以下、本発明を適用した接合構造1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した接合構造1は、図1に示すように、構造部材2に形成される略矩形の溝条部3と、接合部材4に形成される略矩形の突条部5とを備える。本発明を適用した接合構造1は、略矩形の溝条部3と略矩形の突条部5との接触面が所定の角度だけ傾斜されてもよい。
本発明を適用した接合構造1は、建築物等において、柱21、梁22、基礎23、土台24等の複数の構造部材2を相互に接合させるものであり、複数の突条部5は、構造部材2が軸方向X、奥行方向Y又は幅方向Zに変位しないように、複数の溝条部3に嵌め込まれる。
本発明を適用した接合構造1は、図1に示すように、第1実施形態において、1個の接合部材4が用いられる。本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21の下端部にプレカット加工を施すことにより、構造部材2の柱21の内側で奥行方向Yに貫通させた溝状の嵌合部7が設けられる。嵌合部7は、構造部材2の柱21の内側に形成される嵌合部側面7aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで相互に対向する一対の溝条部3が形成される。
接合部材4は、構造部材2の柱21の下端部と構造部材2の土台24の上面との間に設けられる基板部41と、奥行方向Yにスライドさせて嵌合部7に挿入される挿入板42とを備える。接合部材4は、挿入板42の挿入板側面42aの上端部に、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで相互に背中合わせとなる一対の突条部5が形成される。
接合部材4は、構造部材2の柱21を幅方向Zに貫通させるためのボルト孔43が挿入板42の挿入板側面42aに形成される。接合部材4は、ボルト11をボルト孔43に挿通させて、構造部材2の柱21の幅方向Zの端部でボルト11をナット12で締結することによって、挿入板42が嵌合部7に固定される。接合部材4は、図示しない皿バネ座金又は弾性板材を介してボルト11をナット12で締結することで、構造部材2の変形によってボルト11が緩むことを防止することができる。接合部材4は、アンカーボルト孔44が基板部41に形成され、アンカーボルト孔44に挿通されたアンカーボルト13を構造部材2の土台24を貫通させて構造部材2の基礎23に埋設させるものである。これにより、接合部材4は、構造部材2の柱21と、構造部材2の土台24及び基礎23とを相互に接合するものとなる。
接合部材4は、後述する第5実施形態と同様に、挿入板42の挿入板側面42aにおいて、突条部5の下方で突条部5に近接させてボルト孔43を形成することもできる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の突条部5の下方で突条部5に近接させてボルト孔43が形成されることで、構造部材2の溝条部3の端部から亀裂が生じることを防止することができ、構造部材2の柱21と構造部材2の基礎23との接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、略矩形の突条部5が略矩形の溝条部3に嵌め込まれるため、突条部5を断面円形状とした場合に比べて、突条部5から構造部材2に分力として割裂応力が発生することを回避することができる。また、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が割裂しないようにボルト11の軸力で接合部材4を固定することができ、略矩形の溝条部3の端部から構造部材2の内側に割裂が生じることを防止することができる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が変位しようとした場合に、略矩形の突条部5が構造部材2の内側で面接触することになり、構造部材2の内側で局所的に応力集中することを回避するとともに、構造部材2の内側に割裂が生じることを防止して、複数の構造部材2の接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、嵌合部7の嵌合部側面7aに形成される一対の溝条部3に、接合部材4の挿入板側面42aに形成される一対の突条部5が嵌め込まれる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21が構造部材2の土台24及び基礎23に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、突条部5が溝条部3に係止されることになり、1個の接合部材4で一体的に構造部材2の柱21の軸方向Xの変位を防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21が構造部材2の土台24及び基礎23に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、接合部材4の突条部5にせん断力が作用するものとなる。本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の挿入板42を構造部材2の嵌合部7に固定するために補助的にボルト11を用いるものであり、このせん断力をボルト11に負担させることを必要としないで、ボルト11の変形、破断を防止することが可能となる。
これにより、本発明を適用した接合構造1は、ボルト11の数量を増加させることを必要とせず、材料費や施工手間の増大を回避して施工コストの増大を回避することができるとともに、複数のボルト11が順次変形、破断することを防止して、構造部材2の柱21と構造部材2の基礎23との接合状態が破綻することを防止することができ、複数の構造部材2の接合状態が破綻することによる建築物等の倒壊を防止することが可能となる。
次に、本発明を適用した接合構造1の第2実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した接合構造1は、図2に示すように、第2実施形態において、1個の接合部材4が用いられる。本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21の上端部にプレカット加工を施すことにより、構造部材2の柱21の内側で奥行方向Yに貫通させた溝状の嵌合部7が設けられる。嵌合部7は、構造部材2の柱21の内側に形成される嵌合部側面7aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで相互に対向する一対の溝条部3が、軸方向Xに連続して複数箇所に形成される。
接合部材4は、H形鋼等の構造部材2の梁22の下部フランジ22aの下面に溶接等によって固定される。接合部材4は、構造部材2の柱21の上端部で奥行方向Yにスライドさせて嵌合部7に挿入される挿入板42を備える。接合部材4は、挿入板42の挿入板側面42aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで相互に背中合わせとなる一対の突条部5が、軸方向Xに連続して複数箇所に形成される。
接合部材4は、構造部材2の柱21を幅方向Zに貫通させるためのボルト孔43が挿入板42の挿入板側面42aに形成される。接合部材4は、ボルト11をボルト孔43に挿通させて、構造部材2の柱21の幅方向Zの端部でボルト11をナット12で締結することによって、挿入板42が嵌合部7に固定される。接合部材4は、図示しない皿バネ座金又は弾性板材を介してボルト11をナット12で締結することで、構造部材2の変形によってボルト11が緩むことを防止することができる。これにより、接合部材4は、構造部材2の柱21と、H形鋼等の構造部材2の梁22とを相互に接合するものとなる。
接合部材4は、後述する第5実施形態と同様に、挿入板42の挿入板側面42aにおいて、突条部5の上方で突条部5に近接させてボルト孔43を形成することもできる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の突条部5の上方で突条部5に近接させてボルト孔43が形成されることで、構造部材2の溝条部3の端部から亀裂が生じることを防止することができ、構造部材2の柱21と構造部材2の梁22との接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、略矩形の突条部5が略矩形の溝条部3に嵌め込まれるため、突条部5を断面円形状とした場合に比べて、突条部5から構造部材2に分力として割裂応力が発生することを回避することができる。また、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が割裂しないようにボルト11の軸力で接合部材4を固定することができ、略矩形の溝条部3の端部から構造部材2の内側に割裂が生じることを防止することができる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が変位しようとした場合に、略矩形の突条部5が構造部材2の内側で面接触することになり、構造部材2の内側で局所的に応力集中することを回避するとともに、構造部材2の内側に割裂が生じることを防止して、複数の構造部材2の接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、嵌合部7の嵌合部側面7aに形成される一対の溝条部3に、接合部材4の挿入板側面42aに形成される一対の突条部5が嵌め込まれる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21がH形鋼等の構造部材2の梁22に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、突条部5が溝条部3に係止されることになり、1個の接合部材4で一体的に構造部材2の柱21の軸方向Xの変位を防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21がH形鋼等の構造部材2の梁22に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、接合部材4の突条部5にせん断力が作用するものとなる。本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の挿入板42を構造部材2の嵌合部7に固定するために補助的にボルト11を用いるものであり、このせん断力をボルト11に負担させることを必要としないで、ボルト11の変形、破断を防止することが可能となる。
これにより、本発明を適用した接合構造1は、ボルト11の数量を増加させることを必要とせず、材料費や施工手間の増大を回避して施工コストの増大を回避することができるとともに、複数のボルト11が順次変形、破断することを防止して、構造部材2の柱21と構造部材2の梁22との接合状態が破綻することを防止することができ、複数の構造部材2の接合状態が破綻することによる建築物等の倒壊を防止することが可能となる。
次に、本発明を適用した接合構造1の第3実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した接合構造1は、図3、図4に示すように、第3実施形態において、2個の接合部材4が用いられる。本発明を適用した接合構造1は、複数の構造部材2の梁22の左端部及び右端部とにプレカット加工を施すことにより、構造部材2の梁22の内側で幅方向Zに貫通させた溝状の嵌合部7が設けられる。嵌合部7は、複数の構造部材2の梁22の内側に形成される嵌合部側面7aに、幅方向Zで全長にわたって延びるようにして、奥行方向Yで相互に対向する一対の溝条部3が、軸方向Xに連続して複数箇所に形成される。
接合部材4は、複数の構造部材2の梁22の左端部と右端部との間で、2個の接合部材4を相互に連結する基板部41と、複数の構造部材2の梁22の左端部及び右端部で幅方向Zにスライドさせて嵌合部7に挿入される挿入板42とを備える。接合部材4は、挿入板42の挿入板側面42aに、幅方向Zで全長にわたって延びるようにして、奥行方向Yで相互に背中合わせとなる一対の突条部5が、軸方向Xに連続して複数箇所に形成される。
接合部材4は、構造部材2の柱21を奥行方向Yに貫通させるためのボルト孔43が挿入板42の挿入板側面42aに形成される。接合部材4は、ボルト11をボルト孔43に挿通させて、構造部材2の柱21の奥行方向Yの端部でボルト11をナット12で締結することによって、挿入板42が嵌合部7に固定される。接合部材4は、図示しない皿バネ座金又は弾性板材を介してボルト11をナット12で締結することで、構造部材2の変形によってボルト11が緩むことを防止することができる。これにより、接合部材4は、複数の構造部材2の梁22の左端部と右端部とを、構造部材2の柱21を跨いで相互に接合するものとなる。
接合部材4は、後述する第5実施形態と同様に、挿入板42の挿入板側面42aにおいて、突条部5の側方で突条部5に近接させてボルト孔43を形成することもできる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の突条部5の側方で突条部5に近接させてボルト孔43が形成されることで、構造部材2の溝条部3の端部から亀裂が生じることを防止することができ、複数の構造部材2の柱21の上端部及び下端部と、複数の構造部材2の梁22の左端部と右端部との接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、略矩形の突条部5が略矩形の溝条部3に嵌め込まれるため、突条部5を断面円形状とした場合に比べて、突条部5から構造部材2に分力として割裂応力が発生することを回避することができる。また、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が割裂しないようにボルト11の軸力で接合部材4を固定することができ、略矩形の溝条部3の端部から構造部材2の内側に割裂が生じることを防止することができる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が変位しようとした場合に、略矩形の突条部5が構造部材2の内側で面接触することになり、構造部材2の内側で局所的に応力集中することを回避するとともに、構造部材2の内側に割裂が生じることを防止して、複数の構造部材2の接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、嵌合部7の嵌合部側面7aに形成される一対の溝条部3に、接合部材4の挿入板側面42aに形成される一対の突条部5が嵌め込まれる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、複数の構造部材2の梁22の左端部と右端部とが構造部材2の柱21に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、突条部5が溝条部3に係止されることになり、各々の接合部材4で一体的に構造部材2の梁22の軸方向Xの変位を防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、複数の構造部材2の梁22の左端部と右端部とが構造部材2の柱21に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、接合部材4の突条部5にせん断力が作用するものとなる。本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の挿入板42を構造部材2の嵌合部7に固定するために補助的にボルト11を用いるものであり、このせん断力をボルト11に負担させることを必要としないで、ボルト11の変形、破断を防止することが可能となる。
これにより、本発明を適用した接合構造1は、ボルト11の数量を増加させることを必要とせず、材料費や施工手間の増大を回避して施工コストの増大を回避することができるとともに、複数のボルト11が順次変形、破断することを防止して、複数の構造部材2の梁22の左端部と右端部との接合状態が破綻することを防止することができ、複数の構造部材2の接合状態が破綻することによる建築物等の倒壊を防止することが可能となる。
次に、本発明を適用した接合構造1の第4実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した接合構造1は、図5に示すように、第4実施形態において、2個の接合部材4が用いられる。本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21の下端部にプレカット加工を施すことにより、複数の構造部材2の柱21の外側に取付部8が設けられる。取付部8は、複数の構造部材2の柱21の外側に形成される取付部側面8aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで一対となる溝条部3が形成される。
接合部材4は、構造部材2の柱21の側面に設けられる連結部45と、取付部8に取り付けられる固定板46とを備える。2個の接合部材4は、各々の固定板46の固定板側面46aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで一対となる突条部5が形成される。
接合部材4は、構造部材2の柱21を幅方向Zに貫通させるためのボルト孔43が固定板46の固定板側面46aに形成される。接合部材4は、ボルト11をボルト孔43に挿通させて、構造部材2の柱21の幅方向Zの端部でボルト11をナット12で締結することによって、固定板46が取付部8に固定される。接合部材4は、構造部材2の側面に粘着材等で仮止めすることで、ボルト11に対するナット12の締結を容易にすることができ、また、図示しない皿バネ座金又は弾性板材を介してボルト11をナット12で締結することで、構造部材2の変形によってボルト11が緩むことを防止することができる。接合部材4は、アンカーボルト孔44が連結部45に形成され、アンカーボルト孔44に挿通されたアンカーボルト13を構造部材2の土台24を貫通させて構造部材2の基礎23に埋設させるものである。これにより、接合部材4は、構造部材2の柱21と、構造部材2の土台24及び基礎23とを相互に接合するものとなる。
接合部材4は、後述する第5実施形態と同様に、固定板46の固定板側面46aにおいて、突条部5の上方で突条部5に近接させてボルト孔43を形成することもできる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の突条部5の上方で突条部5に近接させてボルト孔43が形成されることで、構造部材2の溝条部3の端部から亀裂が生じることを防止することができ、構造部材2の柱21と構造部材2の基礎23との接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、略矩形の突条部5が略矩形の溝条部3に嵌め込まれるため、突条部5を断面円形状とした場合に比べて、突条部5から構造部材2に分力として割裂応力が発生することを回避することができる。また、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が割裂しないようにボルト11の軸力で接合部材4を固定することができ、略矩形の溝条部3の端部から構造部材2の内側に割裂が生じることを防止することができる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が変位しようとした場合に、略矩形の突条部5が構造部材2の内側で面接触することになり、構造部材2の内側で局所的に応力集中することを回避するとともに、構造部材2の内側に割裂が生じることを防止して、複数の構造部材2の接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、取付部8の取付部側面8aに形成される一対の溝条部3に、2個の接合部材4の固定板側面46aに形成される一対の突条部5が嵌め込まれる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21が構造部材2の土台24及び基礎23に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、突条部5が溝条部3に係止されることになり、2個の接合部材4で一体的に構造部材2の柱21の軸方向Xの変位を防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21が構造部材2の土台24及び基礎23に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、接合部材4の突条部5にせん断力が作用するものとなる。本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の固定板46を構造部材2の取付部8に固定するために補助的にボルト11を用いるものであり、このせん断力をボルト11に負担させることを必要としないで、ボルト11の変形、破断を防止することが可能となる。
これにより、本発明を適用した接合構造1は、ボルト11の数量を増加させることを必要とせず、材料費や施工手間の増大を回避して施工コストの増大を回避することができるとともに、複数のボルト11が順次変形、破断することを防止して、構造部材2の柱21と構造部材2の基礎23との接合状態が破綻することを防止することができ、複数の構造部材2の接合状態が破綻することによる建築物等の倒壊を防止することが可能となる。
次に、本発明を適用した接合構造1の第5実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した接合構造1は、図6に示すように、第5実施形態において、2個の接合部材4が用いられる。本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21の下端部にプレカット加工を施すことにより、複数の構造部材2の柱21の外側に取付部8が設けられる。取付部8は、複数の構造部材2の柱21の外側に形成される取付部側面8aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで一対となる溝条部3が、幅方向Zの深さを段階的に異ならせて軸方向Xに連続して複数箇所に形成される。
接合部材4は、図7に示すように、構造部材2の柱21の側面に設けられる連結部45と、取付部8に取り付けられる固定板46とを備える。2個の接合部材4は、各々の固定板46の固定板側面46aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで一対となる突条部5が、幅方向Zの長さを段階的に異ならせて軸方向Xに連続して複数箇所に形成される。
接合部材4は、構造部材2の柱21を幅方向Zに貫通させるためのボルト孔43が固定板46の固定板側面46aに形成される。接合部材4は、ボルト11をボルト孔43に挿通させて、構造部材2の柱21の幅方向Zの端部でボルト11をナット12で締結することによって、固定板46が取付部8に固定される。接合部材4は、構造部材2の側面に粘着材等で仮止めすることで、ボルト11に対するナット12の締結を容易にすることができ、また、図示しない皿バネ座金又は弾性板材を介してボルト11をナット12で締結することで、構造部材2の変形によってボルト11が緩むことを防止することができる。接合部材4は、アンカーボルト孔44が連結部45に形成され、アンカーボルト孔44に挿通されたアンカーボルト13を構造部材2の土台24を貫通させて構造部材2の基礎23に埋設させるものである。これにより、接合部材4は、構造部材2の柱21と、構造部材2の土台24及び基礎23とを相互に接合するものとなる。
ここで、接合部材4は、構造部材2の柱21が軸方向Xで変位しようとした場合に、接合部材4の突条部5から構造部材2の溝条部3に軸方向Xの外力が作用するため、木材等の構造部材2の柱21の内側で、溝条部3の端部から亀裂の生じるおそれがある。これに対して、本発明を適用した接合構造1は、ボルト孔43に挿通されたボルト11の軸力によって、木材等の構造部材2の繊維が幅方向Zに密着することになる。
接合部材4は、固定板46の固定板側面46aにおいて、突条部5の下方で突条部5に近接させてボルト孔43を形成することができる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の突条部5の下方で突条部5に近接させてボルト孔43が形成されることで、構造部材2の溝条部3の端部から亀裂が生じることを防止することができ、構造部材2の柱21と構造部材2の基礎23との接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、略矩形の突条部5が略矩形の溝条部3に嵌め込まれるため、突条部5を断面円形状とした場合に比べて、突条部5から構造部材2に分力として割裂応力が発生することを回避することができる。また、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が割裂しないようにボルト11の軸力で接合部材4を固定することができ、略矩形の溝条部3の端部から構造部材2の内側に割裂が生じることを防止することができる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が変位しようとした場合に、略矩形の突条部5が構造部材2の内側で面接触することになり、構造部材2の内側で局所的に応力集中することを回避するとともに、構造部材2の内側に割裂が生じることを防止して、複数の構造部材2の接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、取付部8の取付部側面8aに形成される一対の溝条部3に、2個の接合部材4の固定板側面46aに形成される一対の突条部5が嵌め込まれる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21が構造部材2の土台24及び基礎23に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、突条部5が溝条部3に係止されることになり、2個の接合部材4で一体的に構造部材2の柱21の軸方向Xの変位を防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21が構造部材2の土台24及び基礎23に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、接合部材4の突条部5にせん断力が作用するものとなる。本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の固定板46を構造部材2の取付部8に固定するために補助的にボルト11を用いるものであり、このせん断力をボルト11に負担させることを必要としないで、ボルト11の変形、破断を防止することが可能となる。
これにより、本発明を適用した接合構造1は、ボルト11の数量を増加させることを必要とせず、材料費や施工手間の増大を回避して施工コストの増大を回避することができるとともに、複数のボルト11が順次変形、破断することを防止して、構造部材2の柱21と構造部材2の基礎23との接合状態が破綻することを防止することができ、複数の構造部材2の接合状態が破綻することによる建築物等の倒壊を防止することが可能となる。
次に、本発明を適用した接合構造1の第6実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した接合構造1は、図8に示すように、第6実施形態において、2個の接合部材4が用いられる。本発明を適用した接合構造1は、H形鋼等の構造部材2の梁22の端部の外側に取付部8が設けられる。取付部8は、構造部材2の梁22の外側に形成される取付部側面8aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで一対となる溝条部3が形成される。
接合部材4は、H形鋼等の構造部材2の柱21の側面に固定される基板部41と、取付部8に取り付けられる固定板46とを備える。2個の接合部材4は、各々の固定板46の固定板側面46aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで一対となる突条部5が形成される。
接合部材4は、H形鋼等の構造部材2の梁22のフランジ部を貫通させるためのボルト孔43が固定板46の固定板側面46aに形成される。接合部材4は、ボルト11をボルト孔43に挿通させてナット12で締結することによって、固定板46が取付部8に固定される。接合部材4は、構造部材2の側面に粘着材等で仮止めすることで、ボルト11に対するナット12の締結を容易にすることができ、また、図示しない皿バネ座金又は弾性板材を介してボルト11をナット12で締結することで、構造部材2の変形によってボルト11が緩むことを防止することができる。接合部材4は、ボルト孔43が基板部41に形成され、ボルト11をボルト孔43に挿通させてナット12で締結することによって、基板部41が構造部材2の柱21に固定される。これにより、接合部材4は、H形鋼等の構造部材2の柱21と、H形鋼等の構造部材2の梁22とを相互に接合するものとなる。
接合部材4は、第5実施形態と同様に、固定板46の固定板側面46aにおいて、突条部5の側方で突条部5に近接させてボルト孔43を形成することもできる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の突条部5の側方で突条部5に近接させてボルト孔43が形成されることで、構造部材2の溝条部3の端部から亀裂が生じることを防止することができ、構造部材2の梁22と構造部材2の柱21との接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、略矩形の突条部5が略矩形の溝条部3に嵌め込まれるため、突条部5を断面円形状とした場合に比べて、突条部5から構造部材2に分力として割裂応力が発生することを回避することができる。また、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が割裂しないようにボルト11の軸力で接合部材4を固定することができ、略矩形の溝条部3の端部から構造部材2の内側に割裂が生じることを防止することができる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が変位しようとした場合に、略矩形の突条部5が構造部材2の内側で面接触することになり、構造部材2の内側で局所的に応力集中することを回避するとともに、構造部材2の内側に割裂が生じることを防止して、複数の構造部材2の接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、取付部8の取付部側面8aに形成される一対の溝条部3に、2個の接合部材4の固定板側面46aに形成される一対の突条部5が嵌め込まれる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の梁22が構造部材2の柱21に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、突条部5が溝条部3に係止されることになり、2個の接合部材4で一体的に構造部材2の梁22の軸方向Xの変位を防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の梁22が構造部材2の柱21に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、接合部材4の突条部5にせん断力が作用するものとなる。本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の固定板46を構造部材2の取付部8に固定するために補助的にボルト11を用いるものであり、このせん断力をボルト11に負担させることを必要としないで、ボルト11の変形、破断を防止することが可能となる。
これにより、本発明を適用した接合構造1は、ボルト11の数量を増加させることを必要とせず、材料費や施工手間の増大を回避して施工コストの増大を回避することができるとともに、複数のボルト11が順次変形、破断することを防止して、構造部材2の柱21と構造部材2の梁22との接合状態が破綻することを防止することができ、複数の構造部材2の接合状態が破綻することによる建築物等の倒壊を防止することが可能となる。
次に、本発明を適用した接合構造1の第7実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した接合構造1は、図9に示すように、第7実施形態において、4個の接合部材4が用いられ、複数の構造部材2の梁22の左端部及び右端部にプレカット加工を施すことにより、複数の構造部材2の梁22の外側に取付部8が設けられる。本発明を適用した接合構造1は、図10に示すように、2個の接合部材4が用いられ、構造部材2の梁22の左端部にプレカット加工を施すことにより、複数の構造部材2の梁22の外側に取付部8が設けられてもよい。取付部8は、図9、図10に示すように、構造部材2の梁22の外側に形成される取付部側面8aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで一対となる溝条部3が、幅方向Zの深さを段階的に異ならせて軸方向Xに連続して複数箇所に形成される。
接合部材4は、構造部材2の柱21の側面に固定される基板部41と、取付部8に取り付けられる固定板46と、基板部41と固定板46とを連結する補強板47とを備える。2個の接合部材4は、各々の固定板46の固定板側面46aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで一対となる突条部5が、幅方向Zの長さを段階的に異ならせて軸方向Xに連続して複数箇所に形成される。
接合部材4は、構造部材2の梁22を幅方向Zに貫通させるためのボルト孔43が固定板46の固定板側面46aに形成される。接合部材4は、ボルト11をボルト孔43に挿通させて、構造部材2の梁22の幅方向Zの端部でボルト11をナット12で締結することによって、固定板46が取付部8に固定される。接合部材4は、ボルト孔43が基板部41に形成され、ボルト11をボルト孔43に挿通させてナット12で締結することによって、基板部41が構造部材2の柱21に固定される。接合部材4は、構造部材2の側面に粘着材等で仮止めすることで、ボルト11に対するナット12の締結を容易にすることができ、また、図示しない皿バネ座金又は弾性板材を介してボルト11をナット12で締結することで、構造部材2の変形によってボルト11が緩むことを防止することができる。これにより、接合部材4は、構造部材2の柱21と構造部材2の梁22の端部とを相互に接合するものとなる。
接合部材4は、第5実施形態と同様に、固定板46の固定板側面46aにおいて、突条部5の側方で突条部5に近接させてボルト孔43を形成することもできる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の突条部5の側方で突条部5に近接させてボルト孔43が形成されることで、構造部材2の溝条部3の端部から亀裂が生じることを防止することができ、構造部材2の梁22と構造部材2の柱21との接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、略矩形の突条部5が略矩形の溝条部3に嵌め込まれるため、突条部5を断面円形状とした場合に比べて、突条部5から構造部材2に分力として割裂応力が発生することを回避することができる。また、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が割裂しないようにボルト11の軸力で接合部材4を固定することができ、略矩形の溝条部3の端部から構造部材2の内側に割裂が生じることを防止することができる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が変位しようとした場合に、略矩形の突条部5が構造部材2の内側で面接触することになり、構造部材2の内側で局所的に応力集中することを回避するとともに、構造部材2の内側に割裂が生じることを防止して、複数の構造部材2の接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、取付部8の取付部側面8aに形成される一対の溝条部3に、2個の接合部材4の固定板側面46aに形成される一対の突条部5が嵌め込まれる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の梁22が構造部材2の柱21に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、突条部5が溝条部3に係止されることになり、各々の接合部材4で一体的に構造部材2の梁22の軸方向Xの変位を防止することが可能となる。本発明を適用した接合構造1は、基板部41と固定板46とを連結する補強板47を備えるため、構造部材2の梁22及び構造部材2の柱21における軸方向Xの変位だけでなく、構造部材2の梁22及び構造部材2の柱21におけるねじれ方向の変位を防止することも可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の梁22が構造部材2の柱21に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、接合部材4の突条部5にせん断力が作用するものとなる。本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の固定板46を構造部材2の取付部8に固定するために補助的にボルト11を用いるものであり、このせん断力をボルト11に負担させることを必要としないで、ボルト11の変形、破断を防止することが可能となる。
これにより、本発明を適用した接合構造1は、ボルト11の数量を増加させることを必要とせず、材料費や施工手間の増大を回避して施工コストの増大を回避することができるとともに、複数のボルト11が順次変形、破断することを防止して、構造部材2の柱21と構造部材2の梁22との接合状態が破綻することを防止することができ、複数の構造部材2の接合状態が破綻することによる建築物等の倒壊を防止することが可能となる。
次に、本発明を適用した接合構造1の第8実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した接合構造1は、図11に示すように、第8実施形態において、1個の接合部材4が用いられる。本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21の端部及び構造部材2の梁22の端部にプレカット加工を施すことにより、構造部材2の柱21の外側及び構造部材2の梁22の外側に取付部8が設けられる。取付部8は、構造部材2の柱21の外側及び構造部材2の梁22の外側に形成される取付部側面8aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで一対となる溝条部3が形成される。
接合部材4は、取付部8に取り付けられる一対の固定板46と、一対の固定板46を連結する基板部41とを備える。接合部材4は、固定板46の固定板側面46aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、一対となる突条部5が形成される。
接合部材4は、構造部材2の柱21及び構造部材2の梁22を幅方向Zに貫通させるためのボルト孔43が固定板46の固定板側面46aに形成される。接合部材4は、ボルト11をボルト孔43に挿通させて、構造部材2の柱21及び構造部材2の梁22の幅方向Zの端部でボルト11をナット12で締結することによって、固定板46が取付部8に固定される。接合部材4は、構造部材2の側面に粘着材等で仮止めすることで、ボルト11に対するナット12の締結を容易にすることができ、また、図示しない皿バネ座金又は弾性板材を介してボルト11をナット12で締結することで、構造部材2の変形によってボルト11が緩むことを防止することができる。これにより、接合部材4は、構造部材2の柱21の端部と構造部材2の梁22の端部とを相互に接合するものとなる。
接合部材4は、第5実施形態と同様に、固定板46の固定板側面46aにおいて、突条部5の側方で突条部5に近接させてボルト孔43を形成することもできる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の突条部5の側方で突条部5に近接させてボルト孔43が形成されることで、構造部材2の溝条部3の端部から亀裂が生じることを防止することができ、構造部材2の梁22と構造部材2の柱21との接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、略矩形の突条部5が略矩形の溝条部3に嵌め込まれるため、突条部5を断面円形状とした場合に比べて、突条部5から構造部材2に分力として割裂応力が発生することを回避することができる。また、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が割裂しないようにボルト11の軸力で接合部材4を固定することができ、略矩形の溝条部3の端部から構造部材2の内側に割裂が生じることを防止することができる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が変位しようとした場合に、略矩形の突条部5が構造部材2の内側で面接触することになり、構造部材2の内側で局所的に応力集中することを回避するとともに、構造部材2の内側に割裂が生じることを防止して、複数の構造部材2の接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、取付部8の取付部側面8aに形成される一対の溝条部3に、1個の接合部材4の固定板側面46aに形成される一対の突条部5が嵌め込まれる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21と構造部材2の梁22とが相互に軸方向Xに離間しようとした場合に、突条部5が溝条部3に係止されることになり、1個の接合部材4で一体的に構造部材2の柱21及び構造部材2の梁22の軸方向Xの変位を防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21と構造部材2の梁22とが相互に軸方向Xに離間しようとした場合に、接合部材4の突条部5にせん断力が作用するものとなる。本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の固定板46を構造部材2の取付部8に固定するために補助的にボルト11を用いるものであり、このせん断力をボルト11に負担させることを必要としないで、ボルト11の変形、破断を防止することが可能となる。
これにより、本発明を適用した接合構造1は、ボルト11の数量を増加させることを必要とせず、材料費や施工手間の増大を回避して施工コストの増大を回避することができるとともに、複数のボルト11が順次変形、破断することを防止して、構造部材2の柱21と構造部材2の梁22との接合状態が破綻することを防止することができ、複数の構造部材2の接合状態が破綻することによる建築物等の倒壊を防止することが可能となる。
次に、本発明を適用した接合構造1の第9実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した接合構造1は、図12に示すように、第9実施形態において、4個の接合部材4が用いられる。本発明を適用した接合構造1は、複数の構造部材2の柱21の上端部及び下端部にプレカット加工を施すことにより、複数の構造部材2の柱21の外側に取付部8が設けられる。取付部8は、構造部材2の柱21の外側に形成される取付部側面8aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで一対となる溝条部3、及び、幅方向Zで全長にわたって延びるようにして、奥行方向Yで一対となる溝条部3が、軸方向Xに連続して複数箇所に形成される。溝条部3は、幅方向Z及び奥行方向Yの深さを段階的に異ならせて複数箇所に形成されてもよい。
各々の接合部材4は、構造部材2の柱21の奥行方向Y及び幅方向Zで相互に対向するようにして取付部8に取り付けられる固定板46を備える。各々の接合部材4は、固定板46の固定板側面46aに、奥行方向Yで全長にわたって延びるようにして、幅方向Zで一対となる突条部5、及び、幅方向Zで全長にわたって延びるようにして、奥行方向Yで一対となる突条部5が、軸方向Xに連続して複数箇所に形成される。突条部5は、幅方向Z及び奥行方向Yの長さを段階的に異ならせて複数箇所に形成されてもよい。
接合部材4は、構造部材2の柱21を奥行方向Y及び幅方向Zに貫通させるためのボルト孔43が固定板46の固定板側面46aに形成される。接合部材4は、ボルト11をボルト孔43に挿通させて、構造部材2の柱21の奥行方向Y及び幅方向Zの端部でボルト11をナット12で締結することによって、固定板46が取付部8に固定される。接合部材4は、構造部材2の側面に粘着材等で仮止めすることで、ボルト11に対するナット12の締結を容易にすることができ、また、図示しない皿バネ座金又は弾性板材を介してボルト11をナット12で締結することで、構造部材2の変形によってボルト11が緩むことを防止することができる。これにより、接合部材4は、複数の構造部材2の柱21の上端部と下端部とを相互に接合するものとなる。
接合部材4は、第5実施形態と同様に、固定板46の固定板側面46aにおいて、突条部5の下方で突条部5に近接させてボルト孔43を形成することもできる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の突条部5の下方で突条部5に近接させてボルト孔43が形成されることで、構造部材2の溝条部3の端部から亀裂が生じることを防止することができ、複数の構造部材2の柱21の接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、略矩形の突条部5が略矩形の溝条部3に嵌め込まれるため、突条部5を断面円形状とした場合に比べて、突条部5から構造部材2に分力として割裂応力が発生することを回避することができる。また、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が割裂しないようにボルト11の軸力で接合部材4を固定することができ、略矩形の溝条部3の端部から構造部材2の内側に割裂が生じることを防止することができる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が変位しようとした場合に、略矩形の突条部5が構造部材2の内側で面接触することになり、構造部材2の内側で局所的に応力集中することを回避するとともに、構造部材2の内側に割裂が生じることを防止して、複数の構造部材2の接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、取付部8の取付部側面8aに形成される一対の溝条部3に、各々の接合部材4の固定板側面46aに連続して形成される突条部5が嵌め込まれる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、複数の構造部材2の柱21が相互に軸方向Xに離間しようとした場合に、突条部5が溝条部3に係止されることになり、各々の接合部材4で一体的に構造部材2の梁22の軸方向Xの変位を防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、複数の構造部材2の柱21が相互に軸方向Xに離間しようとした場合に、接合部材4の突条部5にせん断力が作用するものとなる。本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の固定板46を構造部材2の取付部8に固定するために補助的にボルト11を用いるものであり、このせん断力をボルト11に負担させることを必要としないで、ボルト11の変形、破断を防止することが可能となる。
これにより、本発明を適用した接合構造1は、ボルト11の数量を増加させることを必要とせず、材料費や施工手間の増大を回避して施工コストの増大を回避することができるとともに、複数のボルト11が順次変形、破断することを防止して、複数の構造部材2の柱21の接合状態が破綻することを防止することができ、複数の構造部材2の接合状態が破綻することによる建築物等の倒壊を防止することが可能となる。
次に、本発明を適用した接合構造1の第10実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した接合構造1は、図13、図14に示すように、第10実施形態において、2個の接合部材4が用いられる。本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の柱21の側面と、構造部材2の梁22の端部にプレカット加工を施すことにより、構造部材2の柱21の外側及び構造部材2の梁22の外側に取付部8が設けられる。取付部8は、構造部材2の梁22の外側に形成される取付部側面8aに、幅方向Zで全長にわたって延びるようにして、奥行方向Yで一対となる溝条部3が、軸方向Xに連続して複数箇所に形成される。溝条部3は、奥行方向Yの深さを段階的に異ならせて複数箇所に形成されてもよい。
各々の接合部材4は、構造部材2の柱21の側面に固定される基板部41と、構造部材2の梁22の奥行方向Yで相互に対向するようにして取付部8に取り付けられる固定板46とを備える。各々の接合部材4は、固定板46の固定板側面46aに、幅方向Zで全長にわたって延びるようにして、奥行方向Yで一対となる突条部5が、軸方向Xに連続して複数箇所に形成される。突条部5は、幅方向Zの長さを段階的に異ならせて複数箇所に形成されてもよい。
接合部材4は、構造部材2の梁22を奥行方向Yに貫通させるためのボルト孔43が固定板46の固定板側面46aに形成される。接合部材4は、ボルト11をボルト孔43に挿通させて、構造部材2の梁22の奥行方向Yの端部でボルト11をナット12で締結することによって、固定板46が取付部8に固定される。接合部材4は、ボルト孔43が基板部41に形成され、ボルト11をボルト孔43に挿通させてナット12で締結することによって、基板部41が構造部材2の柱21に固定される。接合部材4は、構造部材2の側面に粘着材等で仮止めすることで、ボルト11に対するナット12の締結を容易にすることができ、また、図示しない皿バネ座金又は弾性板材を介してボルト11をナット12で締結することで、構造部材2の変形によってボルト11が緩むことを防止することができる。これにより、接合部材4は、構造部材2の柱21の側面と構造部材2の梁22の端部とを相互に接合するものとなる。
接合部材4は、第5実施形態と同様に、固定板46の固定板側面46aにおいて、突条部5の側方で突条部5に近接させてボルト孔43を形成することもできる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の突条部5の側方で突条部5に近接させてボルト孔43が形成されることで、構造部材2の溝条部3の端部から亀裂が生じることを防止することができ、構造部材2の柱21と構造部材2の梁22との接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、略矩形の突条部5が略矩形の溝条部3に嵌め込まれるため、突条部5を断面円形状とした場合に比べて、突条部5から構造部材2に分力として割裂応力が発生することを回避することができる。また、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が割裂しないようにボルト11の軸力で接合部材4を固定することができ、略矩形の溝条部3の端部から構造部材2の内側に割裂が生じることを防止することができる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2が変位しようとした場合に、略矩形の突条部5が構造部材2の内側で面接触することになり、構造部材2の内側で局所的に応力集中することを回避するとともに、構造部材2の内側に割裂が生じることを防止して、複数の構造部材2の接合状態が破綻することを防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、取付部8の取付部側面8aに形成される一対の溝条部3に、各々の接合部材4の固定板側面46aに連続して形成される突条部5が嵌め込まれる。これにより、本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の梁22が構造部材2の柱21に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、突条部5が溝条部3に係止されることになり、各々の接合部材4で一体的に構造部材2の梁22の軸方向Xの変位を防止することが可能となる。
本発明を適用した接合構造1は、構造部材2の梁22が構造部材2の柱21に対して軸方向Xに離間しようとした場合に、接合部材4の突条部5にせん断力が作用するものとなる。本発明を適用した接合構造1は、接合部材4の固定板46を構造部材2の取付部8に固定するために補助的にボルト11を用いるものであり、このせん断力をボルト11に負担させることを必要としないで、ボルト11の変形、破断を防止することが可能となる。
これにより、本発明を適用した接合構造1は、ボルト11の数量を増加させることを必要とせず、材料費や施工手間の増大を回避して施工コストの増大を回避することができるとともに、複数のボルト11が順次変形、破断することを防止して、構造部材2の柱21と構造部材2の梁22との接合状態が破綻することを防止することができ、複数の構造部材2の接合状態が破綻することによる建築物等の倒壊を防止することが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。