JP7247471B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
[1] (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリカーボネート樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、
(D)無機充填材の平均粒径が100nm以下である樹脂組成物。
[2] (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリカーボネート樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、
(D)無機充填材の比表面積が15m2/g以上である樹脂組成物。
[3] (D)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%以上である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] (B)成分が、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤のいずれか1種以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] (B)成分が、活性エステル系硬化剤を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] (C)成分が、脂肪族骨格含有ポリカーボネート樹脂、及び芳香族骨格含有ポリカーボネート樹脂のいずれか1種以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] (C)成分の数平均分子量が、1000以上200000以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] (C)成分の含有量が、樹脂成分を100質量%とした場合、0.1質量%以上30質量%以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] 導体層を形成するための絶縁層形成用である、[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] プリント配線板の絶縁層形成用である、[1]~[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11] プリント配線板の層間絶縁層形成用である、[1]~[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12] 支持体と、該支持体上に設けられた[1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む、樹脂シート。
[13] 樹脂組成物層の厚みが15μm以下である、[12]に記載の樹脂シート。
[14] 第1の導体層と、第2の導体層と、第1の導体層と第2の導体層との間に形成された絶縁層と、を含み、第1の導体層と第2の導体層との間隔が、6μm以下であるプリント配線板の、該絶縁層形成用である、[12]又は[13]に記載の樹脂シート。
[15] 第1の導体層、第2の導体層、及び、第1の導体層と第2の導体層との間に形成された絶縁層を含むプリント配線板であって、
該絶縁層は、[1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物である、プリント配線板。
[16] 第1導体層と第2の導体層との間隔が、6μm以下である、[15]に記載のプリント配線板。
[17] [15]又は[16]に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
本発明の第1の実施形態の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリカーボネート樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、(D)無機充填材の平均粒径が100nm以下である。また、本発明の第2の実施形態の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリカーボネート樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、(D)無機充填材の比表面積が15m2/g以上である。第1及び第2の実施形態の樹脂組成物は、(C)ポリカーボネート樹脂を含有することで、平均粒径が小さい又は比表面積が大きい無機充填材を用いても、薄膜絶縁性に優れ、且つ高温高湿環境下での環境試験後であっても導体層との間の密着性を維持できる硬化物を得ることができるようになる。そして、通常、このように高温高湿環境下での環境試験後であっても高い密着性を維持できる硬化物は、長期間にわたって高い密着性を発揮できる。
樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、別途明示のない限り、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの値である。
樹脂組成物は、(B)硬化剤を含有する。(B)成分としては、(A)成分を硬化する機能を有するものであれば、特に限定されず、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤などが挙げられる。中でも、絶縁信頼性を向上させる観点から、(B)成分は、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤のいずれか1種以上であることが好ましく、活性エステル系硬化剤、フェノール系硬化剤、及びナフトール系硬化剤のいずれか1種以上であることがより好ましく、活性エステル系硬化剤を含むことがさらに好ましい。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物は、(C)ポリカーボネート樹脂を含有する。本発明では、(C)ポリカーボネート樹脂を樹脂組成物に含有させることで、平均粒径が小さい又は比表面積が大きい無機充填材を用いても、高温高湿環境下での環境試験後の導体層と絶縁層との間の密着性を維持できる硬化物を得ることができるようになる。(C)ポリカーボネート樹脂は、アミド樹脂及びフェノキシ樹脂等の熱可塑性樹脂と比較して高い疎水性を示すので、(C)ポリカーボネート樹脂は加水分解を起こしにくい。その結果、高温高湿環境下での環境試験後であっても絶縁層が劣化せずに導体層との密着力が維持されると考えられる。また、(C)ポリカーボネート樹脂は、(A)成分、(B)成分及び(D)成分との間で分子間の相互作用が働くと考えられ、その結果、各成分間での結着力が高温高湿環境下でも高く維持される。特に、前記の相互作用は、(D)無機充填材と(A)成分~(C)成分等の樹脂成分との界面において大きく作用していると考えられる。(D)無機充填材は、平均粒径が小さい又は比表面積が大きいので前記界面が広い。よって、前記の相互作用によって前記界面での結着力を高く維持できることは、高温高湿環境下での環境試験後であっても絶縁層が劣化せずに導体層との密着力が維持される上で有利に作用していると考えられる。
第1の実施形態の樹脂組成物は、(D)無機充填材を含有し、(D)無機充填材の平均粒径は100nm以下である。また、第2の実施形態の樹脂組成物は、(D)無機充填材を含有し、(D)無機充填材の比表面積が15m2/g以上である。
また、第2の実施形態における無機充填材の平均粒径は、薄膜絶縁性の観点から、好ましくは100nm以下、より好ましくは90nm以下、さらに好ましくは80nm以下である。平均粒径の下限は、特に限定されないが、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、さらに好ましくは10nm以上等とし得る。
このような平均粒径を有する無機充填材の市販品としては、例えば、電気化学工業社製「UFP-30」等が挙げられる。
また、第1実施形態における無機充填材の比表面積は、薄膜絶縁性の観点から、好ましくは15m2/g以上、より好ましくは20m2/g以上、さらに好ましくは30m2/g以上である。上限に特段の制限は無いが、好ましくは60m2/g以下、より好ましくは50m2/g以下、さらに好ましくは40m2/g以下である。
比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM-1210)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで得られる。
一実施形態において、樹脂組成物は、(E)硬化促進剤を含有し得る。硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられ、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一実施形態において、樹脂組成物は、(F)難燃剤を含有し得る。難燃剤としては、例えば、ホスファゼン化合物、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられ、ホスファゼン化合物が好ましい。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
一実施形態において、樹脂組成物は、さらに必要に応じて、任意の添加剤を含んでいてもよく、斯かる任意の添加剤としては、例えば、熱可塑性樹脂、有機充填材、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
樹脂組成物を、100℃で30分間、次いで180℃で20分間熱硬化させた硬化物は、薄膜絶縁性、即ち硬化物が薄膜であっても優れた絶縁抵抗値を示す。詳細は、樹脂組成物を、100℃で30分間、さらに180℃で30分間熱硬化させて得られた硬化物の表面に粗化処理試験を行ったとき、その硬化物が薄くても、その硬化物は高い絶縁抵抗値を示す。厚みが5±0.5μmの硬化物における絶縁抵抗値としては、好ましくは0.1×108Ω以上、より好ましくは0.5×108Ω以上、さらに好ましくは1×108Ω以上である。上限は特に限定されないが、100×1012Ω以下等とし得る。絶縁抵抗値の測定は、後述する<絶縁層の絶縁信頼性の評価>に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の樹脂シートは、支持体と、該支持体上に設けられた、本発明の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層を含む。
本発明のプリント配線板は、本発明の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層、第1の導体層、及び第2の導体層を含む。絶縁層は、第1の導体層と第2の導体層との間に設けられていて、第1の導体層と第2の導体層とを絶縁している(導体層は配線層ということがある)。
(I)内層基板上に、樹脂シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する工程
(II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を含む。本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を用いて製造することができる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製「828US」、エポキシ当量約180)10部、ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学社製「YX4000H」、エポキシ当量約190)15部、及びビスフェノールAF型エポキシ樹脂(三菱化学社製「YL7760」、エポキシ当量約238)10部、ホスファゼン樹脂(大塚化学社製「SPH-100」)3部、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製「FPC2136」、数平均分子量20895)3部をMEK50部に撹拌しながら加熱溶解させた。
実施例1において、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製「FPC2136」)3部を、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製「FPC0220」、数平均分子量18911)3部に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物2を作製した。
実施例1において、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製「FPC2136」)3部を、ポリカーボネート樹脂(旭化成社製「T5652」、数平均分子量2035)3部に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物3を作製した。
実施例1において、活性エステル系硬化剤(DIC社製「HPC-8000-65T」、活性基当量約223、固形分65質量%のトルエン溶液)20部を、活性エステル系硬化剤(DIC社製「EXB9416-70BK」、活性基当量約274、固形分70質量%のMIBK(メチルイソブチルケトン)溶液)18部に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物4を作製した。
実施例1において、さらにカルボジイミド系硬化剤(日清紡ケミカル社製「V-03」、活性基当量約216、固形分50質量%のトルエン溶液)10部を加えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物5を作製した。
実施例1において、
活性エステル系硬化剤(DIC社製「HPC-8000-65T」、活性基当量約223、固形分65質量%のトルエン溶液)20部を、ナフトール系硬化剤(東都化成社製「SN-485-60M」、活性基当量約215、固形分60%のMEK溶液)12部に変え、
フェノール系硬化剤(DIC社製「LA-3018-50P」、活性基当量約151、固形分50%の2-メトキシプロパノール溶液)25部を、フェノール系硬化剤(DIC社製「LA-7054」、活性基当量性約124、固形分60%のMEK溶液)12部に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物6を作製した。
実施例2において、
活性エステル系硬化剤(DIC社製「HPC-8000-65T」、活性基当量約223、固形分65質量%のトルエン溶液)20部を、ナフトール系硬化剤(東都化成社製「SN-485」、活性基当量約215)の固形分60%のMEK溶液)12部に変え、
フェノール系硬化剤(DIC社製「LA-3018-50P」、活性基当量約151、固形分50%の2-メトキシプロパノール溶液)25部を、フェノール系硬化剤(DIC社製「LA-7054」、活性基当量性約124、固形分60%のMEK溶液)12部に変えた。以上の事項以外は実施例2と同様にして、樹脂組成物7を作製した。
実施例3において、
活性エステル系硬化剤(DIC社製「HPC-8000-65T」、活性基当量約223、固形分65質量%のトルエン溶液)20部を、ナフトール系硬化剤(東都化成社製「SN-485」、活性基当量約215)の固形分60%のMEK溶液)12部に変え、
フェノール系硬化剤(DIC社製「LA-3018-50P」、活性基当量約151、固形分50%の2-メトキシプロパノール溶液)25部を、フェノール系硬化剤(DIC社製「LA-7054」、活性基当量性約124、固形分60%のMEK溶液)12部に変えた。以上の事項以外は実施例3と同様にして、樹脂組成物8を作製した。
実施例1において、球状シリカ(電気化学工業社製「UFP-30」、平均粒径0.078μm、比表面積30.7m2/g)75部を、アミン系シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.77μm、比表面積5.9m2/g、アドマテックス社製「SO-C2」)75部に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして、比較樹脂組成物1を作製した。
実施例2において、球状シリカ(電気化学工業社製「UFP-30」、平均粒径0.078μm、比表面積30.7m2/g)75部を、アミン系シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.77μm、比表面積5.9m2/g、アドマテックス社製「SO-C2」)75部に変えた。以上の事項以外は実施例2と同様にして、比較樹脂組成物2を作製した。
実施例6において、球状シリカ(電気化学工業社製「UFP-30」、平均粒径0.078μm、比表面積30.7m2/g)75部を、アミン系シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.77μm、比表面積5.9m2/g、アドマテックス社製「SO-C2」)75部に変えた。以上の事項以外は実施例6と同様にして、比較樹脂組成物3を作製した。
実施例8において、球状シリカ(電気化学工業社製「UFP-30」、平均粒径0.078μm、比表面積30.7m2/g)75部を、アミン系シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.77μm、比表面積5.9m2/g、アドマテックス社製「SO-C2」)75部に変えた。以上の事項以外は実施例8と同様にして、比較樹脂組成物4を作製した。
実施例1において、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製「FPC2136」、数平均分子量20895)3部を、フェノキシ樹脂(三菱化学社製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)10部に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして、比較樹脂組成物5を作製した。
実施例1において、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製「FPC2136」、数平均分子量20895)3部を、エステル型フェノキシ樹脂(三菱化学社製「YL7891BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)10部に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして、比較樹脂組成物6を作製した。
実施例6において、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製「FPC2136」、数平均分子量20895)3部を、エステル型フェノキシ樹脂(三菱化学社製「YL7891BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)10部に変えた。以上の事項以外は実施例6と同様にして、比較樹脂組成物7を作製した。
無機充填材100mg、分散剤(サンノプコ社製「SN9228」)0.1g、メチルエチルケトン10gをバイアル瓶に秤取り、超音波にて20分間分散した。レーザー回折式粒径分布測定装置(島津製作所社製「SALD-2200」)を使用して、回分セル方式で粒径分布を測定し、メディアン径による平均粒径を算出した。
BET全自動比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM-1210)を使用して、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで無機充填材の比表面積を測定した。
各ポリカーボネート樹脂100mg、分散剤(関東化学社製「N-メチルピロリドン」)5gをバイアル瓶に秤取り、超音波にて20分間分散した。メンブレンフィルター(東洋濾紙社製「アドバンテック」、0.5μmカット)を使用して濾過を行った後、ゲル浸透クロマトグラフ測定装置(昭光サイエンティフィック社製「Shodex GPC-101」)を使用して、数平均分子量(Mn)の算出を行った。結果は以下の通りであった。
「FPC2136」の数平均分子量:20895
「FPC0220」の数平均分子量:18911
「T5652」の数平均分子量:2035
支持体として、アルキド樹脂系離型剤(リンテック社製「AL-5」)で離型処理したPETフィルム(東レ社製「ルミラーR80」、厚み38μm、軟化点130℃、以下「離型PET」ということがある。)を用意した。
各樹脂組成物を、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが15μmとなるよう、離型PET上にダイコーターにて均一に塗布し、80℃で3分間乾燥することにより、離型PET上に樹脂組成物層を得た。次いで、樹脂組成物層の離型PETと接合していない面に、保護フィルムとしてポリプロピレンフィルム(王子エフテックス社製「アルファンMA-411」、厚み15μm)の粗面を、樹脂組成物層と接合するように積層した。これにより、離型PET(支持体)、樹脂組成物層、及び保護フィルムの順からなる樹脂シートAを得た。
各樹脂組成物を、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが6μmとなるよう、離型PET上にダイコーターにて均一に塗布し、80℃で1分間乾燥することにより、離型PET上に樹脂組成物層を得た。次いで、樹脂組成物層の支持体と接合していない面に、保護フィルムとしてポリプロピレンフィルム(王子エフテックス社製「アルファンMA-411」、厚み15μm)の粗面を、樹脂組成物層と接合するように積層した。これにより、離型PET(支持体)、樹脂組成物層、及び保護フィルムの順からなる樹脂シートBを得た。
<サンプルの作製>
(1)銅箔の下地処理
三井金属鉱山社製「3EC-III」(電界銅箔、35μm)の光沢面をメック社製メックエッチボンド「CZ-8101」に浸漬して銅表面に粗化処理(Ra値=1μm)を行い、防錆処理(CL8300)を施した。この銅箔をCZ銅箔という。さらに、130℃のオーブンで30分間加熱処理した。
実施例及び比較例で作製した各樹脂シートAから保護フィルムを剥がし、バッチ式真空加圧ラミネーター(名機社製「MVLP-500」)を用いて、樹脂組成物層が内層回路を形成したガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板の厚さ0.4mm、パナソニック社製「R1515A」)と接合するように、前記の積層板の両面にラミネート処理した。ラミネート処理は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、100℃、圧力0.74MPaで30秒間圧着することにより行った。ラミネート処理された樹脂シートから支持体である離型PETを剥離した。その樹脂組成物層上に、CZ銅箔の処理面を、上記と同様の条件で、ラミネートした。そして、190℃、90分の硬化条件で樹脂組成物層を硬化して絶縁層を形成することで、サンプルを作製した。
作製したサンプルを150×30mmの小片に切断した。小片の銅箔部分に、カッターを用いて幅10mm、長さ100mmの部分の切込みをいれて、銅箔の一端を剥がしてつかみ具(ティー・エス・イー社製、オートコム型試験機、「AC-50C-SL」)で掴み、インストロン万能試験機を用いて、室温中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mmを引き剥がした時の荷重をJIS C6481に準拠して測定した。
作製したサンプルを、高度加速寿命試験装置(楠本化成社製「PM422」)を用いて、130℃、85%RHの条件で100時間の加速環境試験を実施した。その後、密着性1の測定と同様に、銅箔の一端を剥がしてつかみ具(ティー・エス・イー社製、オートコム型試験機、「AC-50C-SL」)で掴み、インストロン万能試験機を用いて、室温中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mmを引き剥がした時の荷重をJIS C6481に準拠して測定した。
(評価用基板の調製)
(1)内層回路基板の下地処理
内層回路基板として、L/S(ライン/スペース)=2μm/2μmの配線パターンにて形成された回路導体(銅)を両面に有するガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ3μm、基板厚み0.15mm、三菱ガス化学社製「HL832NSF LCA」、255×340mmサイズ)を用意した。該内層回路基板の両面を、メック社製「FlatBOND-FT」にて銅表面の有機被膜処理を行った。
実施例及び比較例で作製した各樹脂シートBから保護フィルムを剥がし、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製、2ステージビルドアップラミネーター、CVP700)を用いて、樹脂組成物層が内層回路基板と接するように、内層回路基板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、130℃、圧力0.74MPaにて45秒間圧着させることにより実施した。次いで、120℃、圧力0.5MPaにて75秒間熱プレスを行った。
樹脂シートがラミネートされた内層回路基板を、100℃のオーブンに投入後30分間、次いで180℃のオーブンに移し替えた後30分間、熱硬化して厚みが5μmの絶縁層を形成し、離形PETを剥離した。これを基板Aとする。
基板Aの絶縁層に粗化処理としてのデスミア処理を行った。なお、デスミア処理としては、下記の湿式デスミア処理を実施した。
膨潤液(アトテックジャパン社製「スウェリングディップ・セキュリガントP」、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及び水酸化ナトリウムの水溶液)に60℃で5分間、次いで酸化剤溶液(アトテックジャパン社製「コンセントレート・コンパクトCP」、過マンガン酸カリウム濃度約6%、水酸化ナトリウム濃度約4%の水溶液)に80℃で10分間、最後に中和液(アトテックジャパン社製「リダクションソリューション・セキュリガントP」、硫酸水溶液)に40℃で5分間、浸漬した後、80℃で15分間乾燥した。これを粗化基板Aとする。
(5-1)無電解めっき工程
上記粗化基板Aの絶縁層の表面に導体層を形成するため、下記1~6の工程を含むめっき工程(アトテックジャパン社製の薬液を使用した銅めっき工程)を行って導体層を形成した。
粗化基板Aの表面を、Cleaning Cleaner Securiganth 902(商品名)を用いて60℃で5分間洗浄した。
2.ソフトエッチング(ビアホール内の洗浄)
粗化基板Aの表面を、硫酸酸性ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で1分間処理した。
3.プレディップ(Pd付与のための絶縁層の表面の電荷の調整)
粗化基板Aの表面を、Pre. Dip Neoganth B(商品名)を用い、室温で1分間処理した。
4.アクティヴェーター付与(絶縁層の表面へのPdの付与)
粗化基板Aの表面を、Activator Neoganth 834(商品名)を用い、35℃で5分間処理した。
5.還元(絶縁層に付与されたPdを還元)
粗化基板Aの表面を、Reducer Neoganth WA(商品名)とReducer Acceralator 810 mod.(商品名)との混合液を用い、30℃で5分間処理した。
6.無電解銅めっき工程(Cuを絶縁層の表面(Pd表面)に析出)
粗化基板Aの表面を、Basic Solution Printganth MSK-DK(商品名)と、Copper solution Printganth MSK(商品名)と、Stabilizer Printganth MSK-DK(商品名)と、Reducer Cu(商品名)との混合液を用いて、35℃で20分間処理した。形成された無電解銅めっき層の厚さは0.8μmであった。
次いで、アトテックジャパン社製の薬液を使用して、ビアホール内に銅が充填される条件で電解銅めっき工程を行った。その後に、エッチングによるパターニングのためのレジストパターンとして、ビアホールに導通された直径1mmのランドパターン、及び下層導体とは接続されていない直径10mmの円形導体パターンを用いて絶縁層の表面に10μmの厚さでランド及び導体パターンを有する導体層を形成した。次に、アニール処理を200℃にて90分間行った。この基板を「評価用基板B」とした。
評価用基板BをFIB-SEM複合装置(SIIナノテクノロジー社製「SMI3050SE」)を用いて、断面観察を行った。詳細には、導体層の表面に垂直な方向における断面をFIB(集束イオンビーム)により削り出し、断面SEM画像から、導体層間の絶縁層厚を測定した。各サンプルにつき、無作為に選んだ5箇所の断面SEM画像を観察し、その平均値を導体層間の絶縁層の厚み(μm)とし、下記表に示した。
上記において得られた評価用基板Bの直径10mmの円形導体側を+電極とし、直径1mmのランドと接続された内層回路基板の格子導体(銅)側を-電極として、高度加速寿命試験装置(ETAC社製「PM422」)を使用し、130℃、85%相対湿度、3.3V直流電圧印加の条件で200時間経過させた際の絶縁抵抗値を、エレクトロケミカルマイグレーションテスター(J-RAS社製「ECM-100」)にて測定した。この測定を6回行い、6点の試験ピース全てにおいてその抵抗値が107Ω以上の場合を「○」とし、1つでも107Ω未満の場合は「×」とし、評価結果と絶縁抵抗値とともに下記表に示した。下記表に記載の絶縁抵抗値は、6点の試験ピースの絶縁抵抗値の最低値である。
11 第1の導体層の主面
2 第2の導体層
21 第2の導体層の主面
3 絶縁層
t1 第1導体層と第2の導体層との間隔(第1及び第2の導体層間の絶縁層の厚み)
t2 絶縁層全体の厚み
Claims (19)
- (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリカーボネート樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、
(B)成分が、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤のいずれか1種以上であり、
(D)無機充填材の平均粒径が100nm以下である樹脂組成物。 - (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリカーボネート樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、
(B)成分が、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤のいずれか1種以上であり、
(D)無機充填材の、BET法により算出された比表面積が15m2/g以上である樹脂組成物。 - (C)成分の含有量が、樹脂成分を100質量%とした場合、0.1質量%以上30質量%以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリカーボネート樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、
(C)成分の含有量が、樹脂成分を100質量%とした場合、0.1質量%以上30質量%以下であり、
(D)無機充填材の平均粒径が100nm以下である樹脂組成物。 - (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリカーボネート樹脂、及び(D)無機充填材を含む樹脂組成物であって、
(C)成分の含有量が、樹脂成分を100質量%とした場合、0.1質量%以上30質量%以下であり、
(D)無機充填材の、BET法により算出された比表面積が15m2/g以上である樹脂組成物。 - (B)成分が、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤のいずれか1種以上である、請求項1、4~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (D)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (B)成分が、活性エステル系硬化剤を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (C)成分が、脂肪族骨格含有ポリカーボネート樹脂、及び芳香族骨格含有ポリカーボネート樹脂のいずれか1種以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (C)成分の数平均分子量が、1000以上200000以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 導体層を形成するための絶縁層形成用である、請求項1~10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- プリント配線板の絶縁層形成用である、請求項1~11のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- プリント配線板の層間絶縁層形成用である、請求項1~12のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に設けられた請求項1~13のいずれか1項に記載の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む、樹脂シート。
- 樹脂組成物層の厚みが15μm以下である、請求項14に記載の樹脂シート。
- 第1の導体層と、第2の導体層と、第1の導体層と第2の導体層との間に形成された絶縁層と、を含み、第1の導体層と第2の導体層との間隔が、6μm以下であるプリント配線板の、該絶縁層形成用である、請求項14又は15に記載の樹脂シート。
- 第1の導体層、第2の導体層、及び、第1の導体層と第2の導体層との間に形成された絶縁層を含むプリント配線板であって、
該絶縁層は、請求項1~13のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物である、プリント配線板。 - 第1導体層と第2の導体層との間隔が、6μm以下である、請求項17に記載のプリント配線板。
- 請求項17又は18に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
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