JP2015007770A - 感光性樹脂組成物および電子装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物および電子装置 Download PDF

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陽雄 池田
Takao Ikeda
陽雄 池田
大西 治
Osamu Onishi
治 大西
今村 裕治
Yuji Imamura
裕治 今村
宣雄 田頭
Nobuo Tagashira
宣雄 田頭
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Abstract

【課題】感光性樹脂組成物を、半導体装置の層間絶縁膜や、液晶表示装置のTFT電極を被覆する平坦化膜に使用することも検討されている。この場合、製品の製造過程において、感光性樹脂組成物が所定の溶剤に浸されることがある。そのため硬化膜の耐薬品性を向上できる感光性樹脂組成物および電子装置を提供する。
【解決手段】感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂と、光あるいは熱により塩基を発生する塩基発生剤と、前記塩基発生剤とは異なる感光剤と、を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物および電子装置に関する。
半導体集積回路等のような微細な回路パターンを形成する際に、フォトリソグラフィ技術が利用されている。フォトリソグラフィ技術においてはレジストパターンを形成するために感光性樹脂組成物が使用される。たとえば、特許文献1には、ポリマーと、感光剤とを含む感光性樹脂組成物が開示されている。そして、ポリマーは、環状脂肪炭化水素骨格からなる単位と、無水マレイン酸に由来する単位とを有し、無水マレイン酸に由来する単位の酸無水環を加水分解したものであることが開示されている。
特開平2―146045号公報
近年、感光性樹脂組成物を、半導体装置の層間絶縁膜や、液晶表示装置のTFT電極を被覆する平坦化膜に使用することも検討されている。
この場合、製品の製造過程において、感光性樹脂組成物が所定の溶剤に浸されることがある。そのため、感光性樹脂組成物には、溶剤に浸されても膜厚が変動しにくい耐薬品性の向上が求められる。
しかしながら、前述した特許文献1の感光性樹脂組成物は耐薬品性が十分ではない。
本発明によれば、
アルカリ可溶性樹脂と、
光あるいは熱により塩基を発生する塩基発生剤と、
前記塩基発生剤とは異なる感光剤と、
を含む感光性樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、上述した感光性樹脂組成物の硬化膜を備える電子装置も提供できる。
本発明によれば、硬化膜の耐薬品性を向上できる感光性樹脂組成物および電子装置が提供される。
本実施形態に係る電子装置の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る電子装置の一例を示す断面図である。
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、
アルカリ可溶性樹脂と、
光あるいは熱により塩基を発生する塩基発生剤と、
前記塩基発生剤とは異なる感光剤と、
を含む。
(アルカリ可溶性樹脂)
本実施形態に係るアルカリ可溶性樹脂は、たとえばフェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等のアクリル系樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体およびポリイミド前駆体等のアミド結合を有する前駆体、ならびに当該前駆体を脱水閉環して得られる樹脂、環状オレフィン構造単位を有する環状オレフィン系樹脂から選択される1種または2種以上を含む。これらの中でも、感光性樹脂組成物の現像性や硬化性、経時安定性、硬化膜の機械特性を向上させる観点からは、環状オレフィン系樹脂を含むことがより好ましい。
本実施形態においては、環状オレフィン系樹脂として、下記式(Ia)にて示される構造単位および下記式(Ib)にて示される構造単位を有する共重合体を含むことがとくに好ましい態様の一例として挙げられる。
Figure 2015007770
式(Ia)中、nは、0、1または2である。R、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。Aは、以下の式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、または式(VI)により示される構造単位である。式(Ia)により示される構造単位のモル比は、とくに限定されないが、共重合体全体を100として10以上90以下であることがとくに好ましい。また、式(Ib)により示される構造単位のモル比は、とくに限定されないが、共重合体全体を100として10以上90以下であることがとくに好ましい。
Figure 2015007770
(式(II)中、RおよびRは、それぞれ独立して水素、または炭素数1〜18の有機基である)
Figure 2015007770
(式(III)中、Rは、水素、炭素数1〜12のアルキル基、または炭素数3〜8のシクロアルキル基である)
Figure 2015007770
(式(IV)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素、炭素数1〜12のアルキル基、または炭素数3〜8のシクロアルキル基である)
Figure 2015007770
(式(V)中、Rは炭素数1〜10の有機基である)
Figure 2015007770
上記共重合体は、上記式(Ib)により示される構造単位として、たとえば上記式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)および式(VI)により示される各構造単位のうちの一種または二種以上を含むことができる。これにより、感光性樹脂組成物のリソグラフィ性能、耐溶剤性、硬化性、および経時安定性、ならびに感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜の機械特性および透過率等の種々の性能を調整することが容易となる。本実施形態においては、上記共重合体中に含まれる上記式(Ib)により示される構造単位を適切に選択することにより、これらの性能を調整することが可能である。
上記共重合体中に、上記式(II)により示される構造単位が複数存在する場合、上記式(II)により示される各構造単位の構造はそれぞれ独立して決定し得る。これは、上記式(Ia)により示される構造単位、上記式(III)により示される構造単位、式(IV)により示される構造単位、および式(V)により示される構造単位のそれぞれについて同様である。
、R、RおよびRを構成する炭素数1〜30の有機基は、その構造中にO,N,S,P,Siのいずれか1以上を含んでいてもよい。本実施形態において、R、R、RおよびRを構成する炭素数1〜30の有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、およびシクロアルキル基が挙げられる。また、当該有機基は、カルボキシル基、またはエポキシ環もしくはオキセタン環等のヘテロ環を有する有機基であってもよい。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。なお、R、R、RおよびRを構成する有機基は、一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
感光性樹脂組成物の経時安定性を向上させる観点からは、たとえばR、R、RおよびRのうちの少なくとも一つがオキセタン環を有する有機基であることが好ましい。この場合、アルカリ可溶性樹脂は、オキセタニル基を含有するポリマーを含むこととなる。また、経時安定性や耐溶剤性をさらに向上させる観点からは、R、R、RおよびRのうちのいずれか一つがオキセタン環を有する有機基であり、他が水素であることが好ましい態様の一つとして例示され得る。オキセタン環を有する当該有機基としては、たとえば下記式(VII)により示されるものが挙げられる。
Figure 2015007770
式(VII)中、Xは単結合または炭素数1〜6の二価の有機基であり、Xは水素または炭素数1〜7のアルキル基である。Xを構成する二価の有機基は、酸素、窒素およびケイ素のいずれか一種または二種以上を有していてもよい、直鎖状または分岐鎖状の二価の炭化水素基である。この中でも、アミノ基(−NR−)、アミド結合(−NHC(=O)−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)またはエーテル結合(−O−)等の連結基を主鎖中に一以上有するものがより好ましく、カルボニル基またはエーテル結合の少なくとも一方を連結基として主鎖中に一以上有するものがとくに好ましい。なお、Xを構成する有機基のうちの一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。また、Xを構成するアルキル基は、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、およびヘプチル基が挙げられる。なお、Xを構成するアルキル基に含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
およびRを構成する炭素数1〜18の有機基は、その構造中にO,N,S,P,Siのいずれか1以上を含んでいてもよい。RおよびRを構成する炭素数1〜18の有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基が挙げられる。また、当該有機基は、カルボキシル基、またはエポキシ環もしくはオキセタン環等のヘテロ環を有する有機基であってもよい。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。なお、RおよびRに含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
を構成する炭素数1〜12のアルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、およびドデシル基が挙げられる。また、Rを構成する炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。なお、Rに含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
、RおよびRを構成する炭素数1〜12のアルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、およびドデシル基が挙げられる。また、R、RおよびRを構成する炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。なお、R、RおよびRに含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
を構成する炭素数1〜10の有機基としては、エポキシ環もしくはオキセタン環を含有する有機基、またはアルキル基が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基が挙げられる。なお、Rに含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
なお、上記式(Ia)により示される構造単位および上記式(Ib)にて示される構造単位を有する上記共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲において、上記式(Ia)に示される構造単位および上記式(Ib)にて示される構造単位以外の他の構造単位を含んでいてもよい。また、アルカリ可溶性樹脂は、低分子量成分として、下記式(VIII)に示すモノマー、下記式(IX)に示すモノマー、下記式(X)に示すモノマー、および無水マレイン酸のうちの一種または二種以上を含んでいてもよい。
Figure 2015007770
(式(VIII)中、n、R、R、RおよびRは、上記式(Ia)において例示したものとすることができる)
Figure 2015007770
(式(IX)中、Rは、上記式(III)において例示したものとすることができる)
Figure 2015007770
(式(X)中、Rは、上記式(V)において例示したものとすることができる)
(第1のポリマー)
本実施形態において、上記式(Ia)にて示される構造単位および上記式(Ib)にて示される構造単位を有する共重合体であるアルカリ可溶性樹脂としては、たとえば下記式(1)で示される共重合体(以下、第1のポリマーと呼ぶ)を採用することができる。
Figure 2015007770
式(1)中、lおよびmは第1のポリマー中におけるモル含有率(モル比)を示し、l+m≦1、0.1≦l≦0.9、0.1≦m≦0.9である。nは0、1または2である。
、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。R、R、RおよびRは、互いに同一であってもよく、また互いに異なっていてもよい。
Aは下記式(2a)、(2b)、(2c)または(2d)により示される構造単位である。上記式(1)により示される共重合体には、下記式(2a)、(2b)、(2c)および(2d)から選択される1種または2種以上の構造単位Aが含まれる。本実施形態においては、少なくとも(2a)により示される構造単位または(2c)により示される構造単位が含まれる。
Figure 2015007770
式(2a)および式(2b)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1〜18の有機基である。
本実施形態において、上記式(1)で示される共重合体には、上記式(2a)により示される構造単位A、および上記式(2c)により示される構造単位Aを含むことが好ましく、さらには、(2b)により示される構造単位Aが含まれることが好ましい。この場合、後述するように開環工程に使用する塩基量の調整やモノマー除去工程後における加熱処理(DR工程)によって、第1のポリマーの酸価を容易に調整することが可能となる。したがって、第1のポリマーを含む感光性樹脂組成物からなる膜について、フォトリソグラフィ工程におけるアルカリ現像液への溶解性を調整することが容易となる。
、R、RおよびRを構成する有機基は、いずれも酸性官能基を有しないものとすることができる。これにより、第1のポリマー中における酸価の制御を容易とすることができる。また、R、R、RおよびRを構成する有機基はその構造中にO,N,S,P,Siのいずれか1以上を含んでいてもよい。
本実施形態において、R、R、RおよびRを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられ、これらのなかから選択できる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられ、これらのなかから選択できる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
なお、R、R、RまたはRとしてアルキル基を含むことにより、第1のポリマーを含む感光性樹脂組成物からなる膜の製膜性を向上させることができる。また、R、R、RまたはRとしてアリール基を含むことにより、第1のポリマーを含む感光性樹脂組成物からなる膜について、リソグラフィ工程におけるアルカリ現像液を用いた現像の際の膜減りを抑えることができる。
さらに、前述したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。R、R、RおよびRの少なくともいずれか1つをハロアルキル基とすることで、第1のポリマーを使用して感光性樹脂組成物を構成した際、この感光性樹脂組成物の誘電率を低下させることができる。
なお、第1のポリマーを含んで構成される膜の光透過性を高める観点から、R、R、RおよびRのいずれかが水素であることが好ましく、特には、R、R、RおよびRすべてが水素であることが好ましい。
、RおよびRを構成する炭素数1〜18の有機基は、その構造中にO,N,S,P,Siのいずれか1以上を含んでいてもよい。また、R、RおよびRを構成する有機基は、酸性官能基を含まないものとすることができる。これにより、第1のポリマー中における酸価の制御を容易とすることができる。
本実施形態において、R、RおよびRを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられ、これらのなかから選択できる。ここでアルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
さらに、前述したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。
上記式(1)に示される共重合体は、たとえば下記式(3)で表されるノルボルネン型モノマーに由来した繰り返し単位と、下記式(4)に示す無水マレイン酸に由来した繰り返し単位と、が交互に配列されてなる交互共重合体であることが好ましい。なお、上記式(1)に示される共重合体は、ランダム共重合体やブロック共重合体であってもよい。
下記式(4)に示す無水マレイン酸に由来した繰り返し単位とは、上記式(1)中のAにより表される構造単位である。なお、第1のポリマーは、低分子量成分として下記式(3)および(4)により示されるモノマーを含んでいてもよい。
Figure 2015007770
式(3)中、nは0、1または2であり、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。
本実施形態に係る第1のポリマーは、たとえば以下のように作成される。
(重合工程(処理S1))
はじめに式(3)で示されるノルボルネン型モノマーと、モノマーとなる無水マレイン酸とを用意する。式(3)で示されるノルボルネン型モノマーにおいて、n、R〜Rは、上記式(1)のものと同様とすることができる。
式(3)で示されるノルボルネン型モノマーとしては、具体的には、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)があげられ、さらに、アルキル基を有するものとして、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネンなど、アルケニル基を有するものとしては、5−アリル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなど、アルキニル基を有するものとしては、5−エチニル−2−ノルボルネンなど、アラルキル基を有するものとしては、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネンなどがあげられる。
ノルボルネン型モノマーとしては、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。なかでも、ポリマーの光透過性の観点から、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)を使用することが好ましい。
次いで、式(3)で示されるノルボルネン型モノマーと、無水マレイン酸とを付加重合する。ここでは、ラジカル重合により、式(3)で示されるノルボルネン型モノマーと、無水マレイン酸との共重合体(共重合体1)を形成する。
式(3)で示されるノルボルネン型モノマーと、無水マレイン酸とのモル比(式(3)で示される化合物のモル数:無水マレイン酸のモル数)は、0.5:1〜1:0.5であることが好ましい。なかでも、分子構造制御の観点から、式(3)で示されるノルボルネン型モノマーのモル数:無水マレイン酸のモル数=1:1であることが好ましい。
式(3)で示されるノルボルネン型モノマーと、無水マレイン酸と、重合開始剤とを溶媒に溶解し、その後、所定時間加熱することで、式(3)で示されるノルボルネン型モノマーと、無水マレイン酸とを溶液重合する。加熱温度は、たとえば、50〜80℃であり、加熱時間は10〜20時間である。
溶媒としては、たとえばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン等のうち、いずれか1種以上を使用することができる。
重合開始剤としては、アゾ化合物および有機過酸化物のうちのいずれか1種以上を使用できる。
アゾ化合物としては、たとえばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)があげられ、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。
また、有機過酸化物としては、たとえば過酸化水素、ジターシャリブチルパーオキサイド(DTBP)、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド,BPO)および、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP)を挙げることができ、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。
重合開始剤の量(モル数)は、式(3)で示されるノルボルネン型モノマーと、無水マレイン酸との合計モル数の1%〜10%とすることが好ましい。重合開始剤の量を前記範囲内で適宜設定し、かつ、反応温度、反応時間を適宜設定することで、得られるポリマーの重量平均分子量(Mw)を5000〜30000に調整することができる。
この重合工程(処理S1)により、以下の式(5)で示される繰り返し単位と、以下の式(6)で示される繰り返し単位とを有する共重合体1を重合することができる。
ただし、共重合体1において、式(6)の構造のRは、各繰り返し単位において共通であることが好ましいが、それぞれの繰り返し単位ごとに異なっていてもよい。R〜Rにおいても同様である。
Figure 2015007770
(式(6)において、n、R〜Rは、上記式(1)と同じである。すなわち、nは0、1、2のいずれかである。R〜Rは、それぞれ独立した水素または炭素数1〜30の有機基である。式(6)において、R〜Rは、同一のものであっても異なっていてもよい)
共重合体1は、式(5)で示される繰り返し単位と、式(6)で示される繰り返し単位とが、ランダムに配置されたものであってもよく、また、交互に配置されたものであってもよい。また、式(3)で示されるノルボルネン型モノマーと、無水マレイン酸とがブロック共重合したものであってもよい。ただし、本実施形態で製造されるポリマーを用いた感光性樹脂組成物の溶解性の均一性を確保する観点からは、式(5)で示される繰り返し単位と、式(6)で示される繰り返し単位とが交互に配置された構造であることが好ましい。すなわち、共重合体1は、以下の繰り返し単位を有するものであることが好ましい。
Figure 2015007770
(式(7)において、n、R〜Rは、上記式(1)と同じである。すなわち、nは0、1,2のいずれかである。R〜Rは、水素または炭素数1〜30の有機基である。R〜Rは、同一のものであっても異なっていてもよい。また、aは10以上、200以下の整数である)
ここで、式(7)の構造のRは、各繰り返し単位において共通であることが好ましいが、それぞれの繰り返し単位ごとに異なっていてもよい。R〜Rにおいても同様である。
(開環工程(処理S2))
次に、得られた共重合体1の無水マレイン酸に由来する環状構造の繰り返し単位のうち、一部の繰り返し単位を閉環した状態としながら、残りの繰り返し単位を開環する。これにより、共重合体1中におけるカルボキシル基の量を調整することができる。すなわち、作成される第1のポリマーにおける酸価の制御が可能となる。
本実施形態においては、共重合体1の無水マレイン酸由来の繰り返し単位のうち、たとえば50%以上の繰り返し単位を開環せずに、前記残りの繰り返し単位の環状構造(無水環)を開環することが好ましい。共重合体1の開環率は、たとえば50%未満であることが好ましい。なかでも、共重合体1の無水マレイン酸由来の環状構造の繰り返し単位の全個数のうち、60%以上、90%以下の繰り返し単位を開環しないことが好ましい。
ここで、無水マレイン酸由来の繰り返し単位の開環率は以下のようにして計測することができる。
開環前の共重合体1の酸無水物構造における(C=O)のIR吸収強度(A1)を測定し、開環後の酸無水物構造における(C=O)のIR吸収強度(A2)より以下式にて開環率を算出する。
開環率(%)=((A1−A2)/A1)×100
なお、内部標準物質としてアセトニトリルを用いる。
具体的には、
(A)塩基としての金属アルコキシド
(B)アルコールおよび塩基としてのアルカリ金属の水酸化物
のいずれか一方を、前記重合工程において、前記共重合体1が重合された反応液に添加するとともに、メチルエチルケトン(MEK)等の有機溶媒をさらに添加し、40〜50℃で1〜5時間攪拌して、反応液L1を得る。反応液L1中では、共重合体1の無水マレイン酸由来の繰り返し単位の一部の無水環が開環するとともに、開環することで形成された一部の末端がエステル化される。なお、残りの末端はエステル化されずに、金属塩構造となる。
本実施形態において、金属アルコキシドあるいはアルカリ金属の水酸化物のモル数は、重合工程で使用した無水マレイン酸のモル数の50%以下とすることが好ましい。なかでも、金属アルコキシドあるいはアルカリ金属の水酸化物のモル数は、重合工程で使用した無水マレイン酸のモル数の40%以下、10%以上とすることが好ましく、さらには、30%以下とすることが好ましい。このようにすることで、金属アルコキシドあるいはアルカリ金属の水酸化物の量を少なくすることができ、最終的に得られるポリマー中のアルカリ金属濃度を低減することができる。
ポリマー中のアルカリ金属濃度を低減することで、このポリマーを使用したデバイスを形成した際に、金属イオンのマイグレートを抑制することができる。
前述した金属アルコキシドとしては、M(OR)で示されるもの(Mは1価の金属、Rは炭素数1〜18の有機基である。)が好ましい。金属Mとしては、アルカリ金属があげられ、なかでも、取り扱い性の観点からナトリウムが好ましい。Rとしては、たとえば上記式(2a)におけるRと同様のものが挙げられる。
なお、金属アルコキシドとしては、異なるものを2種以上使用してもよい。ただし、製造安定性の観点からは、1種の金属アルコキシドを使用することが好ましい。
一方で、前述したように、共重合体1の無水マレイン酸由来の構造体を(B)アルコールおよび塩基としてのアルカリ金属の水酸化物の存在下で開環してもよい。
アルカリ金属の水酸化物としては、取り扱い性の観点から水酸化ナトリウムが好ましい。
アルコールとしては、1価のアルコール(ROH)が好ましい。有機基であるRは、前述したものを使用できる。なお、Rは炭素数10以下であることが好ましい。
この開環工程(処理S2)で開環した無水マレイン酸由来の繰り返し単位は、以下の式(8)で示す構造となり、カルボキシル基の塩部分を有する構造となる。この式(8)の構造を有するものを、共重合体2とよぶ。
Figure 2015007770
(式(8)において、Rは、前述したRと同様であり、前述したアルコールあるいは金属アルコキシド由来のものである)
なお、共重合体2において、わずかではあるが、以下の式(9)で示す構造体が形成されることもある。
Figure 2015007770
また、共重合体2において、わずかではあるが、以下の式(10)で示す構造体が形成されることもある。
Figure 2015007770
次いで、反応液L1に、塩酸あるいは蟻酸等の水溶液を加えて、共重合体2を酸処理して、金属イオン(Na+)をプロトン(H+)と置換する。これにより、共重合体2を酸処理することで得られた共重合体3においては、式(8)で示される開環した無水マレイン酸由来の繰り返し単位は、下記式(11)のような構造となり、一方の末端がカルボキシル基となる。
Figure 2015007770
(式(11)において、Rは、前述したRと同様である)
なお、共重合体2において、式(10)で示す構造体を有する場合には、当該構造体は、酸処理後に下記式(12)のような構造となる。
Figure 2015007770
共重合体2を酸処理することで得られた共重合体3は、前述した式(6)で示される繰り返し単位と、式(5)で示される繰り返し単位と、式(11)で示される繰り返し単位と、場合により式(9)の構造体および式(12)の構造体を有するものとなる。そして、無水マレイン酸由来の構造単位の全個数のうち、50%以上が、式(5)で示される繰り返し単位となる。式(5)で示される繰り返し単位と、式(11)で示される繰り返し単位(式(9)の構造体、式(12)の構造体が含まれる場合には、式(11)で示される繰り返し単位と、式(9)の構造体と、式(12)の構造体との合計)との比率(モル比(式(5):式(11)(式(9)の構造、式(12)の構造が含まれる場合には、式(11)+式(9)+式(12))))は、たとえば、1:1〜3:1である。
なかでも、以下の式(13)および(14)を繰り返し単位として有し、ノルボルネン型モノマー由来の構造体と、無水マレイン酸モノマー由来の構造体とが交互に配置された構造であることが好ましい。
Figure 2015007770
式(13)および式(14)において、n、R〜Rは、上記式(1)と同じである。すなわち、nは0,1,2のいずれかである。R〜Rは、水素または炭素数1〜30の有機基である。R〜Rは、同一のものであっても異なっていてもよい。また、式(14)の構造には、Zが−O―Hおよび−O−Rのうちのいずれか一方を示し、Wは、いずれか他方を示す構造と、わずかではあるが、ZおよびWがいずれも、−O−Rである構造とが含まれる。Rは、前述したRと同様である。
また、わずかではあるが、式(14)で示される繰り返し単位には、ZおよびWがいずれも、−O−Hである構造も含まれる場合がある。
また、式(13)が繰り返し単位となる場合には、Rは、各繰り返し単位において共通であることが好ましいが、それぞれの繰り返し単位ごとに異なっていてもよい。R〜Rにおいても同様である。
同様に、式(14)が繰り返し単位となる場合には、Rは、各繰り返し単位において共通であることが好ましいが、それぞれの繰り返し単位ごとに異なっていてもよい。R〜R、W、Zにおいても同様である。
この開環工程(処理S2)では、共重合体1の無水マレイン酸由来の繰り返し単位のうち、50%以上の繰り返し単位を開環せずに、残りの繰り返し単位の環状構造(無水環)を開環して、共重合体2を得ている。共重合体2では、前述したように、無水マレイン環が開環して形成された一方の末端に金属(たとえば、Na)が結合しているが、50%以上の繰り返し単位を開環しないことで、生成物であるポリマー中に含まれる金属量を少なくすることができる。これにより、本実施形態で最終的に得られるポリマー中のアルカリ金属の量を低減することができ、このポリマーを用いた感光性樹脂組成物において所望の特性を発揮させることができる。
(洗浄工程(処理S3))
次に、以上の工程により得られた共重合体3を含む溶液を、水と有機溶媒(たとえば、MEK)との混合物で洗浄して、残留金属成分を除去する。共重合体3、残留モノマーおよびオリゴマーは、有機層に移動する。その後、水層を除去する(第一の洗浄)。
その後、再度、有機層に、水と有機溶媒(たとえば、MEK)との混合物を加えて、洗浄する(第二の洗浄)。
本実施形態においては、以上のような洗浄工程(処理S3)をたとえば5回以上、より好ましくは10回繰り返す。これにより、共重合体3中におけるアルカリ金属の濃度を、十分に低減することができる。本実施形態においては、共重合体3中のアルカリ金属濃度が10ppm以下、好ましくは5ppm以下となるように洗浄工程(処理S3)を繰り返し行うことが好ましい。
(低分子量成分除去工程(処理S4))
次に、共重合体3と、残留モノマーおよびオリゴマー等の低分子量成分とが含まれた前記有機層を、濃縮した後、THF等の有機溶媒に再度溶解させる。そして、この溶液に、ヘキサンおよびメタノールを加えて、共重合体3を含むポリマーを凝固沈殿させる。ここで、低分子量成分としては、残留モノマー、オリゴマー、さらには、重合開始剤等が含まれる。次いで、ろ過を行い、得られた凝固物を、乾燥させる。これにより、低分子量成分が除去された共重合体3を主成分(主生成物)とするポリマーを得ることができる。
本実施形態においては、当該低分子量成分除去工程(処理S4)において、共重合体3中における分子量1000以下の低核体含有率が1%以下になるまで抽出操作を繰り返すことが好ましい。これにより、第1のポリマー中における低分子量成分の量を、硬化時における膜のパターン変形を抑制するために十分な程度に低減することができる。
なお、後述する加熱工程を実施する場合には、この低分子量成分除去工程(処理S4)では、たとえば共重合体3、残留モノマーおよびオリゴマーが含まれた前記有機層を、メタノール、水、ヘキサンの混合液で洗浄して除去する。
(加熱工程(処理S5))
本実施形態では、前述した開環工程(処理S2)にて、無水マレイン酸由来の繰り返し単位の開環率を調整することで、第1のポリマーのアルカリ現像液(たとえば、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液))に対する溶解速度が調整されているが、さらに、厳密に溶解速度を調整する必要がある場合には本加熱工程(処理S5)を実施することが好ましい。この加熱工程(処理S5)では、共重合体3を加熱することで第1のポリマーのアルカリ現像液に対する溶解速度をさらに調整する。
加熱工程(処理S5)は、次のように行われる。
低分子量成分除去工程において有機層を除去した液に、アルコールを加え、メタノールを蒸発させた後、120〜140℃で0.5〜10時間加熱する。ここで使用するアルコールは、前述したアルコール(ROH)として例示したもののいずれかを使用できる。
この加熱工程(処理S5)では、共重合体3の一部のカルボキシル基、すなわち、無水マレイン酸由来の構造体の開環構造の末端に形成されたカルボキシル基が、エステル化することとなる。これに加え、この加熱工程(処理S5)では、共重合体3の無水マレイン酸由来の構造体の開環構造が脱水して、再度閉環することとなる。
従って、この工程を経て得られる共重合体4は、前述した式(6)で示す繰り返し単位と、式(5)で示される繰り返し単位と、式(11)で示される繰り返し単位と、以下の式(15)で示される繰り返し単位とを備えるものとなる。
Figure 2015007770
式(15)において、RおよびRは、上記式(2b)におけるRおよびRと同様であり、独立した炭素数1〜18の有機基である構造を含む。
この式(15)で示した構造は、Rが前述のRであり、Rの炭素数1〜18の有機基が本加熱工程(処理S5)で使用するアルコールに由来のものである場合を含む。この場合、Rは、前述したRで例示した有機基のいずれかとすることができる。
また、式(15)で示した構造には、上記式(9)に示す構造が含まれていてもよい。この場合には、式(15)のRおよびRが、式(9)に示したRと同一の基なる。
さらに、式(15)で示した構造には、式(12)において二つのカルボキシル基がエステル化した構造が含まれていてもよい。この場合には、RおよびRは、いずれも本加熱工程(処理S5)で使用するアルコールに由来のものであり、前述したRで例示した有機基のいずれかとすることができる。
これにより、共重合体4を主生成物とする生成物(ポリマー)を得ることができる。
この共重合体4においても、共重合体3と同様、ノルボルネン型モノマー由来の構造体と、無水マレイン酸モノマー由来の構造体とが交互に配置された構造であることが好ましい。そして、共重合体4は、前述した式(13)、(14)に加えて式(16)で示される構造体を有することが好ましい。
Figure 2015007770
式(16)において、n、R〜Rは、上記式(1)と同じである。すなわち、nは0、1、2のいずれかである。R〜Rは、水素または炭素数1〜30の有機基である。R〜Rは、同一のものであっても異なっていてもよい。Xは、−O―Rおよび−O−Rのうちのいずれか一方を示し、Yは、いずれか他方を示す。R、Rは、上記式(15)と同様である。
以上の工程を経ることにより、上記式(1)に示す本実施形態に係る第1のポリマーが得られることとなる。
本実施形態におけるアルカリ可溶性樹脂は、たとえば酸価が15mgKOH/gポリマー以上65mgKOH/gポリマー以下であることが好ましい。なお、アルカリ可溶性樹脂の酸価の測定は、たとえばJIS K 2501に準じて次のように行われる。まず、アルカリ可溶性樹脂を溶かした滴定溶剤に対し、N/10KOH水溶液を用いてpH=7.0となるよう滴定を行う。そして、この滴定に要したKOH量を基に、下記の式を用いてアルカリ可溶性樹脂の酸価(樹脂1gに対するKOHのmg数)が算出される。
酸価=滴定量(ml)×KOHのファクターf×0.1×56.1/アルカリ可溶性樹脂量(固形)
本実施形態においては、アルカリ可溶性樹脂の酸価を制御することにより、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶液に対する溶解速度の調整を可能とすることができる。たとえば第1のポリマーの酸価は、式(2a)により表される構造単位に由来するカルボキシル基の量の指標となる。すなわち、第1のポリマーの酸価を制御することにより、第1のポリマー中におけるカルボキシル基の量を調整することができる。したがって、第1のポリマーの酸価を制御することにより、カルボキシル基の量に起因して変動する第1のポリマーのアルカリ溶液に対する溶解速度を調整することが可能となる。
フォトリソグラフィ工程においては、所望のパターニング性能を実現するために、アルカリ現像液への溶解速度を調整することが重要となる。アルカリ可溶性樹脂の酸価を上記範囲とすることにより、特に永久膜のパターニングに適した、感光性樹脂組成物のアルカリ溶解速度を実現することが可能となる。
本実施形態におけるアルカリ可溶性樹脂は、たとえばGPC(Gel Permeation Chromatography)により得られる分子量分布曲線において、分子量1000以下におけるピーク面積が、全体の1%以下であることが好ましい。
本発明者は、アルカリ可溶性樹脂における低分子量成分の量を低減することにより、当該アルカリ可溶性樹脂により形成される膜について、硬化時におけるパターンの変形を抑制できることを見出した。このため、GPCにより得られる分子量分布曲線の分子量1000以下におけるピーク面積の比率を上記範囲とすることにより、アルカリ可溶性樹脂を含む感光性樹脂組成物からなる膜のパターン形状を良好なものとすることができる。当該膜を永久膜として備える電子装置については、その動作信頼性を向上させることが可能となる。
なお、アルカリ可溶性樹脂における低分子量成分の量の下限は、特に限定されない。しかし、本実施形態におけるアルカリ可溶性樹脂は、GPCにより得られる分子量分布曲線において分子量1000以下におけるピーク面積が全体の0.01%以上である場合を許容するものである。
本実施形態におけるアルカリ可溶性樹脂は、たとえばMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が1.5以上2.5以下であることが好ましい。なお、Mw/Mnは、分子量分布の幅を示す分散度である。
本発明者は、アルカリ可溶性樹脂における分子量分布を一定の範囲に制御することにより、当該アルカリ可溶性樹脂により形成される膜について、硬化時におけるパターンの変形を抑制できることを見出した。このため、アルカリ可溶性樹脂のMw/Mnを上記範囲とすることにより、アルカリ可溶性樹脂を含む感光性樹脂組成物からなる膜のパターン形状を良好なものとすることができる。なお、このような効果は、同時に上述のようにアルカリ可溶性樹脂の低分子量成分を低減する場合において特に顕著に表れる。
また、アルカリ可溶性樹脂のMw(重量平均分子量)は、たとえば5,000以上30,000以下である。
なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は、たとえばGPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めた、ポリスチレン換算値を用いる。測定条件は、たとえば以下の通りである。
東ソー(株)社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー(株)社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
また、アルカリ可溶性樹脂中における低分子量成分量は、たとえばGPC測定により得られた分子量に関するデータに基づき、分子量分布全体の面積に占める、分子量1000以下に該当する成分の面積総和の割合から算出される。
本実施形態におけるアルカリ可溶性樹脂は、たとえばアルカリ金属を含有している。当該アルカリ可溶性樹脂中におけるアルカリ金属の濃度(アルカリ可溶性樹脂全体の質量に対するアルカリ金属の質量)は、たとえば10ppm(質量ppm)以下であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂中におけるアルカリ金属の濃度を当該範囲とすることにより、永久膜を含む電子装置の動作信頼性を向上させることができる。また、上記範囲内であればアルカリ金属がアルカリ可溶性樹脂中に含有されることを許容できる。たとえば、前述した第1のポリマーの製造において、無水マレイン酸由来の構造単位における無水環を開環する工程を、アルカリ水溶液を用いた処理により行うことが可能である。この場合、短時間で、かつ温和な条件により当該工程を行うことができる。また、酸触媒を用いて無水環を開環する工程と比較して、第1のポリマーにおける開環率の制御が容易となる。
なお、アルカリ可溶性樹脂中におけるアルカリ金属濃度の下限は、特に限定されないが、本実施形態はアルカリ可溶性樹脂中におけるアルカリ金属濃度が0.01ppm以上である場合を許容するものである。
本実施形態において、アルカリ可溶性樹脂中におけるアルカリ金属の濃度は、フレームレス原子吸光光度計を用いて、必要に応じてN−メチルピロリドンにより希釈したポリマー固形分に対してのアルカリ金属濃度を測定することにより得た。
また、本実施形態におけるアルカリ可溶性樹脂中に含まれるアルカリ金属としては、たとえばNa、KまたはLiが挙げられる。これらのアルカリ金属は、たとえば前述した無水マレイン酸由来の構造単位における無水環を開環する開環工程(処理S2)におけるアルカリ水溶液に起因するものである。
本実施形態におけるアルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、たとえば500Å/秒以上20,000Å/秒以下である。アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、たとえばアルカリ可溶性樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ、固形分20重量%に調整したポリマー溶液を、シリコンウェハ上にスピン方式で塗布し、これを110℃で100秒間ソフトベークして得られるポリマー膜を、23℃で2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液に含浸させ、視覚的に前記ポリマー膜が消去するまでの時間を測定することにより算出される。
アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度を500Å/秒以上とすることにより、アルカリ現像液による現像工程におけるスループットを良好なものとすることができる。また、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度を20,000Å/秒以下とすることにより、アルカリ現像液による現像工程後における残膜率を向上させることができる。このため、リソグラフィ工程による膜減りを抑えることが可能となる。
(塩基発生剤)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、光あるいは熱により塩基を発生する塩基発生剤を含む。塩基発生剤は、露光時の光あるいは露光後の加熱により塩基を発生する。そして、この塩基を触媒として、アルカリ可溶性樹脂同士の架橋や、後述する架橋剤同士の架橋、架橋剤とアルカリ可溶性樹脂の架橋が促進されることとなる。このように、塩基発生剤を使用することで感光性樹脂組成物の架橋を促進することができる。また、光あるいは熱により塩基を発生する塩基発生剤を使用することで、感光性樹脂組成物の保存安定性も向上させることができる。
ここで、塩基発生剤としては、特に限定されないが、以下のいずれか1種以上を使用することができる。
Figure 2015007770
(Etは、エチル基を示す)
Figure 2015007770
(架橋剤)
感光性樹脂組成物は、さらに架橋剤を含んでいてもよい。これにより、硬化性の向上を図り、硬化膜の機械特性に寄与することができる。架橋剤としては、環状エーテル基を有する化合物であり、なかでも、グリシジル基あるいはオキセタニル基を有する化合物が好ましい。これらのうち、カルボキシル基や水酸基等の活性水素を持つ官能基との反応性の観点からは、グリシジル基を有する化合物を含むことがより好ましい。
架橋剤として用いられるグリシジル基を有する化合物としては、エポキシ化合物があげられる。エポキシ化合物としては、たとえばn−ブチルグリシジルエーテル、2−エトキシヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA(又はF)のグリシジルエーテル、等のグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサン)カルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタンジエンオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテルや、(株)ダイセル製のセロキサイド2021、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、セロキサイド8000、エポリードGT401などの脂環式エポキシ、2,2'−(((((1−(4−(2−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)プロパン−2−イル)フェニル)エタン−1,1−ジイル)ビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ))ビス(メチレン))ビス(オキシラン)(たとえば、Techmore VG3101L((株)プリンテック製))、エポライト100MF(共栄社化学工業(株)製)、エピオールTMP(日油(株)製)などの脂肪族ポリグリシジルエーテル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−(オキシラン−2−イル・メトキシ)プロピル)トリ・シロキサン(たとえば、DMS−E09(ゲレスト社製))等を用いることができる。
また、たとえばLX−01(ダイソー(株)製)、jER1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(商品名;三菱化学(株)製)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂、jER807(商品名;三菱化学(株)製)などのビスフェノールF型エポキシ樹脂、jER152、同154(商品名;三菱化学(株)製)、EPPN201、同202(商品名;日本化薬(株)製)などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂、EOCN102、同103S、同104S、1020、1025、1027(商品名;日本化薬(株)製)、jER157S70(商品名;三菱化学(株)製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、アラルダイトCY179、同184(商品名;ハンツマンアドバンスドマテリアル製)、ERL−4206、4221、4234、4299(商品名;ダウケミカル社製)、エピクロン200、同400(商品名;DIC(株)製)、jER871、同872(商品名;三菱化学(株)製)などの環状脂肪族エポキシ樹脂、Poly[(2−oxiranyl)−1,2−cyclohexanediol]2−ethyl−2−(hydroxymethyl)−1,3−propanediol ether (3:1)等の多官能脂環式エポキシ樹脂、EHPE−3150((株)ダイセル製)を使用することもできる。
なお、本実施形態における感光性樹脂組成物は、上記において例示したエポキシ化合物を一種または二種以上含むことが可能である。
架橋剤(C)として用いられるオキセタニル基を有する化合物としては、たとえば1,4−ビス{[(3−エチルー3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、4,4'−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、4,4'−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)ジフェノエート、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリ[[3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピル]シラセスキオキサン]誘導体、オキセタニルシリケート、フェノールノボラック型オキセタン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタンー3−イル)メトキシ]ベンゼン等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは単独でも複数組み合わせて用いてもよい。
(感光剤)
感光性樹脂組成物がポジ型である場合には、感光剤として、光活性化合物を使用でき、たとえば、ジアゾキノン化合物を使用することができる。
たとえば、以下のいずれか1種以上を使用することができる。
Figure 2015007770
Figure 2015007770
Figure 2015007770
n2は、1以上、5以下の整数である。
Figure 2015007770
Figure 2015007770
Figure 2015007770
以上の各化合物において、Qは、以下に示す構造のいずれか、あるいは、水素原子である。ただし、各化合物のQのうち、少なくとも1つは以下のいずれかである。
なかでも、感光性樹脂組成物の透明性、誘電率の観点から、Qが(a)あるいは(b)であるo−ナフトキノンジアジドスルホン酸誘導体が好ましい。
Figure 2015007770
なお、ポジ型の感光性樹脂組成物には、上述した光活性化合物に加えて、光あるいは熱で酸を発生する酸発生剤が含まれていてもよい。このような酸発生剤を含むことで、感光性樹脂組成物を露光現像した後、光を照射あるいは加熱することで、アルカリ可溶性樹脂や架橋剤の架橋反応を促進させることができる。架橋剤を含む場合には、酸発生剤は、架橋剤100質量部に対して、3質量部以下であることが好ましい。
光により酸を発生する光酸発生剤としては、後述するものを使用できる。
熱により酸を発生する熱酸発生剤としては、SI−45L、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−110L、SI−150L(三新化学工業(株)製)等の芳香族スルホニウム塩が使用できる。
熱酸発生剤の含有量は、たとえば、樹脂組成物の全固形分を100質量%としたとき、0.1〜5質量%であることが好ましい。
また、感光性樹脂組成物がネガ型の場合には、感光剤として、光酸発生剤を用いることができる。光酸発生剤としては、光のエネルギーを吸収してブレンステッド酸あるいはルイス酸を生成するものであれば良く、例えば、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウム−トリフルオロメタンスルホネートなどのスルホニウム塩類、p−ニトロフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートなどのジアゾニウム塩類、アンモニウム塩類、ホスホニウム塩類、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(トリキュミル)ヨードニウム−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのヨードニウム塩類、キノンジアジド類、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタンなどのジアゾメタン類、1−フェニル−1−(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ−1−ベンゾイルメタン、N−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンサルホネートなどのスルホン酸エステル類、ジフェニルジスルホンなどのジスルホン類、トリス(2,4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4,6−ビス−(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのトリアジン類などの化合物を挙げることができる。これらの光酸発生剤は、単独、または複数を組み合わせて使用することができる。
また、前述した感光性樹脂組成物中には、必要に応じて酸化防止剤、フィラー、増感剤、密着性改善剤等の添加剤を添加してもよい。
以上の感光性樹脂組成物において、感光性樹脂組成物がポジ型である場合には、各成分の割合はたとえば、以下のようである。
樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、前述したアルカリ可溶性樹脂を、20質量%〜90質量%を含有することが好ましく、なかでも、30質量%〜80質量%含有することが好ましい。
また、樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき光あるいは熱により塩基を発生する塩基発生剤を、0.1質量%〜10質量%を含有することが好ましく、なかでも、0.5質量%〜3質量%含有することが好ましい。
また、樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、感光剤である光活性化合物は、5質量%〜40質量%であることが好ましい。より好ましくは、10質量%〜30質量%である。
また、架橋剤を含む場合には、樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき架橋剤を、15質量%〜40質量%を含有することが好ましく、なかでも、20質量%〜30質量%含有することが好ましい。
また、感光性樹脂組成物がネガ型である場合には、各成分の割合はたとえば、以下のようである。
樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、前述したアルカリ可溶性樹脂を、20質量%〜90質量%を含有することが好ましく、なかでも、30質量%〜80質量%含有することが好ましい。
また、樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき光塩基発生剤を、0.1質量%〜10質量%を含有することが好ましく、なかでも、0.5質量%〜3質量%含有することが好ましい。
また、樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、光酸発生剤の量は、好ましくは0.1質量%〜40質量%であり、高解像度のパターン膜を形成することができる点から、より好ましくは1質量%〜30質量%である。
また、架橋剤を含む場合には、樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき架橋剤を、15質量%〜40質量%を含有することが好ましく、なかでも、20質量%〜30質量%含有することが好ましい。
以上のような感光性樹脂組成物の物性は、以下のようになることが好ましい。
(1)比誘電率
当該感光性樹脂組成物を塗布し、300mJ/cmで紫外線を露光した後、230℃、60分間加熱して厚さ2μmの膜を形成した後、周波数10kHzで計測した比誘電率は、4.0以下となる。なかでも、3.5以下であることが好ましい。比誘電率の下限値は特に限定されないが、たとえば、1である。
比誘電率は、より詳細には、以下のようにして計測できる。
感光性樹脂組成物をアルミニウム基板上に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベークする。その後、300mJ/cmで紫外線を露光し、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、厚さ2μmの膜とする。
その後、この膜上に金電極を形成し、室温(25℃)、10kHzにおける条件で計測する。
(2)透過率
また、当該感光性樹脂組成物を塗布し、300mJ/cmの紫外線を露光した後、230℃、60分間加熱して、厚さ2μmの膜を形成した後において、当該膜の波長400nmの光の透過率は80%以上となる。なかでも、前記透過率は、85%以上であることが好ましい。透過率の上限値は特に限定されないが、たとえば、99%である。
透過率は以下のようにして計測できる。
感光性樹脂組成物をガラス基板上に回転塗布し(回転数500〜2500rpm)、100℃、120秒間ホットプレートにてベークする。その後、300mJ/cmで露光した後、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、厚さ2μmの膜とする。
この膜について光の波長400nmにおける透過率を、紫外−可視光分光光度計を用いて測定する。
以上のように、感光性樹脂組成物から構成される膜は、誘電率が低いものとなる。これにより、感光性樹脂組成物を半導体デバイス等に使用することができる。さらには、感光性樹脂組成物から構成される膜は、光の透過率が高いものとなる。詳しくは後述するが、これにより、たとえば、当該感光性樹脂組成物を光電子デバイスに適用することができる。
(3)残膜率
以上のような感光性樹脂組成物の残膜率は、以下のようにして計測できる。
感光性樹脂組成物をシリコンウェハ上に、スピンコートし、100℃、120秒でホットプレートで加熱し、これを薄膜Aとする。露光装置で10μmのラインとスペースの幅が1:1となるように、露光し、0.4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で23℃、90秒間現像して、薄膜Bを得る。
その後、300mJ/cmで紫外線露光した後、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、これを薄膜Cとする。
上記の手法にて得られた薄膜Aと薄膜Bの膜厚から、以下の式より残膜率を算出した。
現像後残膜率(%)=〔薄膜Bの膜厚(μm)/薄膜Aの膜厚(μm)〕×100
ベーク後残膜率(%)=〔薄膜Cの膜厚(μm)/薄膜Aの膜厚(μm)〕×100
感光性樹脂組成物は、現像後残膜率が90%以上となることが好ましい。また、ベーク後残膜率が80%以上となることが好ましい。
(4)耐溶剤性
スピンコート法により成膜し、100℃のホットプレートで136秒ベークし形成した層に対して、現像液(0.5wt%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH))に90秒浸し、純水でリンスする。次に、紫外線を300mJ/cmで露光し、その後、オーブン中で230℃、60分間加熱した第1の膜の膜厚を第1の膜厚とし、前記第1の膜をN−メチルピロリドンに15分間70℃で浸漬した後の膜厚を第2の膜厚とした場合、[(第2の膜厚)/(第1の膜厚)]×100≦110(%)を満たす。なかでも、[(第2の膜厚)/(第1の膜厚)]×100≦105(%)であることが好ましい。
このような特性を備える本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、成膜後の製造工程において、N-メチルピロリドンに浸されても、膜厚がほとんど変化しない。このため、所定の設計厚さの膜を精度よく製造することが可能となる。
(電子装置)
次に、以上のような感光性樹脂組成物を使用した電子装置100の構成について説明する。
図1および図2は、それぞれ本実施形態に係る電子装置100の一例を示す断面図である。いずれにおいても、電子装置100のうちの絶縁膜20を含む一部が示されている。
本実施形態に係る電子装置100は、たとえばアルカリ可溶性樹脂を含む上記感光性樹脂組成物により形成される永久膜である絶縁膜20を備えている。
本実施形態に係る電子装置100の一例として、図1では液晶表示装置が示されている。しかしながら、本実施形態に係る電子装置100は、液晶表示装置に限定されず、感光性樹脂組成物からなる永久膜を備える他の電子装置を含むものである。
図1に示すように、液晶表示装置である電子装置100は、たとえば基板10と、基板10上に設けられたトランジスタ30と、トランジスタ30を覆うように基板10上に設けられた絶縁膜20と、絶縁膜20上に設けられた配線40と、を備えている。
基板10は、たとえばガラス基板である。
トランジスタ30は、たとえば液晶表示装置のスイッチング素子を構成する薄膜トランジスタである。基板10上には、たとえば複数のトランジスタ30がアレイ状に配列されている。本実施形態に係るトランジスタ30は、たとえばゲート電極31と、ソース電極32と、ドレイン電極33と、ゲート絶縁膜34と、半導体層35と、により構成される。ゲート電極31は、たとえば基板10上に設けられている。ゲート絶縁膜34は、ゲート電極31を覆うように基板10上に設けられる。半導体層35は、ゲート絶縁膜34上に設けられている。また、半導体層35は、たとえばシリコン層である。ソース電極32は、一部が半導体層35と接触するよう基板10上に設けられる。ドレイン電極33は、ソース電極32と離間し、かつ一部が半導体層35と接触するよう基板10上に設けられる。
絶縁膜20は、トランジスタ30等に起因する段差をなくし、基板10上に平坦な表面を形成するための平坦化膜として機能する。また、絶縁膜20は、上記感光性樹脂組成物の硬化物により構成される。絶縁膜20には、ドレイン電極33に接続するよう絶縁膜20を貫通する開口22が設けられている。
絶縁膜20上および開口22内には、ドレイン電極33と接続する配線40が形成されている。配線40は、液晶とともに画素を構成する画素電極として機能する。
また、絶縁膜20上には、配線40を覆うように配向膜90が設けられている。
基板10のうちトランジスタ30が設けられている一面の上方には、基板10と対向するよう対向基板12が配置される。対向基板12のうち基板10と対向する一面には、配線42が設けられている。配線42は、配線40と対向する位置に設けられる。また、対向基板12の上記一面上には、配線42を覆うように配向膜92が設けられている。
基板10と当該対向基板12との間には、液晶層14を構成する液晶が充填される。
図1に示す電子装置100は、たとえば次のように形成される。
まず、基板10上にトランジスタ30を形成する。次いで、基板10のうちトランジスタ30が設けられた一面上に、印刷法あるいはスピンコート法により上記感光性樹脂組成物を塗布し、トランジスタ30を覆う絶縁膜20を形成する。これにより、基板10上に設けられたトランジスタ30を覆う平坦化膜が形成される。
次いで、絶縁膜20を紫外線等を露光し、現像して、絶縁膜20の一部に開口22を形成する。感光性樹脂組成物がポジ型である場合には、露光部分がアルカリ現像液(たとえば、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液))に溶解し、未露光部分が残る。一方で、感光性樹脂組成物がネガ型である場合には、未露光部分がアルカリ現像液に溶解し、露光部分が残ることとなる。この点は、後述する電子装置100の各例においても同様である。
次いで、絶縁膜20を加熱硬化させる。そして、絶縁膜20の開口22内に、ドレイン電極33に接続された配線40を形成する。その後、絶縁膜20上に対向基板12を配置し、対向基板12と絶縁膜20との間に液晶を充填し、液晶層14を形成する。
これにより、図1に示す電子装置100が形成されることとなる。
また、本実施形態に係る電子装置100の一例として、図2では上記感光性樹脂組成物からなる永久膜により絶縁膜52,54が構成される半導体装置が示されている。
図2に示す電子装置100は、トランジスタ等の半導体素子が設けられた半導体基板と、半導体基板上に設けられた多層配線層と、を備えている(図示せず)。多層配線層のうち最上層には、層間絶縁膜である絶縁膜50と、絶縁膜50上に設けられた最上層配線72が設けられている。最上層配線72は、たとえばAlにより構成される。
また、絶縁膜50上には、層80が設けられている。層80は、最上層配線72を覆うように絶縁膜50上に設けられた絶縁膜52と、絶縁膜52上に設けられた再配線層70と、絶縁膜52上および再配線層70上に設けられた絶縁膜54と、を有する。
絶縁膜52には、最上層配線72に接続する開口24が形成されている。再配線層70は、絶縁膜52上および開口24内に形成され、最上層配線72に接続されている。絶縁膜54には、再配線層70に接続する開口26が設けられている。
これらの絶縁膜52および絶縁膜54は、上記感光性樹脂組成物からなる永久膜により構成される。絶縁膜52は、たとえば絶縁膜50上に塗布された上記感光性樹脂組成物に対し紫外線を露光し、現像を行うことにより開口24を形成した後、これを加熱硬化することにより得られる。また、絶縁膜54は、たとえば絶縁膜52上に塗布された上記感光性樹脂組成物に対し紫外線を露光し、アルカリ現像液(たとえば、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液))で現像を行うことにより開口26を形成した後、これを加熱硬化することにより得られる。
開口26内には、たとえばバンプ74が形成される。電子装置100は、たとえばバンプ74を介して配線基板等に接続されることとなる。
さらに、本実施形態に係る電子装置100は、上記感光性樹脂組成物からなる永久膜によりマイクロレンズを構成する光デバイスであってもよい。光デバイスとしては、たとえば液晶表示装置、プラズマディスプレイ、電界放出型ディスプレイまたはエレクトロルミネセンスディスプレイが挙げられる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
次に、本発明の実施例について説明する。
<合成例1>
撹拌機,冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(MA,122.4g、1.25mol)、2-ノルボルネン(NB,117.6g、1.25mol)およびジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(11.5g、50.0mmol)を計量し、メチルエチルケトン(MEK,150.8g)およびトルエン(77.7g)に溶解させた。この溶解液に対して、10分間窒素を通気して酸素を除去し、その後、撹拌しつつ60℃、16時間、加熱した。その後、この溶解液に対して、MEK(320g)を加えた後、これを、水酸化ナトリウム(12.5g、0.31mol),ブタノール(463.1g、6.25mol),トルエン(480g)の懸濁液に加え、45℃で3時間混合した。そして、この混合液を40℃まで冷却し、ギ酸(88質量%水溶液,49.0g、0.94mol)で処理してプロトン付加し、その後、MEKおよび水を加え、水層を分離することで、無機残留物を除去した。次いで、メタノール,ヘキサンを加え有機層を分離することで未反応モノマーを除去した。さらにPGMEAを添加し、系内のメタノール及びブタノールを残留量1%未満となるまで減圧留去した。これにより、20重量%のポリマー溶液1107.7gを得た(GPC Mw=13,700、Mn=7,400)。得られたポリマー(アルカリ可溶性樹脂(A1))は、式(1)の共重合体であり、式(2a)により示される構造単位、および式(2c)により示される構造単位を含んでいる。
<合成例2>
密閉可能な反応容器内に、オキセタンノルボルネン(10.8g、45.8mmol)、ノルボルネンカルボン酸(11.92g、91.7mmol)、メチルグリシジルエーテルノルボルネン(57.6g、320mmol)、マレイミド(28.88g、297.7mmol)、およびシクロヘキシルマレイミド(16.32g、91.2mmol)を計量した。さらに、V−601(8.4g、36.5mmol)を溶解させたPGME58.4gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、容器を密閉し、70℃で16時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、THF226gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のメタノールに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しメタノールでさらに洗浄した後、30℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は64.6g、収率は51%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが13,500であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.71であった。
得られたポリマー(アルカリ可溶性樹脂(A2))は、下記式(17)により示される構造を有していた。
Figure 2015007770
なお、合成例2において用いたオキセタンノルボルネンは、次のように合成した。
まず、攪拌機および冷却器を備えた反応容器内にジシクロペンタジエン700.0gと流動パラフィン100.0gを加え、これを160℃〜170℃で加熱することにより得られる分解生成物を、冷却器(冷却水温度5℃)で冷却して、シクロペンタジエンを得た。次いで、他の反応容器内にオキセタンアクリル(OXE−10、大阪有機化学工業(株)製)283.2gを入れ、これに20℃の条件下で3時間かけて上記で得られたシクロペンタジエン100gを逐添した後、30℃〜35℃の条件下で16時間撹拌した。次いで、これにより得られる反応生成物を、ビグリューカラムを用いた減圧蒸留装置にて分留精製し、下記式(18)に示されるオキセタンノルボルネンを得た。
Figure 2015007770
H−NMRスペクトルおよび13C−NMRスペクトルを解析し、得られたオキセタンノルボルネンが上記式に示される構造を有していることを確認した。また、得られたオキセタンノルボルネンは、endo/exo=78/22の構造異性体混合物であった。なお、測定されたNMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
H−NMR(400MHz,CDCl):0.91(t,endo−3H),0.92(t,exo−3H),1.29(d,endo−1H),1.37−1.47(m,2H),1.52(d,exo−1H),1.73−1.80(m,2H),1.90−1.97(m,1H),2.26−2.30(m,exo−1H),2.92(br s,1H),2.98−3.03(m,endo−1H),3.05(br s,exo−1H),3.23(s,endo−1H),4.16(dd,endo−2H),4.23(dd,exo−2H),4.40(d,endo−2H),4.41(d,exo−2H),4.46(d,endo−2H),4.49(dd,exo−2H),5.92(dd,endo−1H),6.11−6.16(m,exo−2H),6.21(dd,endo−1H).
13C−NMR(100MHz,CDCl):8.0,26.9,29.1,30.3,41.6,42.4,42.6,42.6,43.1,43.3,45.7,46.3,46.6,49.6,65.9,66.2,77.8,77.9,132.1,135.6,137.9,138.0,174.7,176.2ppm.
<合成例3>
撹拌機及び冷却管を備えた反応容器内に、オキセタンノルボルネン(30.3g、128mmol)、マレイミド(17.4g、179mmol)、N−シクロヘキシルマレイミド(13.8g、76.9mmol)、エチルオキセタンビニルエーテル(14.5g、103mmol)、ブタンジオールモノビニルモノグリシジルエーテル(4.1g、25.6mmol)を計量した。さらに、V−601(2.36g、10.3mmol)を溶解させたTHF77.6gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、窒素雰囲気下にて60℃に保持し、5時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、THF106.7gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘキサン中に注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘキサンにてさらに洗浄した後、30℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は61.8g、収率は77%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが10,330であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2.35であった。なお、本合成例にて用いたオキセタンノルボルネンは、上記合成例2と同様の方法により合成した。
得られたポリマー(アルカリ可溶性樹脂(A3))は、下記式(19)により示される構造を有していた。
Figure 2015007770
<実施例1>
合成例1記載のアルカリ可溶性樹脂(A1)の20.6%PGMEA溶液を485.2g、下記の式B1で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製PA−28)を30g、エポキシ樹脂EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)26g、エポキシ樹脂VG3101L(プリンテック社製)5g、エポキシ樹脂Epolite100MF(共栄社製)15g、光塩基発生剤(WPBG−018)1g、感光性樹脂組成物を回転塗布する際に膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)0.5g、感光性樹脂組成物と基板との密着性を改善するためにKBM−303を10g(信越シリコーン社製)、を適量のジエチレングリコールメチルエチルエーテル(DEGMEE)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
Figure 2015007770
上記実施例1および後述する実施例2〜9、各比較例について以下の評価を行なった。
(比誘電率の評価)
パターンのない、2.0μm厚の薄膜をアルミニウム基板上に得た。
具体的には、上記の感光性樹脂組成物をHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理したアルミニウム基板上に回転塗布し(回転数500〜2500rpm)、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約2.5μm厚の薄膜を得た。
この薄膜をキヤノン社製g+h+i線マスクアライナーPLA−501F(超高圧水銀ランプ)にてg+h+i線を積算光量が300mJ/cmとなるように全面露光した後、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、厚さ2μmの薄膜を得た。その後、この薄膜上に金電極を形成し、室温(25℃)、10kHzにおける条件で、Hewlett Packard社製LCRメータ(4282A)を用いて得られた静電容量から比誘電率を算出した。
(透過率の評価)
縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板を用い、テストパターンを露光現像しない以外は上記と同様の操作を行うことによりパターンのない薄膜をガラス基板上に得た。
具体的には、上記の感光性樹脂組成物をHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理したガラス基板上に回転塗布し(回転数500〜2500rpm)、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約2.5μm厚の薄膜を得た。
この薄膜をPLA−501Fにてg+h+i線を300mJ/cm全面露光した後、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、厚さ2μmの薄膜を得た。この薄膜について光の波長400nmにおける透過率(%)を、紫外−可視光分光光度計を用いて測定した。
(耐溶剤性の評価)
透過率の評価と同様の操作を行い、薄膜付のガラス基板を得た。その後、現像液(0.5wt%TMAH)に90秒浸し、純水でリンスした。その後、この薄膜をPLA−501Fにてg+h+i線を300mJ/cm全面露光した後、230℃60分オーブン中で加熱した。次に、70℃のN−メチルピロリドン(関東化学、純度99%以上)中に15分間浸漬した後、純水で30秒間リンスし、次いで、2000rpmの条件でスピン乾燥した。(溶剤浸漬後の膜厚/溶剤浸漬前の膜厚)×100で、膨潤率を算出した。
<実施例2>
合成例1記載のアルカリ可溶性樹脂(A1)の20.6%PGMEA溶液を485.2g、式B1で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製PA−28)を30g、エポキシ樹脂EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)26g、エポキシ樹脂VG3101L(プリンテック社製)5g、エポキシ樹脂Epolite100MF(共栄社製)15g、光塩基発生剤(WPBG−018)3g、感光性樹脂組成物を回転塗布する際に膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)0.5g、感光性樹脂組成物と基板との密着性を改善するためにKBM−303を10g(信越シリコーン社製)、を適量のジエチレングリコールメチルエチルエーテル(DEGMEE)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
<実施例3>
合成例1記載のアルカリ可溶性樹脂(A1)の20.6%PGMEA溶液を485.2g、式B1で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製PA−28)を30g、エポキシ樹脂EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)26g、エポキシ樹脂VG3101L(プリンテック社製)5g、エポキシ樹脂Epolite100MF(共栄社製)15g、光塩基発生剤(WPBG−018)5g、感光性樹脂組成物を回転塗布する際に膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)0.5g、感光性樹脂組成物と基板との密着性を改善するためにKBM−303を10g(信越シリコーン社製)、を適量のジエチレングリコールメチルエチルエーテル(DEGMEE)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
<実施例4>
合成例1記載のアルカリ可溶性樹脂(A1)の20.6%PGMEA溶液を485.2g、式B1で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製PA−28)を30g、エポキシ樹脂EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)26g、エポキシ樹脂VG3101L(プリンテック社製)5g、エポキシ樹脂Epolite100MF(共栄社製)15g、光塩基発生剤(WPBG−140)1g、感光性樹脂組成物を回転塗布する際に膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)0.5g、感光性樹脂組成物と基板との密着性を改善するためにKBM−303を10g(信越シリコーン社製)、を適量のジエチレングリコールメチルエチルエーテル(DEGMEE)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
<実施例5>
合成例1記載のアルカリ可溶性樹脂(A1)の20.6%PGMEA溶液を485.2g、式B1で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製PA−28)を30g、エポキシ樹脂EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)26g、エポキシ樹脂VG3101L(プリンテック社製)5g、エポキシ樹脂Epolite100MF(共栄社製)15g、光塩基発生剤(WPBG−140)3g、感光性樹脂組成物を回転塗布する際に膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)0.5g、感光性樹脂組成物と基板との密着性を改善するためにKBM−303を10g(信越シリコーン社製)、を適量のジエチレングリコールメチルエチルエーテル(DEGMEE)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
<実施例6>
合成例1記載のアルカリ可溶性樹脂(A1)の20.6%PGMEA溶液を485.2g、式B1で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製PA−28)を30g、エポキシ樹脂EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)26g、エポキシ樹脂VG3101L(プリンテック社製)5g、エポキシ樹脂Epolite100MF(共栄社製)15g、光塩基発生剤(WPBG−140)5g、感光性樹脂組成物を回転塗布する際に膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)0.5g、感光性樹脂組成物と基板との密着性を改善するためにKBM−303を10g(信越シリコーン社製)、を適量のジエチレングリコールメチルエチルエーテル(DEGMEE)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
<実施例7>
合成例1記載のアルカリ可溶性樹脂(A1)の20.6%PGMEA溶液を485.2g、式B1で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製PA−28)を30g、エポキシ樹脂EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)26g、エポキシ樹脂VG3101L(プリンテック社製)5g、エポキシ樹脂Epolite100MF(共栄社製)15g、光塩基発生剤(WPBG−165)1g、感光性樹脂組成物を回転塗布する際に膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)0.5g、感光性樹脂組成物と基板との密着性を改善するためにKBM−303を10g(信越シリコーン社製)、を適量のジエチレングリコールメチルエチルエーテル(DEGMEE)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
<実施例8>
合成例1記載のアルカリ可溶性樹脂(A1)の20.6%PGMEA溶液を485.2g、式B1で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製PA−28)を30g、エポキシ樹脂EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)26g、エポキシ樹脂VG3101L(プリンテック社製)5g、エポキシ樹脂Epolite100MF(共栄社製)15g、光塩基発生剤(WPBG−165)3g、感光性樹脂組成物を回転塗布する際に膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)0.5g、感光性樹脂組成物と基板との密着性を改善するためにKBM−303を10g(信越シリコーン社製)、を適量のジエチレングリコールメチルエチルエーテル(DEGMEE)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
<実施例9>
合成例1記載のアルカリ可溶性樹脂(A1)の20.6%PGMEA溶液を485.2g、式B1で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製PA−28)を30g、エポキシ樹脂EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)26g、エポキシ樹脂VG3101L(プリンテック社製)5g、エポキシ樹脂Epolite100MF(共栄社製)15g、光塩基発生剤(WPBG−165)5g、感光性樹脂組成物を回転塗布する際に膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)0.5g、感光性樹脂組成物と基板との密着性を改善するためにKBM−303を10g(信越シリコーン社製)、を適量のジエチレングリコールメチルエチルエーテル(DEGMEE)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
<比較例1>
光塩基発生剤を使用しなかった点以外は、実施例1と同様である。
具体的には以下の通りである。
合成例1記載のアルカリ可溶性樹脂(A1)の20.6%PGMEA溶液を485.2g、式B1で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製PA−28)を30g、エポキシ樹脂EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)26g、エポキシ樹脂VG3101L(プリンテック社製)5g、エポキシ樹脂Epolite100MF(共栄社製)15g、感光性樹脂組成物を回転塗布する際に膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)0.5g、感光性樹脂組成物と基板との密着性を改善するためにKBM−303を10g(信越シリコーン社製)、を適量のジエチレングリコールメチルエチルエーテル(DEGMEE)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
<比較例2>
合成例1記載のアルカリ可溶性樹脂(A1)の20.6%PGMEA溶液を485.2g、式B1で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製PA−28)を30g、エポキシ樹脂EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)50g、エポキシ樹脂VG3101L(プリンテック社製)30g、エポキシ樹脂Epolite100MF(共英社製)50g、感光性樹脂組成物と基板との密着性を改善するためにKBM−303を10g(信越シリコーン社製)、感光性樹脂組成物を回転塗布する際に膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)0.5gを適量のジエチレングリコールメチルエチルエーテル(DEGMEE)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
Figure 2015007770
表1中において、樹脂組成物に含まれる各成分の配合量を示す数値のうち、かっこ外の数値は各成分の質量(g)を、かっこ内の数値は樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたときの各成分の配合割合(質量%)を、それぞれ示す。以下、表2においても同様である。
Figure 2015007770
実施例1−9では、いずれも、誘電率が低く、透過性の高い膜を得ることができた。また、実施例1−9では、膨潤率も低く、耐薬品性が高いことがわかる。
これに対し、光塩基発生剤を使用していない比較例1では、膨潤率が高くなってしまった。また、光塩基発生剤を使用していない比較例2では、膨潤率は低くなったものの、感光性樹脂組成物の硬化膜に割れが発生してしまった。
<実施例10>
合成例2記載のアルカリ可溶性樹脂(A2)を100重量部、上記式B1で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製PA−28)を30重量部、光塩基発生剤(WPBG−140、和光純薬工業(株)製)を2重量部、感光性樹脂組成物を回転塗布する際に膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)0.7重量部、密着性改善剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越シリコーン(株)製)を10重量部、をPGMEAとDEGMEEの混合溶媒(PGMEA:DEGMEE=70:30)に固形分量(TS)が30%となるように溶解させて撹拌させた後、孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより感光性樹脂組成物を調製した。
<実施例11>
合成例3記載のアルカリ可溶性樹脂(A3)を100重量部、上記式B1で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製PA−28)を30重量部、光塩基発生剤(WPBG−140、和光純薬工業(株)製)を2重量部、感光性樹脂組成物を回転塗布する際に膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)0.7重量部、密着性改善剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越シリコーン(株)製)を10重量部、をPGMEAとDEGMEEの混合溶媒(PGMEA:DEGMEE=70:30)に固形分量(TS)が30%となるように溶解させて撹拌させた後、孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより感光性樹脂組成物を調製した。
実施例10、11により調製した感光性樹脂組成物について、実施例1と同様にして比誘電率、透過率、および耐溶剤性の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2015007770
表3中において、樹脂組成物に含まれる各成分の配合量を示す数値のうち、かっこ外の数値はアルカリ可溶性樹脂100重量部に対する各成分の重量部を、かっこ内の数値は樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたときの各成分の配合割合(質量%)を、それぞれ示す。
実施例10、11は、膨潤率が低く、耐薬品性が高いことがわかる。また、実施例10、11については、感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜が永久膜として十分な機械特性を示すことが確認されている。
この出願は、2013年5月29日に出願された日本出願特願2013−113409を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
10 基板
12 対向基板
14 液晶層
20、50、52、54 絶縁膜
22、24、26 開口
30 トランジスタ
31 ゲート電極
32 ソース電極
33 ドレイン電極
34 ゲート絶縁膜
35 半導体層
40、42 配線
70 再配線層
72 最上層配線
74 バンプ
80 層
90、92 配向膜
100 電子装置

Claims (8)

  1. アルカリ可溶性樹脂と、
    光あるいは熱により塩基を発生する塩基発生剤と、
    前記塩基発生剤とは異なる感光剤と、
    を含む感光性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物において、
    環状エーテル基を有する架橋剤をさらに含む感光性樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載の感光性樹脂組成物において、
    前記架橋剤は、前記環状エーテル基としてグリシジル基を有するエポキシ化合物である感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか一項に記載の感光性樹脂組成物において、
    前記アルカリ可溶性樹脂は、環状オレフィン系樹脂を含む感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4いずれか一項に記載の感光性樹脂組成物において、
    前記アルカリ可溶性樹脂は、下記式(Ia)により表される構造単位および下記式(Ib)により表される構造単位を有する共重合体を含む感光性樹脂組成物。
    Figure 2015007770
    (式(Ia)中、nは、0、1または2である。R、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。式(Ib)中、Aは、以下の式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、または式(VI)により示される)
    Figure 2015007770
    (式(II)中、RおよびRは、それぞれ独立して水素、または炭素数1〜18の有機基である)
    Figure 2015007770
    (式(III)中、Rは、水素、炭素数1〜12のアルキル基、または炭素数3〜8のシクロアルキル基である)
    Figure 2015007770
    (式(IV)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素、炭素数1〜12のアルキル基、または炭素数3〜8のシクロアルキル基である)
    Figure 2015007770
    (式(V)中、Rは炭素数1〜10の有機基である)
    Figure 2015007770
  6. 請求項1〜5いずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化膜を備える電子装置。
  7. 請求項6に記載の電子装置において、
    前記感光性樹脂組成物の前記硬化膜は、液晶表示装置において、基板上に形成されたトランジスタ上に設けられ、前記トランジスタと液晶層との間に配置される平坦化膜である電子装置。
  8. 請求項6に記載の電子装置において、
    前記感光性樹脂組成物の前記硬化膜は、半導体装置の半導体基板上に設けられた多層配線層と、再配線層との間に設けられる層間絶縁膜である電子装置。
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