JPH10316894A - 粉体塗料組成物 - Google Patents

粉体塗料組成物

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JPH10316894A
JPH10316894A JP14450497A JP14450497A JPH10316894A JP H10316894 A JPH10316894 A JP H10316894A JP 14450497 A JP14450497 A JP 14450497A JP 14450497 A JP14450497 A JP 14450497A JP H10316894 A JPH10316894 A JP H10316894A
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JP
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epoxy resin
powder coating
salt
trimellitic anhydride
ethylene glycol
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JP14450497A
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English (en)
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Toyofumi Asano
豊文 浅野
Masahiro Imaizumi
雅裕 今泉
Yoshihiro Kawada
義浩 川田
Takumi Kobayashi
小林  巧
Haruki Niimoto
昭樹 新本
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】経時安定性、引っ張り強度、耐衝撃性に優れる
エポキシ樹脂粉体塗料組成物を得る。 【解決手段】軟化点50〜150℃のエポキシ樹脂、硬
化剤として融点150〜170℃の無水トリメリット酸
エチレングリコールエステル、潜在性硬化促進剤を必須
成分として含有するエポキシ樹脂粉体塗料組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子部品の
絶縁被覆に用いられる粉体塗料に関するものであり、特
に接着性、耐湿性、耐熱性、可撓性、経時安定性に優れ
た性能を有する粉体塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気・電子部品の絶縁被覆に用い
られるエポキシ樹脂粉体塗料組成物として、ビスフェノ
ールA型各種エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、酸無水物、
各種アミン等の硬化剤、イミダゾール類、第3級アミ
ン、トリフェニルフォスフィン等の硬化促進剤、充填
剤、その他添加剤を配合したエポキシ樹脂粉体塗料組成
物は良く知られている。
【0003】これらの粉体塗料組成物は流動浸漬法、静
電流動浸漬法等の方法で、電気・電子部品に塗装される
ものであり、経済的に有利な電気・電子部品の絶縁被覆
方法として広く使用されている。
【0004】しかし最近電気・電子部品の高信頼性化の
動きに伴い、この被覆に用いられるエポキシ樹脂粉体塗
料には、プレッシャークッカー試験(耐湿熱性)やヒー
トサイクル試験(耐熱衝撃製)による電気的特性、機械
的特性の劣化の少ないもの、耐熱性に優れたものが要求
されており、この要求に従来のエポキシ樹脂粉体塗料で
対応することは困難になってきている。
【0005】前述のエポキシ樹脂粉体塗料の耐湿熱性を
向上する方法として、ノボラック型エポキシ樹脂を用い
て、硬化物の架橋密度を高くする方法があるが、この方
法では耐湿性が向上するもののヒートサイクル性が低下
するという問題を有している。又、ヒートサイクル性に
優れた粉体塗料を得るため、線状脂肪族エポキシ樹脂等
の可撓性樹脂や脂肪族酸無水物系硬化剤を用いる方法が
あるが、耐ヒートサイクル性は良好なものの、耐湿熱性
に劣るという問題が残る。一方、トリメリット酸無水
物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸無水物などの酸無水物を硬化剤として用いた場合
耐熱性には優れるものの、耐湿熱性、耐ヒートサイクル
性共に現在要求されているレベルを充分に満足するもの
ではない。比較的良好な耐湿熱性、耐ヒートサイクル性
を示すものとして無水トリメリット酸エチレングリコー
ルエステルが挙げられる。しかしながら、市販の無水ト
リメリット酸エチレングリコールエステルには未反応の
無水トリメリット酸や反応副成物等の不純物の含有量が
多いため、融点が60〜75℃と低融点であり、得られ
た粉体塗料を室温に放置した場合次第に反応が進行して
ゲル化し、所望の塗膜が得られないという点で経時安定
性に問題がある他、粉体塗料とした場合にエポキシ樹脂
の軟化点が50℃以上であっても共融混合物となって粉
体塗料の融点が50℃以下となり保存状態によってはブ
ロッキングするという問題を有していた。融点170〜
180℃の高純度の無水トリメリット酸のエチレングリ
コールエステル化物は、その欠点を解消するものである
が、精製工程が長くなるため、高価になることが問題で
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】耐湿熱性、耐ヒートサ
イクル性、即ち接着性、耐湿性、耐熱性、可撓性、そし
て経時安定性に優れた安価な粉体塗料組成物が望まれて
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の成
分からなる組成物が上記性能を同時に満足することを見
出したものである。即ち、本発明は、(1)軟化点50
〜150℃のエポキシ樹脂、硬化剤として融点150〜
170℃の無水トリメリット酸のエチレングリコールエ
ステル化物、潜在性硬化促進剤を必須成分として含有す
るエポキシ樹脂粉体塗料組成物、(2)無水トリメリッ
ト酸のエチレングリコールエステル化物の純度が75〜
90%である(1)のエポキシ樹脂粉体塗料組成物、
(3)潜在性硬化促進剤が固体分散型イミダゾール類、
イミダゾール類と多価カルボン酸の塩類、ジアザ化合物
の塩類、アミンアダクト類、第4級ホスホニウム塩類、
第4級アンモニウム塩類、硬化促進剤を核物質にしたマ
イクロカプセル類の一種又は二種以上の混合物である
(1)又は(2)のエポキシ樹脂粉体塗料組成物、に関
する。
【0008】本発明のエポキシ樹脂系粉体塗料組成物に
就き詳細に説明する。本発明で用いられるエポキシ樹脂
としては軟化点50℃以上のものであれば特に制限され
るものではなく、例えばフェノール系化合物にグリシジ
ルエーテルを結合させたエポキシ樹脂、シクロヘキサン
等の脂肪族骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、イソシア
ヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エ
ポキシ樹脂等があげられるが、フェノール系化合物にグ
リシジルエーテルを結合させたエポキシ樹脂が好まし
い。
【0009】フェノール系化合物にグリシジルエーテル
を結合させたエポキシ樹脂におけるフェノール系化合物
としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノー
ル、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−te
rt−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス
(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、
4,4’−ブチリレン−ビス(3−メチル−6−ter
t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェノー
ル)、トリスヒドロキシフェニルメタン、ピロガロー
ル、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、
1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフ
ルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリ
ブタジエン等のポリフェノール化合物、各種のノボラッ
ク樹脂及びこれらのフェノール系化合物のハロゲン化物
等があげられる。各種のノボラック樹脂としては、例え
ばフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブ
チルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフト
ール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹
脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジ
シクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹
脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等が
あげられる。尚、フェノール系化合物のハロゲン化物に
おけるハロゲンとしては、例えば塩素、フッ素、臭素、
沃素等があげられるが、塩素、臭素が好ましく、更に好
ましくは臭素である。
【0010】上記のフェノール系化合物のハロゲン化物
にグリシジルエーテルを結合させたエポキシ樹脂として
は、例えばブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフ
ェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェ
ノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、ク
ロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等
のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したハロゲン
化エポキシ樹脂が挙げられる。
【0011】これらエポキシ樹脂は一種、又は二種以上
混合して用いても良く、好ましくはエポキシ当量450
〜4000のビスフェノールA、ビスフェノールF、ビ
スフェノールS等のエポキシ化物であるビスフェノール
型エポキシ樹脂の一種又は二種以上とエポキシ当量30
0〜800のハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹
脂、特にブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェ
ノールF、ブロム化ビスフェノールS等のエポキシ化物
であるブロム化ビスフェノール型エポキシ樹脂の一種又
は二種以上とのくみあわせであり、より好ましくはエポ
キシ当量450〜4000のビスフェノールA型エポキ
シ樹脂の一種又は二種以上とエポキシ当量300〜80
0のテトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂の一
種又は二種以上とのくみあわせである。この場合、テト
ラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂は難燃性エポ
キシ樹脂として用いられ、その使用量は通常全樹脂成分
中の5〜40重量%、好ましくは8〜35重量%、更に
好ましくは12〜30重量%である。5重量%以下では
難燃性が付与されず、40重量%以上では効果が変わら
ず経済的に不利である。又、本発明で使用するエポキシ
樹脂は、エポキシ樹脂全体としてのエポキシ当量が45
0〜1000、好ましくは500〜900、更に好まし
くは550〜800である。450以下では保管中に粉
体塗料がブロッキングするおそれがあり、又1000以
上ではブロッキングしないものの塗装時の素子の加熱温
度が高くなるため素子の品質に影響したり、塗膜外観、
或いは生産性が落ちるといった問題点を有している。
【0012】本発明の熱硬化性粉体塗料に用いられる潜
在性硬化促進剤としては、固体分散型イミダゾール類、
イミダゾール類と多価カルボン酸の塩類、ジアザ化合物
の塩類、アミンアダクト類、第4級ホスホニウム塩類、
第4級アンモニウム塩類、硬化促進剤を核物質にしたマ
イクロカプセル類が挙げられる。これらの潜在性硬化促
進剤の配合割合は、エポキシ樹脂100重量部に対し
て、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3
重量部、更に好ましくは0.1〜2重量部である。
【0013】固体分散型イミダゾール類としては、例え
ば2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール
(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ
−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル
−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチ
ル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−ト
リアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダ
ゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌ
ル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の
2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル
酸付加物、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシ
メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロ
キシメチルイミダゾール、4,4’−メチレン−ビス−
(2−エチル−5−メチルイミダゾール、等があげられ
る。
【0014】上記のイミダゾール類と多価カルボン酸の
塩類におけるイミダゾール類としては、例えば2−メチ
ルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウン
デシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、
2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル
−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチ
ルイミダゾール、、1−シアノエチル−2−メチルイミ
ダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールが
あげられ、多価カルボン酸としては、例えばフタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多価カル
ボン酸、マレイン酸、蓚酸等の脂肪族多価カルボン酸が
あげられる。
【0015】上記のジアザ化合物の塩類としては、例え
ば1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン
−7とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等
の芳香族多価カルボン酸、マレイン酸、蓚酸、ギ酸、等
の脂肪族多価カルボン酸、フェノールノボラック樹脂
等、の塩があげられる。
【0016】上記のアミンアダクト類としては、例えば
アミキュアPN−23(味の素(株)製)、アミキュア
MY−24(味の素(株)製)等があげられる。
【0017】上記の第4級ホスホニウム塩類としては、
例えばテトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフ
ェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホ
ニウム・テトラフェニルテトラフェニルボレート、等が
あげられる。
【0018】第4級アンモニウム塩類としてはテトラブ
チルアンモニウムブロマイド、オクチルトリメチルアン
モニウムブロマイド、等があげられる。
【0019】硬化促進剤を核物質にしたマイクロカプセ
ル類としては、アクリル樹脂を担体としトリフェニルホ
スフィンを担持させたマイクロカプセル、エポキシ樹脂
を担体としトリフェニルホスフィンを担持させたマイク
ロカプセル、ノバキュアHX−3741(旭化成)、等
があげられる。
【0020】好ましい潜在性硬化促進剤としては、固体
分散型イミダゾール類、イミダゾール類と多価カルボン
酸の塩類、ジアザ化合物の塩類、第4級ホスホニウム塩
類、第4級アンモニウム塩類があげられる。好ましい固
体分散型イミダゾール類としては、例えば、2,4−ジ
アミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチ
ル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エ
チル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−
トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミ
ダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシア
ヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル
酸付加物、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシ
メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロ
キシメチルイミダゾール、4,4’−メチレン−ビス−
(2−エチル−5−メチルイミダゾール等があげられ
る。好ましいイミダゾール類と多価カルボン酸の塩類と
しては例えば、2−メチルイミダゾールとテレフタル酸
の塩、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールとテレフ
タル酸の塩、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾ
ールとトリメリット酸の塩、等があげられる。好ましい
ジアザ化合物の塩類としては、1,8−ジアザ−ビシク
ロ(5.4.0)ウンデセン−7とp−トルエンスルホ
ン酸の塩、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウ
ンデセン−7とフェノールノボラック樹脂の部分塩等が
あげられる。好ましい第4級ホスホニウム塩類として
は、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェ
ニルホスホニウムブロマイド等があげられる。第4級ア
ンモニウム塩類としては、テトラブチルアンモニウムブ
ロマイド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド、等があげられる。
【0021】本発明で用いられる無水トリメリット酸の
エチレングリコールエステル化物は融点150〜170
℃のものであり、純度75〜90%の結晶が好ましい。
その粒径は最大粒径が2mm以下、好ましくは1mm以
下、さらに好ましくは750μm以下がよい。本発明で
使用する無水トリメリット酸のエチレングリコールエス
テル化物は通常無水トリメリット酸を塩化チオニル、オ
キシ塩化燐等のハロゲン化剤で酸ハロゲン化物とした
後、好ましくは酸捕捉剤の存在下、エチレングリコール
を用いてエステル化した後、塩化メチレン、クロロホル
ム、ジクロルエタン等のハロゲン化アルキル、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族溶
剤など、適当な不活性溶媒から再結晶し、必要に応じ粉
砕して得られる。
【0022】本発明で用いられる無水トリメリット酸の
エチレングリコールエステル化物の使用量は用いられる
エポキシ樹脂のエポキシ当量に対して0.3〜1.5当
量の範囲、特に0.5〜1.3当量が好ましい。0.3
当量以下では無水トリメリット酸のエチレングリコール
エステル化物の特性である接着性や耐湿性が、又1.5
当量以上では架橋密度が高くなり耐ヒートサイクル性
が、それぞれ低下するおそれがある。更に、本発明で用
いられる無水トリメリット酸のエチレングリコールエス
テル化物は他の硬化剤、例えば、フェノールノボラッ
ク、o−クレゾールノボラック等のフェノールノボラッ
ク系硬化剤、或は無水ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、無水トリメリット酸等の他の酸無水物の結晶と併用
しても良い。これらの中、好ましいものはフェノールノ
ボラック、o−クレゾールノボラック等のフェノールノ
ボラック系硬化剤である。本発明で用いられる無水トリ
メリット酸のエチレングリコールエステル化物とフェノ
ールノボラック系硬化剤の使用量の割合は無水トリメリ
ット酸のエチレングリコールエステル化物1当量に対し
てフェノールノボラック系硬化剤0.3〜2.3当量の
割合で用いられる。
【0023】本発明の組成物には、必要に応じ、無機或
は有機充填剤が配合される。充填剤としては慣用のも
の、例えば、結晶シリカ、溶融破砕シリカ、無定型球状
シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、マイカ、タルク、
クレー、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、ガラス
繊維、炭素繊維などが挙げられる。耐ヒートサイクル性
のより改善された粉体塗料を得るには、溶融破砕シリカ
の使用が好ましい。充填剤の平均粒径は0.5〜75μ
m、好ましくは2〜50μmである。この充填剤は、エ
ポキシ樹脂100重量部に対して、通常0〜170重量
部、好ましくは20〜150重量部の割合で用いられ
る。又、上記充填剤は、カップリング剤で表面処理した
ものも使用出来る。カップリング剤としては、シラン系
カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミ
ニュウム系カップリング剤が用いられるが、シラン系、
チタネート系が好ましい。本発明の粉体塗料には更に目
的に応じて、難燃剤、着色剤、レベリング剤等を適宜添
加することが出来る。
【0024】本発明のエポキシ樹脂粉体塗料組成物を調
製するには、エポキシ樹脂、前記の無水トリメリット酸
のエチレングリコールエステル化物、潜在性硬化促進
剤、必要に応じて充填剤、難燃剤、着色剤等の他の配合
成分と共に、ヘンシェルミキサー等を用いて乾式混合
後、ニーダー、エクストルーダー等により、例えば12
0℃以下で溶融混合処理を施した後、混合物を冷却固化
し、微粉砕後分級すれば良い。得られた粉体塗料の粒度
は通常20〜150μの範囲にある。
【0025】本発明のエポキシ樹脂粉体塗料組成物はそ
れ自体公知の流動浸漬法、静電流動浸漬法、静電スプレ
イ法、振りかけ法、転がし法、スプレイ法、溶射法、霧
箱法等の各種塗装方法により電機・電子部品等により塗
装される。塗装条件は通常80〜200℃である。本発
明の粉体塗料組成物は電気・電子部品の塗装に用いた場
合耐ヒートサイクル性、耐湿熱性に優れた性能を有し、
モーター鉄芯の絶縁に用いた場合優れた耐衝撃性を示
す。
【0026】
【実施例】次に実施例によって本発明を更に具体的に説
明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。実施例、比較例に於て「部」は重量部を意
味する。
【0027】参考例1 1000ml4ツ口フラスコにクロロホルム500m
l、無水トリメリット酸50部、0.5mlのDMFを
加え0℃以下に冷却する。チオニルクロライド34.1
部を10℃以下、約2時間で滴下する。滴下後室温で1
時間撹拌した後3時間還流する。この間生成した塩化水
素はアルカリ性水溶液に吸収される。反応が完結後、反
応溶液にピリジン20.6部を加えて10℃以下に冷却
する。エチレングリコール8.0部を10℃以下、約1
時間で滴下した後室温で1時間、更に4時間還流して反
応を完結させる。n−ヘキサン50mlを加えて析出し
た結晶を濾過、濾液を減圧濃縮して粗結晶を得た。こう
して得られた無水トリメリット酸のエチレングリコール
エステル化物の粗結晶の融点は151〜159℃であっ
た。得られた粗結晶を粉砕し、1mmふるいで篩別して
実施例に用いる硬化剤(3)とした。
【0028】実施例1〜6及び比較例1〜3 表1に示す成分組成(重量比、部)の混合物を2軸ニー
ダーを用いて溶融混合し、得られた混合物を冷却、固化
した後、粉砕し、150μmの篩を通してそれぞれ本発
明又は比較用のエポキシ樹脂粉体塗料組成物を得た。次
いで、これらのエポキシ樹脂粉体塗料組成物を用いて下
記評価を行った。
【0029】経時安定性試験:粉体塗料を40℃の雰囲
気中に1週間放置しゲルタイムの変化率を見た。変化率
は下記式で示され、数値が大きい程良い。 変化率=(1週間後のゲルタイム)/(試験前のゲルタ
イム)×100
【0030】引っ張り剪断力:SPCC−SB鋼板(2
5×100×2mm)を用いて塗装し、JIS K−68
50に従い測定した。数値の大きい程良い。単位はKgf/
cm2で表される。
【0031】耐衝撃性:180℃に予熱したSPCC鋼
板に300μmの膜厚で流動浸漬法により塗装し200
℃×30分後硬化して試験片とする。デュポン式衝撃試
験機(ヘッド:1/8インチ、加重:1Kg)を用いて
測定した。数値が大きいものほど良い。単位はcmで表さ
れる。
【0032】尚、表1に示した配合成分は下記の製品を
使用した。 エポキシ樹脂(1):YD−904(東都化成製) エポキシ樹脂(2):ESB−400T(住友化学製) 硬化剤(1):融点173〜177℃の無水トリメリッ
ト酸のエチレングリコールエステル化物(新日本理化製
TMEG−200) 硬化剤(2):融点163〜167℃の無水トリメリッ
ト酸のエチレングリコールエステル化物(新日本理化製
TMEG−500)) 硬化剤(3):融点151〜159℃の無水トリメリッ
ト酸のエチレングリコールエステル化物(参考例1) 硬化剤(4):融点約70℃の無水トリメリット酸のエ
チレングリコールエステル化物(新日本理化製 TME
G)) 硬化剤(5):フェノールノボラック樹脂〔PN−80
(日本化薬製)〕 硬化促進剤(1):2,4−ジアミノ−6−〔2’−メ
チルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジ
ン〔2MZ−A(四国化成製)〕 硬化促進剤(2):1−ベンジル−2−フェニルイミダ
ゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールのテレ
フタル酸塩〔1B2MZ・TPA(四国化成製)〕 硬化促進剤(3):2−フェニルイミダゾール〔2PZ
(四国化成製)〕 充填剤(1):炭酸カルシウム 充填剤(2):シリカ
【0033】
【表1】 表1 実 施 例 比較例 No. 1 2 3 4 5 1 2 エポキシ樹脂(1) 100 100 100 80 80 100 80 エポキシ樹脂(2) 20 20 20 硬化剤(1) 硬化剤(2) 21.6 13.1 10.7 硬化剤(3) 21.6 10.7 硬化剤(4) 21.6 10.7 硬化剤(5) 5.59 2.8 2.8 2.8 硬化促進剤(1) 0.5 0.5 0.5 0.5 硬化促進剤(2) 1 1 1 硬化促進剤(3) 充填剤(1) 150 150 145 150 充填剤(2) 130 130 130 難燃剤 5.0 5.0 5.0 流れ調整剤 0.2 0.2 0.2 1.0 1.0 0.2 1.0 ────────────────────────────── 経時安定性 90 89 95 96 95 20 40 引っ張り剪断力 188 189 178 160 165 154 142 耐衝撃性 45 45 35 35 45 15 15
【0034】表1から明らかなように、本発明のエポキ
シ樹脂粉体塗料組成物は低融点の無水トリメリット酸エ
チレングリコールエステル化物を用いた比較例に比べ経
時安定性、引っ張り剪断力、耐衝撃性に優れている。ま
た、融点173〜177℃の高純度の無水トリメリット
酸エチレングリコールエステル化物に比べ、経時安定性
において遜色が無く、引っ張り剪断力、耐衝撃性におい
て同等以上である。
【0035】
【発明の効果】経時安定性、引っ張り剪断力、耐衝撃性
に優れたエポキシ樹脂粉体塗料組成物が得られた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟化点50〜150℃のエポキシ樹脂、硬
    化剤として融点150〜170℃の無水トリメリット酸
    のエチレングリコールエステル化物、潜在性硬化促進剤
    を必須成分として含有するエポキシ樹脂粉体塗料組成物
  2. 【請求項2】無水トリメリット酸のエチレングリコール
    エステル化物の純度が75〜90%である請求項1のエ
    ポキシ樹脂粉体塗料組成物
  3. 【請求項3】潜在性硬化促進剤が固体分散型イミダゾー
    ル類、イミダゾール類と多価カルボン酸の塩類、ジアザ
    化合物の塩類、アミンアダクト類、第4級ホスホニウム
    塩類、第4級アンモニウム塩類、硬化促進剤を核物質に
    したマイクロカプセル類から選択された一種又は二種以
    上の混合物である請求項1又は2のエポキシ樹脂粉体塗
    料組成物。
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