JP6545201B2 - 鞍乗り型車両の車体前部構造 - Google Patents
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Description
搭載スペースの限られた鞍乗り型車両において、車体前部を大型化せずに上記ヒートシンクの効率的な配置が求められている。
本発明の目的は、ヒートシンクを効率的に配置可能な鞍乗り型車両の車体前部構造を提供することにある。
また、上記発明において、前記ステー(30)は、前記トップブリッジ(31)と前記ボトムブリッジ(32)との間に配置される中間支持部(30E)を備え、前記中間支持部(30E)は、車幅方向外側に前記ロービーム発光部(82)が配置されるとともに、車幅方向の幅が狭くされた薄肉部(30h)が形成されていても良い。
また、上記発明において、リフレクタ及びレンズは、ヒートシンクを囲う位置に設けられるので、ヒートシンク、レンズ、リフレクタ、LEDなどヘッドライトユニットに関するものを集中配置でき、マスの集中化と配線の短縮化とを図ることができる。
また、上記発明において、左右一対のステーの上端部に、ハンドルを支持するハンドルホルダ部が一体に設けられるので、部品数を減らすことができ、コストを抑えることができる。
図1は、本発明に係る車体前部構造を備える自動二輪車10の右側面図である。
自動二輪車10は、骨格となる車体フレーム11を備え、車体フレーム11にフロントフォーク12を介して前輪13が支持され、車体フレーム11にスイングアーム14を介して後輪16が支持され、車体フレーム11の上部にシート17が支持されている。
ヘッドパイプ21には、回動可能にフロントフォーク12が支持されている。フロントフォーク12は、左右を連結するトップブリッジ31及びボトムブリッジ32を備え、トップブリッジ31とボトムブリッジ32とに左右一対のヘッドライトステー30が渡されている。
左右のヘッドライトステー30には、LEDを光源とするヘッドライトユニット80が取付けられている。左右のヘッドライトステー30の上部にはバーハンドル33が取付けられている。フロントフォーク12の下端部には車軸34を介して前輪13が支持されている。
サブフレーム26は、ピボットフレーム24の上部とシートレール23の後端部とに接続されている。ダウンフレーム27は、ヘッドパイプ21とメインフレーム22とに渡された補強フレーム28からメインフレーム22の下方を後下方に延びている。
ピボットフレーム24とダウンフレーム27とには、エンジン45が支持されている。
車体カバー60は、左右一対のラジエータシュラウド62、左右一対のフロントサイドカバー63、左右一対のリアサイドカバー64及び左右一対のリアカバー66を備える。
ラジエータシュラウド62は、メインフレーム22及びダウンフレーム27の一部とラジエータ(不図示)とを側方から覆う。フロントサイドカバー63は、メインフレーム22及びシートレール23を側方から覆う。リアサイドカバー64及びリアカバー66は、シートレール23及びサブフレーム26を側方から覆う。
前輪13は、上方からフロントフェンダ71で覆われ、後輪16は、上方からリアフェンダ72で覆われる。
フロントフォーク12のトップブリッジ31及びボトムブリッジ32には、左右一対のヘッドライトステー30,30が取付けられ、左右のヘッドライトステー30,30にはヘッドライトユニット80が支持されている。
また、左右のヘッドライトステー30,30の上端部にはバーハンドル33が支持され、左右のヘッドライトステー30,30の上下方向中間部の側部には左右一対のフロントウインカ75,75が取付けられている。
ヒートシンク81は、光源となるLEDからの放熱を促す。ロービーム発光部82は、ロービームを発する部分である。ハイビーム発光部83は、ハイビームを発する部分である。
ヘッドライトユニット80は、正面視で、フロントフォーク12を構成する左右一対のフォークチューブ77,77から車幅方向内側の範囲に配置される。フォークチューブ77は、図示せぬダンパ及び圧縮コイルばねからなる緩衝器である。
図3及び図4に示すように、ヘッドライトステー30は、ステー本体30Aと、ステー本体30Aの上端部に締結されるホルダ部材30Bとから構成される。
ステー本体30Aは、上部取付部30C、下部取付部30D、中間部支持部30Eから一体に形成されている。
上部取付部30Cは、トップブリッジ31に取付けられる部分である。下部取付部30Dは、ボトムブリッジ32に取付けられる部分である。中間部支持部30Eは、上部取付部30C及び下部取付部30D間に設けられてヘッドライトユニット80が支持される部分である。
ホルダ部材30Bは、その上端部にメーター91が取付けられている。
中間部支持部30Eは、その車幅方向内側にヘッドライトユニット80のヒートシンク81が配置され、車幅方向外側にロービーム発光部82が配置されている。中間部支持部30Eのロービーム発光部82が配置される部分には、車幅方向の幅が狭くされた薄肉部30hが形成されている。これにより、左右のロービーム発光部82,82の間隔を小さくでき、ヘッドライトユニット80のスリム化・コンパクト化を図ることができる。
トップブリッジ31と、ヒートシンク81と、左右のステー30,30(詳しくは、左右の中間部支持部30E,30E)とに囲まれた空間94が形成されている。この空間94内には、バーハンドル33から延びるブレーキケーブル、ブレーキホース、ワイヤーハーネスや、その他の箇所から延びるワイヤーハーネス等の可撓性を有する長尺部材92が通される。
また、ヒートシンク81の車幅方向外側にロービームを発するロービーム発光部82が配置され、ヒートシンク81の下方にハイビームを発するハイビーム発光部83が配置される。この構成によれば、ロービーム発光部82とハイビーム発光部83とをヒートシンク81の周囲に集中配置して、マスの集中化と配線の短縮化とを図ることができる。
また、トップブリッジ31、ヒートシンク81、左右一対のヘッドライトステー30,30に囲まれた空間94が形成され、この空間94内に可撓性を有するブレーキケーブル、ブレーキホース、クラッチケーブル、ワイヤーハーネス等の長尺部材92が通される。この構成によれば、空間94を有効利用することができる。
図5及び図6に示すように、ヘッドライトステー30の上部取付部30Cは、その下端に、トップブリッジ31の上面31aに当てられる段部30jが形成されている。段部30jには、上部取付部30Cを上下に貫通する前後一対の上部貫通穴30m,30nが開口している。上部貫通穴30m,30nは、ヘッドライトステー30をトップブリッジ31に締結するボルト(不図示)が挿入される。
上部取付部30Cの上端には、断面半円形の切欠き30vが形成され、ホルダ部材30Bの下端には、断面半円形の切欠き30wが形成されている。切欠き30vと切欠き30wとが合わせられて、車幅方向に延びる円形のハンドル挿通穴30xが形成される。ハンドル挿通穴30xにはバーハンドル33が挿入される。
ボトムブリッジ32の前面32aには、ボルト93がねじ結合されるねじ穴32bが形成されている。
中間部支持部30Eは、その上端部に、トップブリッジ31の前面31bに沿うように当接又は近接する後面30rが形成されている。
ヘッドライトユニット80のロービーム発光部82は、基板84、ロービーム用LED85、ハウジング86、リフレクタ87、レンズ88から構成される。
ヒートシンク81は、左右の側面81a,81aにそれぞれ凹部81bが形成され、凹部81bの底面81cに基板84が取付けられている。基板84にはロービーム用LED85が取付けられている。ヒートシンク81の前面81dには、複数の冷却フィン81eが設けられている。このように、ヒートシンク81の前面81dに冷却フィン81eを設けることで、走行風を冷却フィン81eに積極的に当ててヒートシンク81の冷却性能を高め、ロービーム用LED85をより一層冷却することができる。
ヒートシンク81の背面81fには、ビス95によってハーネス保持部材96が取付けられ、ハーネス保持部材96によって、基板84に接続されたワイヤーハーネス97が保持される。ワイヤーハーネス97は、前述の長尺部材92(図3参照)に含まれる。
ヘッドライトユニット80のハイビーム発光部83は、基板104、ハイビーム用LED105、ハウジング106、リフレクタ107、レンズ108から構成される。
ヒートシンク81は、下面81gに凹部81hが形成され、凹部81hの底面81jに基板104が取付けられている。基板104にはハイビーム用LED105が取付けられている。また、ヒートシンク81の下面81gには、ハウジング106が設けられ、ハウジング106内に、ハイビーム用LED105から発する光を車両前方に反射するリフレクタ107が配置されている。また、ハウジング106の前端部には、リフレクタ107で反射された光を前方に透過・屈折させるレンズ108が取付けられている。図中の矢印は、ハイビーム用LED105が発する光の進行方向を示している。
ロービーム用LED85及びハイビーム用LED105は、ヒートシンク81の後部に配置された光源である。リフレクタ87,107は、ロービーム用LED85及びハイビーム用LED105が発する光を車両前方に反射させる。レンズ88,108は、リフレクタ87,107の前方に配置されてロービーム用LED85及びハイビーム用LED105の光を透過させる。
この構成によれば、正面視においてロービーム用LED85及びハイビーム用LED105が見えないことから外観性が良い上、リフレクタ87,107によってロービーム用LED85及びハイビーム用LED105の光を車両前方に照射することが可能である。
左右のホルダ部材30B,30Bは、複数のボルト111でヘッドライトステー30のステー本体30A,30A(一方のステー本体30Aのみ図示)の上端部に締結されている。
また、左右のホルダ部材30B,30Bは、各後端部に軸支持部30sが形成され、軸支持部30sに軸挿入穴30tが開けられている。左右の軸挿入穴30t,30tには、揺動軸113が圧入され、揺動軸113にメーター91(詳しくは、メーター91の後端部91a)が揺動可能に支持されている。
メーター91は、左右のホルダ部材30B,30Bの間に嵌るように、一辺(上底)91bに対して一辺91bに対向する他辺(下底)91cが車両前方に位置する台形状に形成されている。
ヘッドライトステー30の上部取付部30Cには、上部貫通穴30m,30nが開けられ、ホルダ部材30Bには、ホルダ貫通穴30u,30uが開けられている。
上部貫通穴30mとホルダ貫通穴30uとは、第一貫通穴30yを構成する。また、上部貫通穴30nとホルダ貫通穴30uとは、第一貫通穴30zを構成する。第一貫通穴30y,30zには、それぞれボルト111が挿入される。そして、各ボルト111の先端部が、トップブリッジ31の上面31aに形成されたねじ穴31c,31dにねじ結合される。
メーター91は、揺動軸113にフリクション発生機構(不図示)を介して揺動可能に支持されている。フリクション発生機構は、揺動軸113とメーター91の軸受部との間に所定の大きさのフリクションを発生させ、メーター91を任意の角度位置で保持可能である。
ヒートシンク81は、トップブリッジ31とボトムブリッジ32との間に配置されるとともに、ヘッドライトユニット80の最前部に位置する。
また、ヒートシンク81をトップブリッジ31とボトムブリッジ32との間に配置することで、フロントフォーク12からのヒートシンク81の突出量が抑えられ、ハンドル操舵時の操舵力を軽減することができる。
この構成によれば、ヘッドライトステー30の上部及び下部をトップブリッジ31及びボトムブリッジ32で強固に支持できる。
例えば、図10に示したように、上側のホルダ部材30Bと、下側のステー本体30Aの上部とを、複数のボルト111によりトップブリッジ31に共締めしたが、これに限らず、上側のホルダ部材30Bと下側のステー本体30A、下側のステー本体30Aとトップブリッジ31を、それぞれ分けて締結する構造でも良い。
本発明は、自動二輪車10に適用する場合に限らず、自動二輪車10以外も含む鞍乗り型車両に適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含む。
12 フロントフォーク
30 ヘッドライトステー
30f ハンドルホルダ部
30m,30n 上部貫通穴(第一貫通穴)
30p 下部貫通穴(第二貫通穴)
31 トップブリッジ
32 ボトムブリッジ
33 バーハンドル(ハンドル)
80 ヘッドライトユニット
81 ヒートシンク
82 ロービーム発光部
83 ハイビーム発光部
85 ロービーム用LED(光源、LED)
87,107 リフレクタ
88,108 レンズ
92 長尺部材
93 ボルト(第二締結部材)
94 空間
105 ハイビーム用LED(光源、LED)
111 ボルト(第一締結部材)
Claims (7)
- 光源(85,105)を冷却するヒートシンク(81)を備えたヘッドライトユニット(80)が、フロントフォーク(12)の左右を連結するトップブリッジ(31)とボトムブリッジ(32)とを接続するステー(30)に設けられる鞍乗り型車両の車体前部構造において、
前記ヒートシンク(81)は、前記トップブリッジ(31)と前記ボトムブリッジ(32)との間に配置されるとともに、前記ヘッドライトユニット(80)の最前部に位置し、
前記ステー(30)は、左右一対設けられ、前記ヒートシンク(81)は、左右の前記ステー(30)の間に配置され、
前記ステー(30)の車幅方向外側に前記ヘッドライトユニット(80)の発光部(82)が配置されることを特徴とする鞍乗り型車両の車体前部構造。 - 前記発光部(82)は、左右一対設けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の車体前部構造。
- 前記発光部は、ロービームを発するロービーム発光部(82)であり、前記ヒートシンク(81)の下方に、前記ヘッドライトユニット(80)の発光部であってハイビームを発するハイビーム発光部(83)が配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両の車体前部構造。
- 左右一対の前記ステー(30)の上端部に、ハンドル(33)を支持するハンドルホルダ部(30f)が一体に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の車体前部構造。
- 前記ステー(30)は、その上端部に前記ハンドルホルダ部(30f)に上下方向に貫通するように開けられた第一貫通穴(30y,30z)と、下端部に前後方向に貫通するように開けられた第二貫通穴(30p)とを備え、前記ステー(30)は、上部が、前記第一貫通穴(30y,30z)に挿入される第一締結部材(111)にて前記トップブリッジ(31)と締結され、下部が、前記第二貫通穴(30p)に挿入される第二締結部材(93)にて前記ボトムブリッジ(32)と締結されることを特徴とする請求項4に記載の鞍乗り型車両の前方構造。
- 前記トップブリッジ(31)、前記ヒートシンク(81)、前記左右一対のステー(30)に囲まれた空間(94)が形成され、この空間(94)内に可撓性を有する長尺部材(92)が通されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の車体前部構造。
- 前記ステー(30)は、前記トップブリッジ(31)と前記ボトムブリッジ(32)との間に配置される中間支持部(30E)を備え、前記中間支持部(30E)は、車幅方向外側に前記ロービーム発光部(82)が配置されるとともに、車幅方向の幅が狭くされた薄肉部(30h)が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両の車体前部構造。
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