JPWO2019077916A1 - 小梁接合方法、小梁接合構造、及び、支持部材 - Google Patents

小梁接合方法、小梁接合構造、及び、支持部材 Download PDF

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Abstract

第一実施形態に係る小梁接合方法は、水平方向に延びるH形鋼によって構成された小梁の下側フランジと構造部材との間に水平方向の隙間を生じさせた状態で前記隙間よりも上側において前記小梁を前記構造部材に接合する接合工程と、前記構造部材と水平方向に対向する斜め上向きの第一傾斜面を有する第一楔部材を前記隙間に挿入して前記下側フランジに固定する固定工程と、第二楔部材における斜め下向きの第二傾斜面を前記第一傾斜面に摺接させながら前記第二楔部材を下側に移動させて、前記第二楔部材を前記構造部材と前記第一楔部材との間に圧入する圧入工程と、を備える。

Description

本開示は、小梁接合方法、小梁接合構造、及び、支持部材に関する。
ビル等の建物には、建物の骨格を形成する建物構造が適用されている。一般に、建物構造は、大梁、柱、又は、壁等の構造部材と、小梁とを備えている。小梁は、H形鋼によって構成されており、構造部材に接合されている。ここで、小梁とは、長さ方向の2つの端部のうち少なくとも一方を構造部材に接合されており、建物の自重や積載荷重による鉛直方向の力を支えて構造部材に伝えるための梁部材のことをいう。一方、大梁は、地震や風によって建物に作用する水平力に抵抗する梁部材のことをいう。また、小梁に接合され、小梁同様に鉛直方向の力を支える部材を一般に孫梁というが、本発明における小梁は孫梁を含み、本発明の適用対象が孫梁の場合は、構造部材に小梁を含むこととする。
小梁と構造部材との接合部には、加工が少なく、現場の施工も簡易であるウェブボルト接合が用いられる。ウェブボルト接合とは、小梁のウェブのみをボルトで構造部材に接合し、小梁の上側フランジ及び下側フランジを構造部材と接合しない接合のことである。ウェブボルト接合は、小梁のせん断力のみを構造部材に伝え、小梁と構造部材との接合部が曲げモーメント抵抗を持たないピン接合とされる。
ここで、図23には、小梁が構造部材にピン接合された小梁接合構造が模式的に示されており、図24には、小梁が構造部材に半剛接合された小梁接合構造が模式的に示されており、図25には、小梁が構造部材に剛接合された小梁接合構造が模式的に示されている。図23〜図25において、符号210は、小梁を示しており、符号220は、構造部材を示しており、符号230は、スラブを示している。また、記号δは、小梁のたわみ量を示しており、記号Mは、小梁の曲げモーメントの大きさを示している。
図23に示されるピン接合で支持された小梁は、図24、図25に示される曲げモーメント抵抗を持つ半剛接合や剛接合で支持された小梁に比べ、小梁の中央部のたわみや曲げモーメントが大きくなる。したがって、たわみの抑制のために小梁の断面を大きくして小梁の剛性を増したり、曲げモーメントに耐えるために断面の大きい小梁や高強度の小梁が必要になったりする。このため、小梁の重量や重量あたりの単価が増加し、結果として、建物の施工コストを押し上げる要因になる。
一方、例えば、大きな空間を有する物流倉庫や、間仕切りのないオフィスを有するビル等では、柱の本数を減らして空間を広く利用するために、10mを超える長いスパンの小梁が用いられることがある。このような長いスパンの小梁が用いられる場合に、小梁の中央部のたわみを抑制するためには、小梁と構造部材との接合部に、小梁のウェブを溶接やボルトで構造部材に接合すると共に小梁の上側フランジ及び下側フランジを溶接やボルトで構造部材に接合する剛接合が用いられる。
このような剛接合では、小梁の上側フランジ及び下側フランジを構造部材に接合する分、使用するボルトの本数が増えたり、溶接する際の溶接作業員の足場の設置、溶接作業、及び、溶接部の超音波探傷等の追加の工程が必要になったりする。このため、建物の施工コストの増大や、工期が長くなる要因になる。
そこで、上記課題を解決するために、非特許文献1に開示の小梁接合構造では、小梁の下側フランジと構造部材(柱)との間に、コンタクトプレートが挿入されている。また、小梁の上側フランジと、構造部材の周囲に設けられたスラブとがシアコネクタで接合されている。そして、小梁の圧縮力がコンタクトプレートを介して構造部材に伝達されると共に、小梁の上側フランジからの引張力がスラブに配した鉄筋を介して構造部材に伝達されるようにすることで、小梁と構造部材との接合部に曲げモーメント抵抗が付与されるようになっている。これは、小梁が鉛直方向の力を支える部材であり、小梁と柱や他の梁との接合部が回転抵抗を持つ場合には、接合部近傍は小梁の上側フランジに引張力、下フランジに圧縮力が作用している条件のもとで成立している。
この小梁接合構造によれば、小梁のウェブのみをボルトで構造部材に接合するピン接合に比べて、小梁の中央部のたわみと曲げモーメントを抑制できる。しかも、小梁のウェブを溶接やボルトで構造部材に接合すると共に小梁の上側フランジ及び下側フランジを溶接やボルトで構造部材に接合する剛接合に比べて、小梁と構造部材との接合部の補強が簡易で済むので、工程やコストの増大を最小限に抑えることができる。
なお、特許文献1には、梁と鋼管柱との接合方法に関する技術が開示されている。
「Eurocode 4:Design of composite steel and concrete structures -Part 1-1: General rules and rules for buildings」EUROPEAN COMMITTEE FOR STANDARDIZATION、2004年12月、p.90 特開平7−11706号公報
小梁が構造部材に接合された小梁接合構造では、小梁と構造部材との建付けのばらつきにより、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらつくことが考えられる。そのため、非特許文献1に記載された小梁接合構造では、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間よりもコンタクトプレートの幅が狭い場合に、コンタクトプレートを隙間に圧入できず、小梁の下側フランジからの圧縮力を構造部材に伝達できないという問題がある。
ここで、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、小梁の下側フランジからの圧縮力を構造部材に伝達できるようにするためには、隙間の幅のばらつきを考慮した異なる幅のコンタクトプレートを複数用意することが考えられる。しかしながら、この場合には、材料のロスや施工手間によりコストが増大するという問題がある。
本開示は、上記課題に鑑みて成されたものであり、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、コストの増大を抑えつつ、小梁の下側フランジからの圧縮力を構造部材に伝達できるようにすることを目的とする。
本開示の第一態様に係る小梁接合方法は、水平方向に延びるH形鋼によって構成された小梁の下側フランジと構造部材との間に水平方向の隙間を生じさせた状態で前記隙間よりも上側において前記小梁を前記構造部材に接合する接合工程と、前記構造部材と水平方向に対向する斜め上向きの第一傾斜面を有する第一楔部材を前記隙間に挿入して前記下側フランジに固定する固定工程と、第二楔部材における斜め下向きの第二傾斜面を前記第一傾斜面に摺接させながら前記第二楔部材を下側に移動させて、前記第二楔部材を前記構造部材と前記第一楔部材との間に圧入する圧入工程と、を備える。
本開示の第一態様に係る小梁接合方法によれば、第二楔部材の第二傾斜面が第一楔部材の第一傾斜面に摺接しながら第二楔部材が下側に移動すると、第二傾斜面と第一傾斜面との接触領域が下側に拡がる。これにより、第二楔部材が徐々に構造部材側に移動し、第一楔部材及び第二楔部材の幅が拡大する。したがって、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、この隙間の幅に第一楔部材及び第二楔部材の幅を合わせることができるので、隙間の幅に合わせた幅で第一楔部材及び第二楔部材を小梁の下側フランジと構造部材との間に配置できる。これにより、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、小梁の下側フランジからの圧縮力を第一楔部材及び第二楔部材を介して構造部材に伝達できる。また、隙間の幅のばらつきを考慮した異なる幅の第一楔部材及び第二楔部材を複数用意する必要がないので、コストの増大を抑えることができる。
本開示の第二態様に係る小梁接合方法は、水平方向に延びるH形鋼によって構成された小梁の下側フランジと構造部材との間に水平方向の隙間を生じさせた状態で前記隙間よりも上側において前記小梁を前記構造部材に接合する接合工程と、前記下側フランジと対向する斜め上向きの第一傾斜面を有する第一楔部材を前記隙間に挿入して前記構造部材に固定する固定工程と、第二楔部材における斜め下向きの第二傾斜面を前記第一傾斜面に摺接させながら前記第二楔部材を下側に移動させて、前記第二楔部材を前記下側フランジと前記第一楔部材との間に圧入する圧入工程と、を備える。
本開示の第二態様に係る小梁接合方法によれば、第二楔部材の第二傾斜面が第一楔部材の第一傾斜面に摺接しながら第二楔部材が下側に移動すると、第二傾斜面と第一傾斜面との接触領域が下側に拡がる。これにより、第二楔部材が徐々に小梁側に移動し、第一楔部材及び第二楔部材の幅が拡大する。したがって、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、この隙間の幅に第一楔部材及び第二楔部材の幅を合わせることができるので、隙間の幅に合わせた幅で第一楔部材及び第二楔部材を小梁の下側フランジと構造部材との間に配置できる。これにより、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、小梁の下側フランジからの圧縮力を第一楔部材及び第二楔部材を介して構造部材に伝達できる。また、隙間の幅のばらつきを考慮した異なる幅の第一楔部材及び第二楔部材を複数用意する必要がないので、コストの増大を抑えることができる。
本開示の第三態様に係る小梁接合構造は、水平方向に延びるH形鋼によって構成された小梁の下側フランジと構造部材との間に水平方向の隙間を生じさせた状態で前記隙間よりも上側において前記小梁を前記構造部材に接合する接合部と、前記隙間に挿入されて前記下側フランジに固定されると共に、前記構造部材と水平方向に対向する斜め上向きの第一傾斜面を有する第一楔部材と、前記第一傾斜面と接触する斜め下向きの第二傾斜面を有し、前記構造部材と前記第一楔部材との間に圧入された第二楔部材と、を備える。
本開示の第三態様に係る小梁接合構造によれば、第二楔部材の第二傾斜面が第一楔部材の第一傾斜面に摺接しながら第二楔部材が下側に移動すると、第二傾斜面と第一傾斜面との接触領域が下側に拡がる。これにより、第二楔部材が徐々に構造部材側に移動し、第一楔部材及び第二楔部材の幅が拡大する。したがって、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、この隙間の幅に第一楔部材及び第二楔部材の幅を合わせることができるので、隙間の幅に合わせた幅で第一楔部材及び第二楔部材を小梁の下側フランジと構造部材との間に配置できる。これにより、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、小梁の下側フランジからの圧縮力を第一楔部材及び第二楔部材を介して構造部材に伝達できる。また、隙間の幅のばらつきを考慮した異なる幅の第一楔部材及び第二楔部材を複数用意する必要がないので、コストの増大を抑えることができる。
本開示の第四態様に係る小梁接合構造は、水平方向に延びるH形鋼によって構成された小梁の下側フランジと構造部材との間に水平方向の隙間を生じさせた状態で前記隙間よりも上側において前記小梁を前記構造部材に接合する接合部と、前記隙間に挿入されて前記構造部材に固定されると共に、前記下側フランジと対向する斜め上向きの第一傾斜面を有する第一楔部材と、前記第一傾斜面と接触する斜め下向きの第二傾斜面を有し、前記下側フランジと前記第一楔部材との間に圧入された第二楔部材と、を備える。
本開示の第四態様に係る小梁接合構造によれば、第二楔部材の第二傾斜面が第一楔部材の第一傾斜面に摺接しながら第二楔部材が下側に移動すると、第二傾斜面と第一傾斜面との接触領域が下側に拡がる。これにより、第二楔部材が徐々に小梁側に移動し、第一楔部材及び第二楔部材の幅が拡大する。したがって、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、この隙間の幅に第一楔部材及び第二楔部材の幅を合わせることができるので、隙間の幅に合わせた幅で第一楔部材及び第二楔部材を小梁の下側フランジと構造部材との間に配置できる。これにより、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、小梁の下側フランジからの圧縮力を第一楔部材及び第二楔部材を介して構造部材に伝達できる。また、隙間の幅のばらつきを考慮した異なる幅の第一楔部材及び第二楔部材を複数用意する必要がないので、コストの増大を抑えることができる。
本開示の第五態様に係る支持部材は、水平方向に延びるH形鋼によって構成された小梁の下側フランジと構造部材との間に水平方向の隙間を生じさせた状態で前記隙間よりも上側において前記小梁を前記構造部材に接合する接合部を有する小梁接合構造に用いられる支持部材であって、前記隙間に挿入されて前記下側フランジに固定されると共に、前記構造部材と水平方向に対向する斜め上向きの第一傾斜面を有する第一楔部材と、前記第一傾斜面と接触する斜め下向きの第二傾斜面を有し、前記構造部材と前記第一楔部材との間に圧入される第二楔部材と、を備える。
本開示の第五態様に係る支持部材によれば、第二楔部材の第二傾斜面が第一楔部材の第一傾斜面に摺接しながら第二楔部材が下側に移動すると、第二傾斜面と第一傾斜面との接触領域が下側に拡がる。これにより、第二楔部材が徐々に構造部材側に移動し、第一楔部材及び第二楔部材の幅が拡大する。したがって、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、この隙間の幅に第一楔部材及び第二楔部材の幅を合わせることができるので、隙間の幅に合わせた幅で第一楔部材及び第二楔部材を小梁の下側フランジと構造部材との間に配置できる。これにより、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、小梁の下側フランジからの圧縮力を第一楔部材及び第二楔部材を介して構造部材に伝達できる。また、隙間の幅のばらつきを考慮した異なる幅の第一楔部材及び第二楔部材を複数用意する必要がないので、コストの増大を抑えることができる。
本開示の第六態様に係る支持部材は、水平方向に延びるH形鋼によって構成された小梁の下側フランジと構造部材との間に水平方向の隙間を生じさせた状態で前記隙間よりも上側において前記小梁を前記構造部材に接合する接合部を有する小梁接合構造に用いられる支持部材であって、前記隙間に挿入されて前記構造部材に固定されると共に、前記下側フランジと対向する斜め上向きの第一傾斜面を有する第一楔部材と、前記第一傾斜面と接触する斜め下向きの第二傾斜面を有し、前記下側フランジと前記第一楔部材との間に圧入される第二楔部材と、を備える。
本開示の第六態様に係る支持部材によれば、第二楔部材の第二傾斜面が第一楔部材の第一傾斜面に摺接しながら第二楔部材が下側に移動すると、第二傾斜面と第一傾斜面との接触領域が下側に拡がる。これにより、第二楔部材が徐々に小梁側に移動し、第一楔部材及び第二楔部材の幅が拡大する。したがって、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、この隙間の幅に第一楔部材及び第二楔部材の幅を合わせることができるので、隙間の幅に合わせた幅で第一楔部材及び第二楔部材を小梁の下側フランジと構造部材との間に配置できる。これにより、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、小梁の下側フランジからの圧縮力を第一楔部材及び第二楔部材を介して構造部材に伝達できる。また、隙間の幅のばらつきを考慮した異なる幅の第一楔部材及び第二楔部材を複数用意する必要がないので、コストの増大を抑えることができる。
以上詳述した通り、本開示によれば、小梁の下側フランジと構造部材との間の隙間の幅がばらついても、コストの増大を抑えつつ、小梁の下側フランジからの圧縮力を構造部材に伝達できる。
第一実施形態に係る小梁接合構造を示す正面断面図である。 図1の支持部材及びその周辺部を拡大して示す図である。 図1の支持部材の分解斜視図である。 図1のF4−F4線断面図である。 第一実施形態に係る小梁接合方法を説明する図である。 図5の圧入工程における第二楔部材の挿入方向を説明する図である。 図5の圧入工程において第二楔部材が圧入される様子を示す図である。 第二実施形態に係る支持部材と圧入工程を示す図である。 図8の支持部材の分解斜視図である。 第三実施形態に係る支持部材と圧入工程及び溶接工程を示す図である。 第四実施形態に係る支持部材と固定工程及び圧入工程を示す図である。 第五実施形態に係る支持部材と圧入工程を示す図である。 第六実施形態に係る支持部材と圧入工程を示す図である。 第七実施形態に係る支持部材と圧入工程を示す図である。 第八実施形態に係る小梁接合構造を示す正面断面図である。 第九実施形態に係る小梁接合構造を示す正面断面図である。 第十実施形態に係る小梁接合構造を示す斜視図である。 図17のF18−F18線断面図である。 第十一実施形態に係る小梁接合構造を示す斜視図である。 第十二実施形態に係る小梁接合構造を示す正面断面図である。 第十三実施形態に係る小梁接合構造を示す正面断面図である。 第十四実施形態に係る小梁接合構造を示す正面断面図である。 小梁が構造部材にピン接合された小梁接合構造を模式的に示す図である。 小梁が構造部材に半剛接合された小梁接合構造を模式的に示す図である。 小梁が構造部材に剛接合された小梁接合構造を模式的に示す図である。
はじめに、本開示の第一実施形態を説明する。
図1に示される建物構造Sは、例えば、ビル等の建物に適用されるものであり、大梁20と、小梁30とを備える。各図に示される矢印X方向、矢印Y方向、及び、矢印Z方向は、互いに直交する。矢印X方向及び矢印Y方向は、それぞれ水平方向と平行な方向である。矢印Z方向は、鉛直方向に相当し、矢印Zが指し示す側は、鉛直方向上側に相当する。
大梁20は、「構造部材」の一例である。この大梁20は、矢印Y方向に延びている。大梁20は、上側フランジ21、下側フランジ22、及び、ウェブ23を有するH形鋼によって構成されている。矢印Y方向に沿って大梁20を見た場合に、上側フランジ21及び下側フランジ22は、矢印X方向に延びており、ウェブ23は、矢印Z方向に延びている。ウェブ23は、上側フランジ21における矢印X方向の中央部と下側フランジ22における矢印X方向の中央部とを連結している。
小梁30は、矢印X方向に延びている。小梁30は、上側フランジ31、下側フランジ32、及び、ウェブ33を有するH形鋼によって構成されている。矢印X方向に沿って小梁30を見た場合に、上側フランジ31及び下側フランジ32は、矢印Y方向に延びており、ウェブ33は、矢印Z方向に延びている。ウェブ33は、上側フランジ31における矢印Y方向の中央部と下側フランジ32における矢印Y方向の中央部とを連結している。小梁30の高さ寸法H2は、大梁20の高さ寸法H1と略同一とされており、小梁30は、矢印X方向に大梁20に近接して配置されている。
小梁30と大梁20との接合には、小梁接合構造10(接合部構造)が適用されている。すなわち、大梁20は、シアプレート24を備える。シアプレート24は、矢印Y方向を板厚方向とする矩形状に形成されている。シアプレート24は、大梁20のウェブ23から小梁30に向けて延びている。シアプレート24における小梁30側の部位は、シアプレート24の先端部24Aであり、シアプレート24におけるウェブ23側の部位は、シアプレート24の基端部24Bである。シアプレート24の基端部24Bは、大梁20の上側フランジ21、下側フランジ22、及び、ウェブ23にそれぞれ溶接により接合されている。
シアプレート24の先端部24Aは、大梁20の上側フランジ21及び下側フランジ22よりも小梁30側に突出している。シアプレート24の先端部24Aは、小梁30の上側フランジ31と下側フランジ32との間に配置されており、小梁30のウェブ33における大梁20側の部位33Aに矢印Y方向に重ね合わされている。シアプレート24の先端部24Aには、矢印Y方向に貫通する複数の貫通孔25が形成されている。複数の貫通孔25は、矢印Z方向に並んでいる。小梁30のウェブ33における大梁20側の部位33Aには、矢印Y方向に貫通する複数の貫通孔35が形成されている。複数の貫通孔35は、シアプレート24に形成された複数の貫通孔25と整合する位置に形成されている。
シアプレート24と小梁30のウェブ33との接合には、ボルト及びナットを有する締結部材11が用いられる。つまり、各貫通孔25、35に締結部材11のボルトが挿入されると共に、このボルトの先端部に締結部材11のナットが螺合されることにより、シアプレート24及びウェブ33が接合される。このシアプレート24及びウェブ33の接合部分は、接合部12である。
シアプレート24及びウェブ33が接合部12で接合された状態において、上側フランジ21と上側フランジ31とは、矢印X方向の隙間41を有した状態で矢印X方向に対向している。同様に、下側フランジ22と下側フランジ32とは、矢印X方向の隙間42を有した状態で矢印X方向に対向している。このように矢印X方向の隙間41、42が生じるように、シアプレート24の矢印X方向の長さ、及び、複数の貫通孔25、35の矢印X方向の位置が設定されている。シアプレート24とウェブ33との接合部12は、上側の隙間41よりも下側で、下側の隙間42よりも上側に位置している。
なお、大梁20の上側フランジ21及び小梁30の上側フランジ31の上には、スラブ(例えば、コンクリート床スラブ)が設けられる。図1では、スラブの図示が省略されている。このスラブは、大梁20の上側フランジ21及び小梁30の上側フランジ31に設けられたシアコネクタによって大梁20及び小梁30に接合される。大梁20の上側フランジ21及び小梁30の上側フランジ31の上にスラブが設けられる例は、後述する第八及び第九実施形態(図15、図16参照)で説明されている。
下側フランジ22と下側フランジ32との間の隙間42には、支持部材50(補強部材)が配置されている。支持部材50は、第一楔部材60と、第二楔部材70とを備える。第一楔部材60及び第二楔部材70は、例えば、鋼材又は炭素繊維強化プラスチック等によって構成される。第一楔部材60は、隙間42に挿入されており、下側フランジ32に固定されている。第二楔部材70は、下側フランジ22と第一楔部材60との間に圧入されている。
図2に拡大して示されるように、第一楔部材60には、矢印Y方向に延びる溝61が形成されている。この溝61は、第一楔部材60における下側フランジ32側の面62に開口すると共に、第一楔部材60における矢印Y方向両側の側面63に開放されている。この溝61に下側フランジ32の端部32Aが挿入されることにより、第一楔部材60は、下側フランジ32に固定されている。第一楔部材60における第二楔部材70側には、斜め上向きの第一傾斜面64が形成されている。この第一傾斜面64は、第二楔部材70を介して下側フランジ22の端面22A1と矢印X方向に対向している。
第一傾斜面64には、下向きの第一段差面65が形成されている。この第一段差面65は、「第一ガイド面」の一例である。第一段差面65の矢印X方向の長さ(幅)は、例えば、5〜20mmである。第一傾斜面64における第一段差面65よりも上側は、上側傾斜面64Aとして形成されており、第一傾斜面64における第一段差面65よりも下側は、下側傾斜面64Bとして形成されている。上側傾斜面64A及び下側傾斜面64Bの矢印Z方向に対する傾斜角度θは同じである。この傾斜角度θは、例えば、5〜30°であり、望ましくは、10〜15°である。
第二楔部材70における下側フランジ22側の面72は、溝等を有しない平面であり、矢印Z方向に延びている。第二楔部材70における第一楔部材60側には、斜め下向きの第二傾斜面74が形成されている。第二傾斜面74には、上向きの第二段差面75が形成されている。この第二段差面75は、「第二ガイド面」の一例である。第二段差面75は、第一段差面65に下側から係止されており、これにより、第二楔部材70は、抜け止めされている。
第二傾斜面74における第二段差面75よりも上側は、上側傾斜面74Aとして形成されており、第二傾斜面74における第二段差面75よりも下側は、下側傾斜面74Bとして形成されている。上側傾斜面74A及び下側傾斜面74Bの矢印Z方向に対する傾斜角度は同じである。また、上側傾斜面74A及び下側傾斜面74Bの矢印Z方向に対する傾斜角度は、上述の第一楔部材60の上側傾斜面64A及び下側傾斜面64Bの矢印Z方向に対する傾斜角度θと同じである。
第二楔部材70は、上述の通り、大梁20の下側フランジ22と第一楔部材60との間に圧入されている。これにより、第一楔部材60は、第二楔部材70によって下側フランジ32側に押圧され、溝61の底面61Aは、下側フランジ32の端面32A1に押圧状態で接触している。また、第二傾斜面74の上側傾斜面74A及び下側傾斜面74Bは、第一傾斜面64の上側傾斜面64A及び下側傾斜面64Bにそれぞれ押圧状態で接触し、第二楔部材70における下側フランジ22側の面72は、下側フランジ22の端面22A1に押圧状態で接触している。
図3に示されるように、第一段差面65及び第二段差面75は、矢印Y方向に延びている。第一段差面65及び第二段差面75は、矢印Yが指し示す側に向かうに従って下側に向かうように矢印Y方向に対して傾斜している。第一段差面65及び第二段差面75の矢印Y方向に対する傾斜角度θは同じである。図3において、矢印Y方向は、小梁30(図1、図2参照)の幅方向に相当し、矢印Yが指し示す側と反対側は、小梁30の幅方向一方側に相当し、矢印Yが指し示す側は、小梁30の幅方向他方側に相当する。
なお、図4に示されるように、下側フランジ22と下側フランジ32との間の隙間42には、一対の支持部材50A、50Bが配置されている。この一対の支持部材50A、50Bは、シアプレート24及びウェブ33を挟んだ矢印Y方向の両側にそれぞれ配置されている。一対の支持部材50A、50Bは、矢印Y方向に対称に形成されている。上記説明(図1〜図3参照)は、一方の支持部材50Aについての説明である。
続いて、第一実施形態に係る小梁接合方法を説明する。
図5に示されるように、第一実施形態に係る小梁接合方法は、接合工程Aと、固定工程Bと、圧入工程Cとを備える。
接合工程Aでは、小梁30が矢印X方向に大梁20に近接して配置される。このとき、シアプレート24の先端部24Aは、小梁30の上側フランジ31と下側フランジ32との間に配置され、小梁30のウェブ33における大梁20側の部位33Aに矢印Y方向に重ね合わされる。また、シアプレート24に形成された複数の貫通孔25が小梁30のウェブ33に形成された複数の貫通孔35と整合される。そして、シアプレート24及びウェブ33がボルト及びナットを有する締結部材11によって接合される。つまり、各貫通孔25、35に締結部材11のボルトが挿入されると共に、このボルトの先端部に締結部材11のナットが螺合されることにより、シアプレート24及びウェブ33が接合部12で接合される。
このようにシアプレート24及びウェブ33が接合部12で接合された状態において、上側フランジ21と上側フランジ31との間には、矢印X方向の隙間41が生じ、下側フランジ22と下側フランジ32との間には、矢印X方向の隙間42が生じる。このように、接合工程Aでは、小梁30の下側フランジ32と大梁20の下側フランジ22との間に矢印X方向の隙間42を生じさせた状態で、小梁30が隙間42よりも上側の接合部12において大梁20に接合される。
固定工程Bでは、第一楔部材60が隙間42に挿入されると共に、この第一楔部材60の溝61に小梁30に形成された下側フランジ32の端部32Aが挿入されることにより、第一楔部材60が下側フランジ32に固定される。この状態では、斜め上向きの第一傾斜面64が大梁20に形成された下側フランジ22の端面22A1と矢印X方向に隙間を有して対向する。
圧入工程Cでは、第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間に圧入される。このとき、図6に示されるように、一方の支持部材50Aの第二楔部材70は、矢印Yが指し示す側に向けて下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間に挿入される。一方、他方の支持部材50Bの第二楔部材70は、矢印Yが指し示す側と反対側に向けて下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間に挿入される。なお、一対の支持部材50A,50Bは、上述の通り矢印Y方向に対称に形成されている。以下、一対の支持部材50Aについて説明し、他方の支持部材50Bの説明を省略する。
図7に示されるように、第二楔部材70は、矢印Yが指し示す側に向けて下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間に挿入される。このとき、第二段差面75は、第一段差面65の下側に位置され、第一段差面65と摺接される。図7の上図は、第二楔部材70を挿入した初期の段階を示している。第二楔部材70を挿入した初期の段階では、第一段差面65の一端(矢印Yが指し示す側と反対側の端部)と、第二段差面75の一端(矢印Yが指し示す側の端部)とが接触した状態となっており、第二楔部材70の下側への挿入量が少ない状態にある。
図7の下図は、第二楔部材70の圧入が完了した状態を示している。図7の上図から下図に示されるように、矢印Yが指し示す側に向けて第二楔部材70が挿入されると、第二段差面75が第一段差面65と摺接されることにより、第二楔部材70が下側に移動する。また、第二楔部材70が下側に移動すると、第二傾斜面74と第一傾斜面64との接触領域が下側に拡がることにより第二楔部材70が徐々に下側フランジ22側に移動し、第二楔部材70における下側フランジ22側の面72が下側フランジ22の端面22A1に接触する。
そして、この状態から、矢印Yが指し示す側に向けて第二楔部材70が押し込まれると、第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間に圧入される。また、この状態では、第二段差面75が第一段差面65に下側から係止されることで第二楔部材70が抜け止めされる。第一実施形態では、以上の要領で、小梁30が大梁20に固定される。
続いて、第一実施形態の作用及び効果を説明する。
以上詳述した通り、第一実施形態によれば、第一楔部材60及び第二楔部材70に形成された第一段差面65及び第二段差面75は、矢印Y方向に対して傾斜している。そして、第二楔部材70が矢印Y方向に沿って下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間に挿入されると、第二段差面75が第一段差面65と摺接されることにより、第二楔部材70が下側に移動する。また、第一楔部材60及び第二楔部材70に形成された第一傾斜面64及び第二傾斜面74は、矢印Z方向に対して傾斜している。そして、第二楔部材70が下側に移動する際に、第二傾斜面74が第一傾斜面64と摺接されることにより、第二楔部材70が徐々に大梁20側に移動し、第一楔部材60及び第二楔部材70の幅(つまり支持部材50の幅)が拡大する。
したがって、下側フランジ22と下側フランジ32との間の隙間42の幅Wがばらついても、この隙間42の幅Wに第一楔部材60及び第二楔部材70の幅を合わせることができるので、隙間42の幅Wに合わせた幅で第一楔部材60及び第二楔部材70を下側フランジ22と下側フランジ32との間に配置できる。これにより、隙間42の幅Wがばらついても、小梁30の下側フランジ32からの圧縮力を第一楔部材60及び第二楔部材70を介して大梁20の下側フランジ22に伝達できる。また、隙間42の幅Wのばらつきを考慮した異なる幅の第一楔部材60及び第二楔部材70を複数用意する必要がないので、コストの増大を抑えることができる。
しかも、第一実施形態によれば、第二楔部材70が矢印Y方向に沿って下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間に挿入され、第二段差面75が第一段差面65と摺接されることで、第二楔部材70が下側に移動する。したがって、例えば、第二楔部材70を矢印Z方向に沿って挿入するためのスペースが下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間の上側及び下側に無い場合でも、第二楔部材70を下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間に挿入できる。
また、第一実施形態によれば、第二段差面75は、第一段差面65に下側から係止される。したがって、第二楔部材70が上側に抜けてしまうことを抑制できる。
次に、本開示の第二実施形態を説明する。
図8に示される第二実施形態では、上述の第一実施形態(図2参照)に対し、第一楔部材60及び第二楔部材70の構成が次のように変更されている。すなわち、第一傾斜面64には、複数の第一段差面65が形成されている。この複数の第一段差面65は、第一傾斜面64の上側から下側にかけて間隔を空けて形成されている。同様に、第二傾斜面74には、複数の第二段差面75が形成されている。この複数の第二段差面75は、第二傾斜面74の上側から下側にかけて間隔を空けて形成されている。
図9に示されるように、第一段差面65及び第二段差面75は、矢印Y方向に延びており、第一楔部材60及び第二楔部材70は、矢印Y方向に一定の断面で形成されている。なお、図8、図9では、第一段差面65及び第二段差面75の大きさが誇張して示されている。第一段差面65及び第二段差面75の矢印X方向の長さ(幅)は、例えば、1〜2mmである。
また、図8に示されるように、第二実施形態では、上述の第一実施形態(図5〜図7参照)に対し、圧入工程Cが次のように変更されている。すなわち、圧入工程Cにおいて、第二楔部材70は、下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間に上側から挿入される。このとき、第二傾斜面74が第一傾斜面64に摺接されながら第二楔部材70が下側に移動される。第二楔部材70が下側に移動すると、第二傾斜面74と第一傾斜面64との接触領域が下側に拡がることにより第二楔部材70が徐々に下側フランジ22側に移動し、第二楔部材70における下側フランジ22側の面72が下側フランジ22の端面22A1に接触する。
この状態から、第二楔部材70が下側に押し込まれると、この第二楔部材70の押し込み量に応じて各第二段差面75が一又は複数の第一段差面65を乗り越え、第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間に圧入される。また、この状態では、複数の第二段差面75が複数の第一段差面65に下側から係止されることで第二楔部材70が抜け止めされる。第一実施形態では、以上の要領で、小梁30が大梁20に固定される。
この第二実施形態によっても、第二楔部材70が下側に移動する際に、第二傾斜面74が第一傾斜面64と摺接されることにより、第二楔部材70が徐々に大梁20側に移動し、第一楔部材60及び第二楔部材70の幅(つまり支持部材50の幅)が拡大する。
したがって、下側フランジ22と下側フランジ32との間の隙間42の幅Wがばらついても、この隙間42の幅Wに第一楔部材60及び第二楔部材70の幅を合わせることができるので、隙間42の幅Wに合わせた幅で第一楔部材60及び第二楔部材70を下側フランジ22と下側フランジ32との間に配置できる。これにより、隙間42の幅Wがばらついても、小梁30の下側フランジ32からの圧縮力を第一楔部材60及び第二楔部材70を介して大梁20の下側フランジ22に伝達できる。また、隙間42の幅Wのばらつきを考慮した異なる幅の第一楔部材60及び第二楔部材70を複数用意する必要がないので、コストの増大を抑えることができる。
また、第二実施形態によれば、複数の第二段差面75は、複数の第一段差面65に下側から係止される。したがって、第二楔部材70が上側に抜けてしまうことを抑制できる。
次に、本開示の第三実施形態を説明する。
図10に示される第三実施形態では、上述の第二実施形態(図8参照)に対し、第一楔部材60の上部と第二楔部材70の上部とを固定する溶接部81が追加されている。また、第三実施形態では、溶接部81の追加に伴い、圧入工程Cの後に溶接工程Dが追加されている。溶接工程Dでは、第一楔部材60の上部と第二楔部材70の上部とが溶接部81によって固定される。
この第三実施形態によれば、第二実施形態の作用及び効果に加え、第一楔部材60の上部と第二楔部材70の上部とが溶接部81によって固定される分、第二楔部材70が上側に抜けてしまうことをより一層効果的に抑制できる。
なお、第三実施形態において、溶接部81は、第一楔部材60及び第二楔部材70の上部以外の部位に設けられてもよい。
また、第三実施形態における溶接部81は、第一実施形態における第一楔部材60及び第二楔部材70に適用されてもよい。
次に、本開示の第四実施形態を説明する。
図11に示される第四実施形態では、上述の第一実施形態(図2参照)に対し、第一楔部材60及び第二楔部材70の構成が次のように変更されている。すなわち、第一楔部材60における下側フランジ32側の面62は、溝等を有しない平面であり、矢印Z方向に延びている。この第一楔部材60における下側フランジ32側の面62は、下側フランジ32の上側及び下側において下側フランジ32の端部32Aに溶接部82によって固定されている。また、第一楔部材60の第一傾斜面64及び第二楔部材70の第二傾斜面74は、段差等を有しない平面でそれぞれ形成されている。
また、この第四実施形態では、上述の第一実施形態(図5〜図7参照)に対し、固定工程B及び圧入工程Cが次のように変更されている。すなわち、固定工程Bでは、第一楔部材60が隙間42に挿入され、この第一楔部材60における下側フランジ32側の面62が下側フランジ32の端面32A1に当接される。また、この状態で、第一楔部材60における下側フランジ32側の面62が下側フランジ32の上側及び下側において下側フランジ32の端部32Aに溶接部82によって固定される。
圧入工程Cでは、第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間に上側から挿入される。このとき、第二傾斜面74が第一傾斜面64に摺接されながら第二楔部材70が下側に移動される。第二楔部材70が下側に移動すると、第二傾斜面74と第一傾斜面64との接触領域が下側に拡がることにより第二楔部材70が徐々に下側フランジ22側に移動し、第二楔部材70における下側フランジ22側の面72が下側フランジ22の端面22A1に接触する。この状態から、第二楔部材70が下側に押し込まれると、第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間に圧入される。
この第四実施形態によっても、第二楔部材70が下側に移動する際に、第二傾斜面74が第一傾斜面64と摺接されることにより、第二楔部材70が徐々に大梁20側に移動し、第一楔部材60及び第二楔部材70の幅(つまり支持部材50の幅)が拡大する。
したがって、下側フランジ22と下側フランジ32との間の隙間42の幅Wがばらついても、この隙間42の幅Wに第一楔部材60及び第二楔部材70の幅を合わせることができるので、隙間42の幅Wに合わせた幅で第一楔部材60及び第二楔部材70を下側フランジ22と下側フランジ32との間に配置できる。これにより、隙間42の幅Wがばらついても、小梁30の下側フランジ32からの圧縮力を第一楔部材60及び第二楔部材70を介して大梁20の下側フランジ22に伝達できる。また、隙間42の幅Wのばらつきを考慮した異なる幅の第一楔部材60及び第二楔部材70を複数用意する必要がないので、コストの増大を抑えることができる。
なお、第四実施形態において、第二楔部材70を抜け止めするために、第一傾斜面64及び第二傾斜面74は、粗面で形成されてもよく、また、第一楔部材60及び第二楔部材70が溶接又は接着等により固定されてもよい。
また、第四実施形態における溶接部82は、第一乃至第三実施形態における第一楔部材60に適用されてもよい。
次に、本開示の第五実施形態を説明する。
図12に示される第五実施形態では、上述の第一実施形態(図2参照)に対し、支持部材50の構成が次のように変更されている。すなわち、第一楔部材60には、矢印Y方向に延びる第一溝66が形成されており、第二楔部材70には、矢印Y方向に延びる第二溝76が形成されている。第一溝66は、第一傾斜面64に開口すると共に、第一楔部材60の側面63に開放されている。同様に、第二溝76は、第二傾斜面74に開口すると共に、第二楔部材70の側面73に開放されている。第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間に挿入された状態では、第一溝66の上側の壁面66Aが第二溝76の下側の壁面76Aよりも上側に位置するように、第一溝66及び第二溝76の位置は設定されている。
また、支持部材50は、第三楔部材90を備える。第三楔部材90は、第一溝66の上側の壁面66Aと第二溝76の下側の壁面76Aとの間に挿入される。第三楔部材90は、上側の壁面66Aと摺接される第一摺接面91と、下側の壁面76Aと摺接される第二摺接面92とを有する。この第三楔部材90は、第一摺接面91を斜面とし、第二摺接面92を垂直面とする台形ブロック状に形成されている。第一摺接面91は、第二摺接面92に対して傾斜しており、第一摺接面91と第二摺接面92との間の幅は、第三楔部材90の先端側から後端側に向かうに従って拡大する。
また、第五実施形態では、上述の第一実施形態(図5〜図7参照)に対し、圧入工程Cが次のように変更されている。すなわち、圧入工程Cは、第一段階C1〜第三段階C3を有する。第一段階C1では、第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間に上側から挿入される。なお、第二楔部材70は、矢印Y方向に沿って下側フランジ22と第一楔部材60との間に挿入されてもよい。第二段階C2では、第一溝66の上側の壁面66Aと第二溝76の下側の壁面76Aとの間に第三楔部材90が挿入される。
第三段階C3では、第三楔部材90が押し込まれる。第三楔部材90が押し込まれると、第一摺接面91が壁面66Aと摺接されると共に、第二摺接面92が壁面76Aと摺接され、壁面66Aに対して壁面76Aが押し下げられる。これにより、第二楔部材70が下側に移動し、第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間に圧入される。この状態では、壁面66Aと壁面76Aとの間に第三楔部材90が介在することで第二楔部材70が抜け止めされる。
この第五実施形態によれば、第一溝66の上側の壁面66Aと第二溝76の下側の壁面76Aとの間に第三楔部材90が挿入されると、壁面66Aに対して壁面76Aが押し下げられ、第二楔部材70が下側に移動する。また、第二楔部材70が下側に移動する際に、第二傾斜面74が第一傾斜面64と摺接されることにより、第二楔部材70が徐々に大梁20側に移動し、第一楔部材60及び第二楔部材70の幅(つまり支持部材50の幅)が拡大する。
したがって、下側フランジ22と下側フランジ32との間の隙間42の幅Wがばらついても、この隙間42の幅Wに第一楔部材60及び第二楔部材70の幅を合わせることができるので、隙間42の幅Wに合わせた幅で第一楔部材60及び第二楔部材70を下側フランジ22と下側フランジ32との間に配置できる。これにより、隙間42の幅Wがばらついても、小梁30の下側フランジ32からの圧縮力を第一楔部材60及び第二楔部材70を介して大梁20の下側フランジ22に伝達できる。また、隙間42の幅Wのばらつきを考慮した異なる幅の第一楔部材60及び第二楔部材70を複数用意する必要がないので、コストの増大を抑えることができる。
また、第五実施形態によれば、第一溝66の上側の壁面66Aと第二溝76の下側の壁面76Aとの間に矢印Y方向に沿って第三楔部材90が挿入されることで、第二楔部材70が下側に移動し、この第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間に圧入される。したがって、例えば、第二楔部材70を下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間に圧入させるためのスペースが下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間の上側及び下側に無い場合でも、第二楔部材70を下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間に圧入させることができる。
また、第五実施形態によれば、第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間に圧入された状態では、上側の壁面66Aと下側の壁面76Aとの間に第三楔部材90が介在する。したがって、第二楔部材70が上側に抜けてしまうことを抑制できる。
次に、本開示の第六実施形態を説明する。
図13に示される第六実施形態では、上述の第一実施形態(図2参照)に対し、第一楔部材60及び第二楔部材70の構成が次のように変更されている。すなわち、第一傾斜面64及び第二傾斜面74は、段差や溝等を有しない平面で形成されている。また、第二楔部材70における下側フランジ22側の面72には、下側フランジ22側に突出する複数の凸部77が形成されている。複数の凸部77は、下側フランジ22側の面72の上側から下側にかけて間隔を空けて形成されている。
凸部77は、より具体的には、段差面77Aと傾斜面77Bとを有する段差状に形成されている。段差面77Aは、上向きに形成されている。各凸部77において、傾斜面77Bは、段差面77Aの下側に位置しており、下側に向かうに従って第二傾斜面74側に向かうように矢印Z方向に対して傾斜している。図13では、凸部77の大きさが誇張して示されている。凸部77の矢印X方向の長さ(段差面77Aの幅)は、例えば、1〜2mmである。第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間に圧入された状態において、複数の凸部77は、下側フランジ22の端面22A1に食い込んでいる。
また、第六実施形態では、上述の第一実施形態(図5〜図7参照)に対し、圧入工程Cが次のように変更されている。すなわち、圧入工程Cでは、第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間の隙間に上側から挿入される。このとき、第二傾斜面74が第一傾斜面64に摺接されながら第二楔部材70が下側に移動される。
第二楔部材70が下側に移動すると、第二傾斜面74と第一傾斜面64との接触領域が下側に拡がることにより第二楔部材70が徐々に下側フランジ22側に移動し、第二楔部材70における下側フランジ22側の面72(複数の凸部77)が下側フランジ22の端面22A1に接触する。この状態から、第二楔部材70が下側に押し込まれると、複数の凸部77が下側フランジ22の端面22A1に食い込んだ状態で、第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間に圧入される。この状態では、複数の凸部77が下側フランジ22の端面22A1に食い込むことで、第二楔部材70が抜け止めされる。
この第六実施形態によっても、第二楔部材70が下側に移動する際に、第二傾斜面74が第一傾斜面64と摺接されることにより、第二楔部材70が徐々に大梁20側に移動し、第一楔部材60及び第二楔部材70の幅(つまり支持部材50の幅)が拡大する。
したがって、下側フランジ22と下側フランジ32との間の隙間42の幅Wがばらついても、この隙間42の幅Wに第一楔部材60及び第二楔部材70の幅を合わせることができるので、隙間42の幅Wに合わせた幅で第一楔部材60及び第二楔部材70を下側フランジ22と下側フランジ32との間に配置できる。これにより、隙間42の幅Wがばらついても、小梁30の下側フランジ32からの圧縮力を第一楔部材60及び第二楔部材70を介して大梁20の下側フランジ22に伝達できる。また、隙間42の幅Wのばらつきを考慮した異なる幅の第一楔部材60及び第二楔部材70を複数用意する必要がないので、コストの増大を抑えることができる。
また、第六実施形態によれば、複数の凸部77が下側フランジ22の端面22A1に食い込んだ状態で、第二楔部材70が下側フランジ22と第一楔部材60との間に圧入される。したがって、第二楔部材70が上側に抜けてしまうことを抑制できる。
なお、第六実施形態における複数の凸部77は、第一乃至第五実施形態における第二楔部材70に適用されてもよい。
また、上記第一乃至第六実施形態における構成のうち組み合わせ可能な構成は、適宜組み合わされて実施されてもよい。
次に、本開示の第七実施形態を説明する。
図14に示される第七実施形態に係る小梁接合構造100では、上述の第六実施形態に係る小梁接合構造10(図13参照)に対し、第一楔部材60及び第二楔部材70の配置が次のように変更されている。すなわち、第一楔部材60は、大梁20側に配置され、第二楔部材70は、小梁30側に配置されている。第一楔部材60の溝61には、下側フランジ22の端部22Aが挿入されており、これにより、第一楔部材60は、下側フランジ22に固定されている。また、第二楔部材70は、下側フランジ32と第一楔部材60との間に圧入されており、複数の凸部77は、下側フランジ32の端面32A1に食い込んでいる。
また、第七実施形態では、固定工程及び圧入工程が次のように実行される。すなわち、固定工程では、第一楔部材60が隙間42に挿入されると共に、この第一楔部材60の溝61に大梁20に形成された下側フランジ22の端部22Aが挿入されることにより、第一楔部材60が下側フランジ22に固定される。また、圧入工程では、第二楔部材70が下側フランジ32と第一楔部材60との間の隙間に上側から挿入される。このとき、第二傾斜面74が第一傾斜面64に摺接されながら第二楔部材70が下側に移動される。
第二楔部材70が下側に移動すると、第二傾斜面74と第一傾斜面64との接触領域が下側に拡がることにより第二楔部材70が徐々に下側フランジ32側に移動し、第二楔部材70における下側フランジ32側の面72(複数の凸部77)が下側フランジ32の端面32A1に接触する。この状態から、第二楔部材70が下側に押し込まれると、複数の凸部77が下側フランジ32の端面32A1に食い込んだ状態で、第二楔部材70が下側フランジ32と第一楔部材60との間に圧入される。この状態では、複数の凸部77が下側フランジ32の端面32A1に食い込むことで、第二楔部材70が抜け止めされる。
この第七実施形態によれば、第二楔部材70が下側に移動する際に、第二傾斜面74が第一傾斜面64と摺接されることにより、第二楔部材70が徐々に小梁30側に移動し、第一楔部材60及び第二楔部材70の幅(つまり支持部材50の幅)が拡大する。
したがって、下側フランジ22と下側フランジ32との間の隙間42の幅Wがばらついても、この隙間42の幅Wに第一楔部材60及び第二楔部材70の幅を合わせることができるので、隙間42の幅Wに合わせた幅で第一楔部材60及び第二楔部材70を下側フランジ22と下側フランジ32との間に配置できる。これにより、隙間42の幅Wがばらついても、小梁30の下側フランジ32からの圧縮力を第一楔部材60及び第二楔部材70を介して大梁20の下側フランジ22に伝達できる。また、隙間42の幅Wのばらつきを考慮した異なる幅の第一楔部材60及び第二楔部材70を複数用意する必要がないので、コストの増大を抑えることができる。
また、第七実施形態によれば、複数の凸部77が下側フランジ32の端面32A1に食い込んだ状態で、第二楔部材70が下側フランジ32と第一楔部材60との間に圧入される。したがって、第二楔部材70が上側に抜けてしまうことを抑制できる。
なお、上述の第七実施形態と同様に、上記第一乃至第五実施形態において、第一楔部材60が大梁20側に配置され、第二楔部材70が小梁30側に配置されてもよい。
次に、本開示の第八実施形態を説明する。
図15に示される第八実施形態において、建物構造Sは、大梁20と、一対の小梁30と、複数の支持部材50と、スラブ110とを備える。一対の小梁30は、大梁20の矢印X方向の両側にそれぞれ配置されている。
各小梁30と大梁20との接合には、小梁接合構造10がそれぞれ適用されている。すなわち、大梁20は、一対のシアプレート24を備える。一対のシアプレート24は、大梁20から各小梁30側に向けてそれぞれ延びている。各シアプレート24には、小梁30が接合されている。各小梁30とシアプレート24との接合部12の構成は、矢印X方向に対称である。
小梁30の高さ寸法H2は、大梁20の高さ寸法H1よりも小とされており、各小梁30の下側フランジ32は、大梁20の下側フランジ22よりも上側に位置している。大梁20のウェブ23には、一対のリブ26が形成されている。一対のリブ26は、各小梁30側に向けて延びている。大梁20及び一対の小梁30の上記以外の構成は、上述の第一実施形態(図1参照)と同様である。
各小梁30の下側フランジ32と各リブ26との間には、隙間42がそれぞれ生じている。この各隙間42には、支持部材50がそれぞれ配置されている。支持部材50の第一楔部材60及び第二楔部材70には、一例として、上述の第四実施形態(図11参照)の構成が適用されている。
スラブ110は、大梁20及び一対の小梁30の上に設けられている。スラブ110は、複数の鉄筋112と、コンクリート113によって構成されている。大梁20及び一対の小梁30と、コンクリート113とは、大梁20及び一対の小梁30の上面に設けられた複数のシアコネクタ114によって接合されている。また、大梁20及び一対の小梁30の上面には、複数のデッキプレート115が設けられている。
この第八実施形態によれば、各小梁30の下側フランジ32と大梁20のリブ26との間の隙間42には、支持部材50が挿入されているので、各小梁30の下側フランジ32からの圧縮力を大梁20に伝達できる。また、大梁20の上側フランジ21及び小梁30の上側フランジ31とスラブ110のコンクリート113とがシアコネクタ114で接合されているので、小梁30の上側フランジ31からの引張力をスラブ110に配した鉄筋112を介して大梁20に伝達できる。
これにより、小梁30のウェブ33のみをボルトで大梁20に接合するピン接合に比べて、小梁30の中央部のたわみと曲げモーメントを抑制できる。しかも、小梁30のウェブ33を溶接やボルトで大梁20に接合すると共に小梁30の上側フランジ31及び下側フランジ32を溶接やボルトで大梁20に接合する剛接合に比べて、小梁30と大梁20との接合部12の補強が簡易で済むので、工程やコストの増大を最小限に抑えることができる。
なお、第八実施形態において、第一楔部材60及び第二楔部材70には、一例として、第四実施形態の構成が適用されているが、上述の第一、第二、第三、第五、第六、及び、第七実施形態のいずれかの構成が適用されてもよい。
次に、本開示の第九実施形態を説明する。
図16に示される第九実施形態では、上述の第八実施形態(図15参照)に対し、小梁接合構造10の構成が次のように変更されている。すなわち、各小梁30のウェブ33及び下側フランジ32は、矢印X方向に大梁20のウェブ23に近接する位置にまで延長されており、各小梁30の下側フランジ32と大梁20のウェブ23との間には、隙間42がそれぞれ生じている。この各隙間42には、支持部材50がそれぞれ配置されている。支持部材50の第一楔部材60及び第二楔部材70には、一例として、上述の第四実施形態(図11参照)の構成が適用されている。
この第九実施形態によれば、各小梁30の下側フランジ32と大梁20のウェブ23との間の隙間42には、支持部材50が挿入されているので、各小梁30の下側フランジ32からの圧縮力を大梁20に伝達できる。また、大梁20の上側フランジ21及び小梁30の上側フランジ31とスラブ110のコンクリートと113がシアコネクタ114で接合されているので、小梁30の上側フランジ31からの引張力をスラブ110に配した鉄筋112を介して大梁20に伝達できる。
これにより、小梁30のウェブ33のみをボルトで大梁20に接合するピン接合に比べて、小梁30の中央部のたわみと曲げモーメントを抑制できる。しかも、小梁30のウェブ33を溶接やボルトで大梁20に接合すると共に小梁30の上側フランジ31及び下側フランジ32を溶接やボルトで大梁20に接合する剛接合に比べて、小梁30と大梁20との接合部12の補強が簡易で済むので、工程やコストの増大を最小限に抑えることができる。
なお、第九実施形態において、第一楔部材60及び第二楔部材70には、一例として、第四実施形態の構成が適用されているが、上述の第一、第二、第三、第五、第六、及び、第七実施形態のいずれかの構成が適用されてもよい。
次に、本開示の第十実施形態を説明する。
図17、図18に示されるように、第十実施形態において、建物構造Sは、柱120と、複数の小梁30と、複数の支持部材50と、スラブ110とを備える。柱120は、「構造部材」の一例であり、矢印Z方向に延びている。水平方向に切断した柱120の断面形状は、四角形であり、複数の小梁30は、柱120に形成された複数の側面121から各側面121の法線方向に延びている。図18に示されるように、柱120は、複数の鉄筋122及びコンクリート123によって構成された鉄筋コンクリート製である。
各小梁30と柱120との接合には、小梁接合構造10がそれぞれ適用されている。すなわち、柱120の各側面121には、支持プレート124がそれぞれ設けられている。支持プレート124には、柱120の内部に向けて延びる複数のスタッド125が接合されており、支持プレート124とコンクリート123とは、複数のスタッド125によって接合されている。
図17に示されるように、支持プレート124は、柱120の側面121に露出しており、側面121の一部を構成している。各支持プレート124には、シアプレート24がそれぞれ接合されている。各シアプレート24は、側面121(支持プレート124)から側面121の法線方向に延びている。各シアプレート24には、小梁30がそれぞれ接合されている。各小梁30とシアプレート24との接合部12の構成は、同一である。この各小梁30とシアプレート24との接合部12の構成は、上述の第一実施形態(図1参照)と同様である。
図17、図18に示されるように、小梁30の下側フランジ32と支持プレート124との間には、隙間42が生じている。この隙間42には、支持部材50が配置されている。支持部材50の第一楔部材60及び第二楔部材70には、一例として、上述の第四実施形態(図11参照)の構成が適用されている。
スラブ110は、複数の小梁30の上に設けられている。スラブ110は、複数の鉄筋112と、コンクリート113によって構成されている。図17では、便宜上、スラブ110に用いられる複数の鉄筋112のうちの一部のみが図示されている。図18に示されるように、複数の小梁30と、コンクリート113とは、各小梁30の上面に設けられた複数のシアコネクタ114によって接合されている。また、スラブ110と柱120とは、接続部材116で接続されている。
この第十実施形態によれば、各小梁30の下側フランジ32と柱120の側面121との間の隙間42には、支持部材50が挿入されているので、各小梁30の下側フランジ32からの圧縮力を柱120に伝達できる。また、小梁30の上側フランジ31とスラブ110とがシアコネクタ114で接合されると共に、スラブ110と柱120とが接続部材116で接続されているので、小梁30の上側フランジ31からの引張力をスラブ110に配した鉄筋112及び接続部材116を介して柱120に伝達できる。
これにより、小梁30のウェブ33のみをボルトで柱120に接合するピン接合に比べて、小梁30の中央部のたわみと曲げモーメントを抑制できる。しかも、小梁30のウェブ33を溶接やボルトで柱120に接合すると共に小梁30の上側フランジ31及び下側フランジ32を溶接やボルトで柱120に接合する剛接合に比べて、小梁30と柱120との接合部12の補強が簡易で済むので、工程やコストの増大を最小限に抑えることができる。
なお、第十実施形態において、第一楔部材60及び第二楔部材70には、一例として、第四実施形態の構成が適用されているが、上述の第一、第二、第三、第五、第六、及び、第七実施形態のいずれかの構成が適用されてもよい。
次に、本開示の第十一実施形態を説明する。
図19に示される第十一実施形態において、柱120は、鉄骨、鉄筋、及び、コンクリートによって構成された鉄骨鉄筋コンクリート製である。この第十一実施形態では、上述の第十実施形態(図17、図18参照)に対し、小梁接合構造10の構成が次のように変更されている。すなわち、各シアプレート24は、柱120のコンクリートで形成された側面121から側面121の法線方向に突出している。各シアプレート24には、小梁30がそれぞれ接合されている。各小梁30とシアプレート24との接合部12の構成は、上述の第一実施形態(図1参照)と同様である。
小梁30の下側フランジ32と柱120の側面121との間には、隙間42が生じている。この隙間42には、支持部材50が配置されている。支持部材50の第一楔部材60及び第二楔部材70には、一例として、上述の第四実施形態(図11参照)の構成が適用されている。
この第十一実施形態によっても、上述の第十実施形態と同様に、小梁30のウェブ33のみをボルトで柱120に接合するピン接合に比べて、小梁30の中央部のたわみと曲げモーメントを抑制できる。しかも、小梁30のウェブ33を溶接やボルトで柱120に接合すると共に小梁30の上側フランジ31及び下側フランジ32を溶接やボルトで柱120に接合する剛接合に比べて、小梁30と柱120との接合部12の補強が簡易で済むので、工程やコストの増大を最小限に抑えることができる。
なお、柱120は、鉄筋コンクリート製及び鉄骨鉄筋コンクリート製以外に、鉄骨製でもよい。
また、第十一実施形態において、第一楔部材60及び第二楔部材70には、一例として、第四実施形態の構成が適用されているが、上述の第一、第二、第三、第五、第六、及び、第七実施形態のいずれかの構成が適用されてもよい。
次に、本開示の第十二実施形態を説明する。
図20に示されるように、第十二実施形態において、建物構造Sは、柱120と、壁130と、小梁30と、複数の支持部材50と、スラブ110とを備える。柱120及び壁130は、それぞれ「構造部材」の一例であり、矢印Z方向に延びている。小梁30は、柱120及び壁130の間に配置されており、矢印X方向に延びている。柱120は、複数の鉄筋122及びコンクリート123によって構成された鉄筋コンクリート製である。同様に、壁130も、複数の鉄筋132及びコンクリート133によって構成された鉄筋コンクリート製である。
小梁30と柱120及び壁130との接合には、小梁接合構造10がそれぞれ適用されている。すなわち、柱120の側面121、及び、壁130の側面131には、支持プレート124、134がそれぞれ設けられている。各支持プレート124、134には、複数のスタッド125、135がそれぞれ接合されている。柱120の支持プレート124とコンクリート123とは、複数のスタッド125によって接合されている。同様に、壁130の支持プレート134とコンクリート133とは、複数のスタッド135によって接合されている。
柱120の支持プレート124は、柱120の側面121から露出しており、柱120の側面121の一部を構成している。同様に、壁130の支持プレート134は、壁130の側面131から露出しており、壁130の側面131の一部を構成している。各支持プレート124、134には、シアプレート24がそれぞれ接合されており、柱120に設けられたシアプレート24には、小梁30の一端が接合され、壁130に設けられたシアプレート24には、小梁30の他端が接合されている。小梁30と各シアプレート24との接合部12の構成は、同一である。この小梁30と各シアプレート24との接合部12の構成は、上述の第一実施形態(図1参照)と同様である。
小梁30の下側フランジ32と各支持プレート124、134との間には、隙間42がそれぞれ生じている。この各隙間42には、支持部材50がそれぞれ配置されている。支持部材50の第一楔部材60及び第二楔部材70には、一例として、上述の第四実施形態(図11参照)の構成が適用されている。
スラブ110は、小梁30の上に設けられている。スラブ110は、複数の鉄筋112と、コンクリート113によって構成されている。小梁30とコンクリート113とは、小梁30の上面に設けられた複数のシアコネクタ114によって接合されている。また、スラブ110と柱120及び壁130とは、接続部材116でそれぞれ接続されている。
この第十二実施形態によれば、小梁30の下側フランジ32と、柱120及び壁130との間の隙間42には、支持部材50がそれぞれ挿入されているので、小梁30の下側フランジ32からの圧縮力を柱120及び壁130に伝達できる。また、小梁30の上側フランジ31とスラブ110とがシアコネクタ114で接合されると共に、スラブ110と柱120及び壁130とが接続部材116で接続されているので、小梁30の上側フランジ31からの引張力をスラブ110に配した鉄筋112及び接続部材116を介して柱120及び壁130に伝達できる。
これにより、小梁30のウェブ33のみをボルトで柱120や壁130に接合するピン接合に比べて、小梁30の中央部のたわみと曲げモーメントを抑制できる。しかも、小梁30のウェブ33を溶接やボルトで柱120や壁130に接合すると共に小梁30の上側フランジ31及び下側フランジ32を溶接やボルトで柱120や壁130に接合する剛接合に比べて、小梁30と柱120や壁130との接合部12の補強が簡易で済むので、工程やコストの増大を最小限に抑えることができる。
なお、第十二実施形態において、第一楔部材60及び第二楔部材70には、一例として、第四実施形態の構成が適用されているが、上述の第一、第二、第三、第五、第六、及び、第七実施形態のいずれかの構成が適用されてもよい。
次に、本開示の第十三実施形態を説明する。
図21に示される第十三実施形態において、建物構造Sは、上述の第十二実施形態に対し、柱120(図20参照)の代わりに、大梁140を有する構成とされている。大梁140は、「構造部材」の一例であり、矢印Y方向に延びている。大梁140は、複数の鉄筋142及びコンクリート143によって構成された鉄筋コンクリート製である。
小梁30と大梁140との接合には、小梁接合構造10が適用されている。すなわち、大梁140の側面141には、支持プレート144が設けられている。支持プレート144には、複数のスタッド145が接合されている。大梁140の支持プレート144とコンクリート143とは、複数のスタッド145によって接合されている。大梁140の支持プレート144は、大梁140の側面141から露出しており、大梁140の側面141の一部を構成している。
支持プレート144には、シアプレート24が接合されており、大梁140に設けられたシアプレート24には、小梁30の一端が接合され、壁130に設けられたシアプレート24には、小梁30の他端が接合されている。小梁30と各シアプレート24との接合部12の構成は、同一である。この小梁30と各シアプレート24との接合部12の構成は、上述の第一実施形態(図1参照)と同様である。
小梁30の下側フランジ32と各支持プレート134、144との間には、隙間42がそれぞれ生じている。この各隙間42には、支持部材50がそれぞれ配置されている。支持部材50の第一楔部材60及び第二楔部材70には、一例として、上述の第四実施形態(図11参照)の構成が適用されている。スラブ110と大梁140及び壁130とは、接続部材116でそれぞれ接続されている。
この第十三実施形態によれば、小梁30の下側フランジ32と、大梁140及び壁130との間の隙間42には、支持部材50がそれぞれ挿入されているので、小梁30の下側フランジ32からの圧縮力を大梁140及び壁130に伝達できる。また、小梁30の上側フランジ31と、大梁140及び壁130の間に設けられたスラブ110とがシアコネクタ114で接合されると共に、スラブ110と大梁140及び壁130とが接続部材116で接続されているので、小梁30の上側フランジ31からの引張力をスラブ110に配した鉄筋112及び接続部材116を介して大梁140及び壁130に伝達できる。
これにより、小梁30のウェブ33のみをボルトで大梁140や壁130に接合するピン接合に比べて、小梁30の中央部のたわみと曲げモーメントを抑制できる。しかも、小梁30のウェブ33を溶接やボルトで大梁140や壁130に接合すると共に小梁30の上側フランジ31及び下側フランジ32を溶接やボルトで大梁140や壁130に接合する剛接合に比べて、小梁30と大梁140や壁130との接合部12の補強が簡易で済むので、工程やコストの増大を最小限に抑えることができる。
なお、第十三実施形態において、大梁140は、鉄筋コンクリート製以外に、鉄骨製でもよい。
また、第十三実施形態において、第一楔部材60及び第二楔部材70には、一例として、第四実施形態の構成が適用されているが、上述の第一、第二、第三、第五、第六、及び、第七実施形態のいずれかの構成が適用されてもよい。
次に、本開示の第十四実施形態を説明する。
図22に示される第十四実施形態では、上述の第八実施形態(図15参照)に対し、小梁接合構造10が次のように変更されている。すなわち、大梁20に設けられたシアプレート24と小梁30のウェブ33との接合には、溶接が用いられており、シアプレート24の先端側の縁部は、溶接部151によってウェブ33に接合されている。締結部材11は、シアプレート24及びウェブ33を溶接する際の仮止めのために使用される。
この第十四実施形態によっても、上述の第八実施形態と同様に、小梁30のウェブ33のみをボルトで大梁20に接合するピン接合に比べて、小梁30の中央部のたわみと曲げモーメントを抑制できる。しかも、小梁30のウェブ33を溶接やボルトで大梁20に接合すると共に小梁30の上側フランジ31及び下側フランジ32を溶接やボルトで大梁20に接合する剛接合に比べて、小梁30と大梁20との接合部12の補強が簡易で済むので、工程やコストの増大を最小限に抑えることができる。
なお、第十四実施形態において、第一楔部材60及び第二楔部材70には、一例として、第四実施形態の構成が適用されているが、上述の第一、第二、第三、第五、第六、及び、第七実施形態のいずれかの構成が適用されてもよい。
また、上記第八乃至第十四実施形態における構成のうち、組み合わせ可能な構成は、適宜、組み合わされて実施されてもよい。
以上、本開示の第一乃至第十四実施形態について説明したが、本開示は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施可能であることは勿論である。

Claims (31)

  1. 水平方向に延びるH形鋼によって構成された小梁の下側フランジと構造部材との間に水平方向の隙間を生じさせた状態で前記隙間よりも上側において前記小梁を前記構造部材に接合する接合工程と、
    前記構造部材と水平方向に対向する斜め上向きの第一傾斜面を有する第一楔部材を前記隙間に挿入して前記下側フランジに固定する固定工程と、
    第二楔部材における斜め下向きの第二傾斜面を前記第一傾斜面に摺接させながら前記第二楔部材を下側に移動させて、前記第二楔部材を前記構造部材と前記第一楔部材との間に圧入する圧入工程と、
    を備える小梁接合方法。
  2. 水平方向に延びるH形鋼によって構成された小梁の下側フランジと構造部材との間に水平方向の隙間を生じさせた状態で前記隙間よりも上側において前記小梁を前記構造部材に接合する接合工程と、
    前記下側フランジと対向する斜め上向きの第一傾斜面を有する第一楔部材を前記隙間に挿入して前記構造部材に固定する固定工程と、
    第二楔部材における斜め下向きの第二傾斜面を前記第一傾斜面に摺接させながら前記第二楔部材を下側に移動させて、前記第二楔部材を前記下側フランジと前記第一楔部材との間に圧入する圧入工程と、
    を備える小梁接合方法。
  3. 前記第一楔部材は、前記小梁の幅方向一方側から他方側に向かうに従って下側に向かうように傾斜する下向きの第一ガイド面を有し、
    前記第二楔部材は、前記小梁の幅方向一方側から他方側に向かうに従って下側に向かうように傾斜する上向きの第二ガイド面を有し、
    前記圧入工程において、前記第二楔部材を前記小梁の幅方向一方側から他方側に移動させながら前記第二ガイド面を前記第一ガイド面に摺接させることで前記第二楔部材を下側に移動させる、
    請求項1又は請求項2に記載の小梁接合方法。
  4. 前記第一傾斜面には、下向きの第一段差面が形成され、
    前記第二傾斜面には、上向きの第二段差面が形成され、
    前記圧入工程において、前記第二段差面を前記第一段差面に下側から係止させることで前記第二楔部材の抜け止めをする、
    請求項1又は請求項2に記載の小梁接合方法。
  5. 前記第一楔部材には、前記第一傾斜面に開口すると共に前記第一楔部材の側面に開放された第一溝が形成され、
    前記第二楔部材には、前記第二傾斜面に開口すると共に前記第二楔部材の側面に開放された第二溝が形成され、
    前記圧入工程において、前記第一溝の上側の壁面と前記第二溝の下側の壁面との間に第三楔部材を挿入することで前記第二楔部材を下側に移動させる、
    請求項1又は請求項2に記載の小梁接合方法。
  6. 前記第二楔部材における前記構造部材側の面には、前記構造部材側に突出する凸部が形成され、
    前記圧入工程において、前記凸部を前記構造部材に食い込ませることで前記第二楔部材の抜け止めをする、
    請求項1に記載の小梁接合方法。
  7. 前記第二楔部材における前記下側フランジ側の面には、前記下側フランジ側に突出する凸部が形成され、
    前記圧入工程において、前記凸部を前記下側フランジに食い込ませることで前記第二楔部材の抜け止めをする、
    請求項2に記載の小梁接合方法。
  8. 前記構造部材は、H形鋼によって構成された大梁であり、
    前記小梁の前記下側フランジは、前記大梁の下側フランジよりも上側に位置し、
    前記大梁のウェブには、水平方向に延びて前記小梁の前記下側フランジとの間に前記隙間が生じるリブが形成され、
    前記小梁の前記下側フランジと前記リブとの間の前記隙間に前記第一楔部材及び前記第二楔部材を配置する、
    請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の小梁接合方法。
  9. 前記構造部材は、H形鋼によって構成された大梁であり、
    前記小梁の前記下側フランジは、前記大梁の下側フランジよりも上側に位置し、
    前記小梁の前記下側フランジと前記大梁のウェブとの間には、前記隙間が生じ、
    前記小梁の前記下側フランジと前記ウェブとの間の前記隙間に前記第一楔部材及び前記第二楔部材を配置する、
    請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の小梁接合方法。
  10. 前記構造部材は、鉄筋コンクリート製又は鉄骨鉄筋コンクリート製の柱であり、
    前記小梁の前記下側フランジと前記柱の側面との間には、前記隙間が生じ、
    前記小梁の前記下側フランジと前記側面との間の前記隙間に前記第一楔部材及び前記第二楔部材を配置する、
    請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の小梁接合方法。
  11. 前記構造部材は、鉄筋コンクリート製の壁であり、
    前記小梁の前記下側フランジと前記壁の側面との間には、前記隙間が生じ、
    前記小梁の前記下側フランジと前記側面との間の前記隙間に前記第一楔部材及び前記第二楔部材を配置する、
    請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の小梁接合方法。
  12. 前記構造部材は、鉄筋コンクリート製の大梁であり、
    前記小梁の前記下側フランジと前記大梁の側面との間には、前記隙間が生じ、
    前記小梁の前記下側フランジと前記側面との間の前記隙間に前記第一楔部材及び前記第二楔部材を配置する、
    請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の小梁接合方法。
  13. 水平方向に延びるH形鋼によって構成された小梁の下側フランジと構造部材との間に水平方向の隙間を生じさせた状態で前記隙間よりも上側において前記小梁を前記構造部材に接合する接合部と、
    前記隙間に挿入されて前記下側フランジに固定されると共に、前記構造部材と水平方向に対向する斜め上向きの第一傾斜面を有する第一楔部材と、
    前記第一傾斜面と接触する斜め下向きの第二傾斜面を有し、前記構造部材と前記第一楔部材との間に圧入された第二楔部材と、
    を備える小梁接合構造。
  14. 水平方向に延びるH形鋼によって構成された小梁の下側フランジと構造部材との間に水平方向の隙間を生じさせた状態で前記隙間よりも上側において前記小梁を前記構造部材に接合する接合部と、
    前記隙間に挿入されて前記構造部材に固定されると共に、前記下側フランジと対向する斜め上向きの第一傾斜面を有する第一楔部材と、
    前記第一傾斜面と接触する斜め下向きの第二傾斜面を有し、前記下側フランジと前記第一楔部材との間に圧入された第二楔部材と、
    を備える小梁接合構造。
  15. 前記第一楔部材は、前記小梁の幅方向一方側から他方側に向かうに従って下側に向かうように傾斜する下向きの第一ガイド面を有し、
    前記第二楔部材は、前記小梁の幅方向一方側から他方側に向かうに従って下側に向かうように傾斜する上向きの第二ガイド面を有し、
    前記第二ガイド面は、前記第一ガイド面に接触している、
    請求項13又は請求項14に記載の小梁接合構造。
  16. 前記第一傾斜面には、下向きの第一段差面が形成され、
    前記第二傾斜面には、上向きの第二段差面が形成され、
    前記第二段差面は、前記第一段差面に下側から係止されている、
    請求項13又は請求項14に記載の小梁接合構造。
  17. 前記第一楔部材には、前記第一傾斜面に開口すると共に前記第一楔部材の側面に開放された第一溝が形成され、
    前記第二楔部材には、前記第二傾斜面に開口すると共に前記第二楔部材の側面に開放された第二溝が形成され、
    前記第一溝の上側の壁面と前記第二溝の下側の壁面との間には、第三楔部材が挿入されている、
    請求項13又は請求項14に記載の小梁接合構造。
  18. 前記第二楔部材における前記構造部材側の面には、前記構造部材側に突出する凸部が形成され、
    前記凸部は、前記構造部材に食い込んでいる、
    請求項13に記載の小梁接合構造。
  19. 前記第二楔部材における前記下側フランジ側の面には、前記下側フランジ側に突出する凸部が形成され、
    前記凸部は、前記下側フランジに食い込んでいる、
    請求項14に記載の小梁接合構造。
  20. 前記構造部材は、H形鋼によって構成された大梁であり、
    前記小梁の前記下側フランジは、前記大梁の下側フランジよりも上側に位置し、
    前記大梁のウェブには、水平方向に延びて前記小梁の前記下側フランジとの間に前記隙間が生じるリブが形成されており、
    前記第一楔部材及び前記第二楔部材は、前記小梁の前記下側フランジと前記リブとの間の前記隙間に配置されている、
    請求項13〜請求項19のいずれか一項に記載の小梁接合構造。
  21. 前記構造部材は、H形鋼によって構成された大梁であり、
    前記小梁の前記下側フランジは、前記大梁の下側フランジよりも上側に位置し、
    前記小梁の前記下側フランジと前記大梁のウェブとの間には、前記隙間が生じ、
    前記第一楔部材及び前記第二楔部材は、前記小梁の前記下側フランジと前記ウェブとの間の前記隙間に配置されている、
    請求項13〜請求項19のいずれか一項に記載の小梁接合構造。
  22. 前記構造部材は、鉄筋コンクリート製又は鉄骨鉄筋コンクリート製の柱であり、
    前記小梁の前記下側フランジと前記柱の側面との間には、前記隙間が生じ、
    前記第一楔部材及び前記第二楔部材は、前記小梁の前記下側フランジと前記側面との間の前記隙間に配置されている、
    請求項13〜請求項19のいずれか一項に記載の小梁接合構造。
  23. 前記構造部材は、鉄筋コンクリート製の壁であり、
    前記小梁の前記下側フランジと前記壁の側面との間には、前記隙間が生じ、
    前記第一楔部材及び前記第二楔部材は、前記小梁の前記下側フランジと前記側面との間の前記隙間に配置されている、
    請求項13〜請求項19のいずれか一項に記載の小梁接合構造。
  24. 前記構造部材は、鉄筋コンクリート製の大梁であり、
    前記小梁の前記下側フランジと前記大梁の側面との間には、前記隙間が生じ、
    前記第一楔部材及び前記第二楔部材は、前記小梁の前記下側フランジと前記側面との間の前記隙間に配置されている、
    請求項13〜請求項19のいずれか一項に記載の小梁接合構造。
  25. 水平方向に延びるH形鋼によって構成された小梁の下側フランジと構造部材との間に水平方向の隙間を生じさせた状態で前記隙間よりも上側において前記小梁を前記構造部材に接合する接合部を有する小梁接合構造に用いられる支持部材であって、
    前記隙間に挿入されて前記下側フランジに固定されると共に、前記構造部材と水平方向に対向する斜め上向きの第一傾斜面を有する第一楔部材と、
    前記第一傾斜面と接触する斜め下向きの第二傾斜面を有し、前記構造部材と前記第一楔部材との間に圧入される第二楔部材と、
    を備える支持部材。
  26. 水平方向に延びるH形鋼によって構成された小梁の下側フランジと構造部材との間に水平方向の隙間を生じさせた状態で前記隙間よりも上側において前記小梁を前記構造部材に接合する接合部を有する小梁接合構造に用いられる支持部材であって、
    前記隙間に挿入されて前記構造部材に固定されると共に、前記下側フランジと対向する斜め上向きの第一傾斜面を有する第一楔部材と、
    前記第一傾斜面と接触する斜め下向きの第二傾斜面を有し、前記下側フランジと前記第一楔部材との間に圧入される第二楔部材と、
    を備える支持部材。
  27. 前記第一楔部材は、前記小梁の幅方向一方側から他方側に向かうに従って下側に向かうように傾斜する下向きの第一ガイド面を有し、
    前記第二楔部材は、前記小梁の幅方向一方側から他方側に向かうに従って下側に向かうように傾斜し、前記第一ガイド面に接触する上向きの第二ガイド面を有する、
    請求項25又は請求項26に記載の支持部材。
  28. 前記第一傾斜面には、下向きの第一段差面が形成され、
    前記第二傾斜面には、前記第一楔部材側に突出し、前記第一段差面に下側から係止される第二段差面が形成されている、
    請求項25又は請求項26に記載の支持部材。
  29. 前記第一楔部材には、前記第一傾斜面に開口すると共に前記第一楔部材の側面に開放された第一溝が形成され、
    前記第二楔部材には、前記第二傾斜面に開口すると共に前記第二楔部材の側面に開放された第二溝が形成され、
    前記支持部材は、前記第一溝の上側の壁面と前記第二溝の下側の壁面との間に挿入される第三楔部材を備える、
    請求項25又は請求項26に記載の支持部材。
  30. 前記第二楔部材における前記構造部材側の面には、前記構造部材側に突出する凸部が形成されている、
    請求項25に記載の支持部材。
  31. 前記第二楔部材における前記下側フランジ側の面には、前記下側フランジ側に突出する凸部が形成されている、
    請求項26に記載の支持部材。
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