JP7400883B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、樹脂組成物に関する。さらには、当該樹脂組成物を用いて得られる、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置に関する。
プリント配線板の製造技術としては、内層回路基板上に絶縁層と導体層を交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。絶縁層は、一般に、樹脂組成物を硬化させることにより形成される。例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂、活性エステル化合物、カルボジイミド化合物、熱可塑性樹脂及び無機充填材を含み、無機充填材の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、40質量%以上である樹脂組成物が記載されている。
特開2016-27097号公報
しかしながら、特許文献1に記載の樹脂組成物のように、無機充填材を大量に用いると、溶融粘度の上昇によるフィルムの埋め込み性の低下などにより、ラミネート性のコントロールが難しくなる場合があることが知られている。特に、無機充填材の平均粒径が小さい場合に埋め込み性の低下が顕著である。
本発明の課題は、埋め込み性が良好で、誘電正接が低く、熱膨張係数に優れた絶縁層をもたらす樹脂組成物;当該樹脂組成物を含有する樹脂シート;当該樹脂組成物を用いて形成された絶縁層を備えるプリント配線板、及び半導体装置を提供することにある。
従来、樹脂組成物には、フェノキシ樹脂等の熱可塑性樹脂を含有させることが一般的であったが、本発明者らは、フェノキシ樹脂等の熱可塑性樹脂を含有させると溶融粘度が上昇しやすくなる傾向があることを見出した。本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアミドイミド樹脂を用いることで、小径の無機充填材を用いた場合であっても、溶融粘度の上昇を抑え、誘電正接を低下させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル化合物、(C)ポリアミドイミド樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、
(D)無機充填材の平均粒径が100nm以下である樹脂組成物。
[2] (A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル化合物、(C)ポリアミドイミド樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、
(D)無機充填材の比表面積が15m/g以上である樹脂組成物。
[3] (C)成分の含有量が、樹脂成分を100質量%とした場合、3質量%以上30質量%以下である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] (D)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] (C)成分が、イソシアヌル環構造を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] (C)成分が、イソシアヌル環構造と脂環式構造とを含む繰り返し単位を有する、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] (C)成分が、下記一般式(I)で表される、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
Figure 0007400883000001
(式中、nは0~15を表す。)
[8] (B)成分の含有量が、樹脂成分100質量%とした場合、15質量%以上である、[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] プリント配線板の絶縁層形成用である、[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] プリント配線板の層間絶縁層形成用である、[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11] 導体層を形成するための絶縁層形成用である、[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12] 支持体と、該支持体上に設けられた、[1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層を含む、樹脂シート。
[13] 樹脂組成物層の厚みが15μm以下である、[12]に記載の樹脂シート。
[14] 樹脂組成物層中の残存溶剤量が、4質量%以下である、[12]又は[13]に記載の樹脂シート。
[15] 第1の導体層、第2の導体層、及び、第1の導体層と第2の導体層との間に形成された絶縁層を含むプリント配線板であって、
該絶縁層は、[1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物である、プリント配線板。
[16] [15]に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
本発明によれば、埋め込み性が良好で、誘電正接が低く、熱膨張係数に優れた絶縁層をもたらす樹脂組成物;当該樹脂組成物を含有する樹脂シート;当該樹脂組成物を用いて形成された絶縁層を備えるプリント配線板、及び半導体装置を提供することができる。
図1は、プリント配線板の一例を模式的に示した一部断面図である。
以下、本発明の樹脂組成物、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置について詳細に説明する。
[樹脂組成物]
本発明の第1の実施形態の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル化合物、(C)ポリアミドイミド樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、(D)無機充填材の平均粒径が100nm以下である。また、本発明の第2の実施形態の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル化合物、(C)ポリアミドイミド樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、(D)無機充填材の比表面積が15m/g以上である。第1及び第2の実施形態の樹脂組成物により、埋め込み性が良好で、誘電正接が低く、熱膨張係数に優れた絶縁層をもたらす樹脂組成物を提供可能となる。
「樹脂成分」とは、樹脂組成物を構成する不揮発成分のうち、後述する(D)無機充填材を除いた成分をいう。以下、第1及び第2の樹脂組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。ここで、第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物をまとめて、「樹脂組成物」ということがある。
<(A)エポキシ樹脂>
樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂を含有する。(A)エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、及びパーフルオロアルキル型エポキシ樹脂等のフッ素含有エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;ビスフェノールS型エポキシ樹脂;ビキシレノール型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;トリスフェノール型エポキシ樹脂;ナフトールノボラック型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ナフトール型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;線状脂肪族エポキシ樹脂;ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;複素環式エポキシ樹脂;スピロ環含有エポキシ樹脂;シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂;トリメチロール型エポキシ樹脂;テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるのが好ましい。エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」という。)、及び/又は1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」という。)であることが好ましい。エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用してもよい。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学社製の「828US」、「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、「630」、「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)、新日鉄住金化学社製「YD-8125G」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂)、ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂)、「PB-3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂)、新日鉄住金化学社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン)、三菱化学社製の「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)、ダイキン工業社製の「E-7432」、「E-7632」(パーフルオロアルキル型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、及びビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましい。固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学社製の「ESN475V」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学社製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂)、大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」、三菱化学社製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、三菱化学社製の「jER1010」、(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)、「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用する場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1~1:15の範囲が好ましく、1:0.1~1:10の範囲がより好ましく、1:0.3~1:3の範囲がさらに好ましい。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、良好な引張破壊強度、絶縁信頼性を示す絶縁層を得る観点から、樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されないが、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50~5000、より好ましくは50~3000、さらに好ましくは80~2000、さらにより好ましくは110~1000である。この範囲となることで、樹脂組成物層の硬化物の架橋密度が十分となり表面粗さの小さい絶縁層をもたらすことができる。なお、エポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは100~5000、より好ましくは250~3000、さらに好ましくは400~1500である。ここで、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<(B)活性エステル化合物>
樹脂組成物は、(B)活性エステル化合物を含有する。活性エステル化合物は、1分子中に活性エステル基を1個以上有する活性エステル化合物である。活性エステル化合物としては、1分子中に活性エステル基を2個以上有する活性エステル化合物が好ましく、例えば、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する活性エステル化合物が好ましく用いられる。活性エステル化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物と、ヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られる活性エステル化合物が好ましい。中でも、カルボン酸化合物と、フェノール化合物、ナフトール化合物及びチオール化合物から選択される1種以上とを反応させて得られる活性エステル化合物がより好ましく、カルボン酸化合物と、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物とを反応させて得られる、1分子中に2個以上の活性エステル基を有する芳香族化合物がさらに好ましく、少なくとも2個以上のカルボキシ基を1分子中に有するカルボン酸化合物と、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物とを反応させて得られる芳香族化合物であって、1分子中に2個以上の活性エステル基を有する芳香族化合物がさらにより好ましい。活性エステル化合物は、直鎖状であってよく、分岐状であってもよい。また、少なくとも2個以上のカルボキシ基を1分子中に有するカルボン酸化合物が脂肪族鎖を含む化合物であれば樹脂組成物との相溶性を高くすることができ、芳香環を有する化合物であれば耐熱性を高くすることができる。
カルボン酸化合物としては、例えば、炭素原子数1~20の脂肪族カルボン酸、炭素原子数7~20の芳香族カルボン酸が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、炭素原子数1~20が好ましく、炭素原子数2~10がより好ましく、炭素原子数2~8がさらに好ましく、具体的には、酢酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。芳香族カルボン酸としては、炭素原子数1~20が好ましく、炭素原子数7~10がより好ましく、具体的には、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。中でも、耐熱性の観点から、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましく、イソフタル酸、テレフタル酸がより好ましい。
チオカルボン酸化合物としては、特に制限はないが、例えば、チオ酢酸、チオ安息香酸等が挙げられる。
フェノール化合物としては、例えば、炭素原子数6~40が好ましく、炭素原子数6~30がより好ましく、炭素原子数6~23がさらに好ましく、炭素原子数6~22がよりさらに好ましい。フェノール化合物の好適な具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール等が挙げられる。フェノール化合物としてはまた、フェノールノボラック、特開2013-40270号公報記載のフェノール性水酸基を有するリン原子含有オリゴマーを使用してもよい。
ナフトール化合物としては、例えば、炭素原子数10~40が好ましく、炭素原子数10~30がより好ましく、炭素原子数10~20がさらに好ましい。ナフトール化合物の好適な具体例としては、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。ナフトール化合物としてはまた、ナフトールノボラックを使用してもよい。
中でも、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール、フェノールノボラック、フェノール性水酸基を有するリン原子含有オリゴマーが好ましく、カテコール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール、フェノールノボラック、フェノール性水酸基を有するリン原子含有オリゴマーがより好ましく、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジシクロペンタジエン型ジフェノール、フェノールノボラック、フェノール性水酸基を有するリン原子含有オリゴマーがさらに好ましく、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジシクロペンタジエン型ジフェノール、フェノールノボラック、フェノール性水酸基を有するリン原子含有オリゴマーがさらにより好ましく、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジシクロペンタジエン型ジフェノール、フェノール性水酸基を有するリン原子含有オリゴマーが殊更好ましく、ジシクロペンタジエン型ジフェノールが特に好ましい。
チオール化合物としては、特に制限はないが、例えば、ベンゼンジチオール、トリアジンジチオール等が挙げられる。
活性エステル化合物の好適な具体例としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物、芳香族カルボン酸とフェノール性水酸基を有するリン原子含有オリゴマーとを反応させて得られる活性エステル化合物が挙げられ、中でもジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、芳香族カルボン酸とフェノール性水酸基を有するリン原子含有オリゴマーとを反応させて得られる活性エステル化合物がより好ましい。なお本発明において、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンチレン-フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル化合物としては、特開2004-277460号公報、特開2013-40270号公報に開示されている活性エステル化合物を用いてもよく、また市販の活性エステル化合物を用いることもできる。活性エステル化合物の市販品としては、例えば、DIC社製の「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000L-65M」(ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物)、DIC社製の「EXB9416-70BK」(ナフタレン構造を含む活性エステル化合物)、三菱化学社製の「DC808」(フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物)、三菱化学社製の「YLH1026」(フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物)、DIC社製の「EXB9050L-62M」(リン原子含有活性エステル化合物)が挙げられる。
樹脂組成物中の活性エステル化合物の含有量は、誘電正接を低くする観点から、樹脂成分を100質量%とした場合、15質量%以上が好ましく、17質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。活性エステル化合物の含有量の上限は特に限定されないが、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。
また、(A)エポキシ樹脂のエポキシ基数を1とした場合、機械強度の良好な絶縁層を得る観点から、(B)活性エステル化合物の反応基数は、0.1~2が好ましく、0.2~1.5がより好ましく、0.3~1がさらに好ましい。ここで、「エポキシ樹脂のエポキシ基数」とは、樹脂組成物中に存在する各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値である。また、「反応基」とはエポキシ基と反応することができる官能基のことを意味し、「活性エステル化合物の反応基数」とは、樹脂組成物中に存在する活性エステル化合物の固形分質量を反応基当量で除した値を全て合計した値である。
<(C)ポリアミドイミド樹脂>
樹脂組成物は、(C)ポリアミドイミド樹脂を含有する。先述したように、従来、樹脂組成物には、フェノキシ樹脂等の熱可塑性樹脂を含有させることが一般的であったが、本発明者らは、フェノキシ樹脂等の熱可塑性樹脂を含有させると溶融粘度が上昇することを見出した。本発明では、(C)ポリアミドイミド樹脂を用いることで、溶融粘度の上昇を抑制することができるとともに、誘電正接及び線熱膨張係数(CTE)を低下させることができる。(C)ポリアミドイミド樹脂は、フェノキシ樹脂等の熱可塑性樹脂よりも極性が低い。また、ポリアミドイミド樹脂は、硬化時にアルコール等の極性が高い成分を生じ難い。よって、誘電正接を低下させることができると考えられる。また、(C)ポリアミドイミド樹脂中のイミド骨格は、剛直な構造であることから膨張し難いので、線熱膨張係数が低下すると考えられる。さらに、アミド骨格及びイミド骨格の作用によって、ポリアミドイミド樹脂は活性エステル化合物に対して高い相溶性を示すので、溶融粘度の上昇を抑制できると考えられる。
(C)ポリアミドイミド樹脂は、樹脂組成物中の他の成分との相溶性の観点から、分子構造中に脂環式構造を有するポリアミドイミド樹脂、特開平05-112760号公報に記載のシロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂、嵩高い分岐鎖構造を有するポリアミドイミド樹脂、非対称モノマーを原料とするポリアミドイミド樹脂、多分岐構造を有するポリアミドイミド樹脂等を用いることが好ましい。
中でも、イソシアヌル環構造を有することで(B)活性エステル化合物との相溶性が向上する観点、及び分枝状のイソシアヌル環構造によるネットワーク構造により、樹脂ワニスの相溶性、及び分散性が向上する観点から、(i)分子構造中にイソシアヌル環構造を有するポリアミドイミド樹脂(すなわち、イソシアヌル環構造とイミド骨格又はアミド骨格とを有するポリアミドイミド樹脂)(ii)分子構造中にイソシアヌル環構造と脂環式構造とを有するポリアミドイミド樹脂(すなわち、イソシアヌル環構造と脂環式構造とイミド骨格又はアミド骨格とを有するポリアミドイミド樹脂)、(iii)イソシアヌル環構造と脂環式構造とを含む繰り返し単位を有するポリアミドイミド樹脂(すなわち、イソシアヌル環構造と脂環式構造とイミド骨格又はアミド骨格とを含む繰り返し単位を有するポリアミドイミド樹脂)がより好ましく、(iii)のポリアミドイミド樹脂がさらに好ましい。
(i)~(iii)のポリアミドイミド樹脂の好適な一実施形態としては、(1)脂環式構造ジイソシアネートから誘導されるイソシアヌル環含有ポリイソシアネート化合物と3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸の酸無水物とを反応させて得られる化合物であるカルボン酸基含有分岐型ポリアミドイミド(以下、当該化合物を「(化合物C-1)」ということがある。)、(2)化合物(C-1)に1個のエポキシ基と1個以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物を反応させて得られる化合物であるカルボン酸基含有分岐型重合性ポリアミドイミド(以下、「化合物(C-2)」ということがある。)、或いは、(3)化合物(C-1)の合成過程で残イソシアネート基に1個の水酸基と1個以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物を反応させて得られる化合物であるカルボン酸基含有分岐型重合性ポリアミドイミド(以下、「化合物(C-3)」ということがある。)等が挙げられる。
化合物(C-1)としては、具体的に下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。なお、一般式(I)で表される化合物中の繰り返し単位を繰り返し単位(I-1)とする。
Figure 0007400883000002
(式中、nは0~15を表す。)
化合物(C-2)としては、一般式(I)中の繰り返し単位(I-1)の任意の一部のカルボキシル基及び/又は末端カルボキシル基にGMA(グリシジルメタクリレート)が付加した構造(I-2)を有する化合物(II)が挙げられる。
Figure 0007400883000003
(式中、Rは式(I)中の残基を表す。)
カルボキシル基のGMA変性の割合は化合物(C-1)のカルボキシル基のモル数に対して、GMAを付加する範囲が好ましくは0.3mol%以上、より好ましくは0.5mol%以上、さらに好ましくは0.7mol%以上、又は0.9mol%以上である。上限は、好ましくは50mol%以下、より好ましくは40mol%以下、さらに好ましくは30mol%以下、又は20mol%以下である。
化合物(C-3)としては、上記式(I)において繰り返し単位(I-1)の任意の一部及び/又は末端イミド基がイソシアネート残基であり、これらにペンタエリスリトールトリアクリレートの水酸基が付加した構造(I-3)を有する化合物(III)が挙げられる。
Figure 0007400883000004
(式中、R’は式(I)中の残基を表す。)
ペンタエリスリトールトリアクリレートの付加量の上限値は、仕込み時のポリイソシアネートのイソシアネート基のmol数に対して、40mol%が好ましく、38mol%がより好ましく、35mol%が更に好ましい。一方、ペンタエリスリトールトリアクリレートの付加量の下限値は、付加することによる効果を十分に得るという観点から、仕込み時のポリイソシアネートのイソシアネート基のmol数に対して、0.3mol%が好ましく、3mol%がより好ましく、5mol%が更に好ましい。
ポリアミドイミド樹脂は、公知の種々の方法で合成することができる。ポリアミドイミド樹脂の合成方法としては、例えば国際公開第2010/074197号の段落0020~0030の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
ポリアミドイミド樹脂は、市販のポリアミドイミド樹脂を用いることもできる。ポリアミドイミド樹脂の市販品としては、例えば、DIC社製の「V-8000」、「ELG503」等が挙げられる。なお、例えば、DIC社製の「V-8000」にグリシジルメタクリレートを反応させることで、化合物(II)を得ることができる。
樹脂組成物中のポリアミドイミド樹脂の含有量は、溶融粘度が低く、誘電正接及び熱膨張係数が低い絶縁層をもたらす観点から、樹脂成分を100質量%とした場合、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下がさらにより好ましい。
<(D)無機充填材>
第1の実施形態の樹脂組成物は、(D)無機充填材を含有し、(D)無機充填材の平均粒径は100nm以下である。また、第2の実施形態の樹脂組成物は、(D)無機充填材を含有し、(D)無機充填材の比表面積が15m/g以上である。
無機充填材の材料は無機化合物であれば特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でもシリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。またシリカとしては球状シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1の実施形態における無機充填材の平均粒径は、無機充填材の比表面積を上昇させて誘電正接及び線熱膨張係数を低下させる観点から、100nm以下であり、好ましくは90nm以下、より好ましくは80nm以下である。該平均粒径の下限は、特に限定されないが、好ましくは50nm以上、より好ましくは60nm以上、さらに好ましくは70nm以上である。
また、第2の実施形態における無機充填材の平均粒径は、無機充填材の比表面積を上昇させて誘電正接及び線熱膨張係数を低下させる観点から、好ましくは100nm以下、より好ましくは90nm以下、さらに好ましくは80nm以下である。該平均粒径の下限は、特に限定されないが、好ましくは50nm以上、より好ましくは60nm以上、さらに好ましくは70nm以上である。
このような平均粒径を有する無機充填材の市販品としては、例えば、電気化学工業社製「UFP-30」、「UFP-40」等が挙げられる。
無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波によりメチルエチルケトン中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、堀場製作所社製「LA-500」、島津製作所社製「SALD-2200」等を使用することができる。
第2実施形態における無機充填材の比表面積は、誘電正接及び線熱膨張係数を低下させる観点から、15m/g以上であり、好ましくは20m/g以上、より好ましくは30m/g以上である。上限に特段の制限は無いが、好ましくは60m/g以下、より好ましくは50m/g以下、さらに好ましくは40m/g以下である。
第1実施形態における無機充填材の比表面積は、誘電正接及び線熱膨張係数を低下させる観点から、好ましくは15m/g以上、より好ましくは20m/g以上、さらに好ましくは30m/g以上である。上限に特段の制限は無いが、好ましくは60m/g以下、より好ましくは50m/g以下、さらに好ましくは40m/g以下である。
比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM-1210)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで得られる。
無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、フッ素含有シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルコキシシラン、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等の1種以上の表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM803」(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE903」(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM573」(N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ-31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM-4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)、信越化学工業社製「KBM-7103」(3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の分散性向上の観点から、無機充填材100質量部に対して、0.2質量部~5質量部の表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、0.2質量部~3質量部で表面処理されていることが好ましく、0.3質量部~2質量部で表面処理されていることが好ましい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度及びシート形態での溶融粘度の上昇を抑制する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所社製「EMIA-320V」等を使用することができる。
無機充填材の含有量は、誘電正接を低くする観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、45質量%以上、又は50質量%以上である。樹脂組成物中の無機充填材の含有量の上限は、絶縁層の機械強度の観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下、又は75質量%以下である。
<(E)難燃剤>
一実施形態において、樹脂組成物は、(E)難燃剤を含有し得る。難燃剤としては、例えば、ホスファゼン化合物、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられ、ホスファゼン化合物が好ましい。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
ホスファゼン化合物は、窒素とリンを構成元素とする環状化合物であれば特に限定されないが、ホスファゼン化合物は、フェノール性水酸基を有するフォスファゼン化合物であることが好ましい。
ホスファゼン化合物の具体例としては、例えば、大塚化学社製の「SPH-100」、「SPS-100」、「SPB-100」「SPE-100」、伏見製薬所社製の「FP-100」、「FP-110」、「FP-300」、「FP-400」等が挙げられ、大塚化学社製の「SPH-100」が好ましい。
ホスファゼン化合物以外の難燃剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三光社製の「HCA-HQ」、大八化学工業社製の「PX-200」等が挙げられる。難燃剤としては加水分解しにくいものが好ましく、例えば、10-(2,5-ジヒドロキシフェニル)-10-ヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド等が好ましい。
樹脂組成物が難燃剤を含有する場合、難燃剤の含有量は、樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上である。上限は、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下である。
<(F)硬化剤((B)成分は除く)>
一実施形態において、樹脂組成物は(F)硬化剤を含有し得る。但し、ここでいう硬化剤は(B)活性エステル化合物を含めない。(F)硬化剤としては、(A)エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されず、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤などが挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。(F)成分は、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤から選択される1種以上であることが好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、導体層との密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN-495V」「SN375」、「SN395」、DIC社製の「TD-2090」、「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-1356」、「LA-3018-50P」、「EXB-9500」等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子社製の「HFB2006M」、四国化成工業社製の「P-d」、「F-a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」及び「PT60」(フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「ULL-950S」(多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル社製の「V-03」、「V-07」等が挙げられる。
樹脂組成物が(F)硬化剤を含有する場合、(A)エポキシ樹脂と(F)硬化剤との量比は、[(A)エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[(F)硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.01~1:3の範囲が好ましく、1:0.015~1:2がより好ましく、1:0.02~1:1.5がさらに好ましい。ここで、(F)硬化剤の反応基とは、活性水酸基等であり、(F)硬化剤の種類によって異なる。また、(F)硬化剤の反応基の合計数とは、各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値をすべての(F)硬化剤について合計した値である。
また、樹脂組成物が(F)硬化剤を含有する場合、(A)エポキシ樹脂と、(B)活性エステル化合物及び(F)硬化剤との量比は、[(A)エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[(B)活性エステル化合物の反応基及び(F)硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.01~1:3の範囲が好ましく、1:0.015~1:2がより好ましく、1:0.02~1:1.5がさらに好ましい。
樹脂組成物が(F)硬化剤を含有する場合、(F)硬化剤の含有量は、樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。また、下限は特に制限はないが好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。
<(G)硬化促進剤>
一実施形態において、樹脂組成物は、(G)硬化促進剤を含有し得る。硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられ、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤が好ましく、イミダゾール系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩が好ましい。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられ、4-ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセンが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三菱化学社製の「P200-H50」等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンが好ましい。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
樹脂組成物が硬化促進剤を含有する場合、硬化促進剤の含有量は、樹脂成分を100質量%とした場合、0.01質量%~1質量%が好ましく、0.01質量%~0.5質量%がより好ましく、0.01質量%~0.3質量%がさらに好ましい。
<(H)熱可塑性樹脂>
一実施形態において、樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲において(H)熱可塑性樹脂を含有し得る。熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは8,000以上、より好ましくは10,000以上、さらに好ましくは20,000以上、特に好ましくは40,000以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは70,000以下、より好ましくは60,000以下である。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として島津製作所社製LC-9A/RID-6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K-800P/K-804L/K-804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度を40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学社製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、新日鉄住金化学社製の「FX280」及び「FX293」、三菱化学社製の「YL7500BH30」、「YX6954BH30」、「YX7553」、「YX7553BH30」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、例えば、電気化学工業社製の「電化ブチラール4000-2」、「電化ブチラール5000-A」、「電化ブチラール6000-C」、「電化ブチラール6000-EP」、積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ(例えばBX-5Z)、KSシリーズ(例えばKS-1)、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化社製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006-37083号公報記載のポリイミド)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002-12667号公報及び特開2000-319386号公報等に記載のポリイミド)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「PES5003P」等が挙げられる。ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、三菱ガス化学社製のビニル基を有するオリゴフェニレンエーテル・スチレン樹脂「OPE-2St 1200」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
樹脂組成物が熱可塑性樹脂を含有する場合、熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、1~10質量%が好ましく、1.5~5質量%がより好ましく、2質量%~5質量%がさらに好ましい。
<(I)任意の添加剤>
一実施形態において、樹脂組成物は、さらに必要に応じて、他の添加剤を含んでいてもよく、斯かる他の添加剤としては、例えば、有機充填材、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
有機充填材としては、プリント配線板の絶縁層を形成するに際し使用し得る任意の有機充填材を使用してよく、例えば、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子等が挙げられる。ゴム粒子としては、市販品を用いてもよく、例えば、ダウ・ケミカル日本社製の「EXL2655」、アイカ工業社製の「AC3401N」、「AC3816N」等が挙げられる。
樹脂組成物が有機充填材を含有する場合、有機充填材の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、0.1~20質量%が好ましく、0.2~10質量%がより好ましく、0.3~5質量%、又は0.5~3質量%がさらに好ましい。
<樹脂組成物の物性、用途>
本発明の樹脂組成物は、埋め込み性が良好で、誘電正接が低く、熱膨張係数に優れた絶縁層をもたらすことができる。したがって、本発明の樹脂組成物は、電子部品に含まれる絶縁層を形成するための樹脂組成物として好適に使用することができ、例えば、プリント配線板の絶縁層を形成するための樹脂組成物(プリント配線板の絶縁層用樹脂組成物)として好適に使用することができ、プリント配線板の層間絶縁層を形成するための樹脂組成物(プリント配線板の層間絶縁層用樹脂組成物)としてより好適に使用することができる。また、本発明の樹脂組成物は、部品埋め込み性に良好な絶縁層をもたらすことから、プリント配線板が部品内蔵回路板である場合にも好適に使用することができる。
また、本発明の樹脂組成物は、導体層を形成するための樹脂組成物(導体層を形成するための絶縁層形成用樹脂組成物)としても好適に使用することができる。さらに、電子部材を封止するための樹脂組成物も好適に使用することができ、例えば、半導体チップを封止するための樹脂組成物(半導体チップの封止層形成用樹脂組成物)としても好適に使用することができる。
樹脂組成物を200℃で90分間熱硬化させた硬化物は、誘電正接が低いという特性を示す。即ち、誘電正接が低い絶縁層をもたらす。誘電正接としては、好ましくは0.01以下、より好ましくは0.009以下、さらに好ましくは0.008以下であり、更に一層好ましくは0.0076以下である。下限は特に限定されないが、0.0001以上等とし得る。誘電正接の測定は、後述する<誘電正接及び線熱膨張係数(CTE)の測定>に記載の方法に従って測定することができる。
樹脂組成物を200℃で90分間熱硬化させた硬化物は、線熱膨張係数(CTE)が低いという特性を示す。即ち、線熱膨張係数が低い絶縁層をもたらす。線熱膨張係数としては、好ましくは35ppm以下、より好ましくは33ppm以下、さらに好ましくは30ppm以下である。下限は特に限定されないが、1ppm以上等とし得る。線熱膨張係数(CTE)の測定は、後述する<誘電正接及び線熱膨張係数(CTE)の測定>に記載の方法に従って測定することができる。
樹脂組成物の120℃における溶融粘度は、クラックや回路歪みを抑制する観点から、好ましくは6000poise以下、より好ましくは5000poise以下、さらに好ましくは4000poise以下である。該溶融粘度の下限は、樹脂組成物層が薄くとも厚みを安定して維持するという観点から、100poise以上が好ましく、1000poise以上がより好ましい。溶融粘度は、動的粘弾性法により測定することができ、例えば、後述する<溶融粘度の測定>に記載の方法に従って測定することができる。
[樹脂シート]
本発明の樹脂シートは、支持体と、該支持体上に設けられた、本発明の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層を含む。
樹脂組成物層の厚さは、プリント配線板の薄型化の観点から、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、さらにより好ましくは20μm以下、15μm以下、又は10μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常、1μm以上、3μm以上等とし得る。
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理、帯電防止処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック社製の「SK-1」、「AL-5」、「AL-7」、東レ社製の「ルミラーT60」帝人社製の「ピューレックス」、ユニチカ社製の「ユニピール」等が挙げられる。
支持体の厚みとしては、特に限定されないが、5μm~75μmの範囲が好ましく、10μm~60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
樹脂シートは、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーター等を用いて支持体上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
樹脂ワニスの含有量と、樹脂ワニス中の固形分含有量との量比(固形分含有量/樹脂ワニス含有量)としては、薄膜の形成時の厚み安定性を向上させるという観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.55以上、さらに好ましくは0.6以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは1以下、より好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.7以下である。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN-メチルピロリドン等のアミド系溶剤等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が4質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%~60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃~150℃で3分間~10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
樹脂シートにおいて、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm~40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。樹脂シートは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。樹脂シートが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
樹脂組成物層は、残存溶剤量が少なくても、溶融粘度を低くすることができるという特性を示す。したがって、埋め込み性が良好な絶縁層が得られる。樹脂組成物層における残存溶剤量は、好ましくは4%以下、さらに好ましくは3.8%以下、より好ましくは3.7%以下である。下限は特に限定されないが、0.1%以上等とし得る。残存溶剤量の測定は、後述する<残存溶剤量の測定>に記載の方法に従って測定することができる。
また、樹脂組成物層にはポリアミドイミド樹脂を含むので、平均粒径が100nm以下の無機充填材を含んでいても埋め込み性に優れ、ボイドの発生が抑制されるという特性を示す。例えば、本発明における樹脂組成物層と使用して作製した、255×340mmサイズの基板のうち、配線パターン上における任意に設定した1cm角を3点観察しても、直径10μm以上の外観欠陥(ボイド)が存在しない。ボイドの存在の有無は、後述する<ボイドの有無の評価>に記載の方法によって測定することができる。
[プリント配線板、プリント配線板の製造方法]
本発明のプリント配線板は、本発明の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層、第1の導体層、及び第2の導体層を含む。絶縁層は、第1の導体層と第2の導体層との間に設けられていて、第1の導体層と第2の導体層とを絶縁している(導体層は配線層ということがある)。
第1及び第2の導体層間の絶縁層の厚みは、好ましくは6μm以下、より好ましくは5.5μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。下限については特に限定されないが0.1μm以上とし得る。第1導体層と第2の導体層との間隔(第1及び第2の導体層間の絶縁層の厚み)とは、図1に一例を示したように、第1の導体層1の主面11と第2の導体層2の主面21間の絶縁層3の厚みt1のことをいう。第1及び第2の導体層は絶縁層を介して隣り合う導体層であり、主面11及び主面21は互いに向き合っている。
なお、絶縁層全体の厚みt2は、好ましくは15μm以下、より好ましくは13μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。下限については特に限定されないが、通常、1μm以上、1.5μm以上、2μm以上等とし得る。
プリント配線板は、上述の樹脂シートを用いて、下記(I)及び(II)の工程を含む方法により製造することができる。
(I)内層基板上に、樹脂シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する工程
(II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
工程(I)で用いる「内層基板」とは、プリント配線板の基板となる部材であって、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。また、該基板は、その片面又は両面に導体層を有していてもよく、この導体層はパターン加工されていてもよい。基板の片面または両面に導体層(回路)が形成された内層基板は「内層回路基板」ということがある。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物も本発明でいう「内層基板」に含まれる。プリント配線板が部品内蔵回路板である場合、部品を内蔵した内層基板を使用し得る。
内層基板と樹脂シートの積層は、例えば、支持体側から樹脂シートを内層基板に加熱圧着することにより行うことができる。樹脂シートを内層基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を樹脂シートに直接プレスするのではなく、内層基板の表面凹凸に樹脂シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
内層基板と樹脂シートの積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃~160℃、より好ましくは80℃~140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa~1.77MPa、より好ましくは0.29MPa~1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間~400秒間、より好ましくは30秒間~300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施する。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、ニッコー・マテリアルズ社製のバキュームアップリケーター、バッチ式真空加圧ラミネーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持体側からプレスすることにより、積層された樹脂シートの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
支持体は、工程(I)と工程(II)の間に除去してもよく、工程(II)の後に除去してもよい。
工程(II)において、樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。
樹脂組成物層の熱硬化条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
例えば、樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類等によっても異なるが、硬化温度は120℃~240℃の範囲(好ましくは150℃~220℃の範囲、より好ましくは170℃~200℃の範囲)、硬化時間は5分間~120分間の範囲(好ましくは10分間~100分間、より好ましくは15分間~90分間)とすることができる。
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上110℃以下、より好ましくは70℃以上100℃以下)の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上(好ましくは5分間~150分間、より好ましくは15分間~120分間)予備加熱してもよい。
プリント配線板を製造するに際しては、(III)絶縁層に穴あけする工程、(IV)絶縁層を粗化処理する工程、(V)導体層を形成する工程をさらに実施してもよい。これらの工程(III)乃至(V)は、プリント配線板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。なお、支持体を工程(II)の後に除去する場合、該支持体の除去は、工程(II)と工程(III)との間、工程(III)と工程(IV)の間、又は工程(IV)と工程(V)との間に実施してよい。また、必要に応じて、工程(II)~(V)の絶縁層及び導体層の形成を繰り返して実施し、多層配線板を形成してもよい。この場合、それぞれの導体層間の絶縁層の厚み(図1のt1)は上記範囲内であることが好ましい。
工程(III)は、絶縁層に穴あけする工程であり、これにより絶縁層にビアホール、スルーホール等のホールを形成することができる。工程(III)は、絶縁層の形成に使用した樹脂組成物の組成等に応じて、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等を使用して実施してよい。ホールの寸法や形状は、プリント配線板のデザインに応じて適宜決定してよい。
工程(IV)は、絶縁層を粗化処理する工程である。粗化処理の手順、条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常使用される公知の手順、条件を採用することができる。例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施して絶縁層を粗化処理することができる。粗化処理に用いる膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン社製の「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」等が挙げられる。膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃~90℃の膨潤液に絶縁層を1分間~20分間浸漬することにより行うことができる。絶縁層の樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40℃~80℃の膨潤液に絶縁層を5分間~15分間浸漬させることが好ましい。粗化処理に用いる酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃~80℃に加熱した酸化剤溶液に絶縁層を10分間~30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%~10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン社製の「コンセントレート・コンパクトCP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。また、粗化処理に用いる中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン社製の「リダクションソリューション・セキュリガントP」が挙げられる。中和液による処理は、酸化剤による粗化処理がなされた処理面を30℃~80℃の中和液に5分間~30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤による粗化処理がなされた対象物を、40℃~70℃の中和液に5分間~20分間浸漬する方法が好ましい。
一実施形態において、粗化処理後の絶縁層表面の算術平均粗さ(Ra)は、好ましくは400nm以下、より好ましくは350nm以下、さらに好ましくは300nm以下である。下限については特に限定されないが、好ましくは0.5nm以上、より好ましくは1nm以上である。また、粗化処理後の絶縁層表面の二乗平均平方根粗さ(Rq)は、好ましくは400nm以下、より好ましくは350nm以下、さらに好ましくは300nm以下である.下限については特に限定されないが、好ましくは0.5nm以上、より好ましくは1nm以上である。絶縁層表面の算術平均粗さ(Ra)及び二乗平均平方根粗さ(Rq)は、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。
工程(V)は、導体層を形成する工程である。内層基板に導体層が形成されていない場合、工程(V)は第1の導体層を形成する工程であり、内層基板に導体層が形成されている場合、該導体層が第1の導体層であり、工程(V)は第2の導体層を形成する工程である。
導体層に使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
導体層は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚さは、所望のプリント配線板のデザインによるが、一般に3μm~35μm、好ましくは5μm~30μmである。
一実施形態において、導体層は、めっきにより形成してよい。例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の従来公知の技術により絶縁層の表面にめっきして、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。以下、導体層をセミアディティブ法により形成する例を示す。
まず、絶縁層の表面に、無電解めっきによりめっきシード層を形成する。次いで、形成されためっきシード層上に、所望の配線パターンに対応してめっきシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出しためっきシード層上に、電解めっきにより金属層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なめっきシード層をエッチング等により除去して、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
本発明の樹脂シートは、部品埋め込み性にも良好な絶縁層をもたらすことから、プリント配線板が部品内蔵回路板である場合にも好適に使用することができる。部品内蔵回路板は公知の製造方法により作製することができる。
本発明の樹脂シートを用いて製造されるプリント配線板は、樹脂シートの樹脂組成物層の硬化物である絶縁層と、絶縁層に埋め込まれた埋め込み型配線層と、を備える態様であってもよい。
[半導体装置]
本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を含む。本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を用いて製造することができる。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
本発明の半導体装置は、プリント配線板の導通箇所に、部品(半導体チップ)を実装することにより製造することができる。「導通箇所」とは、「プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、等が挙げられる。ここで、「バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法」とは、「半導体チップをプリント配線板の凹部に直接埋め込み、半導体チップとプリント配線板上の配線とを接続させる実装方法」のことである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
<実施例1:樹脂組成物1の作製>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製「828US」、エポキシ当量約180)8部、ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学社製「YX4000H」、エポキシ当量約190)15部、およびナフトール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ESN475V」、エポキシ当量約330)15部、ホスファゼン樹脂(大塚化学社製「SPH-100」)3部をメチルエチルケトン(MEK)50部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、ハイパーブランチ型ポリアミドイミド樹脂(DIC社製「ELG503」、固形分50質量%の酢酸n-ブチル溶液)6部、活性エステル化合物(DIC社製「HPC-8000-65T」、活性基当量約223、固形分65質量%のトルエン溶液)30部、フェノール系硬化剤(DIC社製「LA-3018-50P」、活性基当量約151、固形分50%の2-メトキシプロパノール溶液)10部、硬化促進剤(4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、固形分5質量%のMEK溶液)3部、球状シリカ(電気化学工業社製「UFP-30」、平均粒径0.078μm、比表面積30.7m/g)75部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散した後に、カートリッジフィルター(ROKITECHNO社製「SHP020」)で濾過して、樹脂組成物1を作製した。
<実施例2:樹脂組成物2の作製>
樹脂組成物1の作製において、活性エステル化合物(DIC社製「HPC-8000-65T」、活性基当量約223、固形分65質量%のトルエン溶液)30部を、活性エステル化合物(DIC社製「EXB9416-70BK」、活性基当量約274、固形分70質量%のメチルイソブチルケトン(MIBK)溶液)30部に変更した。以上の事項以外は樹脂組成物1の作製と同様にして、樹脂組成物2を作製した。
<実施例3:樹脂組成物3の作製>
樹脂組成物1の作製において、ハイパーブランチ型ポリアミドイミド樹脂(DIC社製「ELG503」、固形分50質量%の酢酸n-ブチル溶液)6部を、ハイパーブランチ型ポリアミドイミド樹脂(DIC社製「V-8000BM」、固形分45質量%の酢酸n-ブチルとMEKの3:1溶液)6部に変更した。以上の事項以外は樹脂組成物1の作製と同様にして、樹脂組成物3を作製した。
<実施例4:樹脂組成物4の作製>
樹脂組成物1の作製において、ハイパーブランチ型ポリアミドイミド樹脂(DIC社製「ELG503」、固形分50質量%の酢酸n-ブチル溶液)6部を、同ハイパーブランチ型ポリアミドイミド樹脂(DIC社製「ELG503」、固形分50質量%の酢酸n-ブチル溶液)15部に変更した。以上の事項以外は樹脂組成物1の作製と同様にして、樹脂組成物4を作製した。
<実施例5:樹脂組成物5の作製>
樹脂組成物1の作製において、硬化促進剤の投入前にカルボジイミド化合物(日清紡ケミカル社製「V-03」、活性基当量約216、固形分50質量%のトルエン溶液)12部を加えた。以上の事項以外は樹脂組成物1の作製と同様にして、樹脂組成物5を作製した。
<実施例6:樹脂組成物6の作製>
樹脂組成物1の作製において、メチルエチルケトン(MEK)の量を60部に変更し、球状シリカの量を90部に変更した。以上の事項以外は樹脂組成物1の作製と同様にして、樹脂組成物6を作製した。
<実施例7:樹脂組成物7の作製>
樹脂組成物6の作製において、活性エステル化合物(DIC社製「HPC-8000-65T」、活性基当量約223、固形分65質量%のトルエン溶液)30部を、活性エステル化合物(DIC社製「EXB9416-70BK」、活性基当量約274、固形分70質量%のMIBK溶液)30部に変更した。以上の事項以外は樹脂組成物1の作製と同様にして、樹脂組成物7を作製した。
<比較例1:樹脂組成物8の作製>
樹脂組成物1の作製において、ハイパーブランチ型ポリアミドイミド樹脂(DIC社製「ELG503」、固形分50質量%の酢酸n-ブチル溶液)6部を、フェノキシ樹脂(三菱化学社製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)10部に変更した。以上の事項以外は樹脂組成物1の作製と同様にして、樹脂組成物8を作製した。
<比較例2:樹脂組成物9の作製>
樹脂組成物8の作製において」、活性エステル化合物(DIC社製「HPC-8000-65T」、活性基当量約223、固形分65質量%のトルエン溶液)30部を、活性エステル化合物(DIC社製「EXB9416-70BK」、活性基当量約274、固形分70質量%のMIBK溶液)30部に変更した。以上の事項以外は樹脂組成物8の作製と同様にして、樹脂組成物9を作製した。
<比較例3:樹脂組成物10の作製>
樹脂組成物8の作製において、MEKの量を60部に変更し、球状シリカの量を90部変更した。以上の事項以外は樹脂組成物8の作製と同様にして、樹脂組成物10を作製した。
<比較例4:樹脂組成物11の作製>
樹脂組成物8の作製において、フェノキシ樹脂(三菱化学社製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)10部を、フェノキシ樹脂(三菱化学社製「YL6954BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)10部に変更した。以上の事項以外は樹脂組成物8の作製と同様にして、樹脂組成物11を作製した。
<比較例5:樹脂組成物12の作製>
樹脂組成物8の作製において、フェノキシ樹脂(三菱化学社製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)10部を、エステル型フェノキシ樹脂(三菱化学社製「YL7891BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)10部に変更した。以上の事項以外は樹脂組成物8の作製と同様にして、樹脂組成物12を作製した。
<比較例6:樹脂組成物13の作製>
樹脂組成物8の作製において、活性エステル化合物(DIC社製「HPC-8000-65T」、活性基当量約223、固形分65質量%のトルエン溶液)30部を、活性エステル化合物(DIC社製「EXB9416-70BK」、活性基当量約274、固形分70質量%のMIBK溶液)30部に変更した。以上の事項以外は樹脂組成物8の作製と同様にして、樹脂組成物13を作製した。
<樹脂シートの作製>
支持体として、アルキド樹脂系離型剤(リンテック社製「AL-5」)で離型処理したPETフィルム(東レ社製「ルミラーR80」、厚み38μm、軟化点130℃、「離型PET」)を用意した。
各樹脂組成物を離型PET上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが7.5μmとなるよう、ダイコーターにて均一に塗布し、70℃から95℃で2分間乾燥することにより、離型PET上に樹脂組成物層を得た。次いで、樹脂シートの支持体と接合していない面に、保護フィルムとしてポリプロピレンフィルム(王子エフテックス社製「アルファンMA-411」、厚み15μm)の粗面を、樹脂組成物層と接合するように積層した。これにより、離型PET(支持体)、樹脂組成物層、及び保護フィルムの順からなる樹脂シートAを作製した。
また、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるよう、ダイコーターにて均一に塗布し、75℃から100℃で4分間乾燥すること以外は樹脂シートAと同様に、樹脂シートBを作製した。
<ボイドの有無の評価>
(1)内層回路基板の下地処理
内層回路基板として、L/S=2μm/2μmの配線パターンにて形成された回路導体(銅)を両面に有するガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ3μm、基板厚み0.15mm、三菱ガス化学社製「HL832NSF LCA」、255×340mmサイズ)を用意した。
(2)樹脂シートのラミネート
予め作製した各樹脂シートAから保護フィルムを剥がし、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製、2ステージビルドアップラミネーター、CVP700)を用いて、樹脂組成物層が内層回路基板と接するように、内層回路基板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、100℃、圧力0.74MPaにて45秒間圧着させることにより実施した。次いで、100℃、圧力0.5MPaにて75秒間熱プレスを行った。
(3)樹脂組成物層の熱硬化
樹脂シートAがラミネートされた内層回路基板を、100℃のオーブンに投入後30分間、次いで180℃のオーブンに移し替えた後30分間、熱硬化して絶縁層を形成し、離形PETを剥離することで、ボイド評価用基板を作製した。
(4)ボイドの有無の評価
ハイロックス社製「DIGITAL MICROSCOPE KH-8700」を用いて、ボイド評価用基板の配線パターン上における任意に設定した1cm角を3点観察し、その中に、直径10μm以上の外観欠点であるボイドが1個以上あった場合を「×」とし、0個の場合を「○」とした。ボイドがないことで埋め込み性が優れることを表す。
<誘電正接及び線熱膨張係数(CTE)の測定>
予め作製した各樹脂シートBを、200℃で90分間熱硬化させたのち、離型PETを剥がすことで硬化物性評価用サンプルを作製した。
(誘電正接の測定)
硬化物性評価用サンプルを、幅2mm、長さ80mmの試験片に切断した。該試験片について、アジレントテクノロジーズ社製「HP8362B」を用いて、空洞共振摂動法により測定周波数5.8GHz、測定温度23℃にて誘電正接を測定した。2本の試験片について測定を行い、平均値を算出した。
(線熱膨張係数(CTE)の測定)
硬化物性評価用サンプルを、幅約5mm、長さ約15mmの試験片に切断し、熱機械分析装置Thermo Plus TMA8310(リガク社製)を使用して、引張加重法で熱機械分析を行った。試験片を前記装置に装着後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における25℃から80℃までの平均線熱膨張係数(ppm)を算出した。
<溶融粘度の測定>
予め作製した各樹脂シートAの樹脂組成物層について、動的粘弾性測定装置(ユー・ビー・エム社製「Rheosol-G3000」)を使用して溶融粘度を測定した。試料樹脂組成物1gについて、直径18mmのパラレルプレートを使用して、開始温度60℃から200℃まで昇温速度5℃/分にて昇温し、測定温度間隔2.5℃、振動1Hz、歪み5degの測定条件にて動的粘弾性率を測定し、120℃での溶融粘度を測定した。
<残存溶剤量の測定>
予め作製した各樹脂シートAを、まず10cm角に切り出し、その質量を測定した(この測定した質量を「A」とする。)。次に、10cm角に切り出した樹脂シートAを130℃で15分乾燥し、再度質量を測定した(この測定した質量を「B」とする。)。最後に、支持体として使用したアルキド樹脂系離型剤(リンテック社製「AL-5」)で離型処理したPETフィルム(東レ社製「ルミラーR80」、厚み38μm、軟化点130℃)を10cm角に切り出し、その質量を測定した(この測定した質量を「C」とする。)。残存溶剤量は、測定した質量A~Cを、以下の式1に当てはめることにより求めた。
残存溶剤量=(A-B)/(A-C)×100 (式1)
樹脂組成物1~13に用いた無機充填材の平均粒径及び比表面積は以下のように測定した。
<無機充填材の平均粒径の測定>
無機充填材100mg、分散剤(サンノプコ社製「SN9228」)0.1g、メチルエチルケトン10gをバイアル瓶に秤取り、超音波にて20分間分散した。レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製「SALD-2200」)を使用して、回分セル方式で粒度分布を測定し、メディアン径による平均粒径を算出した。
<無機充填材の比表面積の測定>
BET全自動比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM-1210)を使用して、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで無機充填材の比表面積を測定した。
樹脂組成物1~13の調製に用いた成分とその配合量(質量部)、及びボイドの有無、溶融粘度、残留溶剤量、誘電正接、及びCTEの結果を下記表に示した。なお、下記表中の略語等は以下のとおりである。
828US:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約180、三菱化学社製
ESN475V:ナフトール型エポキシ樹脂、エポキシ当量約330、新日鉄住金化学社製
YX4000HK:ビフェニル型エポキシ樹脂、エポキシ当量約190、三菱化学社製
HPC-8000-65T:活性エステル化合物、活性基当量約223、DIC社製
EXB-9416-70BK:活性エステル化合物、活性基当量約274、DIC社製
ELG503:ポリアミドイミド樹脂、DIC社製
V-8000BM:ポリアミドイミド樹脂、DIC社製
UFP-30:球状シリカ、平均粒径0.078μm、電気化学工業社製
SPH-100:ホスファゼン樹脂、大塚化学社製
LA-3018-50P:フェノール系硬化剤、活性基当量約151、DIC社製
V-03:カルボジイミド化合物、活性基当量約216、日清紡ケミカル社製
DMAP:硬化促進剤、4-ジメチルアミノピリジン
YL7553BH30:フェノキシ樹脂、三菱化学社製
YL6954BH30:フェノキシ樹脂、三菱化学社製
YL7891BH30:フェノキシ樹脂、三菱化学社製
Figure 0007400883000005
なお、実施例1~7において、(E)成分~(G)成分を含有しない場合であっても、程度に差はあるものの上記実施例と同様の結果に帰着することを確認している。
1 第1の導体層
11 第1の導体層の主面
2 第2の導体層
21 第2の導体層の主面
3 絶縁層
t1 第1導体層と第2の導体層との間隔(第1及び第2の導体層間の絶縁層の厚み)
t2 絶縁層全体の厚み

Claims (15)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル化合物、(C)ポリアミドイミド樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、
    (B)成分の含有量が、樹脂組成物を構成する不揮発成分のうち、無機充填材を除いた成分を100質量%とした場合、15質量%以上50質量%以下であり、
    (C)成分が、イソシアヌル環構造、及び脂環式構造のいずれかを有し、
    (C)成分の含有量が、樹脂組成物を構成する不揮発成分のうち、無機充填材を除いた成分を100質量%とした場合、3質量%以上30質量%以下であり、
    (D)無機充填材の平均粒径が100nm以下である樹脂組成物。
  2. (A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル化合物、(C)ポリアミドイミド樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、
    (B)成分の含有量が、樹脂組成物を構成する不揮発成分のうち、無機充填材を除いた成分を100質量%とした場合、15質量%以上50質量%以下であり、
    (C)成分が、イソシアヌル環構造、及び脂環式構造のいずれかを有し、
    (C)成分の含有量が、樹脂組成物を構成する不揮発成分のうち、無機充填材を除いた成分を100質量%とした場合、3質量%以上30質量%以下であり、
    (D)無機充填材の比表面積が15m/g以上である樹脂組成物。
  3. さらに、フォスファゼン化合物を含有する、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. (D)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%以上である、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. (C)成分が、イソシアヌル環構造を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. (C)成分が、イソシアヌル環構造と脂環式構造とを含む繰り返し単位を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. (C)成分が、下記一般式(I)で表される、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
    Figure 0007400883000006
    (式中、nは0~15を表す。)
  8. プリント配線板の絶縁層形成用である、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. プリント配線板の層間絶縁層形成用である、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 導体層を形成するための絶縁層形成用である、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. 支持体と、該支持体上に設けられた、請求項1~1のいずれか1項に記載の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層を含む、樹脂シート。
  12. 樹脂組成物層の厚みが15μm以下である、請求項1に記載の樹脂シート。
  13. 樹脂組成物層中の残存溶剤量が、4質量%以下である、請求項1又は1に記載の樹脂シート。
  14. 第1の導体層、第2の導体層、及び、第1の導体層と第2の導体層との間に形成された絶縁層を含むプリント配線板であって、
    該絶縁層は、請求項1~1のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物である、プリント配線板。
  15. 請求項1に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
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