JP6558959B2 - サーミスタセンサ注型用エポキシ樹脂組成物及びサーミスタセンサ - Google Patents
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Description
[1](A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)アミン当量が250〜700g/eqの範囲の脂肪族ポリアミンである硬化剤、(C)反応性希釈剤、(D)無機充填剤を含有するエポキシ樹脂組成物であって、
前記(C)成分が、炭素数が1〜4であるアルキルグリシジルエーテルであり、
前記(A)成分と(C)成分中のエポキシ基に対する前記(B)成分中のアミノ基の当量比が0.45〜0.55の範囲であるサーミスタセンサ注型用エポキシ樹脂組成物。
本発明は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と特定のアミン当量を有する硬化剤と特定の反応性希釈剤と無機充填剤を含有するサーミスタセンサ注型用エポキシ樹脂組成物とサーミスタセンサである。
以下、サーミスタセンサ注型用エポキシ樹脂組成物とサーミスタセンサについて説明する。
本発明のサーミスタセンサ注型用エポキシ樹脂組成物は、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)反応性希釈剤及び(D)無機充填剤を含有するものである。
これらの(B)成分は1種類だけ使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。この中で脂肪族ポリアミンは他のアミンと比べると低粘度であるため、得られるエポキシ樹脂組成物の粘度を低下させることができ、保護ケースへの注型が容易である点で好ましい。
(C)成分に該当するものとして、n−ブチルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、n−プロピルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。これらの(C)成分は1種類だけ使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
(C)成分の配合量の上限は、前記(A)成分100質量部に対して、30質量部であることが好ましく、25質量部であることが更に好ましい。
(C)成分の配合量をこの範囲とすることにより得られるエポキシ樹脂組成物の耐熱性や機械特性を維持しつつ、耐ヒートサイクル性を向上させることができる。
(D)成分としては、従来から知られている無機充填剤を適宜使用することができる。例えば、結晶性シリカ、非結晶性シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの金属水
酸化物、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、チタンホワイト、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素などを使用することができる。
これらの(D)成分のうちアルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素は熱伝導率が高いため好ましい。
これらの(D)成分は1種類だけ使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
本発明のサーミスタセンサ注型用エポキシ樹脂組成物は使用時にこれらの各成分を任意の順序で添加し、均一に混合することによって調製される。また所望により、(B)成分を第二液とし、第二液以外の成分を混合したものを第一液としてあらかじめ調製しておき、使用の際に第一液と第二液を混合して用いると、作業効率などの面で有利である。
本発明のサーミスタセンサは、樹脂注型型サーミスタセンサをいい、サーミスタ素子と絶縁被覆材で被覆された電線からなるサーミスタセンサ本体を樹脂で注型したものをいう。
なお、本発明においては、絶縁被覆材として塩化ビニル樹脂、架橋化ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げることができる。
本発明のサーミスタセンサを製造するにあたっては、予め本発明のサーミスタセンサ注型用エポキシ樹脂組成物を注入した保護ケース内に、サーミスタ素子本体を挿入し、その後、サーミスタセンサ注型用エポキシ樹脂組成物を硬化させるようにしてもよく、あるいは、サーミスタ素子本体を保護ケース内に挿入した後に、本発明のサーミスタセンサ注型用エポキシ樹脂組成物を注入し、硬化させるようにしてもよい。硬化条件は絶縁被覆材の材質に応じて適宜設定すればよく、絶縁被覆材が塩化ビニル樹脂である場合には100〜105℃の温度範囲で2〜10時間程度であることが好ましい。
なお、実施例及び比較例のサーミスタセンサ注型用エポキシ樹脂組成物(以下、試料という)の評価として、粘度の評価を行い、サーミスタセンサについては、耐ヒートサイクル性の評価を行った。
1mlのシリンジに試料0.4ml採取し、25±1℃に保つできることができる恒温水槽を用いて、コーンプレート型粘度計を温調する。JIS Z 8803に準拠してΦ28mm、3°のプレートを使用して100rpm、2分後の粘度を測定する。
試料及び塩化ビニル樹脂で被覆された電線を直径15mmで高さ30mmの銅製の円柱状の保護ケースに入れ、105℃で2時間加熱硬化させたものを、試験片とした。この試験片を5本準備し、−200℃の液体窒素中に1分間保持したのち、130℃のシリコーンオイル中で1分間保持するという処理を1サイクルとしたヒートサイクル試験を行った。5サイクル後にこの電線を引張り、保護ケースから1本でも抜けた場合を「×」、抜けなかった場合を「○」として評価した。
本発明組成物を構成する各成分を表1に示す割合(質量部)で配合して均一に混合し、試料を得て、この試料の粘度を測定しその結果を表1に示す。また、この試料を105℃で2時間加熱し硬化させた。この硬化物の耐ヒートサイクル性を評価した。これらの結果を表1に示す。
表1に示す成分を表1で示した割合(質量部)で均一に混合し、試料を得て粘度測定した。その結果を表1に示す。また、これらの試料を実施例1と同様の条件で硬化させ、硬化物を得た。これらの硬化物の耐ヒートサイクル性を評価した。これらの結果を表1に示す。
表2に示す成分を表2で示した割合(質量部)で均一に混合し、試料を得て粘度を測定した。その結果を表2に示す。また、これらの試料を実施例1と同様の条件で硬化させ、硬化物を得た。これらの硬化物の耐ヒートサイクル性を評価した。これらの結果を表2に示す。
A−1: ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190g/eq、商品名jER828、三菱化学社製)
A−2:可撓性エポキシ樹脂(ビニルエーテル変性エポキシ樹脂、エポキシ当量450 商品名 EPICLON EXA4850−150、DIC社製)
B−1:アミン系硬化剤(アミン当量100g/eq、商品名ジェファーミンD−400、三井化学ファイン社製)
B−2:アミン系硬化剤(アミン当量500g/eq、商品名ジェファーミンD−2000、三井化学ファイン社製)
B−3:アミン系硬化剤(アミン当量1,000g/eq、商品名ジェファーミンD−4000、三井化学ファイン社製)
C−1:ブチルグリシジルエーテル(エポキシ当量145g/eq、商品名エピオールB、日油社製)
D−1:アルミナ、平均粒径(2.5 〜 3.3μm)
Claims (2)
- (A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)アミン当量が250〜700g/eqの範囲の脂肪族ポリアミンである硬化剤、(C)反応性希釈剤、(D)無機充填剤を含有するエポキシ樹脂組成物であって、前記(C)成分が、炭素数が1〜4であるアルキルグリシジルエーテルであり、前記(A)成分と(C)成分中のエポキシ基に対する前記(B)成分中のアミノ基の当量比が0.45〜0.55の範囲であるサーミスタセンサ注型用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1に記載のサーミスタセンサ注型用エポキシ樹脂組成物を用いたサーミスタセンサ。
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