JP5534682B2 - 電子部品用熱硬化性接着剤及びこの接着剤を用いた電子部品内蔵基板の製造方法 - Google Patents

電子部品用熱硬化性接着剤及びこの接着剤を用いた電子部品内蔵基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子部品基板に電子部品を接着するために好適に用いられる電子部品用熱硬化性接着剤、及びこの接着剤を用いた電子部品内蔵基板の製造方法に関する。
近年、基板の小型化や複雑化が進み電子部品の基板に対する高密度実装の要請が高まっており、電子部品を基板内部に内蔵(「埋め込み」ともいう。)した電子部品内蔵型多層基板(以下、「電子部品内蔵基板」ともいう。)が注目されている。従来、電子部品を基板内部に埋め込む方法としては、基板に電子部品を接着・接合後、封止樹脂で封止を行い、その後表面を平坦化した後に貫通電極等を形成し、更に他の基板と積層する方法が用いられていた。
例えば特許文献1には、銅張りガラスエポキシ基板の下層銅配線に接着剤で接続された半導体チップ等の電子部品と、当該電子部品を封止するために形成された絶縁層とを備えた電子部品内蔵配線板が記載されており、接着剤としては、導電接着フィルムが用いられている。
また、例えば特許文献2には、複数の金属板が樹脂層を介して積層された基板の金属コアに設けた収容部に部品を配置した部品内蔵型多層基板が記載されており、接着剤を用いて電子部品を収容部に配置した後、絶縁樹脂を充填して封止する旨が記載されている。
上記文献1及び2には、電子部品を接着する接着剤について詳しく記載されていないが、従来公知の接着剤を用いると、特にリフロー炉を通した際に電子部品とその被着体との間で剥離が起こってしまう問題が懸念される。また、いずれの技術も、電子部品を接着するために接着剤を用いる工程とは別に、封止のための樹脂を充填する工程を必要とする点で、工程が複雑になっていた。
一方、電子部品内蔵用基板とは異なる一般的な基板用接着剤ではあるが、リフロー時の剥離の問題を解決するための接着剤が提案されている。
例えば特許文献3には、半導体素子を配線基板に接着するための接着フィルムであって、飽和吸湿率が1.0体積%以下のものが、リフロー時の剥離を防止し信頼性の高い半導体を製造しうる旨記載されており、接着フィルムを構成する材料としてエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられ、ポリイミド樹脂については詳しい組成も開示されている。
しかし、接着フィルムの場合、電子部品内蔵基板の小型化や複雑化に追従するのが困難であった。加えて、電子部品内蔵基板の製造においては、所望のエリアに接着ペーストを所望量塗布して部品を接着することの要望が高まっているところ、ポリイミド樹脂では、ペースト状とするのが困難であり電子部品内蔵基板の製造に適用するのが困難であるという問題があった。
特開2003−234439号公報 特開2005−311249号公報 特許第3117971号公報
本発明の目的は、電子部品内蔵基板の製造に好都合に適用することができ、かつ優れた耐リフロー性を有する電子部品用熱硬化性接着剤を提供することである。さらに本発明の他の目的は、耐リフロー性に優れた電子部品内蔵基板の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物及び/又はエピスルフィド化合物と、単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物と、酸無水物硬化剤と、無機フィラーとを含有させることによって、電子部品内蔵基板の製造に適用することができ、かつ優れた耐リフロー性を有する接着剤が得られ、従来の問題が一挙に解決できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1] 電子部品基板に電子部品を搭載するために使用する接着剤であって、(A)エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物及び/又はエピスルフィド化合物と、(B)単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物と、(C)酸無水物硬化剤と、(D)無機フィラーとを含有する、電子部品用熱硬化性接着剤、
[2] エポキシ基と反応可能な基が、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基及びエポキシ基から選択される1以上である前記[1]記載の電子部品用熱硬化性接着剤、
[3] エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物が、下記式[I]:
Figure 0005534682
で表される化合物である前記[1]記載の電子部品用熱硬化性接着剤、
[4] エピスルフィド化合物が、水添ビスフェノールA型エピスルフィド化合物である前記[1]記載の電子部品用熱硬化性接着剤、
[5] エピスルフィド化合物が、下記式[II]:
Figure 0005534682
で表される化合物である前記[1]記載の電子部品用熱硬化性接着剤、
[6] エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物とエピスルフィド化合物の混合重量比が、80:20〜50:50である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤、
[7] 単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物が、メチルフェノール型単官能エポキシ化合物、p−secブチルフェノール型単官能エポキシ化合物及びp−tertブチルフェノール型単官能エポキシ化合物から選択される1以上である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤、
[8]酸無水物硬化剤が、3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物である前記[1]〜[7]のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤、
[9]無機フィラーが、表面にフェニル基を有する球状シリカである前記[1]〜[8]のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤、
表面にフェニル基を有する球状シリカとを含有する、電子部品用熱硬化性接着剤、
[10](A)エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物及び/又はエピスルフィド化合物と、(B)単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物と、(C)酸無水物硬化剤と、(D)無機フィラーの混合重量比は、1:0.5〜15:1〜30:5〜150であることを特徴とする前記[1]〜[9]のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤、
[11][工程a1]壁部が絶縁樹脂からなるキャビティが形成された電子部品基板に、前記[1]〜[10]のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤を用いて電子部品を搭載する工程と、[工程a2]工程a1で得られる電子部品が搭載された基板上に絶縁樹脂シートを搭載する工程と、[工程a3]加熱により絶縁樹脂シート及びキャビティの壁部を溶融させて電子部品及び基板を封止する工程とを有することを特徴とする電子部品内蔵基板の製造方法、及び
[12][工程b1]電子部品基板に、前記[1]〜[10]のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤を用いて電子部品を搭載する工程と、[工程b2]電子部品が搭載された基板上に、前記電子部品を収容可能な貫通孔を有するキャビティ形成用樹脂シートを搭載してキャビティを形成する工程と、[工程b3]キャビティ形成用樹脂シート上に絶縁樹脂シートを搭載する工程と、[工程b4]加熱により絶縁樹脂シート及びキャビティの壁部を溶融させて、工程b1で得られる電子部品が搭載された基板を封止する工程とを有することを特徴とする電子部品内蔵基板の製造方法、
に関する。
本発明の電子部品用熱硬化性接着剤(「ペースト状接着剤」又は「接着剤」ともいう。)は、エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物及び/又はエピスルフィド化合物と、単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物と、酸無水物硬化剤と、無機フィラーとを含有することによって、該接着剤の硬化物は接着力が強く、ガラス転移温度が低く、またリフロー温度において発生する応力が小さいため、リフロー時にクラックがほとんど発生せず、優れた耐リフロー性を有する。また、本発明のペースト状接着剤はポリイミド樹脂を必要としないため、その硬化物の高温時の弾性率が低く、電子部品内蔵基板の小型化や複雑化に追従することができるという特長も有する。さらに、本発明の製造方法により、耐リフロー性に優れた電子部品内蔵基板を提供することができる。
本発明の電子部品用熱硬化性接着剤は、(A)エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物及び/又はエピスルフィド化合物(以下、化合物(A)ともいう。)と、(B)単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物と、(C)酸無水物硬化剤と、(D)無機フィラーとを含有することを特徴とする。なお、本明細書において、「高温」は、好ましくは150℃以上の温度を意味し、「硬化物」は、通常、本発明の接着剤が硬化したものを意味し、「電子部品基板」は、通常、本発明の電子部品内蔵基板の製造方法に用いる材料となる基板(例えば、プリント配線板等)を意味する。
本発明の電子部品用熱硬化性接着剤は、エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物、及びエピスルフィド化合物のいずれか一方を含んでもよく、両方を含んでもよい。
これらの化合物のいずれかを後述する特定のエポキシ化合物と併用すると、本発明の接着剤は基板への密着性に優れるものとなる。これは、分子中にS原子を有する化合物と基板材料との相互作用により密着性が向上するとともに、特定のエポキシと反応して強固に基板へ接着するためと推察される。そして、基板への密着性が向上するため、リフロー剥離の問題を効果的に防止することができる。
エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物:
エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物は、エポキシ基と反応可能な基と、チオエーテル骨格とを両方有している化合物であれば、本発明の効果を阻害しない限り特に限定されず使用することができる。
エポキシ基と反応可能な基は、本発明の効果を阻害しない限り特に限定されず、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等が例として挙げられ、中でもエポキシ基が好適である。エポキシ基を有するチオエーテル化合物としては、下記式[I]:
Figure 0005534682
で表される化合物等が例として挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよく、2以上を併用してもよい。
本発明のエポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物は、公知の方法(例えば、特開平10−025281公報参照)により、あるいは公知の方法を応用することにより製造でき、例えば、スルフィド化合物と、エポキシ基と反応可能な基を有する化合物を反応させることにより製造できる。
本発明で用いるエポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物は市販品を用いてもよく、そのような市販品としては、例えば、YSLV−120TE(商品名;2,2’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ジターシャリーブチルジフェニルスルフィドとクロロメチルオキシランとの反応生成物;東都化成社製)等が挙げられる。
エピスルフィド化合物:
エピスルフィド化合物としては、1分子内にエピスルフィド基を1個以上有するものであれば本発明の効果を阻害しない限り特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換したものが挙げられる。良好な架橋構造を得るためには、これらのエピスルフィド化合物うち分子中に2個以上のエピスルフィド基を有する化合物が好ましく用いられる。
上記エピスルフィド化合物としては、例えば、エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エピスルフィド、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等に代表されるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂類や、グリシジルエステル型エポキシ樹脂類、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂類、脂環式エポキシ樹脂類、複素環式エポキシ樹脂類、液状ゴム変性エポキシ樹脂類等のエポキシ基含有化合物のエポキシ基中の酸素原子を硫黄原子に置換したエピスルフィド化合物等が例として挙げられ、具体的には例えば、下記式[II]:
Figure 0005534682
で表される化合物等が例として挙げられる。これらのエピスルフィド化合物は単独で用いてもよく2以上を併用してもよい。なお、酸素原子から硫黄原子への置換は、エポキシ基の少なくとも1部におけるものであってもよく、すべてのエポキシ基の酸素原子が硫黄原子に置換されていてもよい。
本発明のエピスルフィド化合物は、公知の方法により、あるいは公知の方法を応用することにより製造できる。好ましい製造方法としては、対応エポキシ化合物を原料として、当業者に公知の方法により、硫化物を用いてオキシラン環をチイラン環に変換する方法が挙げられる。ここで、「対応エポキシ化合物」とは、エピスルフィド化合物のチイラン環の硫黄原子が酸素原子に置き換わった構造を持つ化合物を指す。この方法に於いて、好ましい硫化剤としては、チオ尿素類、チオシアン酸塩類等が挙げられる。中でも、チオ尿素、及びチオシアン酸カリウムが特に好ましい。具体的には、例えば、J. M. Charlesworth, J. Polym. Sci. Polym. Phys., 17, 329 (1979) に記載のチオシアン酸塩を用いる方法、又は、R.D. Schuetz et al, J. Org. Chem., 26, 3467 (1961) に記載のチオ尿素を用いる方法が挙げられる。
本発明で用いるエピスルフィド化合物は市販品を用いてもよい。エピスルフィド化合物の市販品としては、例えば、YL−7007(商品名;水添ビスフェノールA型エピスルフィド化合物;JER社製)等が挙げられる。
本発明の電子部品用熱硬化性接着剤は、上記エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物又はエピスルフィド化合物のいずれか一方のみを配合する場合、上記エピスルフィド化合物を配合することがより好ましい。エピスルフィド化合物を配合した場合、本発明の接着剤は耐リフロー性がより優れるためである。これは、吸水率が低いためと推察される。
上記エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物及び/又はエピスルフィド化合物の配合量は、特に限定はされないが、硬化性化合物100重量部中、1重量部以上80重量部以下程度が好ましい。より好ましくは、2重量部以上50重量部以下程度である。少なすぎると基板への密着力が劣る場合があり、多すぎると、粘度が高くなりすぎる場合がある。なお、本明細書において、「硬化性化合物」は、反応可能な基を有するチオエーテル化合物、エピスルフィド化合物、単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物及びその他のエポキシ化合物(単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物)を意味する。
また、エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物及びエピスルフィド化合物を用いる場合、その混合重量比は、通常、エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物:エピスルフィド化合物=80:20〜50:50程度であり、より好ましくは、70:30〜60:40程度である。
単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物:
本発明の電子部品用熱硬化性接着剤は、単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物(以下、エポキシ化合物(B)ともいう。)を含有する。該エポキシ化合物(B)は、単官能であることにより、架橋密度を低下させることができる。架橋密度を低下させることにより、硬化物の高温での弾性率を低下させることができる。そのため、硬化物はリフロー条件下で基板の膨張等に追従しやすくなり、耐リフロー性が向上する。
また、該エポキシ化合物(B)が芳香族環を有することにより、硬化物の吸水率が低くなり、耐リフロー性が向上する。同時に、硬化速度が速くなるため、硬化時に揮発しにくく、ボイドの発生原因になりにくくなる。
エポキシ化合物(B)は、本発明の効果を阻害しない限り特に限定はされないが、例えば単官能でかつ置換基を有していてもよいベンゼン環を有するエポキシ化合物、単官能でかつ置換基を有していてもよいナフタレン環を有するエポキシ化合物、単官能でかつ置換基を有していてもよいアントラセン環を有するエポキシ化合物等によって例示される。前記の置換基は、本発明の効果を阻害しない限りどのようなものでもよいが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ペンチル基、イソヘキシル基、又はn−ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基又はアリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基等が好ましい例として挙げられる。
単官能でかつ置換基を有していてもよいベンゼン環を有するエポキシ化合物としては、本発明の効果を阻害しない限り特に限定はされないが、例えば、置換基を有していてもよいアルキルフェノール型エポキシ化合物等が例として挙げられる。置換基としては、前記したものと同様のものが例として挙げられる。該アルキルフェノール型エポキシ化合物のアルキル基としては、炭素数1〜8が好適に挙げられ、該アルキルフェノール型エポキシ化合物としては、例えば、メチルフェノール型単官能エポキシ化合物、p−secブチルフェノール型単官能エポキシ化合物、p−tertブチルフェノール型単官能エポキシ化合物等が例として挙げられる。
単官能でかつ置換基を有していてもよい縮合ナフタレン環を有するエポキシ化合物としては、本発明の効果を阻害しない限り特に限定はされないが、例えば、α−ナフチルグリシジルエーテル、β−ナフチルグリシジルエーテル等が例として挙げられる。
上記メチルフェノール型単官能エポキシ化合物としては、例えばメチルフェニルグリシジルエーテル等が挙げられる。上記p−secブチルフェノール型単官能エポキシ化合物は、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル等が例として挙げられる。上記p−tertブチルフェノール型単官能エポキシ化合物としては、例えばp−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル等が例として挙げられる。これらの化合物は単独で用いてもよく2以上を併用してもよい。上記のように例示されたエポキシ化合物(B)としては、特に、メチルフェノール型単官能エポキシ化合物、p−secブチルフェノール型単官能エポキシ化合物及びp−tertブチルフェノール型単官能エポキシ化合物から選択される1以上が好ましい。前記単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物は、公知の方法により、あるいは公知の方法を応用することにより製造できる。
本発明で用いる単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物の市販品としては、例えば、ED−501、ED−509、ED−529E(すべてADEKA社製)等が例として挙げられ、中でも、ED−509が好ましい。
単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物の中でも、分子量が150〜500の化合物が好ましい。分子量が小さすぎると硬化時に揮発し、硬化物のボイドの原因となり、接着剤の大きすぎると粘度が高くなるためペーストとして用いることが難しくなるためである。
上記化合物(A)100重量部に対して、エポキシ化合物(B)の配合量は、特に限定はされないが、通常50重量部以上1500重量部以下程度、好ましくは80重量部以上1000重量部以下程度である。配合量が少なすぎると高温での弾性率を充分に下げられない場合があり、多すぎると高温弾性率を保持できなくなる場合がある。
その他のエポキシ化合物:
本発明の電子部品用熱硬化性接着剤には、上記エポキシ化合物(B)以外に、さらに、他のエポキシ化合物(以下、その他のエポキシ化合物ともいう。)が含有されていてもよい。
その他のエポキシ化合物は特に限定されず、従来公知の、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型等のビスフェノール型エポキシ化合物;フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ化合物;トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等のような芳香族エポキシ化合物;ナフタレン型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ、フルオレン型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、NBR(Nitrile Butadiene Rubber)変性エポキシ樹脂等が例として挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2以上を併用してもよい。中でも、レゾルシノール型エポキシ化合物又はNBR変性エポキシ樹脂が望ましい。ビスフェノールA型エポキシ化合物の市販品は、例えばYL−980(JER社製)等が例として挙げられる。シクロヘキサン型エポキシ化合物の市販品としては、例えばEP−4088S(ADEKA社製)等が例として挙げられる。レゾルシノール型エポキシ化合物の市販品としては、例えばEX−201(ナガセケムテックス社製)等が例として挙げられる。
上記NBR変性エポキシ樹脂は、通常、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体であるニトリルゴムを、エポキシ基で変性したものをいう。NBR変性エポキシ樹脂は、ペースト状接着剤の硬化物における低吸湿率を保ちながら硬化物に柔軟性を与えるという作用を有する。また、高温領域において硬化物の弾性率を一定以上に保つことができ、接着剤及びその硬化物としての信頼性を確保するという作用を有する。
NBR変性エポキシ樹脂の構造は特に限定はされず、末端にエポキシ基を有しても側鎖としてエポキシ基を有してもよい。NBR変性エポキシ樹脂は、ニトリルゴムがビスフェノールA型エポキシ基で変性されたものが好ましい。NBR変性エポキシ樹脂の分子量は特に限定はされないが、300〜1000程度が好ましい。
このようなNBR変性エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、EPR−4030、EPR−4033(以上、ADEKA社製)、EPB−13(以上、日本曹達社製)等が例として挙げられる。
上記化合物(A)100重量部に対して、その他のエポキシ化合物の配合量は、特に限定はされないが、20重量部以上4000重量部以下程度が好ましく、50重量部以上3500重量部以下程度が好ましい。
その他の硬化性化合物:
本発明の電子部品用熱硬化性接着剤は、必要に応じて、上述した硬化性化合物以外に、他のフェノール化合物、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂等の通常使用される硬化性化合物(以下、その他の硬化性化合物ともいう。)を含有してもよいが、特に必要としない。その他の硬化性化合物を含める場合、上記化合物(A)100重量部に対して、その他の硬化性化合物の配合量は、特に限定はされないが、20重量部以上400重量部以下程度が好ましい。
酸無水物硬化剤:
硬化剤として酸無水物を含有することによって、接合材の接合信頼性を高めることができる。
酸無水物は特に限定はされず、ポリアゼライン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸−1,2無水物、3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2無水物等の脂環式酸無水物類;3−メチルグルタル酸無水物等の分岐していてもよい炭素数1〜8のアルキル基を有する3−アルキルグルタル酸無水物、2−エチル−3−プロピルグルタル酸無水物等の分岐していてもよい炭素数1〜8のアルキル基を有する2,3−ジアルキルグルタル酸無水物、2,4−ジエチルグルタル酸無水物、2,4−ジメチルグルタル酸無水物等の分岐していてもよい炭素数1〜8のアルキル基を有する2,4−ジアルキルグルタル酸無水物等のアルキル置換グルタル酸無水物類;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族酸無水物類;トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、コハク酸無水物等が例として挙げられる。中でも、3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物が好適な例として挙げられる。前記酸無水物硬化剤は、公知の方法により、あるいは公知の方法を応用することにより製造できる。
本発明で用いる酸無水物硬化剤の市販品としては、例えば、YH−307(トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、JER社製)等が例として挙げられる。
上記硬化剤の配合量は、特に限定されないが、上述したエポキシ化合物等の硬化性化合物の官能基と等量反応する硬化剤を用いる場合、上記硬化性化合物の官能基量に対して、70当量以上110当量以下程度が好ましい。また、上記硬化性化合物(上記化合物(A)、エポキシ化合物(B)、その他のエポキシ化合物及びその他の硬化性化合物)の合計100重量部に対して、20重量部以上200重量部以下程度が好ましい。
硬化促進剤:
本発明の電子部品用熱硬化性接着剤においては、硬化速度や硬化物の物性等を調整するために、上記硬化剤に加えて硬化促進剤を添加してもよい。硬化促進剤としては特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、第3級アミン系硬化促進剤等が例として挙げられ、とりわけ、硬化速度や硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好適に用いられる。
上記イミダゾール系硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールや、イソシアヌル酸で塩基性を保護したもの(商品名「2MA−OK」、四国化成工業社製)、2−メチルイミダゾール(商品名「2MZ−A」、四国化成工業社製)、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン イソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウム クロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等が例として挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2以上を併用してもよい。
上記硬化促進剤の配合量は特に限定はされず、上記硬化性化合物(上記化合物(A)、エポキシ化合物(B)、その他のエポキシ化合物及びその他の硬化性化合物)の合計100重量部に対して、1重量部以上10重量部以下程度が好ましい。
無機フィラー:
本発明の接着剤は、無機フィラーを含有する。無機フィラーを配合することにより、硬化物の線膨張率が低下し、硬化物のガラス転移以下の温度での弾性率が高くなり、吸湿率が低くなる等の有利な効果が得られる。
無機フィラーとしては、シリカ、ガラス繊維、アルミナ微粒子、カーボンブラック等が例として挙げられ、球状シリカが好ましい。これらの無機フィラーは、単独で用いてもよく、2以上を併用してもよい。
球状シリカの平均粒子径は、大きすぎると被着体を傷つけてしまう場合があり、小さすぎると粘度が非常に大きくなるため0.1μm〜10μm程度が好ましい。本発明における「平均粒子径」は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定される値であり、体積基準のメジアン径が累積分布の50%に相当する粒子径(d50)を意味し、例えばCoulter Electronics社(英国)製コールターマルチサイダーを用いて、体積基準により測定できる。
球状シリカは、そのまま添加すると接着剤が増粘してしまうため、表面処理されている球状シリカが好ましい。表面処理されている球状シリカ(以下、表面処理球状シリカともいう。)としては、フェニル基を表面に有する球状シリカが好適に挙げられる。
「フェニル基を表面に有する」とは、本発明の効果が有効となる程度にフェニル基を有していれば特に限定はされないが、全表面の8割程度以上の面積率を有していることが好ましい。このようなシリカ粒子は、高充填しても接着剤が増粘しにくいため、粘度や塗布性を犠牲にすることなく、硬化物は低線膨張率及び低吸水率を示す。また、ガラス転移温度以下の温度領域において、硬化物の貯蔵弾性率が高くなる。
フェニル基を表面に有する球状シリカは、表面処理されていないシリカ粒子の表面を、フェニル基を有するカップリング剤で表面処理することにより、得ることができる。フェニル基を有するカップリング剤は特に限定はされず、本発明の目的達成を阻害しない範囲でフェニル基が他の置換基によって置換されていてもよい。フェニル基を有するカップリング剤としては、フェニルトリメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等の有機シランカップリング剤が例として挙げられ、市販品としては、KBM−573(信越化学社製)等が例として挙げられる。
上記有機シランカップリング剤で上記シリカ粒子の表面を処理する方法は特に限定されず、例えば、ヘンシェルミキサー、V型ミキサー等の高速攪拌可能なミキサー中にシリカ粒子を添加し、攪拌しながら有機シランカップリング剤を、直接、又は、アルコール水溶液、有機溶媒溶液若しくは水溶液として添加する乾式法、シリカ粒子のスラリー中に有機シランカップリング剤を添加するスラリー法、及び、シリカ粒子の乾燥工程後に有機シランカップリング剤をスプレー付与するスプレー法等の直接処理法、本発明の接着剤組成物の調製時において、シリカ粒子とエポキシ化合物との混合時に有機シランカップリング剤を直接添加するインテグレルブレンド法等が例として挙げられる。
上記シリカ粒子に対する上記カップリング剤の使用割合は特に限定されないが、上記シリカ粒子100重量部に対して、0.1重量部以上15重量部以下程度が好ましい。0.1重量部未満であると、上記有機シランカップリング剤によるシリカ粒子の表面処理が不充分となり、上記微粉シリカの本発明の接着剤組成物中での分散性が低下し、硬化物の機械的強度及び透明性が不充分となることがある。使用割合が多すぎると、上記微粉シリカ表面と反応しない有機ケイ素化合物が多量に残存することがあり、耐熱性を悪化させたり、膜減りの原因になることが考えられる。
上記表面にフェニル基を有する球状シリカは、市販品を購入して用いることもでき、市販品は例えば、SE−4050−SPE(アドマテックス社製)が例として挙げられる。
上記表面にフェニル基を有する球状シリカの配合量が少ないと、硬化物の線膨張率の低下が充分に得られない場合があり、多すぎると、特定の骨格を有するエポキシ化合物と配合しても接着剤の充分な低粘度性が得られない。そのため、本発明の接着剤100重量部中、上記無機フィラーの配合量は、40重量部以上80重量部以下程度、好ましくは50重量部以上70重量部以下程度である。
上記した(A)エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物及び/又はエピスルフィド化合物と、(B)単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物と、(C)酸無水物硬化剤と、(D)無機フィラーとを含有する電子部品用熱硬化性接着剤の好ましい例としては、下記式[I]:
Figure 0005534682
で表されるエポキシ基を有するチオエーテル化合物及び/又は下記式[II]:
Figure 0005534682
で表されるエピスルフィド化合物と、メチルフェニルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル及びp−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテルから選択される1以上のグリシジルエーテルと、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸及び/又は3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物と、表面にフェニル基を有する球状シリカとを含有する、電子部品用熱硬化性接着剤等が挙げられる。
また、本発明の接着剤における、(A)エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物及び/又はエピスルフィド化合物と、(B)単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物と、(C)酸無水物硬化剤と、(D)無機フィラーの混合重量比は、1:約0.5〜15:約1〜30:約5〜150が好ましく、1:約0.8〜10:約2〜25:約10〜100がより好ましい。
希釈剤:
本発明の接着剤には、粘度調節のために希釈剤が添加されてもよい。上記希釈剤は、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、オキシトールアセテート、キシレン等の非反応性希釈剤、スチレンモノマー、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、n−ブチルグリシジルエーテル、オクチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ドデカンオキサイド等の反応性希釈剤が例示される。反応性希釈剤の市販品としては、例えばYED111N、YED111AN、YED122、YED205、YED216M(すべてJER社製)等が例として挙げられる。
チキソトロピー付与剤:
本発明のペースト状接着剤は、更に、上記無機フィラーとは別に、チキソトロピー付与剤を含有してもよい。チキソトロピー付与剤は特に限定されず、例えば、金属微粒子、炭酸カルシウム、乾式シリカ(ヒュームドシリカ)、酸化アルミニウム、窒化硼素、窒化アルミニウム、硼酸アルミ等の無機微粒子等が例として挙げられ、ヒュームドシリカが好適に挙げられる。上記のチキソトロピー付与剤は、単独で用いてもよく、2以上を併用してもよい。
また、上記チキソトロピー付与剤は、必要に応じて、表面処理を行ったものを用いることができ、特に表面に疎水基を有する粒子が好適に挙げられ、例えば、表面を疎水化したヒュームドシリカ等が好適に挙げられる。チキソトロピー付与剤として、粒子状のものを用いる場合、平均粒子径の好ましい上限は1μmである。1μmを超えると、所望のチキソトロピー性を発現できないことがある。
上記チキソトロピー付与剤の市販品としては、(株)トクヤマ製の「レオロシール」(登録商標)シリーズのMT−10、MT−10C、DM−10、DM−10C、DM−20、DM−30、HM−20L、PM−20L、KS−20S等が例として挙げられる。
その他の添加剤:
また、本発明の接着剤は、必要に応じて、無機イオン交換体、ブリード防止剤や、イミダゾールシランカップリング剤等の接着性付与剤等の添加剤を含有してもよい。通常電子部品用熱硬化性接着剤に使用されているものが公知技術に従って適宜に使用されうる。
接着剤の製造:
本発明の接着剤組成物は、例えば、上述したエポキシ化合物を含む硬化性化合物、硬化剤及び硬化促進剤、無機フィラー、並びに、必要に応じて希釈剤、その他の添加剤等を所定量配合して混合する方法により製造することができる。上記混合の方法は特に限定されないが、例えば、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等の分散機を、必要により適宜組み合せて、使用する方法を例として挙げることができる。
粘度:
本発明のペースト状接着剤の粘度は、E形粘度計を用いて、25℃、10rpmにて測定し、5Pa・s以上50Pa・s以下程度であることが好ましく、10Pa・s以上30Pa・s以下であることが、更に好ましい。この範囲より粘度が高い場合、ディスペンサより吐出した際に糸引きの原因となり塗布性に劣る場合がある。一方、この範囲より粘度が低い場合、塗布後に形状を保持せずに塗れ広がる場合がある。
弾性率:
本発明のペースト状接着剤は、その硬化物の260℃における貯蔵弾性率が、135MPa以下程度であることが好ましく、120MPa以下程度であることが更に好ましい。
本発明の接着剤の硬化物の弾性率の測定方法は、以下の通りとする。なお、本明細書において、「弾性率」は、貯蔵弾性率を意味する。
本発明における弾性率は、JIS K7244−4に記載の方法に従い、本発明のペースト状接着剤を110℃40分、さらに170℃15分で硬化させた厚さ500μmの硬化物を作製し、粘弾性測定機(型式:DVA−200、アイティー計測制御社製)を使い、昇温速度5℃/分、引っ張り、つかみ幅24mm、10Hzで300℃まで昇温し、260℃にて測定して得られる値(単位:MPa)である。
ガラス転移温度(Tg):
本発明のペースト状接着剤は、その硬化物のガラス転移温度(以下、Tgともいう。)が、90℃以上110℃以下程度であることが好ましく、95℃以上105℃以下程度であることが更に好ましい。
本発明におけるガラス転移温度は、粘弾性法によるtanδのピーク時の温度より求めたものである。詳しくは、前記ガラス転移温度は、JIS K 7121に記載の方法に従い、本発明のペースト状接着剤を110℃40分、さらに170℃15分で硬化させた厚さ500μmの硬化物を作製し、粘弾性測定機(型式:DVA−200、アイティー計測制御社製)を使い、昇温速度5℃/分、引っ張り、つかみ幅24mm、10Hzで測定することにより得られるTanδのピーク時の温度である。
Tgが110℃を超えると、硬化物の柔軟性が不足し、電子部品が剥離しやすくなる場合がある。Tgが90℃未満であると、吸湿温度とTgが近いために、吸湿率が大きくなり、電子部品が剥離しやすくなる場合がある。
上述した特定のエポキシ化合物と、酸無水硬化剤とを使用することにより、上記ガラス転移温度が達成できる。
接着強度:
本発明のペースト状接着剤は、その硬化物の260℃における接着強度が、65N/3mm□以上、上限値は特に限定されないが300N/3mm□以下程度であることが好ましい。なお、下限値は70N/3mm□以上であることが更に好ましい。
接着強度の測定方法:
接着強度の測定方法は、以下の通りである。ベアウェーハ上にペースト約0.5mgを塗布し、3mm□×300umtのチップを水平に乗せ、ペーストを170℃1時間で硬化させた。この状態でDage社製ダイシェアテスター Dage series 4000、ロードセルDS 100を用いてダイシェア強度を測定した。条件はサンプル温度:260℃、シェア高さ:20μm、シェア速度:300mm/secである。
飽和吸湿率:
本発明のペースト状接着剤は、厚さ500μm程度の硬化物の飽和吸湿率が0.8重量%以下程度であることが好ましい。0.8重量%を超えると、例えばガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸、混合した樹脂(以下、「ガラスエポキシ樹脂」という場合がある)等で封止された電子部品内蔵用基板をリフロー炉に通した場合に電子部品が剥離してしまう場合がある。より好ましくは0.5重量%以下である。
飽和吸湿率の測定方法:
飽和吸湿率の測定方法は、以下の通りである。170℃30分で硬化させた、厚さ500μmで5cm×5cmのサイズの測定用硬化物サンプルを用意し、デシケータ中で放冷後、重量を測定しM1とする。サンプルを85℃、85%RH(相対湿度)の恒温恒湿槽中で24時間吸湿させてから取り出し、すばやく秤量して秤量値が一定になったとき、その重量をM2とする。以下の式(1)により、飽和吸湿率(重量%)を算出した。
Figure 0005534682
耐リフロー性は、硬化物のガラス転移温度が低く、接着力が強く、かつ弾性率が低いという全ての性質を合わせ持つことによって成り立つものである。本発明のペースト状接着剤は、上記した構成をとることで、前記した性質を合わせ持つため、優れた耐リフロー性を有する。従って、本発明のペースト状接着剤は、特に限定されないが、ガラス転移温度が90℃以上110℃以下程度であり、接着強度が65N/3mm□以上300N/3mm□以下であり、かつ260℃における貯蔵弾性率が135MPa以下程度であるものがより好ましい例として挙げられ、ガラス転移温度が95℃以上105℃以下程度であり、接着強度が70N/3mm□以上であり、かつ260℃における貯蔵弾性率が120MPa以下程度であるものが特に好ましい例として挙げられる。
本発明のペースト状接着剤は、電子部品基板(回路基板やプリント配線板(例えば、リジッド−フレックス多層基板やフレキシブル多層基板等)を含む)に電子部品を積層する用途に広く用いることができ、表面実装タイプの装置や電子部品内蔵タイプの基板を製造する際に好適に用いることができる。中でも、従来知られている表面実装用の接着剤では不良が起こるという点で、電子部品内蔵基板の製造に特に好ましく用いることができる。
電子部品内蔵基板の製造方法:
本発明の電子部品内蔵基板の製造方法の第一の態様を説明する。第一の態様は、[工程a1]壁部が絶縁樹脂からなるキャビティが形成された電子部品基板に、本発明の電子部品用熱硬化性接着剤を用いて電子部品を搭載する工程と、[工程a2]工程a1で得られる電子部品が搭載された基板上に絶縁樹脂シートを搭載する工程と、[工程a3]加熱により絶縁樹脂シート及びキャビティの壁部を溶融させて電子部品及び基板を封止する工程とを含む電子部品内蔵基板の製造方法である。なお、本明細書において、「シート」の用語は、通常「フィルム」と称される薄いものも含むものとする。
[工程a1]
工程a1において、例えば、銅等からなる導電層と、絶縁樹脂層との積層体である電子部品基板を用意する。この基板に、パンチ等の公知の手段を用いて、電子部品を内蔵するためのキャビティ(収容部)を所望の深さに形成することにより、壁部が絶縁樹脂層からなるキャビティを形成できる。次に、基板に形成されたキャビティ内に、本発明のペースト状接着剤を用いて電子部品を搭載する。このとき、電子部品にペースト状接着剤を塗布した後、該電子部品を基板に搭載してもよく、予めキャビティ内にペースト状接着剤を塗布しておき、電子部品を搭載してもよい。
接着剤は、搭載後ただちに硬化させてもよく、後述する絶縁樹脂シート搭載後の加熱工程(工程a3)で硬化させてもよい。
電子部品基板は、回路基板やプリント配線板等の電子部品内蔵基板として使用しうるものであれば特に限定はされず、上記した導電層と絶縁樹脂層との積層体からなる基板の他に、例えばリジッド−フレックス多層基板やフレキシブル多層基板等が例として挙げられる。絶縁樹脂は、封止工程を鑑みると加熱により溶融するものが好ましく、ガラスエポキシ樹脂等が好適に挙げられる。電子部品は特に限定はされず、例えば、半導体チップ等の半導体素子、コンデンサ、インダクタ等が例として挙げられ、下方部に電気的接続手段を有するものが好適に挙げられる。
なお、キャビティの形成は、後述のように、本発明のペースト状接着剤を用いて電子部品を接着した後に行ってもよい。
[工程a2]
工程a2において、好ましくは減圧雰囲気下にて、工程a1で得られる電子部品を搭載した基板上に絶縁樹脂シートを搭載する。絶縁樹脂シートの材料は特に限定はされないが、加熱により溶融するものが好ましく、例えば熱可塑性エポキシ樹脂(例えば、ガラスエポキシ樹脂等)が好適に挙げられる。
減圧雰囲気で搭載することにより、絶縁樹脂シートが基板の樹脂層に密着しやすく、好ましい。減圧雰囲気での気圧は、通常0.1kPa以上10kPa以下程度、好ましくは0.5kPa以上8.0kPa以下程度、更に好ましくは1.0kPa以上5.0kPa以下程度である。
[工程a3]
工程a3において、加熱により絶縁樹脂シート及びキャビティの壁部を溶融させて電子部品及び基板を封止する。加熱により絶縁樹脂シート及びキャビティの壁部の樹脂層を溶融させ、キャビティ内の空間を封止することができる。この工程の加熱処理は、減圧下で行うことが好ましく、上述した工程a2と同時に行うことが好ましい。
上記加熱処理は、特に限定されないが、通常140〜200℃程度、好ましくは160〜180℃程度に加熱することによって行う。
絶縁樹脂シートを基板上に積層した後、必要に応じて表面を平坦化することが好ましい。また、表面にレーザー等を用いて孔を空け、内部に封止した電子部品と電気的接続を取るための導電性材料を設けることがより好ましい。更に、絶縁樹脂シート上にメッキ配線等を施すことができる。
本発明の電子部品内蔵基板の製造方法の第二の態様を説明する。第二の態様は、[工程b1]電子部品基板に、上記した本発明の電子部品用熱硬化性接着剤を用いて電子部品を搭載する工程と、[工程b2]電子部品が搭載された基板上に、前記電子部品を収容可能な貫通孔を有するキャビティ形成用樹脂シートを搭載してキャビティを形成する工程と、[工程b3]キャビティ形成用樹脂シート上に絶縁樹脂シートを搭載する工程と、[工程b4]加熱により絶縁樹脂シート及びキャビティの壁部を溶融させて、工程b1で得られる電子部品が搭載された基板を封止する工程と、を含む電子部品内蔵基板の製造方法である。
[工程b1]
工程b1において、本発明のペースト状接着剤を用いて電子部品を電子部品基板上に搭載する。電子部品基板、電子部品は工程a1で用いたものを同様に用いることができるが、電子部品基板は、銅等からなる導電層のみを用いてもよい。基板上のキャビティ形成予定部位に、本発明のペースト状接着剤を用いて電子部品を搭載する。このとき、電子部品にペースト状接着剤を塗布した後、該電子部品を基板上に搭載してもよく、基板上のキャビティ形成予定部位に予めペースト状接着剤を塗布しておき、電子部品を搭載してもよい。
接着剤は、電子部品搭載後ただちに硬化させてもよく、後述する絶縁樹脂シート搭載後の加熱工程で硬化させてもよい。
[工程b2]
工程b2において、工程b1にて得られた電子部品が搭載された基板上に、前記電子部品を収容可能な貫通孔を有するキャビティ形成用樹脂シート(以下、キャビティ形成用樹脂シートともいう。)を搭載してキャビティを形成することができる。具体的には、電子部品が搭載された基板上に、電子部品の形状に対応した貫通孔を備えていて電子部品を収容可能なキャビティ形成用絶縁樹脂シートを積層することによって、キャビティを形成することができる。キャビティ形成用樹脂シートの材料は特に限定はされないが、加熱により溶融するものが好ましく、例えば熱可塑性エポキシ樹脂(例えば、ガラスエポキシ樹脂等)が好適に挙げられる。
[工程b3]
工程b3において、好ましくは減圧雰囲気下にて、工程b2で得られたキャビティ形成用樹脂シート上に絶縁樹脂シートを搭載する。絶縁樹脂シートは工程a2で用いたものを同様に用いることができる。減圧雰囲気での気圧は、工程a2と同様である。また、上記キャビティ形成用樹脂シート及び絶縁樹脂シートの両方を同時に搭載するのが好ましい。なお、上記キャビティ形成用樹脂シート及び絶縁樹脂シートは、通常、同様の材質の樹脂シートが用いられる。
[工程b4]
工程b4において、加熱により絶縁樹脂シート及びキャビティの壁部を溶融させて電子部品及び基板を封止する。上記工程a3と同様に、この工程の加熱処理は、減圧下で行うことが好ましく、上述した工程b3と同時に行うことが好ましい。上記加熱処理は、通常140〜200℃程度、好ましくは160〜180℃程度に加熱することによって行う。
また、絶縁樹脂シートをキャビティ形成用樹脂シート上に積層した後、上記工程a3と同様に、必要に応じて表面を平坦化することが好ましい。また、表面にレーザー等を用いて孔を空け、内部に封止した電子部品と電気的接続を取るための導電性材料を設けることがより好ましい。更に、絶縁樹脂シート上にメッキ配線等を施すことができる。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1〜4及び比較例1〜2]
下記材料(1)〜(7)を下記表1記載の配合量でホモディスパーにより攪拌混合し、実施例1〜4及び比較例1〜2に係るペースト状接着剤を作製した。
(1)エポキシ基と反応可能な基を有するチオエーテル化合物として、2,2’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ジターシャリーブチルジフェニルスルフィドとクロロメチルオキシランとの反応生成物(商品名:YSLV-120TE、東都化成社製)を使用した。エピスルフィド化合物として、水添ビスフェノールA型エピスルフィド化合物(商品名:YL-7007、JER社製)を使用した。
(2)単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物として、単官能のフェノール型グリシジルエーテル構造を有するエポキシ化合物(商品名:ED-509、ADEKA社製)を使用した。
(3)その他のエポキシ化合物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:YL-980、エポキシ当量:190、JER社製)、ビフェニル型エポキシ樹脂(商品名:YX4000、エポキシ当量:190、JER社製)、NBR変性エポキシ樹脂(商品名:EPR-4030、エポキシ当量:380、ADEKA社製)、及びレゾルシノール型エポキシ樹脂(商品名:EX-201、エポキシ当量:117、ナガセケムテックス社製)を使用した。
(4)酸無水物硬化剤として、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸(商品名:YH-307、JER社製)を使用した。
(5)無機フィラーとして、表面にフェニル基を有する球状シリカ(商品名:SE-4050-SPE、平均粒子径1μm、アドマテックス社製)を使用した。
(6)硬化促進剤として、2−メチルイミダゾール(商品名:2MZ-A、四国化成工業社製)を使用した。
(7)上記以外の添加物として、ヒュームドシリカ(商品名:PM-20L、平均粒子径15nm、トクヤマ社製)、及びシランカップリング剤(商品名:KBM-573、信越化学社製)を使用した。
Figure 0005534682
(評価)
実施例1〜4及び比較例1〜2で作製した電子部品接合用接着剤及びその硬化物について、以下の測定を行った。結果を表2に示す。
(1)接着剤
(1−1)粘度の測定
E型粘度測定装置(商品名:VISCOMETER TV−22、使用ローター:φ15mm、設定温度:25℃、TOKI SANGYO CO.LTD社製)を用いて、25℃、回転数10rpmにおける粘度を測定した。
(2)硬化物
(2−1)弾性率の測定
JIS K7244−4に記載の方法に従い、弾性測定機(型式:DVA−200、アイティー計測制御社製)を用い、実施例1〜4及び比較例1〜2で得られたペースト状接着剤を110℃40分、さらに170℃15分で硬化させた硬化物を、昇温速度5℃/分、引っ張り、つかみ幅24mm、10Hzの条件で300℃まで昇温し、260℃における貯蔵弾性率を測定した。
(2−2)ガラス転移温度(Tg)の測定
JIS K 7121に記載の方法に従い、粘弾性測定機(アイティー計測制御社製)を用い、1〜4及び比較例1〜2で得られたペースト状接着剤を110℃40分、170℃15分で硬化させた硬化物を、昇温速度5℃/分、引っ張り、つかみ幅24mm、10Hzの条件で測定したtanδのピーク時の温度をガラス転移温度とした。
(2−3)接着強度の測定
ベアウェーハ上にペースト約0.5mgを塗布し、3mm□×300umtのチップを水平に乗せ、ペーストを170℃1時間で硬化させた。この状態でDage社製ダイシェアテスター Dage series 4000、ロードセルDS 100を用いてダイシェア強度を測定した。条件はサンプル温度:260℃、シェア高さ:20μm、シェア速度:300mm/secで行った。
(2−4)飽和吸湿率の測定
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られたペースト状接着剤を170℃30分で硬化させた、厚さ500μmで3cm×3cmのサイズの測定用硬化物サンプルを用意し、デシケータ中で放冷後、重量を測定しM1とする。サンプルを85℃、85%RHの恒温恒湿槽中で24時間吸湿させてから取り出し、すばやく秤量して秤量値が一定になったときの重量をM2として、前記式(1)により、飽和吸湿率(重量%)を算出した。
[実施例5]電子部品内蔵基板の製造
ガラスエポキシ基板(ANSIのグレード:FR−4)と銅薄の積層体である、厚さ150μmの基板に10mm×10mm×厚さ85μmの半導体チップを、上記実施例1〜4及び比較例1〜2により得られたペースト状接着剤を用いて接着し(硬化条件170℃×30分)搭載して、半導体チップが搭載された基板を製造した。
その後、半導体チップサイズのパンチ穴が形成された厚さ85μmのガラスエポキシ樹脂シートと厚さ25μmのパンチ穴を持たないガラスエポキシ樹脂シートと前記基板とを、この順に載置した後、減圧雰囲気下(5kPa)、190℃×90分、荷重2MPaの条件でプレスし積層一体化して、電子部品内蔵基板サンプルを作製した。
[試験例1]耐リフロー性評価
作製した電子部品内蔵基板を、60℃×60%の恒温恒湿オーブンに120時間放置した後、230℃以上が20秒以上でかつ最高温度が260℃となる赤外線(IR)リフロー炉に3回投入した。投入後、基板の膨れが発生する頻度を目視で確認し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
(評価基準)
○:リフロー後の膨れ発生数 0/480
△:リフロー後の膨れ発生数 1〜4/480
×:リフロー後の膨れ発生数 5以上/480
Figure 0005534682
以上の結果から、本発明の接着剤を用いれば、リフロー後に基板の膨れがほとんど起こらないことが確認された。
本発明の電子部品用熱硬化性接着剤は、電子部品基板と電子部品との接着に有用である。また、本発明の製造方法により、リフロー後に基板に剥離がほとんど生じない電子部品内蔵基板を提供することができる。

Claims (12)

  1. 電子部品基板に電子部品を搭載するために使用する接着剤であって、
    (A)エポキシ基を有するチオエーテル化合物及び/又はエピスルフィド化合物と、
    (B)単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物と、
    (C)酸無水物硬化剤と、
    (D)無機フィラーとを含有する、電子部品用熱硬化性接着剤。
  2. チオエーテル化合物が、さらにアミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基及びエポキシ基から選択される1以上のエポキシ基と反応可能な基を有する請求項1記載の電子部品用熱硬化性接着剤。
  3. エポキシ基を有するチオエーテル化合物が、下記式[I]:
    Figure 0005534682
    で表される化合物である請求項1記載の電子部品用熱硬化性接着剤。
  4. エピスルフィド化合物が、水添ビスフェノールA型エピスルフィド化合物である請求項1記載の電子部品用熱硬化性接着剤。
  5. エピスルフィド化合物が、下記式[II]:
    Figure 0005534682
    で表される化合物である請求項1記載の電子部品用熱硬化性接着剤。
  6. エポキシ基を有するチオエーテル化合物とエピスルフィド化合物の混合重量比が、80:20〜50:50である請求項1〜5のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤。
  7. 単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物が、メチルフェノール型単官能エポキシ化合物、p−secブチルフェノール型単官能エポキシ化合物及びp−tertブチルフェノール型単官能エポキシ化合物から選択される1以上である請求項1〜6のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤。
  8. 酸無水物硬化剤が、3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物である請求項1〜7のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤。
  9. 無機フィラーが、表面にフェニル基を有する球状シリカである請求項1〜8のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤。
  10. (A)エポキシ基を有するチオエーテル化合物及び/又はエピスルフィド化合物と、(B)単官能でかつ芳香族環を有するエポキシ化合物と、(C)酸無水物硬化剤と、(D)無機フィラーの混合重量比は、1:0.5〜15:1〜30:5〜150であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤。
  11. [工程a1]壁部が絶縁樹脂からなるキャビティが形成された電子部品基板に、請求項1〜10のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤を用いて電子部品を搭載する工程と、
    [工程a2]工程a1で得られる電子部品が搭載された基板上に絶縁樹脂シートを搭載する工程と、
    [工程a3]加熱により絶縁樹脂シート及びキャビティの壁部を溶融させて電子部品及び基板を封止する工程とを含むことを特徴とする電子部品内蔵基板の製造方法。
  12. [工程b1]電子部品基板に、請求項1〜10のいずれかに記載の電子部品用熱硬化性接着剤を用いて電子部品を搭載する工程と、
    [工程b2]電子部品が搭載された基板上に、前記電子部品を収容可能な貫通孔を有するキャビティ形成用樹脂シートを搭載してキャビティを形成する工程と、
    [工程b3]キャビティ形成用樹脂シート上に絶縁樹脂シートを搭載する工程と、
    [工程b4]加熱により絶縁樹脂シート及びキャビティの壁部を溶融させて、工程b1で得られる電子部品が搭載された基板を封止する工程とを含むことを特徴とする電子部品内蔵基板の製造方法。
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