JP6636874B2 - 電子部品接着用樹脂組成物、電子部品の接着方法および電子部品搭載基板 - Google Patents

電子部品接着用樹脂組成物、電子部品の接着方法および電子部品搭載基板 Download PDF

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Description

本発明は、IC,LSI,LEDなどの半導体素子、コンデンサなどのチップ部品(以下、電子部品と称する。)を金属フレーム、有機基板などへ接着する際に使用される電子部品接着用樹脂組成物、その樹脂組成物を用いた電子部品の接着方法および電子部品搭載基板に係り、特に、電子部品として1辺が1mm以下の小型の電子部品を接着するのに好適な電子部品接着用樹脂組成物、電子部品の接着方法および電子部品搭載基板に関する。
従来、上記のような電子部品は、リードフレームと称する金属片にマウントし、Au/Si共晶法またはダイボンディングペーストと称する接着剤を用いて固定した後、リードフレームのリード部と半導体素子上の電極とを細線ワイヤー(ボンディングワイヤー)により接続し、次いでこれらをパッケージに収納して半導体製品とすることが一般的であった。近年、LEDなどの分野において半導体素子の小型化が進み、接着面積が小さくなったことから、半導体素子の剥離が発生してしまうことがある。
この半導体素子の剥離を防止するために、特定のチクソ範囲を有し、適切な形状および形状を有するフィレットを形成するためのダイボンド剤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、樹脂組成物の降伏応力を規定して、改良した自己フィレット化を達成しようとする組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2008−277421号公報 特表2011−514671号公報
しかしながら、さらなる半導体素子の小型化により一辺が1mm以下の小型の電子部品に対しては、従来提案されているダイボンド剤では、満足のできる特性のものが得られておらず、アセンブリー工程や実装工程中の熱履歴による電子部品の剥離が発生している。そのため、小型の電子部品であっても、剥離がなく、十分な接続信頼性を有するダイボンド剤の開発が強く要望されていた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、フィレット形成性が良好であり、小型の電子部品の接着においても高い接着力が得られる電子部品接着用樹脂組成物を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、上記電子部品接着用樹脂組成物を用いた電子部品の接着方法および基板と電子部品とが、上記電子部品接着用樹脂組成物を介して接着されている電子部品搭載基板を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の硬化系において、特定の銀粉と、希釈剤とをそれぞれ所定の配合量とすることで、フィレット成形性の良好な樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電子部品接着用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)ジシアンジアミドと、(C)硬化促進剤と、(D)銀粉と、(E)希釈剤と、を必須成分とする電子部品接着用樹脂組成物であって、前記(A)エポキシ樹脂の軟化点が30〜100℃のエポキシ樹脂であり、前記(D)銀粉が、前記(D)銀粉中に、(D−1)平均粒径D50が5.0〜9.0μmのフレーク状銀粉 50〜70質量%と(D−2)平均粒径D50が0.8〜3.0μmであるフレーク状銀粉 30〜50質量%と、を含んでなり、かつ、前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、前記(D)銀粉を600〜900質量部、前記(E)希釈剤を100〜180質量部含有する、ことを特徴とする。
本発明の小型部品の接着方法は、基板に、本発明の電子部品接着用樹脂組成物を用いて、電子部品を接着することを特徴とする。
本発明の電子部品搭載基板は、基板と電子部品とが、上記電子部品接着用樹脂組成物を介して接着されていることを特徴とする。
本発明の電子部品接着用樹脂組成物及び電子部品の接着方法によれば、電子部品を固定する際に、フィレット形成性が良好であるため硬化させたときの接着強度が良好で、導電性を十分に確保できるため体積抵抗率の低い硬化物を得ることができる。
本発明の電子部品搭載基板によれば、電子部品を基板上に、導電性を良好に、かつ、安定して接着されているため、信頼性の高い製品を得ることができる。
以下、本発明の電子部品接着用樹脂組成物、電子部品の接着方法及び電子部品搭載基板についてそれぞれ詳細に説明する。
<電子部品接着用樹脂組成物>
本発明の電子部品接着用導電性樹脂組成物は、上記したように、(A)エポキシ樹脂と、(B)ジシアンジアミドと、(C)硬化促進剤と、(D)銀粉と、(E)希釈剤と、を必須成分とする電子部品接着用樹脂組成物である。そして、(A)エポキシ樹脂が、軟化点が30〜100℃のエポキシ樹脂であり、(D)銀粉が、(D)銀粉中に、(D−1)平均粒径D50が5.0〜9.0μmのフレーク状銀粉 50〜70質量%と(D−2)平均粒径D50が0.8〜3.0μmであるフレーク状銀粉 30〜50質量%と、を含んでなり、かつ、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、(D)銀粉を600〜900質量部、(E)希釈剤を100〜180質量部含有する、ことを特徴とする。
本発明で用いる(A)エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のグリシジル基を有する、軟化点が30〜100℃のエポキシ樹脂であればよく、特に限定されるものではない。
この(A)エポキシ樹脂は、上記特性を満たすエポキシ樹脂であればよく、様々なエポキシ樹脂を使用することができる。この(A)エポキシ樹脂は、単独でも、複数種を併用してもよく、複数種を併用する場合は、併用したときのエポキシ樹脂の軟化点が上記範囲を満たすものであればよい。
この(A)成分のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、エーテル又はポリエーテル型エポキシ樹脂、エステル又はポリエステルエポキシ樹脂、ウレタン型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、水添型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジル変性ポリブタジエン樹脂、グリシジル変性トリアジン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、可とう性エポキシ樹脂、メタクリル変性エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、特殊変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、側鎖水酸基アルキル変性エポキシ樹脂、長鎖アルキル変性エポキシ樹脂、イミド変性エポキシ樹脂、カルボキシル基末端ブタジエンニトリルゴム(CTBN)変性エポキシ樹脂などが挙げられる。
なかでも、この(A)成分のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂が接着性の観点から好ましい。
上記したように(A)成分のエポキシ樹脂の軟化点は30〜100℃である。30℃未満であると、フィレットが形成されにくく、100℃を超えると、粘度調節のために配合する希釈剤が硬化物中に多く取り込まれ、接着強度が低下するおそれがある。
また、本発明においては、応力緩和性や密着性などをさらに改善する目的で、(A)エポキシ樹脂以外の樹脂成分を配合してもよい。併用可能な樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂成分は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
エポキシ樹脂以外の他の樹脂を併用する場合、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、他の樹脂を30質量部まで混合することができる。なお、エポキシ樹脂以外の他の樹脂を併用した場合、他の樹脂を30質量部超混合すると、強度不足やフィレット形成不良が懸念される。
本発明に用いる(B)ジシアンジアミドは、(A)エポキシ樹脂の硬化剤として機能する化合物であり、通常、電子部品を基板等に接着する際に用いられる接着剤等に使用されている汎用のものであればよい。
この(B)ジシアンジアミドの配合量は、(A)エポキシ樹脂 100質量部に対して、3〜10質量部が好ましい。この配合量が3質量部未満であると十分に硬化しないおそれがあり、また配合量が10質量部を超えると反応による増粘が加速し、可使時間が短くなるおそれがある。
本発明に用いる(C)硬化促進剤は、エポキシ樹脂の硬化促進剤として従来公知のものであればよく、特に制限されることなく使用できる。この(C)硬化促進剤は、単独でも、複数種を併用してもよい。
この(C)硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、トリフェニルホスフィン系硬化促進剤、ジアザビシクロ系硬化促進剤、ウレア系硬化促進剤、ボレート塩系硬化促進剤、ポリアミド系硬化促進剤などが挙げられる。硬化性、接着性の観点から、(C)硬化促進剤としては、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤が好ましく、イミダゾール系硬化促進剤であることがより好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤の具体例としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−ウンデシルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−イミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール塩酸塩、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイトなどが挙げられる。
また、アミン系硬化促進剤の具体例としては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、などの脂肪族アミン類;脂環式および複素環式アミン類;変性ポリアミン類;グアニジン;有機酸ヒドラジド;ジアミノマレオニトリル;アミンイミド;三フッ化ホウ素−ピペリジン錯体;三フッ化ホウ素−モノエチルアミン錯体などが挙げられる。
硬化促進剤の配合量は、(A)成分であるエポキシ樹脂の合計100質量部に対して、1〜10質量部の範囲が好ましい。この配合量が1質量部未満であると、硬化に時間がかかりすぎ、10質量部を超えると反応による増粘が加速し、可使時間が短くなるおそれがある。
本発明に用いる(D)銀粉は、樹脂硬化物に導電性を付与するために用いられ、平均粒径の異なる2種類のフレーク状銀粉を併用してなる。この(D)銀粉は、具体的には、(D−1)平均粒径D50が5.0〜9.0μmのフレーク状銀粉と、(D−2)平均粒径D50が0.8〜3.0μmであるフレーク状銀粉と、を含有してなる。
(D−1)フレーク状銀粉の平均粒径D50は5.0μm以上であれば、樹脂組成物は適度な粘度を有し、9.0μm以下であれば、樹脂組成物の塗付時または硬化時における樹脂成分のブリードが抑制され好ましい。(D−1)のフレーク状銀粉は、上記の平均粒径を有し、タップ密度が1.5〜3.0g/cm程度のものであればよく、市販のものが使用できる。このタップ密度は3.0g/cm以下であれば、組成物は適度な粘度を有し、タップ密度が1.5g/cm以上であれば、組成物の塗付時または硬化時における樹脂成分のブリードが抑制され好ましい。
(D−2)のフレーク状銀粉の平均粒径D50が0.8μm以上であれば、組成物は適度な粘度を有し、3.0μm以下であれば、良好な体積抵抗率が得られる。
なお、銀粉の平均粒径D50はレーザー回折式粒度分布測定装置により、体積基準で得られた粒度分布から求められる50%積算値である。
これらの銀粉は、(D)銀粉中に、上記(D−1)のフレーク状銀粉を50〜70質量%含有し、上記(D−2)のフレーク状銀粉を30〜50質量%含有するものである。上記のように平均粒径の異なる銀粉の割合が、この範囲であれば小型の電子部品であっても、その厚さの1/3以上のフィレット形成をすることができ、硬化後の体積抵抗率を低くすることができる。(D−1)フレーク状銀粉が全銀粉配合量の50質量%未満では硬化後の体積抵抗率が上昇してしまい、(D−2)フレーク状銀粉が30質量%未満ではフィレットの形成が進まず、接着強度も低下してしまう。
得られる電子部品用接着剤組成物の特定を損なわない限り、(D)銀粉中に(D−1)及び(D−2)以外の銀粉を含んでもよい。全銀粉中における(D−1)及び(D−2)の合計量は、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
なお、ここでフレーク状銀粉のフレーク状とは、板のような形状であり(片状、JISZ2500:2000参照)、鱗片状とも言われる形状である。また、上記(D−1)及び(D−2)以外の銀粉とは、フレーク状で上記平均粒径から外れたものや、球状、樹枝状、繊維状、不定形上、粒状、針状等のフレーク状以外の形状の銀粉を意味する。
また、(D)銀粉の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して600〜900質量部であり、700〜800質量部の範囲が好ましい。この配合量が、600質量部未満では導電性が低下してしまうおそれがあり、900質量部を超えると接着強度が低くなるおそれがある。
本発明に用いる(E)希釈剤は、希釈することで電子部品接着用樹脂組成物の粘度を調整できるものであればよく、樹脂組成物の希釈剤として公知のものを用いることができる。(E)希釈剤としては、反応性希釈剤、溶剤等が挙げられ、これらは単独でも、複数種を併用して用いてもよい。これら希釈剤の中でも反応性希釈剤が好ましい。
反応性希釈剤としては、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールグリシジルエーテル、ブタンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、溶剤としては、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコール n−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられ、これらの溶剤のなかでもプロピレングリコールフェニルエーテルが好ましい。
この希釈剤は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、100〜180質量部配合することが好ましい。このような配合量とすることで、得られる電子部品接着用樹脂組成物の粘度を任意の値に調整でき、かつ、十分な粘弾性が得られるため、適当な接着強度が得られる。
このとき、電子部品接着用樹脂組成物の粘度を、レオメーターを用いて25℃、50回転で測定した値が4.5〜7.5Pa・s、かつ、E型粘度計を用いて25℃、3°コーンで測定した値が80〜130Pa・s、を満たすようにすることが好ましい。この2つの範囲を同時に満たすことで小型の電子部品であっても、その厚さの1/3以上のフィレットを形成することができる。
なお、粘度計により得られる粘度が80Pa・sより低いと塗布時にペーストが流れてしまい形状が保てず、130Pa・sより大きいと塗布時に糸引きが起こり、良好な形状にならないおそれがある。また、レオメーターにより得られる粘度が4.7Pa・sより低いとマウント時、チップと水平方向に接着剤が流れてしまい、7.5Pa・sより大きいとチップに十分に濡れ広がらないおそれがある。
この電子部品接着用樹脂組成物には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、カップリング剤などの接着助剤、他の溶剤、有機過酸化物などの硬化促進助剤、消泡剤、着色剤、難燃剤、チクソ性付与剤、その他添加剤などを、必要に応じて配合することができる。
カップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤、及びジルコアルミネート系カップリング剤などが挙げられる。これらのカップリング剤のなかでも、シランカップリング剤が好ましく、特に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。カップリング剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
この電子部品用接着剤組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)ジシアンジアミド、(C)硬化促進剤、(D)銀粉、(E)希釈剤と、必要に応じて配合される成分をディスパース、ニーダー、三本ロールなどにより混練し、次いで脱泡することにより、容易に調製することができる。この混練において、好ましいのは、遊星攪拌装置による混合である。遊星攪拌装置とは、材料を入れた容器を高速で公転させながら、同時に公転軌道上で自転させることにより、材料の均一な攪拌を行うものである。具体的には株式会社シンキー製のあわとり練太郎 ARE−310(商品名)等を用いる。この混練方法によって、樹脂組成物中の銀粉の分散性が増し、これにより導電性を向上できる。
本発明の電子部品接着用樹脂組成物は、フィレット形成性に優れ、小型の電子部品においても基板との高い接着性が得られる。すなわち、本発明の電子部品接着用樹脂組成物は、電子部品の剥離が発生しにくく、高い信頼性を確保できる。
本発明の樹脂組成物は、電子部品を基板上に接着するための接着剤として広く使用することができ、小型の電子部品の接着剤に適用した場合に特に有用である。
<電子部品搭載基板>
本発明の電子部品搭載基板は、基板と、その基板上に固定した電子部品と、から構成される電子部品搭載基板であり、基板と電子部品との固定を、上記で説明した本発明の電子部品接着用樹脂組成物を用いて行っている点に特徴を有する。
ここで用いられる基板および電子部品は、それぞれ従来公知のものを特に限定されずに使用できる。なお、電子部品としては、IC,LSI,LEDなどの半導体素子、コンデンサなどのチップ部品が挙げられ、特に、1辺が1mm以下となるような小型の電子部品であることが好ましい。
すなわち、本発明の電子部品接着用樹脂組成物は、上記のような小型の電子部品を基板に接着する際においても安定して接着することができる。例えば、小型の電子部品として厚さが0.3mm程度のものであっても、その1/3程度にフィレット形成が可能で、これにより基板に強固に接着できる。
この電子部品搭載基板を得るためには、基板上に本発明の電子部品接着用樹脂組成物を塗布し、その上に電子部品を搭載した後、硬化させて固着させればよい。このとき、電子部品接着用樹脂組成物は、電子部品側に塗布し、これを基板上に配置してから硬化させて固着してもよい。
次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1〜6及び比較例1〜8)
表1、2に示した組成に従い各成分を混合し、3本ロールで混練して電子部品接着用樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を銀メッキした銅フレーム上に塗布し、その上に1mm×1mmの半導体チップをマウントし、熱硬化させ、小型の半導体チップを接着、固定した電子部品搭載基板を製造した。
なお、使用した各成分の詳細は、以下記載の通りである。
[エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂1:YD−134(新日鐵住金化学株式会社製、商品名;エポキシ当量 230:半固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂2:YD−014(新日鐵住金化学株式会社製、商品名;エポキシ当量 900:固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂3:YD−115G(新日鐵住金化学株式会社製、商品名;エポキシ当量 180:液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
[硬化剤]
ジシアンジアミド:日本カーバイド工業株式会社製
フェノール樹脂:TD−2093(DIC株式会社製、商品名;水酸基当量 104g/eq:ノボラック型フェノール樹脂)
[促進剤]
2P4MHZ−PW(四国化成工業株式会社製、商品名;2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール)
[銀粉]
フレーク状銀粉1:TC−101(株式会社徳力化学研究所製、商品名;D50 6.6μm、TD:1.9g/cm、SSA 1.0cm/g)
フレーク状銀粉2:TC−910(株式会社徳力化学研究所製、商品名;D50 2.0μm、TD:4.8g/cm、SSA 1.1cm/g)
球状銀粉1:AgF−2.5S(株式会社徳力化学研究所製、商品名;D50 2.5μm、TD:5.0g/cm、SSA 0.4cm/g)
[シランカップリング剤]
KBM−403(信越化学工業株式会社製、商品名;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
[反応性希釈剤]
PEG(坂本薬品工業株式会社製、商品名:フェニルグリシジルエーテル)
上記の半導体接着用樹脂組成物の特性(粘度、フィレット形成性)、また、該半導体接着用樹脂組成物の硬化物特性(接着強度、体積抵抗率)について以下の通り評価を行ない、その結果を併せて表1、2に示した。
<樹脂組成物の特性>
(粘度)
・E型粘度計による粘度
東機産業社製のE型粘度計(3°コーン)を用いて、25℃、0.5min−1の条件で粘度を測定した。
・レオメーターによる粘度
TAインスツルメント社製のレオメーター ARES−G2(商品名)を用いて、半導体チップのマウント時を想定し、25℃においてShear rate 50[1/s]という高いShear rateの時の粘度を測定した。
(フィレット形成性)
1mm角(厚み300μm)の半導体チップをマウントした際の、フィレットの高さを計測した。得られた高さについて、厚みの1/3を境界として以下の基準により評価した。
○:100μm以上、×:100μm未満
<硬化物特性>
(接着強度)
得られた樹脂組成物を銀メッキした銅フレーム上に塗布し、その上に1mm×1mmの半導体素子をマウントし、160℃で30分加熱硬化させ、ノードソン・アドバンスト・テクノロジー社製ダイシェア強度測定器により25℃における接着強度を求めた。
(体積抵抗率)
得られた樹脂組成物を、ガラス板上に、硬化後の厚さが0.03mmになるように塗布・硬化させた後、デジタルマルチメーターにより25℃における体積抵抗率を測定した。
(総合評価)
樹脂のE型粘度計による粘度 80〜130Pa・s、レオメーターによる粘度 7.5Pa・s以下、フィレット形成 ○、硬化時間 30分以下、接着強度 30N以上、体積抵抗率 6×10−4以下、の全てを満たすものを合格、1つでも満たさないものがあったら不合格とした。
Figure 0006636874
Figure 0006636874
表1、2から、本発明の実施例である樹脂組成物は、比較例の樹脂組成物に比べて、フィレット形成性が良好であり、また、硬化させて得られた硬化物の接着強度及び体積抵抗率も良好であった。すなわち、本発明の樹脂組成物は、小型の電子部品であっても、安定して接着でき、導電性も良好な状態を確保できる樹脂組成物であることがわかった。

Claims (7)

  1. (A)エポキシ樹脂と、(B)ジシアンジアミドと、(C)硬化促進剤と、(D)銀粉と、(E)希釈剤と、を必須成分とする電子部品接着用樹脂組成物であって、
    前記(A)エポキシ樹脂が、軟化点が30〜100℃のエポキシ樹脂であり、
    前記(D)銀粉が、前記(D)銀粉中に、(D−1)平均粒径D50が5.0〜9.0μmのフレーク状銀粉 50〜70質量%と(D−2)平均粒径D50が0.8〜3.0μmであるフレーク状銀粉 30〜50質量%と、を含んで構成され、かつ、
    前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、前記(D)銀粉を600〜900質量部、前記(E)希釈剤を100〜180質量部含有する、ことを特徴とする電子部品接着用樹脂組成物。
  2. 前記電子部品接着用樹脂組成物の粘度について、レオメーターを用いて25℃、50回転/分で測定した粘度が4.5〜7.5Pa・sで、かつ、E型粘度計を用いて25℃、3°コーンで測定した粘度が80〜130Pa・sである請求項1に記載の電子部品接着用樹脂組成物。
  3. 前記(A)エポキシ樹脂がビスフェノール型エポキシ樹脂である請求項1又は2に記載の電子部品接着用樹脂組成物。
  4. 基板に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品接着用樹脂組成物を用いて、電子部品を接着することを特徴とする電子部品の接着方法。
  5. 前記電子部品が、1辺が1mm以下の小型の電子部品である請求項4に記載の電子部品の接着方法。
  6. 基板と電子部品とが、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品接着用樹脂組成物を介して接着されていることを特徴とする電子部品搭載基板。
  7. 前記電子部品が、1辺が1mm以下の小型の電子部品である請求項6に記載の電子部品搭載基板。
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