JP5942627B2 - 演奏装置、方法及びプログラム - Google Patents
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Description
このような演奏装置によれば、現実の楽器を必要とせずに当該楽器の楽音を発音することができるため、演奏者は、演奏場所や演奏スペースに制約を受けずに演奏を楽しむことができる。
また、スティック状の部材に消音スイッチを設けることで消音する方法が考えられるが、この方法は生のドラム又は電子ドラムのチョーク奏法とは異なるため、実際のドラムセットにおけるチョーク奏法を実現させることは困難であった。
演奏操作によって演奏部材が仮想的に打撃する仮想打面を有し、当該仮想打面が仮想空間内の所定の位置および角度に配置される仮想パッドに対して前記演奏操作がなされた時に、所定の楽音の発音を指示する発音指示手段と、
前記演奏操作がなされた時から、前記仮想打面と前記演奏部材とで形成されるピッチ角の取得を開始するとともに、前記演奏操作がなされた時点における前記演奏部材を起点とし、当該起点における演奏部材とその後の前記演奏部材とで形成されるヨー角の取得を開始するピッチ角・ヨー角取得出手段と、
前記演奏操作がなされた時点から所定時間内に、前記取得されたピッチ角及びヨー角が所定の条件を満たした場合に、前記発音を指示された楽音の消音を指示する消音指示手段と、
を備えることを特徴とする。
初めに、図1を参照して、本発明の一実施形態としての演奏装置1の概要について説明する。
図1(1)に示すように、本実施形態の演奏装置1は、スティック部10R,10Lと、カメラユニット部20と、センターユニット部30と、を含んで構成される。本実施形態の演奏装置1は、2本のスティックを用いた仮想的なドラム演奏を実現するため、2つのスティック部10R,10Lを備えることとしているが、スティック部の数は、これに限られず1つとしてもよく、3つ以上としてもよい。なお、以下では、スティック部10R,10Lを個々に区別する必要がない場合には、両者を総称して「スティック部10」と呼ぶ。
また、スティック部10の先端側には、後述するマーカー部15(図2参照)が設けられており、撮像時にカメラユニット部20がスティック部10の先端を判別可能に構成されている。
初めに、図2〜図4を参照して、本実施形態の演奏装置1の各構成要素、具体的には、スティック部10、カメラユニット部20及びセンターユニット部30の構成について説明する。
図2は、スティック部10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、スティック部10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、モーションセンサ部14と、マーカー部15と、データ通信部16と、スイッチ操作検出回路17と、を含んで構成される。
スティック部10RのCPU11及びスティック部10LのCPU11は、夫々異なるマーカー特徴情報を読み出し、夫々のマーカーの発光制御を実行する。
スティック部10の構成についての説明は、以上である。続いて、図3を参照して、カメラユニット部20の構成について説明する。
図3は、カメラユニット部20のハードウェア構成を示すブロック図である。
カメラユニット部20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、イメージセンサ部24と、データ通信部25と、を含んで構成される。
カメラユニット部20の構成についての説明は、以上である。続いて、図4を参照して、センターユニット部30の構成について説明する。
図4は、センターユニット部30のハードウェア構成を示すブロック図である。
センターユニット部30は、CPU31と、ROM32と、RAM33と、スイッチ操作検出回路34と、表示回路35と、音源装置36と、データ通信部37と、を含んで構成される。
図6は、8個の仮想パッド81〜88が仮想空間上に配置されている様子を示しており、仮想パッド81〜88には、第1パッド〜第nパッドのうち、パッド有無データが「パッド有」となっているものが対応している。例えば、第2パッド、第3パッド、第5パッド、第6パッド、第8パッド、第9パッド、第12パッド、第13パッドの8つが対応している。更に、位置データ、サイズデータ及び角度データに基づいて仮想パッド81〜88が配置されている。更にまた、各仮想パッドに音色データが対応付けられている。したがって、ショット検出時におけるマーカー部15の位置座標が仮想パッド81〜88に対応する領域に属し、かつ、スティック部10によるショットタイミングが検出された場合には仮想パッド81〜88に対応する音色が発音される。
また、本実施形態ではカメラユニット20によってどのパッドを打撃しているのかを検出しているが、カメラユニット20がなくても、モーションセンサ部14が現在どこのパッドを打撃しているかを検出することは可能である。例えば、ショット検出時におけるスティック部10のピッチ角やヨー角が仮想パッド81〜88の夫々について定められたピッチ角やヨー角の範囲に属した場合、このパッドを打撃していると判断し、仮想パッド81〜88に対応する音色を発音させるようにしてもよい。
また、本実施形態において、この仮想空間での位置座標は、カメラユニット部20の撮像画像での位置座標と一致するものとする。
ショット検出時(すなわち、ノートオンイベント受信時)にマーカー部15の位置座標が属する領域の仮想パッド81に対応する音色データ(波形データ)を、RAM33に格納されたセットレイアウト情報から、CPU31が読み出すことで、演奏者の演奏動作に応じた楽音が発音される。
また、データ通信部37は、スティック部10及びカメラユニット部20との間で所定の無線通信(例えば、赤外線通信)を行う。
以上、演奏装置1を構成するスティック部10、カメラユニット部20及びセンターユニット部30の構成について説明した。続いて、図7〜図9を参照して、演奏装置1の処理について説明する。
図7は、スティック部10が実行する処理(以下、「スティック部処理」と呼ぶ)の流れを示すフローチャートである。
図7を参照して、スティック部10のCPU11は、モーションセンサ部14からモーションセンサ情報、すなわち、各種センサが出力するセンサ値を読み出し、RAM13に格納する(ステップS1)。その後、CPU11は、読み出したモーションセンサ情報に基づいて、スティック部10の姿勢検知処理を実行する(ステップS2)。姿勢検知処理では、CPU11は、モーションセンサ情報に基づいて、スティック部10の姿勢、例えば、スティック部10のピッチ角、ヨー角及びロール角などを算出する。
このショット検出のタイミングを発音タイミングとし、発音タイミングが到来したと判断されると、スティック部10のCPU11は、ノートオンイベントを生成し、センターユニット部30に送信する。これにより、センターユニット部30において、発音処理が実行されて、楽音が発音される。
ステップS3に示すショット検出処理では、モーションセンサ情報(例えば、加速度センサのセンサ合成値)に基づいて、ノートオンイベントを生成する。このとき、生成するノートオンイベントには、発音する楽音の音量を含めることとしてもよい。なお、楽音の音量は、例えば、センサ合成値の最大値から求めることができる。
これにより、処理はステップS1に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
図8は、カメラユニット部20が実行する処理(以下、「カメラユニット部処理」と呼ぶ)の流れを示すフローチャートである。
図8を参照して、カメラユニット部20のCPU21は、イメージデータ取得処理を実行する(ステップS11)。この処理では、CPU21は、イメージセンサ部24からイメージデータを取得する。
図9は、センターユニット部30が実行する処理(以下、「センターユニット部処理」と呼ぶ)の流れを示すフローチャートである。
発音処理では、CPU31は、RAM33に読み出されたセットレイアウト情報に基づいて、マーカー検出情報に含まれる位置座標が仮想パッド81〜88のいずれかに属するか否かを判断する。属すると判断された場合には、RAM33に格納された姿勢情報に含まれるピッチ角が、属すると判断された仮想パッドに対応するピッチ角の範囲に属するか否かを、RAM33に読み出されたセットレイアウト情報に基づいて判断する。この判断でも属すると判断された場合には、先の判断で属すると判断された仮想パッドに対応する音色データ(波形データ)を読み出し、ノートオンイベントに含まれる音量データと共に音源装置36に出力する。すると、音源装置36は、受け取った波形データに基づいて該当する楽音を発音する。
ショットタイミングにおけるスティック部10のピッチ角をθとしている(図12及び図13に示すように、平面αは、スティック部10により打撃される打面、即ち、仮想空間上に配置される仮想パッド面であり、この仮想パッド面とスティック部10とのなす角をΔθとする。更に、図14に示すように、ショットタイミングでのスティック部10のヨー角を起点とし、その後ミュート操作時に演奏者がZ軸周りにスティック部10を回転させたときのヨー角の回転角をφ1又はφ2とする。φ1は、スティック部10が時計回り方向に回転した場合のヨー角の回転角であり、φ2は、スティック部10が反時計回り方向に回転した場合のヨー角の回転角である。
また、チョーク奏法において、シンバル音のミュートが行われるのは、演奏者の手の回転の結果、スティック部10のショットタイミングでのスティック部10のヨー角を起点とし、その後ミュート操作時に演奏者がZ軸周りにスティック部10を回転させたときのヨー角の回転角φ1又はφ2が90度に近づいた場合である。すなわち、φ1又はφ2が所定の閾値を超えた場合である。本実施形態では、この所定の閾値を「φ1th」又は「φ2th」とする。
本実施形態においては、CPU31は、スティック部10により打面である平面αに対して演奏操作がなされた時に、所定の楽音の発音を指示し、演奏操作がなされた時から、平面αとスティック部10とで形成されるピッチ角Δθの取得を開始するとともに、演奏操作がなされた時点におけるスティック部10を起点とし、当該起点におけるスティック部10とその後のスティック部10とで形成されるヨー角φ1又はφ2の取得を開始し、演奏操作がなされた時点から所定時間内に、当該取得されたピッチ角及びヨー角が所定の条件を満たした場合に、発音を指示された楽音の消音を指示する。
よって、スティック部10のピッチ角及びヨー角に基づいて消音できるので、演奏者は、あたかも実際のドラムセットにおけるチョーク奏法を行っているかのような感覚を得られる。
よって、演奏者は、あたかも実際のドラムセットにおけるチョーク奏法を行っているかのような感覚を得られる。
またスティック部10の他端に設けたセンサ類は必ずしも先端側である必要はなく中間部などに設けても構わない。
さらに上記実施形態データ通信部16は赤外線通信により通信を行っているが、演奏を妨げなければどのようなデータ通信方法を用いても構わない。
[付記1]
演奏者が保持可能な演奏部材と、
演奏操作によって前記演奏部材が仮想的に打撃する仮想打面を有し、当該仮想打面が仮想空間内の所定の位置および角度に配置される仮想パッドに対して前記演奏操作がなされた時に、所定の楽音の発音を指示する発音指示手段と、
前記演奏操作がなされた時から、前記仮想打面と前記演奏部材とで形成されるピッチ角の取得を開始するとともに、前記演奏操作がなされた時点における前記演奏部材を起点とし、当該起点における演奏部材とその後の前記演奏部材とで形成されるヨー角の取得を開始するピッチ角・ヨー角取得出手段と、
前記演奏操作がなされた時点から所定時間内に、前記取得されたピッチ角及びヨー角が所定の条件を満たした場合に、前記発音を指示された楽音の消音を指示する消音指示手段と、
を備えることを特徴とする演奏装置。
[付記2]
前記消音指示手段は、前記演奏操作がなされた後における前記ピッチ角・ヨー角取得出手段により取得された前記ピッチ角が第1の閾値を超えず、かつ、前記演奏操作がなされた後におけるピッチ角・ヨー角取得出手段により取得された前記ヨー角が第2の閾値を超えた場合に、前記消音する指示をすることを特徴とする付記1に記載の演奏装置。
[付記3]
演奏者が保持可能な演奏部材と、演奏操作によって前記演奏部材が仮想的に打撃する仮想打面を有し、当該仮想打面が仮想空間内の所定の位置および角度に配置され、前記演奏部材のピッチ角を検出するピッチ角検出手段と、前記演奏部材のヨー角を検出するヨー角検出手段と、を備える演奏装置が実行する方法であって、
前記演奏部材により前記打面に対して前記演奏操作がなされた時に、所定の楽音の発音を指示する発音指示ステップと、
前記演奏操作がなされた時から、前記打面と前記演奏部材とで形成されるピッチ角の取得を開始するとともに、前記演奏操作がなされた時点における前記演奏部材を起点とし、当該起点における演奏部材とその後の前記演奏部材とで形成されるヨー角の取得を開始するピッチ角・ヨー角取得出ステップと、
前記演奏操作がなされた時点から所定時間内に、前記取得されたピッチ角及びヨー角が所定の条件を満たした場合に、前記発音を指示された楽音の消音を指示する消音指示ステップと、
を含む方法。
[付記4]
演奏者が保持可能な演奏部材と、演奏操作によって前記演奏部材が仮想的に打撃する仮想打面を有し、当該仮想打面が仮想空間内の所定の位置および角度に配置され、前記演奏部材のピッチ角を検出するピッチ角検出手段と、前記演奏部材のヨー角を検出するヨー角検出手段と、を備える演奏装置として用いられるコンピュータに、
前記演奏部材により前記打面に対して前記演奏操作がなされた時に、所定の楽音の発音を指示する発音指示ステップと、
前記演奏操作がなされた時から、前記打面と前記演奏部材とで形成されるピッチ角の取得を開始するとともに、前記演奏操作がなされた時点における前記演奏部材を起点とし、当該起点における演奏部材とその後の前記演奏部材とで形成されるヨー角の取得を開始するピッチ角・ヨー角取得出ステップと、
前記演奏操作がなされた時点から所定時間内に、前記取得されたピッチ角及びヨー角が所定の条件を満たした場合に、前記発音を指示された楽音の消音を指示する消音指示ステップと、
を実行させるプログラム。
Claims (4)
- 演奏操作によって演奏部材が仮想的に打撃する仮想打面を有し、当該仮想打面が仮想空間内の所定の位置および角度に配置される仮想パッドに対して前記演奏操作がなされた時に、所定の楽音の発音を指示する発音指示手段と、
前記演奏操作がなされた時から、前記仮想打面と前記演奏部材とで形成されるピッチ角の取得を開始するとともに、前記演奏操作がなされた時点における前記演奏部材を起点とし、当該起点における演奏部材とその後の前記演奏部材とで形成されるヨー角の取得を開始するピッチ角・ヨー角取得出手段と、
前記演奏操作がなされた時点から所定時間内に、前記取得されたピッチ角及びヨー角が所定の条件を満たした場合に、前記発音を指示された楽音の消音を指示する消音指示手段と、
を備えることを特徴とする演奏装置。 - 前記消音指示手段は、前記演奏操作がなされた後における前記ピッチ角・ヨー角取得出手段により取得された前記ピッチ角が第1の閾値を超えず、かつ、前記演奏操作がなされた後におけるピッチ角・ヨー角取得出手段により取得された前記ヨー角が第2の閾値を超えた場合に、前記消音する指示をすることを特徴とする請求項1に記載の演奏装置。
- 演奏操作によって演奏部材が仮想的に打撃する仮想打面を有し、当該仮想打面が仮想空間内の所定の位置および角度に配置され、前記演奏部材のピッチ角を検出するピッチ角検出手段と、前記演奏部材のヨー角を検出するヨー角検出手段と、を備える演奏装置が実行する方法であって、
前記演奏部材により前記仮想打面に対して前記演奏操作がなされた時に、所定の楽音の発音を指示する発音指示ステップと、
前記演奏操作がなされた時から、前記仮想打面と前記演奏部材とで形成されるピッチ角の取得を開始するとともに、前記演奏操作がなされた時点における前記演奏部材を起点とし、当該起点における演奏部材とその後の前記演奏部材とで形成されるヨー角の取得を開始するピッチ角・ヨー角取得出ステップと、
前記演奏操作がなされた時点から所定時間内に、前記取得されたピッチ角及びヨー角が所定の条件を満たした場合に、前記発音を指示された楽音の消音を指示する消音指示ステップと、
を含む方法。 - 演奏操作によって演奏部材が仮想的に打撃する仮想打面を有し、当該仮想打面が仮想空間内の所定の位置および角度に配置され、前記演奏部材のピッチ角を検出するピッチ角検出手段と、前記演奏部材のヨー角を検出するヨー角検出手段と、を備える演奏装置として用いられるコンピュータに、
前記演奏部材により前記仮想打面に対して前記演奏操作がなされた時に、所定の楽音の発音を指示する発音指示ステップと、
前記演奏操作がなされた時から、前記仮想打面と前記演奏部材とで形成されるピッチ角の取得を開始するとともに、前記演奏操作がなされた時点における前記演奏部材を起点とし、当該起点における演奏部材とその後の前記演奏部材とで形成されるヨー角の取得を開始するピッチ角・ヨー角取得出ステップと、
前記演奏操作がなされた時点から所定時間内に、前記取得されたピッチ角及びヨー角が所定の条件を満たした場合に、前記発音を指示された楽音の消音を指示する消音指示ステップと、
を実行させるプログラム。
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