JP6528421B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、エポキシ基を含有する重合体と、多官能エポキシ化合物を含有する架橋剤と、を含む感光性樹脂組成物に関する技術が記載されている。
環状オレフィン系樹脂(A)と、
感光性ジアゾキノン化合物(B)と、
水酸基を4以上含むフェノール化合物(C)と、
溶剤(D)と、を含む、ポジ型感光性樹脂組成物であって、
前記環状オレフィン系樹脂(A)が下記式(a1)及び(a2)により示される繰り返し単位を含み、
前記環状オレフィン系樹脂(A)が反応性基としてヘテロ環を有することを特徴とし、
下記の手順で算出される硬化残膜率が、90%以上である、感光性樹脂組成物が提供される。
(手順)
当該感光性樹脂組成物を、8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約7.5μmの塗膜を得る。
その塗布膜を、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、オーブンにて200℃で60分間加熱し、室温に戻した後の硬化膜の膜厚を測定する。
測定した硬化後の硬化膜の膜厚及び硬化前の塗布膜の膜厚の値を用い、下記式に基づいて硬化残膜率を算出する。
式:硬化残膜率(%)=(硬化後の硬化膜の膜厚/硬化前の塗布膜の膜厚)×100
このような構成とすることにより、高感度にてポジ型パターンの形成が可能であり、表面保護膜、層間絶縁膜用途として、低温硬化した場合にも、耐薬品性および熱硬化残膜率のバランスのとれた特性を有する感光性樹脂組成物を提供できるものである。
<環状オレフィン系樹脂(A)>
本実施形態に用いる環状オレフィン系樹脂(A)は、環状オレフィンを重合成分として含む。環状オレフィンは、環内にエチレン性二重結合を有する重合性の環状オレフィンであり、二環式オレフィンを含む、代表的な二環式オレフィンとしては、例えば置換基を有していても良いノルボルネン(2−ノルボルネン)、置換基を有していてもよいオクタリン(オクタヒドロナフタレン))などが例示できる。これらの置換基は、単独で又は二種以上組合せてもよい。
本実施形態において、上記式(a1)により示されるR4〜R7はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基をあらわし、AはOまたはN−R8である。R8は水素または炭素数1〜30の有機基をあらわし、nは0〜2の整数である。
<ジアゾキノン化合物(B)>
本実施形態に用いる感光性ジアゾキノン化合物(B)は、光により酸を発生する化合物であり、例えば、ポジ型のパターニングが可能となる感光剤を用いることができ、200〜500nmの波長、特に好ましくは350〜450nmの波長を持つ化学線の照射により酸を発生する化合物が好ましい。
<フェノール化合物(C)>
フェノール化合物としては、分子内に水酸基を4つ以上含む構造を有するものを使用することができる。水酸基を4つ以上有することで充分な架橋を促進し、耐薬品性、硬化残膜率に優れた膜を得ることができる。
式(2)中Yは単結合またはC1〜C10の有機基であり、Zは単結合、C1〜C10のアルキル基、シクロヘキシル基、ヘテロ環、芳香族基から選ばれる有機基である。R3は水素、水酸基、C1〜C10の有機基から選択され、それぞれ同一または異なっていてもよい。)
具体的に、一般式(1)で示されるフェノール化合物として、例えば、下記式(3)で示される化合物を例示できるがこれらに限定されない。
式(2)中Yは単結合またはC1〜C10の有機基であり、Zは単結合、C1〜C10のアルキレン基、シクロヘキシル基、ヘテロ環、芳香族基から選ばれる有機基である。R3は水素、水酸基、C1〜C10の有機基から選択され、それぞれ同一または異なっていてもよい。)
上記式(1)または(2)で示されるフェノール化合物は、それぞれのフェノール性水酸基を有する芳香環が、単結合、アルキル結合、エーテル結合、スルホン結合、カルボキシ結合、脂環式構造または芳香環構造を有するアルキル結合などで結合している。これらのフェノール性水酸基の結合方式により、環状オレフィン系樹脂どうしの架橋をさらに容易にすることができる。これにより上記式(1)または式(2)に記載のフェノール化合物を使用することで、特に耐薬品性を向上することができる。また、これらのフェノール化合物は1種または2種以上を組合せて用いることができる。
上記式(5)記載のフェノール化合物を用いることで、耐溶剤性が向上しさらには残膜率とパターニング性に優れた感光性樹脂組成物を得ることが出来る。
<溶剤(D)>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記の成分を溶剤(D)に溶解し、ワニス状にして使用することができる。このような溶剤(D)としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル及びメチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いてもよい。
<熱架橋剤(E)>
感光性樹脂組成物は、熱架橋剤(E)を含んでいてもよい。熱架橋剤(E)は、反応性基としてヘテロ環を有する化合物が好ましく、なかでも、グリシジル基またはオキセタニル基を有する化合物が好ましい。これらのうち、カルボキシル基や水酸基等の活性水素を持つ官能基との反応性の観点からは、グリシジル基を有する化合物がより好ましい。グリシジル基を有する化合物としては、エポキシ化合物があげられる。
<シランカップリング剤(F)>
本実施形態の感光性樹脂組成物には、密着性を向上させる上で、シランカップリグ剤(F)を用いることができる。このようなシランカップリング剤(F)としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、及びアミノ基を有するケイ素化合物と酸二無水物または酸無水物とを反応することにより得られるケイ素化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<硬化促進剤(G)>
本実施形態の感光性樹脂組成物には、熱架橋を向上させる上で、硬化促進剤(G)を用いることができる。
硬化促進剤(G)としては、たとえば窒素を含む複素五員環化合物、または熱により酸を発生する化合物を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。硬化促進剤(G)として用いられる窒素を含む複素五員環化合物としては、たとえばピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、および1,2,4−トリアゾールが挙げられる。また、硬化促進剤として用いられる熱により酸を発生する化合物としては、たとえばスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、およびサリチル酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン及びそのフェノール塩、オクチル酸塩、オレイン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、オルソフタル酸塩、テトラフェニルボレート塩などが挙げられる。低温における硬化性をより効果的に向上させる観点からは、熱により酸を発生する化合物のうち、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンのスルホン酸塩および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンのテトラフェニルボレート塩の一方または双方を含むことがより好ましい。
<溶解促進剤(H)>
また、本実施形態の感光性樹脂組成物中には、溶解促進剤(H)が含まれていてもよい。
<界面活性剤(I)>
感光性樹脂組成物は、界面活性剤(I)を含んでいてもよい。界面活性剤(I)は、たとえばフッ素基(たとえば、フッ素化アルキル基)もしくはシラノール基を含む化合物、またはシロキサン結合を主骨格とする化合物を含むものである。本実施形態においては、界面活性剤(I)として、フッ素系界面活性剤またはシリコーン系界面活性剤を含むものを用いることがより好ましく、フッ素系界面活性剤を用いることがとくに好ましい。フッ素系界面活性剤としては例えば、DIC(株)製のメガファックF−171、F−173、F−444、F−470、F−471、F−475、F−482、F−477、F−554、F−556、およびF−557、住友スリーエム(株)製のノベックFC4430、及びFC4432等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<硬化膜>
本実施形態の感光性樹脂組成物の使用方法は、まず該組成物を適当な支持体、例えば、シリコンウエハ、セラミック基板、アルミ基板等に塗布する。塗布量は、半導体素子上に塗布する場合、一般的に硬化後の最終膜厚が0.1〜30μmになるよう塗布する。このような数値範囲とすることにより、半導体素子の保護膜、絶縁膜としての機能を十分に発揮され、微細なレリーフパターンを得ることができる。
<加工性>
当該感光性樹脂組成物を加熱硬化させて得られる硬化物(8インチのシリコンウエハに塗布した膜厚約7.5μmの均一な樹脂塗膜)の加工性は、マスクを通してi線ステッパーを用いて露光量を変化させて照射、続いてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像を行う。プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚の差が1.0μmになるように現像時間を調整してパドル現像行い、100μmの正方形のビアホールのパターンが形成される最低露光量の値を感度として加工性を評価する。プロセスのスループットの面で、感度(最低露光量)が低いほうが加工性がよいと判断できる。
<硬化残膜率>
当該感光性樹脂組成物を、それぞれ8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約7.5μmの塗膜を得る。その塗布膜を、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、オーブンにて200℃で60分間加熱し、室温に戻した後の膜厚を測定し、硬化後の膜厚と硬化前の膜厚の膜厚変化率を下記式より算出し、硬化残膜率として評価する。
硬化残膜率の値は好ましくは、90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、特に好ましくは98%以上である。硬化時の残膜率が上記範囲にあることで、硬化による膜厚の低下を防ぎ半導体素子を保護するための十分な膜厚を保持することができる。
<耐薬品性>
当該感光性樹脂組成物を加熱硬化させて得られる硬化物(8インチのシリコンウエハに塗布した膜厚約7.5μmの均一な樹脂塗膜)のジメチルスルホキシド溶液に対する耐薬品性は、ジメチルスルホキシド溶液に硬化物を40℃で10分間浸漬した後の、硬化物の膨潤率(%){(浸漬後の膜厚−浸漬前の膜厚)/浸漬前の膜厚×100(%)}で評価をおこなっているが、好ましくは、10%以下であり、より好ましくは5%以下であり、特に好ましくは3%以下である。上記硬化物のジメチルスルホキシド溶液に対する膨潤率が上記範囲内であれば、例えば、半導体装置や表示体装置で使用されている薬品に対して特に耐性を有していることから、半導体装置や表示体装置の製造工程中で工程異常などの不具合を抑制することができ、半導体装置や表示体装置の歩留まりを向上することができる。
<用途>
次に、感光性樹脂組成物の用途について説明する。
図1および図2は、それぞれ本実施形態に係る電子装置100の一例を示す断面図である。いずれにおいても、電子装置100のうちの絶縁膜20を含む一部が示されている。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 環状オレフィン系樹脂(A)と、感光性ジアゾキノン化合物(B)と、水酸基を4以上含むフェノール化合物(C)と溶剤(D)を含むポジ型感光性樹脂組成物。
2. 前記フェノール化合物(C)が下記一般式(1)または(2)で示されるフェノール化合物(C)である1.記載の感光性樹脂組成物。
式(2)中Yは単結合またはC1〜C10の有機基である。Zは単結合、C1〜C10のアルキレン基、シクロヘキシル基、ヘテロ環、芳香族基から選ばれる有機基である。R 3 は水素、水酸基、C1〜C10の有機基から選択され、それぞれ同一または異なっていてもよい。)
3. 前記環状オレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、前記フェノール化合物(C)を1重量部以上50重量部以下含む1.ないし2.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
4. 前記環状オレフィン系樹脂(A)が下記式(a1)及び(a2)により示される繰り返し単位を含む1.ないし3.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
5.前記環状オレフィン系樹脂(A)が反応性基としてヘテロ環を有することを特徴とする1.ないし4.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
6. 1.ないし5.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の硬化物で構成されている硬化膜。
7. 6.に記載の硬化膜で構成されている保護膜。
8. 6.に記載の硬化膜で構成されている絶縁膜。
9. 6.に記載の硬化膜を有している電子装置。
(合成例1)
<環状オレフィン系樹脂(A−1)の合成>
密閉可能な反応容器内に、ノルボルネンカルボン酸(30.4g、220mmol)、メチルグリシジルエーテルノルボルネン(57.7g、320mmol)、マレイミド(24.3g、250mmol)、およびシクロヘキシルマレイミド(44.8g、250mmol)を計量した。さらに、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(12.0g、52mmol)を溶解させたPGME113gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、容器を密閉し、70℃で16時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、アセトン200gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘキサンに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘキサンでさらに洗浄した後、30℃にて16時間真空乾燥させ環状オレフィン系樹脂(A−1)を得た。ポリマーの収得量は126g、収率は80%であった。上記操作により、重量平均分子量Mwが8500である、下記式(6)により示される繰り返し単位を有する環状オレフィン系樹脂を得た。
(合成例2)
<環状オレフィン系樹脂(A−2)の合成>
密閉可能な反応容器内に、ノルボルネンカルボン酸(31.8g、230mmol)、エチルオキセタンビニルエーテル(42.7g、300mmol)、マレイミド(24.3g、250mmol)、およびシクロヘキシルマレイミド(44.8g、250mmol)を計量した。さらに、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(11.9g、52mmol)を溶解させたPGME104gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、容器を密閉し、70℃で16時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、アセトン187gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘキサンに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘキサンでさらに洗浄した後、30℃にて16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は111g、収率は77%であった。上記操作により、重量平均分子量Mwが11500である、下記式(7)により示される繰り返し単位を有する環状オレフィン系樹脂を得た。
(合成例3)
<環状オレフィン系樹脂(A−3)の合成>
密閉可能な反応容器内に、メチルグリシジルエーテルノルボルネン(45.1g、250mmol)、2−ノルボルネン(23.5g、250mmol)、マレイン酸水素1−ブチル(51.7g、300mmol)、および無水マレイン酸(24.5g、250mmol)を計量した。さらに、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(12.1g、53mmol)を溶解させたPGME105gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、容器を密閉し、70℃で16時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、アセトン202gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘキサンに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘキサンでさらに洗浄した後、30℃にて16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は101g、収率は70%であった。上記操作により、重量平均分子量Mwが6300である、下記式(8)により示される繰り返し単位を有する環状オレフィン系樹脂を得た。
(合成例4)
<ポリアミド樹脂(A−4)の合成>
温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸21.4g(83mmol)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール22.4g(166mmol)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物40.9g(83mmol)と、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン36.6g(100mmol)とを入れ、N−メチル−2−ピロリドン330gを加えて溶解させた。その後、オイルバスを用いて75℃にて15時間反応させた。
次に、N−メチル−2−ピロリドン27.9gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物5.6g(34mmol)を加え、さらに3時間攪拌して反応を終了した。
(合成例5)
<ジアゾナフトキノン化合物(B)の合成>
温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、式(B−0)で表されるフェノール化合物11.0g(26mmol)と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライド18.8g(70mmol)とアセトン170gとを入れて撹拌、溶解させた。
(合成例6)
<シランカップリング剤(F−2)の合成>
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(45.6g、300mmol)をγ−ブチルラクトン(970g)に溶解させ、恒温槽にて30℃に調整した。次いで、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(62g、280mmol)を滴下ロートに仕込み、60分かけて溶解液へ滴下した。滴下完了後、30℃、18時間の条件化で撹拌を行い下記式(9)で表されるシランカップリング剤(F−2)を得た。
(合成例7)
<シランカップリング剤(F−3)の合成>
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(32.2g、100mmol)をγ−ブチルラクトン(669g)に溶解させ、恒温槽にて30℃に調整した。次いで、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(42.1g、190mmol)を滴下ロートに仕込み、60分かけて溶解液へ滴下した。滴下完了後、30℃、18時間の条件化で撹拌を行行い下記式()で表されるシランカップリング剤(F−3)を得た。
(感光性樹脂組成物の調整)
実施例1〜14および比較例1〜4のそれぞれについて、以下のように感光性樹脂組成物を調整した。まず、表1に従い配合された各成分を、調合後の粘度が約500mPa・sになるようにGBLに溶解させて窒素雰囲気下で撹拌させた後、孔径0.2μmのポリエチレン製フィルターで濾過することにより、ワニス状感光性樹脂組成物を得た。表1中における各成分の詳細は下記のとおりである。また、表1中の単位は、重量部である。
<アルカリ可用性樹脂(A)>
(A−1)上記合成例1により得られた環状オレフィン系樹脂。
(A−2)上記合成例2により得られた環状オレフィン系樹脂。
(A−3)上記合成例3により得られた環状オレフィン系樹脂。
(A−4)上記合成例4により得られたポリアミド樹脂。
<ジアゾナフトキノン化合物(B)>
(B−1)上記合成例5により得られたジアゾナフトキノン化合物
<フェノール化合物(C)>
(C−1)メチレンビスレゾルシン(本州化学(株)製)
(C−2)2,4,6,3‘,5’−ビフェニルペントール(関東化学(株)製)
(C−3)OC4HBPA(本州化学(株)製)
(C−4)OC4HBPM(本州化学(株)製)
(C−5)ビスフェノールF(本州化学(株)製)
(C−6)ビフェノール(本州化学(株)製)
(E−1)セロキサイド2021P((株)ダイセル製)
(E−2)アロンオキセタンOXT−221(東亞合成(株)製)
(F−1)3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)製)
(F−2)上記合成例6により得られたシランカップリング剤。
(F−3)上記合成例7により得られたシランカップリング剤。
<硬化促進剤(G)>
(G−1)UCAT SA506(サンアプロ(株)製)
(G−2)UCAT 5002(サンアプロ(株)製)
FC4430(住友3M(株)製)
<加工性評価>
上記で得た感光性樹脂組成物を、それぞれ、8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約7.5μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷社製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー(ニコン社製・NSR−4425i)を用いて、露光量を変化させて照射した。
<硬化残膜率評価>
上記で得た感光性樹脂組成物を、それぞれ、8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約7.5μmの塗膜を得た。塗布膜を、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、オーブンにて200℃で60分間加熱し、室温に戻した後の膜厚を測定した。硬化後の膜厚と硬化前の膜厚の膜厚変化率を下記式より算出し、硬化残膜率として評価した。
なお、硬化残膜率は半導体素子を保護するための十分な膜厚を保持するために高い方が
よい。
<耐薬品性評価>
上記で得た感光性樹脂組成物を、それぞれ8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約7.5μmの塗膜を得た。塗布膜を、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、オーブンにて200℃で60分間加熱し、樹脂組成物の硬化膜を得た。硬化膜をジメチルスルホキシド溶液に40℃で10分間浸漬し、その後イソプロピルアルコールで十分洗浄後風乾し、処理後の膜厚を測定した。処理後の膜厚と処理前の膜厚の膜厚変化率を下記式より算出し、硬化物の膨潤率とした。
硬化物の膨潤率(%){(浸漬後の膜厚−浸漬前の膜厚)/浸漬前の膜厚×100(%)}
硬化物の膨潤率が3%以下を◎、5%以下を○、10%以下を△、10%を超えた場合を×として評価した。
硬化物の膨潤率は半導体製造プロセスでの膜厚変化を少なくし、工程異常をなくすためにも小さいほうがよい。
表面にアルミ回路を備えた模擬素子ウエハを用いて、実施例1〜10の感光性樹脂組成物を、それぞれ、最終5μmとなるよう塗布した後、パターン加工を施して硬化した。その後、チップサイズ毎に分割して16Pin DIP(Dual Inline Package)用のリードフレームに導電性ペーストを用いてマウントした後、半導体封止用エポキシ樹脂(住友ベークライト社製、EME−6300H)で封止成形して、半導体装置を作製した。これらの半導体装置(半導体パッケージ)を85℃/85%湿度の条件で168時間処理した後、260℃半田浴槽に10秒間浸漬し、次いで、高温、高湿のプレッシャークッカー処理(125℃、2.3atm、100%相対湿度)を施してアルミ回路のオープン不良をチェックした。その結果、腐食などはみられず半導体装置として問題無く使用できるものと予想される。
一方で比較例1〜4は感度、熱硬化残膜率、DMSO膨潤率のいずれも良好な結果が得られなかった。
Claims (7)
- 環状オレフィン系樹脂(A)と、
感光性ジアゾキノン化合物(B)と、
水酸基を4以上含むフェノール化合物(C)と、
溶剤(D)と、を含む、ポジ型感光性樹脂組成物であって、
前記環状オレフィン系樹脂(A)が下記式(a1)及び(a2)により示される繰り返し単位を含み、
前記環状オレフィン系樹脂(A)が反応性基としてヘテロ環を有することを特徴とし、
下記の手順で算出される硬化残膜率が、90%以上である、感光性樹脂組成物。
(手順)
当該感光性樹脂組成物を、8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約7.5μmの塗膜を得る。
その塗布膜を、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、オーブンにて200℃で60分間加熱し、室温に戻した後の硬化膜の膜厚を測定する。
測定した硬化後の硬化膜の膜厚及び硬化前の塗布膜の膜厚の値を用い、下記式に基づいて硬化残膜率を算出する。
式:硬化残膜率(%)=(硬化後の硬化膜の膜厚/硬化前の塗布膜の膜厚)×100 - 前記フェノール化合物(C)が下記一般式(1)または(2)で示されるフェノール化合物(C)である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
上記式(2)中Yは単結合またはC1〜C10の有機基である。Zは単結合、C1〜C10のアルキレン基、シクロヘキシル基、ヘテロ環、芳香族基から選ばれる有機基である。R3は水素、水酸基、C1〜C10の有機基から選択され、それぞれ同一または異なっていてもよい。) - 前記環状オレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、前記フェノール化合物(C)を1重量部以上50重量部以下含む請求項1ないし2のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物で構成されている硬化膜。
- 請求項4に記載の硬化膜で構成されている保護膜。
- 請求項4に記載の硬化膜で構成されている絶縁膜。
- 請求項4に記載の硬化膜を有している電子装置。
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