JP6533660B2 - ガラエキス含有液体調味料 - Google Patents

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Description

本発明は、家禽類のガラを使用したガラエキス含有液体調味料に関するものである。
なお、本発明における「ガラ」とは、鳥などの肉を取り除いた後の骨のことであり、一部の皮や肉と髄などを含むもののことである。
家禽類のガラは、そのものが喫食されることはなく、エキス抽出の原料として使用されるのが一般的である。
特に鶏ガラから作られるチキンエキスは、中華料理、ラーメンスープなど、幅広い料理に活用されており、そのコクや風味が消費者に好まれてきた。
様々な料理に使用されるチキンエキスではあるが、例外として和食に使用されることは少ないのが現状である。これは鶏ガラを使用したチキンエキスが持つ風味、特に生臭さが和食とそぐわないためであり、和食に合うくらいに生臭みが軽減したチキン系調味料の開発が望まれている。
このような要求の中、鶏ガラの抽出方法を工夫したり、原料である鶏ガラを加工するなど、種々の工夫がなされている。
その例を挙げると、異臭のないエキス製造方法として、水に浸した鶏ガラについて、2回加熱処理をする手法が従来提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、鶏ガラを200〜350℃という高温で10〜20分焼成することで、生臭みを軽減する手法が従来提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、鶏ガラからエキスを作るのではなく、鶏の胸肉から削り節を作る手法も提案されている。(例えば、特許文献3参照)
一方、喫食中に希釈を伴うような料理を調味する目的に使用される調味料、具体的には、麺類のつゆや、鍋つゆ類においては、麺類やその他の材料の水分に由来して、薄められてもその風味が維持され、食事終了まで満足度の高いものとして維持される事が求められている。
例えば、しょうゆ及びだしを含有する食品に「濃厚感」、「あつみ・こく」、「しまり」及び「後味の伸び」を付与する有効成分として、N−(1−メチル−4−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)アラニンなどのアミノ酸誘導体を含有させることが提案されている。(特許文献4参照)
しかしながら、上記特許文献1記載の技術を用いた場合、発生が抑制できるのは「アミノ酸分解物」由来の異臭のみであり、原料の鳥ガラが本来持つ生臭みを抑制するものではなかった。従って、出来上がったエキスは、一般的な鶏ガラエキスであり、和風調味料などの風味の薄い飲食品に適用される調味料原料として許容される食味ではなかった。
上記特許文献2記載の技術を用いた場合、一定量の生臭みは除去できるものの、比較的短時間の焼成時間であることもあり、「発酵系統臭のにおい」や「有機酸系のにおい」に改質するにとどまっており、本手法を用いてでき上がったエキスは、従来の鶏ガラエキスのにおいの範疇を越えるものではなかった。
特許文献3のように、鶏の胸肉を使用すれば、生臭みの問題はある程度解決できるが、特許文献3が目指しているのは「魚類の削り節に近似する極めて美味な風味の削り節を開発すること」であり、既存の魚節だしの範疇を越えるものではない。さらに、エキスの原料として考えた場合、鶏の胸肉は鶏ガラとは比較にならないほど原料価格が高価であることは、解決しがたい大きな課題である。
さらに、特許文献4に示すように、喫食中に適宜追加される原材料の水分に由来して調味液が薄められるような麺類、鍋類のような料理形態において、これを調味する調味料においては、「後味に伸び」を有することが求められているにも関わらず、当該特許技術に記載される有効性成分は、複雑な抽出工程を経て得られるものであり、経済的にも課題があり、これに代替する技術も見出されていない。
特開平8−242806号公報 特開2007−20562号公報 特許第3564084号 特開平9−121806号公報
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、味伸び効果が高く、かつ、和食をはじめとする風味の薄い料理に合うくらいに生臭みがなく風味に優れた、ガラエキス含有液体調味料を提供することを目的とするものである。
即ち、和食をはじめとする風味の薄い料理にも合い、これまでにない風味のチキン系エキスを含有する調味料を開発することであり、安価な鶏ガラを主原料としているにもかかわらず、鶏ガラ特有の生臭みを有さない、かつ、味伸び効果の高いチキン系エキスを含有する調味料を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、味伸び効果が高く、かつ、和食をはじめとする風味の薄い料理に合うくらいに生臭みがなく、かつ、ボディ感を有する、とろみやなめらかさを伴ったボリューム感、これによって生じる味わいが豊かな、風味の良いガラエキスが得られる、ガラエキスの製造方法を提供することを目的とするものである。
そこで、上記課題を解決すべく、本願発明者らは鋭意研究を重ねた。
その結果、本願発明者らは、家禽類のガラを原料として、これを燻煙材を用いて焙乾処理することにより、従来問題となっていた鶏ガラ由来の臭みが改善されるだけでなく、好ましい香ばしさ、燻煙臭が付与され、かつ、ボディ感を有する、とろみやなめらかさを伴ったボリューム感、これによって生じる味わいが豊かな、風味に優れたガラエキスとできることを見出し、さらには、これらガラエキスを、つゆをはじめとする液体調味料に適用することで、味伸び効果の高い優れた液体調味料とできることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の(1)から()に関する。
(1)家禽類のガラを原料とするガラエキスを含有する液体調味料であって、前記ガラエキスは下記工程(a)、(b)、(c)及び(d)を含む方法により得られたものであり、かつ、下記(i)、(ii)及び(iii)の特徴を有するガラエキス含有液体調味料
(a)前記ガラ原料を180〜330℃、かつ、30〜60分の条件で焼成処理する工程;
(b)前記焼成処理後の前記ガラ原料を、燻煙材を用いて、30〜150℃、かつ、30〜600分の条件で焙乾処理する工程;
(c)前記焙乾処理後の前記ガラ原料を抽出処理する工程;
(d)前記抽出処理の後に得られた抽出物についてプロテアーゼ処理を行う工程;
(i)pHが4.0以上、8.0以下である特徴;
(ii)塩分濃度(A)と全窒素濃度(B)との比率(A/B;質量比)が6.52以上、1000以下である特徴;
(iii)前記ガラエキスをブリックス30.0濃縮品換算で、0.05質量%以上、5.0質量%以下含有する特徴

(2)前記燻煙材が、サクラ、ナラ、ブナ及びピートから選ばれる少なくとも一つの樹木の木材である、前記(1)に記載のガラエキス含有液体調味料。

(3)醤油及び砂糖を含有するつゆ類である、前記(1)又は(2)に記載のガラエキス含有液体調味料。

(4)前記プロテアーゼ処理が、前記ガラ原料を含む前記抽出物について行われる、前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のガラエキス含有液体調味料。

5)家禽類のガラを原料として、下記工程(a)、(b’)、(c)及び(d)を含む方法によりガラエキスを製造し、得られたガラエキスを用いて液体調味料を製造することを特徴とし、かつ、得られたガラエキス含有液体調味料が下記(i)、(ii)及び(iii)の特徴を有するものである、ガラエキス含有液体調味料の製造方法
(a)前記ガラ原料を180〜330℃、かつ、30〜60分の条件で焼成処理する工程;
(b’)前記焼成処理後の前記ガラ原料を、サクラ、ナラ、クルミ、リンゴ、ブナ、ヒッコリー、ホワイトオーク、ピート、カエデ、メスキート、ペカン、カシ、クヌギ及びハンノキから選ばれる少なくとも一つの樹木の木材からなる燻煙材を用いて、30〜150℃、かつ、30〜600分の条件で焙乾処理する工程;
(c)前記焙乾処理後の前記ガラ原料を抽出処理する工程;
(d)前記抽出処理の後に得られた抽出物についてプロテアーゼ処理を行う工程;
(i)pHが4.0以上、8.0以下である特徴;
(ii)塩分濃度(A)と全窒素濃度(B)との比率(A/B;質量比)が6.52以上、1000以下である特徴;
(iii)前記ガラエキスをブリックス30.0濃縮品換算で、0.05質量%以上、5.0質量%以下含有する特徴

(6)前記(5)に記載のガラエキス含有液体調味料の製造方法であって、
醤油及び砂糖を添加する工程を含み、かつ、
前記ガラエキス含有液体調味料がつゆ類である、ガラエキス含有液体調味料の製造方法


(7)前記プロテアーゼ処理が、前記ガラ原料を含む前記抽出物について行われる、前記(5)又は(6)に記載のガラエキス含有液体調味料の製造方法。
本発明によれば、味伸び効果が高く、かつ、和食をはじめとする風味の薄い料理に合うくらいに生臭みがなく風味に優れたガラエキス含有液体調味料が提供され、また、味伸び効果が高く、かつ、和食をはじめとする風味の薄い料理に合うくらいに生臭みがなく、かつ、ボディ感を有する、とろみやなめらかさを伴ったボリューム感、これによって生じる味わいが豊かな、風味の良いガラエキスが得られるガラエキスの製造方法が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は第1に、家禽類のガラを原料とするガラエキスを含有する液体調味料であって、前記ガラエキスは、燻煙材を用いて前記ガラ原料を焙乾処理した後、抽出処理することにより得られたものである、ことを特徴とするガラエキス含有液体調味料に関する。
本発明の第1は、家禽類のガラを利用し、これを燻煙材を用いて焙乾処理した後、抽出処理することにより得られたガラエキス、を含有する液体調味料を提供するものである。
従って、以下、このガラエキスを得る方法を交えながら、本発明の第1のガラエキス含有液体調味料について説明することとする。
本発明の第1のガラエキス含有液体調味料は、家禽類のガラを原料として得られたガラエキスを含有する液体調味料である。
ここで家禽類のガラは、一般的に食用として活用される家禽類(例えば、鶏、鴨、家鴨、鶉、七面鳥など)由来のものであれば、特に限定されるものではない。
和食をはじめとする風味の薄い飲食品及びこれに適用する液体調味料とする場合には、ガラ原料としては、鶏ガラ、鴨ガラ、及び合鴨ガラから選ばれる少なくとも一つのものを用いることが好ましい。これらの中でも、コストあたりの品質ならびに原料の入手しやすさの観点から、鶏ガラを用いる事が特に好ましい。鶏ガラを採取する鶏としては、生後50日程度の若鶏を用いる事が好ましい。
前記家禽類のガラ部位は特に限定されるものではないが、脂肪含量の低い脚部を用いる事が特に好ましい。
従って、前記家禽類のガラ原料としては、鶏ガラであり、かつ、鶏の脚部を含むものが特に好ましい。
前記したように、本発明におけるガラとは、鳥などの肉を取り除いた後の骨のことであり、一部の皮や肉と髄などを含むもののことである。
本発明における焙乾処理とは、燻煙材を用いて、燻しながら乾燥させる処理のことをいい、節類を製造する際に適用される手法であるが、本発明においては、この手法に準じて焙乾処理を行う。
本発明においては、家禽類のガラを原料として、これを燻煙材を用いて焙乾処理することにより、鶏ガラ由来の臭みが改善されるだけでなく、好ましい香ばしさ、燻煙臭が付与された風味に優れたガラエキスを得ることができる。
本発明において用いる燻煙材としては、節類を製造する際に用いられる燻煙材を用いることができるが、特にサクラ、ナラ、クルミ、リンゴ、ブナ、ヒッコリー、ホワイトオーク、ピート、カエデ、メスキート、ペカン、カシ、クヌギ及びハンノキから選ばれる少なくとも一つの樹木の木材を用いる事が好ましい。
特に風味の薄い飲食品及びこれに適用する液体調味料とする場合には、それら飲食品の風味を毀損しないような燻煙臭や香ばしさが得られる木材という観点から、ナラ材、ブナ材のチップを用いる事が特に好ましい。特に、もっとも風味に優れたものとなることから、ナラ材のチップを用いる事がとりわけ好ましい。
チップ材の大きさには、ザラメ状の大きさのものから、一片が5mm〜10mm程度のものまで、また、これらを固めたスモークウッドなど、各種のものがあり、本発明においては、チップ材の大きさとしては特に限定されるものではない。一度に大量の煙を発生させ短時間で処理する場合は細かいほうが適しており、少量の煙で長時間処理する場合は大き目のほうが好ましい。スモークウッドは、燻煙作業の準備や管理が容易であるという長所を持つ。しかしながら、細かいチップは、燃え尽きるのが速いためこまめな継ぎ足しが必要であり、大きいチップは、燻煙臭の付与強度と所要時間の点で効率が悪い。また、スモークウッドは、木材の種類のブレンドができない点で難がある。さらに、小枝や薪をそのまま利用することもできるが、品質の制御が難しい。従って、目的とする燻煙臭の質、強さ及び処理時間の都合により適宜選択すればよいが、一片が2mm〜8mm程度の大きさのチップを用いることが特に好ましい。
また、本焙乾処理を行う焙乾室、いわゆるスモークハウスは、前記焙乾処理の目的を成しえるものであれば特に限定されるものではないが、連続燻煙できる外部燃焼式、燻煙を効率的に付与できる燻煙滞留式、燻煙循環式、原料を混合できるドラム式、温度制御が容易なフリクション式の燻製機などを採用することが特に好ましい。
このようなスモークハウスに家禽類のガラを入れ、上記した燻煙材を用いて、燻しながら乾燥させる。
焙乾処理の時間としては、5〜600分の範囲にて行われる事が好ましい。より好ましくは30〜600分の範囲であり、さらに好ましくは60〜600分の範囲であり、特に好ましくは60〜240分の範囲であり、一層好ましくは60〜180分の範囲である。焙乾処理の時間が5分よりも短すぎると十分な風味の付与が行われず、生臭みが目立ち、ボディ感の弱いガラエキスとなるため好ましくない。また、焙乾処理の時間が600分よりも長い場合、不快な焦げ臭が目立つ要因となったり、それ以上の好ましい風味の付与に繋がらず、経済的にも不利となるため好ましくない。
また、本発明における焙乾処理温度は、30〜150℃の温度にて行われる事が好ましい。より好ましくは80〜150℃の温度であり、特には120〜150℃の範囲である。この温度帯とすることで、香ばしさと燻煙臭のバランスが好適と成り、鶏ガラ由来の生臭みも解消され、かつ、ボディ感を有する、とろみやなめらかさを伴ったボリューム感、これによって生じる味わいが豊かな、優れた風味となる点で好ましい。焙乾処理の温度が低すぎると、生臭み、ボディ感の観点で十分な改善が認められない。また、焙乾処理の温度が高すぎると、原料となるガラの一部に焦げなどが生じ、不快な焦げ感が付与されるため、好ましくない。
ガラエキスを製造するにあたっては、請求項7に記載したように、家禽類のガラを原料とし、サクラ、ナラ、クルミ、リンゴ、ブナ、ヒッコリー、ホワイトオーク、ピート、カエデ、メスキート、ペカン、カシ、クヌギ及びハンノキから選ばれる少なくとも一つの樹木の木材からなる燻煙材を用い、処理時間が5〜600分の範囲で、かつ、処理温度が30〜150℃の範囲で、前記ガラ原料を焙乾処理した後、抽出処理する、ことが好ましい。
特に、焙乾処理の時間としては、より好ましくは30〜600分の範囲であり、さらに好ましくは60〜600分の範囲であり、特に好ましくは60〜240分の範囲であり、一層好ましくは60〜180分の範囲である。
また、焙乾処理温度は、より好ましくは80〜150℃の温度であり、特には120〜150℃の範囲である。
なお、ガラエキスを得るにあたっては、前記焙乾処理工程の前工程として、焼成工程(炙り焼き工程)を採用したものであることが好ましい。
この焼成工程は、ガラ原料を、直火処理、熱風処理、過熱水蒸気処理、マイクロ波加熱処理から選択される加熱方法によって炙り焼くことをいい、焙乾工程において付与される、好ましい香ばしさのベースアップを図ることができるため好ましい。
この焼成工程を前記焙乾処理工程の前工程として行うことにより、焼成工程を行わない場合と同等の条件で前記焙乾処理工程を行った場合には、燻煙臭や香ばしさに一層優れ、しかも生臭みがより少なく、かつ、ボディ感を有する、とろみやなめらかさを伴ったボリューム感、これによって生じる味わいが豊かな、風味の良いガラエキスが得られる。
また、この焼成工程を前記焙乾処理工程の前工程として行うことにより、前記焙乾処理工程において燻煙臭や香ばしさ、ボディ感を効率良く付けられることから、前記焙乾処理工程の時間を短縮することが可能であるばかりか、焼成工程と前記焙乾処理工程を合わせての処理時間をも短縮することが可能であり、このような場合にも、同等の燻煙臭や香ばしさ、ボディ感を有する、風味の良いガラエキスが得られ、効率的である。
具体的には、この焼成工程を行わない場合に、例えば、110℃で「120分間」焙乾処理を行っていたとすると、焼成工程を300℃で45分間行った後に、110℃で60分間の焙乾処理を行うことにより、「合計105分間」という処理時間にて、同等の燻煙臭や香ばしさやボディ感を有する、風味の良いガラエキスが得られる。
次工程である焙乾処理工程において、燻煙臭や香ばしさを効率良く付けるという観点から、前記焼成工程における焼成法としては、直火処理または熱風処理を選択することが望ましい。
前処理工程としての焼成工程は、100℃以上、かつ、15分以上の条件で行われ、100〜350℃の温度にて、30〜180分程度の範囲で行われることが好ましく、とりわけ180〜330℃の温度にて、30〜60分程度の範囲で行われることがより好ましい。
上記のようにして、必要により前処理工程として焼成工程を行い、燻煙材を用いて前記ガラ原料を焙乾処理した後、「抽出処理」することにより、ガラエキスを製造することができる。
この「抽出処理」は、焙乾処理した後のガラ原料を、液体と接触させることにより行うことができ、特に液体に浸漬し、その風味を抽出することが好ましい。
抽出処理に用いる液体は、水系の溶媒であることが好ましく、特にその成分の90%以上が水である水溶液を用いる事が好ましい。防腐の観点から、この液体には、適宜、アルコールや有機酸類、食塩、砂糖、麹、糖類、デキストリンなどを添加してよい。
鶏ガラに由来する脂肪分は、エキスならびにこれを添加する飲食品の風味を損なう要因にもなりうるため、これを液相に抽出しにくい液体を選択することが好ましい。従って、抽出処理に用いる液体としては、熱水を選択することが好ましい。熱水は、水系の呈味成分を効果的に抽出でき、油成分の抽出を最小限にとどめる事ができるため、好ましい。
抽出処理用の液体として熱水を選択する場合、焙乾処理されたガラエキス1質量部あたり、1.5〜10質量部、特に2〜7質量部の割合で熱水を使用する事が好ましい。
また、熱水の温度は、90℃以上であればよいが、好ましくは90〜100℃、より好ましくは94〜98℃である。抽出時間は、3時間以上であればよいが、好ましくは3〜24時間、より好ましくは4〜16時間である。
以上のようにして、粗ガラエキスを得ることができるが、さらに粗濾過、遠心分離を経て、不溶物の除去、油相の除去を行い、水相を回収することにより、精製されたガラエキスを得ることができる。
このようにして、和食をはじめとする風味の薄い料理に合うくらいに生臭みがなく、かつ、ボディ感を有する、とろみやなめらかさを伴ったボリューム感、これによって生じる味わいが豊かな、風味の良いガラエキスが得られる。
得られたガラエキスは、防腐性を高める目的で、乃至は流通コストを抑制する目的で、濃縮処理、粉末化処理を行っても良い。
濃縮処理を行う場合は、減圧濃縮、常圧加熱濃縮、膜濃縮、凍結濃縮などの方法が採用できる。
また、粉末化処理は、スプレードライ、フリーズドライ、ドラムドライ、真空乾燥、常圧気流乾燥などの方法が採用でき、賦形剤としては、一般に利用されるデキストリン、可溶性でん粉、オリゴ糖やラクトースなどの各種糖類などを適宜採用すれば良い。
さらに、必要に応じて、加塩したり、プロテアーゼ処理を行うこともできる。
本発明においては、特にプロテアーゼ処理を行ったものが好ましい。
このプロテアーゼ処理は、前記抽出処理の前及び/又は後において行われる。
即ち、プロテアーゼ処理は、前記抽出処理の前又は後に、或いは、前記抽出処理の前後において行われる。このプロテアーゼ処理は、前記抽出処理の前後において行われることが好ましい。また、このプロテアーゼ処理は、前記精製処理前に行っておくことが好ましい。
プロテアーゼ処理に用いられるプロテアーゼとしては、エンド型プロテアーゼが好ましい。エンド型プロテアーゼとしては、例えば、プロテアーゼアマノG(天野エンザイム製)、コクラーゼP(三菱化学フーズ製)、プロテアーゼA「アマノ」SD(天野エンザイム製)、モルシンF(キッコーマン製)、ニューラーゼF(天野エンザイム製)、ウマミザイムG(天野エンザイム製)、プロテアーゼN(天野エンザイム製)、ニュートラーゼ、プロタメックス(ノボノルディスクバイオインダストリー社製)、オリエンターゼ10NL(エイチビィアイ社製)、スミチームFP(新日本化学工業社製)、オリエンターゼONS(エイチビィアイ社製)、アクチナーゼAS(科研ファルマ社製)などを挙げることができる。
プロテアーゼ処理を行った後、加熱処理してプロテアーゼを失活させるが、このときの温度は、85〜95℃、好ましくは87〜92℃であり、加熱時間は、5〜60分間、好ましくは7〜30分間である。
このプロテアーゼ処理を行うことにより、特に前記抽出処理の前後において行うことにより、原料組織の分解が進み、成分が抽出されやすい状態となり、エキス分が濃く、燻煙臭や香ばしさが強く、生臭みがなく、かつ、ボディ感を有する、とろみやなめらかさを伴ったボリューム感、これによって生じる味わいが豊かな、一層風味の良いガラエキスが得られる。
このようにして、ガラエキスを製造することができる。製造されたガラエキスは、適当な容器に充填し、製品とされる。
このようにして製造されたガラエキスは、液体調味料に適用され、ガラエキスを含有するガラエキス含有液体調味料が得られる。
このようにして得られたガラエキスを含有する液体調味料が、本発明の第1のガラエキス含有液体調味料である。
本発明の第1のガラエキス含有液体調味料は、pHが3.0以上、9.0以下であり、かつ、塩分濃度(A)と全窒素濃度(B)との比率(A/B;質量比)が0.02以上、2000以下であることが好ましく、とりわけpHが4.0以上、8.0以下であり、かつ、塩分濃度(A)と全窒素濃度(B)との比率(A/B;質量比)が1.25以上、1000以下であることがより好ましい。塩分濃度(A)と全窒素濃度(B)との比率(A/B)は、6.52以上、1000以下であることが一層好ましい。
pHが上記範囲外であったり、塩分濃度(A)と全窒素濃度(B)との比率(A/B;質量比)が上記範囲外であったりすると、味伸び効果が高く、かつ、和食をはじめとする風味の薄い料理に合うくらいに生臭みがなく風味に優れたガラエキス含有液体調味料とすることはできない。
また、本発明の第1のガラエキス含有液体調味料は、前記ガラエキスを、ブリックス(Bx)30.0濃縮品換算で、0.01質量%以上、20.0質量%以下、好ましくは0.025質量%以上、10.0質量%以下含有するものである。この範囲外であると、味伸び効果が高く、かつ、和食をはじめとする風味の薄い料理に合うくらいに生臭みがなく風味に優れたガラエキス含有液体調味料とすることはできない。
本発明の第1のガラエキス含有液体調味料においては、液体調味料成分に対して、前記ガラエキスが上記のような範囲となるように含有されることが好ましい。
液体調味料成分としては、一義的に定めることは困難であるが、油、糖類(砂糖、果糖ぶどう糖液糖、黒糖液など)、食塩、旨味調味料(グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウムなど)、醸造酢、みりん、アミノ酸類、エキス類(かつおエキス、昆布エキスなど)、だし類、香辛料、有機酸類等を用いることができる。
上記のようにして製造されたガラエキスは、和食をはじめとする風味の薄い料理に合うくらいに生臭みがなく風味の良いものであることから、これを「だし類」として用いることで、和食をはじめとする風味の薄い料理にも合い、これまでにない風味を有する、ガラエキス含有液体調味料を提供することができる。ここで、「だし類」とは、うま味成分を含む液体調味料を意味しており、これまで一般に和食には、鰹だし、昆布だしなどの「だし類」が用いられている。
本発明の第1においては、上記のようにして製造されたガラエキスを、鰹だし、昆布だしなどの代わりに「だし類」として用いて、或いは、必要に応じて、鰹だし、昆布だしなどと共に「だし類」として用いて、ガラエキスを含有する「つゆ類」とすることができる。ここで「つゆ類」は、「だし類」と、醤油と砂糖・味醂などから作られる「かえし」と、から作られる液体調味料である。
本発明のガラエキス含有液体調味料を、特に、麺類及びこれを調味するためのつゆ、もしくは鍋物及びこれを調味するための鍋つゆといった「つゆ類」に適用する場合、優れた味伸び効果を発揮できる点で好ましい。
鍋物は、喫食者がその好みに応じて、食事中に野菜や魚介類、肉類を順次加えながら煮ることにより調理されるが、材料の投入に伴い、調味液(鍋つゆ)は、材料の水分に起因して順次希釈される。味伸び効果の弱いつゆは、次第に満足感が失われ、新たにつゆを添加するなどして、途中で再度味付けを行わなければならない場合がある。
本発明のガラエキス含有液体調味料を「つゆ類」に適用することで、このような場面において、満足感が維持され、再調理が不要となる点で好ましい。
以下に、本発明を実施例等により説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、本実施例において特に指定がない場合は、「鶏ガラ原料」とは「脚部鶏ガラ原料」を意味する。
<評価方法>
エキスの評価は、N=5名にて官能評価を実施した。
なお、各評価項目は、次の基準により判断・評価した。5名の平均点を示す。
また、評価項目以外に、当初には想定されなかった風味特徴の違いが認められたため、「特徴的な風合い」の項を設け、これを表記した。
「生臭みの改善度合い」について
1:改善効果が認められない。
2:改善の効果がやや認められる。
3:改善の効果が認められる。
4:顕著な改善効果が認められる。
「香ばしさ」について
1:好ましくない。
2:やや好ましい。
3:好ましい。
4;非常に好ましい。
「燻煙臭」について
1:好ましくない。
2:やや好ましい。
3:好ましい。
4;非常に好ましい。
(A)焙乾処理工程の有無による効果の違いの確認試験(実施例1及び比較対照例1〜2)
実施例1では、以下の工程で、鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表1に示す。
(1)燻煙材としてナラチップを使用し、鶏ガラ原料(脚部鶏ガラ原料)10kgを120℃にて60分間焙乾処理した後、焙乾処理後の鶏ガラ原料に対して、質量比2.5倍量である25kgの熱水(温度:約97℃)中にて5時間抽出した。焙乾処理には、株式会社大道産業のSUB−400を使用した。
(2)得られた抽出物について、ろ過および遠心分離機を用いて、油相、鶏ガラ原料(鶏ガラ残渣)を除去し、水相を回収し、精製鶏ガラエキスとした。
得られた精製鶏ガラエキス(以下、これを単に「鶏ガラエキス」と称することがある。)について、「生臭みの改善度合い」、「香ばしさ」、「燻煙臭」を評価した。また、当初の想定外に認められた、それ以外の「特徴的な風合い」についての結果を合わせて表1に示す。
一方、比較対照例1として、実施例1の(1)の工程の代わりに、鶏ガラ原料10kgを60℃の熱水中にて30分間茹でた後、ガラ原料に対して、質量比2.5倍量である25kgの熱水(温度:約97℃)中にて5時間抽出する工程を行ったこと以外は、実施例1と同様にして鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表1に示す。
また、比較対照例2として、実施例1の(1)の工程の代わりに、鶏ガラ原料10kgを300℃にて45分間焼成処理した後、ガラ原料に対して、質量比2.5倍量である25kgの熱水(温度:約97℃)中にて5時間抽出する工程を行ったこと以外は、実施例1と同様にして鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006533660
表1によれば、鶏ガラを焙乾処理した後、抽出処理することにより、香ばしさ、燻煙臭が強く、かつ、生臭みのない風味の良い鶏ガラエキスが得られることが分かる。
また、当初はまったく想定していなかったが、鶏ガラエキスの製法によっては、鶏ガラエキスに「ボディ感」が付与される場合のあることを見出した。
「ボディ感」とは、鶏ガラエキスを口腔中に含んだ際に感知される、食感や喉ごしに似た、とろみやなめらかさを伴ったボリューム感、これによって生じる味わいの豊かさを指すものであり、逆にこれがないと「水っぽい」と表現される、鶏ガラエキスの風合いである。
一方で、和食をはじめとする風味の薄い料理に適する液体調味料は、一部の香味が突出したり、刺激があったりすることは品質上不適であり、全体の風味のまとまりや、薄くても強い風味を有する品質が求められる。
そのため、これらの効果を奏する成分の含有は、液体調味料の品質向上の点で有効であり、「ボディ感」を感じさせる、とろみやなめらかさを有する成分の多少は、その効果作用を評価する上で重要であると考えられた。
そこで、液体調味料の風味のまとまりや、味の厚さを付与するという意義において、鶏ガラエキスの上記「ボディ感」を、鶏ガラエキス製造方法の条件検討における有用な指標と捉え、以降は鶏ガラエキスの評価項目に「ボディ感」を追加し、評価することとした。
(B)各種燻煙材を用いた試験(実施例1及び実施例2〜3)
実施例1は、上記したとおりのものであり、燻煙材としては、ナラチップを用いたものである。
実施例2としては、実施例1において、燻煙材として、ナラチップの代わりに、畜肉類の燻煙に主に使用されるサクラチップを使用したこと以外は、実施例1と同様にして鶏ガラエキスを製造し、評価した。尚、実施例1の知見から、評価項目として「ボディ感」を追加した。評価は、次の基準により判断・評価した。5名の平均点を示す。結果を表2に示す。
「ボディ感」について
1:感じられない(水っぽい)。
2:やや感じられる。
3:感じられる。
4;明らかに感じられる。
実施例3としては、実施例1において、燻煙材として、ナラチップに加えてピートチップを併せて使用したこと以外は、実施例1と同様にして鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006533660

表2によれば、ナラチップを用いた場合だけでなく、サクラチップを用いた場合も、ナラチップとピートチップを用いた場合にも、香ばしさ、燻煙臭が強く、生臭みのない、かつ、ボディ感を有する、とろみやなめらかさを伴ったボリューム感、これによって生じる味わいが豊かな、風味の良い鶏ガラエキスが得られることが分かる。
(C)焙乾処理時間による効果の違いの確認試験(実施例4〜7及び実施例1)
実施例4では、以下の工程で、鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表3に示す。
(1)燻煙材としてナラチップを使用し、鶏ガラ原料10kgを120℃にて5分間焙乾処理した後、焙乾処理後のガラ原料に対して、質量比2.5倍量である25kgの熱水(温度:約97℃)中にて5時間抽出した。焙乾処理には、株式会社ユニフレームのフォールディングスモーカーFS−600を使用した。
(2)得られた抽出物について、ろ紙ろ過を用いて、油相、鶏ガラ原料(鶏ガラ残渣)を除去し、水相を回収し、精製鶏ガラエキスとした。
得られた精製鶏ガラエキスについて、「生臭みの改善度合い」、「香ばしさ」、「燻煙臭」、「ボディ感」を評価した。結果を表3に示す。
実施例5としては、実施例4において、焙乾処理時間を5分間から、30分間に変えたこと以外は、実施例4と同様にして鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表3に示す。
実施例6としては、実施例4において、焙乾処理時間を5分間から、180分間に変えたこと以外は、実施例4と同様にして鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表3に示す。
実施例7としては、実施例4において、焙乾処理時間を5分間から、600分間に変えたこと以外は、実施例4と同様にして鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表3に示す。
実施例1は、前記したとおりのものであり、焙乾処理時間としては、60分間である。結果を併せて表3に示す。
Figure 0006533660

表3によれば、焙乾処理時間を5分間から600分間の範囲とすることにより、評点が少なくとも2点以上と香ばしさ、燻煙臭が認められ、しかも生臭みの改善度合い、ボディ感についても、評点が少なくとも2点以上と、風味の良い鶏ガラエキスが得られることが分かる。
(D)焙乾処理温度による効果の違いの確認試験(実施例8〜10及び実施例1)
実施例8では、以下の工程で、鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表4に示す。
(1)燻煙材としてナラチップを使用し、鶏ガラ原料10kgを30℃にて60分間焙乾処理した後、焙乾処理後の鶏ガラ原料に対して、質量比2.5倍量である25kgの熱水(温度:約97℃)中にて5時間抽出した。焙乾処理には、株式会社ユニフレームのフォールディングスモーカーFS−600を使用した。
(2)得られた抽出物について、ろ紙ろ過を用いて、油相、鶏ガラ原料(鶏ガラ残渣)を除去し、水相を回収し、精製鶏ガラエキスとした。
得られた精製鶏ガラエキスについて、「生臭みの改善度合い」、「香ばしさ」、「燻煙臭」、ボディ感を評価した。結果を表4に示す。
実施例9としては、実施例8において、焙乾処理温度を30℃から、80℃に変えたこと以外は、実施例8と同様にして鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表4に示す。
実施例10としては、実施例8において、焙乾処理温度を30℃から、150℃に変えたこと以外は、実施例8と同様にして鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表4に示す。
実施例1は、前記したとおりのものであり、焙乾処理温度としては、120℃である。結果を併せて表4に示す。
Figure 0006533660

表4によれば、焙乾処理温度を30℃から150℃の範囲とすることにより、評点が少なくとも2点以上と香ばしさ、燻煙臭が認められ、しかも生臭みの改善度合い、ボディ感についても、評点が少なくとも2.2点以上と、風味の良い鶏ガラエキスが得られることが分かる。
(E)原料鶏ガラの部位による効果の違いの確認試験(実施例11〜12及び実施例1)
実施例11では、以下の工程で、鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表5に示す。
(1)燻煙材としてナラチップを使用し、胴部鶏ガラ原料10kgを120℃にて60分間焙乾処理した後、焙乾処理後の鶏ガラ原料に対して、質量比2.5倍量である25kgの熱水(温度:約97℃)中にて5時間抽出した。焙乾処理には、株式会社ユニフレームのフォールディングスモーカーFS−600を使用した。
(2)得られた抽出物について、ろ紙ろ過を用いて、油相、鶏ガラ原料(鶏ガラ残渣)を除去し、水相を回収し、精製鶏ガラエキスとした。
得られた精製鶏ガラエキスについて、「生臭みの改善度合い」、「香ばしさ」、「燻煙臭」、「ボディ感」を評価した。結果を表5に示す。
実施例12としては、実施例11において、胴部鶏ガラ原料を腰部鶏ガラ原料に変えたこと以外は、実施例11と同様にして鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表5に示す。
実施例1は、前記したとおりのものであり、鶏ガラ原料としては、脚部鶏ガラ原料を用いている。結果を併せて表5に示す。
Figure 0006533660

表5によれば、原料鶏ガラの部位としては、胴部、腰部、脚部のいずれも優れていることが分かるが、総合的にみると、特に脂肪含量の低い脚部鶏ガラが最も好ましいことが理解される。
(F)前処理の有無による効果の違いの確認試験(実施例13及び実施例1)
実施例13では、以下の工程で、鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表6に示す。
(1)焙乾処理の前処理(前工程)として、株式会社ワールド精機のガス式ロータリーラックオーブンRTD−2を使用して、300℃にて45分間焼成処理した後、燻煙材としてナラチップを使用し、鶏ガラ原料(脚部鶏ガラ原料)10kgを120℃にて60分間焙乾処理した後、焙乾処理後の鶏ガラ原料に対して、質量比2.5倍量である25kgの熱水(温度:約97℃)中にて5時間抽出した。焙乾処理には、株式会社ユニフレームのフォールディングスモーカーFS−600を使用した。
(2)得られた抽出物について、ろ紙ろ過を用いて、油相、鶏ガラ原料(鶏ガラ残渣)を除去し、水相を回収し、精製鶏ガラエキスとした。
得られた精製鶏ガラエキスについて、「生臭みの改善度合い」、「香ばしさ」、「燻煙臭」、「ボディ感」を評価した。結果を実施例1の結果と共に、表6に示す。
Figure 0006533660

表6によれば、焙乾処理の前処理として焼成処理を行うことにより、香ばしさ、燻煙臭に一層優れ、しかも生臭みの改善度合いについても、評点が少なくとも3.8点以上と、風味に優れた鶏ガラエキスが得られることが分かる。また、焙乾処理の前処理に焼成処理を行うと、とろみやなめらかさを伴ったボリューム感、これによって生じる味わいの豊かさの程度が、格段に優れたものとなることが分かる。
(G)プロテアーゼ処理の有無・時期による効果の違いの確認試験(実施例14〜21)
実施例14では、以下の工程で、鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表7に示す。
(1)焙乾処理の前処理として、株式会社ワールド精機のガス式ロータリーラックオーブンRTD−2を使用して、300℃にて45分間焼成処理した後、燻煙材としてナラチップを使用し、鶏ガラ原料(脚部鶏ガラ原料)700gを110℃にて60分間焙乾処理した後、焙乾処理後の鶏ガラ原料700gに対して、質量比約4.58倍量である3211gの熱水(温度:約97℃)中にて14時間抽出した。焙乾処理には、株式会社大道産業のSUB−400を使用した。
得られた抽出物について、鶏ガラ原料(700g)に対して0.2質量%に当たる1.40gのエンド型プロテアーゼ(プロテアーゼアマノG、天野エンザイム製)を用いて、酵素処理(後酵素処理)を50℃にて1時間行った。
抽出物について酵素処理(後酵素処理)を施した後、酵素処理(後酵素処理)の施された抽出物について、90℃にて10分間の酵素失活処理を行った。
(2)酵素処理(後酵素処理)と酵素失活処理とを施された抽出物について、ろ紙ろ過を用いて、油相、鶏ガラ原料(鶏ガラ残渣)を除去し、水相を回収し、精製鶏ガラエキスとした。

得られた精製鶏ガラエキスについて、「生臭みの改善度合い」、「香ばしさ」、「燻煙臭」、「ボディ感」を評価した。また、成分値を測定した。結果を表7に示す。
実施例15としては、実施例14において、熱水抽出を施す前にも、同量のエンド型プロテアーゼを用いて、酵素処理(前酵素処理)を50℃にて1時間行ったこと以外は、実施例14と同様にして鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表7に示す。
実施例16としては、実施例15において、同量のエンド型プロテアーゼを用いての熱水抽出を施す前の酵素処理(前酵素処理)を50℃にて3時間行ったこと以外は、実施例15と同様にして鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表7に示す。
実施例17としては、実施例14において、酵素処理及び酵素失活処理を行わなかったこと以外は、実施例14と同様にして鶏ガラエキスを製造し、評価した。結果を表7に示す。
実施例18としては、実施例14において、熱水抽出を熱水(温度:約97℃)中にて5時間行ったこと以外は、実施例14と同様にして鶏ガラエキスを製造し、「生臭みの改善度合い」、「香ばしさ」、「燻煙臭」、「ボディ感」を評価した。結果を表8に示す。
実施例19としては、実施例18において、熱水抽出を施す前にも、同量のエンド型プロテアーゼを用いて、酵素処理(前酵素処理)を50℃にて1時間行ったこと以外は、実施例18と同様にして鶏ガラエキスを製造し、「生臭みの改善度合い」、「香ばしさ」、「燻煙臭」、「ボディ感」を評価した。結果を表8に示す。
実施例20としては、実施例19において、同量のエンド型プロテアーゼを用いての熱水抽出を施す前の酵素処理(前酵素処理)を50℃にて3時間行ったこと以外は、実施例19と同様にして鶏ガラエキスを製造し、「生臭みの改善度合い」、「香ばしさ」、「燻煙臭」、「ボディ感」を評価した。結果を表8に示す。
実施例21としては、実施例18において、酵素処理及び酵素失活処理を行わなかったこと以外は、実施例18と同様にして鶏ガラエキスを製造し、「生臭みの改善度合い」、「香ばしさ」、「燻煙臭」、「ボディ感」を評価した。結果を表8に示す。
Figure 0006533660

Figure 0006533660

(H)味伸び効果を発揮させるための液体調味料のpH及び塩分濃度の検討1(実施例22及び比較例1)

(1)鶏ガラエキスの調製
(1-1)燻煙材としてナラチップを使用し、鶏ガラ原料(脚部鶏ガラ原料)700gを110℃にて120分間焙乾処理した後、焙乾処理後の鶏ガラ原料700gに対して、質量比約4.58倍量である3211gの熱水(温度:約97℃)中にて14時間抽出した。焙乾処理には、株式会社大道産業のSUB−400を使用した。
得られた抽出物について、鶏ガラ原料(700g)に対して0.2質量%に当たる1.40gのエンド型プロテアーゼ(プロテアーゼアマノG、天野エンザイム製)を用いて、酵素処理(後酵素処理)を50℃にて1時間行った。
抽出物について酵素処理(後酵素処理)を施した後、酵素処理(後酵素処理)の施された抽出物について、90℃にて10分間の酵素失活処理を行った。

(1-2)酵素処理(後酵素処理)と酵素失活処理とを施された抽出物について、ろ紙ろ過を用いて、油相、鶏ガラ原料(鶏ガラ残渣)を除去し、水相を回収し、精製鶏ガラエキスとした。
(2)液体調味料(「つゆ」2倍濃縮品)の調製
下記の表9に示す原料を配合し、液体調味料(2倍濃縮品)を調製した(実施例22)。また、比較のために、上記で得られた本発明の精製鶏ガラエキス200gの代わりに、市販チキンエキス(丸善食品工業製、冷凍チキンガラスープJP30。原料の焼成・焙乾処理なし。Bx30。)18gと水182gとを用いたこと以外は、同様にして液体調味料(2倍濃縮品)を調製した(比較例1)。
Figure 0006533660

(3)液体調味料(「つゆ」2倍濃縮品)のpHの調整
実施例22と比較例1の各液体調味料(2倍濃縮品)30gに、酸性側への調整用として50w/v%クエン酸(無水物)溶液(以下、単に、「クエン酸溶液」という。)を、また、アルカリ側への調整用として2w/w%水酸化ナトリウム溶液(以下、単に「水酸化ナトリウム溶液」という。)を表10に示す割合でそれぞれ添加して、pH2〜pH10の範囲の液体調味料(2倍濃縮品)を調製した。なお、液体調味料の成分含量を合わせるため、適宜量の水を加えてフィルアップし、合計量を33mlとした。
Figure 0006533660

(4)液体調味料(「つゆ」2倍濃縮品)の塩分濃度の調整
上記(3)にて、市販品を含めて液体調味料の通常のpHが6前後であることが分かった。しかし、後に結果を示すが、pH5に調整した場合において、もっとも強い味伸び効果を示したので、液体調味料のpHを5に事前設定したものを用い、これに食塩を表11に示す割合でそれぞれ添加して、塩分濃度5%〜20%の範囲の液体調味料(2倍濃縮品)を調製した。なお、液体調味料の成分含量を合わせるため、適宜量の水を加えてフィルアップし、合計量を33mlとした。
ここで、塩分濃度が10%未満のものは、上記(2)の液体調味料(2倍濃縮品)の調製において、食塩(65g)を加えないものを調製し(塩分濃度4.6%)、これに食塩を添加して、所定濃度に塩分を調整した。
また、塩分濃度が10%以上のものは、上記(2)の液体調味料(2倍濃縮品)の調製において食塩(65g)を加えて調製したものに、さらに食塩を添加して、所定濃度に塩分を調整した。
塩分濃度(A)、全窒素濃度(B)、及び、塩分濃度(A)と全窒素濃度(B)との比率(A/B;質量比)を表11に示す。
Figure 0006533660

(5)味伸び効果の検討
「味伸び」:ここでいう味伸び効果とは、口腔内で液体調味料の風味が長く持続したり(余韻を長く感じる)、喫食時に希釈されたとしても味が薄まったり、ボケたりせず満足度が維持する効果のことを言う。ここでは、以下のように味伸び効果を評価した。
5-1)実施例22及び比較例1の液体調味料(2倍濃縮品)をそれぞれ2倍希釈してストレート状態とし、この状態で味伸び効果を検討した。
味伸び効果は、比較例1の液体調味料(2倍濃縮品)のうちのpH6、塩分濃度10%のもの(比較対照品)に対して、実施例22の液体調味料(2倍濃縮品)について味伸び効果が認められるかを次の評価基準で評価した。5名の平均点を表12に示す。
「味伸び」の評価基準は、次のとおりである。
1:味伸び効果が認められない。
2:味伸び効果がやや認められる。
3:味伸び効果が認められる。
4:高い味伸び効果が認められる。
実施例22の液体調味料(2倍濃縮品)のうち、塩分濃度10%のものについて検討したところ、表12に示すように、pH3からpH9の範囲で味伸び効果が認められ、特にpH5において最も味伸び効果が高い(味伸び効果:4.0)ことが分かった。
なお、以下の表12、表13において、味伸び効果は、実施例22の液体調味料(2倍濃縮品)の2倍希釈時(ストレート状態)の結果を示しているのに対して、各pH、塩分濃度は、実施例22の液体調味料(2倍濃縮品)の2倍濃縮時の調製値、つまり2倍濃縮品そのものの結果を示している。
Figure 0006533660
(5-2)そこで、次に、最も味伸び効果が高いと認められたpH5において、各種塩分濃度としたものについて味伸び効果を検討した。結果を表13に示す。
Figure 0006533660
表9〜表13の結果によれば、pHが3〜9の範囲で味伸び効果があることが分かる。また、塩分濃度が5%から20%の範囲の全てで味伸び効果が認められ、塩分濃度(A)と全窒素濃度(B)との比率(A/B;質量比)が22.5〜90.1の範囲であれば、味伸び効果があることが分かる。
(I)味伸び効果を発揮させるための液体調味料のpH及び塩分濃度の検討2(実施例23)
実施例22において、焙乾処理の前処理(前工程)として、鶏ガラ原料(脚部鶏ガラ原料)を、株式会社ワールド精機のガス式ロータリーラックオーブンRTD−2を使用して、300℃にて45分間焼成処理したこと以外は、実施例22と同様にして、鶏ガラエキスを調製し、液体調味料(「つゆ」2倍濃縮品)を調製し、液体調味料(2倍濃縮品)のpHを調整し、液体調味料(2倍濃縮品)の塩分濃度を調整し、味伸び効果を検討した。
味伸び効果は、実施例22と同様に、液体調味料(2倍濃縮品)のうち、塩分濃度10%のものについて検討したところ、表14に示すように、pH3からpH9の範囲で味伸び効果が認められ、特にpH5において最も味伸び効果が高い(味伸び効果:4.0)ことがわかった。
なお、以下の表14、表15において、味伸び効果は、液体調味料(2倍濃縮品)の2倍希釈時(ストレート状態)の結果を示しているのに対して、各pH、塩分濃度は、液体調味料(2倍濃縮品)の2倍濃縮時の調製値、つまり2倍濃縮品そのものの結果を示している。
Figure 0006533660

そこで、次に、最も味伸び効果が高いと認められたpH5において、各種塩分濃度としたものについて味伸び効果を検討した。結果を表15に示す。
Figure 0006533660

表14〜表15の結果によれば、pHが3〜9の範囲で味伸び効果があることが分かる。また、塩分濃度が5%から20%の範囲の全てで味伸び効果が認められ、実施例22の結果と合わせると、塩分濃度(A)と全窒素濃度(B)との比率(A/B;質量比)が22.5〜90.1の範囲であれば、味伸び効果があることが理解される。
(J)ブリックスの検討(実施例24)
実施例22において、精製鶏ガラエキスの添加量(Bx30.0濃縮品)を種々変えたこと以外は、実施例22と同様にして行い、味伸び効果を検討した。結果を表16に示す。評価結果は無添加品に対する効果の程度を示した。
表16の結果によれば、Bx30.0濃縮品換算で、添加量が0.01〜20%の範囲で味伸び効果があることが分かる。
Figure 0006533660
(K)各種鶏ガラエキスを調味料に適用した場合における風味確認試験(試験例1及び比較試験例1〜2)
試験例1では、前記実施例1で得られた鶏ガラエキスを用いて、表17に示す配合にて、次のようにして温そばつゆを製造した。即ち、実施例1で得られた鶏ガラエキスを92〜93℃くらいまで加熱した後、これに予め熟成させていたかえしを表17に示す所定量加え、合計1000gの温そばつゆを完成させた。
比較試験例1としては、前記比較対照例1で得られた鶏ガラエキスを用いたこと以外は、試験例1と同様にして温そばつゆを製造し、評価した。結果を表17に示す。
比較試験例2としては、前記比較対照例2で得られた鶏ガラエキスを用いたこと以外は、試験例1と同様にして温そばつゆを製造し、評価した。結果を表17に示す。
Figure 0006533660

表17によれば、焙乾処理した実施例1の鶏ガラエキスを使用した調味料(つゆ)において、優れた味伸び効果及び風味を示すことが確認できた。

表17によれば、焙乾処理した実施例1の鶏ガラエキスを使用した調味料(つゆ)において、優れた味伸び効果及び風味を示すことが確認できた。
つまり、鶏ガラエキスの「ボディ感」と、鶏ガラエキスを液体調味料に添加した場合の「味伸び」効果とには相関のあることが明らかである。
よって、「ボディ感」の強い鶏ガラエキスを調製し、これを液体調味料に添加することで、全体の風味のまとまりや、薄くても強い風味を与えられるとともに、味伸びを有する優れた風味の液体調味料を得ることが可能であることが確認できた。
(L)味伸び効果を発揮させるための液体調味料のA/Bの検討(実施例25)
表18に示す種々の液体調味料に、実施例24における精製ガラエキス(Bx30.0濃縮品)を0.5質量%添加して、塩分濃度(A)と全窒素濃度(B)との比率(A/B;質量比)が0.02〜3000の範囲の液体調味料を調製し、実施例22と同様にして味伸び効果を検討した。結果を表18に示す。評価結果は無添加品に対する効果の程度を示した。
表18の結果によれば、塩分濃度(A)と全窒素濃度(B)との比率(A/B;質量比)が0.02〜2000の範囲であると、味伸び効果があることが分かる。
Figure 0006533660

本発明によれば、味伸び効果が高く、かつ、和食をはじめとする風味の薄い料理に合うくらいに生臭みがなく、かつ、ボディ感を有する、とろみやなめらかさを伴ったボリューム感、これによって生じる味わいが豊かな、風味の良いガラエキスが提供可能な製造方法を提供でき、前記製造方法を用いたエキスを利用することで、風味に優れた飲食品または、液体調味料が提供される。
従って、本発明は、食品産業において、有効に貢献することができる。

Claims (7)

  1. 家禽類のガラを原料とするガラエキスを含有する液体調味料であって、前記ガラエキスは下記工程(a)、(b)、(c)及び(d)を含む方法により得られたものであり、かつ、下記(i)、(ii)及び(iii)の特徴を有するガラエキス含有液体調味料
    (a)前記ガラ原料を180〜330℃、かつ、30〜60分の条件で焼成処理する工程;
    (b)前記焼成処理後の前記ガラ原料を、燻煙材を用いて、30〜150℃、かつ、30〜600分の条件で焙乾処理する工程;
    (c)前記焙乾処理後の前記ガラ原料を抽出処理する工程;
    (d)前記抽出処理の後に得られた抽出物についてプロテアーゼ処理を行う工程;
    (i)pHが4.0以上、8.0以下である特徴;
    (ii)塩分濃度(A)と全窒素濃度(B)との比率(A/B;質量比)が6.52以上、1000以下である特徴;
    (iii)前記ガラエキスをブリックス30.0濃縮品換算で、0.05質量%以上、5.0質量%以下含有する特徴
  2. 前記燻煙材が、サクラ、ナラ、ブナ及びピートから選ばれる少なくとも一つの樹木の木材である、請求項1に記載のガラエキス含有液体調味料。
  3. 醤油及び砂糖を含有するつゆ類である、請求項1又は請求項2に記載のガラエキス含有液体調味料。
  4. 前記プロテアーゼ処理が、前記ガラ原料を含む前記抽出物について行われる、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のガラエキス含有液体調味料。
  5. 家禽類のガラを原料として、下記工程(a)、(b’)、(c)及び(d)を含む方法によりガラエキスを製造し、得られたガラエキスを用いて液体調味料を製造することを特徴とし、かつ、得られたガラエキス含有液体調味料が下記(i)、(ii)及び(iii)の特徴を有するものである、ガラエキス含有液体調味料の製造方法
    (a)前記ガラ原料を180〜330℃、かつ、30〜60分の条件で焼成処理する工程;
    (b’)前記焼成処理後の前記ガラ原料を、サクラ、ナラ、クルミ、リンゴ、ブナ、ヒッコリー、ホワイトオーク、ピート、カエデ、メスキート、ペカン、カシ、クヌギ及びハンノキから選ばれる少なくとも一つの樹木の木材からなる燻煙材を用いて、30〜150℃、かつ、30〜600分の条件で焙乾処理する工程;
    (c)前記焙乾処理後の前記ガラ原料を抽出処理する工程;
    (d)前記抽出処理の後に得られた抽出物についてプロテアーゼ処理を行う工程;
    (i)pHが4.0以上、8.0以下である特徴;
    (ii)塩分濃度(A)と全窒素濃度(B)との比率(A/B;質量比)が6.52以上、1000以下である特徴;
    (iii)前記ガラエキスをブリックス30.0濃縮品換算で、0.05質量%以上、5.0質量%以下含有する特徴
  6. 請求項5に記載のガラエキス含有液体調味料の製造方法であって、
    醤油及び砂糖を添加する工程を含み、かつ、
    前記ガラエキス含有液体調味料がつゆ類である、ガラエキス含有液体調味料の製造方法
  7. 前記プロテアーゼ処理が、前記ガラ原料を含む前記抽出物について行われる、請求項5又は請求項6に記載のガラエキス含有液体調味料の製造方法。
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