JP6528421B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、感光性樹脂組成物に関し、たとえば永久膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物に関する。
フォトレジスト等を構成する樹脂膜を形成するためには、露光、現像が可能な感光性樹脂組成物が用いられる。感光性樹脂組成物に関する技術としては、たとえば特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1には、フェノール性水酸基を有する樹脂と、架橋剤と、を含む感光性樹脂組成物に関する技術が記載されている。
また、特許文献2には、エポキシ基を含有する重合体と、多官能エポキシ化合物を含有する架橋剤と、を含む感光性樹脂組成物に関する技術が記載されている。
特開2014−186300号公報 WO05/096100号公報
感光性樹脂組成物については、低温での熱処理により十分な硬化性を示すことが求められる場合がある。しかしながら、感光性樹脂組成物の硬化温度を低温とした場合、耐熱性を向上させるための架橋剤が充分に架橋されず、残存した架橋基により硬化後の耐薬品性が低下することが懸念される。また、架橋の低下により硬化時の残膜率の低下が懸念される。このため、低温硬化性と、耐薬品性および残膜率のバランスに優れる感光性樹脂が求められている。
そこで、本発明は、高感度でポジ型パターンを形成できると共に、耐薬品性、および残膜率とのバランスのとれた硬化膜を得ることができる感光性樹脂組成物を提供する。
そこで、本発明は、高感度でポジ型パターンを形成でき、低温硬化性に優れており、低温硬化時でも耐薬品性に優れた硬化膜を得ることができる感光性樹脂組成物を提供する。
本発明によれば、
環状オレフィン系樹脂(A)と、
感光性ジアゾキノン化合物(B)と、
水酸基を4以上含むフェノール化合物(C)と、
溶剤(D)と、を含む、ポジ型感光性樹脂組成物であって、
前記環状オレフィン系樹脂(A)が下記式(a1)及び(a2)により示される繰り返し単位を含み、
(上記式(a1)中、nは0、1または2である。R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の有機基である。上記式(a2)中、AはOまたはN−Rを示し、Rは水素または炭素数1〜30の有機基を示す。)
前記環状オレフィン系樹脂(A)が反応性基としてヘテロ環を有することを特徴とし、
下記の手順で算出される硬化残膜率が、90%以上である、感光性樹脂組成物が提供される。
(手順)
当該感光性樹脂組成物を、8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約7.5μmの塗膜を得る。
その塗布膜を、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、オーブンにて200℃で60分間加熱し、室温に戻した後の硬化膜の膜厚を測定する。
測定した硬化後の硬化膜の膜厚及び硬化前の塗布膜の膜厚の値を用い、下記式に基づいて硬化残膜率を算出する。
式:硬化残膜率(%)=(硬化後の硬化膜の膜厚/硬化前の塗布膜の膜厚)×100
本発明によれば、高感度でポジ型パターンを形成でき、低温硬化性に優れており、低温硬化時でも耐薬品性に優れた硬化膜を得ることができる感光性樹脂組成物を提供することができる。
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、「〜」はとくに断りがなければ、以上から以下を表す。
本発明は、環状オレフィン系樹脂(A)と、感光性ジアゾキノン化合物(B)と、水酸基を4以上含むフェノール化合物(C)と、溶剤(D)を含むポジ型感光性樹脂組成物である。
このような構成とすることにより、高感度にてポジ型パターンの形成が可能であり、表面保護膜、層間絶縁膜用途として、低温硬化した場合にも、耐薬品性および熱硬化残膜率のバランスのとれた特性を有する感光性樹脂組成物を提供できるものである。
また、本実施形態に係る保護膜、絶縁膜は、上記感光性樹脂組成物の硬化物である硬化膜で構成されていることを特徴とする。
また、本実施形態に係る半導体装置、表示体装置等の電子装置は、上記硬化膜で構成されていることを特徴とする。
以下に,本実施形態に係る感光性樹脂組成物の各成分について詳細に説明する。なお下記は例示であり、本発明は何ら下記に限定されるものではない。
<環状オレフィン系樹脂(A)>
本実施形態に用いる環状オレフィン系樹脂(A)は、環状オレフィンを重合成分として含む。環状オレフィンは、環内にエチレン性二重結合を有する重合性の環状オレフィンであり、二環式オレフィンを含む、代表的な二環式オレフィンとしては、例えば置換基を有していても良いノルボルネン(2−ノルボルネン)、置換基を有していてもよいオクタリン(オクタヒドロナフタレン))などが例示できる。これらの置換基は、単独で又は二種以上組合せてもよい。
具体的に、二環式オレフィンとしては、例えば、2−ノルボルネン;5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネンなどのアルキル基(C1〜C10アルキル基)を有するノルボルネン類;5−エチリデン−2−ノルボルネンなどのアルケニル基を有するノルボルネン類;5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネンなどのアルコキシカルボニル基を有するノルボルネン類;5−シアノ−2−ノルボルネンなどのシアノ基を有するノルボルネン類;5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネンなどのアリール基を有するノルボルネン類;オクタリン;6−エチル−オクタヒドロナフタレンなどのアルキル基を有するオクタリンなどが例示できる。
これらの二環式オレフィンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの二環式オレフィンのうち、ノルボルネンやアルキル基(メチル基、エチル基などのC1〜C10アルキル基)を有するノルボルネンなどのノルボルネン類が好ましい。
環状オレフィンは、二環式オレフィンを含んでいればよく、さらに単環式オレフィン及び/または三環以上の多環式オレフィンを含んでいてもよい。単環式オレフィンとしては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの環状C4〜C12シクロオレフィン類などが挙げられる。多環式オレフィンとしては、例えば、ジシクロペンタジエン;2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン、メタノオクタヒドロフルオレン、ジメタノオクタヒドロナフタレン、ジメタノシクロペンタジエノナフタレン、メタノオクタヒドロシクロペンタジエノナフタレンなどの誘導体;6−エチル−オクタヒドロナフタレンなどの置換基を有する誘導体;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物、シクロペンタジエンの3〜4量体などが挙げられる。
上記の環状オレフィン系樹脂(A)は、その他のエチレン性二重結合を有する化合物を重合成分として含んでいてもよい。その他のエチレン性二重結合を有する化合物としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20のα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等の非共役ジエン;アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸等のアクリル酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、ジメチルマレイン酸、ジエチルマレイン酸、ジブチルマレイン酸等のマレイン酸類;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド類などが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
上記環状オレフィン系樹脂(A)の中でも下記式(a1)および(a2)にて示される構造を含むものが好ましい。
(式(a1)中、nは0、1または2である。R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の有機基である。AはOまたはN−R8を示し、R8は水素または炭素数1〜30の有機基を示す。)
本実施形態において、上記式(a1)により示されるR4〜R7はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基をあらわし、AはOまたはN−R8である。R8は水素または炭素数1〜30の有機基をあらわし、nは0〜2の整数である。
本実施形態において、R4、R5、R6およびR7を構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、カルボキシル基を有する有機基、およびヘテロ環を有する有機基が挙げられ、これらのなかから選択できる。アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられ、これらのなかから選択できる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。ヘテロ環を有する有機基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基を有する有機基が挙げられる。
なお、R4、R5、R6およびR7としてアルキル基を含むことにより、感光性樹脂組成物の製膜性を向上させることができる。また、R4、R5、R6およびR7としてアリール基を含むことにより、感光性樹脂組成物について、リソグラフィ工程におけるアルカリ現像液を用いた現像の際の膜減りを抑えることができる。また、R4、R5、R6およびR7としてカルボキシル基を有する有機基またはヘテロ環を有する有機基を含むことにより、硬化膜の耐熱性や強度を向上させることができる。とくに硬化膜の耐熱性を向上させる観点からは、R4、R5、R6およびR7としてカルボキシル基を有する有機基を含む構造単位と、R4、R5、R6およびR7としてヘテロ環を有する有機基を含む構造単位と、をともに上記式(a1)に示される構造に含むことがより好ましい。
また、前述したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、カルボキシル基を有する有機基、およびヘテロ環を有する有機基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。
本実施形態において、R8は、水素またはC1〜C12の有機基である。R8を構成するC1〜C12の有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、もしくはシクロアルキル基等の炭素数1〜12の炭化水素基が挙げられる。アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、およびナフチル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。なお、R7に含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
<ジアゾキノン化合物(B)>
本実施形態に用いる感光性ジアゾキノン化合物(B)は、光により酸を発生する化合物であり、例えば、ポジ型のパターニングが可能となる感光剤を用いることができ、200〜500nmの波長、特に好ましくは350〜450nmの波長を持つ化学線の照射により酸を発生する化合物が好ましい。
上記感光性ジアゾキノン化合物は、例えば、フェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステルが挙げられる。
ポジ型の場合、未露光部のレリーフパターン中に残存する光酸発生剤は、硬化時における熱で分解し酸を発生させると考えられ、反応促進剤としても光酸発生剤は重要な役割を果たしている。このような感光性ジアゾキノン化合物の場合、より熱で分解し易い1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸のエステルが好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物における感光性ジアゾキノン化合物(B)の含有量は、特に限定されるものではないが、環状オレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下であるのが好ましく、5質量部以上20質量部以下であるのがより好ましい。添加量が上記範囲内であることで良好なパターニング性能を発揮することができる。
<フェノール化合物(C)>
フェノール化合物としては、分子内に水酸基を4つ以上含む構造を有するものを使用することができる。水酸基を4つ以上有することで充分な架橋を促進し、耐薬品性、硬化残膜率に優れた膜を得ることができる。
さらにパターニングと耐薬品性を両立する意味で下記式(1)または(2)で示されるフェノール化合物が特に好ましい。
(式(1)中Xは単結合、C1〜C10のアルキル基、ケトン基、エーテル基、エステル基、硫黄原子、スルホニル基、アゾ基から選ばれる基を示し、R1及びR2は水素またはC1〜C10の有機基であり、これらは同じでも異なっていてもよい。またm、n、p、qはそれぞれ0〜8の整数であり、p+qは4以上である。
式(2)中Yは単結合またはC1〜C10の有機基であり、Zは単結合、C1〜C10のアルキル基、シクロヘキシル基、ヘテロ環、芳香族基から選ばれる有機基である。R3は水素、水酸基、C1〜C10の有機基から選択され、それぞれ同一または異なっていてもよい。)
具体的に、一般式(1)で示されるフェノール化合物として、例えば、下記式(3)で示される化合物を例示できるがこれらに限定されない。
さらにパターニングと耐薬品性を両立する意味で下記式(1)または(2)で示されるフェノール化合物が特に好ましい。
(式(1)中Xは単結合、C1〜C10のアルキレン基、ケトン基、エーテル基、エステル基、硫黄原子、スルホニル基、アゾ基から選ばれる基を示し、R及びRは水素またはC1〜C10の有機基であり、これらは同じでも異なっていてもよい。またm、n、p、qはそれぞれ0〜8の整数であり、p+qは4以上である。
式(2)中Yは単結合またはC1〜C10の有機基であり、Zは単結合、C1〜C10のアルキレン基、シクロヘキシル基、ヘテロ環、芳香族基から選ばれる有機基である。Rは水素、水酸基、C1〜C10の有機基から選択され、それぞれ同一または異なっていてもよい。)
(4)

上記式(1)または(2)で示されるフェノール化合物は、それぞれのフェノール性水酸基を有する芳香環が、単結合、アルキル結合、エーテル結合、スルホン結合、カルボキシ結合、脂環式構造または芳香環構造を有するアルキル結合などで結合している。これらのフェノール性水酸基の結合方式により、環状オレフィン系樹脂どうしの架橋をさらに容易にすることができる。これにより上記式(1)または式(2)に記載のフェノール化合物を使用することで、特に耐薬品性を向上することができる。また、これらのフェノール化合物は1種または2種以上を組合せて用いることができる。
本実施形態におけるフェノール化合物(C)は、下記式(5)で示される構造を用いることが特に好ましい。
(5)
上記式(5)記載のフェノール化合物を用いることで、耐溶剤性が向上しさらには残膜率とパターニング性に優れた感光性樹脂組成物を得ることが出来る。
本実施形態において、感光性樹脂組成物中におけるフェノール化合物(C)の含有量は、環状オレフィン系樹脂(A)の含有量を100重量部として、1重量部以上50重量部以下であることが好ましく、2重量部以上30重量部以下であることがより好ましく、3重量部以上20重量部以下であることが特に好ましい。添加量が1重量部未満の場合は充分に架橋に寄与せず、耐薬品性に充分な効果が得られない可能性がある。また、添加量が50重量部を超える場合、樹脂組成物のアルカリ溶解性が早くなる恐れがあり、良好なパターニングができない可能性がある。
<溶剤(D)>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記の成分を溶剤(D)に溶解し、ワニス状にして使用することができる。このような溶剤(D)としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル及びメチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いてもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物における溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、環状オレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、50質量部以上1000質量部以下であるのが好ましく、100質量部以上500質量部以下であるのがより好ましい。添加量が上記範囲内であると、樹脂を十分に溶解し、ハンドリング性の高いワニスを作成することができる。
<熱架橋剤(E)>
感光性樹脂組成物は、熱架橋剤(E)を含んでいてもよい。熱架橋剤(E)は、反応性基としてヘテロ環を有する化合物が好ましく、なかでも、グリシジル基またはオキセタニル基を有する化合物が好ましい。これらのうち、カルボキシル基や水酸基等の活性水素を持つ官能基との反応性の観点からは、グリシジル基を有する化合物がより好ましい。グリシジル基を有する化合物としては、エポキシ化合物があげられる。
エポキシ化合物としては、たとえばn−ブチルグリシジルエーテル、2−エトキシヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA(又はF)のグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサン)カルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタンジエンオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテルや、(株)ダイセル製のセロキサイド2021、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、セロキサイド8000、エポリードGT401などの脂環式エポキシ、2,2'−(((((1−(4−(2−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)プロパン−2−イル)フェニル)エタン−1,1−ジイル)ビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ))ビス(メチレン))ビス(オキシラン)(たとえば、Techmore VG3101L((株)プリンテック製))、エポライト100MF(共栄社化学工業(株)製)、エピオールTMP(日油(株)製)などの脂肪族ポリグリシジルエーテル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−(オキシラン−2−イル・メトキシ)プロピル)トリ・シロキサン(たとえば、DMS−E09(ゲレスト社製))などを用いることができる。
また、たとえばLX−01(ダイソー(株)製)、jER1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(商品名;三菱化学(株)製)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂、jER807(商品名;三菱化学(株)製)などのビスフェノールF型エポキシ樹脂、jER152、同154(商品名;三菱化学(株)製)、EPPN201、同202(商品名;日本化薬(株)製)などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂、EOCN102、同103S、同104S、1020、1025、1027(商品名;日本化薬(株)製)、jER157S70(商品名;三菱化学(株)製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、アラルダイトCY179、同184(商品名;ハンツマンアドバンスドマテリアル製)、ERL−4206、4221、4234、4299(商品名;ダウケミカル社製)、エピクロン200、同400(商品名;DIC(株)製)、jER871、同872(商品名;三菱化学(株)製)などの環状脂肪族エポキシ樹脂、Poly[(2−oxiranyl)−1,2−cyclohexanediol]2−ethyl−2−(hydroxymethyl)−1,3−propanediol ether(3:1)等の多官能脂環式エポキシ樹脂、EHPE−3150((株)ダイセル製)を使用することもできる。
なお、本実施形態における感光性樹脂組成物は、上記において例示したエポキシ化合物を一種または二種以上含むことが可能である。
熱架橋剤(E)として用いられるオキセタニル基を有する化合物としては、たとえば1,4−ビス{[(3−エチルー3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、4,4'−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、4,4'−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)ジフェノエート、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリ[[3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピル]シラセスキオキサン]誘導体、オキセタニルシリケート、フェノールノボラック型オキセタン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタンー3−イル)メトキシ]ベンゼン等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは単独でも複数組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物における熱架橋剤(E)の含有量は、特に限定されるものではないが、環状オレフィン系樹脂(A)総重量100質量部に対して、1質量部以上200質量部以下であるのが好ましく、5質量部以上100質量部以下であるのがより好ましい。添加量が上記範囲内であることで硬化時の残膜率、耐熱性に優れた硬化膜を形成することができる。
<シランカップリング剤(F)>
本実施形態の感光性樹脂組成物には、密着性を向上させる上で、シランカップリグ剤(F)を用いることができる。このようなシランカップリング剤(F)としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、及びアミノ基を有するケイ素化合物と酸二無水物または酸無水物とを反応することにより得られるケイ素化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記アミノ基を有するケイ素化合物としては、特に制限されるわけではないが、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記酸二無水物または酸無水物としては、特に制限されるわけではないが、例えば、無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、シアノ無水マレイン酸、シトコン酸、無水フタル酸、ピロメリット酸無水物、4,4’−ビフタル酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、4,4’−カルボニルジフタル酸無水物等などが挙げられる。また、使用にあたっては単独、または2種類以上を併用して使用することができる。
シランカップリング剤(F)の添加量は、特に限定されるものではないが、環状オレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、0.05〜50質量部であるのが好ましく、0.1〜20質量部であるのがより好ましい。添加量が上記範囲内であることで、基板との密着性と感光性樹脂組成物の保存性とを好適に両立することができる。
<硬化促進剤(G)>
本実施形態の感光性樹脂組成物には、熱架橋を向上させる上で、硬化促進剤(G)を用いることができる。
硬化促進剤(G)としては、たとえば窒素を含む複素五員環化合物、または熱により酸を発生する化合物を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。硬化促進剤(G)として用いられる窒素を含む複素五員環化合物としては、たとえばピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、および1,2,4−トリアゾールが挙げられる。また、硬化促進剤として用いられる熱により酸を発生する化合物としては、たとえばスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、およびサリチル酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン及びそのフェノール塩、オクチル酸塩、オレイン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、オルソフタル酸塩、テトラフェニルボレート塩などが挙げられる。低温における硬化性をより効果的に向上させる観点からは、熱により酸を発生する化合物のうち、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンのスルホン酸塩および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンのテトラフェニルボレート塩の一方または双方を含むことがより好ましい。
硬化促進剤(G)の添加量は、特に限定されるものではないが、環状オレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜20質量部であるのが好ましく、0.1〜10質量部であるのがより好ましい。添加量が上記範囲内であることで、熱架橋性と感光性樹脂組成物の保存性とを好適に両立することができる。
<溶解促進剤(H)>
また、本実施形態の感光性樹脂組成物中には、溶解促進剤(H)が含まれていてもよい。
溶解促進剤(H)は、感光性樹脂組成物を用いて形成された塗膜の露光部の現像液に対する溶解性を向上させ、パターニング時のスカムを改善することが可能な成分である。
溶解促進剤としては、フェノール性水酸基を有する化合物が特に好ましい。
<界面活性剤(I)>
感光性樹脂組成物は、界面活性剤(I)を含んでいてもよい。界面活性剤(I)は、たとえばフッ素基(たとえば、フッ素化アルキル基)もしくはシラノール基を含む化合物、またはシロキサン結合を主骨格とする化合物を含むものである。本実施形態においては、界面活性剤(I)として、フッ素系界面活性剤またはシリコーン系界面活性剤を含むものを用いることがより好ましく、フッ素系界面活性剤を用いることがとくに好ましい。フッ素系界面活性剤としては例えば、DIC(株)製のメガファックF−171、F−173、F−444、F−470、F−471、F−475、F−482、F−477、F−554、F−556、およびF−557、住友スリーエム(株)製のノベックFC4430、及びFC4432等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物中には、必要に応じて酸化防止剤、フィラー、光重合開始剤、末端封止剤および増感剤等の添加物を添加してもよい。
<硬化膜>
本実施形態の感光性樹脂組成物の使用方法は、まず該組成物を適当な支持体、例えば、シリコンウエハ、セラミック基板、アルミ基板等に塗布する。塗布量は、半導体素子上に塗布する場合、一般的に硬化後の最終膜厚が0.1〜30μmになるよう塗布する。このような数値範囲とすることにより、半導体素子の保護膜、絶縁膜としての機能を十分に発揮され、微細なレリーフパターンを得ることができる。
塗布方法としては、スピンコーターを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等がある。
次に、60〜130℃でプリベークして塗膜を乾燥後、レリーフパターンを形成する場合、所望のパターン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等が使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。
次に、照射部を現像液で溶解除去することにより、レリーフパターンを得る。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及びアンモニア水等の無機アルカリ類;エチルアミン及びn−プロピルアミン等の第1級アミン類;ジエチルアミン及びジ−n−プロピルアミン等の第2級アミン類;トリエチルアミン及びメチルジエチルアミン等の第3級アミン類;ジメチルエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液;並びにこれらに、メタノール及びエタノールなどのアルコール類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
次に、現像によって形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液としては、蒸留水を使用する。次に加熱処理(硬化)を行い、耐熱性に優れる硬化物としての硬化膜を得る。
加熱処理は高温でも低温でも可能であり、高温での加熱処理温度は、280℃〜380℃が好ましく、より好ましくは290℃〜350℃である。低温での加熱処理温度は150℃〜280℃が好ましく、より好ましくは180℃〜260℃である。加熱処理にはオーブン、ホットプレート、電気炉(ファーネス)、赤外線、マイクロ波などが使われる。
<加工性>
当該感光性樹脂組成物を加熱硬化させて得られる硬化物(8インチのシリコンウエハに塗布した膜厚約7.5μmの均一な樹脂塗膜)の加工性は、マスクを通してi線ステッパーを用いて露光量を変化させて照射、続いてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像を行う。プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚の差が1.0μmになるように現像時間を調整してパドル現像行い、100μmの正方形のビアホールのパターンが形成される最低露光量の値を感度として加工性を評価する。プロセスのスループットの面で、感度(最低露光量)が低いほうが加工性がよいと判断できる。
<硬化残膜率>
当該感光性樹脂組成物を、それぞれ8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約7.5μmの塗膜を得る。その塗布膜を、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、オーブンにて200℃で60分間加熱し、室温に戻した後の膜厚を測定し、硬化後の膜厚と硬化前の膜厚の膜厚変化率を下記式より算出し、硬化残膜率として評価する。
硬化残膜率=硬化後の膜厚/硬化前の膜厚*100
硬化残膜率の値は好ましくは、90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、特に好ましくは98%以上である。硬化時の残膜率が上記範囲にあることで、硬化による膜厚の低下を防ぎ半導体素子を保護するための十分な膜厚を保持することができる。
<耐薬品性>
当該感光性樹脂組成物を加熱硬化させて得られる硬化物(8インチのシリコンウエハに塗布した膜厚約7.5μmの均一な樹脂塗膜)のジメチルスルホキシド溶液に対する耐薬品性は、ジメチルスルホキシド溶液に硬化物を40℃で10分間浸漬した後の、硬化物の膨潤率(%){(浸漬後の膜厚−浸漬前の膜厚)/浸漬前の膜厚×100(%)}で評価をおこなっているが、好ましくは、10%以下であり、より好ましくは5%以下であり、特に好ましくは3%以下である。上記硬化物のジメチルスルホキシド溶液に対する膨潤率が上記範囲内であれば、例えば、半導体装置や表示体装置で使用されている薬品に対して特に耐性を有していることから、半導体装置や表示体装置の製造工程中で工程異常などの不具合を抑制することができ、半導体装置や表示体装置の歩留まりを向上することができる。
<用途>
次に、感光性樹脂組成物の用途について説明する。
本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜は、半導体素子等の半導体装置用途のみならず、TFT型液晶や有機EL等の表示体装置用途、多層回路の層間絶縁膜やフレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向膜としても有用である。
半導体装置用途の例としては、半導体素子上に上述の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなるパッシベーション膜、パッシベーション膜上に上述の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなるバッファーコート膜等の保護膜、半導体素子上に形成された回路上に上述の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなる層間絶縁膜等の絶縁膜、α線遮断膜、平坦化膜、突起(樹脂ポスト)、隔壁等を挙げることができる。
表示体装置用途の例としては、表示体素子上に本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなる保護膜、TFT素子やカラーフィルター用等の絶縁膜または平坦化膜、MVA型液晶表示装置用等の突起、有機EL素子陰極用等の隔壁等を挙げることができる。
その使用方法は、半導体装置用途に準じ、表示体素子やカラーフィルターを形成した基板上にパターン化された感光性樹脂組成物層を、上記の方法で形成することによるものである。表示体装置用途、特に絶縁膜や平坦化膜用途では、高い透明性が要求されるが、本実施形態の感光性樹脂組成物の塗膜の硬化前に、後露光工程を導入することにより、透明性に優れた樹脂層が得られることもでき、実用上さらに好ましい。
半導体装置としては、半導体チップ(素子)が半導体基板上に形成され、気密封止やモールド材料を用いて封止したものである。具体的には、トランジスタ、太陽電池、ダイオード、固体撮像素子、半導体チップを積層、封止した各種の半導体パッケージ、ウエハレベルチップサイズパッケージ(WLP)などが挙げられる。
表示体装置としては、TFT型液晶、有機EL、カラーフィルターなどが挙げられる。
以下、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて形成された膜を有する電子装置の一例を説明する。
<電子装置>
図1および図2は、それぞれ本実施形態に係る電子装置100の一例を示す断面図である。いずれにおいても、電子装置100のうちの絶縁膜20を含む一部が示されている。
本実施形態に係る電子装置100は、たとえば本実施形態の感光性樹脂組成物により形成される永久膜である絶縁膜20を備えている。
本実施形態に係る電子装置100の一例として、図1では液晶表示装置が示されている。しかしながら、本実施形態に係る電子装置100は、液晶表示装置に限定されず、本実施形態の感光性樹脂組成物からなる永久膜を備える他の電子装置を含むものである。
図1に示すように、液晶表示装置である電子装置100は、たとえば基板10と、基板10上に設けられたトランジスタ30と、トランジスタ30を覆うように基板10上に設けられた絶縁膜20と、絶縁膜20上に設けられた配線40と、を備えている。
基板10は、たとえばガラス基板である。
トランジスタ30は、たとえば液晶表示装置のスイッチング素子を構成する薄膜トランジスタである。基板10上には、たとえば複数のトランジスタ30がアレイ状に配列されている。本実施形態に係るトランジスタ30は、たとえばゲート電極31と、ソース電極32と、ドレイン電極33と、ゲート絶縁膜34と、半導体層35と、により構成される。ゲート電極31は、たとえば基板10上に設けられている。ゲート絶縁膜34は、ゲート電極31を覆うように基板10上に設けられる。半導体層35は、ゲート絶縁膜34上に設けられている。また、半導体層35は、たとえばシリコン層である。ソース電極32は、一部が半導体層35と接触するよう基板10上に設けられる。ドレイン電極33は、ソース電極32と離間し、かつ一部が半導体層35と接触するよう基板10上に設けられる。
絶縁膜20は、トランジスタ30等に起因する段差をなくし、基板10上に平坦な表面を形成するための平坦化膜として機能する。また、絶縁膜20は、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物により構成される。絶縁膜20には、ドレイン電極33に接続するよう絶縁膜20を貫通する開口22が設けられている。
絶縁膜20上および開口22内には、ドレイン電極33と接続する配線40が形成されている。配線40は、液晶とともに画素を構成する画素電極として機能する。
また、絶縁膜20上には、配線40を覆うように配向膜90が設けられている。
基板10のうちトランジスタ30が設けられている一面の上方には、基板10と対向するよう対向基板12が配置される。対向基板12のうち基板10と対向する一面には、配線42が設けられている。配線42は、配線40と対向する位置に設けられる。また、対向基板12の上記一面上には、配線42を覆うように配向膜92が設けられている。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 環状オレフィン系樹脂(A)と、感光性ジアゾキノン化合物(B)と、水酸基を4以上含むフェノール化合物(C)と溶剤(D)を含むポジ型感光性樹脂組成物。
2. 前記フェノール化合物(C)が下記一般式(1)または(2)で示されるフェノール化合物(C)である1.記載の感光性樹脂組成物。
(式(1)中Xは単結合、C1〜C10のアルキレン基、ケトン基、エーテル基、エステル基、硫黄原子、スルホニル基、アゾ基から選ばれる基を示し、R 及びR は水素またはC1〜C10の有機基であり、これらは同じでも異なっていてもよい。またm、n、p、qはそれぞれ0〜8の整数であり、p+qは4以上である。
式(2)中Yは単結合またはC1〜C10の有機基である。Zは単結合、C1〜C10のアルキレン基、シクロヘキシル基、ヘテロ環、芳香族基から選ばれる有機基である。R は水素、水酸基、C1〜C10の有機基から選択され、それぞれ同一または異なっていてもよい。)
3. 前記環状オレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、前記フェノール化合物(C)を1重量部以上50重量部以下含む1.ないし2.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
4. 前記環状オレフィン系樹脂(A)が下記式(a1)及び(a2)により示される繰り返し単位を含む1.ないし3.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
(式(a1)中、nは0、1または2である。R 、R 、R およびR はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の有機基である。AはOまたはN−R を示し、R は水素または炭素数1〜30の有機基を示す。)
5.前記環状オレフィン系樹脂(A)が反応性基としてヘテロ環を有することを特徴とする1.ないし4.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
6. 1.ないし5.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の硬化物で構成されている硬化膜。
7. 6.に記載の硬化膜で構成されている保護膜。
8. 6.に記載の硬化膜で構成されている絶縁膜。
9. 6.に記載の硬化膜を有している電子装置。
図1に示す電子装置100は、たとえば次のように形成される。
まず、基板10上にトランジスタ30を形成する。次いで、基板10のうちトランジスタ30が設けられた一面上に、印刷法あるいはスピンコート法により感光性樹脂組成物を塗布し、トランジスタ30を覆う絶縁膜20を形成する。これにより、基板10上に設けられたトランジスタ30を覆う平坦化膜が形成される。
次いで、絶縁膜20を露光現像して、絶縁膜20の一部に開口22を形成する。このとき、未露光部分が現像液に溶解し、露光部分が残ることとなる。この点は、後述する電子装置100の各例においても同様である。
次いで、絶縁膜20を加熱硬化させる。そして、絶縁膜20の開口22内に、ドレイン電極33に接続された配線40を形成する。その後、絶縁膜20上に対向基板12を配置し、対向基板12と絶縁膜20との間に液晶を充填し、液晶層14を形成する。
これにより、図1に示す電子装置100が形成されることとなる。
また、本実施形態に係る電子装置100の一例として、図2では感光性樹脂組成物からなる永久膜により再配線層80が構成される半導体装置が示されている。
図2に示す電子装置100は、トランジスタ等の半導体素子が設けられた半導体基板と、半導体基板上に設けられた多層配線層と、を備えている(図示せず)。多層配線層のうち最上層には、層間絶縁膜である絶縁膜50と、絶縁膜50上に設けられた最上層配線72が設けられている。最上層配線72は、たとえばAlにより構成される。
また、絶縁膜50上には、再配線層80が設けられている。再配線層80は、最上層配線72を覆うように絶縁膜50上に設けられた絶縁膜52と、絶縁膜52上に設けられた再配線70と、絶縁膜52上および再配線70上に設けられた絶縁膜54と、を有する。
絶縁膜52には、最上層配線72に接続する開口24が形成されている。再配線70は、絶縁膜52上および開口24内に形成され、最上層配線72に接続されている。絶縁膜54には、再配線70に接続する開口26が設けられている。
これらの絶縁膜52および絶縁膜54は、感光性樹脂組成物からなる永久膜により構成される。絶縁膜52は、たとえば絶縁膜50上に塗布された感光性樹脂組成物に対し露光・現像を行うことにより開口24を形成した後、これを加熱硬化することにより得られる。また、絶縁膜54は、たとえば絶縁膜52上に塗布された感光性樹脂組成物に対し露光・現像を行うことにより開口26を形成した後、これを加熱硬化することにより得られる。
開口26内には、たとえばバンプ74が形成される。電子装置100は、たとえばバンプ74を介して配線基板等に接続されることとなる。
さらに、本実施形態に係る電子装置100は、感光性樹脂組成物からなる永久膜によりマイクロレンズを構成する光デバイスであってもよい。光デバイスとしては、たとえば液晶表示装置、プラズマディスプレイ、電界放出型ディスプレイまたはエレクトロルミネセンスディスプレイが挙げられる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでない。
(合成例1)
<環状オレフィン系樹脂(A−1)の合成>
密閉可能な反応容器内に、ノルボルネンカルボン酸(30.4g、220mmol)、メチルグリシジルエーテルノルボルネン(57.7g、320mmol)、マレイミド(24.3g、250mmol)、およびシクロヘキシルマレイミド(44.8g、250mmol)を計量した。さらに、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(12.0g、52mmol)を溶解させたPGME113gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、容器を密閉し、70℃で16時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、アセトン200gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘキサンに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘキサンでさらに洗浄した後、30℃にて16時間真空乾燥させ環状オレフィン系樹脂(A−1)を得た。ポリマーの収得量は126g、収率は80%であった。上記操作により、重量平均分子量Mwが8500である、下記式(6)により示される繰り返し単位を有する環状オレフィン系樹脂を得た。
(6)
(合成例2)
<環状オレフィン系樹脂(A−2)の合成>
密閉可能な反応容器内に、ノルボルネンカルボン酸(31.8g、230mmol)、エチルオキセタンビニルエーテル(42.7g、300mmol)、マレイミド(24.3g、250mmol)、およびシクロヘキシルマレイミド(44.8g、250mmol)を計量した。さらに、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(11.9g、52mmol)を溶解させたPGME104gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、容器を密閉し、70℃で16時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、アセトン187gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘキサンに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘキサンでさらに洗浄した後、30℃にて16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は111g、収率は77%であった。上記操作により、重量平均分子量Mwが11500である、下記式(7)により示される繰り返し単位を有する環状オレフィン系樹脂を得た。
(7)

(合成例3)
<環状オレフィン系樹脂(A−3)の合成>
密閉可能な反応容器内に、メチルグリシジルエーテルノルボルネン(45.1g、250mmol)、2−ノルボルネン(23.5g、250mmol)、マレイン酸水素1−ブチル(51.7g、300mmol)、および無水マレイン酸(24.5g、250mmol)を計量した。さらに、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(12.1g、53mmol)を溶解させたPGME105gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、容器を密閉し、70℃で16時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、アセトン202gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘキサンに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘキサンでさらに洗浄した後、30℃にて16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は101g、収率は70%であった。上記操作により、重量平均分子量Mwが6300である、下記式(8)により示される繰り返し単位を有する環状オレフィン系樹脂を得た。
(8)
(合成例4)
<ポリアミド樹脂(A−4)の合成>
温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸21.4g(83mmol)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール22.4g(166mmol)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物40.9g(83mmol)と、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン36.6g(100mmol)とを入れ、N−メチル−2−ピロリドン330gを加えて溶解させた。その後、オイルバスを用いて75℃にて15時間反応させた。
次に、N−メチル−2−ピロリドン27.9gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物5.6g(34mmol)を加え、さらに3時間攪拌して反応を終了した。
反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/イソプロパノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のポリアミド樹脂(A−4)を得た。ポリアミド樹脂の収量は53g、収率は63%であった。また、ポリアミド樹脂の重量平均分子量は、14,500であった。
(合成例5)
<ジアゾナフトキノン化合物(B)の合成>
温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、式(B−0)で表されるフェノール化合物11.0g(26mmol)と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライド18.8g(70mmol)とアセトン170gとを入れて撹拌、溶解させた。
次に、反応溶液の温度が35℃以上にならないように、ウォーターバスでフラスコを冷やしながら、トリエチルアミン7.78g(77mmol)とアセトン5.5gの混合溶液を、ゆっくり滴下した。そのまま室温で3時間反応させた後、酢酸1.05g(17mmol)を添加し、さらに30分反応させた。次いで、反応混合物をろ過した後、ろ液を水/酢酸(990ml/10ml)の混合溶液に投入し、その後、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥することで、式(B−1)の構造で表される光酸発生剤を得た。
(B−0)
式(B−1)中のQは水素原子または上記式(B−2)により示され、Q全体の内90%が上記式(B−2)である。
(合成例6)
<シランカップリング剤(F−2)の合成>
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(45.6g、300mmol)をγ−ブチルラクトン(970g)に溶解させ、恒温槽にて30℃に調整した。次いで、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(62g、280mmol)を滴下ロートに仕込み、60分かけて溶解液へ滴下した。滴下完了後、30℃、18時間の条件化で撹拌を行い下記式(9)で表されるシランカップリング剤(F−2)を得た。
(9)
(合成例7)
<シランカップリング剤(F−3)の合成>
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(32.2g、100mmol)をγ−ブチルラクトン(669g)に溶解させ、恒温槽にて30℃に調整した。次いで、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(42.1g、190mmol)を滴下ロートに仕込み、60分かけて溶解液へ滴下した。滴下完了後、30℃、18時間の条件化で撹拌を行行い下記式()で表されるシランカップリング剤(F−3)を得た。
(10)
(感光性樹脂組成物の調整)
実施例1〜14および比較例1〜4のそれぞれについて、以下のように感光性樹脂組成物を調整した。まず、表1に従い配合された各成分を、調合後の粘度が約500mPa・sになるようにGBLに溶解させて窒素雰囲気下で撹拌させた後、孔径0.2μmのポリエチレン製フィルターで濾過することにより、ワニス状感光性樹脂組成物を得た。表1中における各成分の詳細は下記のとおりである。また、表1中の単位は、重量部である。
<アルカリ可用性樹脂(A)>
(A−1)上記合成例1により得られた環状オレフィン系樹脂。
(A−2)上記合成例2により得られた環状オレフィン系樹脂。
(A−3)上記合成例3により得られた環状オレフィン系樹脂。
(A−4)上記合成例4により得られたポリアミド樹脂。
<ジアゾナフトキノン化合物(B)>
(B−1)上記合成例5により得られたジアゾナフトキノン化合物
式(B−1)中のQは水素原子または上記式(B−2)により示され、Q全体の内90%が上記式(B−2)である。
<フェノール化合物(C)>
(C−1)メチレンビスレゾルシン(本州化学(株)製)
(C−2)2,4,6,3‘,5’−ビフェニルペントール(関東化学(株)製)
(C−3)OC4HBPA(本州化学(株)製)
(C−4)OC4HBPM(本州化学(株)製)
(C−5)ビスフェノールF(本州化学(株)製)
(C−6)ビフェノール(本州化学(株)製)
<熱架橋剤(E)>
(E−1)セロキサイド2021P((株)ダイセル製)
(E−2)アロンオキセタンOXT−221(東亞合成(株)製)
<シランカップリング剤(F)>
(F−1)3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)製)
(F−2)上記合成例6により得られたシランカップリング剤。
(F−3)上記合成例7により得られたシランカップリング剤。
<硬化促進剤(G)>
(G−1)UCAT SA506(サンアプロ(株)製)
(G−2)UCAT 5002(サンアプロ(株)製)
<界面活性剤(I)>
FC4430(住友3M(株)製)
<加工性評価>
上記で得た感光性樹脂組成物を、それぞれ、8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約7.5μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷社製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー(ニコン社製・NSR−4425i)を用いて、露光量を変化させて照射した。
次に、現像液として2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚の差が1.0μmになるように現像時間を調節して2回パドル現像を行うことによって露光部を溶解除去した後、純水で10秒間リンスした。100μmの正方形のビアホールのパターンが形成される最低露光量の値を感度(mJ/cm2)として評価した。最低露光量はプロセスのスループットの面から低いほうがよい。
<硬化残膜率評価>
上記で得た感光性樹脂組成物を、それぞれ、8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約7.5μmの塗膜を得た。塗布膜を、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、オーブンにて200℃で60分間加熱し、室温に戻した後の膜厚を測定した。硬化後の膜厚と硬化前の膜厚の膜厚変化率を下記式より算出し、硬化残膜率として評価した。
硬化残膜率=硬化後の膜厚/硬化前の膜厚*100
なお、硬化残膜率は半導体素子を保護するための十分な膜厚を保持するために高い方が
よい。
<耐薬品性評価>
上記で得た感光性樹脂組成物を、それぞれ8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約7.5μmの塗膜を得た。塗布膜を、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、オーブンにて200℃で60分間加熱し、樹脂組成物の硬化膜を得た。硬化膜をジメチルスルホキシド溶液に40℃で10分間浸漬し、その後イソプロピルアルコールで十分洗浄後風乾し、処理後の膜厚を測定した。処理後の膜厚と処理前の膜厚の膜厚変化率を下記式より算出し、硬化物の膨潤率とした。
硬化物の膨潤率(%){(浸漬後の膜厚−浸漬前の膜厚)/浸漬前の膜厚×100(%)}
硬化物の膨潤率が3%以下を◎、5%以下を○、10%以下を△、10%を超えた場合を×として評価した。
硬化物の膨潤率は半導体製造プロセスでの膜厚変化を少なくし、工程異常をなくすためにも小さいほうがよい。
<半導体装置の作製>
表面にアルミ回路を備えた模擬素子ウエハを用いて、実施例1〜10の感光性樹脂組成物を、それぞれ、最終5μmとなるよう塗布した後、パターン加工を施して硬化した。その後、チップサイズ毎に分割して16Pin DIP(Dual Inline Package)用のリードフレームに導電性ペーストを用いてマウントした後、半導体封止用エポキシ樹脂(住友ベークライト社製、EME−6300H)で封止成形して、半導体装置を作製した。これらの半導体装置(半導体パッケージ)を85℃/85%湿度の条件で168時間処理した後、260℃半田浴槽に10秒間浸漬し、次いで、高温、高湿のプレッシャークッカー処理(125℃、2.3atm、100%相対湿度)を施してアルミ回路のオープン不良をチェックした。その結果、腐食などはみられず半導体装置として問題無く使用できるものと予想される。
以下に、実施例および比較例を記した表1を示す。
実施例1〜13は、いずれも4官能以上の水酸基を分子内に有するフェノール化合物(C)を感光性樹脂組成物中に含んでいた。パターニングによる感度はいずれも300mJ/cm2以下であり、熱硬化による硬化残膜率も90%以上、更にDMSO膨潤率も良好な結果であった。
一方で比較例1〜4は感度、熱硬化残膜率、DMSO膨潤率のいずれも良好な結果が得られなかった。

Claims (7)

  1. 環状オレフィン系樹脂(A)と、
    感光性ジアゾキノン化合物(B)と、
    水酸基を4以上含むフェノール化合物(C)と、
    溶剤(D)と、を含む、ポジ型感光性樹脂組成物であって、
    前記環状オレフィン系樹脂(A)が下記式(a1)及び(a2)により示される繰り返し単位を含み、
    (上記式(a1)中、nは0、1または2である。R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の有機基である。上記式(a2)中、AはOまたはN−Rを示し、Rは水素または炭素数1〜30の有機基を示す。)
    前記環状オレフィン系樹脂(A)が反応性基としてヘテロ環を有することを特徴とし、
    下記の手順で算出される硬化残膜率が、90%以上である、感光性樹脂組成物。
    (手順)
    当該感光性樹脂組成物を、8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約7.5μmの塗膜を得る。
    その塗布膜を、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、オーブンにて200℃で60分間加熱し、室温に戻した後の硬化膜の膜厚を測定する。
    測定した硬化後の硬化膜の膜厚及び硬化前の塗布膜の膜厚の値を用い、下記式に基づいて硬化残膜率を算出する。
    式:硬化残膜率(%)=(硬化後の硬化膜の膜厚/硬化前の塗布膜の膜厚)×100
  2. 前記フェノール化合物(C)が下記一般式(1)または(2)で示されるフェノール化合物(C)である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
    (上記式(1)中Xは単結合、C1〜C10のアルキレン基、ケトン基、エーテル基、エステル基、硫黄原子、スルホニル基、アゾ基から選ばれる基を示し、R及びRは水素またはC1〜C10の有機基であり、これらは同じでも異なっていてもよい。またm、n、p、qはそれぞれ0〜8の整数であり、p+qは4以上である。
    上記式(2)中Yは単結合またはC1〜C10の有機基である。Zは単結合、C1〜C10のアルキレン基、シクロヘキシル基、ヘテロ環、芳香族基から選ばれる有機基である。Rは水素、水酸基、C1〜C10の有機基から選択され、それぞれ同一または異なっていてもよい。)
  3. 前記環状オレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、前記フェノール化合物(C)を1重量部以上50重量部以下含む請求項1ないし2のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物で構成されている硬化膜。
  5. 請求項に記載の硬化膜で構成されている保護膜。
  6. 請求項に記載の硬化膜で構成されている絶縁膜。
  7. 請求項に記載の硬化膜を有している電子装置。
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