JP6552929B2 - 回転電機およびエレベータ - Google Patents
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Description
ところで、回転電機の分野では、振動の要因となるトルクの脈動分(以下、「トルク脈動」と称する場合がある。)の低減が期待されている。
図1から図5を参照して、第1の実施形態の回転電機1について説明する。
図1は、第1の実施形態の回転電機1を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の回転電機1は、例えば横方向磁束型回転電機である。詳しく述べると、回転電機1は、回転軸2と、この回転軸2を回転駆動する複数(例えば3つ)の駆動要素3a,3b,3cとを備える。また、回転電機1は、複数の駆動要素3a,3b,3cを収容する図示しない筐体を備える。
ここで、説明の便宜上、回転軸2の軸方向Z、径方向r、および回転方向Rを定義する。回転軸2の軸方向Zは、回転軸2の延伸方向である。回転軸2の径方向rは、軸方向Zとは略直交する方向であり、回転軸2から放射状に離れる方向である。回転軸2の回転方向Rは、軸方向Zおよび径方向rとは略直交する方向であり、回転軸2から一定の距離を保ちながら、回転軸2の中心線の周りを回る方向である。
図2に示すように、複数の駆動要素3a,3b,3cは、それぞれ、固定子11と、回転子12とを備える。言い換えると、回転電機1は、固定子11と回転子12の組を、回転軸2の軸方向Zに複数有する。ここで、回転電機1は、多相構造を有する。すなわち、上記複数の組では、回転方向Rにおける固定子11と回転子12との相対位置関係が互いに異なる。なお「相対位置」とは、位相のことである。すなわち、各駆動要素3a,3b,3cの回転子12(または固定子11)は、回転方向Rにおいて、所定の位相差を有する。
図3は、本実施形態の固定子11を示す正面図である。
図3に示すように、各固定子11は、リングコイル21と、複数のU字型鉄心22とを有する。
図2に示すように、各回転子12は、例えば固定子11の内側に配置され、回転軸2の回転方向Rに回転可能である。詳しく述べると、回転子12は、固定子11の第1強磁性体ユニット25との間に空隙を空けて配置されている。回転子12は、回転軸2を中心として、固定子11に対して相対的に回転可能である。
なお図4では、回転子12として採用可能な2種類の回転子121Aおよび回転子121Bを示す。すなわち、回転電機1は、回転子121Aおよび回転子121Bのいずれを備えてもよい。なお以下の説明において、回転子121Aおよび回転子121Bを区別せずに表現する場合は、単に回転子12と称する。
図4中の(a)に示すように、回転子121Aは、非磁性リング31A、複数のI字型鉄心32、および、複数の永久磁石33を有する。
また、図2に示すように、永久磁石33は、固定子11のU字型鉄心22の第1部分22aに面する位置と、U字型鉄心22の第2部分22bに面する位置とにそれぞれ配置されている。回転軸2の軸方向Zで隣り合う2つの永久磁石33の磁化方向は、例えば位相が180°異なる。
例えば、図4中の(a)に示す回転子121Aでは、複数のI字型鉄心32は、固定子11のU字型鉄心22の略半分のピッチで配置されている。これにより、回転子121Aは、固定子磁極24の倍の数(例えば48個)の回転子磁極34を有する。ここで、複数の回転子磁極34は、複数の永久磁石33によって、回転軸2の回転方向Rに「N極、S極、N極、S極…」のように交互に磁化されている。このため、回転子121Aの複数の回転子磁極34は、固定子11に対してN極が向いたL個の回転子磁極34と、固定子11に対してS極が向いたL個の回転子磁極34とを含む。言い換えると、回転子121Aでは、複数の回転子磁極34のなかで、ひとつ置きに配置された回転子磁極34が「L個の回転子磁極34」に対応する。なお、以下の説明において、単に「L個の回転子磁極」と称する場合は、「互いに極性が同じL個の回転子磁極」のことを意味する。
図4中の(b)に示すように、回転子121Bは、磁性リング31B、複数のI字型鉄心32、および、複数の永久磁石33を有する。
また、永久磁石33は、固定子11のU字型鉄心22の第1部分22aに面する位置と、U字型鉄心22の第2部分22bに面する位置とにそれぞれ配置されている。回転軸2の軸方向Zで隣り合う2つの永久磁石33の磁化方向は、例えば位相が180°異なる。
例えば、図4中の(b)に示す回転子121Bでは、上記複数の永久磁石33がN極であれば、上記複数のI字型鉄心32はS極に磁化されている。また、上記複数の永久磁石33がS極であれば、上記複数のI字型鉄心32はN極に磁化されている。このため、回転子121Bの複数の回転子磁極34は、固定子11に対してN極が向いたL個の回転子磁極34と、固定子11に対してS極が向いたL個の回転子磁極34とを含む。言い換えると、回転子121Bでは、複数の回転子磁極34のなかで、ひとつ置きに配置された回転子磁極34が「L個の回転子磁極34」に対応する。
言い換えると、図4中の(a)に示す回転子121Aを含む回転電機1では、例えば、固定子磁極24のM個の磁極間距離が不均等に設定される場合、前記Θは、固定子磁極24のM個の磁極間距離の和が2Mτとなるように設定される。なお、τは、回転子12における磁極の極ピッチ(例えば隣り合う永久磁石33の中心間の距離)である。なお、図4中の(b)に示す回転子121Bでは、τは、回転方向RにおけるI字型鉄心32の中心と、回転方向Rにおける永久磁石33の中心との間の距離である。
またこれは、回転子121A,121Bにおいて回転子磁極34のM個の磁極間距離が不均等に設定される場合も同様である。すなわち、回転子磁極34のM個の磁極間距離が不均等に設定される場合は、複数の固定子磁極24の均等な磁極間距離をωとすると、前記Θは、回転子磁極34の前記M個の磁極間距離の和がMωとなるように設定される。
なお、M個の磁極間距離の和は、上記例に限られない。すなわち、M個の磁極間距離の和は、Mωまたは2Mτとならなくてもよい。
上述の具体例を別の表現で示すと、複数の固定子磁極24は、交互に異なる2個の磁極間距離(θ+Δθ,θ−Δθ)に基づいて配置される。例えば、前記θは、極対数をpとすると、θ=(360°/p)と表すことができる。また、低減すべきトルク脈動の周期(機械角)をφとすると、前記Δθは、0<Δθ<(φ/2)を満たす。例えば、前記Δθは、φ/4に設定される。すなわち、低減すべきトルク脈動の周期(機械角)をφとすると、2個の磁極間距離(θ−Δθ,θ+Δθ)は(Θ,Θ+φ/2)となり、(θ−Δθ)=Θとなり、前記Δθは、φ/4になる。
例えば、固定子磁極の数が24であり、2.5°周期(6次の高調波成分)のトルク脈動を低減したい場合、複数の固定子磁極24は、2つの磁極間距離(15+2.5/4)°と(15−2.5/4)°に基づいて配置される。なお、回転子磁極34についても、上記と同様に表現されてもよい。
次に、第2の実施形態の回転電機1について説明する。
図6から図10は、第2の実施形態の回転電機1を示す。本実施形態は、固定子11および回転子12の構成が第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
図6に示すように、本実施形態の回転電機1は、第1の実施形態と同様に、3相構造の横方向磁束型回転電機である。すなわち、回転電機1は、「a相」、「b相」、「c相」に対応する複数の駆動要素3a,3b,3cを有する。各駆動要素3a,3b,3cは、固定子11と、回転子12とを備える。
図7は、本実施形態の回転電機1を示す断面図である。
図7に示すように、各固定子11は、バルク鉄心41、リングコイル21、および複数の積層鋼板(電磁鋼板)42a,42b,42c,42dを有する。
リングコイル21は、回転軸2の回転方向Rに沿う環状に設けられ、バルク鉄心41の内周面に固定されている。リングコイル21は、各相に1つずつ設けられている。
図8に示すように、複数の積層鋼板42a,42b,42c,42dは、第1から第4の積層鋼板42a,42b,42c,42dを含む。第1および第2の積層鋼板42a,42bは、リングコイル21に対して、回転軸2の軸方向Zの第1側に設けられている。一方で、第3および第4の積層鋼板42c,42dは、リングコイル21に対して、回転軸2の軸方向Zの第2側(すなわち積層鋼板42a,42bとは反対側)に設けられている。言い換えると、リングコイル21は、1組の積層鋼板42a,42bと、別の1組の積層鋼板42c,42dとの間に挟まれている。
図8および図9に示すように、各積層鋼板42a,42b,42c,42dは、回転軸2の回転方向Rに交互に設けられた複数の凸部44と複数の凹部45とを有する。各凸部44は、固定子11の内周側に向けて突出している。凹部45は、隣り合う2つの凸部44の間に設けられている。積層鋼板42a,42b,42c,42dの複数の凸部44は、リングコイル21の両側に分かれて配置されている。また、積層鋼板42b,42cの凸部44は、それぞれリングコイル21に面している。また、凸部44が面しないリングコイル21の部分は、凹部45によって形成される空隙に面している。
図7に示すように、各回転子12は、バルク鉄心51、複数の積層鋼板(電磁鋼板)52、および、複数の永久磁石53を有する。
複数の積層鋼板52は、それぞれバルク鉄心51を囲む環状に形成されている。複数の積層鋼板52は、それぞれバルク鉄心51の外周面に固定されている。
また、複数の永久磁石53は、第1および第2の積層鋼板42a,42bの凸部44に面する位置と、第3および第4の積層鋼板42c,42dの凸部44に面する位置とにそれぞれ配置されている。回転軸2の軸方向Zで隣り合う2つの永久磁石53の磁化方向は、例えば位相が180°異なる。
なお図10では、回転子12として採用可能な3種類の回転子122A,回転子122B、および回転子122Cを示す。すなわち、回転電機1は、回転子122A、回転子122B、および回転子122Cのいずれを備えてもよい。なお、バルク鉄心51、積層鋼板(電磁鋼板)52、および、複数の永久磁石53に関する上記説明は、回転子122A、回転子122B、および回転子122Cで共通である。また以下の説明において、回転子122A、回転子122B、および回転子122Cを区別せずに表現する場合は、単に回転子12と称する。
図10中の(a)に示すように、回転子122Aは、積層鋼板52と、複数の永久磁石53とを有する。複数の永久磁石53は、複数の第1永久磁石53Aと、複数の第2永久磁石53Bとを含む。複数の第1永久磁石53A、および複数の第2永久磁石53Bは、それぞれ積層鋼板52の内部に設けられている。
複数の第2永久磁石53Bは、複数の第1永久磁石53Aよりも径方向rの内周側に配置されている。複数の第2永久磁石53Bは、回転軸2の回転方向Rに並べられている。第2永久磁石53Bは、例えば回転軸2の径方向rに磁化されている。
例えば、複数の磁極部52aは、複数の永久磁石53によって、回転軸2の回転方向Rに「N極、S極、N極、S極…」のように交互に磁化されている。このため、回転子122Aの複数の回転子磁極34は、固定子11に対してN極が向いたL個の回転子磁極34と、固定子11に対してS極が向いたL個の回転子磁極34とを含む。言い換えると、回転子122Aでは、複数の回転子磁極34のなかで、ひとつ置きに配置された回転子磁極34が「L個の回転子磁極34」に対応する。
図10中の(b)に示すように、回転子122Bは、積層鋼板52と、複数の永久磁石53とを有する。複数の永久磁石53は、積層鋼板52の内部に設けられている。複数の永久磁石53は、回転軸2の回転方向Rに並べられている。永久磁石53は、例えば回転軸2の径方向rに磁化されている。回転軸2の回転方向Rで隣り合う2つの永久磁石53の磁化方向は、例えば位相が180°異なる。
図10中の(c)に示すように、回転子122Cは、積層鋼板52と、複数の永久磁石53とを有する。複数の永久磁石53は、積層鋼板52の外周面に取り付けられている。複数の永久磁石53は、回転軸2の回転方向Rに並べられている。複数の永久磁石53は、例えば回転軸2の径方向rに磁化されている。回転軸2の回転方向Rで隣り合う2つの永久磁石53の磁化方向は、例えば位相が180°異なる。
言い換えると、図10に示す回転子122A,122B,122Cのいずれかを含む回転電機1では、例えば、固定子磁極24のM個の磁極間距離が不均等に設定される場合、前記Θは、固定子磁極24のM個の磁極間距離の和が2Mτとなるように設定される。なお、τは、回転子12における磁極の極ピッチ(例えば隣り合う永久磁石53の中心間の距離)である。またこれは、回転子磁極34のM個の磁極間距離が不均等に設定される場合も同様である。すなわち、回転子磁極34のM個の磁極間距離が不均等に設定される場合は、複数の固定子磁極24の均等な磁極間距離をωとすると、前記Θは、回転子磁極34の前記M個の磁極間距離の和がMωとなるように設定される。
なお、M個の磁極間距離の和は、上記例に限られない。すなわち、M個の磁極間距離の和は、Mωまたは2Mτとならなくてもよい。
図8に示すように、例えば、第1積層鋼板42aの凸部44と、第2積層鋼板42bの凸部44との間のスキュー角を、スキュー角φ1と定義する。また、第3積層鋼板42cの凸部44と、第4積層鋼板42dの凸部44との間のスキュー角を、スキュー角φ2と定義する。また、第1積層鋼板42aの凸部44と、第3積層鋼板42cの凸部44との間のスキュー角を、スキュー角φ3と定義する。回転電機1が48極(すなわち極対数が24)で設計される場合、磁極間距離は、360°/24で15°となる。また、3相構造の場合、最も大きな脈動成分は6次(N=6)であるため、トルク脈動の周期は、15°/6=2.5°となる。
図11は、N=6,M=2を想定した場合のトルク脈動が低減する原理の一例を示す図であり、固定子11と回転子122Cを例に取り上げている。なお図11では、本実施形態の固定子11と回転子122Cの構成を取り上げて説明するが、本実施形態の他の回転子12、および第1の実施形態の構成についても、トルク脈動を低減することができる原理は同様である。
図12は、回転子122Aの一部を拡大して示す正面図である。
図12に示すように、回転子122Aの積層鋼板52には、複数の永久磁石53が環状に等間隔で埋め込まれている。また図中の矢印は、永久磁石53の磁化方向を示す。
複数の第1永久磁石53Aは、回転軸2の回転方向Rに互いに間隔を空けて分かれて配置されている。第1永久磁石53Aは、例えば回転軸2の回転方向Rに磁化されている。回転軸2の回転方向Rで隣り合う2つの第1永久磁石53Aの磁化方向は、互いに逆である。
すなわち上記第1および第2の実施形態の回転電機1は、リングコイル21と、L個(Lは任意の整数)の固定子磁極24と、L個の回転子磁極34とを備える。リングコイル21は、回転軸2の回転方向Rに沿う環状である。前記L個の固定子磁極24は、回転方向Rに分かれて配置され、それぞれリングコイル21に面する。前記L個の回転子磁極34は、互いに同じ極性を有するとともに回転方向Rに分かれて配置され、前記L個の固定子磁極24に対向する。そして、トルク脈動の基本波成分の次数をNとすると、前記L個の固定子磁極24および前記L個の回転子磁極34のいずれか一方におけるM個の磁極間距離が(Θ,Θ+Θ1/M,Θ+Θ1×2/M,…,Θ+Θ1×(M−1)/M)の組合せであり、前記Θ1は電気角で(180°/N)<Θ1<(540°/N)を満たす。
なお、横方向磁束型回転電機以外の回転電機は、隣り合う固定子磁極の極性が一致しない構造である。このため、そのような回転電機における磁極間距離の考え方の角度を本実施形態の回転電機1にそのまま適用しても、トルク脈動の低減を図ることができない場合が想定される。一方で、本実施形態の上記関係式を満たすように磁極間距離を設定することで、本実施形態のような、隣り合う固定子磁極24の極性が一致する回転電機1において、トルク脈動の低減を図ることができる。
このような構成によれば、M個の磁極間距離の和は、M個の磁極間距離が均等に設定された場合と等しくしながら、M個の磁極間距離を不均等に設定することができる。
このような構成によれば、1つの磁極から発生するトルク脈動と、他の磁極から発生するトルク脈動とが最も大きく相殺される。これにより、トルク脈動の低減をさらに図ることができる。
このような構成によれば、複数の磁極から発生するトルク脈動の位相が均等にずれるために、複数の磁極から発生したトルク脈動が局所的に強め合うような可能性をさらに小さくすることができる。これにより、トルク脈動の低減をさらに確実に図ることができる。
このような構成によれば、例えば、第1永久磁石53Aから出た磁束が固定子11を通らずに第1永久磁石53Aに戻ることを抑制することができる。また、第2永久磁石53Bから出た磁束が固定子11を通らずに第2永久磁石53Bに戻ることを抑制することができる。これにより、より多くの磁束をトルクの発生に作用させることができる。これにより、回転電機1の出力トルクをさらに高めることができる。
このような構成によれば、複数の第2永久磁石53Bの間のスペースを利用して、第1穴61が配置されている。これにより、多くの磁束をトルクの発生に作用させるとともに、第1穴61を設けることによる回転子12または固定子11の大型化を避けることができる。
このような構成によれば、磁束の経路が狭くなるため、第1および第2の永久磁石53A,53Bから出た磁束がそれら磁石53A,53Bの近傍(側面)を通ってそのまま元の磁石53A,53Bに戻ることを抑制することができる。これにより、磁束の漏れを抑制することができ、より多くの磁束をトルクの発生に作用させることができる。これにより、回転電機1の出力トルクをさらに高めることができる。
例えば、第1および第2の実施形態では3相構造の回転電機について説明したが、本実施形態の構成はそれ以外の多相構造にも適用できる。すなわち、第1および第2の実施形態の回転電機1には、2相構造、4相構造、または5相構造などのモータでもよい。
図13は、回転電機駆動系71のシステム構成を示すブロック図である。
図13に示すように、回転電機1を駆動する回転電機駆動系71は、回転角度検出部72、回転制御部73、及び駆動回路部74を有する。
図14に示すように、駆動回路部74は、スイッチング回路81と、ゲートドライブ回路82とを有する。スイッチング回路81、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)およびダイオードなどを含む複数のスイッチング部81aを有する。各スイッチング部81aは、各相のリングコイル21にブリッジ接続されている。スイッチング部81aは、ゲートドライブ回路82からのパルス信号に基づいて駆動される。ここでは、3相結線を想定しているが、相数が異なる場合にも、その相数に対応した同様のスイッチング回路が適用可能である。また、リングコイル21に電力増幅回路(図示せず)を適用してもよい。
図15は、例えば、スイッチング回路81を用いたPWM(Pulse Width Modulation)制御が適用された場合、あるいは、電力増幅回路(図示せず)の出力が適用された場合における3相電流(U相電流91a、V相電流91b、W相電流91c)を示す。実際には3相電流にはノイズが含まれるが、図15には、位相が120度ずつ異なる基本波成分のみを示す。回転子12は、この基本波の周波数に対応した速度で駆動される。
図16に示すように、リングコイル21には、例えば、スイッチング回路81を用いたパルス制御に基づいて、それぞれ位相が120度異なる矩形波状の3相電流(U相電流92a、V相電流92b、W相電流92c)が供給される。
図17に示すように、エレベータ100は、乗りかご101、つり合いおもり102、ロープ103、滑車104、および回転電機1を備える。
つり合いおもり102は、昇降路に配置され、図示しない別のガイドレールに沿って昇降動作可能である。つり合いおもり102には、ロープ103の他端部が連結されている。
回転電機1は、滑車104を駆動する巻上機である。回転電機1は、シャフト105を介して滑車104に連結されている。回転電機1は、滑車104を回転させることで、乗りかご101およびつり合いおもり102を昇降動作させる。
例えば、磁極間の個数である上記Mは、2個や、3個、4個、またはその他の個数でもよい。
実施形態に係る回転電機1は、第1および第2の実施形態のように回転子12と固定子11との対向面の法線が回転軸2の径方向rとなるラジアルギャップモータである例に限られない。実施形態の回転電機1は、回転子12と固定子11との対向面の法線が回転軸2の軸方向Zとなるアキシャルギャップモータであってもよい。アキシャルギャップモータでは、リングコイル21を回転軸2の軸方向Zから固定子鉄心によって挟むのではなく、回転軸2の径方向rから固定子鉄心によって挟み込む構成になる。さらに、実施形態の回転電機1は、第1および第2の実施形態のように回転子12が固定子11の内側に位置するインナーロータである例に限られない。実施形態の回転電機1は、回転子12が固定子11の外側に位置するアウターロータであってもよい。
また、第1および第2の実施形態の回転電機1は、エレベータ100の巻上機に限定されず、車両の駆動用モータや、各種の電動機、発電機、その他の機械に幅広く適用可能である。
Claims (12)
- 回転軸の回転方向に沿う環状の巻線と、
前記回転方向に分かれて配置され、それぞれ前記巻線に面するL個(Lは任意の整数)の固定子磁極と、
互いに同じ極性を有するとともに前記回転方向に分かれて配置され、前記L個の固定子磁極に対向するL個の回転子磁極と、
を備え、
前記L個の固定子磁極は、それらの外周面で環状構造体によって結合され、互いの間に空隙を空けながら位置が定まっており、
トルク脈動の基本波成分の次数をNとすると、前記L個の固定子磁極および前記L個の回転子磁極のいずれか一方におけるM個(M≦L)の磁極間距離が(Θ,Θ+Θ1/M,Θ+Θ1×2/M,…,Θ+Θ1×(M−1)/M)の組合せであり、前記Θ1は電気角で(180°/N)<Θ1<(540°/N)を満たす、
回転電機。 - 前記L個の固定子磁極における前記M個の磁極間距離が(Θ,Θ+Θ 1 /M,Θ+Θ 1 ×2/M,…,Θ+Θ 1 ×(M−1)/M)の組合せであり、
前記L個の固定子磁極は、前記回転方向に交互に設けられた複数の凸部と複数の凹部とを有する部材の前記複数の凸部によって形成されている、
請求項1に記載の回転電機。 - 前記L個の固定子磁極における前記M個の磁極間距離が(Θ,Θ+Θ 1 /M,Θ+Θ 1 ×2/M,…,Θ+Θ 1 ×(M−1)/M)の組合せであり、
前記L個の固定子磁極の各々は、前記回転方向に交互に設けられた複数の凸部と複数の凹部とを有する第1部材の前記複数の凸部の1つと、前記回転方向に交互に設けられた複数の凸部と複数の凹部とを有するとともに前記回転軸の軸方向で前記第1部材と並ぶ第2部材の前記複数の凸部の1つとが重ねられることで形成され、
前記第2部材の前記複数の凸部の各々は、前記第1部材の前記複数の凸部のいずれか1つの凸部に対して前記回転軸の軸方向で一部が重なるとともに、前記いずれか1つの凸部に対して前記回転方向でずれて配置されている、
請求項1または請求項2に記載の回転電機。 - 前記Mは、4以上の整数である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記L個の固定子磁極および前記L個の回転子磁極のいずれか他方における磁極間距離をωとすると、前記Θは、前記M個の磁極間距離の和がMωとなるように設定される、
請求項4に記載の回転電機。 - 前記Θ1は、電気角で(360°/N)に設定される、
請求項4または請求項5に記載の回転電機。 - 前記M個の磁極間距離は、前記回転方向において、前記Θ1/Mずつ順に大きくなる、
請求項6に記載の回転電機。 - 前記巻線および前記L個の固定子磁極を有した固定子と、
前記L個の回転子磁極を有した回転子と、を備え、
前記回転子は、電磁鋼板と、前記電磁鋼板の内部に設けられて前記回転方向に磁化された複数の第1永久磁石と、前記電磁鋼板の内部に設けられて前記回転軸の径方向に磁化された複数の第2永久磁石とを含み、
前記複数の第1永久磁石のなかで、前記回転方向で隣り合う2つの第1永久磁石の磁化方向は、互いに逆であり、
前記複数の第2永久磁石のなかで、前記回転方向で隣り合う2つの第2永久磁石の磁化方向は、互いに逆であり、
前記複数の第2永久磁石は、前記固定子に面する前記回転子の表面に対して、前記複数の第1永久磁石よりも離れて配置された、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記電磁鋼板は、前記回転子の前記表面に対して、前記複数の第1永久磁石よりも離れた位置に第1穴を有し、
前記第1穴の少なくとも一部は、前記径方向で、前記第1永久磁石に重なる、
請求項8に記載の回転電機。 - 前記第1穴の少なくとも一部は、前記回転方向で、前記複数の第2永久磁石の間に位置する、
請求項9に記載の回転電機。 - 前記電磁鋼板は、前記回転子の前記表面に対して、前記複数の第2永久磁石よりも離れた位置に第2穴を有し、
前記第2穴の少なくとも一部は、前記径方向で、前記複数の第2永久磁石の間の領域に重なる、
請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の回転電機。 - 乗りかごと、
前記乗りかごを駆動する請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の回転電機と、
を備えたエレベータ。
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