JP5417489B2 - 木質建築部材の接合構造体 - Google Patents

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本発明は、木質建築部材の接合構造体に関する。
従来、例えば特開2002−43117号公報に開示されるように、棒状の接合部材を木質建築部材に挿入して他の建築部材と接合した接合構造体が知られている。
特開2002−43117号公報
このような接合構造体は、接合部材を引っ張る荷重を受けると、木質建築部材と接合部材の間の付着力や摩擦力により荷重に抵抗して接合状態を維持しようとする。しかし、許容値を超す荷重を受けると、接合部材の挿入方向と交差する方向で木質建築部材(の内部要素)に割裂が生じ、この割裂が接合部材に沿って拡大して接合状態を維持できなくなる。そして、接合状態を維持できなくなると、接合構造体の強度を確保できなくなってしまう。
そこで、本発明は、強度が向上された木質建築部材の接合構造体を提供しようとするものである。
本発明に係る木質建築部材の接合構造体は、第1建築部材と木質の第2建築部材との接合部に棒状の接合部材を挿入して構成される接合構造体であって、第2建築部材における接合部材の挿入長の全体に亘り接合部材に沿って互いに離間して複数設けられ接合部材の挿入方向と交差する方向で第2建築部材に挿入されている木質の補強部材を備えて構成される。
本発明に係る木質建築部材の接合構造体では、木質の第2建築部材において木質の補強部材が第2建築部材における接合部材の挿入長の全体に亘り接合部材に沿って互いに離間して複数設けられ接合部材の挿入方向と交差する方向で第2建築部材に挿入されている。これにより、補強部材により接合部材の挿入方向と交差する方向で第2建築部材(の内部要素)が拘束されるので、接合部材を引っ張る荷重を受けても、接合部材に沿って生じる割裂を抑制できる。また、補強部材が第2建築部材における接合部材の挿入長の全体に亘り接合部材に沿って互いに離間して複数設けられるので、割裂が生じうる接合部材沿いの領域において第2建築部材を十分に補強できる。
また、補強部材は、接合部材の挿入方向と交差する互いに異なる複数の方向で第2建築部材に挿入されてもよい。これにより、接合部材の挿入方向と交差する互いに異なる複数の方向で第2建築部材(の内部要素)が拘束されるので、割裂の発生をさらに抑制できる。
また、補強部材は、第2建築部材より高い比重の木質材であってもよい。これにより、補強部材の強度が確保されるので、補強部材による拘束力を確実に発揮できる。
また、補強部材は、第2建築部材に設けられた挿入孔に接着されてもよい。これにより、第2建築部材と補強部材が強く固定されるので、補強部材による拘束力をさらに向上できる。
本発明によれば、強度が向上された木質建築部材の接合構造体を提供することができる。
本発明の実施形態に係る接合構造体を示す側断面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図1のIII−III線に沿った断面図である。 接合構造体の載荷試験を示す模式図である。 接合構造体の強度の比較に用いる比較例を示す側断面図である。 図5の接合構造体に対する載荷試験の結果を示す図である。 図1の接合構造体に対する載荷試験の結果を示す図である。 柱脚接合部への適用例を示す図である。 T型接合部への適用例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
まず、図1から図3を参照して、本発明の実施形態に係る接合構造体の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る接合構造体を示す側断面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図3は、図1のIII−III線に沿った断面図である。接合構造体は、強度が向上された木質建築部材の接合構造体である。
図1から図3に示すように、接合構造体は、木質の柱部材1(第1建築部材)、木質の梁部材2(第2建築部材)、接合部材3、せん断キー4および補強部材5を備えている。
柱部材1と梁部材2は、建築物躯体を構成する木質建築部材である。木質建築部材としては、例えば製材、集成材、単板積層材などが用いられる。木質建築部材は、任意の断面形状を有しており、本実施形態では、特に矩形断面を有している。
接合部材3は、柱部材1と梁部材2を接合するために、柱部材1と梁部材2の接合部に挿入される棒状の部材である。接合部材3としては、例えば鉄筋、棒鋼、ボルトなどが用いられる。接合部材3の外周には、木質建築部材との付着力や摩擦力を向上するための凹凸が形成されていることが好ましい。接合部材3の本数、長さ、断面、強度、特に梁部材2における挿入長Lは、接合構造体に関する構造計算により決定される。例えば、梁部材2における挿入長Lは、梁部材2の接合面の高さ寸法以上かつ幅寸法以上の長さとされることが好ましい。
接合部材3には、接合構造体の脆性破壊を防止するために、接合部材3の他の部分よりも変形し易く形成された変形部3aが設けられている。変形部3aは、柱部材1と梁部材2の接合部に設けられ、特に両部材1、2の接合面に隣接して設けられている。変形部3aの長さ、断面は、接合構造体に関する構造計算により決定される。
ここで、変形部3aの断面は、接合部材3の他の部分の断面よりも小さく形成されている。変形部3aは、例えば接合部材3の外周を部分的に切削することにより形成される。なお、接合部材3として異形鉄筋や異形棒鋼を用いる場合、変形部3aの断面は、部材外周のリブ部以外の断面よりも小さく形成される。変形部3aの断面は、接合構造体が梁部材2の割裂により接合状態を維持できなくなる前に変形部3aが軸方向に延びて破損または破断するように形成される。
せん断キー4は、接合構造体のせん断破壊を防止するために、柱部材1と梁部材2の接合部に挿入される棒状の部材である。せん断キー4としては、例えば鉄筋、棒鋼、ボルトなどが用いられる。せん断キー4の外周には、木質建築部材との付着力や摩擦力を向上するための凹凸が形成されてもよい。せん断キー4の本数、長さ、断面、強度は、接合構造体に関する構造計算により決定される。
補強部材5は、梁部材2の割裂を防止するために、梁部材2に挿入される部材である。補強部材5としては、木質材、特に梁部材2より高い比重の木質材が用いられる。補強部材5は、木栓、木ダボとも称される。補強部材5の外周には、木質建築部材との付着力や摩擦力を向上するための凹凸が形成されてもよい。補強部材5の配置、本数、長さ、断面、強度は、接合構造体の構造に応じて決定される。木質の補強部材5は、非木質の補強部材と比べて火災時の燃え代設計上有利であり、接合構造体の耐火性を向上させる。
柱部材1と梁部材2には、接合部材3を挿入するための第1および第2挿入孔61、62が設けられている。柱部材1には、部材側面において部材軸に交差する方向で第1挿入孔61が設けられ、梁部材2には、部材端面において部材軸の方向で第2挿入孔62が設けられている。
例えば、本実施形態では、図3に示すように、4本の接合部材3を挿入するために、第1および第2挿入孔61、62が4組設けられている。第1挿入孔61は、柱部材1の側面において梁部材2の端面の四隅に対応するように部材軸に垂直な方向で設けられ、第2挿入孔62は、梁部材2の端面において四隅に部材軸の方向で設けられている。
一組の第1および第2挿入孔61、62の長さは、それらの合計長が接合部材3の長さに対応するように形成されている。第1および第2挿入孔61、62の内径は、接合部材3の外径よりも大きく形成されており、この場合、接合部材3は、例えばエポキシ樹脂を主成分とする接着剤が注入された第1および第2挿入孔61、62に挿入されて固定される。あるいは、第1および第2挿入孔61、62の内径は、接合部材3の外径よりも小さく形成されてもよく、この場合、接合部材3は、第1および第2挿入孔61、62に圧入されて固定される。
柱部材1と梁部材2には、せん断キー4を挿入するための第3および第4挿入孔63、64が設けられている。柱部材1には、部材側面において部材軸に交差する方向で第3挿入孔63が設けられ、梁部材2には、部材端面において部材軸の方向で第4挿入孔64が設けられている。
例えば、本実施形態では、図3に示すように、2本のせん断キー4を挿入するために、第3および第4挿入孔63、64が2組設けられている。2つの第3挿入孔63は、柱部材1の側面において梁部材2の端面の中央部に対応するように部材軸に垂直な方向で互いに離間して設けられ、2つの第4挿入孔64は、梁部材2の端面において端面の中央部に部材軸の方向で互いに離間して設けられている。
一組の第3および第4挿入孔63、64の長さは、それらの合計長がせん断キー4の長さに対応するように形成されている。第3および第4挿入孔63、64の内径は、せん断キー4の外径よりも大きく形成されており、この場合、せん断キー4は、例えばエポキシ樹脂を主成分とする接着剤が注入された第3および第4挿入孔63、64に挿入されて固定される。あるいは、第3および第4挿入孔63、64の内径は、せん断キー4の外径よりも小さく形成されてもよく、この場合、せん断キー4は、第3および第4挿入孔63、64に圧入されて固定される。
梁部材2には、接合部材3に沿って補強部材5を挿入するための第5挿入孔65が設けられている。第5挿入孔65は、梁部材2の側面において接合部材3に沿って互いに離間して複数設けられている。第5挿入孔65は、接合部材3の挿入方向に交差する方向で第2挿入孔62に隣接して設けられている。
第5挿入孔65は、特に梁部材2における接合部材3の挿入長Lの全体に亘り接合部材3に沿って互いに離間して複数設けられている。つまり、補強部材5は、梁部材2に挿入された接合部材3沿いの領域全体をカバーするように等間隔pまたは略等間隔で複数設けられている。なお、補強部材5は、構造計算により決定される挿入長Lの全体に亘って設けられていればよい。
例えば、本実施形態では、第5挿入孔65は、接合部材3の挿入方向に垂直な互いに異なる2つの方向、つまり梁部材2の部材軸と直交する断面の高さ方向と幅方向で設けられている。よって、梁部材2の高さ方向で設けられた第5挿入孔65aと幅方向で設けられた第5挿入孔65bとは直交している。第5挿入孔65aと第5挿入孔65bは、互いに隣接して設けられている。
第5挿入孔65aは、梁部材2の幅方向の側面において梁部材2における接合部材3の挿入長Lの全体に亘り接合部材3に沿って互いに離間して5つ設けられている。第5挿入孔65aは、接合部材3の挿入方向に垂直、つまり梁部材2の高さ方向に向けて設けられている。
第5挿入孔65bは、梁部材3の高さ方向の側面において梁部材2における接合部材3の挿入長Lの全体に亘り接合部材3に沿って互いに離間して5つ設けられている。第5挿入孔65bは、接合部材3の挿入方向に垂直、つまり梁部材2の幅方向に向けて設けられている。
第5挿入孔65の長さは、補強部材5の長さに対応するように形成されている。第5挿入孔65の長さは、例えば、梁部材2の側面から接合部材3の軸心までの長さcと、接合部材3の挿入方向における補強部材5の配置間隔p以上の長さdとの合計値として決定される。
第5挿入孔65の内径は、補強部材5の外径よりも大きく形成されている。この場合、補強部材5は、例えばウレタン樹脂を主成分とする接着剤が注入された第5挿入孔65に挿入されて固定される。補強部材5は、接着剤を介して補強部材5の外周と第5挿入孔65の内周の間の付着力や摩擦力によって、補強部材5の挿入方向で梁部材2(の内部要素)を拘束する。
あるいは、第5挿入孔65の内径は、補強部材5の外径よりも小さく形成されてもよい。この場合、補強部材5は、第5挿入孔65に圧入されて固定される。補強部材5は、補強部材5の外周と第5挿入孔65の内周の間の摩擦力によって、補強部材5の挿入方向で梁部材2(の内部要素)を拘束する。
つぎに、図4から図7を参照して、接合構造体の載荷試験について説明する。以下では、比較例に係る接合構造体との対比によって、本発明の実施形態に係る接合構造体の向上された強度について説明する。
図4は、接合構造体の載荷試験を示す模式図である。図4に示すように、載荷試験では、柱部材1が水平方向に延び、梁部材2が柱部材1の上面から鉛直上向きに延びるように接合構造体が配置される。接合構造体では、柱部材1の両端が水平・鉛直・奥行きの各方向で移動を拘束される。この状態で、油圧ジャッキJなどを用いて梁部材2の上端に対して水平方向の荷重Lが加えられる。なお、荷重Lの方向は、図4に示す例では左方向であるが右方向でもよい。
これにより、接合構造体は、接合部材3を曲げる荷重、つまり図4に示す例では右側の接合部材3を引っ張る荷重を受けることになる。この荷重は、接合部材3が変形部3aで降伏して破損もしくは破断するまで、または接合部材3に沿った割裂の拡大により接合状態が維持できなくなるまで次第に増加するように調節される。
図5は、接合構造体の強度の比較に用いる比較例を示す側断面図である。図5に示すように、比較例に係る接合構造体は、補強部材5の数が少ない点を除けば、本発明の実施形態に係る接合構造体と同一の構成を有している。載荷試験では、本実施形態と比較例に係る接合構造体について、同一の支持条件および載荷条件の下で試験が行われた。
具体的には、比較例に係る接合構造体では、本実施形態に係る接合構造体の接合部材3に沿って一方向当り5つ設けられた補強部材5のうち柱部材1と梁部材2の接合面側の2つの補強部材5のみが設けられている。つまり、補強部材5は、接合部材3の挿入長Lの全体に亘って設けられていない。本実施形態と比較例に係る接合構造体では、柱部材1、梁部材2、接合部材3およびせん断キー4の配置・寸法・強度、変形部の寸法・強度、補強部材5の配置間隔・寸法・強度などの条件は同一である。
図6と図7は、図5と図1の接合構造体に対する載荷試験の結果をそれぞれに示す図である。図6に示すように、比較例に係る接合構造体では、接合部材3が降伏して破損する前に、接合部材3に沿って割裂Cが生じることが確認された。これは、接合部材3が引っ張られることで、梁部材2内では接合部材3の挿入方向と交差する方向で割裂が生じ、割裂が接合部材3に沿って拡大したためである。
比較例では、接合部材3に沿って一方向当り2つしか補強部材5が設けられていないので、接合部材3の挿入方向と交差する方向で梁部材2が十分に拘束されていないためであると考えられる。そして、接合構造体は、接合部材3が破損または破断する前に梁部材2が損傷してしまうので、接合部材3の降伏前に接合状態を維持できなくなり脆性的に破壊してしまう。
一方、図7に示すように、本実施形態に係る接合構造体では、接合部材3に沿って割裂が生じる前に、接合部材3が降伏して破損することが確認された。これは、接合部材3が引っ張られることで、接合部材3の降伏強度を上回る荷重が変形部3aに作用したためである。
本実施形態では、補強部材5が梁部材2における接合部材3の挿入長Lの全体に亘り接合部材3に沿って互いに離間して複数設けられているので、接合部材3の挿入方向と交差する方向で梁部材2(の内部要素)が拘束され、特に割裂が生じうる接合部材3沿いの領域において梁部材2を十分に補強できたためであると考えられる。そして、接合構造体は、梁部材2が損傷する前に接合部材3が破損または破断するので、接合部材3の破損または破断まで接合状態を維持できる。よって、比較例に比べて接合構造体の強度を向上できるとともに、接合構造体の脆性的な破壊を回避できる。
本実施形態に係る接合構造体は、例えば以下のような工程で施工される。第1に、柱部材1と梁部材2が所定の部材寸法に加工される。第2に、柱部材1と梁部材2に第1から第5挿入孔61〜65が設けられる。第3に、第5挿入孔65に補強部材5が挿入または圧入される。第4に、柱部材1と梁部材2が施工現場に搬入される。第5に、第1および第2挿入孔61、62の一方に接合部材3の一端が挿入または圧入され、第3および第4挿入孔63、64の一方にせん断キー4の一端が挿入または圧入される。第6に、第1および第2挿入孔61、62の他方に接合部材3の他端を挿入または圧入し、第3および第4挿入孔63、64の他方にせん断キー4の他端を挿入または圧入して柱部材1と梁部材2が接合される。これにより、強度が向上された接合構造体を容易に現場施工できる。
つぎに、図8と図9を参照して、本発明の実施形態に係る接合構造体の適用例について説明する。なお、以下では、本発明の実施形態と重複する説明を省略する。また、図8と図9では、挿入孔の記載を省略している。
図8は、柱脚接合部への適用例を示す図である。図8には、接合構造体の側断面図(a)およびb−b線に沿った断面図(b)が示されている。
図8に示す接合構造体は、非木質の柱脚部材11(第1建築部材)、木質の柱部材12(第2建築部材)、接合部材13および補強部材15を備えている。柱脚部材11と柱部材12の接合部には、無収縮モルタルなどの均し部17が設けられてもよい。
柱脚部材11は、モルタル、コンクリート、石材などの非木質建築部材であり、柱部材12は、例えば製材、集成材、単板積層材などの木質建築部材である。柱部材11は、任意の断面形状を有しており、本実施形態では、特に矩形断面を有している。
図8に示す例では、柱脚部材11と柱部材12には、柱部材11の端面の輪郭に沿って部材軸の方向で8本の接合部材13が挿入されている。接合部材13には、柱脚部材11と柱部材12の接合面に隣接して変形部13aが設けられている。
柱部材12の側面には、柱部材11における接合部材13の挿入長Lの全体に亘り接合部材13に沿って互いに離間して補強部材15が複数設けられている。補強部材15は、8本の接合部材13を取り囲むように、接合部材13の挿入方向に垂直な互いに交差する2つの方向で合計20本挿入されている。
つまり、補強部材15は、柱部材12の左右側面を結ぶ方向の補強部材15aと、前後側面を結ぶ方向の補強部材15bとして、柱部材12の互いに対向する側面を貫通するように柱部材12に挿入されている。補強部材15a、15bは、接合部材13に隣接して挿入され、補強部材15a、15b同士も隣接して挿入されている。なお、補強部材15は、柱部材12の互いに対向する側面を貫通しないように各側面から挿入されてもよい。
図9は、T型接合部への適用例を示す図である。図9には、接合構造体の側断面図、b−b線に沿った梁部材22の断面図およびc−c線に沿った梁部材22の断面図が示されている。
図9に示す接合構造体は、木質または非木質の柱部材21(第1建築部材)、木質の左右梁部材22a、22b(第2建築部材)、接合部材23、せん断キー24および補強部材25を備えている。
柱部材21は、製材、集成材、単板積層材などの木質材、またはモルタル、コンクリート、石材などの非木質建築部材であり、左右梁部材22a、22bは、例えば製材、集成材、単板積層材などの木質建築部材である。柱部材21と左右梁部材22a、22bは、任意の断面形状を有しており、本実施形態では、特に矩形断面を有している。
図9に示す例では、柱部材21と左右梁部材22a、22bには、柱部材21の側面と左右梁部材22a、22bの端面に左右梁部材22a、22bの部材軸の方向で4本の接合部材23が挿入されている。接合部材23は、柱部材21を貫通して左右梁部材22a、22bに挿入されている。接合部材23には、柱部材21と左右梁部材22a、22bの接合面に隣接して変形部23aが設けられている。
柱部材21と左梁部材22aには2本のせん断キー24が挿入され、柱部材21と右梁部材22bにも2本のせん断キー24が挿入されている。なお、せん断キー24は、柱部材21を貫通して左右梁部材22a、22bに挿入されてもよい。
左梁部材22aの側面には、左梁部材22aにおける接合部材23の挿入長Lの全体に亘り接合部材23に沿って互いに離間して補強部材25が複数設けられている。補強部材25は、接合部材23の挿入方向に垂直な互いに交差する2つの方向で合計10本挿入されている。
つまり、補強部材25は、1つの接合部材23に対して、左梁部材22aの断面の高さ方向の補強部材25aと、幅方向の補強部材25bとして挿入されている。なお、右梁部材22bの側面にも、左梁部材22aと同様に補強部材25a、25bが設けられている。補強部材25a、25bは、接合部材23に隣接して挿入され、補強部材25a、25b同士も隣接して挿入されている。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る木質建築部材の接合構造体では、木質の第2建築部材2、12、22において木質の補強部材5、15、25が第2建築部材2、12、22における接合部材3、13、23の挿入長Lの全体に亘り接合部材3、13、23に沿って互いに離間して複数設けられ、接合部材3、13、23の挿入方向と交差する方向で第2建築部材2、12、22に挿入されている。これにより、補強部材5、15、25により接合部材3、13、23の挿入方向と交差する方向で第2建築部材2、12、22(の内部要素)が拘束されるので、接合部材3、13、23を引っ張る荷重を受けても、接合部材3、13、23に沿って生じる割裂を抑制できる。また、補強部材5、15、25が第2建築部材2、12、22における接合部材3、13、23の挿入長Lの全体に亘り接合部材3、13、23に沿って互いに離間して複数設けられるので、割裂が生じうる接合部材3、13、23沿いの領域において第2建築部材2、12、22を十分に補強できる。
また、接合部材3、13、23の挿入方向と交差する互いに異なる複数の方向で補強部材5、15、25を第2建築部材2、12、22に挿入することにより、接合部材3、13、23の挿入方向と交差する互いに異なる複数の方向で第2建築部材2、12、22(の内部要素)が拘束されるので、割裂の発生をさらに抑制できる。
また、補強部材5、15、25として第2建築部材2、12、22より高い比重の木質材を用いることにより、補強部材5、15、25の強度が確保されるので、補強部材5、15、25による拘束力を確実に発揮できる。
また、第2建築部材2、12、22に設けられた挿入孔に補強部材5、15、25を接着することにより、第2建築部材2、12、22と補強部材5、15、25が強く固定されるので、補強部材5、15、25による拘束力をさらに向上できる。
さらに、本実施形態に係る接合構造体によれば、第2建築部材2、12、22の側面に設けられる補強部材5、15、25が木質であるので、非木質の補強部材を用いる場合と比べて、第2建築部材2、12、22の美観を維持できるとともに火災時の燃え代を確保できる。
なお、前述した実施形態は、本発明に係る接合構造体の最良な実施形態を説明したものであり、本発明に係る接合構造体は、本実施形態に記載したものに限定されるものではない。本発明に係る接合構造体は、各請求項に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲で本実施形態に係る接合構造体を変形し、または他のものに適用したものであってもよい。
例えば上記実施形態では、接合構造体に変形部3a、23aを有する接合部材3、23とともにせん断キー4、24を設ける場合について説明した。しかし、接合構造体には、変形部およびせん断キーのうち少なくとも一方が設けられなくてもよい。
1、11、12…第1建築部材、2、21、22…第2建築部材、3、31、32…接合部材、3a、13a、23a…変形部、4、24…せん断キー、5、5a、5b、15、15a、15b、25a、25b…補強部材、61〜65、65a、65b…挿入孔。

Claims (5)

  1. 第1建築部材と木質の第2建築部材との接合部に棒状の接合部材を挿入して構成される接合構造体であって、
    前記第2建築部材における前記接合部材の挿入長の全体に亘り前記接合部材に沿って互いに離間して複数設けられ前記接合部材の挿入方向と交差する方向で前記第2建築部材に挿入されている木質の補強部材を備える、木質建築部材の接合構造体。
  2. 前記補強部材は、前記接合部材の挿入方向と交差する互いに異なる複数の方向で前記第2建築部材に挿入されている、請求項1に記載の木質建築部材の接合構造体。
  3. 前記補強部材は、前記第2建築部材より高い比重の木質材である、請求項1または2のいずれか一項に記載の木質建築部材の接合構造体。
  4. 前記補強部材は、前記第2建築部材に設けられた挿入孔に接着されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の木質建築部材の接合構造体。
  5. 前記接合部材の挿入長は、前記第2建築部材の接合面の高さ寸法以上かつ幅寸法以上の長さである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の木質建築部材の接合構造体。
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