JP6525686B2 - 多孔性高分子金属錯体、ガス吸着材、これを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置 - Google Patents

多孔性高分子金属錯体、ガス吸着材、これを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置 Download PDF

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Description

本発明は多孔性高分子金属錯体及びガス吸着材としての利用ならびにこれを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置に関する。
ガス吸着材は、加圧貯蔵や液化貯蔵に比べて、低圧で大量のガスを貯蔵しうる特性を有する。このため、近年、ガス吸着材を用いたガス貯蔵装置およびガス分離装置の開発が盛んである。ガス吸着材としては、活性炭、ゼオライトなどが知られている。このようなガス吸着材を用いて、分離または貯蔵することが求められているガスとしては、たとえば、酸素および一酸化炭素が例示される。
酸素は、産業ガスとして、鉄鋼他の産業に膨大な量が使用されているため、酸素分離法の開発は非常に重要である。このような目的のためには、多数の小さな細孔を有する所謂多孔体がガス吸着材として利用されるが、酸素を吸着する吸着材の多くは、酸素以外のガス、すなわち窒素等も吸着する事が多い。特に、低温では、細孔と種々のガスとの相互作用が強くなるため、原理的に多くの多孔体は種々のガスを吸着するようになる。したがって、どのようにすれば幅広い温度域で酸素だけを選択的に吸着する(分離する)吸着材を製造出来るかはよくわかっていない。分子篩炭素とPSA(圧力スイング吸着)装置とを利用した酸素分離は実用化されているが、小型化、高効率化のニーズは大きく、これに対応するための高性能の酸素分離材の開発は重要である。
一酸化炭素は、燃料、酢酸、ポリカーボネート等の化成品原料として有用である。鉄鋼業からは転炉等の操業の際に、多量の一酸化炭素が発生しているが、これは窒素との混合ガスとして得られる。しかしながら、一酸化炭素と窒素とは、物理特性および化学特性がきわめて類似しており、既存のゼオライト、活性炭などの多孔体を利用したガス吸着材による一酸化炭素と窒素との分離効率は低い。そのため、本技術は一般普及しておらず、一酸化炭素を高効率で選択的に吸着できるガス吸着材の開発が望まれている。
ところで、多孔性高分子金属錯体は、金属イオンと有機配位子から得られる結晶性固体であり、ゼオライトおよび活性炭と同様に、ナノスケールの微細な孔を有しており、ガスの吸着、分離が行えることが知られている。そこで、多孔性高分子金属錯体にガスを吸蔵させる方法も提案されている(特許文献1、非特許文献1参照)。
しかしながら、これらの多孔性高分子金属錯体を用いて従来提案されてきたガス吸着材は、ガス吸着量や作業性などの点で充分に満足できるものとはいえず、より優れた特性を有するガス吸着材の開発が所望されている。種々の金属イオン、有機配位子の組み合わせが可能であることおよび骨格構造の多様性から、特許文献1等に開示されている多孔性高分子金属錯体以外にも、様々なガス吸着特性を発現する可能性を秘めている。
多孔性高分子金属錯体として、イソフタル酸を原料として得られるカゴメネットワーク構造を有するものが知られている。これらの多くはガス吸着性を発現し、イソフタル酸の5位の置換基がガス吸着性に影響を及ぼす事は知られている。たとえば、特許文献2には、カゴメネットワーク構造を有する多孔性高分子金属錯体が、二酸化炭素を選択的に吸着することが記載されている(特許文献2参照)。しかしながら、どのような置換基がどのようなガス吸着性を発現するかは未だ検討が不十分であった(特許文献3、非特許文献6〜11参照)。
特開2000−109493号公報 特許第5646789号公報 米国特許出願公開第2002/0120165号明細書
北川進、集積型金属錯体、講談社サイエンティフィク、2001年214-218頁 Long他、Angew. Chem. Int. Ed. 2010, 49, 2 - 27 Suh 他 Inorganic Chemistry, Vol. 45, No. 21, 2006 Zhou他、Inorganic Chemistry, Vol. 46, No. 4, 2007 1233 Rosi他、J. AM. CHEM. SOC. 2010, 132, 38-39 Morris他、Nature Commun., 2011, 304 Zaworotko他、Chem. Commun., 2004, 2534 Zaworotko他、Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 2111 Zaworotko他、Cryst. Growth Des. 2003, 513 Burrows他、Dalton Trans., 2008, 6788 佐藤他、Science, 2014, 343, 167
本発明は、幅広い温度域において、酸素および一酸化炭素を選択的に吸着可能な多孔性高分子金属錯体及びこれを用いた優れた特性を有するガス吸着材を提供することを目的とする。また本発明は、前記特性を有するガス吸着材を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置を併せて提供することを目的とする。
本発明者らは、前述のような問題点を解決すべく、鋭意研究を積み重ねた結果、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸と銅イオンとの反応により得られる、いわゆるカゴメ構造を有する多孔性高分子金属錯体が、幅広い温度域で酸素および一酸化炭素を選択的に吸着する事を見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、カゴメ構造の基本骨格を有し、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸を銅イオンの配位子として含有する多孔性高分子金属錯体に関し、さらに、本材料のガス吸着材としての利用及び本ガス吸着材を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置に関する。
すなわち本発明の態様は以下の通りである。
(1) [CuX] (i)
(式(i)中、Xは銅イオンの配位子であり、5位に、ハロゲン元素が水素を置換した直鎖または分岐鎖を有するアルキル基またはアルコキシ基であって、ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸である。nは、CuXから成る金属錯体の構成単位の集合数を示すもので、nは限定されない。)
で表される集合体構造を有する多孔性高分子金属錯体。
(2) 前記集合体構造は、銅イオンが前記イソフタル酸中の4個のカルボキシル基と配位結合したユニットが上下に二つ配位したパドルホイール構造を有し、前記パドルホイール構造が前記イソフタル酸により連結されて形成される六員環と三員環とから構成されるカゴメ構造が積層された結晶構造を有する上記(1)に記載の多孔性高分子金属錯体。
(3) 前記ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基のハロゲン元素が塩素、臭素、よう素からなる群から選ばれる1つまたは2つ以上である上記(1)又は(2)に記載の多孔性高分子金属錯体。
(4) 前記ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基のハロゲン元素がよう素である上記(3)に記載の多孔性高分子金属錯体。
) 前記アルキル基またはアルコキシ基中の炭素原子数が1から10の範囲内である上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
) 前記ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基が含有するハロゲン原子数が1から21の範囲内である上記(1)〜()のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
) [CuX] (iv)
(式(iv)中、Xは銅イオンの配位子であり、5位に、ハロゲン元素が水素を置換した直鎖または分岐鎖を有するアルキル基またはアルコキシ基であって、ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸と、イソフタル酸および5位に置換基を有するイソフタル酸からなる群から選ばれる1種類または2種類以上と、を含み、Xの合計モル数を100モル%とした場合に、前記5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸の割合が5モル%以上である。nは、CuXから成る金属錯体の構成単位の集合数を示すもので、nは限定されない。)
で表される集合体構造を有することを特徴とする多孔性高分子金属錯体。
) 前記5位に置換基を有するイソフタル酸が、5位にアルキル基を有するイソフタル酸、5位にアルコキシ基を有するイソフタル酸およびアミノ基を有するイソフタル酸から選ばれる1種類または2種類以上である上記()に記載の多孔性高分子金属錯体。
) 上記(1)〜()のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体を含むガス吸着材。
10) 上記()に記載の吸着材を用いたガス分離装置。
11) 上記()に記載の吸着材を用いたガス貯蔵装置。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、酸素および一酸化炭素に関して、多量のガスを吸蔵、放出し、かつ、ガスの選択的吸着を行うことが可能である。また本発明の多孔性高分子金属錯体からなるガス吸着材を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置を製造することが可能になる。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、また例えば、圧力スイング吸着方式(以下「PSA方式」と略記)のガス分離装置として使用すれば、非常に効率良いガス分離が可能である。また、圧力変化に要する時間を短縮でき、省エネルギーにも寄与する。さらに、ガス分離装置の小型化にも寄与しうるため、高純度ガスを製品として販売する際のコスト競争力を高めることができることは勿論、自社工場内部で高純度ガスを用いる場合であっても、高純度ガスを必要とする設備に要するコストを削減できるため、結局最終製品の製造コストを削減する効果を有する。
本発明の多孔性高分子金属錯体の他の用途としては、ガス貯蔵装置が挙げられる。本発明のガス吸着材をガス貯蔵装置(業務用ガスタンク、民生用ガスタンク、車両用燃料タンクなど)に適用した場合には、搬送中および保存中の圧力を劇的に低減させることが可能である。搬送時および保存中のガス圧力を減少させ得ることに起因する効果としては、形状自由度の向上がまず挙げられる。従来のガス貯蔵装置においては、保存中の圧力を維持しなくてはガス吸着量を高く維持できない。しかしながら、本発明のガス貯蔵装置においては、圧力を低下させても充分なガス吸着量を維持できる。
ガス分離装置あるいはガス貯蔵装置に適用する場合における、容器形状、容器材質、ガスバルブの種類などに関しては、特に特別の装置を用いなくてもよく、ガス分離装置あるいはガス貯蔵装置に用いられているものを用いることが可能である。ただし、各種装置の改良を排除するものではなく、いかなる装置を用いたとしても、本発明の多孔性高分子金属錯体を用いている限りにおいて、本発明の技術的範囲に包含されるものである。
本実施形態に係る多孔性高分子金属錯体が有するカゴメ構造の基本骨格の一層のみを切り抜いた上面図を示す。図1において、銅イオンを黒色で示し、炭素原子を灰色で示し、酸素原子を白色で示す。なお、水素原子の図示は省略した。 図1において、銅イオンが、イソフタル酸中の4個のカルボキシル基と配位結合したユニットが上下に二つ配位するいわゆるパドルホイール構造を拡大して示す。図1と同様に、銅イオンを黒色で示し、炭素原子を灰色で示し、酸素原子を白色で示す。なお、水素原子の図示は省略した。 図1に示す多孔性高分子金属錯体が有するカゴメ構造の基本骨格の二層のみを切り抜いた側面図を示す。図3において、銅イオンを黒で示し、炭素原子を灰色で示し、酸素原子および水素原子を白色で示す。 実施例1で得た単結晶を分析して得られた多孔性高分子金属錯体のカゴメ構造(一層のみ)を示す。図4において、丸で囲んだ原子がよう素である。 実施例1で得た粉末を粉末X線装置により測定して得られた回折パターンを示す。
本実施形態に係る多孔性高分子金属錯体は、下記式(i)で表され、かつ図1で示されるいわゆるカゴメ構造の基本骨格を有する化合物である。すなわち、銅イオンに配位しているイソフタル酸の全てがハロゲンを含む官能基を有している。
[CuX] (i)
(式(i)中、Xは銅イオンの配位子であり、5位に、ハロゲン元素が水素を置換した直鎖または分岐鎖を有するアルキル基またはアルコキシ基であって、ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸である。nは、CuXから成る金属錯体の構成単位の集合数を示すもので、nは特に限定されないが、1以上の整数である。多孔性高分子金属錯体からなる材料の安定性の観点から、nは50以上であることが好ましく、優れた吸着特性の観点から、nは100以上であることが好ましい。)
図1に、本実施形態に係る多孔性高分子金属錯体が有するカゴメ構造の基本骨格の一層のみを切り抜いた上面図を示す。銅イオンが、イソフタル酸中の4個のカルボキシル基と配位結合したユニットが上下に二つ配位するいわゆるパドルホイール構造(図2参照)を有し、そのパドルホイール構造がイソフタル酸により連結されてパドルホイール構造を頂点とする六角形(六員環)と三角形(三員環)から成る、所謂カゴメ構造を形成している。本図は、イソフタル酸の5位がアルキル基を有しているカゴメ構造を示しているが、5位がふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有していても、パドルホイール構造がイソフタル酸により連結されることにより形成されるカゴメ構造の基本骨格は変わらない。
図2に、図1に示すパドルホイール構造を拡大して示す。本図では、パドルホイール構造を形成する1個の銅イオンに対し、カルボキシル基の酸素が4個配位するとともに、水が1分子配位している。このパドルホイール構造がイソフタル酸により連結されて、図1に示すように、カゴメ構造が形成される。
図3に、図1の多孔性高分子金属錯体のカゴメ構造の二層のみを切り抜いた側面図を示す。カゴメ構造は二次元平面構造であり、本多孔性高分子金属錯体はこの二次元平面構造体が積層してなる構成を有している。図3において、六員環の間または三員環の間が空間であり、多孔性高分子金属錯体における細孔となる。この細孔に種々のガスが吸着することになる。なお、図1〜3は、いずれも分子ネットワーク構造の一部を切り抜いた物であり、実際は無限格子である。
本実施形態に係る多孔性高分子金属錯体は、銅イオンと、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸と、から形成される図1に示す上記の所謂カゴメネットワーク構造を有している。ここで重要なのはネットワークのトポロジーであり、個々の結合角は、本多孔性高分子金属錯体が柔軟性を有するが故に、必ずしも常に図と同一の結合角を有するとは限らない。また図3の積層状態に於いても、二次元のカゴメネットワーク構造が水素結合、ファンデルワールス力等の弱い相互作用のみで積層しているため、積層状態がずれる可能性はあるが、これらも同一の機能を有する同一の化合物と見なされる。
本実施形態に係る多孔性高分子金属錯体は多孔体であるため、水またはアルコール、エーテルなどの有機分子にふれると孔内に水や有機溶媒を含有し、たとえば下記式(ii)で表される複合錯体に変化する場合がある。
[CuX](G) (ii)
(式(ii)中、Xは銅イオンの配位子であり、5位に、ハロゲン元素が水素を置換した直鎖または分岐鎖を有するアルキル基またはアルコキシ基であって、ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸である。nは、CuXから成る金属錯体の構成単位の集合数を示すもので、nは特に限定されないが、1以上の整数である。多孔性高分子金属錯体からなる材料の安定性の観点から、nは50以上であることが好ましく、優れた吸着特性の観点から、nは100以上であることが好ましい。Gは孔内に吸着された水やアルコールやエーテルなどの有機分子で、mは任意の数である。)
しかしながら、これらの複合錯体中の水またはアルコール、エーテルなどの有機分子は、多孔性高分子金属錯体に弱く結合しているだけであり、ガス吸着材として利用する際の減圧乾燥などの前処理によって除かれ、元の式(i)で表される錯体に戻る。そのため、式(ii)で表されるような錯体であっても、本質的には本実施形態に係る多孔性高分子金属錯体と同一物と見なすことができる。
また本実施形態に係る多孔性高分子金属錯体中の銅イオンは、イソフタル酸中のカルボキシル基の酸素4個が配位した、いわゆるパドルホイールと呼ばれる構造を有している。銅イオンは6配位構造をとることも多く、すなわち、本パドルホイール構造は、カルボキシル基の酸素4個以外にさらに二個の配位を受けることが可能であり、たとえば下記式(iii)で表される複合錯体に変化する場合がある。
[CuXQ] (iii)
(式(iii)中、Xは銅イオンの配位子であり、5位に、ハロゲン元素が水素を置換した直鎖または分岐鎖を有するアルキル基またはアルコキシ基であって、ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸である。nは、CuXから成る金属錯体の構成単位の集合数を示すもので、nは特に限定されないが、1以上の整数である。多孔性高分子金属錯体からなる材料の安定性の観点から、nは50以上であることが好ましく、優れた吸着特性の観点から、nは100以上であることが好ましい。Qはパドルホイール構造を形成する銅イオンに配位する分子などで、zは1または2である。)
しかしながら、これらの複合錯体中のQは、銅イオンに弱く結合しているだけであり、ガス吸着材として利用する際の減圧乾燥などの前処理によって除かれ、元の式(i)で表される錯体に戻る。そのため、式(iii)で表されるような錯体であっても、本質的には本実施形態に係る多孔性高分子金属錯体と同一物と見なすことができる。
以下、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸を説明する。
ハロゲンを含む官能基としては、本実施形態では、ふっ素以外のハロゲン元素が水素を置換した直鎖または分岐鎖を有するアルキル基およびアルコキシ基が挙げられる。これらの基における炭素原子数は1〜10の範囲内であると、カゴメ構造が出来やすいという点で好ましく、ガス吸着性が優れるという点で3〜8の範囲内が特に好ましい。
ハロゲンの種類としては、塩素、臭素、よう素からなる群から選ばれる1つまたは2つ以上が挙げられ、特にガス選択性が高いという点で、臭素およびよう素から選ばれる1つまたは2つが好ましく、カゴメ構造が出来やすいという点でよう素が特に好ましい。
ハロゲン原子の置換個数としては、すべての炭素上にハロゲンが置換したパーハロゲンアルキル基またはパーハロゲンアルコキシ基や、炭素上にハロゲンが1個だけ置換したモノハロゲンアルキル基またはモノハロゲンアルコキシ基が例示される。本実施形態では、ハロゲンを含む官能基が含有するハロゲン原子数は、1〜21の範囲内であることが好ましい。
なお、モノハロゲンアルキルまたはモノハロゲンアルコキシ基の場合は、アルキル基またはアルコキシ基の柔軟性を確保する意味で、末端にハロゲンが置換したモノハロゲンアルキル基またはモノハロゲンアルコキシ基が特に好ましい。
上述したカゴメ構造の基本骨格を有し、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸を配位子として含有する多孔性高分子金属錯体では、原料として複数種のイソフタル酸またはイソフタル酸(以降、イソフタル酸類とも言う)を混合使用して、使用した複数種のイソフタル酸類を含有する多孔性高分子金属錯体を合成する、いわゆる固溶体型の多孔性高分子金属錯体を形成することが可能であることが確認されている。この際、混合して使用する複数種のイソフタル酸類の少なくとも一種類は、ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を5位に有するイソフタル酸である必要があり、これの含有率は、イソフタル酸類全体に対して5%以上、好ましくは20%以上である。
具体的には、この固溶体型の多孔性高分子金属錯体は、下記式(iv)で表され、かつ図1〜3で示されるいわゆるカゴメ構造を有する化合物である。
[CuX] (iv)
(式中、Xは銅イオンの配位子であり、5位に、ハロゲン元素が水素を置換した直鎖または分岐鎖を有するアルキル基またはアルコキシ基であって、ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸と、イソフタル酸および5位に置換基を有するイソフタル酸からなる群から選ばれる1種類または2種類以上と、を含み、Xの合計モル数を100モル%とした場合に、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸の割合が5モル%以上、好ましくは20モル%以上である。nは、CuXから成る金属錯体の構成単位の集合数を示すもので、nは特に限定されないが、1以上の整数である。多孔性高分子金属錯体からなる材料の安定性の観点から、nは50以上であることが好ましく、優れた吸着特性の観点から、nは100以上であることが好ましい。)
銅イオンと、イソフタル酸および5位に置換基を有するイソフタル酸からなる群から選ばれる2種類以上と、を組み合わせると、図1〜3で示されるいわゆるカゴメ構造を基本骨格として有する固溶体型の多孔性高分子金属錯体を形成することを確認している。本実施形態に係る固溶体型の多孔性高分子金属錯体は、配位子としてのイソフタル酸類の合計モル数を100モル%とした場合に、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸を5モル%以上、好ましくは20モル%以上含むことを特徴とするものである。複数種のイソフタル酸類を混合して使用する場合、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸が複数含まれてもよい。このとき、カゴメ構造の相互貫入はない。
式(iv)で表される固溶体型の多孔性高分子金属錯体に用いられる5位に置換基を有するイソフタル酸において、5位の置換基としては、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアリール基、アラルキル基、置換又は非置換のアミノ基、ニトロ基、アミド基、ホルミル基、カルボニル基、エステル基、アジド基、カルボキシル基、スルホ基、水酸基などが例示される。
アルキル基としては、メチル基、エチル基など炭素原子数が1〜12であるアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜6であるアルキル基が特に好ましい。置換アルキル基の置換基としては、ヒドロキシ基、アミノ基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素原子数が1〜12、特に1〜6であるアルコキシ基が好ましく、特にメトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基が好ましい。置換アルコキシ基の置換基としては、ヒドロキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、パラヒドロキシフェニル基が好ましい。置換アリール基としては、パラヒドロキシフェニル基、パラジメチルアミノフェニル基などが挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、o, m,p−のいずれかまたは複数にメチル基およびまたはエチル基が置換したフェニル基が好ましい。非置換官能基は好ましく、具体的には、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基がより好ましい。
Xとして、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸と、イソフタル酸と、5位にアミノ基、アルキル基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる1つまたは2つ以上を有するイソフタル酸と、の組み合わせは、好ましい。
この固溶体型の多孔性高分子金属錯体の場合、Xは、2種類以上のイソフタル酸類から構成されるが、たとえば、3種類、4種類であることが可能である。上限はないが、一般的には、確率論的にカゴメネットワークを構成している六員環にそれぞれ1種の置換基が置換し得て、特性が向上しやすい6種類までが好ましい。
[多孔性高分子金属錯体の製造方法]
上記の式(i)で表される化合物は、銅塩と、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸とを溶媒に溶かして溶液状態で混合して反応させることで製造できる。また、上記の式(vi)で表される化合物は、銅塩と、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸を5モル%以上含有するイソフタル酸類と、を溶媒に溶かして溶液状態で混合して反応させることで製造できる。
銅塩を溶かす溶媒としては、水、アルコールなどのプロトン系溶媒を利用すると良好な結果が得られる。プロトン系溶媒は銅塩をよく溶解し、さらに銅イオンまたは対イオンに配位結合や水素結合することで銅塩を安定化し、配位子との急速な反応を抑制することで、副反応を抑制する。アルコールとしてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどの脂肪族系1価アルコール類及びエチレングリコールなどの脂肪族系2価アルコール類を例示できる。安価でかつ銅塩の溶解性が高いという点でメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコールが好ましい。またこれらのアルコールは単独で用いてもよいし、複数を混合使用してもよい。
溶媒として、前記のアルコール類とアルコール以外の有機溶媒または水とを混合して使用することも好ましい。混合比率は、アルコール類:アルコール以外の有機溶媒または水=1:100〜100:0(体積比)で任意である。アルコール類の混合比率を30%以上にすることが、銅塩および配位子の溶解性を向上させる観点から好ましい。
用いる有機溶媒としては、極性の高い溶媒が溶解性に優れるという点で好ましく、具体的にはテトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミドなどのジアルキルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミドなどのジアルキルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
銅塩としては、2価の銅イオンを含有している塩類であればよく、溶媒への溶解性が高いという点で、硝酸銅、ほうふっ化銅、酢酸銅、硫酸銅、ぎ酸銅、フマル酸銅、塩化銅、臭化銅が好ましく、反応性が高いという点で、硝酸銅、ほうふっ化銅、硫酸銅、塩化銅が特に好ましい。
また、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸に関して、たとえば、モノハロゲン化アルキルオキシの置換基を有するイソフタル酸は、αーブロモーωークロロアルカンとフェノールの縮合で、クロロ置換体が得られ、臭素置換体、よう素置換体は、それぞれ、臭化ナトリウム、よう化ナトリウム等と反応させることで得ることが出来る。パーハロゲンアルキル基、パーハロゲンアルコキシ基を有するイソフタル酸は、N-ブロモスクシンイミド等のハロゲン化剤を、アルキル基、アルコキシ基を有するイソフタル酸に作用させることで得ることが可能である。
上記の多孔性高分子金属錯体の製造方法における反応では、反応系中に、微量のハロゲン塩類を共存させることが重要である。ハロゲン塩中のハロゲンの種類としては塩素、臭素、ヨウ素からなる群から選ばれる1つまたは2つ以上が好ましく、微量で有効という点で塩素および臭素から選ばれる1つまたは2つが好ましい。ハロゲンイオンの対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン等が好ましいが、微量で有効という点でナトリウムイオン、カリウムイオンが好ましい。ハロゲン塩の添加量は、配位子100モル%に対して、0.0001モル%〜0.01モル%が好ましく、収率が向上する観点から、0.0005モル%〜0.005モル%がより好ましい。このような、微量のハロゲン塩類の共存は、配位子として5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸を用いた場合、ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有さないイソフタル酸を使用した場合に生じやすい収率低下を防止する効果を有している。具体的には、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸を反応に用いた場合、遷移金属イオンと5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸のハロゲン原子と、が相互作用して、クラスターを作るため反応が阻害されるが、微量のハロゲン塩類が存在すると、これが遷移金属イオンと5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸との相互作用を抑制して、反応を促進させると推定される。ただし、本発明の技術的範囲がこのような推定に基づいて限定されるものではない。
さらに、本実施形態に係る多孔性高分子金属錯体の製造方法では、上記のハロゲン塩類とは異なる反応促進剤として塩基を添加することも可能である。塩基としてはたとえば無機塩基として水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが例示できる。有機塩基としては、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ピリジン、2,6−ルチジンなどが例示出来る。反応加速性が高いという点で、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、およびピリジンが好ましい。添加量としては、使用するイソフタル酸類の総モルを1モルとすると、反応の加速効果が顕著であるという点で好ましくは10〜600モル%、副反応が少ないという点でさらに好ましくは50〜400モル%である。
銅塩の溶液と、配位子としてのイソフタル酸類と、を反応させるに当たり、銅塩および配位子を容器に装填した後、溶媒を添加する方法以外に、銅塩、配位子をそれぞれ別個に溶液として調製した後、これらの溶液を混合してもよい。溶液の混合方法は、銅塩溶液に配位子溶液を添加しても、その逆でもよい。また、混合方法としては、必ずしも溶液で行う必要はなく、例えば、銅塩溶液に固体の配位子を投入し、同時に溶媒を入れる方法、反応容器に銅塩を装填した後に、配位子の固体または溶液を注入し、さらに銅塩を溶かすための溶液を注入する方法など、最終的に反応が実質的に溶媒中で起こる方法であれば、種々の方法が可能である。ただし、銅塩の溶液と配位子の溶液を滴下混合する方法が、工業的には最も操作が簡便であり、好ましい。
銅塩溶液の濃度は40mmol/L〜4mol/L、好ましくは80mmol/L〜2mol/Lであり、配位子の有機溶液の濃度は40mmol/L〜3mol/L、好ましくは80mmol/L〜1.8mol/Lである。これより低い濃度で反応を行っても目的物は得られるが、製造効率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では、吸着能が低下するため好ましくない。
反応温度は−20〜180℃、好ましくは25〜140℃である。これ以下の低温で行うと、原料の溶解度が下がるため好ましくない。オートクレーブなどを用いて、より高温で反応を行うことも可能であるが、加熱などのエネルギーコストの割には、収率は向上しないため実質的な意味はない。
本発明の反応で用いられる銅塩と有機配位子との混合比率は、モル比で、銅塩:有機配位子=3:1〜1:5、好ましくは1.5:1〜1:3の範囲内である。これ以外の範囲では、目的物の収率が低下し、また、未反応の原料が残留して、目的物の取り出しが困難となる。
反応は通常のガラスライニングのSUS製の反応容器および機械式攪拌機を使用して行うことができる。反応終了後は濾過、乾燥を行うことで目的物質と原料の分離を行い、純度の高い目的物質を製造することが可能である。
上記の製造方法により得られる多孔性高分子金属錯体は、通常、微粉末状である。そのため、粉末の飛散等の問題があり、特性の測定等において、取り扱う上では、成形加工してペレット等にすることが好ましい。ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸を配位子として含有する多孔性高分子金属錯体の場合、粉末を成形加工しやすく、しかも成形後の成形体が壊れにくい。なお、ふっ素を含む官能基を有するイソフタル酸を配位子として含有する多孔性高分子金属錯体の場合、得られた粉末を成形しても、ふっ素の親和性の低さのためか、成形後の成形体が壊れやすい傾向があるため、好ましくない。
上記の反応により得られた多孔性高分子金属錯体がカゴメ構造を有しているかどうかは、単結晶X線結晶解析により得られた反射を解析することで確認することが出来る。また粉末X線解析の反射パターンによっても確認出来る。
上記の反応により得られた多孔性高分子金属錯体が多孔質であるかどうかは、熱重量分析(TG)により確認することが可能である。たとえば、窒素雰囲気下(流量=50mL/分)で、昇温速度=5℃/分の測定で、温度範囲室温〜200℃までの重量減が3〜50%であるかどうかで確認出来る。
上記の反応により得られた式(iv)に示す多孔性高分子金属錯体が、二種類以上の配位子を混合して含有しているかどうかは、赤外分光法、または多孔性高分子金属錯体にEDTA等を溶液中で作用させるか、メタノール−硫酸などでエステルに分解−誘導した後、回収された配位子もしくは配位子のエステルをプロトン核磁気共鳴(NMR)により測定することで確認できる。
上記の反応により得られた多孔性高分子金属錯体のガス吸着能は、市販のガス吸着装置を用いて測定が可能である。
[吸着材の複合化]
本実施形態に係るガス吸着材(以下吸着材(A)とも言う)は単独で吸着材として使用してもよいし、他の吸着材と複合化して使用してもよい。複合化して使用する場合には、他の吸着材として、ガスに関する吸着等温線と脱着等温線とが一致する挙動を示す吸着材(B)と併用することで非常に優れた吸着特性を有するガス吸着材とすることができる。
ここで吸着材(B)は、吸着時のガス圧力−ガス吸着量曲線と、脱着時のガス圧力−ガス吸着量曲線とが実質的に一致する材料である。吸着材(B)は、かような特性を有する材料であれば特に限定されず、物理的吸着材、化学的吸着材、およびこれらが組み合わされてなる物理化学的吸着材を用いることができる。
物理的吸着材とは、分子と分子との相互作用のような弱い力を用いて、被吸着分子を吸着する吸着材をいう。物理的吸着材としては、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、ゼオライト、クレー、超吸着性繊維、金属錯体が挙げられる。化学的吸着材とは、化学的な強固な結合によって、被吸着分子を吸着する吸着材をいう。化学的吸着材としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸ナトリウム、活性化された金属が挙げられる。物理化学的吸着材とは、物理的吸着材および化学的吸着材の双方の吸着機構を備える吸着材をいう。これらの2種以上を組み合わせて用いてもよい。ただし、本発明の技術的範囲がこれらの具体例に限定されるものではない。吸着材(B)の形状は特に限定されないが、一般的には、平均粒径500〜5000μmの粉末状のものを用いる。
吸着材(B)としては、製造コストおよびガス吸着性能を考慮すると活性炭が好ましい。活性炭は比較的安価である上、質量当たりのガス吸着量が多い。また、活性炭はガスの吸脱着に関するサイクル特性が悪く、吸脱着を繰り返すとガス吸着量が著しく減少する傾向がある。このため、従来においては、質量当たりのガス吸着量が多いにも拘わらず、ガス貯蔵装置またはガス分離装置に用いることは困難であった。この点、本発明の吸着材(B)として用いた場合においては、活性炭の優れたガス吸着性能を充分に引き出すことができる。また、活性炭は比表面積が大きいほど吸着量が増加する傾向を有するため、活性炭の比表面積は1000m2/g以上であることが好ましい。
また、使用する吸着材(B)は、吸着させるガスに応じて適宜構造を制御されることが好ましい。例えば、活性炭に含まれる細孔は、細孔の大きさによって、スーパーミクロポア(〜0.8nm)、ミクロポア(0.8〜2nm)、メソポア(2〜50nm)、マクロポア(50nm〜)に分類できる。細孔の大きさによって吸着しやすいガスが異なり、メタンガスはミクロポアに吸着しやすい。従って、メタンガスを吸着させることを所望する場合には、ミクロポアの割合が大きくなるように活性炭の細孔分布を制御するとよい。
本実施形態に係る吸着材(A)と吸着材(B)を複合化する場合は、吸着材(A)は、吸着材(B)を被覆することにより複合化する。好ましくはクラックおよび不完全な被覆がなく、吸着材(B)が外気に触れないように完全に被覆することが好ましい。しかしながら、多少のクラック等が存在していても、吸着材(B)の自由なガス吸着を阻害し、吸着材(A)によって被覆されている吸着材(B)がガス吸着に関して、吸着材(A)に類似したガス吸着特性を示すのであれば、本発明の技術的範囲に包含されるものである。好ましくは、吸着材(B)に対して5〜50体積%の吸着材(A)で吸着材(B)を被覆する。また、吸着材(B)を被覆する吸着材(A)の厚みは吸着材(A)の種類に応じて決定する必要があるが、吸着材(A)の厚みが薄すぎると吸着材(B)へのガス吸着特性を充分に制御できない恐れがある。一方、吸着材(A)の厚みが厚すぎると、吸着材(B)へのガス吸着が生じにくくなり、全体としてのガス吸着量が減少する恐れがある。これらを考慮すると、吸着材(A)の平均厚みが10〜100μmであることが好ましい。吸着材(A)の厚みは、吸着材(A)の使用量の調節によって制御できる。なお、吸着材(A)の厚みは電子顕微鏡を用いて撮影された断面写真から算出することができる。
吸着材(A)と吸着材(B)とを複合化する方法としては、(1)吸着材(A)が溶解している溶液中に、該溶液に溶解しない吸着材(B)を添加し、その後、吸着材(A)を結晶成長させることによって、吸着材(B)表面に吸着材(A)を付着させる方法、(2)吸着材(A)を含むスラリーを準備し、スラリーを吸着材(B)表面にコーティングして乾燥させることによって、吸着材(B)表面に吸着材(A)を付着させる方法、などを用いることができる。
多孔性高分子金属錯体の調製方法は種々の条件があり、一義的に決定できるものではないが、ここでは一つの条件を例にとり説明する。
(実施例1)
銅塩としての塩化銅2水和物0.02ミリモルおよびハロゲン塩としての塩化ナトリウム0.001マイクロモルを溶解した水(2mL)を容器に入れ、その容器内に、配位子としての5−(3-ヨード-n-プロピルオキシ)イソフタル酸0.02ミリモルを溶解したメタノール(2mL)溶液を、二液が混合してしまわないように、ゆっくりと加えることで積層し、25℃で一週間静置し、淡青色の六角板状の単結晶を得た。直径約210ミクロンの単結晶を大気に暴露させないようにパラトンにてコーティングした後、(株)リガク製単結晶測定装置(極微小結晶用単結晶構造解析装置VariMax、MoKα線(λ =0.71069Å))にて測定し(照射時間12秒、d=45ミリ、2θ=−20,温度=−180℃)、得られた回折像を解析ソフトウエア「ヤドカリXG2009」を使用して解析し、図4に示すようにカゴメ構造を有していることを確認した(a=18.615, b=18.615, c=15.970; α=90、β=90, γ=120; 空間群=P321))。
また、銅塩としての塩化銅2水和物1ミリモルと、ハロゲン塩としての塩化ナトリウム0.05マイクロモルと、配位子としての5−(3-ヨード-n-プロピルオキシ)イソフタル酸1ミリモルと、をメタノール(20mL)に分散し、さらに反応促進剤としてのピリジン2ミリモルを加え、容器を封じた後に120℃で1時間加熱した。冷却後、濾過し、メタノールで洗浄して、青色の粉末129ミリグラムを得た。本粉末をブルカーAX(株)製粉末X線装置DISCOVER D8 with GADDSにより測定した結果(CuKα(λ =1.54Å)、2θ=4〜40、室温にて測定)、図5に示す反射パターンが得られ、これは、上記の単結晶の粉末シミュレーションパターンと同一であった。すなわち、上記の二種の本方法にて、カゴメ構造を有する多孔性高分子金属錯体が合成出来、それが、単結晶X線回折および粉末X線回折法により解析可能であることを確認した。
(比較例1)
実施例1と同様にして、5−(3-ヨード-n-プロピルオキシ)イソフタル酸の代わりに、イソフタル酸の5位にハロゲン元素を有さない置換基を有するイソフタル酸を用いてカゴメ構造を有する多孔性高分子金属錯体を合成した。
<ガス吸着の結果>
得られたガス吸着材の種々のガス吸着特性を種々の温度で測定した。BET自動吸着装置(日本ベル株式会社製ベルミニII)を用いた。測定に先立って試料を393Kで6時間真空乾燥して、微量残存している可能性がある溶媒分子などを除去した。
(実施例2〜7)
実施例1と同様にして、表1に示す、イソフタル酸の5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸を用いて、各種カゴメ構造を有する多孔性高分子金属錯体を合成した。いずれに於いても、粉末X線分析した結果、上記と同様の反射パターンを示したことからカゴメ構造を有している事が確認された。
表1〜2に、各種ガスの各種温度での吸着量を示す。なお、表1〜4の全てにおいて、吸着量は、相対圧0.95での吸着量であり、相対圧とは、吸着時の圧力を当該温度での当該ガスの沸点で割った値である。
いずれの温度に於いても、5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸を用いて合成した多孔性高分子金属錯体は、酸素ガスの吸着量が他のガスと比較して多い。また、一酸化炭素と窒素との吸着量比(273Kでの一酸化炭素吸着量/窒素吸着量)が大きく、通常分離が困難な一酸化炭素と窒素の分離に有利であることがわかる。比較例1に示す、5位の官能基がハロゲン原子を含まないイソフタル酸を用いて合成した多孔性高分子金属錯体と比べると、その効果が明らかである。
(実施例8〜11、比較例2〜4)
実施例1と同様にして、5−(3-ヨード-n-プロピルオキシ)イソフタル酸(配位子A)に加え、イソフタル酸(配位子B)を原料として混合使用した場合の結果を、実施例8〜11および比較例2〜4に示す。なお、単結晶X線回折および粉末X線回折法による解析から、カゴメ構造は相互貫入状態にないことを確認した。
5−(3-ヨード-n-プロピルオキシ)イソフタル酸を5モル%以上の割合で混合使用した場合にも実施例1と同様の効果が得られた。特に77Kにおける酸素の吸着量については顕著に増加することが確認できた。
(実施例12〜14)
実施例1、3および5において得られた材料(多孔性高分子金属錯体の粉末)を、赤外分光で用いるKBr錠剤形成器に入れ、直径約5ミリ、厚さ約1ミリの板状体に成形した。本材料を二酸化炭素測定(195K)に供したが、測定後も板状体の形状を維持していた。
(比較例5)
実施例1の5−(3-ヨード-n-プロピルオキシ)イソフタル酸の代わりに、5−(3-フルオロ-n-プロピルオキシ)イソフタル酸を用いて合成した材料(多孔性高分子金属錯体の粉末)を、実施例12〜14と同様にして、成形し測定を行った。測定後、本材料は粉末状に崩壊していた。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、配位子の整列によって形成される多数の微細孔が物質内部に存在する。この多孔性を生かして酸素、一酸化炭素の選択的な吸着、分離、貯蔵が可能となる。

Claims (11)

  1. [CuX] (i)
    (式(i)中、Xは銅イオンの配位子であり、5位に、ハロゲン元素が水素を置換した直鎖または分岐鎖を有するアルキル基またはアルコキシ基であって、ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸である。nは、CuXから成る金属錯体の構成単位の集合数を示すもので、nは限定されない。)
    で表される集合体構造を有することを特徴とする多孔性高分子金属錯体。
  2. 前記集合体構造は、銅イオンが前記イソフタル酸中の4個のカルボキシル基と配位結合したユニットが上下に二つ配位したパドルホイール構造を有し、前記パドルホイール構造が前記イソフタル酸により連結されて形成される六員環と三員環とから構成されるカゴメ構造が積層された結晶構造を有することを特徴とする請求項1に記載の多孔性高分子金属錯体。
  3. 前記ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基のハロゲン元素が塩素、臭素、よう素からなる群から選ばれる1つまたは2つ以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多孔性高分子金属錯体。
  4. 前記ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基のハロゲン元素がよう素であることを特徴とする請求項3に記載の多孔性高分子金属錯体。
  5. 前記アルキル基またはアルコキシ基中の炭素原子数が1から10の範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  6. 前記ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基が含有するハロゲン原子数が1から21の範囲内であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  7. [CuX] (iv)
    (式(iv)中、Xは銅イオンの配位子であり、5位に、ハロゲン元素が水素を置換した直鎖または分岐鎖を有するアルキル基またはアルコキシ基であって、ふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸と、イソフタル酸および5位に置換基を有するイソフタル酸からなる群から選ばれる1種類または2種類以上と、を含み、Xの合計モル数を100モル%とした場合に、5位にふっ素以外のハロゲン元素を含む官能基を有するイソフタル酸の割合が5モル%以上である。nは、CuXから成る金属錯体の構成単位の集合数を示すもので、nは限定されない。)
    で表される集合体構造を有することを特徴とする多孔性高分子金属錯体。
  8. 前記5位に置換基を有するイソフタル酸が、5位にアルキル基を有するイソフタル酸、5位にアルコキシ基を有するイソフタル酸および5位にアミノ基を有するイソフタル酸から選ばれる1種類または2種類以上であることを特徴とする請求項7に記載の多孔性高分子金属錯体。
  9. 請求項1からのいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体を含むことを特徴とするガス吸着材。
  10. 請求項に記載のガス吸着材を用いることを特徴とするガス分離装置。
  11. 請求項に記載のガス吸着材を用いることを特徴とするガス貯蔵装置。
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