JP3355552B2 - 建築仕口接合金物組体および該組体による建築仕口接合方法 - Google Patents

建築仕口接合金物組体および該組体による建築仕口接合方法

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JP3355552B2 JP25722999A JP25722999A JP3355552B2 JP 3355552 B2 JP3355552 B2 JP 3355552B2 JP 25722999 A JP25722999 A JP 25722999A JP 25722999 A JP25722999 A JP 25722999A JP 3355552 B2 JP3355552 B2 JP 3355552B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木造建築の仕口や
それに類する接合部分を緊結加工するための接合金物組
体とその組体を用いた建築仕口接合方法に関する。この
接合方法は柱と梁,桁などの横架材だけでなく、柱と土
台,方杖や筋交い等の緊結に用いることができる。ま
た、請求項1に用いている「略軸方向」とは、軸方向お
よび軸方向に対し鋭角の角度を持つものも含むものであ
ると定義する。
【0002】
【従来の技術】木造建築において、柱と梁や桁などを接
合する仕口加工では柱と梁などの表面に金物を掛け渡し
て取り付けているため、日本の木造建築が持つ本来の美
しさが損なわれていた。特に吹き抜けなどを作る場合に
は仕口部分が露出することが多くなるので、その外観は
重要なポイントとなる。また、従来の仕口接合金物は一
旦、取り付けると調整ができない構造であり、取付後の
木材収縮に対応することができないため、仕口に隙間が
生じるという不都合が生じていた。これは仕上げ,強
度,部材断面などにおいて決定的な問題となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、金物を使わない
伝統的工法は、さらに複雑な仕口の加工やそれに伴う過
大な断面欠損という課題を抱えており、木材の特質を生
かしつつ、仕口の加工を簡略化し、かつ、部材の断面欠
損を最小限に押さえ、各部材の強度を合理的に上げる必
要があった。
【0004】本発明の目的は、実存する各工法における
仕口接合金物に見られる柱および梁などへの金物の表出
をなくし、木造建築が持つ本来の美しさを守り、日本建
築美の表現を可能にし、さらに部材の断面欠損を最小限
に抑え、構造材として高い強度と剛性を確保するととも
に取付後の木材収縮に対応した追締めが幾度となく可能
で、強い耐力を持続できる建築仕口接合金物組体を提供
することにある。本発明の他の目的は、上記接合金物組
体を用いた建築仕口接合方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明による建築仕口接合金物組体は、木造建築にお
ける仕口またはその他の接合部分を緊結する接合金物に
おいて、柱等の側面に接合溝部を設け、前記柱等の接合
溝部の底面から側部に向けて貫通穴または有底穴を設け
るとともに横架材の端部から略軸方向に横穴を設け、さ
らに前記横架材の側面から前記横穴に連通する縦穴を設
け、前記貫通穴または有底穴に接合金物部材を挿通した
後、前記挿通した接合金物部材の端部に対し前記横架材
の横穴を嵌挿し、楔導入路を形成する楔受材を、前記横
架材の縦穴より挿入して前記接合金物部材の先端に係合
せしめ、前記楔導入路に楔を差し込むことにより、前記
楔受材または楔の側面で前記縦穴の内壁を押して前記横
架材の端部を前記柱の接合溝部に接合するように構成さ
れている。また、本発明における前記接合金物部材は、
両端にネジを有する第1接合金具と、前記第1接合金具
を前記柱等の貫通穴または有底穴に仮に固定する仮固定
手段と、前記第1接合金具の両端のネジに螺合する第1
反力ボルト手段とからなり、前記楔受材は、中央に切欠
溝を有し、前記第1反力ボルト手段に前記切欠溝を嵌合
させ、かつ、その側面を前記第1反力ボルト手段の頭部
に係合させ、前記楔は、中央に切欠溝を有し、前記楔受
材の楔導入路に差し込むと同時に前記第1反力ボルト手
段に前記切欠溝を嵌合させるよう構成されている。さら
に本発明における前記第1接合金具は、前記ネジの軸に
対し直角方向に結合穴を有し、前記結合穴に結合する第
1つなぎボルト材と、前記第1つなぎボルト材に螺合す
る、両端にネジを有する長棒形状の第2接合金具と、前
記第2接合金具の端部のネジに螺合する第2反力ボルト
手段を有し、少なくとも4本の横架材を緊定可能に構成
されている。さらには本発明における前記接合金物部材
は、一端面、両端面または前記両端面に加えて直角方向
の少なくとも一端面もしくは両端面にそれぞれネジ部を
有するジョイント部材と、前記ジョイント部材のネジに
螺合する第2つなぎボルト材と、前記第2つなぎボルト
材の一端に螺合する反力ナット手段とからなり、前記
受材は、中央に切欠溝を有し、前記第2つなぎボルト材
に前記切欠溝を嵌合させ、かつ、その側面を前記反力ナ
ット手段に係合させ、前記楔は、中央に切欠溝を有し、
前記楔受材の楔導入路に差し込むと同時に前記第2つな
ぎボルト材に前記切欠溝を嵌合させるように構成されて
いる。また、本発明における前記楔は、1以上の楔部分
より構成されている。前記第2目的を達成するために本
発明による建築仕口接合方法は、木造建築における仕口
またはその他の接合部分を緊結する接合方法において、
柱に接合溝部を形成し、前記接合溝部底面中心より側部
に向けて貫通穴または有底穴を形成する柱加工工程と、
前記柱に接合する横架材の先端を、前記接合溝部に相補
的に結合する突出部を形成し、前記突出部の突出部面中
心から軸方向に横穴を形成するとともに側面より前記横
穴に連通する縦穴を形成する横架材加工工程と、接合金
物部材を前記柱の貫通穴または有底穴に挿入して固定す
る接合金物部材取付工程と、前記柱に取り付けた接合金
物部材に対し前記横架材の横穴を嵌挿し、前記縦穴より
楔受材を挿入して前記楔受材を前記接合金物部材の先端
に係合させる楔受材取付工程と、前記楔受材の楔導入路
に楔を差し込んで打ち込む楔差込工程と、前記楔はその
頭部を前記横架材の上面より突出した状態とし、仕口部
に隙間が生じた場合にはその頭部を叩いて打ち込む楔打
込工程と、から構成されている。
【0006】
【作用】上記構成によれば、柱および横架材の下面およ
び側面からは一切金物が見えないデザインにできる。ま
た、従来工法における仕口の加工をより簡略化できる。
さらに楔の打ち込みにより楔受材または楔が拡張して仕
口材を締め付け、楔に生じるスプリングバックが各部材
に有効に働き、仕口接合部における高い強度と剛性を確
保することができる。木材の収縮に応じ取付後も楔をさ
らに打ち込むことにより幾度となく、さらに締め付ける
ことができ、強い耐力を持続することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態をに詳しく説明する。図1は 本発明による建
築仕口接合金物組体の第1の実施の形態を示す平面図で
ある。図2は、図1のA−A断面図である。図4は図1
の建築仕口接合金物組体を形成する各部材の斜視図であ
る。この実施の形態は柱7に4つの横架材8A,8B,
8Cおよび8Dを接合する例である。図4において、第
1および第2の反力ボルト手段として用いられる反力ボ
ルト4(4個),第1接合金具であるターンバックル5
(1個),第2接合金具であるターンバックル13,1
4(2個),第1つなぎボルト材であるつなぎボルト1
5(1個)およびナット12(4個)より接合金物部材
が構成される。これにそれぞれ4個の楔1および楔受材
であるフィラー2を組み込むことにより接合金物組体が
形成される。
【0008】楔1は先端方向に徐々に薄くなっており、
反力ボルト4と嵌合するための切欠溝12 を有してい
る。楔1の上面11 の両端は円弧状となっている。楔受
材であるフィラー2は2つのフィラー部21 ,22 より
なり、その間が楔導入路23 となる。各フィラー部2
1 ,22 には楔1と同様にそれぞれ切欠溝24,25
形成されている。フィラー2の上面26 ,27 は楔1を
楔導入路23 に差し込んだとき、全体として円形となる
ような形状である。第1接合金具であるターンバックル
5は、両端に雌ネジ51 ,52 が形成され、中央につな
ぎボルト15を結合するための雌ネジ53 を有してい
る。また、仮止めピンを取り付けるための穴54 ,55
を有している。
【0009】ターンバックル13,14は両端にそれぞ
れ雌ネジ131 ,141 ,132 ,142 を有し、その
一方の雌ネジはターンバックル5の雌ネジ53 に螺合し
たつなぎボルト15の両端の雄ネジに螺合する。反力ボ
ルト4は、頭部41 ,中間部42 およびネジ部43 より
なり、中間部42は楔1およびフィラー2が嵌合したと
き回転させないため、および建方時のスプリングワッシ
ャ4aの抜け防止のための平面部44 を有している。ま
た、反力ボルト4にはフィラー2を常時、押圧するため
のスプリングワッシャ4aが装着されている。ターンバ
ックル13,14の他方の雌ネジには反力ボルト15の
雄ネジ43 が螺合し、ナット12によって反力ボルト1
5の長さを調整して固定することができる。
【0010】図1は接合金物組体が柱7および横架材8
A,8B,8Cおよび8Dに組み込まれた状態が示され
ている。接合金物組体により接合された状態では、柱7
の各側面に形成された接合溝である柱切欠部9A,9
B,9Cおよひ9Dに各横架材8A,8B,8Cおよび
8Dの端部に形成されている突出部17A,17B,1
7Cおよび17Dが密着結合されている。突出部17
A,17B,17Cおよび17Dの長さは、柱切欠部9
A,9B,9Cおよひ9Dの深さに比較し少し短い。タ
ーンバックル5は貫通穴19に挿通された後、仮止めピ
ン6A,6Bによって仮に固定される。この状態でつな
ぎボルト15がターンバックル5の雌ネジ53に螺合さ
れ、ターンバックル13,14の他方の雌ネジがつなぎ
ボルト15に螺合されて柱7に対し位置が決められて取
り付けられる。
【0011】各横架材8A,8B,8Cおよび8Dの縦
穴10A,10B,10Cおよび10D,横穴の縦穴付
近に組み込まれる反力ボルト4A,4B,4Cおよび4
D,ナット12A,12B,12Cおよび12D,楔1
A,1B,1Cおよび1Dならびにフィラー2A,2
B,2Cおよび2Dの、A,B,CおよびDの各部材構
成は全て同一であるので、横架材8Aに組み込まれた部
分を代表して説明する。図2において、反力ボルト4A
の長さは縦穴10の部分に位置づけされるように調整さ
れ、ナット12Aによって固定される。
【0012】フィラー2Aが縦穴10Aに差し込まれ、
切欠溝24 ,25 が反力ボルト4Aに嵌合する。このと
き、反力ボルト4Aはその平面部44 が側面を向くよう
に調整されているので、切欠溝24 ,25 に対し回転す
ることはない。つぎに楔1Aが差し込まれ、フィラー2
Aの楔導入路23 に誘導され、切欠溝1 2 が反力ボルト
4Aに嵌合する。楔1Aの頭部が横架材8Aの上面より
相当突出している状態で止まり、楔1Aの上面を木づち
などで叩くことにより、少しずつ押し込まれ、その結
果、楔1Aの側面がフィラー2Aの内壁を押し、さらに
フィラー2Aの外壁が縦穴10Aの内壁を押すことによ
り横架材8Aの突出部17Aを柱7の接合溝9Aに、よ
り密着結合させることができる。
【0013】ここで横架材8A,8Bに打ち込まれた楔
1A,1Bを互いに調節しながら、さらに打ち込むこと
によりフィラー2A,2Bが拡張し、ボルトネジ3A,
3Bにより長さを調節された反力ボルト4A,4Bがフ
ィラー2A,2Bに生じる応力に対応して強固に締め付
ける。このとき、楔1A,1Bにスプリングバックが生
じ、さらに打ち込むことにより高い強度と剛性が得られ
こととなる。
【0014】図3は、図1の建築仕口接合金物組体によ
り接合された建築仕口の斜視図である。各縦穴10A,
10B,10Cおよび10Dより林立している各楔1
A,1B,1Cおよび1Dを打ち込むことにより各横架
材8A,8B,8Cおよび8Dを柱7側に押し、仕口を
隙間なく密着接合することができる。楔1A,1B,1
Cおよび1Dが林立している面は各横架材10A,10
B,10Cおよび10Dの上面となるため、下方からは
視界の範囲外となる。
【0015】図5は、本発明による建築仕口接合金物組
体の第2の実施の形態を示す各部材の斜視図である。接
合金物部材は、第1接合金具であるクロスジョイント2
8(1個),第1つなぎボルト手段となるつなぎボルト
26(2個),第2接合金具であるターンバックル25
(4個),仮固定手段である仮止め金具27(2個),
アジャストワッシャ29(4個),第1および第2反力
ボルト手段である反力ボルト24(4個)およびナット
32(4個数)より接合金物部材が構成される。これに
それぞれ4個の楔21および楔受材であるフィラー22
を組み込むことにより接合金物組体が形成される。楔2
1は、楔1とほぼ同じ構成であるが、上面211 が矩形
状になっており、接触面積を増大させて接触面を安定化
させている点で異なっている。フィラー22は、2つの
フィラー部221 ,222 よりなり、その間が楔導入路
223 となる。フィラー22は楔と同様でフィラー部2
とは上面224 ,225が矩形状になっている点で異な
っている。
【0016】クロスジョイント28は、雄ネジ282,
3 を有しており、雄ネジ282,28 3 に対し直角方向
に雌ネジ281 が形成されている。ターンバックル2
5,反力ボルト24,スプリングワッシャ24c,つな
ぎボルト26,ナット32は、ターンバックル13,1
4,反力ボルト4,スプリングワッシャ4a,つなぎボ
ルト15,ナット12と同じ構成である。アジャストワ
ッシャ29は、木やせにより隙間が生じたとき、さらに
挿入することによりその隙間を調整するためのものであ
る。仮止め用金具27は予めターンバックル25に装着
され、組み立てのときに横架材を固定する仮止めに使用
するためのものである。
【0017】図6は、図5の各部材が組み立てられる接
合金物部材の分解斜視図である。クロスジョイント28
の雄ネジにターンバックル25を螺合し、さらに反力ボ
ルト24を螺合し長さを調整した後、ナット32で固定
する。一方、クロスジョイント28につなぎボルト26
を螺合し、これに仮止め用金具27を通したターンバッ
クル25を螺合させ、反力ボルト24を螺合し長さを調
整した後、ナット32で固定する。
【0018】図7は、図5の各部材が組み立てられた接
合金物組体を用いた建築仕口の斜視図である。柱34に
対し横架材33C,33Dは既に接合密着状態であり、
横架材33A,33Bは、その横穴が、接合金物部材の
反力ボルト24が取り付けられたターンバックル25に
嵌挿されている状態を示している。
【0019】図8は、本発明による建築仕口接合金物組
体の第3の実施の形態を示す平面図およびB−B断面図
である。この実施の形態は、ジョイント部材として孔が
+形のジョイントを用いたもので、十字方向に長いつな
ぎボルトを用い、つなぎボルトの一端側に反力ナットを
螺合したことを特徴としている。柱36は十字方向に貫
通穴が開けられ、4つの側面にはそれぞれ柱切欠部36
A,36B,36Cおよび36Dが設けられる。+形の
ジョイント44の両面からつなぎボルト40A,40B
を螺合させる。つなぎボルト40A,40Bの他端側の
ネジ部には反力ナット41A,41Bが螺合させられ
る。柱36の貫通穴の中央に+形のジョイント44を挿
入し、つなぎボルト35を中央部まで挿通しつなぎボル
ト35の両端に反力ナットを螺合する。
【0020】図9は、図8の楔38B部分の詳細を説明
するための平面図,C−C断面図およびD−D断面図で
ある。横架材47Bの横穴46Bがつなぎボルト40B
に嵌挿される。横架材47Bの突出部を柱切欠部36B
に嵌合させ、ほぼ密着する位置まで押し込んだとき、反
力ナット41Bは図9に示す位置となる。この状態で、
フィラー39Bを差し込み、つなぎボルト40Bに嵌合
させてフィラー39Bの側面を反力ナット41Bに密接
させる。そして、第1楔38B1 を挿入しつなぎボルト
40Bに嵌合させる。第1楔38B1 はその頭部が縦穴
45Bの中に沈む位置まで進んで止まる。フィラー39
Bと第1楔38B1 の間に第2楔38B2 を差し込み、
その頭部を木ずち等で叩いて第1楔38B1 の側面が縦
穴45Bの内壁を押圧することにより横架材47Bの仕
口は密着接合する。第2楔38B2 はその頭部が横架材
47Bの上面より突出した状態となっており、後日、仕
口部分に隙間が生じた場合にはその頭部を叩くことによ
り隙間を解消し、常に仕口を密着接合した状態に保持す
ることが可能となる。
【0021】図10は、ジョイント部材の他の実施の形
態を示す部分平面図である。(a)はジョイント部材を
L形ジョイントとして、(b)はT形ジョイントとして
用いた例である。+形ジョイントとして用いるジョイン
ト部材を流用することができ、かかる場合、打込み固定
金具溝511 ,601 がジョイントの上下面になるよう
な方向で使用される。(a)において、柱50には、互
いに直角方向の2方向に接合溝部501 ,50 2 が形成
され、さらにジョイントを収容する穴503 ,504
穿設される。ジョイント51につなぎボルト53を螺合
し、穴504 にジョイント51を差し込み、穴503
りつなぎボルト52を螺合させ、L形ジョイントを形成
する。
【0022】つなぎボルト52にはU字形の予め打込み
固定金具61が貫通穴611 によって挿通されているの
で、つぎに打込み固定金具61を打ち込んでジョイント
51がつなぎボルト53方向に抜けないように固定す
る。(b)において、柱55には、3つの側面に接合溝
部551 ,552 ,553 が形成され、さらにジョイン
トを収容する穴554 ,555 が穿設される。ジョイン
ト60につなぎボルト57,58を螺合し、穴555
ジョイント60を差し込み、穴554 よりつなぎボルト
59を螺合させ、T形ジョイントを形成する。
【0023】つなぎボルト59にはU字形の予め打込み
固定金具61が貫通穴611 によって挿通されているの
で、打込み固定金具61を打ち込んでジョイント51が
つなぎボルト57,58方向に動かないように固定す
る。このように横架材の数によって第3接合金具である
ジョイントを+形,T形,またはL形に形成することが
できる。第1,第2実施形態も同様に+形,T形,また
はL形に形成できることは勿論である。
【0024】図11A,図11Bは本発明による建築仕
口接合方法の実施の形態を示す図で、接合金物部材を組
み立て、楔,楔受材により横架材を接合する工程を説明
するための図である。この工程には図5,図6の第2の
実施の形態の接合金具組体を構成する各部材を用いてい
る。予めクロスジョイント28,仮止め金物27,ター
ンバックル25,反力ボルト24,ナット32を1)に示
すように組み立てる。柱径に合わせてボルト長さを目印
に従って調節する。図8の第3実施形態では、41Bに
溝が付いてあり、梁などに挿入後も微調整ができるよう
改善している。
【0025】つぎにクロスジョイント28,ターンバッ
クル25,反力ボルト24,ナット32で組み立てたも
のを2)に示すように柱の一方側(左側)から柱の接合
溝,穴に差し込む。このとき反力ボルト24の潰した平
面が側面にくるようにセットする。また、予め仮止め用
金具27をターンバックル25に装着しておく。ついで
柱の左側から予め仮止め用金具27を装着したターンバ
ックル25,反力ボルト24,ナット32で組み立てた
ものを3)に示すように差し込み、クロスジョイント28
のネジ部にターンバックル25の雌ネジを螺合して締め
つける。このとき、クロスジョイント28は柱の穴の中
心に位置する。
【0026】さらに、つなぎボルト26,ターンバック
ル25,反力ボルト24,ナット32で組み立てたもの
を前側面および後側面側から4)に示すようにそれぞれ差
し込み、クロスジョイント28のネジ部にターンバック
ル25の雌ネジを螺合して締めつける。このとき反力ボ
ルトのつぶした平面が側面になるように向きを確認す
る。5)は柱に接合金物部材を取り付けた状態を示してい
る。この例の仕口は4方向であるが、T形,L形の場合
には出隅キャップを取り付ける。なお、反力ボルトに楔
21,フィラー22を仮に嵌合させた状態を示してい
る。
【0027】つぎに横架材である梁を接合する工程に移
る。6)に示すように左手梁を挿入し、フィラー22,楔
21を縦穴に差し込み、楔を軽く叩き、仮止めとする。
同様に右手梁も挿入する。フィラー22およひ楔21が
正しくセットされていることを確認し、双方のバランス
を見ながら右手梁の楔を打ち込む。このときフィラーの
向きには注意を要する(7))。左右梁の密着接合が終了
すると、つぎに前後の梁についても6)と同様、前後の梁
を差し込みフィラー22および楔21を正しくセット
し、双方のバランスを見ながら楔21を打ち込む
(8))。何度でも打てるように楔21は全部打ち込まな
いようにする。木やせを考慮し、建方後1カ月を目安
に、再度楔21を打ち込み。その後も何度となく調整が
可能である(9))。
【0028】以上、各実施の形態について説明したが、
金物の形状については上記部材のみでなく、バランス良
く、引っ張りに対応できる部材ならば他の形状も可能で
ある。例えば、角棒,平鋼,パイプなどである。また、
楔の形状について、その表面にフィラーを設けて楔の抜
けを防止するように構成することもできる。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に示す種々の効果を有する。柱および
梁,桁等の横架材の内部に接合金具部材を仕込むことに
より横架材の下面および両側面に金物が一切露出しない
ため、木質感を損なうことなく、木構造における仕口接
合金物として高い意匠性を可能とした。また、単純同一
加工形態のため、建方の効率手順が良く、かつ、建方全
体の様子を調整しながら建方作業ができる。楔の打ち込
みにより、フィラー2が拡張し、部材を強固に締め付
け、それによって楔に生じるスプリングバックが各部材
に有効に働き、非常に高い剛性と強度を確保するととも
に楔を打ち込むことにより、何度でも締め付け、調整が
可能となり、強い耐力を長く持続することができる。統
一された仕口の加工および取付方法により、初めてでも
容易に施工でき、作業性,施工性に優れている。また、
特殊な工具を一切必要としないため従来の工具で施工で
きる。楔の打ち込みによる部材の締め付けは、伝統的手
法に基づいており、そのため職人からの信頼性も高くな
る。木造軸組における仕口部の断面欠損を最小限に抑え
ることができ、構造材としての強度を確保することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による建築仕口接合金物組体の第1の実
施の形態を示す平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の建築仕口接合金物組体により接合された
建築仕口の斜視図である。
【図4】図1の建築仕口接合金物組体を形成する各部材
の斜視図である。
【図5】本発明による建築仕口接合金物組体の第2の実
施の形態を示す各部材の斜視図である。
【図6】図5の各部材が組み立てられる接合金物部材の
分解斜視図である。
【図7】図5の各部材が組み立てられる接合金物組体を
用いた建築仕口の斜視図である。
【図8】本発明による建築仕口接合金物組体の第3の実
施の形態を示す平面図およびB−B断面図である。
【図9】図8の楔部分の詳細を説明するための平面図,
C−C断面図およびD─D断面図である。
【図10】ジョイント部材の他の実施の形態を示す部分
平面図である。
【図11A】本発明による建築仕口接合方法の実施の形
態を示す図で、接合金物部材と楔,楔受材を組み立てる
工程を説明するための図である。
【図11B】本発明による建築仕口接合方法を実施の形
態を説明するための図で、横架材を接合する工程を説明
するための図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,21,21A,21B,
21C,21D,38A,38B…楔 2,2A,2B,2C,2D,22,39A,39B…
フィラー(楔受材) 3A,3B,3C,3D…ボルトネジ 4,4A,4B,4C,4D,24…反力ボルト 5…ターンバックル(第1接合金具) 6A,6B…仮止めピン 7,34,36,50,55…柱 8A,8B,8C,8D,33A,33B,33C,3
3D,37A,37B,37C,37D,47B…横架
材(梁,桁,土台など) 9A,9B,9C,9D…柱切欠部(接合溝部) 10A,10B,10C,10D,45A,45B…横
架材縦穴 11,46A,46B…横架材横穴 12A,12B,12C,12D…ナット 13,14…ターンバックル(第2接合金具) 15,26,40A,40B,52,57,58,59
…つなぎボルト 16A,16B,16C,16D…接合金具ネジ部 17A,17B,17C,17D…突出部 18,19…貫通穴 25…ターンバックル 27…仮止用金具 28…クロスジョイント 29…アジャストワッシャ 35…通しボルト 41A,41B…反力ナット 44,55,60…ジョイント(ジョイント部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/26 E04B 1/38 - 1/61

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木造建築における仕口またはその他の接
    合部分を緊結する接合金物において、柱等の側面に接合
    溝部を設け、前記柱等の接合溝部の底面から側部に向け
    て貫通穴または有底穴を設けるとともに前記横架材の端
    部から略軸方向に横穴を設け、さらに横架材の側面から
    前記横穴に連通する縦穴を設け、前期貫通穴または有底
    穴に接合金物部材を挿通した後、前記挿通した接合金物
    部材の端部に対し前記横架材の横穴を嵌挿し、楔導入路
    を形成する楔受材を、前記横架材の縦穴より挿入して前
    記接合金物部材の先端に係合せしめ、前記楔導入路に楔
    を差し込むことにより、前記楔受材または楔の側面で前
    記縦穴の内壁を押して前記横架材の端部を前記柱の接合
    溝部に接合するように構成し、さらに前記楔はその頭部
    を前記横架材の上面より突出した状態とし、仕口部に隙
    間が生じた場合にはその頭部を叩くことにより常に仕口
    を密着接合した状態を保持することを可能としたことを
    特徴とする建築仕口接合金物組体。
  2. 【請求項2】 前記接合金物部材は、両端にネジを有す
    る第1接合金具と、前記第1接合金具を前記柱等の貫通
    穴または有底穴に仮に固定する仮固定手段と、前記第1
    接合金具の両端のネジに螺合する第1反力ボルト手段と
    からなり、前記楔受材は、中央に切欠溝を有し、前記第
    1反力ボルト手段に前記切欠溝を嵌合させ、かつ、その
    側面を前記第1反力ボルト手段の頭部に係合させ、前記
    楔は、中央に切欠溝を有し、前記楔受材の楔導入路に差
    し込むと同時に前記第1反力ボルト手段に前記切欠溝を
    嵌合させるように構成したことを特徴とする請求項1記
    載の建築仕口接合金物組体。
  3. 【請求項3】 前記第1接合金具は、前記ネジの軸に対
    し直角方向に結合穴を有し、前記結合穴に結合する第1
    つなぎボルト材と、前記第1つなぎボルト材に螺合す
    る、両端にネジを有する長棒形状の第2接合金具と、前
    記第2接合金具の端部のネジに螺合する第2反力ボルト
    手段を有し、少なくとも4本の横架材を緊定可能に構成
    したことを特徴とする請求項2記載の建築仕口接合金物
    組体。
  4. 【請求項4】 前記接合金物部材は、一端面、両端面ま
    たは前記両端面に加えて直角方向の少なくとも一端面も
    しくは両端面にそれぞれネジ部を有するジョイント部材
    と、前記ジョイント部材のネジに螺合する第2つなぎボ
    ルト材と、前記第2つなぎボルト材の一端に螺合する反
    力ナット手段とからなり、前記楔受材は中央に切欠溝を
    有し、前記第2つなぎボルト材に前記切欠溝を嵌合さ
    せ、かつ、その側面を前記反力ナット手段に係合させ、
    前記楔は、中央に切欠溝を有し、前記楔受材の楔導入路
    に差し込むと同時に前記第2つなぎボルト材に前記切欠
    溝を嵌合させるように構成したことを特徴とする請求項
    記載の建築仕口接合金物組体。
  5. 【請求項5】 前記楔は、1以上の楔部分からなること
    を特徴とする請求項1、2、3または4記載の建築仕口
    接合金物組体。
  6. 【請求項6】 木造建築における仕口またはその他の接
    合部分を緊結する接合方法において、柱に接合溝部を形
    成し、前記接合溝部底面中心より側部に向けて貫通穴ま
    たは有底穴を形成する柱加工工程と、前記柱に接合する
    横架材の先端を、前記接合溝部に相補的に結合する突出
    部を形成し、前記突出部の突出部面中心から軸方向に横
    穴を形成するとともに側面より前記横穴に連通する縦穴
    を形成する横架材加工工程と、接合金物部材を前記柱の
    貫通穴または有底穴に挿入して固定する接合金物部材取
    付工程と、前記柱に取り付けた接合金物部材に対し前記
    横架材の横穴を嵌挿し、前記縦穴より楔受材を挿入して
    前記楔受材を前記接合金物部材の先端に係合させる楔受
    材取付工程と、前記楔受材の楔導入路に楔を差し込んで
    打ち込む楔差込工程と、前記楔はその頭部を前記横架材
    の上面より突出した状態とし、仕口部に隙間が生じた場
    合にはその頭部を叩いて打ち込む楔打込工程と、から構
    成したことを特徴とする接合金物組体による建築仕口接
    合方法。
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