JP6776874B2 - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント配線板の製造方法に関する。
多層プリント配線板の製造技術としては、内層基板上に絶縁層と導体層を交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。絶縁層は、一般に、樹脂組成物を硬化させることにより形成される。
例えば、特許文献1には、シアネートエステル樹脂、特定のエポキシ樹脂及び活性エステル硬化剤を含む樹脂組成物を用いて、プリント配線板における絶縁層を形成することが開示されており、絶縁層は、低粗度かつめっきにより形成される導体層の高いピール強度を両立し、さらに低熱膨張率を達成することが記載されている。
特開2011−144361号公報
近年、電子機器や電子部品の小型化のニーズにより、プリント配線板においては、配線の微細化及び高密度化が求められている。配線の微細化及び高密度化に伴い、内層基板の反りを低減させることがより重要となり、反りを低減させるために熱膨張率(CTE)が低い内層基板が求められている。
特許文献1に記載されているようなシアネートエステル樹脂を含む樹脂組成物は耐熱性に優れることから、絶縁層の形成によく利用されるが、本発明者らは、シアネートエステル樹脂は硬化時に応力が溜まりやすく、内層基板と絶縁層との間、もしくは絶縁層と導体層の間で層間剥離が発生しやすくなってしまうことを知見した。
本発明の課題は、シアネートエステル樹脂を含む樹脂組成物を用いて絶縁層を形成しても、反りの低減及び層間剥離を抑制できるプリント配線板の製造方法を提供することにある。
本発明者らが検討した結果、シアネートエステル樹脂を含む樹脂組成物を用いて絶縁層を形成するにあたり、熱硬化により絶縁層を形成後、さらに特定の条件にて絶縁層を加熱(アニール処理)することにより、反りの低減及び層間剥離の抑制を両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (A)支持体と、該支持体上に設けられた、シアネートエステル樹脂を含む樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む絶縁樹脂フィルムを準備する工程、
(B)熱膨張率が10ppm以下の内層基板上に、樹脂組成物層が内層基板と接合するように絶縁樹脂フィルムを積層する工程、
(C)樹脂組成物層を熱硬化させ、ガラス転移温度がT1(℃)である絶縁層を形成する工程、
(E)下記一般式(1)を満たすように絶縁層をT2(℃)で加熱する工程、を含む、プリント配線板の製造方法。
5℃≦T1−T2≦50℃ (1)
[2] (E)工程の前に、(D)絶縁層を室温まで冷却する工程を含む、[1]に記載のプリント配線板の製造方法。
[3] (E)工程において、絶縁層を、T2(℃)で5〜90分間加熱する、[1]又は[2]に記載のプリント配線板の製造方法。
[4] (C)工程において、絶縁層のガラス転移温度T1(℃)が、100℃≦T1≦200℃を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
[5] (E)工程の後で、(G)絶縁層を粗化処理する工程を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
[6] (G)工程の後で、(H)絶縁層表面に導体層を形成する工程を含む、[5]に記載のプリント配線板の製造方法。
[7] 絶縁層の厚みが、100μm以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
本発明によれば、反りの低減及び層間剥離を抑制したプリント配線板の製造方法を提供することができる。
[絶縁樹脂フィルム]
本発明のプリント配線板の製造方法について詳細に説明する前に、本発明のプリント配線板の製造方法において使用される「絶縁樹脂フィルム」について説明する。
絶縁樹脂フィルムは、支持体と、該支持体上に設けられた樹脂組成物層とを含み、樹脂組成物層はシアネートエステル樹脂を含む樹脂組成物から形成される。以下、絶縁樹脂フィルムが有する樹脂組成物層及び支持体について説明する。
(樹脂組成物層)
樹脂組成物層に用いられる樹脂組成物は、シアネートエステル樹脂を含む樹脂組成物であれば特に限定されず、例えば、シアネートエステル樹脂と硬化性樹脂を含む組成物が挙げられる。硬化性樹脂としては、プリント配線板の絶縁層を形成する際に使用される任意の硬化性樹脂を用いることができ、中でもエポキシ樹脂が好ましい。したがって、一実施形態において、樹脂組成物はシアネートエステル樹脂及びエポキシ樹脂を含む。樹脂組成物は、必要に応じて、さらに無機充填材、熱可塑性樹脂、硬化剤(シアネートエステル樹脂は除く)、硬化促進剤、難燃剤及び有機充填材等の添加剤を含んでいてもよい。以下、樹脂組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
−シアネートエステル樹脂−
樹脂組成物は、シアネートエステル樹脂を含む。シアネートエステル樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型などのノボラック型シアネートエステル樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂;ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型などのビスフェノール型シアネートエステル樹脂、及びこれらが一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
シアネートエステル樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート))、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ジシクロペンタジエン構造含有フェノール樹脂等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。
シアネートエステル樹脂は市販品を用いてもよく、例えば、下式(A)で表されるフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製、PT30、シアネート当量124)、下式(B)で表されるビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー(ロンザジャパン社製、BA230、シアネート当量232)、下式(C)で表されるジシクロペンタジエン構造含有シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製、DT−4000、DT−7000)等が挙げられる。
Figure 0006776874
[式(A)中、nは平均値としての任意の数を表す。]
式(A)中のnは0〜20を表すことが好ましい。
Figure 0006776874
Figure 0006776874
[式(C)中、nは平均値としての任意の数を表す。]
式(C)中のnは0〜5を表すことが好ましい。
シアネートエステル樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、好ましくは500〜4500であり、より好ましくは600〜3000である。ここで、シアネートエステル樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
樹脂組成物中のシアネートエステル樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、耐熱性を向上させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。下限値は、耐熱性低下を防止し、熱膨張率増加を防止し、誘電正接増加を防止するという観点から、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、10質量%以上が更に一層好ましい。
−エポキシ樹脂−
一実施形態において、樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含有し得る。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、及びパーフルオロアルキル型エポキシ樹脂等のフッ素含有エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;ビスフェノールS型エポキシ樹脂;ビキシレノール型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;トリスフェノール型エポキシ樹脂;ナフトールノボラック型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ナフトール型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;線状脂肪族エポキシ樹脂;ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;複素環式エポキシ樹脂;スピロ環含有エポキシ樹脂;シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂;トリメチロール型エポキシ樹脂;テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるのが好ましい。中でも、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」という。)と、1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」という。)とを含むことが好ましい。エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用することで、優れた可撓性を有し、硬化物の破断強度も向上する。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学社製の「828US」、「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、「630」、「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)、新日鉄住金化学社製「YD−8125G」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、ナガセケムテックス社製の「EX−721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂)、ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂)、「PB−3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂)、新日鐵化学社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4−グリシジルシクロヘキサン)、三菱化学社製の「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)、ダイキン工業社製の「E−7432」、「E−7632」(パーフルオロアルキル型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、及びビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましい。固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP−4700」、「HP−4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N−690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP−7200」、「HP−7200HH」、「HP−7200H」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA−7311」、「EXA−7311−G3」、「EXA−7311−G4」、「EXA−7311−G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬社製の「EPPN−502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学社製の「ESN475V」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学社製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂)、大阪ガスケミカル社製の「PG−100」、「CG−500」、三菱化学社製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、三菱化学社製の「jER1010」、(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)、「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学社製の「TX0712−EK75」(リン含有エポキシ樹脂)等が挙げられる。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用する場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1〜1:15の範囲が好ましい。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比を斯かる範囲とすることにより、i)絶縁樹脂フィルムの形態で使用する場合に適度な粘着性がもたらされる、ii)絶縁樹脂フィルムの形態で使用する場合に十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する、並びにiii)十分な破断強度を有する樹脂組成物層の硬化物を得ることができる等の効果が得られる。上記i)〜iii)の効果の観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂の量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1〜1:10の範囲がより好ましく、1:0.3〜1:3の範囲がさらに好ましい。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、良好な引張破壊強度、絶縁信頼性を示す絶縁層を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されないが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜5000、より好ましくは50〜3000、さらに好ましくは80〜2000、さらにより好ましくは110〜1000である。この範囲となることで、樹脂組成物層の硬化物の架橋密度が十分となり表面粗さの小さい絶縁層をもたらすことができる。なお、エポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは100〜5000、より好ましくは250〜3000、さらに好ましくは400〜1500である。ここで、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
−無機充填材−
一実施形態において、樹脂組成物は無機充填材を含有し得る。無機充填材の材料は特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でもシリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。またシリカとしては球状シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填材の平均粒径は、表面粗さの小さい絶縁層を得る、及び微細配線形成性向上の観点から、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。該平均粒径の下限は、特に限定されないが、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上である。このような平均粒径を有する無機充填材の市販品としては、例えば、アドマテックス社製「YC100C」、「YA050C」、「YA050C−MJE」、「YA010C」、電気化学工業社製「UFP−30」、トクヤマ社製「シルフィルNSS−3N」、「シルフィルNSS−4N」、「シルフィルNSS−5N」、アドマテックス社製「SO−C2」、「SO−C1」等が挙げられる。
無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波によりメチルエチルケトン中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、堀場製作所社製「LA−500」、島津製作所社製「SALD−2200」等を使用することができる。
無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、上記フッ素化合物であるフッ素含有シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルコキシシラン、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等の1種以上の表面処理剤で処理されていることが好ましく、フッ素含有シランカップリング剤で処理されていることがより好ましい。表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM−4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)、信越化学工業社製「KBM−7103」(3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の分散性向上の観点から、無機充填材100質量部に対して、0.2質量部〜5質量部の表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、0.2質量部〜3質量部で表面処理されていることが好ましく、0.3質量部〜2質量部で表面処理されていることが好ましい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度及びシート形態での溶融粘度の上昇を抑制する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所社製「EMIA−320V」等を使用することができる。
樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、熱膨張率が低い絶縁層を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。上限は、絶縁層の層間剥離を抑制するという観点から、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下である。
−硬化促進剤−
一実施形態において、樹脂組成物は、硬化促進剤を含有し得る。硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられ、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩が好ましい。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン等が挙げられ、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセンが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三菱化学社製の「P200−H50」、三菱化学社製の「jERcure P200H50」等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1−n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンが好ましい。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
樹脂組成物が硬化促進剤を含有する場合、硬化促進剤の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、樹脂0.01質量%〜3質量%が好ましく、0.01質量%〜3質量%がより好ましく、0.01質量%〜1質量%がさらに好ましい。
−硬化剤(シアネートエステル樹脂は除く)−
一実施形態において、樹脂組成物は硬化剤を含有し得る。但し、ここでいう硬化剤はシアネートエステル樹脂を含めない。硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有する化合物を用いることができ、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤などが挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、導体層との密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN−495V」、「SN375」、「SN395」、DIC社製の「TD−2090」、「LA−7052」、「LA−7054」、「LA−1356」、「LA−3018−50P」、「EXB−9500」等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン−ジシクロペンチレン−フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC−8000−65T」、「HPC−8000H−65TM」、「EXB−8000L−65TM」(DIC社製)、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416−70BK」(DIC社製)、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱化学社製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱化学社製)、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱化学社製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤として「YLH1026」(三菱化学社製)、「YLH1030」(三菱化学社製)、「YLH1048」(三菱化学社製)等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子社製の「HFB2006M」、四国化成工業社製の「P−d」、「F−a」が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル社製の「V−03」、「V−07」等が挙げられる。
エポキシ樹脂と硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.01〜1:2の範囲が好ましく、1:0.015〜1:1.5がより好ましく、1:0.02〜1:1がさらに好ましい。ここで、硬化剤の反応基とは、活性水酸基、活性エステル基等であり、硬化剤の種類によって異なる。また、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、硬化剤の反応基の合計数とは、各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。エポキシ樹脂と硬化剤との量比を斯かる範囲とすることにより、樹脂組成物層の硬化物の耐熱性がより向上する。
樹脂組成物が硬化剤を含有する場合、硬化剤の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。また、下限は特に制限はないが2質量%以上が好ましい。
−熱可塑性樹脂−
一実施形態において、樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含有し得る。熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられ、フェノキシ樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは8,000以上、より好ましくは10,000以上、さらに好ましくは20,000以上、特に好ましくは40,000以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは70,000以下、より好ましくは60,000以下である。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として島津製作所社製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度を40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学社製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、新日鉄住金化学社製の「FX280」及び「FX293」、三菱化学社製の「YL7500BH30」、「YX6954BH30」、「YX7553」、「YX7553BH30」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、例えば、電気化学工業社製の「電化ブチラール4000−2」、「電化ブチラール5000−A」、「電化ブチラール6000−C」、「電化ブチラール6000−EP」、積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ(例えばBX−5Z)、KSシリーズ(例えばKS−1)、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化社製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報記載のポリイミド)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報及び特開2000−319386号公報等に記載のポリイミド)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡績社製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成工業社製の「KS9100」、「KS9300」(ポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド)等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「PES5003P」等が挙げられる。ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、三菱ガス化学社製のオリゴフェニレンエーテル・スチレン樹脂「OPE−2St 1200」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
中でも、熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。したがって好適な一実施形態において、熱可塑性樹脂は、フェノキシ樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される1種以上を含む。中でも、熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂が好ましく、重量平均分子量が40,000以上のフェノキシ樹脂が特に好ましい。重量平均分子量が40,000以上のフェノキシ樹脂を用いることで配線回路の微細化が可能となる。
樹脂組成物が熱可塑性樹脂を含有する場合、熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.05質量%〜5質量%、より好ましくは0.1質量%〜4質量%、さらに好ましくは0.15質量%〜3質量%である。
−有機充填材−
一実施形態において、樹脂組成物は、有機充填材を含有し得る。有機充填材を含有させることで、絶縁樹脂フィルムの樹脂組成物層の硬化物の引張破壊強度を向上させることができる。有機充填材としては、プリント配線板の絶縁層を形成するに際し使用し得る任意の有機充填材を使用してよく、例えば、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子等が挙げられる。
ゴム粒子としては、市販品を用いてもよく、例えば、ダウ・ケミカル日本社製の「EXL2655」、アイカ工業社製の「AC3401N」、「AC3816N」等が挙げられる。
樹脂組成物が有機充填材を含有する場合、有機充填材の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、1質量%〜10質量%が好ましく、2質量%〜5質量%がより好ましい。
−難燃剤−
一実施形態において、樹脂組成物は、難燃剤を含有し得る。難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
難燃剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三光社製の「HCA−HQ」、大八化学工業社製の「PX−200」等が挙げられる。難燃剤としては加水分解しにくいものが好ましく、例えば、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド等が好ましい。
樹脂組成物が難燃剤を含有する場合、難燃剤の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、0.5質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜15質量%がより好ましく、0.5質量%〜10質量%がさらに好ましい。
−任意の添加剤−
一実施形態において、樹脂組成物は、さらに必要に応じて、他の添加剤を含んでいてもよく、斯かる他の添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
樹脂組成物層の厚さは、プリント配線板の薄型化の観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、さらにより好ましくは50μm以下又は40μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常、1μm以上、5μm以上、10μm以上等とし得る。
(支持体)
絶縁樹脂フィルムに用いる支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理、帯電防止処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック社製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」、東レ社製の「ルミラーT60」帝人社製の「ピューレックス」、ユニチカ社製の「ユニピール」等が挙げられる。
支持体の厚みとしては、特に限定されないが、5μm〜75μmの範囲が好ましく、10μm〜60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
[プリント配線板の製造方法]
本発明のプリント配線板の製造方法は、
(A)支持体と、該支持体上に設けられた、シアネートエステル樹脂を含む樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む絶縁樹脂フィルムを準備する工程、
(B)熱膨張率が10ppm以下の内層基板上に、樹脂組成物層が内層基板と接合するように絶縁樹脂フィルムを積層する工程、
(C)樹脂組成物層を熱硬化させ、ガラス転移温度がT1(℃)である絶縁層を形成する工程、
(E)下記一般式(1)を満たすように絶縁層をT2(℃)で加熱する工程、を含む。
5℃≦T1−T2≦50℃ (1)
また、本発明のプリント配線板の製造方法は、必要に応じて、(E)工程の前に、(D)絶縁層を室温まで冷却する工程を含んでいてもよい。
以下、本発明のプリント配線板の製造方法における各工程について説明する。
<(A)工程>
この(A)工程では、支持体と、該支持体上に設けられた、シアネートエステル樹脂を含む樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む絶縁樹脂フィルムを準備する。絶縁樹脂フィルムは、上記[絶縁樹脂フィルム]において説明したとおりである。
絶縁樹脂フィルムは、例えば、シアネートエステル樹脂を含む樹脂組成物を有機溶剤に溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーター等の塗布装置を用いて支持体上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶剤等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%〜60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃〜150℃で3分間〜10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
絶縁樹脂フィルムにおいて、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。絶縁樹脂フィルムは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。絶縁樹脂フィルムが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
<(B)工程>
この(B)工程では、熱膨張率が10ppm以下の内層基板上に、樹脂組成物層が内層基板と接合するように絶縁樹脂フィルムを積層する。
内層基板とは、プリント配線板の基板となる部材であって、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。また、該基板は、その片面又は両面に導体層を有していてもよく、この導体層はパターン加工されていてもよい。基板の片面または両面に導体層(回路)が形成された内層基板は「内層回路基板」ということがある。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物も本発明でいう「内層基板」に含まれる。プリント配線板が部品内蔵回路板である場合、部品を内蔵した内層基板を使用し得る。
熱膨張率が10ppm以下の内層基板を用いることで、反りを低減及び層間剥離を抑制することができる。内層基板の熱膨張率は、10ppm以下であり、9ppm以下が好ましく、8ppm以下がより好ましく、7ppmが一層好ましい。下限は特に限定されないが、0.1ppm以上等とし得る。内層基板の熱膨張率は、後述する[内層基板の熱膨張率(CTE)の測定]に記載の方法に従って測定することができる。
樹脂組成物層が、熱膨張率が10ppm以下の内層基板と接合するように、内層基板に絶縁樹脂フィルムを積層する。一実施形態において、内層基板と絶縁樹脂フィルムの積層は、例えば、支持体側から絶縁樹脂フィルムを内層基板に加熱圧着することにより行うことができる。絶縁樹脂フィルムを内層基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を絶縁樹脂フィルムに直接プレスするのではなく、内層基板の表面凹凸に絶縁樹脂フィルムが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
内層基板と絶縁樹脂フィルムの積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃〜160℃、より好ましくは80℃〜140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa〜1.77MPa、より好ましくは0.29MPa〜1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間〜400秒間、より好ましくは30秒間〜300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施する。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、ニッコー・マテリアルズ社製のバキュームアップリケーター、バッチ式真空加圧ラミネーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持体側からプレスすることにより、積層された絶縁樹脂フィルムの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
<(C)工程>
この(C)工程では、樹脂組成物層を熱硬化させ、ガラス転移温度がT1(℃)である絶縁層を形成する。
樹脂組成物層の熱硬化条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
例えば、樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類等によっても異なるが、硬化温度は120℃〜240℃の範囲(好ましくは150℃〜220℃の範囲、より好ましくは170℃〜200℃の範囲)、硬化時間は5分間〜120分間の範囲(好ましくは10分間〜100分間、より好ましくは15分間〜90分間)とすることができる。
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上110℃以下、より好ましくは70℃以上100℃以下)の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上(好ましくは5分間〜150分間、より好ましくは15分間〜120分間)予備加熱してもよい。
樹脂組成物層を熱硬化した後の絶縁層のガラス転移温度T1(℃)としては、好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上、さらに好ましくは120℃、130℃、140℃、又は150℃以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、さらに好ましくは180℃以下である。絶縁層のガラス転移温度T1を上記範囲内とすることで、反りを低減及び層間剥離を抑制することができる。
一般に、絶縁層が薄いほど絶縁層の剥離が生じやすい傾向があったので、その剥離を抑制することは従来の技術では困難であった。このような解決困難であった剥離の抑制を可能にして本発明の効果を有効に活用する観点では、絶縁層は薄いほど好ましい。具体的な絶縁層の厚みは、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、さらにより好ましくは50μm以下又は40μm以下である。絶縁層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常、1μm以上、5μm以上、10μm以上等とし得る。
<(D)工程>
一実施形態において、(D)絶縁層を室温まで冷却する工程を含み得る。(D)工程は、(C)工程と(E)工程との間、即ち(E)工程の前に行うことが好ましい。(D)工程を行うことで、(E)工程での絶縁層の応力の緩和によって、絶縁層での応力の残留を効果的に抑制でき、層間剥離をより抑制することができる。ここで室温とは、通常10〜30℃を表す。
冷却する方法は、特に限定されず、絶縁層を放冷してもよく、強制的に絶縁層を冷却してもよい。強制的に絶縁層を冷却する場合、公知の種々の方法で冷却すればよく、例えば、絶縁層に冷風を吹きあてる方法、絶縁層を冷却したロールに押し当てる方法などが挙げられる。
<(E)工程>
この(E)工程では、下記一般式(1)を満たすように絶縁層をT2(℃)で加熱する。即ち、(C)工程での熱硬化温度よりも低い、一般式(1)を満たす温度で絶縁層のアニール処理を行う。(E)工程を行うことで絶縁層の応力を緩和させることができ、その結果、反りを低減及び層間剥離を抑制することができる。
5℃≦T1−T2≦50℃ (1)
先述したように、従来、シアネートエステル樹脂を含む樹脂組成物を用いて絶縁層を形成すると、層間剥離が発生しやすくなるという課題があったが、熱硬化して絶縁層を形成後に、一般式(1)を満たすように、絶縁層のガラス転移温度Tgよりも低い温度で絶縁層を加熱することにより、絶縁層中の応力が緩和され、これにより、反りを低減及び層間剥離を抑制することができる。
加熱温度T2(℃)としては、一般式(1)を満たすように調整すれば特に限定されないが、好ましくは95℃以上、より好ましくは105℃以上、さらに好ましくは115℃、125℃以上である。上限は、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下、さらに好ましくは130℃以下である。
(E)工程での絶縁層の加熱温度T2(℃)は、下記一般式(1)を満たし、下記一般式(2)を満たすことが好ましく、下記一般式(3)を満たすことがより好ましい。T1−T2が一般式(1)を満たすようにT2(℃)で絶縁層を加熱することにより、反りを低減及び層間剥離を抑制することができる。
5℃≦T1−T2≦50℃ (1)
10℃≦T1−T2≦45℃ (2)
15℃≦T1−T2≦40℃ (3)
(E)工程では、絶縁層の応力を緩和させる観点から、T2(℃)で所定時間保持することが好ましい。T2(℃)の保持時間は、5〜90分が好ましく、15〜70分が好ましく、20〜40分が好ましい。
支持体は、(B)工程と(C)工程と工程の間、(C)工程と(D)工程との間、(D)工程と(E)工程との間、又は(E)工程の後に除去してもよい。
支持体の除去は、従来公知の任意好適な方法により剥離除去することができ、自動剥離装置により機械的に剥離除去してもよい。支持体を除去することにより、形成された絶縁層の表面が露出する。
<(F)工程乃至(H)工程>
プリント配線板を製造するに際しては、(E)工程の後で、(F)絶縁層に穴あけする工程、(G)絶縁層を粗化処理する工程、(H)絶縁層表面に導体層を形成する工程をさらに実施してもよい。これらの(F)工程乃至(H)工程は、プリント配線板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。
(F)工程は、絶縁層に穴あけする工程であり、これにより絶縁層にビアホール、スルーホールを形成することができる。穴あけする工程は、例えば、ドリル、レーザー(炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等)、プラズマ等を使用して実施することができる。
(G)工程は、絶縁層を粗化処理する工程である。かかる粗化処理の手順、条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常使用される公知の手順、条件を採用することができる。(G)工程は、例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施して絶縁層を粗化処理する工程とすることができる。膨潤液は特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン社製「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」等が挙げられる。膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃〜90℃の膨潤液に絶縁層を1分間〜20分間浸漬することにより行うことができる。酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃〜80℃に加熱した酸化剤溶液に絶縁層を10分間〜30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%〜10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン社製「コンセントレート・コンパクトCP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。また、中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン社製「リダクションソリューション・セキュリガンスP」が挙げられる。中和液による処理は、酸化剤溶液による粗化処理がなされた処理面を30℃〜80℃の中和液に5分間〜30分間浸漬させることにより行うことができる。
(H)工程は、絶縁層の表面に導体層を形成する工程である。
導体層に使用される導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層の形成の容易性、コスト、パターン加工の容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
導体層は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚さは、所望のプリント配線板のデザインによるが、一般に3μm〜35μmであり、好ましくは5μm〜30μmである。
導体層は、めっきにより形成してよい。例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の従来公知の技術により絶縁層の表面にめっきして、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。以下、導体層をセミアディティブ法により形成する例を示す。
まず、絶縁層の表面に、無電解めっきによりめっきシード層を形成する。次いで、形成されためっきシード層上に、所望の配線パターンに対応してめっきシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出しためっきシード層上に、電解めっきにより金属層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なめっきシード層をエッチングなどにより除去して、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
導体層の残銅率としては、反りを低減する観点から、35〜85%が好ましく、45〜75%がより好ましく、55〜65%がさらに好ましい。
本発明の製造方法により得られたプリント配線板は、反りが低減されていることから良好な反り挙動を示す。一実施形態において、反り挙動は40μm未満である。反り挙動は、後述する[反り挙動の評価]に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の製造方法により得られたプリント配線板は、導体層(又は配線層)と絶縁層との間の層間剥離が抑制されるという優れた効果を奏する。層間剥離が発生するエリアは、基板面積20.25cmに対して10%未満が好ましく、5%以下がより好ましく、1%以下がより好ましい。層間剥離は、後述する[層間剥離の評価]に記載の方法に従って測定することができる。
[半導体装置]
本発明の製造方法により得られたプリント配線板を用いて、かかるプリント配線板を含む半導体装置を製造することができる。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
半導体装置は、プリント配線板の導通箇所に、部品(半導体チップ)を実装することにより製造することができる。「導通箇所」とは、「プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
本発明の半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、等が挙げられる。ここで、「バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法」とは、「半導体チップをプリント配線板の凹部に直接埋め込み、半導体チップとプリント配線板上の配線とを接続させる実装方法」のことである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
[実施例1]
(樹脂ワニスの作製)
ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(エポキシ当量277、DIC社製「EXA−7311」)20質量部と、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量169、ジャパンエポキシレジン社製「YL983U」)15質量部、リン含有エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「TX0712−EK75」、リン含有量2.6%、エポキシ当量約355の不揮発分75質量%のMEK溶液)10質量部、フェノキシ樹脂(重量平均分子量38000、三菱化学社製「YX6954」不揮発分30質量%のメチルエチルケトン(以下「MEK」と略称する。)とシクロヘキサノンの1:1溶液)10質量部とをMEK10質量部、シクロヘキサノン5質量部、ソルベントナフサ20質量部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却後、そこへ、ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン社製「BA230S75」、シアネート当量約232、不揮発分75質量%のMEK溶液)20質量部、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製「PT30」、シアネート当量約124、不揮発分80質量%のMEK溶液)10質量部と共に攪拌混合し、硬化促進剤としてイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体(三菱化学社製「jERcure P200H50」、不揮発分50質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)0.4質量部、ナフテン酸亜鉛(II)ミネラルスピリット溶液(和光純薬工業社製、亜鉛8%含有)の3質量%のアノン溶液3質量部、及び球形シリカ(アドマテックス社製「SOC2」をアミノシランで表面処理したもの、平均粒子径0.5μm)75質量部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂組成物のワニス(樹脂ワニス)を作製した。
(絶縁樹脂フィルムの製造)
作製した樹脂ワニスを、PETフィルム(厚さ38μm)上に、乾燥後の厚さが25μmになるよう、ダイコーターにて均一に塗布し、80〜120℃(平均100℃)で5分間乾燥させて絶縁樹脂フィルムを得た。
(絶縁樹脂フィルムのラミネート)
得られた絶縁樹脂フィルムを、内層回路基板(日立化成社製「MCL−E705G」、導体層の厚さ35μm、計0.4mm厚、残銅率60%)の両面にラミネートした。かかるラミネートは、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーターMVLP−500を用い、温度100℃にて30秒間真空吸引後、温度100℃、圧力7.0kg/cmの条件で、PETフィルム上から、耐熱ゴムを介して30秒間プレスすることによりラミネートした。次に、大気圧下で、SUS鏡板を用いて、温度100℃、圧力5.5kg/cmの条件で60秒間プレスを行った。
(絶縁樹脂フィルムの熱硬化)
ラミネートされた絶縁樹脂フィルムから、PETフィルムを剥離し、熱風循環炉を用いて、180℃、30分の硬化条件で絶縁樹脂フィルムの樹脂組成物層を熱硬化させて、Tgが160℃(T1=160℃)の絶縁層を形成した。次に室温(25℃)まで基板を冷却させた。室温まで冷却後、すぐに130℃(T2=130℃)で30分のアニール条件でアニール処理を行った。これにより、内層回路基板の両面に絶縁層が形成された積層板を得た。
(粗化処理)
絶縁層表面を、膨潤液であるアトテックジャパン社製のスウェリング・ディップ・セキュリガンスP(Swelling Dip Securiganth P)に80℃で10分間浸漬し、次に、酸化剤としてアトテックジャパン社製のコンセントレート・コンパクト CPに80℃で10分間浸漬し、最後に中和液として、アトテックジャパン社製のリダクションソリューシン・セキュリガントPに40℃で5分間浸漬した。その後80℃で30分間乾燥した。
(めっきによる導体層の形成)
粗化処理された積層板を、PdClを含む無電解メッキ用溶液に浸漬し、次に無電解銅めっき液に浸漬した。150℃にて30分間加熱してめっきシード層のアニール処理を行った後に、硫酸銅電解メッキを行い、30±5μmの厚さで導体層を形成した。次に、導体層のアニール処理を180℃にて60分間行い、多層プリント配線板を製造した。
[実施例2]
実施例1において、アニール処理の前に、絶縁樹脂フィルムを熱硬化させた後内層回路基板を室温まで冷却させなかった。以上の事項以外は実施例1と同様にして、多層プリント配線板を得た。
[実施例3]
実施例1において、内層回路基板(日立化成社製「MCL−E705G」、導体層の厚さ35μm、計0.4mm厚)を、内層回路基板(三菱ガス化学社製「HL832NSF−LCA」、導体層の厚さ35μm、計0.4mm厚)に変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、多層プリント配線板を得た。
[実施例4]
実施例1において、130℃で30分のアニール条件で行ったアニール処理を、130℃で15分のアニール条件で行ったアニール処理に変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、多層プリント配線板を得た。
[実施例5]
実施例1において、130℃で30分のアニール条件で行ったアニール処理を、130℃で60分のアニール条件で行ったアニール処理に変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、多層プリント配線板を得た。
[比較例1]
実施例1において、130℃で30分のアニール条件で行ったアニール処理を、180℃で30分のアニール条件で行ったアニール処理に変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、多層プリント配線板を得た。
[比較例2]
実施例1において、130℃で30分のアニール条件で行ったアニール処理を、100℃で30分のアニール条件で行ったアニール処理に変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、多層プリント配線板を得た。
[比較例3]
実施例1において、内層回路基板(日立化成社製「MCL−E705G」、導体層の厚さ35μm、計0.4mm厚)を、内層回路基板(三菱ガス化学社製「MCL−E679FGR」、導体層の厚さ35μm、計0.4mm厚)に変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、多層プリント配線板を得た。
以上の実施例及び比較例で得られた絶縁樹脂フィルム及び回路基板についての評価を下記のとおりに行った。その結果を下記表に示す。
[内層基板の熱膨張率(CTE)の測定]
JIS C 6481−1996(5.19)の規定に基づき、内層回路基板上の回路をエッチング処理により除いて、内層回路基板の熱膨張率をTMA法により測定した。
[絶縁層のガラス転移温度の測定]
樹脂ワニスを、アルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム(38μm)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが25μmになるように、ダイコーターにて均一に塗布し、80〜120℃(平均100℃)で5分間乾燥することにより、絶縁樹脂フィルムを得た。次いで、絶縁樹脂フィルムを実施例及び比較例に記載した条件で熱硬化させ、樹脂組成物層を熱硬化させた絶縁樹脂フィルムの小片をサンプルとした。サンプルを、熱機械分析装置(DMA)としてセイコーインスツルメンツ社製の型式DMS-6100を用い、「引っ張りモード」にて測定した。かかる測定は、2℃/分の昇温にて、25℃〜240℃の範囲で行った。測定で得られた貯蔵弾性率(E’)と損失弾性率(E”)との比で求められる損失正接(tanδ)の最大値の小数点第一位を四捨五入した値をガラス転移温度とした。
[反り挙動の評価]
実施例及び比較例での多層プリント配線板を、5つの45mm角の個片に切り出した後、ピーク温度260℃のリフロー装置(日本アントム社製「HAS−6116」)に一回通した(この条件は、IPC/JEDEC J−STD−020Cに準拠)。次いで、シャドウモアレ装置(Akrometrix社製TherMoire AXP)を用いて、IPC/JEDEC J−STD−020C(ピーク温度260℃)に準拠した温度プロファイルにて多層プリント配線板の下部より加熱し、多層プリント配線板中央の10mm角部分の反り挙動を測定した。5つの個片について行い、得られた変位データの最大高さと最少高さの差異が、全温度範囲で1サンプルでも40μm以上となるものを「×」、全サンプルが40μm未満となるものを「○」とした。
[層間剥離の評価]
反り挙動の評価後の多層プリント配線板について、日立パワーソリューションズ社製「FineSAT FS300III」で内層回路基板上の回路と絶縁層との間、もしくは絶縁層と導体層の間の層間剥離の発生エリアを確認した。多層プリント配線板の面積20.25cmに対して層間剥離の発生エリアが10%以上となるものを「×」、1%以上10%未満となるものを「△」、1%未満となるものを「○」とした。
Figure 0006776874

Claims (6)

  1. (A)支持体と、該支持体上に設けられた、シアネートエステル樹脂を含む樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む絶縁樹脂フィルムを準備する工程、
    (B)熱膨張率が10ppm以下の内層基板上に、樹脂組成物層が内層基板と接合するように絶縁樹脂フィルムを積層する工程、
    (C)樹脂組成物層を熱硬化させ、ガラス転移温度がT1(℃)である絶縁層を形成する工程、
    (E)下記一般式(1)を満たすように絶縁層をT2(℃)で加熱する工程、を含み、(E)工程の前に、(D)絶縁層を室温まで冷却する工程を含む、プリント配線板の製造方法。
    5℃≦T1−T2≦50℃ (1)
  2. (E)工程において、絶縁層を、T2(℃)で5〜90分間加熱する、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
  3. (C)工程において、絶縁層のガラス転移温度T1(℃)が、100℃≦T1≦200℃を満たす、請求項1又は2に記載のプリント配線板の製造方法。
  4. (E)工程の後で、(G)絶縁層を粗化処理する工程を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  5. (G)工程の後で、(H)絶縁層表面に導体層を形成する工程を含む、請求項に記載のプリント配線板の製造方法。
  6. 絶縁層の厚みが、100μm以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
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