JP2010050017A - 耐光性導電ペースト及び素子接続方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の導電性ペーストの性能が低下することなく、接合信頼性が向上し、耐紫外線性、耐熱性、耐候性に優れた耐光性導電ペーストを提供する。
【解決手段】(A)平均分子量が500〜1400の固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)ベンゼン環骨格を有さないアミン系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)溶剤及び/又はベンゼン環骨格を有さない反応性希釈剤、及び(E)導電性粉末を含むことを特徴とする耐光性導電ペーストである。
【選択図】なし
【解決手段】(A)平均分子量が500〜1400の固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)ベンゼン環骨格を有さないアミン系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)溶剤及び/又はベンゼン環骨格を有さない反応性希釈剤、及び(E)導電性粉末を含むことを特徴とする耐光性導電ペーストである。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐光性導電ペースト及び素子接続方法に関する。特に化合物半導体素子をマウントする半導体装置のアセンブリーや各種部品類の接着などに使用するもので、耐紫外線性、耐熱性、耐候性などに優れた耐光性導電ペースト、及びこれを用いた化合物半導体素子の接続方法に関する。
一般に導電性ペーストは、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂結合材(バインダー)と導電性粉末とから構成され、各種電子部品の接着、コーティング、印刷による回路形成などに用いられている。熱硬化性樹脂である結合材は、硬化剤により熱硬化して有機溶剤に不溶となり、また耐熱性、耐湿性、耐候性などが付与される。
また、半導体装置において、リードフレム上にLED、IC、LSIなどの化合物半導体素子を接続する工程において、従来から低融点の合金(半田)を用いてろう付けをする方法や導電性ペーストを使用する方法などが用いられる。導電性ペーストによる化合物半導体素子の接続方法は、半田法に比べて、耐熱性、作業性、実装性などに優れるため広く使用されている。しかしながら、導電性ペーストに使用される樹脂、硬化剤その他の成分は、アルミニウム電極の腐食や断線などの原因を含むことがあり、また接合信頼性は半田法やAu−Si共晶に劣る場合があった。
また、半導体装置において、リードフレム上にLED、IC、LSIなどの化合物半導体素子を接続する工程において、従来から低融点の合金(半田)を用いてろう付けをする方法や導電性ペーストを使用する方法などが用いられる。導電性ペーストによる化合物半導体素子の接続方法は、半田法に比べて、耐熱性、作業性、実装性などに優れるため広く使用されている。しかしながら、導電性ペーストに使用される樹脂、硬化剤その他の成分は、アルミニウム電極の腐食や断線などの原因を含むことがあり、また接合信頼性は半田法やAu−Si共晶に劣る場合があった。
さらに最近では、電子部品の軽薄短小化に伴い、屋外で設置使用されるものが多くなり、これに伴い電子部品に使用される導電性ペースト材料にも耐候性が強く求められるようになった。加えて、発光波長450〜200nm付近の光半導体素子が開発されたことにより、アセンブリー工程や光半導体素子周辺で使用される導電性ペーストには、従来以上に耐紫外線性や耐候性が要求されるようになった。しかし、従来の導電性ペーストは、そのほとんどが液状の汎用エポキシ樹脂を使用しているため、耐候性に劣っていた。耐候性を改善するために、脂環式エポキシ樹脂や水添型エポキシ樹脂を用いることもあるが、これらはアミンやフェノール系硬化剤との反応性が劣るので、酸無水物系硬化剤を使用することになる。この場合、一液型の配合ではポットライフが短くなり、作業性の点で問題があった。加えて脂環式エポキシ樹脂硬化物は脆いものが多く、接着面積の小さな半導体チップでは十分な接着強度が出にくく、かつクラックの発生も懸念された。また、エポキシ樹脂より耐候性に優れているアクリル系樹脂やポリウレタン系樹脂では、逆に耐熱性が低いため、アセンブリー工程や実装工程中の熱履歴によるチップ剥離が問題となる可能性が高かった。したがって、物理的、電気的な接合信頼性の向上を目指して、耐紫外線性、耐候性の強い導電性ペーストの開発が要望されていた。
そこで、本出願人はメタクリロイル基やヒドロキシエチル基を有するベンゾトリアゾール骨格を含む化合物を添加することにより、耐候性に優れた導電性ペーストを提案している(特許文献1)。
そこで、本出願人はメタクリロイル基やヒドロキシエチル基を有するベンゾトリアゾール骨格を含む化合物を添加することにより、耐候性に優れた導電性ペーストを提案している(特許文献1)。
本発明は、上記問題を解消するためになされたもので、従来の導電性ペーストの性能が低下することなく、接合信頼性が向上し、耐紫外線性、耐熱性、耐候性に優れた耐光性導電ペーストの提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、特定の硬化剤、硬化促進剤、溶剤や反応性希釈剤、及び導電性粉末を含む導電性ペーストにより、上記目的を達成することを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記の耐光性導電ペーストを提供するものである。
1.(A)平均分子量が500〜1400の固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)ベンゼン環骨格を有さないアミン系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)溶剤及び/又はベンゼン環骨格を有さない反応性希釈剤、及び(E)導電性粉末を含むことを特徴とする耐光性導電ペースト。
2.(B)アミン系硬化剤がジシアンジアミドである上記1記載の耐光性導電ペースト。
3.上記1又は2記載の耐光性導電ペーストを用いて化合物半導体素子を接続することを特徴とする素子接続方法。
1.(A)平均分子量が500〜1400の固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)ベンゼン環骨格を有さないアミン系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)溶剤及び/又はベンゼン環骨格を有さない反応性希釈剤、及び(E)導電性粉末を含むことを特徴とする耐光性導電ペースト。
2.(B)アミン系硬化剤がジシアンジアミドである上記1記載の耐光性導電ペースト。
3.上記1又は2記載の耐光性導電ペーストを用いて化合物半導体素子を接続することを特徴とする素子接続方法。
本発明によれば、耐紫外線性、耐熱性、耐候性に優れた耐光性導電ペーストを得ることができるので、本発明の耐光性導電ペーストを用いることにより、屋外や光半導体素子周辺で使用されるディバイスの接合信頼性の向上を図ることができる。
[成分組成]
本発明の耐光性導電ペーストは、(A)固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)溶剤及び/又は反応性希釈剤、及び(E)導電性粉末を含む。以下、各成分及びその他添加し得る任意成分について説明する。
本発明の耐光性導電ペーストは、(A)固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)溶剤及び/又は反応性希釈剤、及び(E)導電性粉末を含む。以下、各成分及びその他添加し得る任意成分について説明する。
((A)固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
本発明の(A)成分としては、平均分子量が500〜1400である一般に使用されているものを広く用いることができる。
具体的には、ジャパンエポキシレジン株式会社製のjer1001、jer1002、jer1003、jer1004、及びjer1009などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。なお、必要に応じて、液状のモノ又はジエポキシ樹脂を併用成分として使用することができるが、その配合は(A)成分に対して30質量%以下であることが好ましい。30質量%超では耐候性が悪くなるため好ましくない。
本発明の(A)成分としては、平均分子量が500〜1400である一般に使用されているものを広く用いることができる。
具体的には、ジャパンエポキシレジン株式会社製のjer1001、jer1002、jer1003、jer1004、及びjer1009などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。なお、必要に応じて、液状のモノ又はジエポキシ樹脂を併用成分として使用することができるが、その配合は(A)成分に対して30質量%以下であることが好ましい。30質量%超では耐候性が悪くなるため好ましくない。
((B)アミン系硬化剤)
本発明の(B)成分としては、ベンゼン環骨格を有さず、(A)成分と反応して硬化させることができるものであれば、特に制限されることなく使用することができる。
具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族アミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ジシアンジアミド、及びイミダゾール類などが挙げられる。これらの硬化剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらなかで好ましくはジシアンジアミドであり、(B)成分中に40〜100質量%あれば、耐候性が維持できる。
(B)成分の配合量は、前記(A)成分のエポキシ樹脂1当量に対して、0.2〜1.5当量の範囲であることが好ましい。この配合量が0.2当量以上であれば硬化が進行して十分に硬化した硬化物が得られ、1.5当量以下であれば吸湿性が低く、半導体実装工程におけるチップの剥離を制御することができる。より好ましくは0.2〜1.0当量の範囲である。
本発明の(B)成分としては、ベンゼン環骨格を有さず、(A)成分と反応して硬化させることができるものであれば、特に制限されることなく使用することができる。
具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族アミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ジシアンジアミド、及びイミダゾール類などが挙げられる。これらの硬化剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらなかで好ましくはジシアンジアミドであり、(B)成分中に40〜100質量%あれば、耐候性が維持できる。
(B)成分の配合量は、前記(A)成分のエポキシ樹脂1当量に対して、0.2〜1.5当量の範囲であることが好ましい。この配合量が0.2当量以上であれば硬化が進行して十分に硬化した硬化物が得られ、1.5当量以下であれば吸湿性が低く、半導体実装工程におけるチップの剥離を制御することができる。より好ましくは0.2〜1.0当量の範囲である。
((C)硬化促進剤)
本発明の(C)成分としては、例えばイミダゾール類、第3級アミン類またはその塩、及び有機ボロン塩化合物などが挙げられ、これらのなかでもイミダゾール類が好ましい。
本発明の(C)成分としては、例えばイミダゾール類、第3級アミン類またはその塩、及び有機ボロン塩化合物などが挙げられ、これらのなかでもイミダゾール類が好ましい。
イミダゾール類の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、2−ヘプタデシル−1H−イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−ウンデシルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、及び2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物などが挙げられる。また、好ましいイミダゾール類の市販品を例示すると、キュアゾールC11Z、キャゾールC17Z、キュアゾール2MZ、キュアゾール2E4MZ、及びキュアゾール2E4MZ−CN(以上、四国化成工業株式会社製、商品名)などが挙げられる。
硬化促進剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
硬化促進剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(C)成分の配合量は、前記(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、3質量部以下とすることが好ましい。この配合量が3質量部以下であれば、常温での保存安定性を保持することができる。より好ましくは0.2〜1.0質量部の範囲である。
((D)溶剤及び/又は反応性希釈剤)
本発明の(D)成分のうち溶剤としては、(A)成分を溶解することができるものであればよい。例えば、ジオキサン、ヘキサン、メチルセロソルブ、シクロヘキサン、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の(D)成分のうち溶剤としては、(A)成分を溶解することができるものであればよい。例えば、ジオキサン、ヘキサン、メチルセロソルブ、シクロヘキサン、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の(D)成分のうち反応性希釈剤としては、ベンゼン環骨格を有さないものであり、例えばn−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、ジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、及び1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテルなどが挙げられる。これら反応性希釈剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
また、溶剤と反応性希釈剤とを混合して使用することもできる。溶剤を使用する場合、硬化温度や硬化時間などの条件に合わせ、沸点をよく検討して溶剤を選択する必凄がある。
また、溶剤と反応性希釈剤とを混合して使用することもできる。溶剤を使用する場合、硬化温度や硬化時間などの条件に合わせ、沸点をよく検討して溶剤を選択する必凄がある。
(D)成分の配合量は、本発明の耐光性導電ペースト全体100質量部に対して、0.5〜20質量部の範囲であることが好ましい。0.5質量部以上であれば作業性が良好である。20質量部以下であれば硬化物の強度が十分で、かつフィラーの分離も起こらない。より好ましい範囲は1〜10質量部である。
((E)導電性粉末)
本発明の(E)成分としては、特に制限はなく、例えば銀粉末、表面に銀層を有する粉末、銅粉末、ニッケル粉末、及びカーボンなどが挙げられる。
(E)成分の平均粒径は、通常20μm以下であることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましい。導電性粉末の平均粒径が20μm以下であれば、組成物の均一性や各種物性が低下することがない。また、導電性粉末の形状は特に限定されるものではなく、鱗片状、フレーク状、球状など、任意の形状であってよい。
(E)成分の配合量は、本発明の耐光性導電ペーストの全体100質量部に対して、70〜95質量部の範囲であることが好ましい。70質量部以上であれば、導電性が良好であり、95質量部以下であれば調製時の作業性や使用時の塗布性に良好な粘度となり、硬化物の強度に優れる。より好ましい範囲は75〜90質量部である。
本発明の(E)成分としては、特に制限はなく、例えば銀粉末、表面に銀層を有する粉末、銅粉末、ニッケル粉末、及びカーボンなどが挙げられる。
(E)成分の平均粒径は、通常20μm以下であることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましい。導電性粉末の平均粒径が20μm以下であれば、組成物の均一性や各種物性が低下することがない。また、導電性粉末の形状は特に限定されるものではなく、鱗片状、フレーク状、球状など、任意の形状であってよい。
(E)成分の配合量は、本発明の耐光性導電ペーストの全体100質量部に対して、70〜95質量部の範囲であることが好ましい。70質量部以上であれば、導電性が良好であり、95質量部以下であれば調製時の作業性や使用時の塗布性に良好な粘度となり、硬化物の強度に優れる。より好ましい範囲は75〜90質量部である。
(任意成分)
本発明の耐光性導電ペーストには、(A)〜(E)成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成に一般に配合することができるカップリング剤、チクソ性付与剤、消泡剤、顔料、及びその他の添加剤を適量配合することができる。
カップリング剤としては、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤、及びジルコアルミネート系カップリング剤などが挙げられる。これらのカップリング剤のなかでも、シランカップリング剤が好ましく、特に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。カップリング剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の耐光性導電ペーストには、(A)〜(E)成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成に一般に配合することができるカップリング剤、チクソ性付与剤、消泡剤、顔料、及びその他の添加剤を適量配合することができる。
カップリング剤としては、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤、及びジルコアルミネート系カップリング剤などが挙げられる。これらのカップリング剤のなかでも、シランカップリング剤が好ましく、特に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。カップリング剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
[耐光性導電ペースト]
本発明の耐光性導電性ペーストは、前記した(A)固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)溶剤及び/又は反応性希釈剤、(E)導電性粉末、及び必要に応じて配合される任意成分を、高速混合機などを用いて十分に混合した後、ディスパース、ニーダー、三本ロールなどにより混練し、次いで、減圧脱泡することにより、容易に調製することができる。
本発明の耐光性導電性ペーストは、前記した(A)固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)溶剤及び/又は反応性希釈剤、(E)導電性粉末、及び必要に応じて配合される任意成分を、高速混合機などを用いて十分に混合した後、ディスパース、ニーダー、三本ロールなどにより混練し、次いで、減圧脱泡することにより、容易に調製することができる。
このようにして得られた本発明の耐光性導電ペーストは、半導体装置の製造や各種電子部品の接着に好適に用いることができる。例えば、半導体装置の製造に用いる場合、耐光性導電ペーストをディスペンサなどを用いて配線基板などの支持部材上又は化合物半導体素子(半導体チップ)上に吐出し、耐光性導電ペーストを介して半導体チップを支持部材上にマウントした後、耐光性導電ペーストを加熱硬化させる。加熱は、通常、100〜200℃で1〜3時間程度行われる。その後、支持部材上の電極と半導体チップ上の電極とをワイヤボンディングにより接続し、次いでこれらを封止樹脂で封止することにより、半導体装置が製造される。
上記耐光性導電ペーストは、半導体装置のなかでも、配線基板などの支持部材上に、厚さが200μm以下で、ワイヤボンディング方式により電気的接続がなされる電極を有する半導体チップを接着して構成されるチップ積層型半導体装置の製造に特に好適である。
本発明はまた、前述した本発明の耐光性導電ペーストを用いて化合物半導体を接続することを特徴とする素子接続方法をも提供する。
本発明はまた、前述した本発明の耐光性導電ペーストを用いて化合物半導体を接続することを特徴とする素子接続方法をも提供する。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例及び比較例において、表1に示した各成分を表1に示した割合で配合し、十分に混合した後、三本ロールで混練して導電ペーストを得た(表1の配合量は質量部を示す。)。用いた各成分は次のとおりである。
(A)固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂
・jer1001〔固形ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:900〕
・jer1002〔固形ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:1200〕
・jer1003〔固形ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:1300〕
・jer1004〔固形ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:1650〕
・jer1009〔固形ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:3800〕
・jer828〔液状ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:370〕
・RE810NM〔液状ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:440〕
なお、上記分子量は平均分子量である。
(A)固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂
・jer1001〔固形ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:900〕
・jer1002〔固形ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:1200〕
・jer1003〔固形ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:1300〕
・jer1004〔固形ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:1650〕
・jer1009〔固形ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:3800〕
・jer828〔液状ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:370〕
・RE810NM〔液状ビスA型エポキシ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:440〕
なお、上記分子量は平均分子量である。
(B)アミン系硬化剤
・ジェファーミンD−400〔アミン系硬化剤、オキシプロピレンジアミン、三井テキサコミカル株式会社製〕
・Dicy7〔ジシアンジアミド、日本カーバイト株式会社製〕
・マルカリンカーM〔フェノールノボラック型樹脂、丸善石油化学株式会社製〕
・ビスフェノールA〔フェノール系硬化剤、三菱化学株式会社製〕
(C)硬化促進剤
・キュアゾールC11Z〔イミダゾール、四国化成工業株式会社〕
・AC4B50〔フェノール硬化促進剤、丸善石油化学株式会社製〕
(D)溶剤及び/又は反応性希釈剤
・ブチルカルビトール〔有機溶剤〕
・ポリエチレングリコールグリシジルエーテル〔反応性希釈剤〕
・フェニルグリシジルエーテル〔反応性希釈剤〕
(E)導電性粉末
・SF−15〔銀粉末、FERRO製、平均粒径7μm〕
・ジェファーミンD−400〔アミン系硬化剤、オキシプロピレンジアミン、三井テキサコミカル株式会社製〕
・Dicy7〔ジシアンジアミド、日本カーバイト株式会社製〕
・マルカリンカーM〔フェノールノボラック型樹脂、丸善石油化学株式会社製〕
・ビスフェノールA〔フェノール系硬化剤、三菱化学株式会社製〕
(C)硬化促進剤
・キュアゾールC11Z〔イミダゾール、四国化成工業株式会社〕
・AC4B50〔フェノール硬化促進剤、丸善石油化学株式会社製〕
(D)溶剤及び/又は反応性希釈剤
・ブチルカルビトール〔有機溶剤〕
・ポリエチレングリコールグリシジルエーテル〔反応性希釈剤〕
・フェニルグリシジルエーテル〔反応性希釈剤〕
(E)導電性粉末
・SF−15〔銀粉末、FERRO製、平均粒径7μm〕
実施例及び比較例で得られた導電ペーストについて、下記に示す方法で各種特性を評価した。これらの結果を表1に示す。
(1)粘度及びチクソ性
東機産業株式会社製のE型回転粘度計(3°コーン)を用い、温度25℃・回転数0.5rpm、及び温度50℃・回転数0.5rpmの各条件で測定した。
(2)作業性
シリンジに導電ペーストを10g充填し、武蔵エンジニアリング株式会社製のショットマスターを用い、温度25℃、湿度35%RH、ニード径φ=0.3mmにてディスペンスを行い、導電ペーストの糸引き性を目視にて確認し、下記の判断基準で評価した。
○:糸引き及び角だおれなし
×:糸引き及び角だおれあり
(3)弾性率
導電ペーストを120℃で2時間加熱硬化させて、試料(20×5×0.2mm)を作製した。SIIナノテクノロジー株式会社製、動的粘弾性測定装置を用い、温度25℃、周波数1Hz、引っ張りの条件で弾性率を測定した。
(1)粘度及びチクソ性
東機産業株式会社製のE型回転粘度計(3°コーン)を用い、温度25℃・回転数0.5rpm、及び温度50℃・回転数0.5rpmの各条件で測定した。
(2)作業性
シリンジに導電ペーストを10g充填し、武蔵エンジニアリング株式会社製のショットマスターを用い、温度25℃、湿度35%RH、ニード径φ=0.3mmにてディスペンスを行い、導電ペーストの糸引き性を目視にて確認し、下記の判断基準で評価した。
○:糸引き及び角だおれなし
×:糸引き及び角だおれあり
(3)弾性率
導電ペーストを120℃で2時間加熱硬化させて、試料(20×5×0.2mm)を作製した。SIIナノテクノロジー株式会社製、動的粘弾性測定装置を用い、温度25℃、周波数1Hz、引っ張りの条件で弾性率を測定した。
(4)反射率
ガラス板上に導電ペーストを一定の膜厚(t=0.05mm)で塗布し、120℃で2時間加熱硬化して、試験用サンプルを作製した。このサンプルを日本分光株式会社製、反射率測定装置(波長365nm・405nm)にて、初期状態、150℃×168時間後、UV照射〔高圧水銀ランプ、HANDY UV−800(オーク製作所製)〕120時間後のそれぞれの条件で測定した。
(5)接着強度
得られた導電ペーストをAgメッキ/Cuフレーム上に20μm厚に塗布し、その上に2×2mmの半導体チップをマウントし、120℃で2時間加熱硬化させて、接続サンプルを作製した。この接続サンプルについて、沖エンジニアリング株式会社製のダイシェア強度測定装置を用い、20℃で測定した。
ガラス板上に導電ペーストを一定の膜厚(t=0.05mm)で塗布し、120℃で2時間加熱硬化して、試験用サンプルを作製した。このサンプルを日本分光株式会社製、反射率測定装置(波長365nm・405nm)にて、初期状態、150℃×168時間後、UV照射〔高圧水銀ランプ、HANDY UV−800(オーク製作所製)〕120時間後のそれぞれの条件で測定した。
(5)接着強度
得られた導電ペーストをAgメッキ/Cuフレーム上に20μm厚に塗布し、その上に2×2mmの半導体チップをマウントし、120℃で2時間加熱硬化させて、接続サンプルを作製した。この接続サンプルについて、沖エンジニアリング株式会社製のダイシェア強度測定装置を用い、20℃で測定した。
Claims (3)
- (A)平均分子量が500〜1400の固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)ベンゼン環骨格を有さないアミン系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)溶剤及び/又はベンゼン環骨格を有さない反応性希釈剤、及び(E)導電性粉末を含むことを特徴とする耐光性導電ペースト。
- (B)アミン系硬化剤がジシアンジアミドである請求項1記載の耐光性導電ペースト。
- 請求項1又は2記載の耐光性導電ペーストを用いて化合物半導体素子を接続することを特徴とする素子接続方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008215104A JP2010050017A (ja) | 2008-08-25 | 2008-08-25 | 耐光性導電ペースト及び素子接続方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008215104A JP2010050017A (ja) | 2008-08-25 | 2008-08-25 | 耐光性導電ペースト及び素子接続方法 |
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ID=42066921
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JP2008215104A Withdrawn JP2010050017A (ja) | 2008-08-25 | 2008-08-25 | 耐光性導電ペースト及び素子接続方法 |
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JP (1) | JP2010050017A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014192328A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Kyocera Chemical Corp | 光半導体装置 |
-
2008
- 2008-08-25 JP JP2008215104A patent/JP2010050017A/ja not_active Withdrawn
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