JP2015008682A - 液体調味料及びその製造方法並びに液体調味料の風味改善方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の液体調味料は、昆布エキスと、鶏エキスと、コラーゲンペプチドとを含有する原料を用いて得られた液体調味料であって、昆布エキスに含まれるマンニトール及びコラーゲンペプチドの質量比は1:3〜1:100であり、鶏エキスに含まれる窒素分及びコラーゲンペプチドの質量比が1:5〜1:200であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
特許文献1には、カリウム、グルタミン酸、糖アルコールの混合物に、液体、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素により抽出した昆布フレーバー組成物が開示されており、この組成物を用いて、うどんのつゆ等を製造し、昆布だしの香味を強調する方法が記載されている。
また、特許文献2には、しょうゆと、魚介類によるだしとを含有するだし入り液体調味料に対して、ビタミンCを用いる風味改善方法が開示されている。
本発明は、昆布エキス及び鶏エキスを用いた液体調味料において、調理時又は喫食時に、昆布だしの風味(香味)、及び、鶏だしの風味(香味)が豊かであり、動物性素材の臭みが抑制され、香味バランスに優れた嗜好性の高い液体調味料及びその製造方法を提供することを目的とする。
1.昆布エキスと、鶏エキスと、コラーゲンペプチドとを含有する原料を用いて得られた液体調味料であって、
上記昆布エキスに含まれるマンニトール及び上記コラーゲンペプチドの質量比が1:3〜1:100であり、
上記鶏エキスに含まれる窒素分及び上記コラーゲンペプチドの質量比が1:5〜1:200であることを特徴とする液体調味料。
2.上記コラーゲンペプチドの重量平均分子量が2,000〜5,000である上記1に記載の液体調味料。
3.上記コラーゲンペプチドが豚皮又は魚に由来するコラーゲンペプチドである上記1又は2に記載の液体調味料。
4.上記原料が、更に、酵母エキスを含有する上記1乃至3のいずれか一項に記載の液体調味料。
5.油分が1.0質量%以下である上記1乃至4のいずれか一項に記載の液体調味料。
6.上記1に記載の液体調味料を製造する方法であって、
マンニトール及びコラーゲンペプチドの質量比が1:3〜1:100となるように、且つ、鶏エキスに含まれる窒素分及びコラーゲンペプチドの質量比が1:5〜1:200となるように、マンニトールを含む昆布エキスと、鶏エキスと、コラーゲンペプチドとを含有する原料を混合した後、加熱殺菌することを特徴とする液体調味料の製造方法。
7.昆布エキスと、鶏エキスと、コラーゲンペプチドとを用いて、液体調味料における、昆布エキスの昆布風味、及び、鶏エキスのだし風味を増強する方法であって、
昆布エキスに含まれるマンニトール及びコラーゲンペプチドの質量比を1:3〜1:100とし、
鶏エキスに含まれる窒素分及びコラーゲンペプチドの質量比を1:5〜1:200とすることを特徴とする液体調味料の風味改善方法。
本発明の液体調味料が、更に、酵母エキスを含む場合には、鶏だし感を強化した食品が得られる。
油分が1.0質量%以下である場合には、油の香りの影響を受けにくく、昆布だしの風味、及び、鶏だしの風味(香味)が豊かであり、良好な香味バランスを有する。
上記鶏エキスが液体の場合、抽出媒体としては、通常、水、又は、エタノール等のアルコールが用いられる。アルコールとしては、食品への利用という観点からエタノールが好ましく用いられる。含水エタノールであってもよい。抽出は、通常、熱水又は加熱したアルコールの中で、上記の原料が加熱され、鶏エキスとしては、抽出した組成物を、そのまま、あるいは、濃縮した物を用いることができる。一方、上記鶏エキスが固体の場合、上記のようにして抽出した液体(組成物)を、公知の方法、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、スプレードライ、ドラム乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等により乾燥した後、乾固物を、必要により粉砕した物を用いることができる。
本発明の液体調味料がしょうゆを含有する場合、その割合の下限は、液体調味料の全体に対して、好ましくは1質量%、より好ましくは2質量%、更に好ましくは4質量%である。
食用油脂としては、大豆油、菜種油、コーン油、サフラワー油、ひまわり油、オリーブ油、パーム油、米油、エゴマ油等の植物油、バター、牛脂、豚油、鶏油、魚油等の動物油等が挙げられる。
また、香味油としては、焙煎ゴマ油、焙煎大豆油、焙煎菜種油、ガーリックオイル、オニオンオイル、葱油等が挙げられる。
(a)昆布エキス
マンニトールの含有割合は4.5質量%である。
(b)鶏エキス
窒素分の含有割合は1.2質量%である。
(c)コラーゲンペプチド
GPCによりに測定したプルラン換算の重量平均分子量が、2,000、3,000、4,000又は5,000の豚皮由来のコラーゲンペプチドと、重量平均分子量が3,000の魚由来のコラーゲンペプチドとを用いた。
(d)酵母エキス
ビール酵母を酵素分解に供した後、減圧濃縮により得られた物を用いた。
(e)食用油脂
菜種油を用いた。
表1〜表4に示す処方に基づいて、各原料成分を十分に混合し、次いで、80℃で1分間、湯煎にて加熱殺菌することにより、液体調味料を得た。尚、各表においてコラーゲンペプチドの欄における「分子量」は、重量平均分子量を意味する。
◎:強い
○:やや強い
△:やや弱い
×:弱い
動物性素材の臭みの判定基準は、以下の通りである。
◎:弱い
○:やや弱い
△:やや強い
×:強い
試験例2は、コラーゲンペプチドを含有しない例であり、昆布だしの風味、及び、鶏だしの風味がなく、全体的な厚みが感じられなかった。比較例7は、マンニトール及び鶏エキスに含まれた窒素分と、コラーゲンペプチドとの比が、本発明の範囲外で少ない例であり、昆布だしの風味、及び、鶏だしの風味がなく、全体的な厚み及びコクが感じられなかった。また、比較例12は、マンニトール及び鶏エキスに含まれた窒素分と、コラーゲンペプチドとの比が、本発明の範囲外で多い例であり、動物性素材の臭みが強く、昆布だしの風味がなく、香味のバランスが良くなかった。
一方、試験例1、3〜6及び8〜11は、いずれも、本発明に含まれる例であり、昆布だしの風味(香味)、及び、鶏だしの風味(香味)が豊かであり、動物性素材の臭みが抑制され、香味バランスに優れていた。中でも、試験例1は、上記性能に特に優れていた。
試験例17は、酵母エキスを含有する例であり、昆布だしの風味(香味)、及び、鶏だしの風味(香味)が豊かであり、動物性素材の臭みが抑制され、試験例1よりも香味バランスに優れていた。また、試験例18は、油分(菜種油)を含有する例であり、昆布だしの風味(香味)、及び、鶏だしの風味(香味)が豊かであり、動物性素材の臭みが抑制され、香味バランスに優れていた。
Claims (7)
- 昆布エキスと、鶏エキスと、コラーゲンペプチドとを含有する原料を用いて得られた液体調味料であって、
前記昆布エキスに含まれるマンニトール及び前記コラーゲンペプチドの質量比が1:3〜1:100であり、
前記鶏エキスに含まれる窒素分及び前記コラーゲンペプチドの質量比が1:5〜1:200であることを特徴とする液体調味料。 - 前記コラーゲンペプチドの重量平均分子量が2,000〜5,000である請求項1に記載の液体調味料。
- 前記コラーゲンペプチドが豚皮又は魚に由来するコラーゲンペプチドである請求項1又は2に記載の液体調味料。
- 前記原料が、更に、酵母エキスを含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体調味料。
- 油分が1.0質量%以下である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体調味料。
- 請求項1に記載の液体調味料を製造する方法であって、
マンニトール及びコラーゲンペプチドの質量比が1:3〜1:100となるように、且つ、鶏エキスに含まれる窒素分及びコラーゲンペプチドの質量比が1:5〜1:200となるように、マンニトールを含む昆布エキスと、鶏エキスと、コラーゲンペプチドとを含有する原料を混合した後、加熱殺菌することを特徴とする液体調味料の製造方法。 - 昆布エキスと、鶏エキスと、コラーゲンペプチドとを用いて、液体調味料における、昆布エキスの昆布風味、及び、鶏エキスのだし風味を増強する方法であって、
昆布エキスに含まれるマンニトール及びコラーゲンペプチドの質量比を1:3〜1:100とし、
鶏エキスに含まれる窒素分及びコラーゲンペプチドの質量比を1:5〜1:200とすることを特徴とする液体調味料の風味改善方法。
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