JP2007209197A - Ipmモータ - Google Patents

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Kenji Fujiwara
謙二 藤原
Akira Nishio
章 西尾
Yoshiki Kato
義樹 加藤
Masahiro Hirano
雅弘 平野
Takatoshi Kogure
孝敏 小暮
Isao Baba
功 馬場
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Abstract

【課題】IPMモータのトルクリップルを抑制する。
【解決手段】本発明によるIPMモータは、n個のスロット(16〜1612)が設けられたステータ(12)と、ステータ(12)に対向する側面(11a)を有するロータ(11)とを具備する。ロータ(11)は、n個の磁石(14)と、磁石(14)と側面(11a)との間に位置する磁力線誘導体(13a)とを含む。このとき、nとnとは、
<n
を満たす。
【選択図】図2

Description

本発明は、本発明は、埋込磁石構造モータ(Interior Permanent Magnet Mortar)(以下、「IPMモータ」という。)に関する。
ブラシレスDCモータが、広く使用されている。そのようなブラシレスDCモータとして、表面磁石構造モータ(Surface Permanent Magnet Mortar)(以下、「SPMモータ」という。)と、IPMモータとが知られている。
SPMモータが、公開特許公報(特開平11−98791号公報)に知られている。図13は、公知のそのSPMモータの構造を示す。公知のそのSPMモータは、三相電源で駆動される14極12スロット型モータである。公知のそのSPMモータは、ロータ101と、ステータ102とから形成されている。
ロータ101の円筒表面には、14個の永久磁石103が設けられている。即ち、ロータ101は、14極の極数を有する。
ステータ102には、12個のスロット104〜10412が放射状に、且つ、等角度間隔で、同一円周状に配置されている。更に、ステータ102には、電機子巻線105〜10512が設けられている。電機子巻線105、105、105、105には、U相電源電圧が供給される。電機子巻線105、105、105、10510には、V相電源電圧が供給される。電機子巻線105、105、電機子巻線10511、10512には、W相電源電圧が供給される。
図13において、記号U・V・Wと、U’・V’・W’とは、それぞれ、電流が流れる方向が互いに逆であることを示している。即ち、電機子巻線105と105とは、互いに逆向きの磁束を発生する。電機子巻線105と105、電機子巻線105と105、電機子巻線105と105、電機子巻線105と10510、電機子巻線10511と10512についても同様に、それぞれ互いに逆向きの磁束を発生する。
一方、図14は、公知のIPMモータの構成を示している。公知のIPMモータでは、ロータ106の内部に、磁石107が埋め込まれている。磁石107が埋め込まれていることにより、リラクタンストルクがロータ106に作用する。公知のそのIPMモータは、リラクタンストルクを積極的に利用しようとするモータである。リラクタンストルクを積極的に利用するために、磁石107は、ロータ106の表面から離れて設けられている。公知のそのIPMモータのステータの構造は、公知のそのSPMモータのそれと同様である。
以上に説明された公知のSPMモータと、公知のIPMモータとには、それぞれに利点がある。
公知のSPMモータは、トルクリップルが小さい点で、IPMモータよりも優れている。従って、公知のSPMモータは、産業用ロボットや、工作機械のようなFA製品のサーボモータとして適している。
一方、公知のIPMモータは、出力トルクが大きくできる点で、SPMモータよりも優れている。以下、その理由を説明する。
公知のSPMモータ、IPMモータのいずれの場合でも、その出力トルクは、次式で表されることが知られている。
T=p{φ・I・cos(β)+(L−L)I ・sin(2β)/2}.
…(1)
ここで、
p:極対数(極数/2),φ:永久磁石の電機子鎖交磁束の最大値
:電機子電流,β:電機子電流の位相
:直軸インダクタンス(d軸方向のインダクタンス),
:横軸インダクタンス(q軸方向のインダクタンス).
右辺第1項の成分は、マグネットトルク成分を示し、右辺第2項の成分は、リラクタンストルクを示している。
公知のSPMモータのトルクは、実質的に、マグネットトルク成分のみからなる。公知のSPMモータでは、その構造上の特性から、次式が成り立つ。
≒L. …(2)
従って、公知のSPMモータのトルクは、
T=pφ・I・cos(β) …(3)
で表される。これは、公知のSPMモータのトルクが、実質的に、マグネットトルク成分のみからなることを意味する。公知のSPMモータでは、リラクタンストルク成分は有効に利用されない。
一方、公知のIPMモータでは、マグネットトルク成分とリラクタンストルク成分との両方が活用され、公知のSPMモータよりも出力トルクを大きくすることができる。公知のIPMモータでは、その構造上の特性から、次式が成り立つ。
>L. …(4)
従って、公知のIPMモータでは、リラクタンストルク成分が活用される。その一方で、公知のIPMモータでは、公知のIPMモータの永久磁石の電機子鎖交磁束の最大値φが、公知のSPMモータよりも小さい。ロータの内部に磁路が形成され、永久磁石が発生する磁束のうち、電機子に鎖交しないものが増加するからである。しかしながら、総合すると、公知のIPMモータは、公知のSPMモータよりも出力トルクを大きくすることができる。その詳細は、同一出願人に係る特許出願(特開2001−352727号公報)に記載されている。
更に、公知のIPMモータは、電機子に入力される入力電圧を低くできる点でも、公知のSPMモータよりも優れている。
公知のSPMモータ、IPMモータのいずれについても、ブラシレスDCモータの電機子巻線への入力電圧Vは、次式で表されることが知られている。
V=√6・{(RI+ωL+(RI−ωL+V1/2
…(5)
R:電機子の抵抗,ω:ロータの回転の角振動数,
:電機子電流Iのd軸成分(I=Isin(β)),
:電機子電流Iのq軸成分(I=Icos(β)),
:ロータが回転することにより電機子巻線に誘起される誘起電圧
式(5)から、
=ωL …(6)
が成り立つように、ブラシレスDCモータを設計できれば、入力電圧Vを低く抑えることができることが分かる。
公知のSPMモータは、その構造上の特性から、式(6)が成り立つように設計することは非常に困難である。そのため、ロータの回転数が高くなると、入力電圧Vもその回転数に対応して高くなる。公知のSPMモータは、ロータの回転数が高い用途には不向きである。
一方、公知のIPMモータは、式(6)が成り立つように設計することが可能である。従って、IPMモータは、入力電圧VをSPMモータよりも低くすることができる。
しかしながら、公知のIPMモータは、そのトルクリップルが大きい。これは、公知のIPMモータは、出力トルクのうち、リラクタンストルク成分が占める割合が多いからである。このリラクタンストルク成分により、公知のIPMモータには、トルクリップルが発生する。このため、公知のIPMモータは、トルクリップルが大きいことが許容される用途にしか利用されていない。
公知のSPMモータと、公知のIPMモータとの両方の利点を併せ持つブラシレスDCモータが実現されることが望まれる。即ち、トルクリップルが抑制され、且つ、入力電圧が低いことが望まれる。また、トルクリップルが抑制され、且つ、出力トルクが大きいことが望まれる。
また、このようなブラシレスDCモータでは、公知のIPMモータよりも、以下に述べられるような特性が更に向上されることが望まれる。第1に、ブラシレスDCモータの入力電圧は、公知のIPMモータよりも、更に低下されることが望まれる。第2に、ブラシレスDCモータの出力トルクは、公知のIPMモータよりも、大きくされることが望まれる。第3に、ブラシレスDCモータの電機子電流は、小さくされることが望まれる。
このような特性が向上することは、当該ブラシレスDCモータを電気自動車に応用する場合に特に望まれている。
特開平11−98791号公報 特開2001−352727号公報
本発明の目的は、IPMモータのトルクリップルを抑制することにある。
本発明の他の目的は、IPMモータの出力トルクを大きくすることにある。
本発明の更に他の目的は、IPMモータの電機子電流を小さくすることにある。
本発明の更に他の目的は、IPMモータの入力電圧を低くすることにある。
本発明の更に他の目的は、IPMモータを小型化することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下に述べられる手段を採用する。その手段の記述には、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号が付記されている。但し、付記された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲を限定的に解釈するために用いてはならない。
本発明によるIPMモータは、n個のスロット(16〜1612)が設けられたステータ(12)と、ステータ(12)に対向する側面(11a)を有するロータ(11)とを具備する。ロータ(11)は、n個の磁石(14)と、磁石(14)と側面(11a)との間に位置する磁力線誘導体(13a)とを含む。このとき、nとnとは、
<n
を満たす。当該IPMモータでは、磁石(14)の数nがスロット(16〜1612)の数nよりも多いことにより、磁石(14)が発生する磁力線が通る磁気回路が均一化される。ロータ(11)の磁気回路が均一化されることにより、当該IPMモータのトルクリップルを小さくすることができる。ここで、「磁石(14)と側面(11a)との間」という記載は、磁力線誘導体(13a)が側面(11a)に面している場合を含むと理解されるべきである。
当該IPMモータにおいて、磁石(14)の数nは、12以上30以下であることが望ましい。磁石(14)の数nが12以上30以下であることは、IPMモータに供給される電機子電流を小さくし、又、IPMモータに供給される入力電圧を低くする。
このとき、スロット(161〜1612)の数nは、12であり、且つ、磁石(14)の数nは、14であることが望ましい。スロット(161〜1612)の数nと磁石(14)の数nとをこのように定めることにより、当該IPMモータを高効率化し、また、小型化することができる。
当該IPMモータにおいて、ロータ(11)の中心軸(18)に垂直な平面による磁石(14)の断面は長方形をなすことがある。長方形は、短辺と、その短辺より長い長辺とを有する。このとき、その長辺は、ロータ(11)の側面(11a)に対向することが望ましい。長辺がロータ(11)の側面(11a)に対向することは、磁石(14)が発生する磁力線を有効に活用する点で有利である。
磁石(14)は、実質的に直方体であることがある。このとき、磁石(14)が有する面のうち側面(11a)に対向する磁極面(14a)と、ロータ(11)の中心(11b)との距離dは、次式:
d≧r−D/10
D=2πr/n
r:ロータ(11)の半径、n:磁石(14)の数
を満足することが望ましい。この条件を満足することにより、トルクリップルを抑制しながら、大きな出力トルクが得られ、更に、当該IPMモータに供給される入力電圧を低減することができる。
また、次式:
0≦(L−L)/L≦0.3
:ロータ(11)の横軸インダクタンス
:ロータ(11)の直軸インダクタンス
が成立することが望ましい。この条件を満足することにより、トルクリップルを抑制しながら、大きな出力トルクが得られ、更に、当該IPMモータに供給される入力電圧を低減することができる。
磁石(14)と側面(11a)とは、ロータ(11)の円周方向にある磁石(14)の端(14c)において、最も近接することが望ましい。これにより、磁石(14)が発生する磁力線が、スロット(16〜1612)に設けられる電機子巻線(17〜1712)により多く鎖交する。従って、大きなマグネットトルクを得ることができる。このとき、「端(14c)において最も近接」という記載は、磁石(14)の側面(11a)に対向する磁極面(14a)の上にある点と側面(11a)との距離は、一定ではないことをも意味していることに留意されるべきである。
磁石(14)は、側面(11a)に対向する磁極面(14a)に磁極を有する。このとき、端(14c)と側面(11a)とは、その磁極が生成する磁力線の概ね全てが、側面(11a)を通過する程度に近接することが望ましい。
また、磁石(14)の円周方向にある端(14c)と側面(11a)との距離は、ロータ(11)が回転したときに磁石(14)がロータ(11)から離脱しないような機械的強度が保たれる、実質的に最小なものに選ばれることが望ましい。このとき、実用され得る最大のマグネットトルクが得られる。
本発明によるIPMモータは、ステータ(12)と円筒形のロータ(11)とを具備する。ロータ(11)の側面(11a)は、ステータ(12)に対向する。ロータ(11)は、実質的に直方体である磁石(14)と、磁石(14)の半径方向に外側である外側部分を包囲する磁力線誘導体(13a)とを含む。磁石(14)が有する面のうち側面(11a)に対向する磁極面(14a)と、前記ロータの中心との距離dは、
d≧r−D/10
D=2πr/n
r:ロータ(11)の半径、n:磁石(14)の数
を満足する。この条件を満足することにより、トルクリップルを抑制しながら、大きな出力トルクが得られ、更に、当該IPMモータに供給される入力電圧を低減することができる。
本発明によるIPMモータは、ステータ(12)と、ステータ(12)に、それの側面(11a’)において対向するロータ(11’)とを具備する。ロータ(11a’)は、ロータ(11a’)の側面(11a’)の近傍に設けられた磁石(14)と、磁力線誘導体(13b’、13c’)とを含む。磁力線誘導体(13b’、13c’)は、磁石(14)とロータ(11a’)の側面(11a’)との間に位置する。磁力線誘導体(13b’)は、直軸方向に磁束を誘導する直軸磁力線誘導体(13b’)を具備し、且つ、横軸方向に伸展する空隙(13c’)が設けられている。ここで、直軸とは、d軸を意味する。横軸とは、q軸を意味する。
本発明によるモータ駆動車両は、駆動輪(7、37)と、上述の本発明によるIPMモータ(50)と、IPMモータ(50)に電源電圧を供給する電源電圧供給手段(3、33)とを具備する。IPMモータ(50)が含むロータ(11)は駆動輪(7、37)を駆動する。当該モータ駆動車両は、上述の本発明によるIPMモータ(50)の特性から、電源電圧供給手段(3、33)の容量を小さくすることができる。
本発明により、IPMモータのトルクリップルが抑制される。
本発明により、IPMモータの出力トルクが大きくなる。
本発明により、IPMモータの電機子電流が小さくなる。
本発明により、IPMモータの入力電圧が低くなる。
本発明により、IPMモータが小型化される。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の一形態のIPMモータを説明する。
実施の第1形態:
実施の第1形態のIPMモータは、電気自動車用IPMモータである。当該IPMモータは、図1に示されているように、電気自動車に搭載されて使用される。
その電気自動車には、電池1が設けられている。電池1は、高電圧リレー2に接続されている。高電圧リレー2は、アンプ3と当該電気自動車の各部に電圧を供給する。アンプ3は、アクセルペダル4の動きに応じて、当該実施の形態のIPMモータ50に電圧を供給する。以下の説明では、IPMモータ50に供給される電圧を入力電圧ということとする。IPMモータ50は、トランスミッション5と駆動軸6を介して駆動輪7を駆動する。
IPMモータ50は、図2に示されているように、ロータ11とステータ12とを含む。ロータ11は、ロータ側面11aにおいてステータ12に対向する。ロータ11は、軸18に接続されている。ロータ11は、軸18を中心として回転する。ロータ11は、図1に示されているトランスミッション5を介して駆動軸6に回転トルクを与える。
ロータ11は、図2に示されているように、ロータ鉄心13と、14個の永久磁石14〜1414とを含む。永久磁石14〜1414は、総称して永久磁石14と記載される。
ロータ鉄心13は、珪素鋼板が積層されて形成されている。珪素鋼鈑のそれぞれは互いに絶縁されている。これにより、渦電流による損失が抑制されている。その珪素鋼鈑のそれぞれは打ち抜き加工され、永久磁石14が埋め込まれる穴が形成されている。なお、ロータ鉄心13は、電磁鋼板のような他の材料で構成されることも可能である。その穴には、永久磁石14が挿入されている。即ち、永久磁石14は、ロータ鉄心13に埋め込まれている。
ステータ12には、スロット16〜1612が放射状に、且つ、等角度間隔で、同一円周状に設けられている。更に、ステータ12には、電機子歯19〜1912が設けられている。電機子歯19〜1912には、それぞれ、電機子巻線17〜1712が巻きつけられている。
電機子巻線17〜1712には、三相電源が供給される。電機子巻線17、17、17、17には、U相電源電圧が供給される。電機子巻線17、17、17、1710には、V相電源電圧が供給される。電機子巻線17、17、電機子巻線1711、1712には、W相電源電圧が供給される。
図2において、記号U・V・Wと、U’・V’・W’とは、それぞれ、電流が流れる方向が逆であることを示している。即ち、電機子巻線17と17とは、互いに逆向きの磁束を発生する。電機子巻線17と17、電機子巻線17と17、電機子巻線17と17、電機子巻線17と1710、電機子巻線1711と1712も同様に、それぞれ互いに逆向きの磁束を発生する。
続いて、ロータ11の構造をより詳細に説明する。
図3は、ロータ11の軸方向の構造を示す。図3では、永久磁石14のうちの永久磁石14の構造が示されている。他の永久磁石4も、永久磁石14と同一の構造を有する。永久磁石14のそれぞれは、図3に示されているように、ロータ11の軸方向に接続された複数の磁石15からなる。磁石15は、互いに絶縁されている。これにより、渦電流による損失が抑制されている。
上述の永久磁石14は、実質的に直方体である。永久磁石14が直方体であることは、永久磁石14を作製することが容易になる点で有利である。図9に示されているように、前述のSPMモータでは、ロータ101の側面に、その表面が曲面である永久磁石が配置される。表面が曲面である永久磁石を作製することは、コストを高くする。一方、当該実施の形態のIPMモータは、永久磁石14が直方体であることにより、コストが抑制される。
永久磁石14のうちの永久磁石14、14、14、14、14、1411、1413のN極は、ロータ11の半径方向の外側にあり、また、それらのS極は、ロータ11の半径方向の内側にある。一方、永久磁石14のうちの永久磁石14、14、14、14、1410、1412、1414のN極は、ロータ11の半径方向の外側にあり、また、それらのS極は、ロータ11の半径方向の内側にある。即ち、永久磁石14のうちの隣接する2つは、互いに反対向きの磁力線を発生する。
図4は、ロータ11の一部分の拡大図である。永久磁石14は、ロータ11のロータ側面11aに対向する対向面14aと、ロータ11の中心11bに対向する対向面14bを有する。永久磁石14が有する2つの磁極は、対向面14a、14bの上にある。対向面14a、14bは、ロータ11の中心軸に垂直な方向にある永久磁石14の断面がなす長方形の長辺を構成する。
永久磁石14は、ロータ側面11aの近傍に設けられている。ロータ側面11aと、永久磁石14とは、端部14cにおいて最も近接する。即ち、永久磁石14の埋め込み量をx、ロータ側面11aと端部14cとの距離をLとしたとき、
x>L.
ここで、埋め込み量xは、ロータ11の半径rと、永久磁石14の有する面のうちロータ側面11aに対向する面である対向面14aからロータ11の中心11bまでの距離dとの差で定義され、
x=r−d. …(7)
ロータ11がこのような構造を有していることにより、永久磁石14が発生する磁束が、より有効にマグネットトルクの発生に利用される。ロータ側面11aと永久磁石14とが、端部14cにおいて最も近接することにより、永久磁石14が発生する磁力線のうちロータ側面11aと端部14cとの間を通るものを少なくすることができる。即ち、永久磁石14が発生する磁力線のうち、ロータ側面11aを通ってステータ12に鎖交するものを多くすることができる。これにより、より大きなマグネットトルクが発生する。このように、当該実施の形態のIPMモータは、SPMモータと同様に、大きなマグネットトルクを得ることができる。
マグネットトルクの発生の観点からは、ロータ側面11aと端部14cとの間の距離Lは、狭いことが望ましい。ロータ側面11aと端部14cとの間の距離が狭いほど、永久磁石14が発生する磁力線のうちロータ側面11aと端部14cとの間を通るものは少なくなるからである。ロータ側面11aと端部14cとの間の距離は、永久磁石14が発生する磁力線の概ね全てがロータ側面11aを通るように選ばれることが望ましい。
一方で、ロータ側面11aと端部14cとの間の距離を狭くすると、ロータ鉄心13が永久磁石14を保持する機械的強度が弱くなる。あまりにも機械的強度が弱いと、ロータ11が回転したときにロータ鉄心13が破壊され、永久磁石14がロータ11から離脱する。ロータ側面11aと端部14cとの間の距離は、ロータ11が回転しても永久磁石14が離脱しないような機械的強度を保った上で、最小に選ばれることが望ましい。発明者の実験では、必要な機械的強度を保った上で、少なくとも、対向面14aにある磁極が発生する磁力線の95%がロータ側面11aを通るように、ロータ側面11aと端部14cとの間の距離を選ぶことが可能であることが確認されている。
永久磁石14は、ロータ側面11aの近傍に設けられているが、ロータ側面11aには面していない。永久磁石14はロータ鉄心13の内部に埋め込まれている。即ち、ロータ鉄心13は、永久磁石14とロータ側面11aとの間に位置する磁力線誘導部分13aを含む。
磁力線誘導部分13aの存在は、当該実施の形態のIPMモータの入力電圧Vを低減することに寄与している。磁力線誘導部分13aの存在により、ロータ11には弱め界磁がなされることになる。即ち、磁力線誘導部分13aの存在は、直軸方向のインダクタンスLを大きくする。従って、−ωL+Vが0に近づく。式(4)から理解されるように、−ωL+Vが0に近づけば、入力電圧Vが低くなる。このように、磁力線誘導部分13aの存在は、当該IPMモータの入力電圧Vを低くする。
磁力線誘導部分13aの存在は、同時に、リラクタンストルクの発生に寄与する。即ち、当該IPMモータでは、SPMモータと同等のマグネットトルクが利用される上、更に、リラクタンストルクが活用されることになる。マグネットトルクが高い効率で利用される上、更に、補助的にリラクタンストルクが活用されることにより、当該実施の形態のIPMモータは、高いトルクが得られる。
但し、前述の公知のIPMモータとは異なり、当該実施の形態のIPMモータが発生するトルクのうち、リラクタンストルクの占める割合は小さい。永久磁石14がロータ側面11aの近傍に設けられており、磁力線誘導部分13aの体積が小さいからである。当該実施の形態のIPMモータが発生するトルクは、主に、マグネットトルクである。発生するトルクが主としてマグネットトルクであるため、当該実施の形態のIPMモータは、トルクリップルが小さい。
当該実施の形態のIPMモータにおいて、永久磁石14の数、即ち、極数nは、当該実施の形態のIPMモータの特性に大きな影響を及ぼす。当該実施の形態のIPMモータは、永久磁石14の数が以下のようにして定められ、もって特性の向上が図られている。
まず、永久磁石14の数は、スロット16〜1612の数よりも多く定められている。永久磁石14の数がスロット16〜1612の数よりも多く定められていることにより磁気回路が均一化され、トルクリップルが軽減される。
更に、永久磁石14の数は、12以上30以下の範囲の中から選ばれている。以下では、永久磁石14の数が12以上30以下の範囲の中から選ばれていることの有効性について説明する。
まず、図5(a)に示されているように、永久磁石14の厚さが仮想的に0であるとしたときを考える。ここで、永久磁石14の厚さが仮想的に0であると仮定したのは、永久磁石14を最も密に配置できる理想的な場合を考えるためである。永久磁石14が有する面のうちのロータ側面11aに対向する面である対向面14aは、ロータ11の断面においてロータ11の内接多角形を構成する。
磁石有効面積率Mgcを、永久磁石14の対向面14aの面積の総和の、ロータ側面11aの面積に対する比であると定義する。磁石有効面積率Mgcは、
Mgc=δ/D*100(%),
で表される。ここで、Dは、
D=2πr/n,
r:ロータ11の半径
であり、また、δは、永久磁石14の対向面14aの、ロータ11の円周方向の幅である。磁石有効面積率Mgcが100(%)に近いことは、永久磁石14が発生する磁力線が、より多く電機子巻線17〜1712に鎖交することを意味する。
図6の曲線21は、磁石有効面積率Mgcの極数nに対する依存性を示す。図6に示されているように、磁石有効面積率Mgcは、極数nが大きくなるほど大きくなり、極数12で概ね飽和する。これから、永久磁石14の厚さを仮想的に0とする場合には、極数nを12以上にすることにより、電機子巻線17〜1712に鎖交する磁束の磁束密度Bをほぼ最大にし得ることが理解される。
ただし、永久磁石14の厚さが無限に小さいということは、実際には考えられない。永久磁石14の厚さは薄いことが望まれるが、現実には、機械的強度、永久磁石14の保磁力その他の要因により、永久磁石14の厚さは制限される。また、永久磁石14がロータ側面11aに接していることも考えられない。前述のとおり、永久磁石14の端部とロータ側面11aとの距離Lは小さいことが望まれるが、機械的強度を保つためには、距離Lはある値よりも大きいことを必要とする。そこで以下では、永久磁石14が、図5(b)に示されているように、ある程度の厚さβを有し、且つ、永久磁石14の端部とロータ側面11aとは、ある程度の距離Lを有する場合について考察する。
対向面14aの幅δは、永久磁石14が厚さβを有することにより、より小さくなる。永久磁石14が厚さβを有することは、ロータ側面11aを通過する磁束の磁束密度Bを減少させる。
また、永久磁石14の端部からロータ側面11aまでの距離Lの存在により、隣接する2つの永久磁石14の対向面14aの間に磁気回路が生じる。この磁気回路の磁気抵抗は、2つの対向面14a同士の距離が小さくなるほど小さくなる。ここで、永久磁石14の数が大きくなるほど2つの対向面14a同士の距離は小さくなり、その間の磁気抵抗も小さくなる。これは、永久磁石14の数が大きくなると、ロータ11の内部で閉じるためにトルク発生に寄与しない磁束が増えることを意味する。
前述の磁石有効面積率Mgcと、2つの対向面14aの間の磁気抵抗の両方の効果により、ロータ側面11aを通過する磁束の磁束密度Bは、ある極数nにおいて最大となる依存性を示す。図6の中の曲線22は、永久磁石14の厚さβと、永久磁石14の端部からロータ側面11aまでの距離Lとが、本出願の日において現実的に設定され得る最小値であると出願人が考える値に設定された場合における、ロータ側面11aを通過する磁束の磁束密度Bの極数nに対する依存性を示している。ここで、磁束密度Bは、磁石がロータ側面全体に面していると仮定した場合にロータ側面11aを通過する磁束の磁束密度が100であるとして規格化されている。
図6の中の曲線22に示されているように、極数nが12以下の範囲では、ロータ側面11aを通過する磁束の磁束密度Bは、極数nが大きくなると急速に大きくなる。極数nが12よりも大きくなると、磁束密度Bはほぼ飽和し、極数nが16のときに最大値をとる。極数nが16より大きくなると、磁束密度Bは、徐々に小さくなる。磁束密度Bが85(arb.unit)よりも大きい極数nの範囲は、12以上30以下である。このように、極数nの範囲を、12以上30以下にとることにより、ロータ側面11aを通過する磁束の磁束密度Bを大きくすることができる。磁束密度Bを大きくなると、それに対応して、当該IPMモータの出力トルクも大きくなる。
また、異なる観点から見れば、極数nの範囲を、12以上30以下にとることにより、一定の出力トルクを得るのに必要な入力電流を小さくすることができるということもできる。周知のように、出力トルクTは、電機子巻線17〜1712に流れる電機子電流Iと、電機子巻線17〜1712に鎖交する磁束の磁束密度Bとに比例し、
T∝I・B,
即ち、
∝T/B. …式(8)
式(8)から理解されるように、永久磁石14が発生した磁力線が電機子巻線17〜1712により多く鎖交すれば、一定の出力トルクを得るのに必要な電機子電流Iは小さい。電機子電流Iを小さくすることができることは、図1に示されている電気自動車のアンプ3の容量を小さくすることができることを意味する。アンプ3の容量を小さくできることは、同時にアンプ3を小型化できることを意味する。これは、スペースが限られている電気自動車において極めて好ましい。
以上の事実から理解されるように、極数nを12以上30以下に選ぶことにより、より大きな出力トルクを得ることができ、又、一定の出力トルクを得るのに必要な電機子電流Iを小さくすることができる。
また、極数nを12以上に選ぶことは、横軸インダクタンスLを低減する上でも好ましい。図7は、対向面14aの面積の総和が、各極数nに対して最大になるように永久磁石14が配置されているという条件の下における、横軸インダクタンスLの極数nに対する依存性を示す。極数nが12以下の範囲では、横軸インダクタンスLは、極数nが大きくなると急激に減少する。極数nが12以上の範囲では、その減少の度合いは小さくなる。
ここで、前述の式(5)から理解されるように、横軸インダクタンスLを小さくすることにより、電機子巻線17〜1712への入力電圧Vを小さくすることができる。即ち、極数nを12以上に選ぶことにより、顕著に、電機子巻線17〜1712への入力電圧Vを小さくすることができる。
このように、有効磁束密度Bの増加と、入力電圧Vの低減との2つの観点から、当該IPMモータの極数nは、12以上30以下であることが望ましいことが理解される。
当該実施の形態のIPMモータは、極数は14であり、スロット16〜1612の数は12であり、上述の条件を満足する。当該実施の形態のIPMモータにおいて、極数とスロット数は、14極12スロット以外の他の組み合わせであることも可能である。但し、小型化、高出力化の観点から、当該実施の形態のように、14極12スロット構造が採用されることが好ましい。
更に、当該IPMモータは、永久磁石14が、以下に述べられているような位置に配置され、もって特性の向上が図られている。
永久磁石14の位置は、前述の埋め込み量xが、
x≦D/10 …(9)
D=2πr/n
r:ロータ11の半径、n:極数(永久磁石14の数)
を満足するように選ばれている。埋め込み量xが小さいことは、永久磁石14とロータ側面11aとがより接近していることを意味する。なお、式(9)の条件は、対向面14aとロータ11の中心11bとの距離dについて、
d≧r−D/10 …(9’)
が成り立つことと同義である。距離dが大きいことは、永久磁石14がよりロータ側面11aに近づくことを意味する。
図8は、一定のトルクを発生するのに必要な電機子巻線17〜1712に流すべき電機子電流Iの、埋め込み量xに対する依存性を示す。電機子電流Iとしては、ピーク値が使用されている。図8に示されているように、x≦D/10であることにより、電機子巻線17〜1712に流すべき電機子電流Iは、顕著に低減される。
このとき、永久磁石14の位置は、
(L−L)/L≦0.3 …(10)
が成り立つように選ばれていると言い換えることができる。図9は、埋め込み量xと、(L−L)/Lとの対応を示している。埋め込み量xと(L−L)/Lとは、一対一に対応し、埋め込み量xが小さくなるほど(L−L)/Lも小さくなる。x=D/10のとき、(L−L)/L=0.3である。式(9)と式(10)とは一対一に対応する。
逆にいえば、ロータ鉄心13の構造と永久磁石14の位置が、上述のものと異なる場合でも、式(10)の条件を満足するように選ばれれば、ロータ鉄心13の形状と永久磁石14の位置とが上述のものである場合と同様の効果が得られる。
但し、
−L≧0 …(11)
であることが望ましい。なぜなら、式(1)から分かるように、L−L<0であると、出力トルクが減少するからである。
即ち、
0≦(L−L)/L≦0.3 …(12)
が満足されることが望ましい。
実施の第1形態のIPMモータは、トルクリップルが小さい。更に、当該IPMモータは、高い出力トルクが得られる。更に、当該IPMモータは、電機子電流を小さくできる。更に、当該IPMモータは、入力電圧Vが低い。
高い出力トルクが得られることは、他の観点から考えれば、所定の出力トルクを得るために必要な電機子巻線の巻数がより少ないことを意味する。当該IPMモータは、小型化が可能である。即ち、当該IPMモータは、エネルギー密度が高い。このような特長から、当該実施の形態のIPMモータは、スペースが限られている電気自動車に適用されることが特に有用である。
なお、当該実施の形態のIPMモータは、電気自動車に搭載されているが、電車に搭載されることも可能である。図10は、当該実施の形態のIPMモータが搭載された電車の構成を示す。その電車には、パンタグラフ31が設けられている。パンタグラフ31は、電源電圧が供給されている架線32に接触し、アンプ33に電源電圧を供給する。アンプ33は、制御装置34に接続されている。制御装置34には、スロットルレバー34aが設けられている。アンプ33は、スロットルレバー34aの動きに応じて、当該実施の形態のIPMモータ50に入力電圧を供給する。IPMモータ50は、トランスミッション35と駆動軸36を介して駆動輪37を駆動する。当該実施の形態のIPMモータ50が搭載されたその電車は、上述のIPMモータ50の特長から、アンプ33の容量を小さくすることができる。
また、当該実施の形態のIPMモータは、他の用途、例えば、産業用ロボットや、工作機械のようなFA製品のサーボモータに使用されることも当然に可能である。
実施の第2形態:
続いて、実施の第2形態のIPMモータを説明する。実施の第2形態のIPMモータは、実施の第1形態と類似した構造を有する。実施の第2形態のIPMモータは、ロータの構造が実施の第1形態と異なる。特に、ロータ鉄心の構造が、実施の第1形態と異なる。実施の第2形態の他の部分は、実施の第1形態と同様である。
図11は、実施の第2形態のIPMモータの構造を示す。実施の第2形態のIPMモータは、ロータ11’と、ステータ12とからなる。ステータ12の構造は、実施の第1形態と同じであり、その説明は行わない。
図12は、ロータ11’の一部の拡大図である。ロータ11’は、ロータ鉄心13’と永久磁石14とを含む。永久磁石14は、ロータ11のロータ側面11aに対向する対向面14aと、ロータ11の中心11bに対向する対向面14bを有する。永久磁石14が有する2つの磁極は、対向面14a、14bの上にある。永久磁石14は、ロータ11’の半径方向に磁力線を発生する。
永久磁石14のうちの永久磁石14、14、14、14、14、1411、1413のN極は、ロータ11の半径方向の外側にあり、また、それらのS極は、ロータ11の半径方向の内側にある。一方、永久磁石14のうちの永久磁石14、14、14、14、1410、1412、1414のN極は、ロータ11の半径方向の外側にあり、また、それらのS極は、ロータ11の半径方向の内側にある。即ち、永久磁石14のうちの隣接する2つは、互いに反対向きの磁力線を発生する。
永久磁石14は、ロータ側面11a’の近傍に設けられている。永久磁石14は、ロータ側面11a’の近傍に設けられているが、ロータ側面11aには面していない。永久磁石14はロータ鉄心13’の内部に埋め込まれている。永久磁石14は、実質的に、直方体である。ロータ側面11aと、永久磁石14とは、端部14cにおいて最も近接する。
ロータ11’が以上に説明された構造を有することにより、永久磁石14が発生する磁力線のうち、ロータ側面11aを通ってステータ12に鎖交するものを多くすることができる。
ここで、ロータ鉄心13’には、スリット13a’が設けられている。スリット13a’は、永久磁石14の端部14cから、ロータ側面11’に向かって伸びる。但し、スリット13a’は、ロータ側面11’には到達していない。
スリット13a’が設けられていることにより、永久磁石14が発生する磁力線のうち、ロータ11’の内部で閉じるものを更に少なくすることができる。これにより、実施の第2形態のIPMモータは、実施の第1形態と同様、大きなマグネットトルクを得ることができる。
また、ロータ鉄心13’は、永久磁石14とロータ側面11aとの間に位置する直軸磁力線誘導部分13b’を含む。直軸磁力線誘導部分13b’は、ロータ側面11a’から、ロータ11’の直軸(d軸)方向に伸展し、永久磁石14の表面に到達する。永久磁石14が直軸方向に発生する磁力線は、直軸磁力線誘導部分13b’を通って、ロータ側面11a’に到達し、更に、ステータ12に鎖交する。直軸磁力線誘導部分13b’は、ロータ11’の直軸インダクタンスLを決定する。直軸インダクタンスLは、特に、直軸磁力線誘導部分13b’の円周方向の幅によって定まる。
直軸磁力線誘導部分13b’の円周方向の幅は、−ωL+Vが実質的に0であるように選ばれる。ここで、ωは、ロータ11’の回転の角振動数、Vは、ロータが回転することにより電機子巻線17〜1712に誘起される誘起電圧である。前述の式(5)から理解されるように、−ωL+Vが実質的に0であるように選ばれることにより、当該IPMモータの入力電圧Vを小さくすることができる。
更にロータ鉄心13’には、空隙13c’が設けられている。空隙13b’は、永久磁石14とロータ側面11aとの間に位置する。空隙13c’は、横軸(q軸)方向に伸展する。これにより、ロータ11’の横軸インダクタンスLが減少する。式(5)から理解されるように、横軸インダクタンスLが減少すると、当該IPMモータの入力電圧Vが小さくなる。
このように実施の第2形態のIPMモータは、当該IPMモータの入力電圧Vを、更に小さくすることができる。
実施の第2形態の場合でも、実施の第1形態と同様に、永久磁石14の位置と、ロータ鉄心13’の形状は、
0≦(L−L)/L≦0.3 …(13)
が成り立つように選ばれることが望ましい。
図1は、本発明による実施の第1形態のIPMモータが搭載された電気自動車の構成を示す。 図2は、実施の第1形態のIPMモータの構成を示す。 図3は、ロータ11の構成を示す。 図4は、ロータ11の一部分の拡大図である。 図5は、有効磁石面積率Mgcを説明するための図である。 図6は、有効磁石面積率Mgcと磁束密度Bとの極数nに対する依存性を示す。 図7は、q軸インダクタンスの極数nに対する依存性を示す。 図8は、電機子電流Iの埋め込み量xに対する依存性を示す。 図9は、埋め込み量xと、(L−L)/Lとの関係を示す。 図10は、実施の第1形態のIPMモータが搭載された電車の構成を示す。 図11は、実施の第2形態のIPMモータの構成を示す。 図12は、ロータ11’の構成を示す拡大図である。 図13は、従来のSPMモータの構成を示す。 図14は、従来のIPMモータの構成を示す。
符号の説明
11、11’:ロータ
11a、11a’:ロータ側面
12:ステータ
13、13’:ロータ鉄心
13a:磁力線誘導部分
13b’:直軸磁力線誘導部分
13c’:空隙
14:永久磁石
14a:対向面
14c:端

Claims (14)

  1. 個のスロットが設けられたステータと
    前記ステータに対向する側面を有するロータ
    とを具備し、
    前記ロータは、
    個の磁石と、
    前記磁石と前記側面との間に位置する磁力線誘導体
    とを含み、
    前記nと前記nとは、
    <n
    を満たす
    IPMモータ。
  2. 請求項1のIPMモータにおいて、
    前記nは、
    12≦n≦30
    を満たす
    IPMモータ。
  3. 請求項2のIPMモータにおいて、
    前記nは12であり、前記nは14である
    IPMモータ。
  4. 請求項1のIPMモータにおいて、
    前記ロータの中心軸に垂直な平面による前記磁石の断面は長方形をなし、
    前記長方形は、
    短辺と、
    前記短辺より長い長辺
    とを有し、
    前記長辺は、前記側面に対向する
    IPMモータ。
  5. 請求項3のIPMモータにおいて、
    前記磁石が有する面のうち前記側面に対向する磁極面と、前記ロータの中心との距離dは、次式:
    d≧r−D/10,
    ここで、
    D=2πr/n
    r:前記ロータの半径
    を満足する
    IPMモータ。
  6. 請求項1のIPMモータにおいて、
    次式:
    0≦(L−L)/L≦0.3,
    ここで、
    :前記ロータの横軸インダクタンス,
    :前記ロータの直軸インダクタンス
    が成立する
    IPMモータ。
  7. ステータと
    前記ステータに対向する側面を有するロータ
    とを具備し、
    前記ロータは、
    前記磁石に対して、前記ロータの半径方向に外側である外側部分を包囲する磁力線誘導体
    とを含み、
    前記磁石が有する面のうち前記側面に対向する対向面と、前記ロータの中心との距離dは、次式:
    d≧r−D/10,
    ここで、
    D=2πr/n,
    r:前記ロータの半径,n:前記磁石の数
    を満足する
    IPMモータ。
  8. 請求項7のIPMモータにおいて、
    前記nは、12以上30以下である
    IPMモータ。
  9. ステータと、
    前記ステータに対向する側面を有するロータ
    とを具備し、
    前記ロータは、
    n個の磁石と、
    前記磁石と前記側面との間に位置する磁力線誘導体
    とを含み、
    前記nは、
    12≦n≦30である
    IPMモータ。
  10. ステータと、
    円筒形のロータ
    とを具備し、
    前記ロータの側面は、前記ステータに対向し、
    前記ロータは、
    前記側面の近傍に設けられた磁石と、
    前記磁石と前記側面との間に位置する磁力線誘導体
    とを含み、
    前記磁力線誘導体は、前記ロータの直軸方向に磁束を誘導する直軸磁力線誘導体を具備し、且つ、前記ロータの横軸方向に伸展する空隙が設けられた
    IPMモータ。
  11. 12個のスロットが設けられたステータと
    前記ステータに対向する側面を有するロータ
    とを具備し、
    前記ロータは、
    14個の磁石と、
    前記磁石と前記側面との間に位置する磁力線誘導体
    とを含み、
    前記磁石が有する面のうち前記側面に対向する対向面と、前記ロータの中心との距離dとは、次式:
    d≧r−D/10,
    ここで、
    D=2πr/n,
    r:前記ロータの半径
    を満足する
    IPMモータ。
  12. 駆動輪と、
    請求項1から請求項11のいずれか一に記載されたIPMモータと、ここで前記IPMモータが含む前記ロータは前記駆動輪を駆動し、
    前記IPMモータに電源電圧を供給する電源電圧供給手段
    とを具備する
    モータ駆動車両。
  13. 駆動輪と、
    請求項1から請求項11のいずれか一に記載されたIPMモータと、ここで前記IPMモータが含む前記ロータは前記駆動輪を駆動し、
    アクセルペダルの動きに応じて前記IPMモータに電源電圧を供給する電源電圧供給手段
    とを具備する
    電気自動車。
  14. 駆動輪と、
    請求項1から請求項11のいずれか一に記載されたIPMモータと、ここで前記IPMモータが含む前記ロータは前記駆動輪を駆動し、
    スロットルレバーの動きに応じて前記IPMモータに電源電圧を供給する電源電圧供給手段
    とを具備する
    電車。
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