種のダイアトニックコードテーブルDCT(1)〜(n)の内、上記ステップSD5で決定した初回和音データと同じ調のダイアトニックコードテーブルDCTにおいて、当該初回和音データを主和音(I度の和音)に持つスケール(音階)を読み出す。
例えば図7に図示する一例のように、ユーザによって弾かれた初回和音が「ドミソ(C)」であったとすると、ダイアトニックコードテーブルDCTから当該初回和音を主和音(I度の和音)に持つCメジャースケール(ハ長調音階)を読み出す。続いて、ステップSD7では、上記ステップSD5で決定した初回和音の構成音の数を、和音グリッサンドで発音する発音数に決定する。
そして、ステップSD8に進むと、上記ステップSD5で決定した初回和音を発音させるノートオンイベントを音源部16に送付する。これにより、音源部16は初回和音を発音する。次いで、ステップSD9では、フラグGFを「1」にセットして和音グリッサンド中を表す。この後、ステップSD10に進み、発音された鍵の画像を離鍵状態から押鍵状態に切り換えるよう指示して本処理を終える。なお、この切り換え指示に従い、前述したステップSA10において鍵盤画像が表示更新される。
このように、和音グリッサンド中ではない場合にユーザが3つ以上の鍵を押下する和音演奏を行うと、押鍵された3つ以上の音に基づき和音構成の解析を行い、その結果、和音が成立していれば初回和音に決定する。そして、ダイアトニックコードテーブルDCTを参照して初回和音を主和音(I度の和音)に持つスケール(音階)を判定すると共に、初回和音の構成音の数を和音グリッサンドで発音する発音数に決定する。
b.和音グリッサンド中の場合
一方、和音グリッサンド中であると、上記ステップSD1の判断結果が「YES」になり、図16に図示するステップSD11に進む。ステップSD11では、押鍵中の鍵が1つであるか否かを判断する。複数の鍵が押鍵されている場合には、判断結果が「NO」になり、ステップSD12に進み、フラグGFをゼロリセットして和音グリッサンドの完了を表す。
そして、ステップSD13に進み、押鍵された鍵に対応するノートオンイベントを発生して音源部16に供給して発音指示する。この後、図15に図示するステップSD10に進み、発音された鍵の画像を離鍵状態から押鍵状態に切り換えるよう指示して本処理を終える。なお、この切り換え指示に従い、前述したステップSA10において鍵盤画像が表示更新される。
これに対し、一つの鍵が押鍵されるグリッサンドが為された場合には、上記ステップSD11の判断結果が「YES」になり、ステップSD14に進む。ステップSD14では、前回発音した和音が初回和音であるか否かを判断する。前回発音した和音が初回和音でなければ、判断結果は「NO」になり、後述のステップSD17に進む。
一方、前回発音した和音が初回和音ならば、上記ステップSD14の判断結果は「YES」になり、ステップSD15に進む。ステップSD15では、押鍵中の鍵の鍵番号を取得し、続くステップSD16では、取得した鍵番号をグリッサンドの基準音に決定する。そして、ステップSD17に進むと、前述したステップSD6(図15参照)でダイアトニックコードテーブルDCTから読み出したスケール(音階)において、グリッサンドの基準音(現在押鍵中の音)を最低音とする和音を、ダイアトニックコードテーブルDCTを参照して導出する。
続いて、ステップSD18では、導出した和音を発音させるノートオンイベントを音源部16に送付する。これにより、音源部16は和音グリッサンドを発音する。この後、図15に図示するステップSD10に進み、発音された鍵の画像を離鍵状態から押鍵状態に切り換えるよう指示して本処理を終える。なお、この切り換え指示に従い、前述したステップSA10(図4参照)において鍵盤画像が表示更新される。
このように第2実施形態による押鍵処理では、3つ以上の鍵の押鍵で成立した初回和音を主和音(I度の和音)に持つスケール(音階)を判定すると共に、初回和音の構成音の数を和音グリッサンドで発音する発音数に決定し、初回和音を発音した後、当該初回和音の構成音の何れか一つを押鍵した状態で、例えば鍵盤上右方向グリッサンドにより順次1度上の鍵を押鍵して行くと、その押鍵された鍵の音を最低音とする上記スケール上の和音が順次発音される和音グリッサンドとなるので、鍵盤操作に不慣れなビギナーユーザでも簡単に和音グリッサンドを演奏することが出来る。
以上、本発明の実施の一形態について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、スピーカSPは、装置パネル面以外でも、装置の側面や裏面に設けられていても良いし、別体のスピーカと接続する形態であっても良い。
また、ユーザの押鍵した初回和音と、その後のグリッサンド中の押鍵とから、どのような和音でグリッサンドを行うかについては、様々な方法で実現することが可能である。初回和音からコードとスケールを分析すると共に、初回和音の転回形を保ったまま、その後のグリッサンド中の単音を最低音とする当該転回形の和音を発音する方法や、あるいは、例えば、ユーザによって弾かれた初回和音に関わらず、グリッサンド中に弾かれている音に応じた転回形和音を発音する方法など、種々の方法を用いることが可能である。
例えば、ユーザによって弾かれた初回和音が「ドミソ」であっても、その後「ミ」のみを残して他の鍵を離鍵し、さらにその「ミ」をグリッサンドした場合には、各和音の第1転回形(ドミソの和音の場合のミソドに対応する各和音の転回形)でグリッサンドさせるようにすることができる。すなわち、「ミ」→「ファ」→・・・と遷移した場合は「ミソド」→「ファラレ」→・・・と遷移させるようにする等である。
また、同様に、ユーザによって弾かれた初回和音が「ドミソ」であっても、その後「ソ」のみを残してグリッサンドを行った場合は、各和音の第2転回形(ドミソの和音の場合のソドミに対応する各和音の転回形)でグリッサンドさせるようにすることができる。
あるいはまた、ユーザによって弾かれた初回和音が「ドミソ」であり、その後「ミ」のみを残して他の鍵を離鍵し、さらにその「ミ」をグリッサンドした場合に、「ドミソ」の第3音である「ミ」が残されてからグリッサンドされたということで、その後の単音押鍵についても、第3音が指定されているとみなして和音を決定してグリッサンドの発音をすることも可能である。すなわち、「ドミソ」の初回和音指定の後、「ミ」→「ファ」→「ソ」→・・・と遷移した場合、「ドミソ」→「レファラ」→「ミソシ」→・・・と遷移させるようにすることも可能である。
要するに、ユーザによって弾かれた初回和音により、その初回和音とスケールを決定し、その後に続けて弾かれている音に対して、所定のルールで和音(とその転回形)を決定して、グリッサンドの発音を行うようにすれば良い。所定のルールとしては、上記に説明した各種方法や、グリッサンドで押鍵中の音を常にルート音とみなす方法、初回和音発音後のグリッサンドで押鍵している音が、ルート音、第3音、第5音のどれに該当するか判定し、それを構成音とする和音を導出する方法、初回和音によって転回形を決定し、その後は押鍵されている音が当該転回形における最低音となるようなダイアトニックコードの和音を発音する方法、等々、様々な方法で実現することが可能である。
またさらに、ユーザによって押鍵された初回和音に基づき、それらの各音の音程関係を抽出し、その後は、単音で押鍵されているグリッサンドの音を例えば初回和音の最も低い音とみなして、その最低音からの音程関係に基づいた音を重ねて発音することで、和音グリッサンドを実現するようにすることも可能である。
また、グリッサンド中(GF=1)では、ステップSB11において「押鍵中の鍵が一つ」の場合にグリッサンドを行わせるようにしていたが、これに限られず、複数音が押鍵されていても、最後に押鍵された音に基づいてグリッサンドの発音をさせるようにしても良い。グリッサンドで演奏した場合に、音の切り替わりのタイミング等で、いっぺんに2音以上の鍵が押鍵されているようなタイミングがあっても、このような方法によれば本発明を実現することが可能である。
また、本発明を、演奏操作子としての通常の鍵盤や、スピーカあるいはオーディオ出力端子等の楽音出力部を有するキーボードや電子ピアノ等の鍵盤楽器や、他の形態の演奏入力操作子を有する他の電子楽器等で実現することも可能である。
以下では、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された各発明について付記する。
(付記)
[請求項1]
音高指定操作により指定された少なくとも3つの初期音高に基づいて初回和音を判定する初回和音判定手段と、
前記初回和音判定手段により判定された初回和音からスケールを判定するスケール判定手段と、
前記スケールが判定された後に行われるグリッサンド操作により順次指定される複数の音高と、前記初回和音判定手段により判定された初回和音と、前記スケール判定手段により判定されたスケールとに基づいて、当該スケール上の和音を順次導出して発音する和音グリッサンド発音手段と
を具備することを特徴とする楽音発生装置。
[請求項2]
前記和音グリッサンド発音手段は、前記初回和音判定手段により判定された初回和音の和音構成音及び最低音から転回形の種類を判別し、前記グリッサンド操作で指定された音高を最低音とする前記判別された種類の転回形の和音を構成する前記スケール上の音高を導出することにより、当該和音を発音させることを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
[請求項3]
前記和音グリッサンド発音手段は、前記グリッサンド操作により最初に指定された音高を最低音とする前記初回和音の転回形の種類を判別し、前記グリッサンド操作で指定された音高を最低音とする前記判別された種類の転回形の和音を構成する前記スケール上の音高を導出することにより、当該和音を発音させることを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
[請求項4]
前記和音グリッサンド発音手段は、前記グリッサンド操作により最初に指定された音高が、前記初回和音の何れの種類の構成音であるかを判別し、前記最初に指定された音高に続いて前記グリッサンド操作で指定される音高が前記判別された種類の構成音である和音とするために、当該和音の他の種類の構成音として前記スケール上の音高を導出することにより、当該和音を発音させることを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
[請求項5]
前記スケール判定手段は、前記初回和音判定手段により判定された初回和音の構成音の数に基づいて前記和音グリッサンド発音手段にて発音される和音の構成音数を決定する発音数決定手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の楽音発生装置。
[請求項6]
前記スケールが判定された後に行われるグリッサンド操作は、一音を順次指定することにより複数の音高を順次指定するものであり、
前記和音グリッサンド発音手段は、前記グリッサンド操作で指定された一音に基づいて、発音すべき和音を導出して発音することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の楽音発生装置。
[請求項7]
前記請求項1から6のいずれかに記載の楽音発生装置と、
前記音高指定操作を行う演奏入力操作子と、
前記和音グリッサンド発音手段によって導出された音に基づき楽音を生成して出力する楽音出力部とを備える電子楽器。
[請求項8]
楽音発生装置で実行される方法であって、
前記楽音発生装置は、
音高指定操作により指定された少なくとも3つの初期音高に基づいて初回和音を判定し、
前記判定された初回和音からスケールを判定し、
前記スケールが判定された後に行われるグリッサンド操作により順次指定される複数の音高と、前記判定された初回和音と、前記判定されたスケールとに基づいて、当該スケール上の和音を順次導出して発音する、楽音発生方法。
[請求項9]
楽音発生装置として用いられるコンピュータに、
音高指定操作により指定された少なくとも3つの初期音高に基づいて初回和音を判定するステップ、
前記判定された初回和音からスケールを判定するステップと、
前記スケールが判定された後に行われるグリッサンド操作により順次指定される複数の音高と、前記判定された初回和音と、前記判定されたスケールとに基づいて、当該スケール上の和音を順次導出して発音するステップと、
を実行させるプログラム。
10 CPU
11 スイッチ部
12 表示部
13 鍵盤部
13−1 液晶表示パネル
13−2 タッチパネル
14 ROM
15 RAM
16 音源部
17 サウンドシステム
100 楽音発生装置
SP スピーカ

Claims (9)

  1. 音高指定操作により指定された少なくとも3つの初期音高に基づいて初回和音を判定する初回和音判定手段と、
    前記初回和音判定手段により判定された初回和音からスケールを判定するスケール判定手段と、
    前記スケールが判定された後に行われるグリッサンド操作により順次指定される複数の音高と、前記初回和音判定手段により判定された初回和音と、前記スケール判定手段により判定されたスケールとに基づいて、当該スケール上の和音を順次導出して発音する和音グリッサンド発音手段と
    を具備することを特徴とする楽音発生装置
  2. 前記和音グリッサンド発音手段は、前記初回和音判定手段により判定された初回和音の和音構成音及び最低音から転回形の種類を判別し、前記グリッサンド操作で指定された音高を最低音とする前記判別された種類の転回形の和音を構成する前記スケール上の音高を導出することにより、当該和音を発音させることを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
  3. 前記和音グリッサンド発音手段は、前記グリッサンド操作により最初に指定された音高を最低音とする前記初回和音の転回形の種類を判別し、前記グリッサンド操作で指定された音高を最低音とする前記判別された種類の転回形の和音を構成する前記スケール上の音高を導出することにより、当該和音を発音させることを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
  4. 前記和音グリッサンド発音手段は、前記グリッサンド操作により最初に指定された音高が、前記初回和音の何れの種類の構成音であるかを判別し、前記最初に指定された音高に続いて前記グリッサンド操作で指定される音高が前記判別された種類の構成音である和音とするために、当該和音の他の種類の構成音として前記スケール上の音高を導出することにより、当該和音を発音させることを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
  5. 前記スケール判定手段は、前記初回和音判定手段により判定された初回和音の構成音の数に基づいて前記和音グリッサンド発音手段にて発音される和音の構成音数を決定する発音数決定手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の楽音発生装置。
  6. 前記スケールが判定された後に行われるグリッサンド操作は、一音を順次指定することにより複数の音高を順次指定するものであり、
    前記和音グリッサンド発音手段は、前記グリッサンド操作で指定された一音に基づいて、発音すべき和音を導出して発音することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の楽音発生装置。
  7. 前記請求項1から6のいずれかに記載の楽音発生装置と、
    前記音高指定操作を行う演奏入力操作子と、
    前記和音グリッサンド発音手段によって導出された音に基づき楽音を生成して出力する楽音出力部とを備える電子楽器。
  8. 楽音発生装置で実行される方法であって、
    前記楽音発生装置は、
    音高指定操作により指定された少なくとも3つの初期音高に基づいて初回和音を判定し、
    前記判定された初回和音からスケールを判定し、
    前記スケールが判定された後に行われるグリッサンド操作により順次指定される複数の音高と、前記判定された初回和音と、前記判定されたスケールとに基づいて、当該スケール上の和音を順次導出して発音する、楽音発生方法。
  9. 楽音発生装置として用いられるコンピュータに、
    音高指定操作により指定された少なくとも3つの初期音高に基づいて初回和音を判定するステップ、
    前記判定された初回和音からスケールを判定するステップと、
    前記スケールが判定された後に行われるグリッサンド操作により順次指定される複数の音高と、前記判定された初回和音と、前記判定されたスケールとに基づいて、当該スケール上の和音を順次導出して発音するステップと、
    を実行させるプログラム。
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