JP6565201B2 - シート状積層材料、多層配線板および多層配線板の製造方法 - Google Patents

シート状積層材料、多層配線板および多層配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多層配線板内にコンデンサを形成するためのシート状積層材料、これを用いた多層配線板、および多層配線板の製造方法に関する。
多層配線板にはコンデンサをはじめとする種々の素子が存在するが、近年、多層配線板の薄型化・小型化の要求があり、これらの素子を多層配線板内に内蔵する技術が注目されている。コンデンサを内蔵する手法としては、チップコンデンサなどの素子としてコンデンサを多層配線板内に埋め込む手法と、多層配線板内に高誘電率の層を形成することにより、この層を積極的にコンデンサの誘電体層として用いる手法との、2つに大別できる。一般的に、コンデンサは、電極面積が大きく、誘電体層の厚さが薄い方が、静電容量が大きくなり、高性能になる。したがって、誘電体層を容易に薄層化できる後者の手法によるコンデンサ(なお、本明細書では「薄層コンデンサ」とも称する。)が注目されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、誘電体層の厚さが薄ければ薄いほど、安定に静電容量を発現するコンデンサを作ることは難しく、工程も複雑になるなどの問題があった。
特開2008−274002号公報
上記の事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、多層配線板内に、静電容量のバラツキの少ない薄層コンデンサの形成を可能にするシート状積層材料、並びに、該シート状積層材料により形成される薄層コンデンサを内蔵する多層配線板およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、特定硬度および特定厚さを有する誘電体層に特定厚さの接着材層を積層したシート状積層材料であれば、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含むものである。
[1] 支持体層、
該支持体層上に鉛筆硬度が3B以上の硬度を有する誘電体層、および
該誘電体層上に接着材層、
を有するシート状積層材料であって、
該誘電体層の厚さが0.1μm以上、10μm未満であり、該接着材層の厚さが1μm以上、10μm未満である、シート状積層材料。
[2] 誘電体層が、エポキシ樹脂、硬化剤および誘電体粉末を含む熱硬化性樹脂組成物により形成される、上記[1]記載のシート状積層材料。
[3] 誘電体層の貯蔵弾性率(25℃)が4〜12GPaである、上記[1]又は[2]記載のシート状積層材料。
[4] 誘電体層の比誘電率が10〜100である、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のシート状積層材料。
[5] 接着材層が、エポキシ樹脂および硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物により形成される、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のシート状積層材料。
[6] 接着材層の100℃での溶融粘度が100000poise以下である、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のシート状積層材料。
[7] 誘電体層の比誘電率≧接着材層の比誘電率の関係を満たす、上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のシート状積層材料。
[8] 接着材層の比誘電率×1.2≧誘電体層の比誘電率≧接着材層の比誘電率の関係を満たす、上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のシート状積層材料。
[9] 誘電体層の比誘電率=接着材層の比誘電率の関係を満たす、上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のシート状積層材料。
[10] 支持体層が、金属箔または金属蒸着フィルムからなる、上記[1]〜[9]のいずれか1つに記載のシート状積層材料。
[11] 支持体層が、プラスチックフィルムまたは離型紙からなる、上記[1]〜[9]のいずれか1つに記載のシート状積層材料。
[12] 多層配線板内のコンデンサ形成用である、上記[1]〜[11]のいずれか1つに記載のシート状積層材料。
[13] 上記[1]〜[11]のいずれか1つに記載のシート状積層材料を、接着材層を回路基板側とし、加熱及び加圧することにより回路基板に積層する積層工程含をむ、多層配線板の製造方法。
[14] シート状積層材料の支持体層が金属箔または金属蒸着フィルムである場合は、該金属箔または金属蒸着フィルムを用いて電極を形成し、支持体層がプラスチックフィルムまたは離型紙である場合は、支持体層を剥離後、誘電体層上に電極を形成する、電極形成工程をさらに含む、上記[13]記載の多層配線板の製造方法。
[15] 上記[1]〜[11]のいずれか1つに記載のシート状積層材料を用いて得られる多層配線板。
[16] シート状積層材料の誘電体層と接着材層とが対向する電極の間に介在することで形成されるコンデンサの静電容量が25〜1000pFである、上記[15]記載の多層配線板。
なお、本発明で言う「シート状積層材料」とは、外観がシート状を呈し、かつ、被積層物(例えば、回路基板等)に積層して使用されるものであることを意味する。
本発明のシート状積層材料は、特定硬度および特定厚さを有する誘電体層に特定厚さの接着材層が積層された構成のシート状物であることから、これを多層配線板の層形成用材料として用いることにより、大きな静電容量を有するコンデンサを内蔵した多層配線板を、コンデンサの静電容量のバラツキを抑えて製造することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のシート状積層材料は、支持体層、該支持体層上に鉛筆硬度3B以上の硬度を有する誘電体層、および該誘電体層上に接着材層を有し、該誘電体層の厚さが0.1μm以上、10μm未満であり、該接着材層の厚さが1μm以上、10μm未満であることが主たる特徴である。また、本発明は、かかるシート状積層材料を用いて得られる薄層コンデンサを内蔵する多層配線板およびその製造方法を提供する。
[シート状積層材料]
本発明のシート状積層材料は、支持体層、支持体層上の誘電体層、および誘電体層上の接着材層を少なくとも有する。
支持体層
支持体層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィンのフィルム、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルのフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルムなどの各種プラスチックフィルム、離型紙、銅箔およびアルミニウム箔等の金属箔、または、離型処理が施された剥離性プラスチックフィルムに金属蒸着層(例えば銅蒸着層等)が形成された金属蒸着フィルムが挙げられる。支持体層には、マット処理、コロナ処理等の表面処理が施してあってもよい。また、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等の離型剤で離型処理が施してあってもよい。支持体層が、金属箔、金属蒸着フィルムである場合、金属箔、金属蒸着層はコンデンサの一方の電極を形成し得る。
プラスチックフィルムの厚さは特に限定されないが、10〜150μmが好ましく、25〜50μmがより好ましい。
金属箔は、特に銅箔が好適であり、銅箔としては、電解銅箔、圧延銅箔等の他、キャリア付きの極薄銅箔などを用いることができる。銅箔の厚さは9〜35μmが好ましく、より好ましくは12〜18μmである。キャリア付きの極薄銅箔における極薄銅箔の厚さは1〜5μmが好ましい。また、金属蒸着フィルムの場合、蒸着層の厚さは通常100Å〜5000Åである。
支持体層が金属箔である場合、金属箔は投錨効果による接着強度向上をはかるために、誘電体層が形成される面が粗化処理されていることが好ましい。粗化処理の方法は特に限定されないが、金属箔が銅箔である場合、例えば、エッチングにより粗化する方法や、硫酸銅水溶液に銅箔を浸漬し、電気分解により銅を析出させて、微細な銅粒子を銅箔表面に形成する方法等の公知の方法が挙げられる。また、表面粗化処理の後、防錆処理を施したり、クロメート処理や黒化処理などの樹脂との接着性を向上させる処理を施したりしてもよい。伝送損失を抑制する観点から、銅箔の表面粗度(Rz)は6.0μm以下が好ましく、より好ましくは4.0μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下である。なお、表面粗度(Rz)は、JIS B 0601−1994「表面粗さの定義と表示」の十点平均粗さ(Rz)で定義される。
銅箔は市販されているものをそのまま使用でき、例えば、JTC−LP箔、JTC−AM箔(いずれもJX日鉱日石金属(株)製)、GTS−MP箔、F2−WS箔(いずれも古河電気工業(株)製)等が挙げられる。
誘電体層
誘電体層は、鉛筆硬度が3B以上の硬度を有し、かつ、厚さが0.1μm以上、10μm未満の層であり、誘電体層の構成材料は、かかる硬度および厚さを有する層を形成し得る絶縁性材料であれば特に制限されない。誘電体層は、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、誘電体粉末を含む熱硬化性樹脂組成物(以下、単に「硬化性樹脂組成物」または「樹脂組成物」とも略称する。)により形成することができる。
誘電体層は厚さが0.1μm以上、10μm未満の範囲にあることで、多層配線板内に十分な静電容量のコンデンサを形成すること可能となる。誘電体層の厚さは好ましくは、1〜8μmであり、より好ましくは4〜5μmである。
また、誘電体層の鉛筆硬度が3B以上であることで、シート状積層材料の被積層対象物への積層工程において、誘電体層の厚さの変動が抑制されて一様な厚さが確保される。このため、本発明のシート状積層材料を用いた多層配線板の製造方法において、最終的に多層配線板内に形成されるコンデンサの静電容量にバラツキが生じにくくなる。誘電体層の鉛筆硬度の上限は特に制限されないが、シート状積層材料の取り扱いの観点から3H以下が好ましい。誘電体層の鉛筆硬度はより好ましくは2B以上、2H以下、特に好ましくはBである。なお、誘電体層の鉛筆硬度はJIS K 5600−5−4の試験方法に従って測定することができる。
また、本発明のシート状積層材料において、誘電体層は、多層配線板内に形成されるコンデンサの単位面積当たりの静電容量の確保の観点から、比誘電率が10以上であることが好ましく、より好ましくは15以上であり、特に好ましくは20以上である。また、形成するコンデンサの自己共振周波数をGHz帯域にする観点から、比誘電率が100以下であることが好ましく、より好ましくは70以下であり、特に好ましくは50以下である。ここで、比誘電率は、空洞共振法による測定周波数5.8GHzでの測定値である。比誘電率の測定装置としては、例えば、関東応用電子開発(株)製空洞共振器摂動法誘電率測定装置CP521、アジレントテクノロジー(株)製ネットワークアナライザーE8362B等を用いることができる。
誘電体層が、エポキシ樹脂、硬化剤および誘電体粉末を含む熱硬化性樹脂組成物により形成される場合、誘電体層の鉛筆硬度は、エポキシ樹脂の種類、熱硬化性樹脂組成物の硬化条件、熱硬化性樹脂組成物中の誘電体粉末の含有率等を変更することによって調整することができる。誘電体層の鉛筆硬度を高めるには、具体的には、1)ナフタレン骨格、ビフェニル骨格、トリアジン骨格、フルオレン骨格などの剛直な骨格を有するエポキシ樹脂を使用すること、2)硬化物の硬化度を高めること、3)誘電体粉末の含有率を多くすること、等が効果的である。
エポキシ樹脂、硬化剤および誘電体粉末を含む熱硬化性樹脂組成物により誘電体層を形成する場合、例えば、かかる熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に溶解乃至分散させてワニス状態とし、該ワニス状態の樹脂組成物を支持体層上に塗布し、加熱や熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて硬化性樹脂組成物層とし、これを熱硬化させることで形成することができる。ここで、熱硬化性樹脂組成物には、高分子樹脂、硬化触媒、その他の任意成分を含むことができる。熱硬化による硬化性樹脂組成物層の硬化の程度は、熱硬化後の硬化性樹脂組成物層の鉛筆硬度が3B以上となればよく、硬化性樹脂組成物層が必ずしも完全硬化(Cステージ)状態になっていなくてもよく、少なくとも半硬化(Bステージ)状態になっていればよい。
また、誘電体層は、ポリビニルアセタール樹脂などのバインダー樹脂および誘電体粉末を含む樹脂組成物を有機溶剤に溶解させてワニス状態とし、該ワニス状態の樹脂組成物を支持体層上に塗布し、加熱や熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて樹脂組成物層とし、これを脱バインダー処理、焼成させることで形成することもできる。
本発明において、エポキシ樹脂とは、1分子中に二つ以上のエポキシ基を有し、エポキシ当量が、6000以下である熱硬化性樹脂を意味する。エポキシ樹脂は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、後述の高分子樹脂の一例であるフェノキシ樹脂はエポキシ樹脂と同様にエポキシ基を有し得るが、エポキシ当量が6000を超える熱可塑性樹脂であり、エポキシ樹脂と区別される。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは2000以下であり、より好ましくは80〜1000、特に好ましくは100〜800である。
エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は1種又は2種以上を使用することができる。
硬化剤は、特に限定されないが、誘電体層の絶縁信頼性、機械強度発現の観点から、フェノール系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤および活性エステル系硬化剤から選択される1種又は2種以上を含むことが好ましい。
フェノール系硬化剤としては、特に制限はないが、ビフェニル型硬化剤、ナフタレン型硬化剤、フェノールノボラック型硬化剤、ナフチレンエーテル型硬化剤及びトリアジン骨格含有フェノール系硬化剤から選択される1種又は2種以上を用いることが好ましい。具体的には、ビフェニル型硬化剤である、MEH−7700、MEH−7810、MEH−7851(以上、いずれも明和化成(株)製)、ナフタレン型硬化剤である、NHN、CBN、GPH(以上、いずれも日本化薬(株)製)、SN170、SN180、SN190、SN475、SN485、SN495、SN375、SN395(以上、いずれも新日鐵化学(株)製)、EXB9500(DIC(株)製)、フェノールノボラック型硬化剤であるTD2090(DIC(株)製)、ナフチレンエーテル型硬化剤であるEXB−6000(DIC(株)製)、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤であるLA3018、LA7052、LA7054、LA1356(以上、いずれもDIC(株)製)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。
シアネートエステル系硬化剤としては、特に制限はないが、ノボラック型(フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型など)シアネートエステル系硬化剤、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル系硬化剤、ビスフェノール型(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型など)シアネートエステル系硬化剤、及びこれらが一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、500〜4500が好ましく、600〜3000がより好ましい。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ジシクロペンタジエン構造含有フェノール樹脂等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上を使用できる。市販されているシアネートエステル樹脂としては、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製、PT30S、シアネート当量124)、ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化されて三量体となったプレポリマー(ロンザジャパン(株)製、BA230S、シアネート当量232)、ジシクロペンタジエン構造含有シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製、DT−4000、DT−7000)等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。活性エステル系硬化剤は1種又は2種以上を使用することができる。活性エステル系硬化剤として、具体的には、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含む活性エステル系硬化剤、ナフタレン構造を含む活性エステル系硬化剤、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤等が好ましく、なかでもピール強度の向上に優れるという点で、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含む活性エステル系硬化剤がより好ましい。活性エステル系硬化剤としては、特開2004−277460号公報に開示されている活性エステル系硬化剤を用いてもよく、また市販のものを用いることもできる。市販品としてはジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含むものとして、EXB9451、EXB9460、EXB9460S−65T、HPC8000−65T(以上、いずれもDIC(株)製、活性基当量約223)、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤として、DC808(三菱化学(株)製、活性基当量約149)、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤として、YLH1026(三菱化学(株)製、活性基当量約200)、YLH1030(三菱化学(株)製、活性基当量約201)、YLH1048(三菱化学(株)製、活性基当量約245)等が挙げられる。
ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含む活性エステル系硬化剤として、より具体的には下式(1)の化合物が挙げられる。
Figure 0006565201
(式中、Rはアリール基であり、kは0又は1を表し、nは繰り返し単位の平均で0.05〜2.5である。)
Rのアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられ、硬化物の誘電正接を低下させ、耐熱性を向上させるという観点から、Rはナフチル基が好ましく、一方、kは0が好ましく、また、nは0.25〜1.5が好ましい。
硬化剤は1種又は2種以上を組み合わせて使用でき、硬化剤の含有量は、シート状積層材料の機械強度の発現、耐水性向上等の観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、3〜12質量%が好ましく、5〜9質量%がより好ましい。
また、樹脂組成物において、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数と、硬化剤の反応基の合計数との比は、1:0.2〜1:2が好ましく、1:0.3〜1:1.5がより好ましく、1:0.4〜1:1が更に好ましい。なおエポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、樹脂組成物中に存在する各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、硬化剤の反応基の合計数とは、樹脂組成物中に存在する各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。
誘電体粉末としては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ジルコニウム、チタン酸亜鉛、二酸化チタンなどを挙げることができる。誘電体粉末としては、比誘電率が通常100〜20000、さらには1000〜20000のものを用いるのが好ましい。また、誘電体粉末の平均粒径は0.2〜100μm、さらには0.2〜10μmの範囲であるのが好ましい。
誘電体粉末の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置により、誘電体粉末の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、誘電体粉末を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、株式会社堀場製作所製LA−500等を使用することができる。
誘電体粉末の粒子形状は特に限定されず、破砕された無定形のものでも球形のものでもよいが、球形の誘電体粉末の方が、樹脂組成物への含有量を上げることができ、それによって、より高誘電容量化を図ることができる点で好ましい。
誘電体粉末は、樹脂組成物へのより均一な分散を図る上で、表面処理剤により表面処理されているのが好ましい。表面処理剤としては、シラン系表面処理剤が好ましい。シラン系表面処理剤としては、分子内に二重結合を有するシラン系表面処理剤あるいはアミノ基を有するシラン系表面処理剤が好ましく、例えば、スチリルシラン、ビニルシラン、アクリルシラン、メタクリルシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン等が挙げられる。シラン系表面処理剤としては、特にアクリルシラン、スチリルシランが好ましく、より安価なアクリルシランがさらに好ましい。市場で入手可能なものとしては、KBM5103(信越化学工業(株)製:アクリルシラン)、KBM1403(信越化学工業(株)製:スチリルシラン)、KBM903(信越化学工業(株)製:3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、KBM573(信越化学工業(株)製:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)などが挙げられる。
誘電体粉末は1種又は2種以上を使用できる。樹脂組成物における誘電体粉末の含有割合は、樹脂組成物を100質量%としたとき、好ましくは50質量%〜95質量%、さらに好ましくは60質量%〜80質量%である。
樹脂組成物には、さらに高分子樹脂を含有させることができる。高分子樹脂を含有させることにより、硬化物の機械強度を向上させることができる。また、樹脂組成物を接着フィルムの形態で使用する場合のフィルム成型能を向上させることができる。かかる高分子樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂を挙げることができ、なかでも、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましく、フェノキシ樹脂がより好ましい。高分子樹脂は1種又は2種以上を使用できる。
高分子樹脂の重量平均分子量は8000〜200000の範囲であるのが好ましく、12000〜100000の範囲がより好ましく、20000〜60000の範囲が更に好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレンン換算)で測定される。GPC法による重量平均分子量は、具体的には、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
樹脂組成物に高分子樹脂を配合する場合には、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。この範囲内であると、樹脂組成物のフィルム成型能や硬化物の機械強度向上の効果が発揮される。
樹脂組成物には、さらに硬化促進剤を含有させることにより、エポキシ樹脂と硬化剤を効率的に硬化させることができる。硬化促進剤としては、特に限定されないが、アミン系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、ホスホニウム系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アミン系硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン(以下、DBUと略記する。)などのアミン化合物などが挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
グアニジン系硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1−n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ホスホニウム系硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂組成物に硬化促進剤(金属系硬化促進剤を除く)を配合する場合には、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量100質量部に対して、0.005〜1質量部の範囲が好ましく、0.01〜0.5質量部の範囲がより好ましい。この範囲内であると、熱硬化をより効率的にでき、樹脂ワニスの保存安定性も向上する。
金属系硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体などが挙げられる。有機金属塩としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂組成物に金属系硬化促進剤を配合する場合には、樹脂組成物中の不揮発成分全体当たり、金属系硬化触媒に基づく金属の含有量が25〜500ppmの範囲が好ましく、40〜200ppmの範囲がより好ましい。この範囲内であると、絶縁層表面への密着性により優れる導体層が形成され、樹脂ワニスの保存安定性も向上する。
樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、ビニルベンジル化合物、アクリル化合物、マレイミド化合物、ブロックイソシアネート化合物のような熱硬化性樹脂、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素樹脂パウダー、ゴム粒子等の有機充填剤、シリカ、アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛、酸化アンチモン等の無機充填剤、オルベン、ベントン等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、カーボンブラック等の着色剤、リン系化合物、金属水酸化物等の難燃剤、を挙げることができる。
樹脂組成物は、上記成分を適宜混合し、また、必要に応じて三本ロール、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等の混練手段、あるいはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の撹拌手段により混練または混合することにより調製される。また、樹脂組成物は、上記成分を有機溶剤に溶解乃至分散させることで、樹脂ワニスとして調製することができ、また、有機溶剤を加えることなく調製された樹脂組成物にさらに有機溶剤を加えることで樹脂ワニスとして調製することもできる。
樹脂組成物は、支持体層上に塗布して、樹脂組成物層にし、熱硬化することで誘電体層となる。熱硬化の条件は、樹脂組成物中のエポキシ樹脂の種類、含有量などに応じて適宜選択すればよいが、好ましくは90℃〜220℃で20分〜180分、より好ましくは150℃〜210℃で30〜120分の範囲で選択される。また、2段階以上に分けて熱硬化を行っても良い。なお、前述したように、熱硬化による硬化の程度は、少なくとも半硬化(Bステージ)状態になっていればよいが、十分に高い硬度の発現および耐薬品性の観点から、完全硬化(Cステージ)状態であることが好ましい。
本発明において、誘電体層は貯蔵弾性率(25℃)が4〜12GPaの範囲にあることが好ましく、より好ましくは5〜11GPaの範囲であり、特に好ましくは6〜10GPaである。なお、シート状積層材料における誘電体層が、エポキシ樹脂、硬化剤および誘電体粉末を含む熱硬化性樹脂組成物により形成される場合、かかるシート状積層材料を用いて製造される多層配線板内において、熱硬化性樹脂組成物は完全硬化状態に硬化されていることが必要である。従って、本発明における「誘電体層の貯蔵弾性率」とは、シート状積層材料における誘電体層が、エポキシ樹脂、硬化剤および誘電体粉末を含む熱硬化性樹脂組成物により形成される場合、樹脂組成物が完全硬化(Cステージ)状態にあるときの値であり、樹脂組成物が半硬化(Bステージ)状態の場合は、樹脂組成物を完全硬化(Cステージ)させてから、貯蔵弾性率を測定する。
本発明のシート状積層材料は、これを多層配線板の層形成用材料として用いることにより、誘電体層の多層配線板内の対向する2つの電極に挟まれている部分はコンデンサを成し、それ以外の部分は多層配線板における層間絶縁等のための絶縁層等として機能する。
接着材層
接着材層はエポキシ樹脂および硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物により誘電体層上に形成される。例えば、エポキシ樹脂および硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に溶解させてワニス状態とし、該樹脂ワニスを誘電体層上に塗布し、加熱や熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて形成することができる。また、後述の保護フィルム上に樹脂ワニスを塗布し、加熱や熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて接着材層を形成し、この保護フィルム付き接着材層を誘電体層上にラミネートすることによっても形成することができる。
接着材層に使用される、エポキシ樹脂および硬化剤の具体例としては、前述の誘電体層を形成するための熱硬化性樹脂組成物におけるエポキシ樹脂および硬化剤の具体例として挙げたものと同じものが挙げられる。また、前述の誘電体層を形成するための熱硬化性樹脂組成物において使用される、誘電体粉末、高分子樹脂、硬化触媒、充填材、その他の任意成分等を、接着材層を形成するための熱硬化性樹脂組成物においても、配合することができる、その際の配合量、すなわち、樹脂組成物全体当たりの含有量も、前述の誘電体層を形成するための熱硬化性樹脂組成物において記載した含有量の範囲内で選択することができる。
本発明のシート状積層材料は、多層配線板の製造工程において、接着材層を回路基板側として、加熱及び加圧して、回路基板に積層する。回路基板の導体パターン(回路)を有する表面全体に対して接着材層は十分な接着力で接着するためには、接着材層(エポキシ樹脂および硬化剤を少なくとも含む熱硬化性樹脂組成物)の溶融物が十分な流動性を有することが必要であり、接着材層は100℃での溶融粘度が100000poise以下であることが好ましく、50000poise以下がより好ましく、10000poise以下が特に好ましい。また、シート状積層材料の取り扱い性の観点から、接着材層の100℃での溶融粘度は100poise以上であることが好ましく、1000poise以上がより好ましい。接着材層(すなわち、エポキシ樹脂および硬化剤を少なくとも含む熱硬化性樹脂組成物)の溶融粘度は、例えば、(1)エポキシ樹脂の分子量、(2)高分子樹脂の含有量、および(3)充填材の含有量のうちの少なくとも一つを変化させることで、適宜調整することができる。なお、100℃での溶融粘度を採用するのは、シート状積層材料を回路基板に積層するときの、適正な温度条件での粘弾性の指標とするためである。
本発明において、積層されたシート状積層材料は積層と同時または積層後に熱硬化する。ここで、熱硬化とは、少なくとも接着材層を完全硬化(Cステージ)状態まで熱硬化させることであり、誘電体層が熱硬化性樹脂組成物により形成され、熱硬化性樹脂組成物が半硬化(Bステージ)状態である場合、接着材層の完全硬化と同時に該誘電体層の熱硬化性樹脂組成物も完全硬化(Cステージ)状態まで熱硬化させる。なお、シート状積層材料の回路基板への積層工程と、シート状積層材料の熱硬化工程は分けられていても、同一工程内であっても良い。分けられている場合は、積層工程は、例えば、後述のラミネート法で実施され、熱硬化工程は熱循環式オーブン、トンネルオーブン等で実施される。同一工程内である場合は、例えば、後述の真空熱プレス機を用いて、加熱及び加圧することによりシート状積層材料の回路基板への積層とシート状積層材料の熱硬化とが一工程内で実施される。
硬化後の接着材層の多層配線板内の対向する2つの電極に挟まれる部分は誘電体となり、誘電体層とともにコンデンサを成す。このため、接着材層は高誘電性を有していることが好ましく、接着材層に適用するエポキシ樹脂および硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤および誘電体粉末を含む組成物であることが好ましい。
接着材層(硬化前)の厚さは、1μm以上、10μm未満であり、好ましくは、2〜8μm、より好ましくは4〜5μmである。接着材層の厚さが1μmより小さいと回路基板に十分に接着せず、接着材層の厚さが10μm以上であると、多層配線板内に形成されるコンデンサを構成する誘電体層の厚さが大きくなって、十分な静電容量のコンデンサを形成することが困難な傾向となる。
接着材層の比誘電率は、誘電体層の比誘電率と同じか、或いは、誘電体層の比誘電率よりも小さいこと、すなわち、誘電体層の比誘電率≧接着材層の比誘電率の関係を満たすことが好ましい。これは、コンデンサの静電容量のバラツキを抑制するためには、誘電体層は一様な厚みで回路基板表面の導体パターン(電極)上に存在する一方、接着剤層は回路基板に対して十分な接着力が確保される範囲内で十分に流動して、導体パターン(電極)上には接着剤層が残らないこと(すなわち、コンデンサの誘電体層として機能しないこと)が理想的であるが、現実的には、導体パターン(電極)上に接着剤層が全く残らないようにすることは困難である。このため、接着剤層が導体パターン(電極)上に残ったときに、コンデンサの静電容量のバラツキが十分に抑制されるためには、接着材層の比誘電率は、誘電体層の比誘電率と同じか、或いは、誘電体層の比誘電率よりも小さいこと、すなわち、誘電体層の比誘電率≧接着材層の比誘電率の関係を満たすことが好ましく、接着材層の比誘電率×1.2≧誘電体層の比誘電率≧接着材層の比誘電率の関係を満たすことがより好ましい。接着材層の比誘電率が、誘電体層の比誘電率と同じか、或いは、誘電体層の比誘電率よりも小さくても、誘電体層の比誘電率が接着材層の比誘電率の1.2倍より大きくなると、コンデンサの単位面積当たりの静電容量の低下が懸念されるためである。なお、接着材層の誘電性が低いと、コンデンサにおける単位面積当たりの静電容量が低下するため、接着材層の比誘電率は、誘電体層の比誘電率の0.85倍以上であることが好ましく、0.9倍以上であることがより好ましい。
接着材層の比誘電率は、空洞共振法による測定周波数5.8GHzでの測定値である。比誘電率の測定装置としては、例えば、関東応用電子開発(株)製空洞共振器摂動法誘電率測定装置CP521、アジレントテクノロジー(株)製ネットワークアナライザーE8362B等を用いることができる。
本発明のシート状積層材料において、接着材層は、保護フィルムで保護されていてもよい。保護フィルムで保護することにより、接着材層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。保護フィルムとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィンのフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルのフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルムなどの各種プラスチックフィルムが挙げられる。保護フィルムの厚さは1〜40μmとするのが好ましい。なお、保護フィルムはマット処理、コロナ処理等の表面処理が施してあってもよい。
<シート状積層材料を用いた多層配線板の製造>
以下、本発明のシート状積層材料を用いて多層配線板を製造する方法の一例を説明する。
まず、シート状積層材料を、真空ラミネーター等を用いて回路基板の片面又は両面にラミネート(積層)する。
本発明における「回路基板」とは、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)を有するものだけでなく、このような1層または2層の導体層(回路)を有する基板に対してさらに絶縁層とパターン加工された導体層(回路)を交互に形成して導体層(回路)の層数を増加させたもの(すなわち、多層配線板)を含む概念である。すなわち、本発明において、シート状積層材料の積層対象(被積層物)は、多層配線板である場合があり、その場合、かかる多層配線板は「回路基板」と呼ぶ。なお、導体層の表面には、黒化処理、銅エッチング等により予め粗化処理が施されていてもよい。
上記ラミネートにおいて、シート状積層材料が保護フィルムを有している場合には該保護フィルムを除去した後、必要に応じてシート状積層材料及び回路基板をプレヒートし、シート状積層材料を接着材層を回路基板側として加圧及び加熱しながら回路基板にラミネートする。本発明のシート状積層材料においては、真空ラミネート法により減圧下で回路基板にラミネートする方法が好適に用いられる。ラミネートの条件は、特に限定されるものではないが、例えば、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜180℃、圧着圧力(ラミネート圧力)を好ましくは1〜11kgf/cm(9.8×10〜107.9×10Pa)とし、圧着時間(ラミネート時間)を好ましくは5〜180秒とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートするのが好ましい。また、ラミネートの方法は、バッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。真空ラミネートは、市販の真空ラミネーターを使用して行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、ニチゴー・モートン(株)製バキュームアップリケーター、(株)名機製作所製真空加圧式ラミネーター、(株)日立インダストリイズ製ロール式ドライコータ、日立エーアイーシー(株)製真空ラミネーター等を挙げることができる。
シート状積層材料を回路基板にラミネートした後、室温付近に冷却してから、支持体層を剥離する場合は剥離し、シート状積層材料を熱硬化する。熱硬化は150〜200℃にて、30〜120分程度加熱することで行われる。シート状積層材料を熱硬化前に支持体層を剥離しなかった場合は、必要によりここで剥離することもできる。なお、支持体層の剥離は、支持体層がプラスチックフィルムまたは離型紙の場合であり、支持体層が金属箔または金属蒸着フィルムである場合は、支持体層は剥離しない。
なお、シート状積層材料を積層工程後、シート状積層材料を金属板又は金属ロールにより加熱及び加圧して平滑化する平滑化工程を行うことができる。具体的には、常圧下(大気圧下)で、加熱されたSUS鏡板等の金属板により、シート状積層材料を加熱および加圧することにより行われる。加熱および加圧条件は、上記ラミネート工程と同様の条件を用いることができる。平滑化工程は、市販されている真空ラミネーターによって連続的に行うことができる。市販されている真空ラミネーターとしては、例えば、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製バキュームアップリケーター等が挙げられる。
また、シート状積層材料は、真空熱プレス機を用いて回路基板の片面又は両面に積層することもできる。プレス条件は、減圧度を通常1×10−2MPa以下、好ましくは1×10−3MPa以下の減圧下とする。加熱及び加圧は、1段階で行うことも出来るが、樹脂のしみだしを制御する観点から2段階以上に条件を分けて行うのが好ましい。例えば、1段階で行う場合、温度が好ましくは150〜200℃、圧力が好ましくは9.8×10〜2.0×105Pa、時間が好ましくは30〜120分である。2段階で行う場合、1段階目のプレスを、温度が70〜130℃、圧力が9.8×10〜2.9×10Paの範囲、2段階目のプレスを、温度が150〜200℃、圧力が9.8×10〜4.9×10Paの範囲で行うのが好ましい。各段階の時間は30〜120分で行うのが好ましい。このようにして真空熱プレス機にてシート状積層材料を回路基板に積層することで、同時にシート状積層材料が熱硬化される。市販されている真空ホットプレス機としては、例えば、MNPC−V−750−5−200(株)名機製作所製)、VH1−1603(北川精機(株)製)等が挙げられる。
なお、前記の工程でシート状積層材料の支持体層を剥離した場合は、誘電体層上に、電極用材料(例えば、銅箔等の金属箔、プラスチックフィルムに金属蒸着層(例えば銅蒸着層等)が形成された金属蒸着フィルム)をラミネートする。ラミネートは上述した条件と同様である。
その後、電極用材料を、コンデンサの一方の電極となる部分を含むパターンに加工する(たとえば、電極用シート材料が銅箔や銅蒸着フィルムである場合、塩化鉄(III)水溶液、あるいは過酸化水素水溶液等によるエッチングを施す)ことで、シート状積層材料の誘電体層の一部および接着材層(硬化後の接着材層)の一部を誘電体層として備えるコンデンサ(回路基板表面の導体層(回路)の一部がコンデンサの他方の電極を構成する)が形成された多層配線板を得ることができる。なお、電極形成は、メッキ(サブトラクティブ法、セミアディディブ法)で行ってもよい。
なお、コンデンサの平面面積は特に限定されないが、本発明方法であれば、平面面積が0.01〜400mmの範囲にあるサイズのコンデンサを内蔵した多層配線板を、コンデンサの静電容量のバラツキを抑えて製造することができる。
本発明のシート状積層材料を用いて多層配線板を製造することで、多層配線板内にコンデンサを形成することができ、静電容量が好ましくは25〜1000pF、より好ましくは50〜500pFのコンデンサを得ることができる。誘電体層の厚さが薄ければ薄いほど、安定に静電容量を発現するコンデンサを得ることは容易ではないが、後述の実施例から明らかなように、本発明のシート状積層材料を使用すれば、大きな静電容量を有するコンデンサを内蔵した多層配線板を、コンデンサの静電容量のバラツキを抑えて製造することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、別途明示のない限り、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。また、「当量」とは、当量の対象である官能基を有する化合物の分子量を該化合物が有する官能基の数で除した値、即ち、官能基1個当たりの分子量を意味する。
<ワニス製造例1>
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180、比重1.2g/cm、三菱化学(株)製「jER828EL」)18部と、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量291、比重1.2g/cm、日本化薬(株)製「NC3000H」)58部と、ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量170、比重1.2g/cm、DIC(株)製「HP4710」)23部と、フェノキシ樹脂(重量平均分子量38000、エポキシ当量13000、三菱化学(株)製「YX6954」不揮発分30%のメチルエチルケトン(以下「MEK」と略称する。)とシクロヘキサノンの1:1溶液)25部とを、MEK45部とシクロヘキサノン45部の混合液に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、フェノールノボラック系硬化剤(DIC(株)製「LA−3018−50P」の固形分50%の1−メトキシ−2−プロパノール溶液、フェノール性水酸基当量151、比重1.2g/cm3)22部、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC−8000−65T」の固形分50%のトルエン溶液、活性当量222、比重1.2g/cm)41部、硬化触媒(四国化成工業(株)製、「2E4MZ」、比重1.1g/cm、)1部、誘電体粉末(チタン酸バリウム、平均粒子径0.3μm、比重6.0g/cm、(株)シノセラ製「HBT−030F」をアミノシランで処理したもの)590部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。
実施例1
<1:接着材層の作成>
ワニス製造例1で製造した樹脂ワニスをポリエチレンテレフタレート(厚さ38μm)上に、乾燥後の樹脂厚さが5μmとなるようにダイコーターにて塗布し、75〜120℃(平均100℃)で7分間乾燥した(樹脂組成物中の残留溶媒量:約1.0質量%)。次いで樹脂組成物の表面に厚さ15μmのポリプロピレンフィルムを貼り合わせながらロール状に巻き取った。ロール状の接着材層を幅507mmにスリット(slit)し、これにより507×336mmサイズのシート状の接着材層を得た。
<2:誘電体層の作成>
ワニス製造例1で製造した樹脂ワニスに、さらに硬化触媒(四国化成工業(株)製、「2E4MZ」、比重1.1g/cm)5部を混合し、得られた樹脂ワニスを銅箔(古河電気工業(株)製、「F2−WS」)のマット面に、乾燥後の樹脂厚さが5μmとなるようにダイコーターにて塗布し、75〜120℃(平均100℃)で7分間乾燥した(樹脂組成物中の残留溶媒量:約0.4質量%)。次いで、180℃、5分間の加熱硬化をした。その後、誘電体層を、ロール状に巻き取った。ロール状の誘電体層を幅507mmにスリット(slit)し、これより507×336mmサイズのシート状の誘電体層を得た。
<3:シート状積層材料の製造>
接着材層の作成例で得られたシート状の接着材層からポリプロピレンフィルムを剥離し、接着材層の樹脂面と、誘電体層の作成例で得られたシート状の誘電体層の硬化物面とを対向させ、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500(名機(株)製、商品名)を用いて、ラミネートした。ラミネートは30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後、30秒間、80℃、圧力0.1MPaでプレスすることにより、シート状積層材料を得た。
実施例2
接着材層の厚さを4μmにすること以外は実施例1と同様の方法でシート状積層材料を得た。
実施例3
誘電体層の厚さを4μmにすること以外は実施例1と同様の方法で、シート状積層材料を得た。
実施例4
誘電体層の厚さを4μmにし、接着材層の厚さを4μmにすること以外は実施例1と同様の方法で、シート状積層材料を得た。
比較例1
誘電体層の厚さを10μmにすること以外は実施例1と同様の方法で、シート状積層材料を得た。
比較例2
接着材層の厚さを10μmにすること以外は実施例1と同様の方法で、シート状積層材料を得た。
比較例3
接着層の厚さを0.5μmにすること以外は実施例1と同様の方法で、シート状積層材料を得た。
比較例4
誘電体層を用いず、厚さが10μmの接着材層のみで試験を行った。
実施例および比較例のシート状積層材料について、以下の物性測定および物性評価を行った。その結果を下記表1に示す。
<溶融粘度の測定>
接着材層を直径18mmの円形に打ち抜き、複数枚重ねあわせた状態で圧縮成型し、直径18mm、厚み2.3mmのペレットを作成した。このペレットを用いて、(株)ユー・ビー・エム社製型式Rheosol−G3000を使用して、開始温度60℃から200℃まで、昇温速度5℃/分、測定温度間隔2.5℃、振動1Hz/degの測定条件にて溶融粘度を測定した。表1に100℃での溶融粘度を示す。
<硬度の測定>
実施例および比較例で得られたシート状積層材料を真空熱プレス装置VH1−1603(北川精機(株)製)を用いて、回路基板(銅箔のエッチングによって電極面積1平方mm、厚さ5μmの電極を形成済み、銅箔の被覆率50%)に真空熱プレスした。真空熱プレスは減圧下で30℃から180℃まで40分掛けて昇温させた後、180℃に維持しながら30分間、1MPaの圧力となる条件で行った。次に、塩化鉄(III)水溶液を用いて、最表面の銅箔をエッチングすることで、誘電体層表面を露出させた。JIS K 5600−5−4の試験方法に従って、露出させた誘電体層表面の硬度を測定した。キズ跡が生じなかったもっとも硬い鉛筆の硬度を鉛筆硬度とした。
<比誘電率の測定>
各実施例および各比較例で得られたシート状の接着材層およびシート状の誘電体層をそれぞれ190℃で90分間熱硬化させ、PETフィルムを剥離してシート状の硬化物を得た。その硬化物を、幅2mm、長さ80mmの試験片に切断し、関東応用電子開発(株)製空洞共振器摂動法誘電率測定装置CP521およびアジレントテクノロジー(株)製ネットワークアナライザーE8362Bを使用して、空洞共振法で測定周波数5.8GHzにて比誘電率の測定を行った。2本の試験片について測定を行い、平均値を算出した。
<貯蔵弾性率の測定>
各実施例および各比較例で得られたシート状の接着材層およびシート状の誘電体層をそれぞれ190℃で90分間熱硬化させ、PETフィルムを剥離してシート状の硬化物を得た。上記硬化物を幅7mm、長さ40mmの試験片に切断し、動的機械分析装置DMS-6100(セイコーインスツルメンツ(株)製)を使用して、引張モードにて動的機械分析を行った。試験片を前記装置に装着後、周波数1Hz、昇温速度5℃/分の測定条件にて測定した。かかる測定における25℃のときの貯蔵弾性率(E’)の値を読み取った。
<接着性評価>
実施例および比較例で得られたシート状積層材料を真空熱プレス装置VH1−1603(北川精機(株)製)を用いて、回路基板(銅箔のエッチングによって電極面積1平方mm、厚さ5μmの電極を形成済み、銅箔の被覆率50%)に真空熱プレスした。真空熱プレスは減圧下で30℃から180℃まで40分掛けて昇温させた後、180℃に維持しながら30分間、1MPaの圧力となる条件で行った。真空熱プレスした後に基板とシート状積層材料が接着しているかを確認した。
○:デラミネーション(剥離)している部分が無い。
×:デラミネーション(剥離)している部分が有る。
<静電容量評価>
実施例および比較例で得られたシート状積層材料を真空熱プレス装置VH1−1603(北川精機(株)製)を用いて、回路基板(銅箔のエッチングによって電極面積1mm、厚さ5μmの電極を形成済み、銅箔の被覆率50%)に真空熱プレスした。真空熱プレスは減圧下で30℃から180℃まで40分掛けて昇温させた後、180℃に維持しながら30分間、1MPaの圧力となる条件で行った。真空熱プレスした基板の銅箔をエッチングして電極(電極面積:1mm)を形成し、電極間の静電容量を測定した。測定はアジレントテクノロジー(株)製LCRメータ4284Aを用いて、測定周波数1MHzにて行った。10個の試験片について測定を行い、平均値および標準偏差を算出した。
平均値の判定は、以下のように行った。
◎:35pF/mm以上
○:25pF/mm以上、35pF/mm未満
×:25pF/mm未満
標準偏差の判定は、以下のように行った。
◎:1.0未満
○:1.0以上3.0未満
×:3.0以上
Figure 0006565201
実施例5
液状ビスフェノールA 型エポキシ樹脂(エポキシ当量180、三菱化学(株)製「jER828EL」)12部と、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量225、日本化薬(株)製「NC3100」)13部と、フェノキシ樹脂(重量平均分子量38000、三菱化学(株)製「YL6954BH30」不揮発成分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)5部とを、MEK10部、シクロヘキサノン5部、ソルベントナフサ10部の混合液に攪拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却後、そこへ、ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン(株)「BA230S」、シアネート当量232、不揮発成分75質量%のMEK溶液)16部、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル系硬化剤(ロンザジャパン(株)製「PT30」、シアネート当量124、不揮発成分80質量%のMEK溶液)6部とともに攪拌混合し、さらに活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HP8000−65T」、活性基当量223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)12部、硬化促進剤として4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)の1質量%のMEK溶液2部、コバルト(III)アセチルアセトナート(東京化成(株)製、コバルト含有量16.5質量%)の1質量%のMEK溶液4.5部、及び高誘電フィラー(チタン酸バリウム、平均粒子径0.3μm、比重6.0g/cm、(株)シノセラ製「HBT−030F」をアミノシランで処理したもの)205部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス2を作成した。
次に、かかる樹脂ワニス2をポリエチレンテレフタレート(厚さ38μm)上に、乾燥後の樹脂厚みが5μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥した(樹脂組成物層中の残留溶媒量:1.0質量%)。次いで樹脂組成物の表面に厚さ15μmのポリプロピレンフィルムを貼り合わせながらロール状に巻き取った。ロール状の接着フィルムを幅507mmにスリット(slit)し、これより507×336mmサイズのシート状の接着材層を得た。この接着材層の溶融粘度(100℃)は2000poise、比誘電率は23であった。
次に樹脂ワニス2に、さらに硬化触媒(四国化成工業(株)製、「2E4MZ」、比重1.1g/cm、)5部を混合し、得られた樹脂ワニスを銅箔(古河電気工業(株)製、「F2−WS」)のマット面に、乾燥後の樹脂厚さが5μmとなるようにダイコーターにて塗布し、75〜120℃(平均100℃)で7分間乾燥した(樹脂組成物中の残留溶媒量:約0.4質量%)。次いで、180℃5分間の加熱硬化をした。その後誘電体層を、ロール状に巻き取った。ロール状の誘電体層を幅507mmにスリット(slit)し、これより507×336mmサイズのシート状の誘電体層を得た。この誘電体層の硬度は2B、比誘電率は23であった。
次に上記シート状の接着材層からポリプロピレンフィルムを剥離し、接着材層の樹脂面と、上記シート状の誘電体層の硬化物面とを対向させ、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500(名機(株)製、商品名)を用いて、ラミネートした。ラミネートは30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、80℃、圧力0.1MPaでプレスすることにより、シート状積層材料(実施例5)を得た。
実施例6
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180、三菱化学(株)製「jER828EL」)14部と、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(エポキシ当量269、日本化薬(株)製「NC3000L」)14部、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(エポキシ当量162、DIC(株)製「HP−4700」)10部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製の「YX6954BH30」(重量平均分子量38000)をメチルエチルケトン(以下「MEK」と略称する。)とシクロヘキサノンの質量比が1:1の混合溶媒に溶解した不揮発分30質量%の樹脂溶液)20部とをMEK15部、シクロヘキサノン15部に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成(株)製「MEH7851−4H」の固形分50%のMEK溶液、フェノール性水酸基当量242)40部、フェノールノボラック系硬化剤(DIC(株)製「LA−7054」の固形分60%のMEK溶液、フェノール性水酸基当量124)8部、硬化触媒(四国化成工業(株)製、「2E4MZ」)0.1部、高誘電フィラー(チタン酸バリウム、平均粒子径0.3μm、比重6.0g/cm、(株)シノセラ製「HBT−030F」をアミノシランで処理したもの)205部、ポリビニルブチラール樹脂溶液(積水化学工業(株)製の「KS-1」(ガラス転移温度105℃、重量平均分子量:27000)をエタノールとトルエンの質量比が1:1の混合溶媒に溶解した固形分15%の樹脂溶液)12部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス3を作製した。
次に、かかる樹脂ワニス3をポリエチレンテレフタレート(厚さ38μm)上に、乾燥後の樹脂厚みが5μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥した(樹脂組成物層中の残留溶媒量:1.0質量%)。次いで樹脂組成物の表面に厚さ15μmのポリプロピレンフィルムを貼り合わせながらロール状に巻き取った。ロール状の接着フィルムを幅507mmにスリット(slit)し、これより507×336mmサイズのシート状の接着材層を得た。この接着材層の溶融粘度(100℃)は1800poise、比誘電率は20であった。
次に樹脂ワニス3に、さらに硬化触媒(四国化成工業(株)製、「2E4MZ」、比重1.1g/cm)5部を混合し、得られた樹脂ワニスを銅箔(古河電気工業(株)製、「F2−WS」)のマット面に、乾燥後の樹脂厚さが5μmとなるようにダイコーターにて塗布し、75〜120℃(平均100℃)で7分間乾燥した(樹脂組成物中の残留溶媒量:約0.4質量%)。次いで、180℃5分間の加熱硬化をした。その後誘電体層を、ロール状に巻き取った。ロール状の誘電体層を幅507mmにスリット(slit)し、これより507×336mmサイズのシート状の誘電体層を得た。この誘電体層の硬度は2B、比誘電率は20であった。
次に上記シート状の接着材層からポリプロピレンフィルムを剥離し、接着材層の樹脂面と、上記シート状の誘電体層の硬化物面とを対向させ、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500(名機(株)製、商品名)を用いて、ラミネートした。ラミネートは30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、80℃、圧力0.1MPaでプレスすることにより、シート状積層材料(実施例6)を得た。

Claims (14)

  1. 支持体層、
    該支持体層上に鉛筆硬度が3B以上の硬度を有する誘電体層、および
    該誘電体層上に接着材層、
    を有するシート状積層材料であって、
    該誘電体層の厚さが0.1μm以上、10μm未満であり、該接着材層の厚さが1μm以上、10μm未満であり、接着材層の比誘電率×1.2≧誘電体層の比誘電率≧接着材層の比誘電率の関係を満たす、シート状積層材料。
  2. 誘電体層が、エポキシ樹脂、硬化剤および誘電体粉末を含む熱硬化性樹脂組成物により形成される、請求項1記載のシート状積層材料。
  3. 誘電体層の貯蔵弾性率(25℃)が4〜12GPaである、請求項1又は2記載のシート状積層材料。
  4. 誘電体層の比誘電率が10〜100である、請求項1〜3のいずれか1項記載のシート状積層材料。
  5. 接着材層が、エポキシ樹脂および硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物により形成される、請求項1〜4のいずれか1項記載のシート状積層材料。
  6. 接着材層の100℃での溶融粘度が100000poise以下である、請求項1〜5のいずれか1項記載のシート状積層材料。
  7. 誘電体層の比誘電率=接着材層の比誘電率の関係を満たす、請求項1〜6のいずれか1項記載のシート状積層材料。
  8. 支持体層が、金属箔または金属蒸着フィルムからなる、請求項1〜のいずれか1項記載のシート状積層材料。
  9. 支持体層が、プラスチックフィルムまたは離型紙からなる、請求項1〜のいずれか1項記載のシート状積層材料。
  10. 多層配線板内のコンデンサ形成用である、請求項1〜のいずれか1項に記載のシート状積層材料。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載のシート状積層材料を、接着材層を回路基板側とし、加熱及び加圧することにより回路基板に積層する積層工程を含む、多層配線板の製造方法。
  12. シート状積層材料の支持体層が金属箔または金属蒸着フィルムである場合は、該金属箔または金属蒸着フィルムを用いて電極を形成し、支持体層がプラスチックフィルムまたは離型紙である場合は、支持体層を剥離後、誘電体層上に電極を形成する、電極形成工程をさらに含む、請求項11記載の多層配線板の製造方法。
  13. 請求項1〜のいずれか1項に記載のシート状積層材料を用いて得られる多層配線板。
  14. シート状積層材料の誘電体層と接着材層とが対向する電極の間に介在することで形成されるコンデンサの静電容量が25〜1000pFである、請求項13記載の多層配線板。
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