JP6530844B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

酸化物半導体を用いる半導体装置及びその作製方法に関する。
本発明の一形態は、トランジスタ若しくはトランジスタを含んで構成される回路を有する
半導体装置に関する。例えば、酸化物半導体でチャネル形成領域が形成される、トランジ
スタ若しくはトランジスタを含んで構成される回路を有する半導体装置に関する。例えば
、LSIや、CPUや、電源回路に搭載されるパワーデバイスや、メモリ、サイリスタ、
コンバータ、イメージセンサなどを含む半導体集積回路、液晶表示パネルに代表される電
気光学装置や発光素子を有する発光表示装置を部品として搭載した電子機器に関する。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装
置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を用いてトランジスタを構成する技術
が注目されている。該トランジスタは集積回路(IC)や画像表示装置(単に表示装置と
も表記する)のような電子デバイスに広く応用されている。トランジスタに適用可能な半
導体薄膜としてシリコン系半導体材料が広く知られているが、その他の材料として酸化物
半導体が注目されている。
たとえば、酸化物半導体として、酸化亜鉛、In−Ga−Zn系酸化物半導体を用いて
トランジスタを作製する技術が開示されている(特許文献1参照)。
また、酸化物半導体膜に、金属元素を含む膜と接して加熱処理することにより導入された
金属元素と、注入法により該金属元素を含む膜を通過して導入されたドーパントとを含む
低抵抗領域を形成する技術が開示されている(特許文献2参照)。
特開2007−123861号公報 特開2013−16782号公報
近年、半導体装置の開発が進められ、LSIやCPUやメモリが主に用いられている。
CPUは、半導体ウェハから切り離された半導体集積回路(少なくともトランジスタ及び
メモリ)を有し、接続端子である電極が形成された半導体素子の集合体である。
LSIやCPUやメモリなどの半導体回路(ICチップ)は、回路基板、例えばプリント
配線板に実装され、様々な電子機器の部品の一つとして用いられる。
LSIやCPUやメモリなどの半導体集積回路に用いるトランジスタのチャネル長Lを短
くすることによって微細なトランジスタを実現し、回路の動作速度を高速化し、さらには
消費電力の低減を図ることを課題の一とする。
半導体集積回路の高密度化においてトランジスタの微細化は必須技術である。一方、トラ
ンジスタの微細化によって、オン電流、しきい値電圧、S値(サブスレッショルド値)な
どのトランジスタの電気特性が悪化することや、ばらつきが生じやすくなることが知られ
ている。すなわち、トランジスタの微細化によって半導体集積回路の歩留まりは低下しや
すくなる。
したがって、本発明の一態様は、微細化に伴い顕著となる電気特性の低下を抑制できる構
成の半導体装置を提供することを目的の一つとする。または、微細化に伴う歩留まりの低
下を抑えることのできる構造を有する半導体装置を提供することを目的の一つとする。ま
たは、集積度の高い半導体装置を提供することを目的の一つとする。または、信頼性の高
い半導体装置を提供することを目的の一つとする。または、電源が遮断されてもデータが
保持される半導体装置を提供することを目的の一つとする。
本発明の一態様の半導体装置は、チャネル形成領域を含む酸化物半導体層を挟むように該
酸化物半導体層とは組成の異なる酸化物層を上下に設け、さらに、チャネル形成領域を含
む酸化物半導体層においてチャネル形成領域を挟むように左右に低抵抗領域を設ける。チ
ャネル形成領域は、真性または実質的に真性である酸化物半導体を用いることが好ましい
。真性または実質的に真性である酸化物半導体の一部を変質化させて低抵抗領域を設ける
ことにより、ソース電極層と酸化物半導体層との接触抵抗、またはドレイン電極層と酸化
物半導体層の接触抵抗を低減することができる。この低抵抗領域は、チャネル形成領域以
外の領域に金属膜または酸化金属膜を接して形成し、金属膜または酸化金属膜に含まれる
金属元素、たとえばアルミニウムを酸化物半導体層の一部に拡散させることで形成する。
従って、チャネル形成領域と低抵抗領域は組成が異なり、低抵抗領域はチャネル形成領域
よりも導電性が高い。
本発明の一態様は、半導体基板上に第1の酸化物層と、第1の酸化物層上に酸化物半導体
層と、酸化物半導体層上に第2の酸化物層と、第2の酸化物層上に絶縁層と、絶縁層上に
ゲート電極層と、を有し、酸化物半導体層は、ゲート電極層と重なるチャネル形成領域と
、該チャネル形成領域よりも低抵抗な領域である低抵抗領域とを有し、チャネル形成領域
と低抵抗領域は組成が異なることを特徴とする半導体装置である。
また、低抵抗領域はゲート電極層を利用して自己整合的に形成することができ、トランジ
スタの電気特性が悪化することを防ぎ、ばらつきを抑えることができる。
また、真性または実質的に真性である酸化物半導体からなるチャネル形成領域を三次元的
に囲むように酸化アルミニウム膜を含む保護絶縁層を設けることが好ましい。酸化アルミ
ニウム膜を含む保護絶縁層は、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜等の絶縁層、または
酸化物半導体層と比較して酸素及び水素に対する透過性が低い絶縁層である。換言すると
、酸素及び水素に対するバリア性を有する保護絶縁層である。よって、酸化アルミニウム
膜を含む保護絶縁層を設けることで、当該保護絶縁層で囲まれたチャネル領域の酸素の脱
離による酸素欠損の形成を抑制し、且つ、水素又は水素化合物の混入を抑制することが可
能となる。
本発明の他の一態様は、半導体基板上に酸化アルミニウムを含む第1の保護絶縁層と、第
1の保護絶縁層上に第1の酸化物層と、第1の酸化物層上に酸化物半導体層と、酸化物半
導体層上に第2の酸化物層と、第2の酸化物層上に絶縁層と、絶縁層上にゲート電極層と
、ゲート電極層上に酸化アルミニウムを含む第2の保護絶縁層と、を有し、酸化物半導体
層は、ゲート電極層と重なるチャネル形成領域と、該チャネル形成領域よりも低抵抗な領
域である低抵抗領域とを有し、第2の保護絶縁層は、第1の酸化物層の側面、酸化物半導
体層の側面、及び第2の酸化物層の側面と接し、第2の保護絶縁層は、第1の保護絶縁層
と接する領域を有することを特徴とする半導体装置である。
また、保護絶縁層の一層を用いて低抵抗領域をゲート電極層を利用して自己整合的に形成
することも特徴の一つである。
本発明の作製方法に関する一態様は、半導体基板上に酸化アルミニウムを含む第1の保護
絶縁層を形成し、第1の保護絶縁層上に第1の酸化物層を形成し、第1の酸化物層上に酸
化物半導体層を形成し、酸化物半導体層上に第2の酸化物層を形成し、第2の酸化物層上
に絶縁層を形成し、絶縁層上にゲート電極層を形成し、ゲート電極層をマスクとして第2
の酸化物層の一部を除去して酸化物半導体層の一部を露出させ、酸化物半導体層の一部に
接して酸化アルミニウムを含む第2の保護絶縁層を形成して酸化物半導体層の一部を低抵
抗領域とすることを特徴とする半導体装置の作製方法である。
酸化アルミニウムを含む第2の保護絶縁層の形成方法は、第2の保護絶縁層の成膜中また
は成膜後に、酸化アルミニウムを含む第2の保護絶縁層と接する酸化物半導体層の一部を
低抵抗領域とすることができるのであれば、その形成方法は、特に限定されない。例えば
、アルミニウム膜を形成した後、酸素を含む雰囲気下で150℃以上に加熱する加熱処理
を行うことによって酸化アルミニウムを含む第2の保護絶縁層を形成してもよい。ただし
、この場合には、アルミニウム膜を薄く形成する、或いは加熱処理を長時間行うことによ
ってアルミニウム膜を全て絶縁化させて酸化アルミニウム膜とすることが好ましい。また
、アルミニウムターゲットを用いて酸素を含む雰囲気下とし、さらに基板を加熱させた状
態で成膜することで酸化アルミニウムを含む第2の保護絶縁層を形成してもよく、この場
合には加熱処理を行う工程が短縮されるため好ましい。
また、酸化物半導体層は、In−M−Zn酸化物(MはAl、Ti、Ga、Y、Zr、S
n、La、Ce、NdまたはHf)である。酸化物半導体層には、例えば、In:Ga:
Zn=1:1:1、5:5:6、または3:1:2(原子数比)などの多結晶を含有する
In−Ga−Zn酸化物ターゲットを用いて成膜することができる。
また、酸化物半導体層は、非単結晶酸化物半導体膜であり、且つ、結晶性が高い膜とする
ことが好ましく、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalli
ne Oxide Semiconductor)膜が好ましい。
まずは、CAAC−OS膜について説明する。
CAAC−OS膜は、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つである。
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Micro
scope)によって、CAAC−OS膜の明視野像および回折パターンの複合解析像(
高分解能TEM像ともいう。)を観察することで複数の結晶部を確認することができる。
一方、高分解能TEM像によっても明確な結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバ
ウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結
晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
試料面と概略平行な方向から、CAAC−OS膜の断面の高分解能TEM像を観察すると
、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は
、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映し
た形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
一方、試料面と概略垂直な方向から、CAAC−OS膜の平面の高分解能TEM像を観察
すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認
できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC−OS膜の結晶部は配向性を有し
ていることがわかる。
なお、CAAC−OS膜に含まれるほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体
内に収まる大きさである。従って、CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、一辺が10n
m未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。ただ
し、CAAC−OS膜に含まれる複数の結晶部が連結することで、一つの大きな結晶領域
を形成する場合がある。例えば、平面の高分解能TEM像において、2500nm以上
、5μm以上または1000μm以上となる結晶領域が観察される場合がある。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)
装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnOの結晶を有するCAAC−OS
膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピーク
が現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属され
ることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に
概略垂直な方向を向いていることが確認できる。
一方、CAAC−OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin−p
lane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピーク
は、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。InGaZnOの単結晶酸
化物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)
として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面
に帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OS膜の場合は、2θを
56°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
以上のことから、CAAC−OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は
不規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平
行な方向を向いていることがわかる。したがって、前述の断面TEM観察で確認された層
状に配列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
なお、結晶部は、CAAC−OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を
行った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面ま
たは上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。したがって、例えば、CAAC−OS
膜の形状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OS膜の被
形成面または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
また、CAAC−OS膜中において、c軸配向した結晶部の分布が均一でなくてもよい
。例えば、CAAC−OS膜の結晶部が、CAAC−OS膜の上面近傍からの結晶成長に
よって形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりも結晶化度が高くな
ることがある。また、不純物の添加されたCAAC−OS膜は、不純物が添加された領域
が変質し、部分的にc軸配向した結晶部の割合の異なる領域が形成されることもある。
なお、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane
法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現
れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向
性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍
にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素
、シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリ
コンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸
化物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させ
る要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半
径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜
の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不
純物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
また、CAAC−OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化
物半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによっ
てキャリア発生源となることがある。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性また
は実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体
膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。したがって
、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性
(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高
純度真性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半
導体膜を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタと
なる。なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要
する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度
が高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定
となる場合がある。
また、CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特
性の変動が小さい。
また、第1の酸化物層及び第2の酸化物層は、In−M−Zn酸化物(MはAl、Ti、
Ga、Y、Zr、Sn、La、Ce、NdまたはHf)であり、第1の酸化物層および第
2の酸化物層は、Inに対するMの原子数比が酸化物半導体層よりも大きいことが好まし
い。
例えば、第1の酸化物層および第2の酸化物層にはIn:Ga:Zn=1:3:2、1:
3:3、1:3:4、1:3:6、1:6:4または1:9:6(原子数比)などの多結
晶を含有するIn−Ga−Zn酸化物ターゲットを用いて成膜することができる。多結晶
を含有するIn−Ga−Zn酸化物ターゲットは、少なくともインジウムガリウム合金、
を含み、1000℃以上の加熱処理を行って焼成したターゲットである。
なお、本明細書等において、チャネル長とは、チャネル形成領域におけるキャリアが流れ
る方向の長さをいう。そして、チャネル幅とは、チャネル長方向と垂直方向のチャネル形
成領域の長さをいう。また、トランジスタの微細化とは、たとえばチャネル長(またはチ
ャネル幅)が1μm以下、好ましくは100nm以下、より好ましくは40nm以下、さ
らに好ましくは20nm以下であるトランジスタを指している。
また、本明細書等において実質的に真性という場合、酸化物半導体層のキャリア密度は、
1×1017/cm未満、1×1015/cm未満、または1×1013/cm
満である。酸化物半導体層を高純度真性化することで、トランジスタに安定した電気特性
を付与することができる。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置さ
れている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」と
は、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、
85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す
本発明の一態様を用いることにより、微細化に伴い顕著となる電気特性の低下を抑制でき
る構成の半導体装置を提供することができる。または、微細化に伴う歩留まりの低下を抑
えることのできる構造を有する半導体装置を提供することができる。または、集積度の高
い半導体装置を提供することができる。または、オン電流の悪化を低減した半導体装置を
提供することができる。または、低消費電力の半導体装置を提供することができる。また
は、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。または、電源が遮断されてもデー
タが保持される半導体装置を提供することができる。
本発明の一態様を示す上面図及び断面図である。 実施の形態に係る、バンド図を説明する図。 本発明の一態様を示す工程断面図である。 半導体装置の断面図および回路図。 半導体装置を適用することができる電子機器を説明する図。 本発明の一態様を示す上面図及び断面図である。 本発明の一態様を示す断面図である。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は
以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれ
ば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈さ
れるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置について図面を用いて説明する。
図1(A)乃至図1(C)は、本発明の一態様のトランジスタの上面図および断面図で
ある。図1(A)は上面図であり、図1(A)に示す一点鎖線A−Bの断面が図1(B)
、一点鎖線C−Dの断面が図1(C)に相当する。なお、図1(A)の上面図では、図の
明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。また、一点鎖線A−B方向をチャネル
長方向、一点鎖線C−D方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
トランジスタ100は、半導体基板101上に設けられ、第1の酸化物層151と、第
1の酸化物層151上にチャネル形成領域を有する酸化物半導体層102と、酸化物半導
体層102と接する低抵抗領域153、154と、酸化物半導体層102上に第2の酸化
物層152と、酸化物半導体層102と重なるゲート絶縁層104と、ゲート絶縁層10
4上に位置し、第1の酸化物層151、酸化物半導体層102、及び第2の酸化物層15
2と重なるゲート電極105と、低抵抗領域153、154と電気的に接続する一対の電
極103と、を有する。
また、半導体基板101と酸化物半導体層102との間には、第1の保護絶縁層111
が設けられている。また、ゲート電極105上に、第2の保護絶縁層112が設けられて
いる。第2の保護絶縁層112は、低抵抗領域153、154と接している。さらに第1
の保護絶縁層111と第2の保護絶縁層112は、酸化物半導体層102が設けられてい
ない領域において接している。また、第2の保護絶縁層112は、第1の酸化物層151
の側面、及び第2の酸化物層152の側面と接している。
酸化物半導体層102は、少なくともインジウム(In)もしくは亜鉛(Zn)を含むこ
とが好ましい。または、InとZnの双方を含むことが好ましい。より好ましくは、In
−M−Zn系酸化物(MはAl、Ti、Ga、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等
の金属)で表記される酸化物を含む。
第1の保護絶縁層111および第2の保護絶縁層112は、酸素過剰領域を有し、且つ
酸素の拡散を抑制する機能(酸素に対するブロッキング性ともいう)を有する絶縁材料を
用いることができる。例えば、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化イットリ
ウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウムなどを用いる。
第1の保護絶縁層111および第2の保護絶縁層112には、水素の含有量が極めて低い
絶縁材料を用いることが好ましい。例えば、二次イオン質量分析法(SIMS:Seco
ndary Ion Mass Spectrometry)で検出される水素の含有量
が、5×1021atoms/cm未満、好ましくは2×1021atoms/cm
未満、より好ましくは1×1021atoms/cm未満である領域を含む絶縁材料を
用いることができる。
また、第1の保護絶縁層111および第2の保護絶縁層112に適用する絶縁材料とし
て、上述の酸化物に酸化シリコンを含有させた材料を用いることもできる。例えば酸化シ
リコンを0.1重量%から30重量%の範囲(例えば5重量%、または10重量%など)
で含有させた酸化アルミニウムを用いることができる。酸化シリコンをこの範囲で含ませ
ることにより、酸素に対するブロッキング性を低下させることなく、加熱により脱離する
酸素の量を増大させ、且つ膜の応力を低減することができる。
また、一対の電極103のうち、一方はトランジスタ100のソース電極として機能し、
他方はドレイン電極として機能する。また図1では、一対の電極103は層間絶縁層15
5に形成されたコンタクトホールを介して低抵抗領域153、または低抵抗領域154と
電気的に接続されている。低抵抗領域153および低抵抗領域154はチャネル形成領域
と組成が異なる。
チャネル長方向にチャネル形成領域を挟んで低抵抗領域153、及び低抵抗領域154を
設けることで、トランジスタ100のオン特性(たとえば、オン電流、または電界効果移
動度)が高く、高速動作が可能となる。
また、ゲート電極105は、図1(C)に示すように、ゲート絶縁層104を介して酸化
物半導体層102の上面および側面を囲うようにして設けられている。
ここで、トランジスタ100のチャネル長(L長)とは、ゲート電極の幅であり、対向
するソース−ドレイン間の距離とほぼ同一である。またトランジスタ100のチャネル幅
(W長)とは、チャネル長方向に直交する方向における酸化物半導体層102の幅とする
。なお、トランジスタのソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、および酸化物半導体層
の上面形状によっては、チャネル長およびチャネル幅が領域(位置)によって異なる場合
がある。その場合には、これらの平均値、または最小値などを、トランジスタのチャネル
長またはチャネル幅として適用することができる。
図1(C)に示すように、ゲート電極105は酸化物半導体層102の側面も囲うように
設けられるため、酸化物半導体層102の側面もチャネル形成領域として機能させること
ができる。このとき、酸化物半導体層102のチャネル幅に対して、酸化物半導体層10
2の厚さを0.05倍以上20倍以下、好ましくは0.1倍以上10倍以下とすることが
好ましい。このような形状とすることにより、チャネル幅を小さくした場合であってもオ
ン電流の低下が抑制され、より微細で且つ高速動作が可能なトランジスタを実現できる。
このように、トランジスタの酸化物半導体層の上面および側面を囲うようにしてゲート
電極が設けられ、酸化物半導体層の側面近傍に形成されるチャネルを積極的に用いること
によりオン電流が高められたトランジスタの構造を、Surrounded Chann
el(S−Channel)構造とも呼ぶことができる。また、図1とは一部異なるS−
Channel構造の一例として、図6にその構造を示す。図6(A)に上面図を示すト
ランジスタ600は、図1(A)の上面図と同一である。図6(B)に示す断面では、第
1の保護絶縁層111の膜厚が図1(B)に示す第1の保護絶縁層111の膜厚よりも薄
くなっている。また、図6(C)に示す断面でも、第1の保護絶縁層111の膜厚が図1
(C)に示す第1の保護絶縁層111の膜厚よりも薄くなっている。従って、図6(A)
に示すトランジスタ600は、トランジスタの酸化物半導体層102の上面および側面を
囲うようにしてゲート電極105が設けられ、オン電流が高められたトランジスタの構造
となっている。
ここで、トランジスタ100のチャネル形成領域におけるバンド構造について説明する
図2(A)、(B)は、チャネル形成領域の厚さ方向におけるエネルギーバンド構造を
模式的に示している。
図2(A)、(B)において、EcI1、EcS1、EcS2、EcS3、EcI2は
それぞれ第1の保護絶縁層111、第1の酸化物層151、酸化物半導体層102、第2
の酸化物層152、ゲート絶縁層104の伝導帯下端のエネルギーを模式的に示している
。なおここでは便宜上、それぞれの層の厚さは考慮していない。
ここで、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差(電子親和力ともいう)は、真空準
位と価電子帯上端のエネルギーとの差(イオン化ポテンシャルともいう)からエネルギー
ギャップを引いた値となる。なお、エネルギーギャップは、分光エリプソメータ(例えば
HORIBA JOBIN YVON社 UT−300)を用いて測定できる。また、真
空準位と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultrav
iolet Photoelectron Spectroscopy)装置(例えばP
HI社 VersaProbe)を用いて測定できる。
図2(A)に示すように、第1の酸化物層151、酸化物半導体層102、第2の酸化
物層152において、伝導帯下端のエネルギーはこれらの間に障壁が無く連続的に変化す
る。これは、第1の酸化物層151、酸化物半導体層102、第2の酸化物層152の組
成が近似することにより、酸素が相互に拡散しやすく混合層とも呼ぶべき層が形成されて
いるためと理解できる。
なお、図2(A)では第1の酸化物層151及び第2の酸化物層152が同様のエネル
ギーギャップを有する酸化物層である場合について示したが、それぞれが異なるエネルギ
ーギャップを有する酸化物層であっても構わない。例えば、EcS1よりもEcS3が高
いエネルギーを有する場合、バンド構造の一部は、図2(B)のように示される。また、
図示しないが、EcS3よりもEcS1が高いエネルギーを有していても構わない。
図2(A)、(B)より、チャネル形成領域において酸化物半導体層102がウェル(
井戸)となり、チャネルが酸化物半導体層102に形成されることがわかる。なお、第1
の酸化物層151、酸化物半導体層102、および第2の酸化物層152は伝導帯下端の
エネルギーが連続的に変化しているため、U字型井戸(U Shape Well)とも
呼ぶことができる。またこのような構成で形成されたチャネルを埋め込みチャネルという
こともできる。
第1の酸化物層151及び第2の酸化物層152は、酸化物半導体層102を構成する
金属元素を一種以上含む酸化物であるから、第1の酸化物層151、酸化物半導体層10
2および第2の酸化物層152が積層された積層構造は主成分を共通して積層された酸化
物積層ともいえる(以下、第1の酸化物層151、酸化物半導体層102および第2の酸
化物層152が積層された積層構造を酸化物積層とも表記する)。主成分を共通として積
層された酸化物積層は、各層を単に積層するのではなく、連続接合(ここでは、特に伝導
帯下端のエネルギーが各層の間で連続的に変化するU字型の井戸構造)が形成されるよう
に作製することが好ましい。なぜなら、各層の界面にトラップ中心や再結合中心のような
欠陥準位を形成するような不純物が混在していると、エネルギーバンドの連続性が失われ
、界面でキャリアがトラップあるいは再結合により消滅してしまうためである。
連続接合を形成するためには、ロードロック室を備えたマルチチャンバー方式の成膜装
置(例えばスパッタリング装置)を用いて各層を大気に触れさせることなく連続して積層
することが好ましい。スパッタリング装置における各チャンバーは、酸化物半導体にとっ
て不純物となる水等を可能な限り除去すべくクライオポンプのような吸着式の真空排気ポ
ンプを用いて高真空排気(5×10−7Pa〜1×10−4Pa程度まで)することが好
ましい。または、ターボ分子ポンプとコールドトラップを組み合わせて排気系からチャン
バー内に気体が逆流しないようにしておくことが好ましい。
高純度真性酸化物半導体を得るためには、チャンバー内を高真空排気するのみならずス
パッタガスの高純度化も必要である。スパッタガスとして用いる酸素ガスやアルゴンガス
は、露点が−40℃以下、好ましくは−80℃以下、より好ましくは−100℃以下にま
で高純度化したガスを用いることで酸化物半導体に水分等が取り込まれることを可能な限
り防ぐことができる。
酸化物半導体層102の上層または下層に設けられる第1の酸化物層151及び第2の
酸化物層152はバリア層として機能し、酸化物積層に接する絶縁層(第1の保護絶縁層
111及びゲート絶縁層104)と、酸化物積層との界面に形成されるトラップ準位の影
響が、トランジスタのキャリアの主な経路(キャリアパス)となる酸化物半導体層102
へと及ぶことを抑制することができる。
例えば、半導体層に含まれる酸素欠損は、酸化物半導体のエネルギーギャップ内の深い
エネルギー位置に存在する局在準位として顕在化する。このような局在準位にキャリアが
トラップされることで、トランジスタの信頼性が低下するため、半導体層に含まれる酸素
欠損を低減することが必要となる。酸化物積層においては、酸化物半導体層102と比較
して酸素欠損の生じにくい酸化物層を酸化物半導体層102の上下に接して設けることで
、酸化物半導体層102における酸素欠損を低減することができる。例えば、酸化物半導
体層102は、一定電流測定法(CPM:Constant Photocurrent
Method)により測定された局在準位による吸収係数を1×10−3/cm未満、
好ましくは1×10−4/cm未満とすることができる。
また、酸化物半導体層102が、構成元素の異なる絶縁層(例えば酸化シリコン膜を含
む絶縁層)と接する場合、2層の界面に界面準位が形成され、該界面準位はチャネルを形
成することがある。このような場合、しきい値電圧の異なる第2のトランジスタが出現し
、トランジスタの見かけ上のしきい値電圧が変動することがある。しかしながら、酸化物
積層においては酸化物半導体層102を構成する金属元素を一種以上含んで第1の酸化物
層151を有しているため、第1の酸化物層151と酸化物半導体層102の界面に界面
準位を形成しにくくなる。よって第1の酸化物層151を設けることにより、トランジス
タのしきい値電圧などの電気特性のばらつきを低減することができる。
また、ゲート絶縁層104と酸化物半導体層102との界面にチャネルが形成される場
合、該界面で界面散乱が起こり、トランジスタの電界効果移動度が低下する。しかしなが
ら、酸化物積層においては、酸化物半導体層102を構成する金属元素を一種以上含んで
第2の酸化物層152を有しているため、酸化物半導体層102と第2の酸化物層152
との界面ではキャリアの散乱が起こりにくく、トランジスタの電界効果移動度を高くする
ことができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に示したトランジスタ100の作製方法の一例を以下に
説明する。
まず、半導体基板101上に第1の保護絶縁層111を形成する。
第1の保護絶縁層111の成膜は、例えば酸素を含む雰囲気にてスパッタリング法など
により成膜することができる。そのほか、酸素を含む雰囲気にて、CVD法、MBE(M
olecular Beam Epitaxy)法、ALD(Atomic Layer
Deposition)法、またはPLD(Pulsed Laser Deposi
tion)法等により成膜してもよい。
例えば、第1の保護絶縁層111として、酸化アルミニウム膜を用いる場合には、酸化
アルミニウムをスパッタリングターゲットとし、酸素を含む雰囲気下で成膜することがで
きる。なお成膜ガスに希ガスなどの不活性ガスを含ませてもよい。例えば成膜ガスの流量
に対する酸素の流量を20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上と
することが好ましい。なお、アルミニウムをスパッタリングターゲットとした反応性スパ
ッタリング法により酸化アルミニウム膜を成膜してもよいが、酸化アルミニウムをスパッ
タリングターゲットに用いた方が、より多くの酸素を膜中に含有させることができるため
好ましい。
続いて、第1の保護絶縁層111上に第1の酸化物膜及び酸化物半導体膜を成膜する。
その後フォトリソグラフィ法などを用いて酸化物半導体膜上にレジストマスクを形成し、
第1の酸化物膜及び酸化物半導体膜の不要な部分をエッチングにより除去する。その後レ
ジストマスクを除去することにより、島状の第1の酸化物層151及び島状の酸化物半導
体層102を形成することができる(図3(A))。
また、第1の酸化物膜を形成する前に、第1の保護絶縁層111上に酸素過剰領域を有す
る絶縁層を設けてもよい。その場合には、第1の保護絶縁層111と島状の第1の酸化物
層151の間に酸素過剰領域を有する絶縁層、たとえば酸化シリコン膜が配置され、後の
熱処理によって酸化シリコン膜中の酸素を島状の酸化物半導体層102に供給すると、島
状の酸化物半導体層102中の酸素欠損を低減できるため、好ましい。
第1の酸化物膜及び酸化物半導体膜の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、
ALD法、またはPLD法等を用いることができる。または、ゾルゲル法やスプレー法、
ミスト法など、液状の材料を用いた薄膜形成技術を用いることもできる。第1の酸化物膜
及び酸化物半導体膜の成膜は、スパッタリング法を用いることが好ましい。スパッタリン
グ法としては、RFスパッタリング法、DCスパッタリング法、ACスパッタリング法等
を用いることができる。特に、成膜時に発生するゴミを低減でき、且つ膜厚分布も均一と
することから、DCスパッタリング法を用いることが好ましい。
酸化物半導体膜の成膜後、加熱処理を行ってもよい。加熱処理は、250℃以上650
℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下の温度で、不活性ガス雰囲気、酸化性ガス
を10ppm以上含む雰囲気、または減圧状態で行えばよい。また、加熱処理の雰囲気は
、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10p
pm以上含む雰囲気で行ってもよい。加熱処理により、第1の保護絶縁層111から酸化
物半導体膜(または酸化物半導体層102)に酸素が供給され、酸化物半導体層102に
含まれる酸化物半導体中の酸素欠損を低減できる。なお、加熱処理は、酸化物半導体膜を
成膜した直後に行ってもよいし、酸化物半導体膜を加工して島状の酸化物半導体層102
を形成した後に行ってもよい。
レジストマスクの形成に用いる光は、例えばi線(波長365nm)、g線(波長43
6nm)、h線(波長405nm)、またはこれらを混合させた光を用いることができる
。そのほか、紫外線やKrFレーザ光、またはArFレーザ光等を用いることもできる。
また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外
光(EUV:Extreme Ultra−violet)やX線を用いてもよい。また
、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線または
電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビーム
などのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
また、図3(A)に示すように酸化物半導体層102の断面形状は、その上部の角部が
なだらかな曲面となるように加工することが好ましい。特に酸化物半導体層102を微細
に加工した場合には、このような形状になることが多い。このような断面形状の酸化物半
導体層102とすることにより、その上部に設けられる膜の被覆性が向上するため、トラ
ンジスタ100の電気特性のばらつきや変動を抑制でき、好ましい。
続いて、第2の酸化物膜を形成し、絶縁膜を形成する。さらに、当該絶縁膜上に導電膜
を成膜する。その後フォトリソグラフィ法などを用いて導電膜上にレジストマスクを形成
し、第2の酸化物膜、導電膜、および絶縁膜を選択的にエッチングして除去する。このエ
ッチングによって酸化物半導体層102の一部を露出させる。具体的には、酸化物半導体
層102のチャネル形成領域以外の領域を露出させる。その後、レジストマスクを除去す
ることにより、ゲート電極105およびゲート絶縁層104及び第2の酸化物層152を
形成することができる(図3(B))。
第2の酸化物膜の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、ALD法、またはP
LD法等を用いることができる。または、ゾルゲル法やスプレー法、ミスト法など、液状
の材料を用いた薄膜形成技術を用いることもできる。第2の酸化物膜の成膜は、スパッタ
リング法を用いることが好ましい。
ゲート絶縁層104となる絶縁膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、ALD
法またはPLD法などを用いて形成することができる。特に、当該絶縁膜をCVD法、好
ましくはプラズマCVD法によって成膜すると、被覆性を向上させることができるため好
ましい。なお、ゲート絶縁層104は、例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸
化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムまたはGa−Zn系金属
酸化物、窒化シリコンなどを用いればよく、積層または単層で設ける。また、ゲート絶縁
層104として、ハフニウムシリケート(HfSiO)、窒素が添加されたハフニウム
シリケート(HfSi)、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfA
)、酸化ハフニウム、酸化イットリウムなどのhigh−k材料を用いるこ
とでトランジスタのゲートリークを低減できる。
また、ゲート電極105となる導電膜は、例えばスパッタリング法、蒸着法、CVD法
などにより成膜することができる。
なお、本実施の形態では工程短縮のため、ゲート絶縁層104をゲート電極105の形
成時に同時にエッチングし、ゲート電極105と同様の上面形状となるようにゲート絶縁
層104を加工する場合について説明するが、ゲート絶縁層104がゲート電極105よ
りも外側に延在するような上面形状となるように、それぞれを個別に加工してもよい。な
お、電子ビームなどのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは
不要である。
続いて、第2の保護絶縁層112を形成する(図3(C))。
本実施の形態では、金属膜を形成した後、加熱処理を行って金属膜を酸化させることによ
って第2の保護絶縁層112を形成する。この加熱処理の際に金属膜に含まれる金属元素
が酸化物半導体層102の一部に拡散させ、ゲート電極105を利用して自己整合的に低
抵抗領域153、154を形成する。例えば、アルミニウムターゲットを用いて不活性雰
囲気下でアルミニウム膜を成膜した後、150℃以上の加熱処理を酸素雰囲気下で行い、
酸化アルミニウム膜を形成する。
また、基板温度を150℃以上、好ましくは250℃以上として反応性スパッタ法を用い
、アルミニウムターゲットを用いて酸素雰囲気下で酸化アルミニウム膜を成膜してもよい
。この場合には、成膜中にアルミニウム元素が酸化物半導体層102の一部に拡散し、ゲ
ート電極105を利用して自己整合的に低抵抗領域153、154が形成されることとな
る。従って、低抵抗領域153、154はアルミニウム元素を含み、ゲート電極105下
方に位置するチャネル形成領域よりも低抵抗な領域となる。また、低抵抗領域153、1
54はチャネル形成領域と組成が異なる。
スパッタ法で第2の保護絶縁層112を形成する雰囲気は、露点が−40℃以下、好まし
くは−80℃以下、より好ましくは−100℃以下にまで高純度化したガス(酸素、オゾ
ン、またはアルゴン)を用いることで酸化物半導体層に水分等が取り込まれることを可能
な限り防ぐことが好ましい。酸化物半導体層内部またはその界面近傍の水素等の不純物濃
度を低減することで、安定したトランジスタの電気特性を得ることができる。
また、アルミニウム膜は、スパッタ法の他に、ALD法を用いてもよい。ALD法を用い
る場合は、原料ガスとして、TMA(トリメチルアルミニウム:(CHAl)を用
いればよい。
また、図3(C)に示すように、第2の保護絶縁層112は、酸化物半導体層102が
設けられていない領域で、第1の保護絶縁層111と接するように設けられる。したがっ
て、第1の保護絶縁層111および第2の保護絶縁層112により酸化物半導体層102
を囲うことができる。第1の保護絶縁層111および第2の保護絶縁層112により酸化
物半導体層102を囲うことで酸化物半導体層からの酸素の放出を抑制し、酸素欠損の形
成を抑制する。
続いて、層間絶縁層155を形成し、低抵抗領域153、154に達するコンタクトホー
ルを形成した後、導電膜を形成する。この導電膜を選択的にエッチングすることで一対の
電極103を形成する。
層間絶縁層155は、例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化
アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムまたはGa−Zn系金属酸化物、窒化シリ
コンなどを用いればよく、積層または単層で設ける。また、成膜後にCMPなどの平坦化
処理を行ってもよい。
一対の電極103は、導電材料として、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、
イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンからなる
単体金属、またはこれを主成分とする合金を単層構造または積層構造として用いることが
できる。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン
膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上にチタ
ン膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二
層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、そのチタン膜または窒化チタン膜上に重ねてア
ルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン膜を形成す
る三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜または窒化モリ
ブデン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜ま
たは窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫また
は酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。
以上の工程により、トランジスタ100を作製することができる。トランジスタ100
は、酸化物半導体層の下方に第1の酸化物層を有し、酸化物半導体層の上方に第2の酸化
物層を有する構成とすることで、しきい値電圧の安定化や、S値を小さくすることができ
る。したがって、Icut(ゲート電圧VGが0V時の電流)を下げることができ、半導
体装置の消費電力を低減させることができる。また、トランジスタのしきい値電圧が安定
化することから、半導体装置の長期信頼性を向上させることができる。
また、トランジスタ100は、チャネル形成領域とゲート絶縁膜が接しない構成となって
いる。そのため、チャネル形成層とゲート絶縁膜との界面で生じるキャリアの散乱を抑え
ることができ、トランジスタの電界効果移動度を高くすることができる。
また、トランジスタ100は、チャネル形成領域に隣接して自己整合的に低抵抗領域を有
するため、トランジスタが微細化された場合においても十分に高いオン電流を得ることが
できる。また、低抵抗領域153、154は、加熱処理の際に金属膜に含まれる金属元素
が酸化物半導体層102の一部に拡散させて形成されるため、加熱処理の条件(温度、時
間など)や金属元素によっては、低抵抗領域153、154がゲート電極と重なる場合も
ある。その一例を図7に示す。図7に示すトランジスタにおいては、チャネル長は、低抵
抗領域153と低抵抗領域154の最短距離となる。また、低抵抗領域153、154が
ゲート電極と重なる場合、高いオン電流を得ることができる。
さらに、トランジスタ100は、酸化物半導体層102と半導体基板101との間に導電
膜を設けた構造としてもよい。当該導電膜を第2のゲート電極として用いることで、更な
るオン電流の増加や、しきい値電圧の制御を行うことができる。オン電流を増加させるに
は、例えば、ゲート電極105と導電膜(第2のゲート電極)を同電位とし、デュアルゲ
ートトランジスタとして駆動させればよい。また、しきい値電圧の制御を行うには、ゲー
ト電極105とは異なる定電位を導電膜(第2のゲート電極)に供給すればよい。
本実施の形態は、本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施するこ
とができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様であるトランジスタを使用し、電力が供給されない状
況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置(記憶装
置)の一例を、図面を用いて説明する。
図4(A)に半導体装置の断面図、図4(B)に半導体装置の回路図をそれぞれ示す。
図4(A)および図4(B)に示す半導体装置は、下部に第1の半導体材料を用いたトラ
ンジスタ3200を有し、上部に第2の半導体材料を用いたトランジスタ3300、およ
び容量素子3400を有している。なお、トランジスタ3300としては、実施の形態1
及び実施の形態2で説明したトランジスタ100を用いることができる。
また、容量素子3400は、一方の電極をトランジスタ3300のソース電極層またはド
レイン電極層、他方の電極をトランジスタ3300のゲート電極層、誘電体をトランジス
タ3300の第2の保護絶縁層112と同じ材料を用いる構造とすることで、トランジス
タ3300と同時に形成することができる。
ここで、第1の半導体材料と第2の半導体材料は異なるエネルギーギャップを持つ材料と
することが望ましい。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料(シリ
コンなど)とし、第2の半導体材料を実施の形態1で説明した酸化物半導体とすることが
できる。酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方
で、酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が低い電気特性により長時間の電荷
保持を可能とする。
なお、上記トランジスタは、いずれもnチャネル型トランジスタであるものとして説明す
るが、pチャネル型トランジスタを用いることができるのはいうまでもない。また、情報
を保持するために酸化物半導体を用いた実施の形態1に示すようなトランジスタを用いる
他は、半導体装置に用いられる材料や半導体装置の構造など、半導体装置の具体的な構成
をここで示すものに限定する必要はない。
図4(A)におけるトランジスタ3200は、半導体材料(例えば、結晶性シリコンなど
)を含む基板3000に設けられたチャネル形成領域と、チャネル形成領域を挟むように
設けられた不純物領域と、不純物領域に接する金属間化合物領域と、チャネル形成領域上
に設けられたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極層と、を有する。
なお、図において、明示的にはソース電極層やドレイン電極層を有しない場合があるが、
便宜上、このような状態を含めてトランジスタと呼ぶ場合がある。また、この場合、トラ
ンジスタの接続関係を説明するために、ソース領域やドレイン領域を含めてソース電極層
やドレイン電極層と表現することがある。つまり、本明細書において、ソース電極層との
記載には、ソース領域が含まれうる。
基板3000上にはトランジスタ3200を囲むように素子分離絶縁層3100が設けら
れており、トランジスタ3200を覆うように絶縁層3150が設けられている。なお、
素子分離絶縁層3100は、LOCOS(Local Oxidation of Si
licon)や、STI(Shallow Trench Isolation)などの
素子分離技術を用いて形成することができる。
例えば、結晶性シリコン基板を用いた場合、トランジスタ3200は高速動作が可能とな
る。このため、当該トランジスタを読み出し用のトランジスタとして用いることで、情報
の読み出しを高速に行うことができる。
絶縁層3150上にはトランジスタ3300が設けられ、そのソース電極層またはドレイ
ン電極層と電気的に接続する配線は、容量素子3400の一方の電極として作用する。ま
た、当該配線は、トランジスタ3200のゲート電極層と電気的に接続される。
図4(A)に示すトランジスタ3300は、酸化物半導体層にチャネルが形成されるトッ
プゲート型トランジスタである。トランジスタ3300は、オフ電流が小さいため、これ
を用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレ
ッシュ動作を必要としない、或いは、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ない半導体記憶
装置とすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。
また、トランジスタ3300と重畳するように絶縁層3150を介して電極3250が設
けられている。当該電極を第2のゲート電極として適切な電位を供給することで、トラン
ジスタ3300のしきい値電圧を制御することができる。また、トランジスタ3300の
長期信頼性を高めることができる。また、当該電極をトランジスタ3300のゲート電極
と同電位として動作させることでオン電流を増加させることができる。なお、電極325
0を設けない構成とすることもできる。
図4(A)に示すように、トランジスタ3200を形成する基板上にトランジスタ330
0および容量素子3400を形成することができるため、半導体装置の集積度を高めるこ
とができる。
図4(A)に対応する回路構成の一例を図4(B)に示す。
図4(B)において、第1の配線3001はトランジスタ3200のソース電極層と電気
的に接続され、第2の配線3002はトランジスタ3200のドレイン電極層と電気的に
接続されている。また、第3の配線3003はトランジスタ3300のソース電極層また
はドレイン電極層の一方と電気的に接続され、第4の配線3004はトランジスタ330
0のゲート電極層と電気的に接続されている。そして、トランジスタ3200のゲート電
極層、およびトランジスタ3300のソース電極層またはドレイン電極層の他方は、容量
素子3400の電極の一方と電気的に接続され、第5の配線3005は容量素子3400
の電極の他方と電気的に接続されている。なお、電極3250に相当する要素は図示して
いない。
図4(B)に示す半導体装置では、トランジスタ3200のゲート電極層の電位が保持可
能という特徴を活かすことで、次のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能であ
る。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線3004の電位を、トラ
ンジスタ3300がオン状態となる電位にして、トランジスタ3300をオン状態とする
。これにより、第3の配線3003の電位が、トランジスタ3200のゲート電極層、お
よび容量素子3400に与えられる。すなわち、トランジスタ3200のゲート電極層に
は、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える
電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という)のいずれかが与えられるもの
とする。その後、第4の配線3004の電位を、トランジスタ3300がオフ状態となる
電位にして、トランジスタ3300をオフ状態とすることにより、トランジスタ3200
のゲート電極層に与えられた電荷が保持される(保持)。
トランジスタ3300のオフ電流は極めて小さいため、トランジスタ3200のゲート電
極層の電荷は長時間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線3001に所定の電位(定電位)を与
えた状態で、第5の配線3005に適切な電位(読み出し電位)を与えると、トランジス
タ3200のゲート電極層に保持された電荷量に応じて、第2の配線3002は異なる電
位をとる。一般に、トランジスタ3200をnチャネル型とすると、トランジスタ320
0のゲート電極層にHighレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値電圧V
th_Hは、トランジスタ3200のゲート電極層にLowレベル電荷が与えられている
場合の見かけのしきい値電圧Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけのしき
い値電圧とは、トランジスタ3200を「オン状態」とするために必要な第5の配線30
05の電位をいうものとする。したがって、第5の配線3005の電位をVth_HとV
th_Lの間の電位Vとすることにより、トランジスタ3200のゲート電極層に与え
られた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、Highレベル電荷が与えられて
いた場合には、第5の配線3005の電位がV(>Vth_H)となれば、トランジス
タ3200は「オン状態」となる。Lowレベル電荷が与えられていた場合には、第5の
配線3005の電位がV(<Vth_L)となっても、トランジスタ3200は「オフ
状態」のままである。このため、第2の配線3002の電位を判別することで、保持され
ている情報を読み出すことができる。
なお、メモリセルをアレイ状に配置して用いる場合、所望のメモリセルの情報のみを読み
出せることが必要になる。このように情報を読み出さない場合には、ゲート電極層の状態
にかかわらずトランジスタ3200が「オフ状態」となるような電位、つまり、Vth_
より小さい電位を第5の配線3005に与えればよい。または、ゲート電極層の状態に
かかわらずトランジスタ3200が「オン状態」となるような電位、つまり、Vth_L
より大きい電位を第5の配線3005に与えればよい。
本実施の形態に示す半導体装置では、チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたオフ電流
の極めて小さいトランジスタを適用することで、極めて長期にわたり記憶内容を保持する
ことが可能である。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動
作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができ
る。また、電力の供給がない場合(ただし、電位は固定されていることが望ましい)であ
っても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
また、本実施の形態に示す半導体装置では、情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、素
子の劣化の問題もない。例えば、従来の不揮発性メモリのように、フローティングゲート
への電子の注入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行う必要がないため、
ゲート絶縁膜の劣化といった問題が生じない。すなわち、開示する発明に係る半導体装置
では、従来の不揮発性メモリで問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性
が飛躍的に向上する。さらに、トランジスタのオン状態、オフ状態によって、情報の書き
込みが行われるため、高速な動作も容易に実現しうる。
以上のように、微細化および高集積化を実現し、かつ高い電気的特性を付与された半導体
装置を提供することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる
(実施の形態4)
実施の形態1および2で説明したトランジスタは、表示装置、記憶装置、CPU、DSP
(Digital Signal Processor)、カスタムLSI、PLD(P
rogrammable Logic Device)等のLSI、RF−ID(Rad
io Frequency Identification)、インバータ、イメージセ
ンサなどの半導体装置に応用することができる。本実施の形態では、上記半導体装置を有
する電子機器の例について説明する。
上記半導体装置を有する電子機器としては、テレビ、モニタ等の表示装置、照明装置、パ
ーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、画像再生装置、ポータブルオーディオプレー
ヤ、ラジオ、テープレコーダ、ステレオ、電話、コードレス電話、携帯電話、自動車電話
、トランシーバ、無線機、ゲーム機、電卓、携帯情報端末、電子手帳、電子書籍、電子翻
訳機、音声入力機器、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電気シェーバ、ICチップ
、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器、電気洗濯機、電気掃除機、エアコンディ
ショナーなどの空調設備、食器洗い機、食器乾燥機、衣類乾燥機、布団乾燥機、電気冷蔵
庫、電気冷凍庫、電気冷凍冷蔵庫、DNA保存用冷凍庫、放射線測定器、透析装置、X線
診断装置等の医療機器、などが挙げられる。また、煙感知器、熱感知器、ガス警報装置、
防犯警報装置などの警報装置も挙げられる。さらに、誘導灯、信号機、ベルトコンベア、
エレベータ、エスカレータ、産業用ロボット、電力貯蔵システム等の産業機器も挙げられ
る。また、燃料を用いたエンジンや、非水系二次電池からの電力を用いて電動機により推
進する移動体なども、電子機器の範疇に含まれるものとする。上記移動体として、例えば
、電気自動車(EV)、内燃機関と電動機を併せ持ったハイブリッド車(HEV)、プラ
グインハイブリッド車(PHEV)、これらのタイヤ車輪を無限軌道に変えた装軌車両、
電動アシスト自転車を含む原動機付自転車、自動二輪車、電動車椅子、ゴルフ用カート、
小型または大型船舶、潜水艦、ヘリコプター、航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機
や惑星探査機、宇宙船が挙げられる。これらの電子機器の一部の具体例を図5に示す。
図5(A)に示すテレビジョン装置8000は、筐体8001に表示部8002が組み込
まれており、表示部8002により映像を表示し、スピーカ部8003から音声を出力す
ることが可能である。本発明の一態様のトランジスタを有する記憶装置は、表示部800
2を動作するための駆動回路に用いることが可能である。
また、テレビジョン装置8000は、情報通信を行うためのCPU8004や、メモリを
備えていてもよい。メモリに、本発明の一態様のトランジスタを有する記憶装置を用いる
ことができる。
図5(A)に示す警報装置8100は、住宅用火災警報器であり、煙または熱の検出部8
102と、マイクロコンピュータ8101を有している。マイクロコンピュータ8101
は、本発明の一態様のトランジスタを有する記憶装置を含む電子機器の一例である。
また、図5(A)に示す室内機8200および室外機8204を有するエアコンディショ
ナーは、先の実施の形態に示したトランジスタ、記憶装置等を含む電子機器の一例である
。具体的に、室内機8200は、筐体8201、送風口8202、記憶装置8203等を
有する。図5(A)においては、記憶装置8203が、室内機8200に設けられている
場合を例示しているが、記憶装置8203は室外機8204に設けられていてもよい。ま
たは、室内機8200と室外機8204の両方に、記憶装置8203が設けられていても
よい。本発明の一態様のトランジスタをエアコンディショナーの記憶装置に用いることに
よって省電力化を図ることができる。
また、図5(A)に示す電気冷凍冷蔵庫8300は、先の実施の形態に示したトランジス
タ、記憶装置等を含む電子機器の一例である。具体的に、電気冷凍冷蔵庫8300は、筐
体8301、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303、記憶装置8304等を有する。
図5(A)では、記憶装置8304が、筐体8301の内部に設けられている。本発明の
一態様のトランジスタを電気冷凍冷蔵庫8300の記憶装置8304に用いることによっ
て省電力化が図れる。
図5(B)、(C)には、電子機器の一例である電気自動車の例を示す。電気自動車97
00には、二次電池9701が搭載されている。二次電池9701の電力は、回路970
2により出力が調整されて、駆動装置9703に供給される。回路9702は、図示しな
いROM、RAM、CPU等を有する処理装置9704によって制御される。本発明の一
態様のトランジスタを電気自動車9700のROM、RAM、CPU等に用いることによ
って省電力化が図れる。
駆動装置9703は、直流電動機もしくは交流電動機単体、または電動機と内燃機関と、
を組み合わせて構成される。処理装置9704は、電気自動車9700の運転者の操作情
報(加速、減速、停止など)や走行時の情報(上り坂や下り坂等の情報、駆動輪にかかる
負荷情報など)の入力情報に基づき、回路9702に制御信号を出力する。回路9702
は、処理装置9704の制御信号により、二次電池9701から供給される電気エネルギ
ーを調整して駆動装置9703の出力を制御する。交流電動機を搭載している場合は、図
示していないが、直流を交流に変換するインバータも内蔵される。
100 トランジスタ
101 半導体基板
102 酸化物半導体層
103 電極
104 ゲート絶縁層
105 ゲート電極
111 保護絶縁層
112 保護絶縁層
151 酸化物層
152 酸化物層
153 低抵抗領域
154 低抵抗領域
155 層間絶縁層
3000 基板
3001 配線
3002 配線
3003 配線
3004 配線
3005 配線
3100 素子分離絶縁層
3150 絶縁層
3200 トランジスタ
3250 電極
3300 トランジスタ
3400 容量素子
8000 テレビジョン装置
8001 筐体
8002 表示部
8003 スピーカ部
8004 CPU
8100 警報装置
8101 マイクロコンピュータ
8102 検出部
8200 室内機
8201 筐体
8202 送風口
8203 記憶装置
8204 室外機
8300 電気冷凍冷蔵庫
8301 筐体
8302 冷蔵室用扉
8303 冷凍室用扉
8304 記憶装置
9700 電気自動車
9701 二次電池
9702 回路
9703 駆動装置
9704 処理装置

Claims (1)

  1. 第1の酸化物層と、
    前記第1の酸化物層上に酸化物半導体層と、
    前記酸化物半導体層上に第2の酸化物層と、
    前記第2の酸化物層上に絶縁層と、
    前記絶縁層上にゲート電極層と、
    前記ゲート電極層上に保護絶縁層と、を有し、
    前記酸化物半導体層は、前記ゲート電極層と重なるチャネル形成領域と、該チャネル形成領域よりも低抵抗な領域である低抵抗領域と、を有し、
    前記保護絶縁層は、前記低抵抗領域の上面に接する領域と、前記低抵抗領域の側面に接する領域と、を有し、
    前記保護絶縁層は、酸化アルミニウムを含み、
    前記第1の酸化物層、前記酸化物半導体層、及び前記第2の酸化物層は、In、Ga、及びZnを主成分として含み、
    前記第1の酸化物層及び前記第2の酸化物層は、Inに対するGaの原子数比が前記酸化物半導体層よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
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