JP2016113483A - シート状樹脂組成物、シート状樹脂組成物を用いた接着方法、およびその方法により接着されてなる接着体 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品などの被接着体を接着するために、被接着体の隙間に挿入し接着して被接着体の封止や絶縁等に好適に用いられ、さらにはハンドリング性に優れ、容易に硬化接着させることができるシート状樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、(B)固形状多官能エポキシ樹脂、(C)ジシアンジアミドおよび(D)無機フィラーを必須成分として含有するシート状樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、シート状樹脂組成物、シート状樹脂組成物を用いた接着方法、およびその方法により接着されてなる接着体に関する。さらに詳しくは、本発明は、広い温度範囲でべたつきが少なく、作業性に優れたシート状樹脂組成物に関する。さらには、複数枚の基板間の隙間や、基板上に実装された部品の隙間に、挿入し加熱して、基板や部品を接着することができる、密封性に優れたシート状樹脂組成物を用いた接着方法、及びその方法を用いて接着されてなる接着体に関する。
従来、電子部品分野に使用する接着シートとして、エポキシ樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物からなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、従来の接着シートは、必ずしもハンドリング性や接着強度に優れず、接着領域への該接着シートの埋め込み性も優れない。また、従来の接着シートで接着された電子部品を加工する場合、該接着シートに剥離が発生することがあり、接着力の高い接着シートが求められている。
また、接着シートとして、繊維基材と熱硬化性樹脂組成物とからなるプリプレグ、例えば、ガラスエポキシプリプレグが知られている(例えば、特許文献2参照)。プリプレグは、ハンドリング性や強度は比較的良好である。しかしながら、従来のプリプレグは、隙間への挿入接着性には必ずしも優れず、繊維基材を含有するために使用できる被接着体は限られてしまう。
さらには、熱硬化性樹脂の接着シートにおいては、夏場の高温時の作業環境においてべたつかず、比較的低温かつ短時間の加熱処理によって隙間の接着を行うことのできるものがなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、電子部品などの被接着体を接着するために、被接着体の隙間に挿入し接着して被接着体の封止や絶縁等に好適に用いられ、さらにはハンドリング性に優れ、容易に硬化接着させることができるシート状樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、上記したシート状樹脂組成物を用いて被接着体を接着する方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、上記した接着方法により接着されてなる接着体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、特定のエポキシ樹脂を含む組成物が、べたつきがなく製品特性に優れた硬化物を与えることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち本発明のシート状樹脂組成物は、(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、(B)固形状多官能エポキシ樹脂、(C)ジシアンジアミドおよび(D)無機フィラーを必須成分として含有するシート状樹脂組成物である。
前記(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂の融点は70〜90℃であることが好ましい。前記(B)固形状多官能エポキシ樹脂の軟化点は75℃以下であることが好ましい。前記(B)固形状多官能エポキシ樹脂は、下記式(1)(式(1)中、mは1〜4の整数である)で表されるビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂の混合物であることが好ましい。前記(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂および前記(B)固形状多官能エポキシ樹脂の質量比(前記(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂/前記(B)固形状多官能エポキシ樹脂)は10/90〜30/70であることが好ましい。前記(D)無機フィラーは、質量平均粒子径5〜20μmの球状シリカであり、前記(D)無機フィラーの含有量は、前記シート状樹脂組成物全量に対して70〜85質量%であることが好ましい。
本発明の被接着体の接着方法は、上記のシート状樹脂組成物を被接着体の隙間に挿入して、前記シート状樹脂組成物を加熱硬化させる接着方法である。
本発明の接着体は、上記の接着方法により被接着体とシート状樹脂組成物とを接着されてなる被接着体である。
本発明によれば、電子部品などの被接着体を接着するために、被接着体の隙間に挿入し接着して被接着体の封止や絶縁等に好適に用いられ、さらにはハンドリング性に優れ、容易に硬化接着させることができるシート状樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、上記のシート状樹脂組成物を用いて被接着体を接着する方法、及びその方法を用いて接着されてなる接着体を提供することができる。
本発明のシート状樹脂組成物は、(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、(B)固形状多官能エポキシ樹脂、(C)ジシアンジアミドおよび(D)無機フィラーを必須成分として含有するシート状樹脂組成物である。
〔(A)成分〕
本発明のシート状樹脂組成物においては、(A)成分として結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂が含有される。結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、一分子中に2個以上のエポキシ基を有するビスフェノールF型化合物で、融点が70〜90℃の結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。なお、本発明において、結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂の融点は、下記の方法で測定した値である。
本発明のシート状樹脂組成物においては、(A)成分として結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂が含有される。結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、一分子中に2個以上のエポキシ基を有するビスフェノールF型化合物で、融点が70〜90℃の結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。なお、本発明において、結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂の融点は、下記の方法で測定した値である。
<融点の測定>
ガラス板上に試料を設置し、毎分5℃の速さで上昇させ、目視で試料が解け始めた時に読み取った温度を試料の融点とする。
例えば、融点が70〜90℃の結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、新日鉄住金化学社製の「YSLV−80XY(融点78℃)」などがある。
ガラス板上に試料を設置し、毎分5℃の速さで上昇させ、目視で試料が解け始めた時に読み取った温度を試料の融点とする。
例えば、融点が70〜90℃の結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、新日鉄住金化学社製の「YSLV−80XY(融点78℃)」などがある。
〔(B)成分〕
本発明のシート状樹脂組成物においては、(B)成分として固形状多官能エポキシ樹脂が含有される。固形状多官能エポキシ樹脂は、軟化点が75℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂が好ましい。
軟化点が75℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂としては、例えば下記式(1)で表されるビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂の混合物が挙げられる。下記式(1)中、mは1〜4の整数を示す。
本発明のシート状樹脂組成物においては、(B)成分として固形状多官能エポキシ樹脂が含有される。固形状多官能エポキシ樹脂は、軟化点が75℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂が好ましい。
軟化点が75℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂としては、例えば下記式(1)で表されるビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂の混合物が挙げられる。下記式(1)中、mは1〜4の整数を示す。
なお、本発明において、固形状多官能エポキシ樹脂の軟化点は、下記の方法で測定した値である。
<軟化点の測定>
JIS K2207に基づいて、規定の環に試料を充填し、水浴またはグリセリン浴中で水平に支え、試料の中央に規定の球を置いて浴温を毎分5℃の速さで上昇させ、球を包み込んだ試料が環台の底板に接触した時に読み取った温度を試料の軟化点とする。
例えば、軟化点が90℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂の市販品としては、日本化薬社製の「NC3000(軟化点57℃)」、「NC3000H(軟化点70℃)」、東都化成社製の「YDCN704(軟化点90℃)」などがある。このうち、日本化薬社製の「NC3000(軟化点57℃)」、「NC3000H(軟化点70℃)」などが好ましく使用される。
JIS K2207に基づいて、規定の環に試料を充填し、水浴またはグリセリン浴中で水平に支え、試料の中央に規定の球を置いて浴温を毎分5℃の速さで上昇させ、球を包み込んだ試料が環台の底板に接触した時に読み取った温度を試料の軟化点とする。
例えば、軟化点が90℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂の市販品としては、日本化薬社製の「NC3000(軟化点57℃)」、「NC3000H(軟化点70℃)」、東都化成社製の「YDCN704(軟化点90℃)」などがある。このうち、日本化薬社製の「NC3000(軟化点57℃)」、「NC3000H(軟化点70℃)」などが好ましく使用される。
本発明において、(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂と(B)軟化点が75℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂とを併用することで、すなわち2種類の固形状エポキシ樹脂を配合することで、室温でシート状、高温で液状の挙動を示すシート状樹脂組成物を得ることができる。
本発明においては、上記(A)成分/上記(B)成分の質量比は10/90〜30/70の範囲であることが好ましい。(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂が上記範囲より少ないか又は(B)固形状多官能エポキシ樹脂の軟化点が75℃を超えると、シート状樹脂組成物に割れまたは欠けが発生し好ましくない。また、(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂が上記範囲より多いか又は(B)固形状多官能エポキシ樹脂の軟化点が低すぎると、シート状樹脂組成物が形成されにくくなる。このような観点から、上記(A)成分/上記(B)成分の質量比は15/85〜25/75の範囲であることがより好ましく、また(B)固形状多官能エポキシ樹脂の軟化点の下限は、通常40℃程度である。
〔(C)成分〕
本発明のシート状樹脂組成物においては、硬化剤として(C)成分であるジシアンジアミドが含有される。
ジシアンジアミドの含有量は、硬化性及び硬化物の物性のバランスなどの点から、上記(A)成分および上記(B)成分のエポキシ樹脂に対する質量比で、通常1〜10質量%程度、好ましくは2〜6質量%の範囲で選定される。
本発明のシート状樹脂組成物においては、硬化剤として(C)成分であるジシアンジアミドが含有される。
ジシアンジアミドの含有量は、硬化性及び硬化物の物性のバランスなどの点から、上記(A)成分および上記(B)成分のエポキシ樹脂に対する質量比で、通常1〜10質量%程度、好ましくは2〜6質量%の範囲で選定される。
〔エポキシ樹脂用硬化促進剤〕
本発明のシート状樹脂組成物においては、本発明の効果が損なわれない範囲で、エポキシ樹脂用硬化促進剤を含有させることができる。
エポキシ樹脂用硬化促進剤としては、特に制限はなく、従来エポキシ樹脂の硬化促進剤として使用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えば、芳香族ジメチルウレア、脂肪族ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチルウレア、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン等のウレア類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、三フッ化ホウ素アミン錯体、トリフェニルホスフィンなどを例示することができる。これらの硬化促進剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。エポキシ樹脂用硬化促進剤の含有量は、硬化促進性及び硬化物の物性のバランスなどの点から、上記(A)成分および上記(B)成分のエポキシ樹脂の合計100質量部に対し、通常0.1〜10質量部程度、好ましくは0.4〜5質量部の範囲で選定される。
本発明のシート状樹脂組成物においては、本発明の効果が損なわれない範囲で、エポキシ樹脂用硬化促進剤を含有させることができる。
エポキシ樹脂用硬化促進剤としては、特に制限はなく、従来エポキシ樹脂の硬化促進剤として使用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えば、芳香族ジメチルウレア、脂肪族ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチルウレア、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン等のウレア類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、三フッ化ホウ素アミン錯体、トリフェニルホスフィンなどを例示することができる。これらの硬化促進剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。エポキシ樹脂用硬化促進剤の含有量は、硬化促進性及び硬化物の物性のバランスなどの点から、上記(A)成分および上記(B)成分のエポキシ樹脂の合計100質量部に対し、通常0.1〜10質量部程度、好ましくは0.4〜5質量部の範囲で選定される。
〔(D)成分〕
本発明のシート状樹脂組成物においては、(D)成分として無機フィラーが含有される。無機フィラーとしては特に制限はなく、例えばボールミルなどで粉砕した溶融シリカ、火炎溶融することで得られる球状シリカ、ゾルゲル法などで製造される球状シリカなどのシリカ類;アルミナ;水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水和物;酸化チタン;カーボンブラックなど、通常用いられているものを使用することができる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機フィラーの質量平均粒子径は、製造時の作業性および充填効率の観点から、5〜20μmの範囲にあることが好ましい。なお、無機フィラーの質量平均粒子径は、レーザ回折散乱方式(たとえば、島津製作所製、装置名:SALD−3100)により測定された値である。
無機フィラーとしては、球状シリカが好ましく、例えば電気化学工業社製の「FB−105(質量平均粒子径:12μm)」、「FB−959(質量平均粒子径:17μm)」などが好適である。
無機フィラーの含有量は、シート状樹脂組成物全量に対して、50〜85質量%であることを要する。無機フィラーの含有量がシート状樹脂組成物全量に対して50質量%未満であると、シート状樹脂組成物を用いて電子部品を封止する際、シート状樹脂組成物を加熱硬化して形成される硬化物に反りや、ねじれが発生しやすく、当該含有量が85質量%を超えると、シート状樹脂組成物に割れや欠けが発生したり、溶融時の流動性が低下し、部品周りに未充填箇所が発生したりするため好ましくない。好ましくは、無機フィラーの含有量は、シート状樹脂組成物全量に対して、70〜85質量%である。無機フィラーの含有量がシート状樹脂組成物全量に対して70質量%以上であると、シート状樹脂組成物の硬化物に反りやねじりが発生しにくく、当該含有量が85質量%以下であると、シート状樹脂組成物の割れや欠けの発生や、溶融時の流動性の低下、部品周りの未充填箇所の発生が抑制される。
なお、無機フィラーとして金属水和物を用いた場合、当該無機フィラーは難燃剤としても機能する。
本発明のシート状樹脂組成物においては、(D)成分として無機フィラーが含有される。無機フィラーとしては特に制限はなく、例えばボールミルなどで粉砕した溶融シリカ、火炎溶融することで得られる球状シリカ、ゾルゲル法などで製造される球状シリカなどのシリカ類;アルミナ;水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水和物;酸化チタン;カーボンブラックなど、通常用いられているものを使用することができる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機フィラーの質量平均粒子径は、製造時の作業性および充填効率の観点から、5〜20μmの範囲にあることが好ましい。なお、無機フィラーの質量平均粒子径は、レーザ回折散乱方式(たとえば、島津製作所製、装置名:SALD−3100)により測定された値である。
無機フィラーとしては、球状シリカが好ましく、例えば電気化学工業社製の「FB−105(質量平均粒子径:12μm)」、「FB−959(質量平均粒子径:17μm)」などが好適である。
無機フィラーの含有量は、シート状樹脂組成物全量に対して、50〜85質量%であることを要する。無機フィラーの含有量がシート状樹脂組成物全量に対して50質量%未満であると、シート状樹脂組成物を用いて電子部品を封止する際、シート状樹脂組成物を加熱硬化して形成される硬化物に反りや、ねじれが発生しやすく、当該含有量が85質量%を超えると、シート状樹脂組成物に割れや欠けが発生したり、溶融時の流動性が低下し、部品周りに未充填箇所が発生したりするため好ましくない。好ましくは、無機フィラーの含有量は、シート状樹脂組成物全量に対して、70〜85質量%である。無機フィラーの含有量がシート状樹脂組成物全量に対して70質量%以上であると、シート状樹脂組成物の硬化物に反りやねじりが発生しにくく、当該含有量が85質量%以下であると、シート状樹脂組成物の割れや欠けの発生や、溶融時の流動性の低下、部品周りの未充填箇所の発生が抑制される。
なお、無機フィラーとして金属水和物を用いた場合、当該無機フィラーは難燃剤としても機能する。
〔任意成分:カップリング剤〕
本発明のシート状樹脂組成物においては、充填性の観点から、必要に応じてカップリング剤を含有させることができる。カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、アルミニウム系などのカップリング剤が挙げられるが、これらの中でもシラン系カップリング剤が好ましい。シラン系カップリング剤としては、特にγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン化合物が好ましく用いられる。
カップリング剤の含有量は、シート状樹脂組成物全量に対して、0.03〜5.0質量%程度、好ましくは0.1〜2.5質量%である。
本発明のシート状樹脂組成物においては、充填性の観点から、必要に応じてカップリング剤を含有させることができる。カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、アルミニウム系などのカップリング剤が挙げられるが、これらの中でもシラン系カップリング剤が好ましい。シラン系カップリング剤としては、特にγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン化合物が好ましく用いられる。
カップリング剤の含有量は、シート状樹脂組成物全量に対して、0.03〜5.0質量%程度、好ましくは0.1〜2.5質量%である。
〔他の任意成分〕
本発明のシート状樹脂組成物においては、他の任意成分として、本発明の効果を阻害しない範囲で、難燃剤;シリコーンゴムやシリコーンゲルなどの粉末;シリコーン変性エポキシ樹脂やフェノール樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体のような熱可塑性樹脂などの低応力化剤;n−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンジエポキシド、フェノール、クレゾール、t−ブチルフェノールなどの粘度降下用希釈剤;ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーンオイルなどの濡れ向上剤や消泡剤等を適宜含有させることができる。
本発明のシート状樹脂組成物においては、他の任意成分として、本発明の効果を阻害しない範囲で、難燃剤;シリコーンゴムやシリコーンゲルなどの粉末;シリコーン変性エポキシ樹脂やフェノール樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体のような熱可塑性樹脂などの低応力化剤;n−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンジエポキシド、フェノール、クレゾール、t−ブチルフェノールなどの粘度降下用希釈剤;ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーンオイルなどの濡れ向上剤や消泡剤等を適宜含有させることができる。
〔シート状樹脂組成物の製造〕
本発明のシート状樹脂組成物の製造方法については、特に制限はないが、例えば下記のようにして製造することができる。
まず、前述した(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、(B)固形状多官能エポキシ樹脂、(C)ジシアンジアミドおよび(D)無機フィラーからなる必須成分、並びに必要に応じて用いられる各種任意成分を高速混合機、二本ロール、連続混練装置などで十分混練する。混練温度としては50〜110℃程度が好ましい。このようにして得られた樹脂組成物を冷却後、成形機にて温度50〜100℃程度、圧力0.5〜1.5MPa程度の条件でプレスして、本発明のシート状樹脂組成物(以下、単に「樹脂シート」と称することがある)を製造する。
本発明のシート状樹脂組成物の製造方法については、特に制限はないが、例えば下記のようにして製造することができる。
まず、前述した(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、(B)固形状多官能エポキシ樹脂、(C)ジシアンジアミドおよび(D)無機フィラーからなる必須成分、並びに必要に応じて用いられる各種任意成分を高速混合機、二本ロール、連続混練装置などで十分混練する。混練温度としては50〜110℃程度が好ましい。このようにして得られた樹脂組成物を冷却後、成形機にて温度50〜100℃程度、圧力0.5〜1.5MPa程度の条件でプレスして、本発明のシート状樹脂組成物(以下、単に「樹脂シート」と称することがある)を製造する。
本発明の樹脂シートの厚さは、用途にもよるが、通常0.1〜2.0mm程度、好ましくは0.1〜1.0mmである。
このようにして得られた本発明の樹脂シートは、下記の効果を奏する。
本発明の樹脂シートによれば、樹脂シート自体の取扱性、成形性が良好で、かつ、樹脂シートの硬化物の反りやねじれが少ない上、樹脂シート自体のべたつき性がなく作業性にも優れたものである。
この封止用の熱硬化型樹脂シートである本発明の樹脂シートを用いた場合には、樹脂シートを被接着体としての電子部品や基板の隙間に挿入して加熱することで容易に電子部品を接着することができるため、接着工程を簡略化して接着体の製造を簡便に行うことができる。また、大掛かりな設備を必要とせずに電子機能部を有する電子素子の機能を基板に接着することができるため、製造コストの低減を図ることができる。
本発明の樹脂シートによれば、樹脂シート自体の取扱性、成形性が良好で、かつ、樹脂シートの硬化物の反りやねじれが少ない上、樹脂シート自体のべたつき性がなく作業性にも優れたものである。
この封止用の熱硬化型樹脂シートである本発明の樹脂シートを用いた場合には、樹脂シートを被接着体としての電子部品や基板の隙間に挿入して加熱することで容易に電子部品を接着することができるため、接着工程を簡略化して接着体の製造を簡便に行うことができる。また、大掛かりな設備を必要とせずに電子機能部を有する電子素子の機能を基板に接着することができるため、製造コストの低減を図ることができる。
次に、本発明の被接着体の接着方法について説明する。
[接着体]
本発明の接着体は、前述した本発明のシート状樹脂組成物(樹脂シート)と被接着体が接着されて形成される接着体である。
接着シートである本発明の樹脂シートによる被接着体としての電子部品や基板の接着方法は、例えば下記のようにして行うことができる。
基板に実装された電子部品を備えた回路部品装置の電子部品と基板との隙間に、当該樹脂シートを挿入したのち、80〜200℃程度、好ましくは100〜150℃の温度に加熱して、該樹脂シートを流動化させて、電子部品と基板との隙間に未充填箇所がないように充填したのち、さらに100〜180℃の温度にて、0.5〜2時間程度加熱して流動化した樹脂組成物を加熱硬化させるという簡単な操作により、本発明の樹脂シートと被接着体とが接着されて、接着体としての回路部品装置を得ることができる。
このようにして樹脂シートと被接着体とが接着されて形成された回路部品などの接着体においては、樹脂シートの硬化物は反りやねじれの発生が少なく、部品周りに未充填箇所が発生しない。
本発明の接着体は、前述した本発明のシート状樹脂組成物(樹脂シート)と被接着体が接着されて形成される接着体である。
接着シートである本発明の樹脂シートによる被接着体としての電子部品や基板の接着方法は、例えば下記のようにして行うことができる。
基板に実装された電子部品を備えた回路部品装置の電子部品と基板との隙間に、当該樹脂シートを挿入したのち、80〜200℃程度、好ましくは100〜150℃の温度に加熱して、該樹脂シートを流動化させて、電子部品と基板との隙間に未充填箇所がないように充填したのち、さらに100〜180℃の温度にて、0.5〜2時間程度加熱して流動化した樹脂組成物を加熱硬化させるという簡単な操作により、本発明の樹脂シートと被接着体とが接着されて、接着体としての回路部品装置を得ることができる。
このようにして樹脂シートと被接着体とが接着されて形成された回路部品などの接着体においては、樹脂シートの硬化物は反りやねじれの発生が少なく、部品周りに未充填箇所が発生しない。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1〜7及び比較例1〜5)
表1に示す配合組成(質量部)で下記に示す各材料をニーダーに仕込み、70℃で1時間撹拌混合して、樹脂組成物を調製した。次いで、樹脂組成物を30℃に冷却後、成形機により、温度70℃、圧力1.0MPaの条件でプレス成形して、厚さ0.5mmのシート状樹脂組成物(樹脂シート)を製造した。
使用した各材料は以下の通りである。
表1に示す配合組成(質量部)で下記に示す各材料をニーダーに仕込み、70℃で1時間撹拌混合して、樹脂組成物を調製した。次いで、樹脂組成物を30℃に冷却後、成形機により、温度70℃、圧力1.0MPaの条件でプレス成形して、厚さ0.5mmのシート状樹脂組成物(樹脂シート)を製造した。
使用した各材料は以下の通りである。
1.エポキシ樹脂
エポキシ樹脂1:結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、商品名「YSLV−80XY」)、エポキシ当量195、融点78℃
エポキシ樹脂2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ダウケミカル社製、商品名「DER383」)、エポキシ当量176〜183、液状
エポキシ樹脂3:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名「EPICRON830」)、エポキシ当量172、液状
エポキシ樹脂4:ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名「YX4000HK」)、エポキシ当量195、融点105℃
エポキシ樹脂5:ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名「NC3000」)、エポキシ当量285、軟化点57℃
エポキシ樹脂6:ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名「NC3000H」)、エポキシ当量290、軟化点70℃
2.硬化剤
硬化剤1:ジシアンジアミド(三菱化学社製、商品名「DICY−7」)
硬化剤2:変性脂肪族ポリアミン(ADEKA社製、商品名「EH−4370S」)
3.無機フィラー
無機フィラー1:球状シリカ(電気化学工業社製、商品名「FB−105」)、質量平均粒子径12μm
無機フィラー2:球状シリカ(電気化学工業社製、商品名「FB−959」)、質量平均粒子径17μm
無機フィラー3:水酸化アルミニウム(昭和電工社製、商品名「H42M」)、粒子径1.5μm
無機フィラー4:カーボンブラック(三菱化学社製、商品名「CB#30」)、粒子径30nm
4.触媒
触媒1:芳香族ジメチルウレア(サンアプロ社製、商品名「U−CAT3502T」)
5.添加剤
添加剤1:シランカップリング剤(エボニックジャパン社製、商品名「GLYMO」)
添加剤2:消泡剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、商品名「TSA720」)
エポキシ樹脂1:結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、商品名「YSLV−80XY」)、エポキシ当量195、融点78℃
エポキシ樹脂2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ダウケミカル社製、商品名「DER383」)、エポキシ当量176〜183、液状
エポキシ樹脂3:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名「EPICRON830」)、エポキシ当量172、液状
エポキシ樹脂4:ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名「YX4000HK」)、エポキシ当量195、融点105℃
エポキシ樹脂5:ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名「NC3000」)、エポキシ当量285、軟化点57℃
エポキシ樹脂6:ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名「NC3000H」)、エポキシ当量290、軟化点70℃
2.硬化剤
硬化剤1:ジシアンジアミド(三菱化学社製、商品名「DICY−7」)
硬化剤2:変性脂肪族ポリアミン(ADEKA社製、商品名「EH−4370S」)
3.無機フィラー
無機フィラー1:球状シリカ(電気化学工業社製、商品名「FB−105」)、質量平均粒子径12μm
無機フィラー2:球状シリカ(電気化学工業社製、商品名「FB−959」)、質量平均粒子径17μm
無機フィラー3:水酸化アルミニウム(昭和電工社製、商品名「H42M」)、粒子径1.5μm
無機フィラー4:カーボンブラック(三菱化学社製、商品名「CB#30」)、粒子径30nm
4.触媒
触媒1:芳香族ジメチルウレア(サンアプロ社製、商品名「U−CAT3502T」)
5.添加剤
添加剤1:シランカップリング剤(エボニックジャパン社製、商品名「GLYMO」)
添加剤2:消泡剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、商品名「TSA720」)
実施例および比較例で得られた樹脂シートにおける諸特性の評価結果を表2に示す。
なお、各実施例および比較例における諸特性は、以下に示す方法に従って求めた。
なお、各実施例および比較例における諸特性は、以下に示す方法に従って求めた。
<樹脂シート>
(1)シート外観
次の判定基準で目視評価した。
A:均一混合され、フィラーや硬化剤の凝集がない。
C:不均一であり、フィラーや硬化剤の凝集が見られる。
(2)ゲルタイム
JIS C 2105の試験管法に準拠して、150℃のオイルバス中で樹脂シートがゲルになるまでの時間(s)を測定した。
(3)シート特性
次の判定基準で目視評価した。
A:室温で柔軟であり、割れ及び欠けが発生せず、かつ液状でない。
B:室温で柔軟であり、液状ではないが、割れ又は欠けが発生。
C:シート化が不可能。
(4)溶融時の流動性
縦横50mm厚さ2mmに成形した樹脂シートを、樹脂シートの表面および裏面に設置した離型紙を挟んでプレスに入れ、70℃、2MPaでプレス成形し、プレス成形後の樹脂流れを観察した。
A:樹脂流れが5mm以上
B:樹脂流れが2mm以上
C:樹脂流れが0mm
(5)溶融粘度
レオメーター(RhenemetricScientific社製)にて、温度100℃で溶融粘度(Pa・s)を測定した。
(6)狭部充填性
2枚のカバーガラスの隙間(2.5mm)に厚さ2mmに成形した樹脂シートを挿入し、1時間の硬化時間の間に隙間を樹脂で充填できるか調査した。
A:充填可
C:未充填箇所あり
(7)シート加工性
厚さ0.5mmの樹脂シートに4cmの切れ込みを入れて、40℃の乾燥機中で5時間加熱し、切れ込みが癒着しないことを観察した。
A:癒着なし
C:癒着した
(8)べたつき性
5cm/secで引き剥がしを行うピール試験機を用いて、樹脂シートを保護する離型フィルムを25℃および35℃で引き剥がしたときのべたつきについて目視評価した。
A:べたつきがなく、引き剥がしが容易
C:べたつきがあり、引き剥がしが困難
<硬化物>
(9)ガラス転移点
TMA/SS150(セイコーインスツルメンツ社製)において、室温→200℃(昇温スピード10℃/分)まで昇温して、ガラス転移点(℃)を測定した。
(10)接着強度
1cm幅の銅箔(GYKMP−35μm)をマット面で樹脂シートと密着させ、100℃の乾燥機中で2時間加熱硬化した。その後、5cm/secで引き剥がしを行うピール試験機を用いて、銅箔を引き剥がしたときの接着強度(kN/m)を測定した。
(1)シート外観
次の判定基準で目視評価した。
A:均一混合され、フィラーや硬化剤の凝集がない。
C:不均一であり、フィラーや硬化剤の凝集が見られる。
(2)ゲルタイム
JIS C 2105の試験管法に準拠して、150℃のオイルバス中で樹脂シートがゲルになるまでの時間(s)を測定した。
(3)シート特性
次の判定基準で目視評価した。
A:室温で柔軟であり、割れ及び欠けが発生せず、かつ液状でない。
B:室温で柔軟であり、液状ではないが、割れ又は欠けが発生。
C:シート化が不可能。
(4)溶融時の流動性
縦横50mm厚さ2mmに成形した樹脂シートを、樹脂シートの表面および裏面に設置した離型紙を挟んでプレスに入れ、70℃、2MPaでプレス成形し、プレス成形後の樹脂流れを観察した。
A:樹脂流れが5mm以上
B:樹脂流れが2mm以上
C:樹脂流れが0mm
(5)溶融粘度
レオメーター(RhenemetricScientific社製)にて、温度100℃で溶融粘度(Pa・s)を測定した。
(6)狭部充填性
2枚のカバーガラスの隙間(2.5mm)に厚さ2mmに成形した樹脂シートを挿入し、1時間の硬化時間の間に隙間を樹脂で充填できるか調査した。
A:充填可
C:未充填箇所あり
(7)シート加工性
厚さ0.5mmの樹脂シートに4cmの切れ込みを入れて、40℃の乾燥機中で5時間加熱し、切れ込みが癒着しないことを観察した。
A:癒着なし
C:癒着した
(8)べたつき性
5cm/secで引き剥がしを行うピール試験機を用いて、樹脂シートを保護する離型フィルムを25℃および35℃で引き剥がしたときのべたつきについて目視評価した。
A:べたつきがなく、引き剥がしが容易
C:べたつきがあり、引き剥がしが困難
<硬化物>
(9)ガラス転移点
TMA/SS150(セイコーインスツルメンツ社製)において、室温→200℃(昇温スピード10℃/分)まで昇温して、ガラス転移点(℃)を測定した。
(10)接着強度
1cm幅の銅箔(GYKMP−35μm)をマット面で樹脂シートと密着させ、100℃の乾燥機中で2時間加熱硬化した。その後、5cm/secで引き剥がしを行うピール試験機を用いて、銅箔を引き剥がしたときの接着強度(kN/m)を測定した。
表2から分かるように、実施例のすべてにおいて、シート外観、シート特性、溶融時の流動性、狭部充填性、シート加工性、べたつき性の各項目が良好である。本発明の樹脂シートは、電子部品などの被接着体を接着するための樹脂シートである。そして、電子素子の実装基板、およびこれに実装された電子素子を備えた回路部品装置の狭部に、簡易な操作により樹脂シートを挿入することができ、かつ加熱することで実装基板に電子素子を接着することができる。さらには、樹脂シートの硬化物はボイドが少なく、反りやねじれが少なく、密着性に優れた、接着体を製造することができる。
以上説明したように、上記の実施の形態によれば、電子部品などの被接着体を接着するために、被接着体の隙間に挿入し接着して被接着体の封止や絶縁等に好適に用いられ、さらにはハンドリング性に優れ、容易に硬化接着させることができるシート状樹脂組成物を得ることができる。また、シート状樹脂組成物を用いて被接着体を接着する方法を達成することができる。さらには、その接着方法を用いてシート状樹脂組成物と被接着体とが接着されてなる接着体を得ることができる。
Claims (8)
- (A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、(B)固形状多官能エポキシ樹脂、(C)ジシアンジアミドおよび(D)無機フィラーを必須成分として含有することを特徴とするシート状樹脂組成物。
- 前記(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂の融点は70〜90℃であることを特徴とする請求項1に記載のシート状樹脂組成物。
- 前記(B)固形状多官能エポキシ樹脂の軟化点は75℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のシート状樹脂組成物。
- 前記(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂および前記(B)固形状多官能エポキシ樹脂の質量比(前記(A)結晶性ビスフェノールF型エポキシ樹脂/前記(B)固形状多官能エポキシ樹脂)は10/90〜30/70であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート状樹脂組成物。
- 前記(D)無機フィラーは、質量平均粒子径5〜20μmの球状シリカであり、前記(D)無機フィラーの含有量は、前記シート状樹脂組成物全量に対して70〜85質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシート状樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のシート状樹脂組成物を被接着体の隙間に挿入して、前記シート状樹脂組成物を加熱硬化させることを特徴とする被接着体の接着方法。
- 請求項7に記載の接着方法により被接着体とシート状樹脂組成物とを接着されてなることを特徴とする接着体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014250878A JP2016113483A (ja) | 2014-12-11 | 2014-12-11 | シート状樹脂組成物、シート状樹脂組成物を用いた接着方法、およびその方法により接着されてなる接着体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014250878A JP2016113483A (ja) | 2014-12-11 | 2014-12-11 | シート状樹脂組成物、シート状樹脂組成物を用いた接着方法、およびその方法により接着されてなる接着体 |
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---|---|
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---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018024746A (ja) * | 2016-08-09 | 2018-02-15 | 京セラ株式会社 | 接着シート |
JP2018164969A (ja) * | 2017-03-28 | 2018-10-25 | 富士紡ホールディングス株式会社 | ラッピング材及びその製造方法、並びに、研磨物の製造方法 |
JP2019041064A (ja) * | 2017-08-28 | 2019-03-14 | 信越化学工業株式会社 | 繊維含有樹脂基板、封止後半導体素子搭載基板、封止後半導体素子形成ウエハ、封止後半導体素子搭載シート、半導体装置、及び半導体装置の製造方法 |
-
2014
- 2014-12-11 JP JP2014250878A patent/JP2016113483A/ja active Pending
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Date | Code | Title | Description |
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A711 | Notification of change in applicant |
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