JP6568408B2 - 木造建築用コーナ金物 - Google Patents
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Description
この際、変形部12は、第2取付板部6と補強板部7の間に介在された段状板部13と、該段状板部13の両端に連設した折曲部14、15により構成され、前記引張力Pを受けたとき、前記折曲部14、15の折曲角度を拡開させることにより変形して降伏するものであるから、従来のコーナ金物の全体的構成を大きく変更する必要はなく、折曲工程を付加するだけで、簡単に実施することが可能であり、比較的安価に提供することができるという利点がある。
図1ないし図5に示すように、コーナ金物1は、木造建築の相互に直交するX方向とY方向に関して、X方向に配置された第1構造部材2に対してY方向から第2構造部材3を突き合わせた状態で、両部材のコーナ部を連結するために使用される。
図8(A)は、本発明の第2実施形態に係るコーナ金物1を示しており、変形部12を構成する段状板部13と第2取付板部6の間の折曲部14に複数のリブ17を設けることにより変形強度設定手段18を構成している。その他の構成は、上述した第1実施形態の構成と同様である。この第2実施形態によれば、リブ17の個数を選択することにより、変形部12の降伏応力Kを所定値となるように容易に設定することができる。
図8(B)は、本発明の第3実施形態に係るコーナ金物1を示しており、変形部12を構成する段状板部13と第2取付板部6の間の折曲部14に比較的大きく膨隆するように形成したリブ17を設けることにより変形強度設定手段18を構成している。その他の構成は、上述した第1実施形態の構成と同様である。この第3実施形態によれば、リブ17の個数を選択することにより、変形部12の降伏応力Kを所定値となるように容易に設定することができる。
図8(C)は、本発明の第4実施形態に係るコーナ金物1を示しており、変形部12のリブ17は、段状板部13と補強板部7の間の折曲部15に設けられ、これにより変形強度設定手段18を構成している。その他の構成は、上述した第1実施形態の構成と同様である。このように、リブ17は、段状板部13の両端の折曲部14、15のうち、第1実施形態のように一方の折曲部14に設ける他、第2実施形態のように他方の折曲部15に設けても良く、更には、両方の折曲部14、15に設けても良い。
図9は、本発明に対して、比較例に係るコーナ金物1Aを示しており、該コーナ金物1Aは、本発明の変形部12を設けていない点を除き、上述した本発明の第1実施形態に係るコーナ金物1と概ね同様に構成しており、従って、同一構成部分は同一符号で示している。
2 第1構造部材
2a 被着面
3 第2構造部材
3a 被着面
4 ホゾ
5 第1取付板部
6 第2取付板部
7 補強板部
8、10 孔
9 第1ネジ部材
11 第2ネジ部材
12 変形部
13、13a 段状板部
14、14a、15、15a 折曲部
16 短溝
17 リブ
18 変形強度設定手段
Claims (5)
- 相互に直交するX方向とY方向に関して、X方向に配置された木質材から成る第1構造部材(2)に対してY方向から第2構造部材(3)を突き合わせた状態で、両部材(2)(3)のコーナ部を連結するコーナ金物であり、
金属板素材を折曲することにより、前記コーナ部に臨む第1構造部材と第2構造部材の被着面(2a)(3a)にそれぞれネジ部材(9)(11)により固着状態で接合される第1取付板部(5)と第2取付板部(6)を設け、前記コーナ部に対して斜交方向に傾斜する補強板部(7)を前記第1取付板部と第2取付板部の間に連設して成る構成において、
前記第2取付板部(6)と前記補強板部(7)との間に位置して、Y方向に関して第2構造部材(3)が第1構造部材(2)から離反する方向の引張力Pを受けたとき、前記離反方向に変形することによりコーナ金物に靱性を与える変形部(12)が折曲形成されており、
前記変形部(12)は、前記第2取付板部(6)の下端折曲部(14)と補強板部(7)の上端折曲部(15)の間でX方向に向く段状板部(13)を備え、前記引張力Pを受けたとき、前記折曲部(14)(15)の折曲角度を拡開させる方向に変形することにより降伏し、前記ネジ部材により固着された接合部の脆性的な破壊を遅延させるように構成して成ることを特徴とする木造建築用コーナ金物。 - 前記第1取付板部(5)に開設した孔(8)に挿通されるネジ部材(9)を第1構造部材(2)に挿着する構成において、
前記ネジ部材(9)を保持する第1構造部材(2)の保持力Nと、前記ネジ部材(9)に対して孔(8)を介して係止固定された第1取付板部(5)の係止力Fに対して、前記変形部(12)の降伏応力KをK<NかつK<Fに形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の木造建築用コーナ金物。 - 前記第2取付板部(6)と段状板部(13)の折曲角度θを90度以下に形成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の木造建築用コーナ金物。
- 前記段状板部(13)の両端に設けられた折曲部のうち少なくとも一方の折曲部に関して、該折曲部の外側から内側に向けて金属板素材を圧入することにより、該折曲部の内側面を架橋状に結合するリブ(17)を一体に形成しており、該リブにより折曲部の拡開変形に抗する変形強度設定手段(18)を構成して成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の木造建築用コーナ金物。
- 相互に直交するX方向とY方向に関して、X方向に配置された木質材から成る第1構造部材(2)に対してY方向から第2構造部材(3)を突き合わせた状態で、両部材(2)(3)のコーナ部を連結するコーナ金物であり、
金属板素材を折曲することにより、前記コーナ部に臨む第1構造部材と第2構造部材の被着面(2a)(3a)にそれぞれネジ部材(9)(11)により固着される第1取付板部(5)と第2取付板部(6)を設け、前記コーナ部に対して斜交方向に傾斜する補強板部(7)を前記第1取付板部と第2取付板部の間に連設して成る構成において、
前記第2取付板部(6)の下端と補強板部(7)の上端との間にX方向の段状板部(13)を折曲形成することにより、該段状板部(13)の両端に折曲部(14)(15)を設け、
前記段状板部(13)の両端の折曲部(14)(15)のうち少なくとも一方の折曲部に関して、該折曲部の外側から内側に向けて金属板素材を圧入することにより、該折曲部の内側面を架橋状に結合するリブ(17)を一体に形成しており、
Y方向に関して第2構造部材(3)が第1構造部材(2)から離反する方向の引張力Pを受けることにより該第2構造部材(3)のネジ部材(11)に剪断力が作用するとき、前記段状板部(13)の両端の折曲部が拡開変形させられ降伏する変形部(12)を構成すると共に、前記リブ(17)が前記拡開変形に抗することにより前記剪断力を分散するモーメントを生じさせる変形強度設定手段(18)を構成して成ることを特徴とする木造建築用コーナ金物。
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