JP6761257B2 - 多孔高分子金属錯体、これを用いたガス吸着材、ガス分離装置、ガス貯蔵装置、触媒、導電性材料、センサー - Google Patents

多孔高分子金属錯体、これを用いたガス吸着材、ガス分離装置、ガス貯蔵装置、触媒、導電性材料、センサー Download PDF

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Description

本発明は多孔性高分子金属錯体及びガス吸着材としての利用ならびにこれを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置に関する。
ガス吸着材は、加圧貯蔵や液化貯蔵に比べて、低圧で大量のガスを貯蔵しうる特性を有する。このため、近年、ガス吸着材を用いたガス貯蔵装置やガス分離装置の開発が盛んである。ガス吸着材としては、活性炭やゼオライトなどが知られている。また最近は多孔性高分子金属錯体にガスを吸蔵させる方法も提案されている(特許文献1、非特許文献1参照)。
多孔性高分子金属錯体は、金属イオンと有機配位子から構成される結晶性固体で、種々の金属イオン、有機配位子の組み合わせおよび骨格構造の多様性から、様々なガス吸着特性を発現する可能性を秘めている。しかしながら、これらの従来提案されてきたガス吸着材は、ガス吸着量や作業性などの点で充分に満足できるものとはいえず、より優れた特性を有するガス吸着材の開発が所望されている。
酸素は、産業ガスとして、鉄鋼等の産業に膨大な量が使用されているため、酸素分離法の開発は非常に重要である。このような目的のためには、多数の小さな細孔を有するいわゆる多孔体が吸着材として利用されるが、酸素を吸着する吸着材の多くは、酸素以外のガス、例えば、窒素等も吸着する事が多い。特に、低温にした場合、細孔と種々のガスの相互作用が強くなるため、原理的に多くの多孔体は種々のガスを吸着するようになるため、どのようにすれば幅広い温度域で酸素だけを選択的に吸着する吸着材を製造出来るかはよくわかっていない。分子篩炭素とPSA(Pressure Swing Adsorption)装置を利用した酸素分離は実用化されているが、小型化、高効率化のニーズは大きく、これに対応するための高性能の酸素分離材の開発は重要である。
一酸化炭素は、燃料や、酢酸やポリカーボネート等の化成品原料として有用である。鉄鋼業からは転炉等の操業の際に、多量の一酸化炭素が発生しているが、これは窒素との混合ガスとして得られる。しかし一酸化炭素と窒素の物理特性、化学特性がきわめて類似しており、既存のゼオライトや活性炭などの多孔体を利用した一酸化炭素と窒素の分離効率は低くいので、この窒素分離技術は一般に普及しておらず、高効率の一酸化炭素選択的吸着材の開発が望まれている。
金属イオンと配位子から得られる多孔高分子錯体(PCP:Porous Coordination Polymer)は、ゼオライトや活性炭と同様に、ナノスケールの微細な孔を有しており、ガスの吸着、分離が可能であることが知られている。配位子の特性がPCPのガス吸着分離特性に影響を及ぼすことはよく知られている。アミノ基が二酸化炭素吸着性を増大させる例やふっ素原子含有の官能基が水素や二酸化炭素や酸素の吸着性を増大させる例などが知られている(非特許文献2〜7、特許文献2〜6)。しかし、ふっ素以外の、塩素、臭素、よう素などのハロゲン原子がガスの吸着、分離特性にどのような影響を及ぼすかはほとんど知られていない(非特許文献3)またPCPのネットワーク構造や金属イオンもPCPのガス吸着分離特性に影響を及ぼすため(非特許文献8)、どのような金属イオンとどのような配位子との間で、どのようなネットワーク構造のPCPを作れば優れたガス吸着分離特性が得られるのかはよくわかっていない。
特開2000−109493号公報 国際公開第2014/069574号 特開2014−169248号公報 特開2014−169262号公報 特開2014−166969号公報 特開2014−166970号公報
北川進、集積型金属錯体、講談社サイエンティフィク、2001年214-218頁 Omaryら、J. Am. Chem. Soc., 2007,129, 15454 Navarro ら、Chem. Eur. J. 2008, 14, 9890 - 9901 Buら、Scientific Report, DOI: 10.1038/srep03312 Liら、J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 1308 Ferey ら、J. AM. CHEM. SOC. 2010, 132, 1127-1136 Jeon ら、Chem. Commun., 2014, 50, 10861 Rosseinskyら、Microporous and mesoporous Mater.73,(2004),15
本発明は、多孔性高分子金属錯体及びこれを用いた優れた特性を有するガス吸着材を提供することである。また本発明は、前記特性を有するガス吸着材を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置を併せて提供することを目的とする。
本発明者らは、前述のような問題点を解決すべく、鋭意研究を積み重ねた結果、5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸型の第一配位子と、配位点を分子の両末端に有しているビピリジル型の第二配位子と遷移金属イオンとの反応により得られる、多孔性高分子金属錯体が、幅広い温度域で酸素や一酸化炭素を他のガスに比して多く吸着する事を見いだし、本発明を完成するに至った。本発明では、周期表で第3族元素から第12族元素の間に存在する元素を遷移金属と呼ぶ。
すなわち、本発明は、5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸型の第一配位子と、配位点を分子の両末端に有しているビピリジル型の第二配位子と、遷移金属イオンとを含有する多孔性高分子金属錯体であり、本材料のガス吸蔵材料としての利用及び本ガス吸着材を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置に関する発明である。
すなわち本発明は下記にある。
(1) [AXY]n (1)
(式中、Aは遷移金属イオンを表し、Xは5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基であって、Hがふっ素以外のハロゲンで置換された直鎖または分岐鎖のアルキル基およびアルコキシ基である含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンである第一配位子を表し、Yは配位点を分子の両末端に有している、ピラジンまたはビピリジル型の第二配位子を表し、nは、AXYから成る構成単位の数を表す)
の構造単位を有する多孔性高分子金属錯体。
(2)前記遷移金属イオンが、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、亜鉛イオンのいずれかである、上記(1)に記載の多孔性高分子金属錯体。
(3)前記遷移金属イオンが、亜鉛イオンである、上記(1)に記載の多孔性高分子金属錯体。
(4)前記含ハロゲン官能基のハロゲン元素が、塩素、臭素、又はよう素である上記(1)又は(2)に記載の多孔性高分子金属錯体。
(5)前記含ハロゲン官能基のハロゲン元素が、よう素である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
(6)含ハロゲン官能基が、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルコキシ基である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
(7)前記含ハロゲン官能基が含有するハロゲン原子が、1〜21個のいずれかである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
(8) [AXY]n (2)
(式中、Aは遷移金属イオンを表し、Yは配位点を分子の両末端に有している、ピラジンまたはビピリジル型の第二配位子を表し、Xはイソフタル酸イオン又は5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基であって、Hがふっ素以外のハロゲンで置換された直鎖または分岐鎖のアルキル基およびアルコキシ基である含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンを少なくとも1種含む複数種のイソフタル酸イオンである第一配位子を表し、全イソフタル酸イオン量の5モル%〜95モル%が5位にふっ素以外の前記含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンであり、nは、AXYから成る構成単位の数を表す)
の構造単位を有することを特徴とする多孔性高分子金属錯体。
(9)式(2)中、Xは、イソフタル酸イオン、5位にアルキル基を有するイソフタル酸イオン、5位にアルコキシ基を有するイソフタル酸イオン、アミノ基を有するイソフタル酸イオン、5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基であって、Hがふっ素以外のハロゲンで置換された直鎖または分岐鎖のアルキル基およびアルコキシ基である含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンから選ばれる2種類以上のイソフタル酸イオンであって、全イソフタル酸イオン量の5モル%〜95モル%が5位に前記含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンである上記(8)に記載の多孔性高分子金属錯体。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体を含む吸着材。
(11)上記(10)に記載の吸着材を用いたガス分離装置。
(12)上記(10)に記載の吸着材を用いたガス貯蔵装置。
(13)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体を含む触媒。
(14)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体を含む導伝性材料。
(15)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体を含むセンサー。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、多量のガスを吸蔵、放出し、かつ、ガスの選択的吸着を行うことができる。また本発明の多孔性高分子金属錯体からなるガス吸蔵材料を用いて、内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置を製造することができる。また、本材料を用いて、加水分解、重合反応等を触媒する事ができる。
また、本材料を用いて、あるいは本材料に導電材料をドープしてなる導電性材料を形成することができる。
さらにまた、本材料を用いて、あるいは本材料に導電材料をドープして、センサーを形成することができる。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、また例えば、圧力スイング吸着方式(Pressure Swing Adsorption)(以下、単に「PSA方式」と略記する)のガス分離装置として使用すれば、非常に効率良くガスを分離することができる。また、圧力変化に要する時間を短縮でき、省エネルギーにも寄与することができる。さらに、ガス分離装置の小型化にも寄与しうるため、高純度ガスを製品として販売する際のコスト競争力を高めることができることは勿論、自社工場内部で高純度ガスを用いる場合であっても、高純度ガスを必要とする設備に要するコストを削減でき、結局、最終製品の製造コストを削減する効果を有する。
本発明の多孔性高分子金属錯体の他の用途としては、ガス貯蔵装置が挙げられる。本発明の多孔性高分子金属錯体を含むガス吸着材をガス貯蔵装置(業務用ガスタンク、民生用ガスタンク、車両用燃料タンクなど)に適用した場合には、搬送中や保存中の圧力を劇的に低減させることが可能である。搬送時や保存中のガス圧力を減少させ得ることに起因する効果としては、ガス貯蔵装置の形状自由度の向上がまず挙げられる。従来のガス貯蔵装置においては、保存中の圧力を維持しなくてはガス吸着量を高く維持できない。しかしながら、本発明のガス貯蔵装置においては、圧力を低下させても充分なガス吸着量を維持できる。
多孔性高分子金属錯体を含むガス吸着材をガス分離装置やガス貯蔵装置に適用する場合における、容器形状や容器材質、ガスバルブの種類などに関しては、特別の装置を用いなくてもよく、従来、ガス分離装置やガス貯蔵装置に用いられているものを用いることが可能である。ただし、各種装置の改良を排除するものではなく、いかなる装置を用いたとしても、本発明の多孔性高分子金属錯体を用いている限りにおいて、本発明の範囲に包含されるものである。
本願発明の多孔性高分子金属錯体を結晶学上の各軸からみた図であって、図1aは、a軸投影図である。 本願発明の多孔性高分子金属錯体を結晶学上の各軸からみた図であって、図1bは、b軸投影図である。 本願発明の多孔性高分子金属錯体を結晶学上の各軸からみた図であって、図1cは、c軸投影図である。 本願発明の多孔性高分子金属錯体の金属周りの配位構造を表した図である。 本願発明の多孔性高分子金属錯体の積層様態およびハロゲン原子の存在位置を表した図であって、図3aは、イソフタル酸で架橋された線上構造を表した図である。 本願発明の多孔性高分子金属錯体の積層様態およびハロゲン原子の存在位置を表した図であって、図3bは、ビピリジン型配位子で架橋された層状構造を表した図である。 本願発明の多孔性高分子金属錯体の積層様態およびハロゲン原子の存在位置を表した図であって、図3cは、図3b示す層状構造が積層している二次元平面の積層型構造を表した図である。 本願発明の別種の多孔性高分子金属錯体を結晶学上の各軸からみた図であって、図4aは、a軸投影図である。 本願発明の別種の多孔性高分子金属錯体を結晶学上の各軸からみた図であって、図4bは、b軸投影図である。 本願発明の別種の多孔性高分子金属錯体を結晶学上の各軸からみた図であって、図4cは、c軸投影図である。 本願発明の別種の多孔性高分子金属錯体の金属周りの配位構造を表した図である。 本願発明の別種の多孔性高分子金属錯体の積層様態およびハロゲン原子の存在位置を表した図であって、図6aは、イソフタル酸で架橋された面上構造を表した図である。 本願発明の別種の多孔性高分子金属錯体の積層様態およびハロゲン原子の存在位置を表した図であって、図6bは、ビピリジン型配位子で架橋された3次元ネットワーク構造を表した図である。 本願発明の別種の多孔性高分子金属錯体の積層様態およびハロゲン原子の存在位置を表した図であって、図6cは、ハロゲン原子が多孔性高分子金属錯体全体に分散するように配置していることを示す図である。 実施例1の化合物の単結晶X線データからのシミュレーションパターンと粉末X線測定で得られたパターンの図である。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、下記式(1)で表され、かつ図1で示される化合物である。
[AXY]n (1)
式中、Aは遷移金属イオンを表す。Xは5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンである第一配位子を表す。Yは配位点を分子の両末端に有しているビピリジル型の第二配位子を表す。nは、AXYから成る構成単位の数を表し、AXYが多数集合していることを示すもので、nは高分子性を示す重合度であり、大きさは特に限定されないが、少なくとも100である。
図1a〜cに本願発明の多孔性高分子金属錯体の結晶構造を、結晶学上の各軸から見た図を示す。
図2に本発明の多孔性高分子金属錯体の遷移金属イオンまわりの配位構造の例を示す(図1の囲み部分の拡大に相当する)。遷移金属イオンは、ビピリジル型の第二配位子のN原子2個の配位と、第一配位子のイソフタル酸のカルボン酸の2座配位が1個および1座配位が1個の計3個の酸素の配位とを受け、5配位状態になっている。但し後述の通り、さらにこれに対して溶媒等の配位を受けて6配位構造を取ることもあり得る。
図3に、本発明の多孔性高分子金属錯体の立体構造を示す。図3aに示すように、遷移金属イオンはイソフタル酸型の第一配位子で架橋された線状構造を形成し(実線四角囲み部分)、その線上構造がビピリジン型の第二配位子で架橋され(点線四角囲み部分)、面状物を形成する。これは側面から見ると図3bに示すように、ジグザグ構造をした層状構造である。そしてこの層状構造が図3cに示すように積層して、全体としては二次元平面の積層型構造を形成する。図3bに示した1層分を図3cでは実線四角囲み部分で示している。ハロゲン原子は、図3cの丸印に示すように、多孔性高分子金属錯体全体に分散するように配置されている。但し、見やすくするために、丸印は図3c中のハロゲン原子2列分のみに付けている。
また図4〜6で別種の本発明の多孔性高分子金属錯体の結晶構造を説明する。
図4a〜cには結晶学上の各軸から見た図を示す。図5に本発明の多孔性高分子金属錯体の遷移金属イオンまわりの配位構造を示す(図4の丸で囲った部分に相当)。遷移金属イオンは、ビピリジル型の第二配位子のN原子2個と、第一配位子のイソフタル酸のカルボン酸の2座配位が1個および1座配位が2個で計4個の酸素の配位とを受け、6配位状態になっている。
図6aから分かるように、遷移金属イオンはイソフタル酸型第一配位子で架橋された長四角格子から形成される面状構造を有している。さらにこれが、図6bに示されるようにビピリジル型の第二配位子で架橋されることで、三次元ネットワーク構造を有している。ハロゲン原子は、図6cに示すように、多孔性高分子金属錯体全体に分散するように配置されている。
上記の二つの態様の本願発明の多孔性高分子金属錯体は、一方は2次元構造、もう一方は3次元構造とネットワーク構造の次元性に差異はあるが、いずれもハロゲン原子を含有するイソフタル酸型の第一配位子により架橋された基本単位がさらにビピリジル型の第二配位子で架橋され、ハロゲン原子が構造全体に分散するように存在している事が特徴である。遷移金属イオンに対して、酸性配位子と塩基性配位子の両方が配位することで、独特の遷移金属イオンの電子状況になり、その周囲にハロゲン原子が存在している事が本発明の化合物の特徴の一つである。
本発明の化合物は、遷移金属イオンと、5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸型の第一配位子と、配位点を分子の両末端に有しているビピリジル型の第二配位子とから形成されている。ここで重要なのはネットワークのトポロジーであり、個々の結合角は、多孔性高分子金属錯体化合物が柔軟性を有するが故に、必ずしも常に図1〜6と同一の結合角を有するとは限らない。合成溶媒や乾燥条件などにより、ネットワーク構造のゆがみ、ねじれ等により、同一トポロジーであっても個々の構造単位の結合角、結合距離が異なる物が生じうるが、これらも同一の機能を有する同一の多孔性高分子金属錯体化合物と見なされる。
本発明の多孔性高分子金属錯体は多孔体であるため、水やアルコールやエーテルなどの有機分子に触れると孔内に水や有機溶媒を含有し、たとえば式(2)であるような複合錯体に変化する場合がある。
[AXY]n(G)m (2)
式中、Aは遷移金属イオンを表す。Xは5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンである第一配位子を表す。Yは配位点を分子の両末端に有しているビピリジル型の第二配位子を表す。nは、AXYから成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、n高分子性を示す重合度であり、大きさは特に限定されないが少なくとも100である。Gは孔内に吸着された水やアルコールやエーテルなどの有機分子で、mは任意の数である。
しかしこれらの複合錯体中の水やアルコール、エーテルなどの有機分子は、多孔性高分子金属錯体に弱く結合しているだけであり、ガス吸着材として利用する際の減圧乾燥などの前処理によって除かれ、元の式(1)で表される多孔性高分子金属錯体に戻る。そのため、式(2)で表されるような錯体であっても、本質的には本発明の多孔性高分子金属錯体と同一物と見なすことができる。
また本発明の多孔性高分子金属錯体中の遷移金属イオンは、溶媒等の配位を受けることが可能であり、たとえば式(3)であるような複合錯体に変化する場合がある。
[AXYQzn (3)
式中、Aは遷移金属イオンを表す。Xは5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンである第一配位子を表す。Yは配位点を分子の両末端に有しているビピリジル型の第二配位子を表す。nは、AXYQから成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nは高分子性を示す重合度であり、大きさは特に限定されないが少なくとも100である。Qは遷移金属イオンに配位する分子等を表し、zは1または2である。
しかしこれらの複合錯体中のQは、遷移金属イオンに弱く結合しているだけであり、ガス吸着材として利用する際の減圧乾燥などの前処理によって除かれ、元の式(1)で表される本発明の多孔性高分子金属錯体に戻る。そのため、式(3)で表されるような錯体であっても、本質的には本発明の多孔性高分子金属錯体と同一物と見なすことができる。
本発明の式(1)で表される多孔性高分子金属錯体化合物は、遷移金属塩、5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸を溶媒に溶かして溶液状態で混合することで製造できる。遷移金属塩を溶かす溶媒としては、水やアルコールなどのプロトン系溶媒を利用すると良好な結果が得られる。水やアルコールなどのプロトン系溶媒は遷移金属塩をよく溶解し、さらに遷移金属イオンや対イオンに配位結合や水素結合することで遷移金属塩を安定化し、配位子と成る化合物(以下、単に「配位子化合物」という)との急速な反応を抑制することで、副反応を抑制する。溶媒となるアルコールの例としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどの脂肪族系1価アルコール及びエチレングリコールなどの脂肪族系2価アルコール類を例示できる。安価でかつニッケル塩の溶解性が高いという点でメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコールが好ましい。またこれらのアルコールは単独で用いてもよいし、複数を混合使用してもよい。
溶媒として前記のアルコール類とアルコール以外の有機溶媒や水を混合して使用することも好ましい。混合比率は1:100〜100:1(体積比)で任意である。アルコール類の混合比率を30%以上にすることが、遷移金属塩および配位子化合物の溶解性を向上させる観点から好ましい。
用いる有機溶媒としては、極性の高い溶媒が溶解性に優れるという点で好ましく、具体的にはテトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミドなどのジアルキルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミドなどのジアルキルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
本発明の多孔性高分子金属錯体を形成する遷移金属イオンの原料としては、2価の遷移金属塩を用いることができる。2価の遷移金属塩の好ましい例としては、コバルト塩、ニッケル塩、亜鉛塩、銅塩が挙げられる。
本発明の多孔性高分子金属錯体の製造に使用する亜鉛塩としては、2価の亜鉛イオンを含有している塩類であればよく、溶媒への溶解性が高いという点で、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、ぎ酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛が好ましく、反応性が高いという点で、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛が特に好ましい。
本発明の多孔性高分子金属錯体の製造に使用する銅塩、ニッケル塩、コバルト塩などのその他の2価の遷移金属塩も、2価の遷移金属イオンを含有している塩類であればよく、溶媒への溶解性が高いという点で、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、ぎ酸塩、塩化塩、臭化塩が好ましく、配位子化合物との反応性が高いという点で、硝酸塩、硫酸塩が特に好ましい。
以下、5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンを説明する。
本明細書で、含ハロゲン官能基とは、Hがふっ素以外のハロゲンで置換された直鎖または分岐鎖のアルキル基およびアルコキシ基を意味する。これらの官能基の炭素数は、1〜10個が、ハロゲン元素が構造中に分散した構造が出来やすいという点で好ましく、ガス吸着性が優れるという点で1〜8個が特に好ましい。
ふっ素以外のハロゲンの種類としては、塩素、臭素、よう素が上げられ、ハロゲン元素が構造中に分散した構造が出来やすいという点で、臭素、よう素が好ましく、ガス選択性が高いという点でよう素が特に好ましい。
ハロゲン原子の置換個数としては、すべての炭素上のHがハロゲンで置換されたパーハロゲンアルキルまたはパーハロゲンアルコキシ基や、炭素上のHがハロゲンで1個だけ置換されたモノハロゲンアルキル基またはモノハロゲンアルコキシ基が例示出来る。モノハロゲンアルキルまたはモノハロゲンアルコキシ基の場合は、アルキル基またはアルコキシ基の柔軟性を確保する意味で、末端にハロゲンが置換したモノハロゲンアルキル基またはモノハロゲンアルコキシ基が特に好ましい。
ベンゼン環の5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸配位子少なくとも1種とビピリジル型の第二配位子とを含有する多孔性高分子金属錯体では、原料として複数種のイソフタル酸を混合使用して、それら複数種のイソフタル酸類を含有する多孔性高分子金属錯体である、いわゆる固溶体型の多孔性高分子金属錯体を形成することが可能であることが確認されている。この際、混合して使用する複数種のイソフタル酸類の少なくとも1種類は、ふっ素以外の含ハロゲン官能基を5位に有するイソフタル酸類である必要があり、これの含有率は全イソフタル酸イオン量に対して5モル%〜95モル%、好ましくは20%〜80モル%である。
この固溶体型の多孔性高分子金属錯体は、下記式(4)で表され、かつ図4〜6で示される化合物である。
[AXY]n (4)
式中、Aは遷移金属イオンを表す、Xは5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンを少なくとも1種含む複数種のイソフタル酸イオンある第一配位子を表す。Yは配位点を分子の両末端に有しているビピリジル型の第二配位子を表す。nは、AXYから成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、n高分子性を示す重合度であり、大きさは特に限定されないが、少なくとも100である。
遷移金属イオンと、配位点を分子の両末端に有しているビピリジル型の第二配位子と、イソフタル酸イオン又は5位に置換基を有するイソフタル酸イオンを含むイソフタル酸第一配位子2種類以上を組み合わせると、図4〜6で示される固溶体型の多孔性高分子金属錯体を形成することを確認している。本発明の固溶体型の多孔性高分子金属錯体は、その固溶体型の多孔性高分子金属錯体においてイソフタル酸イオンおよび5位に置換基を有するイソフタル酸イオンを少なくとも含み、5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンを全イソフタル酸イオン量の5モル%以上含むことを特徴とするものである。混合して使用する複数種のイソフタル酸は、5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸と別種の5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸同士を含んでもよい。
本発明の固溶体型の多孔性高分子金属錯体に用いられるイソフタル酸イオンは、5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸以外に、ベンゼン環の5位に置換基を有するイソフタル酸イオンを含むことができる。5位の置換基としては、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアリール基、アラルキル基、置換又は非置換のアミノ基、ニトロ基、アミド基、ホルミル基、カルボニル基、エステル基、アジド基、カルボキシル基、スルホ基、水酸基などから選ばれる基である。
アルキル基としては、メチル基、エチル基など炭素原子1〜12個のアルキル基、特に1〜6個のアルキル基が好ましい。置換アルキル基の置換基としては、ヒドロキシ基、アミノ基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素原子1〜12個のアルコキシ基、特に1〜6個のアルコキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基が好ましい。置換アルコキシ基の置換基としては、ヒドロキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、パラヒドロキシフェニル基が好ましい。置換アリール基としては、パラヒドロキシフェニル基、パラジメチルアミノフェニル基などが挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、またはo−、m−、p−のいずれかもしくは複数にメチル基および/またはエチル基が置換されたフェニル基が好ましい。
置換又は非置換のアミノ基は好ましく、具体的には、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基がより好ましい。
5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオン、イソフタル酸イオン、5位にアミノ基、アルキル基、アルコキシ基を有するイソフタル酸イオンの組み合わせが、好ましい。
この固溶体型の多孔性高分子金属錯体の場合、Xは、2種類以上のイソフタル酸イオン配位子と成るが、たとえば、3種類や、4種類と成ることが可能である。上限はないが、一般的には、多数の異なる種類のイソフタル酸イオンの官能基の相互作用により吸着特性が低下する事を防ぐ意味で、イソフタル酸イオンは4種類までが好ましい。
次に、本発明の多孔性高分子金属錯体を形成する第二配位子に関して説明する。第二配位子は、線状の分子であって、その両端に配位点となる窒素原子を有している2座配位子である。
本発明で好ましく用いることができる第二配位子は、ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジン類縁体である。
ビピリジンには、4,4’−ビピリジン、3,4’−ビピリジン、3,3’−ビピリジンなどのビピリジン異性体が好ましい。
本発明において好ましく用いることができる4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジン類縁体としては下記一般式で表される化合物を挙げることができる。
式中、Rは、C1〜C4アルキル基、C2〜C4アルキレン基、C2〜C4アルキニレン基、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、又はジアゾ結合、
を表す。Xは、−S−、−O−または−NH−を表す。Yは、アリーレン基を表す。
本発明で用いる第二配位子は、好ましくは、用いる化合物の安定性から、ピラジン、ビピリジン、又は上記化学式でRが、ジアゼン−1,2−ジイル基、エチレン基、ビニレン基、エチニレン基、チオフェン−2,5−ジイル基、9H−フルオレン−2,7−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイ基、ビフェニル−1,4−ジイル基、フェニレン基(さらに好ましくはp−フェニレン基)、1,2,4,5−テトラジン−1,4−ジイル基、若しくは4,4’−ビフェニレン基であるビピリジン類縁の化合物である。
具体的には、本願発明で使用される第二配位子は、ピラジン、芳香環を二個含む4,4’−ビピリジン、3,4’−ビピリジン、3,3’−ビピリジン、(E)−4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビビピリジン、N−(ピリジン−4−イル)イソニコチンアミド、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジンなど、芳香環を3個以上含む4,4’−(1,4−フェニレン)ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジンなどが挙げられる。これらの内、ピラジン、4,4’−ビピリジル、4,4’−(1,4−フェニレン)ビピリジン、(E)−4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンが、好ましい。
第二配位子はその芳香環に置換基を有していてもよい。置換基の種類としては、メチルなどのアルキル基、ヒドロキシメチル基などの極性官能基を有するアルキル基、ジメチルアミノ基などのアミノ基類が好ましく、置換基を有する場合は、個数は1〜4個である。
本発明の多孔性高分子金属錯体の製造方法では、反応促進剤として塩基を添加することも可能である。塩基としては、たとえば無機塩基として水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが例示できる。有機塩基としては、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ピリジン、2,6−ルチジンなどが例示出来る。反応加速性が高いという点で、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、およびピリジンが好ましい。反応促進剤の添加量としては、反応に使用するイソフタル酸の総モル量に対し、反応の加速効果が顕著であるという点で、好ましくは0.1〜6.0モル、副反応が少ないという点で、さらに好ましくは0.5〜4.0モルである。
遷移金属塩の溶液と配位子化合物とを反応させるに当たり、遷移金属塩および配位子化合物を容器に装填した後、溶媒を添加する方法以外に、遷移金属塩、配位子化合物をそれぞれ別個に溶液として調製した後、これらの溶液を混合してもよい。溶液の混合方法は、遷移金属塩溶液に配位子化合物溶液を添加してもよく、その逆でもよい。また、混合法としては、必ずしも溶液同士で混合する必要はなく、例えば、遷移金属塩溶液に固体の配位子化合物を投入し、同時に溶媒を入れる方法や、反応容器に遷移金属塩を装填した後に、配位子化合物の固体または溶液を注入し、さらに遷移金属塩を溶解させるための溶媒を注入するなど、最終的に反応が実質的に溶媒中で起こる方法であれば、種々の方法が可能である。ただし、遷移金属塩の溶液と配位子化合物の溶液を滴下混合する方法が、工業的には最も操作が簡便であり、好ましい。
混合する溶液の濃度は、遷移金属塩溶液は40mmol/L〜4mol/L、好ましくは80mmol/L〜2mol/Lである。配位子化合物の有機溶媒溶液は40mmol/L〜3mol/L、好ましくは80mmol/L〜1.8mol/Lである。上記下限値より低い濃度で反応を行っても目的物は得られるが、製造効率が低下するため好ましくない。また、上限値より高い濃度では、吸着能が低下するため好ましくない。
反応温度は−20〜180℃、好ましくは25〜140℃である。−20℃未満の低温で行うと、原料の溶解度が下がるため好ましくない。オートクレーブなどを用いて、180℃より高温で反応を行うことも可能であるが、加熱などのエネルギーコストの割には、収率は向上しないため実質的な意味はない。
本発明の反応で用いられる遷移金属塩と有機配位子化合物の混合比率は、3:1〜1:5のモル比、好ましくは1.5:1〜1:3のモル比の範囲内である。3:1〜1:5のモル比以外の範囲では、目的物の収率が低下し、また、未反応の原料が残留して、目的物の取り出しが困難となる。
遷移金属塩と有機配位子化合物との反応では、反応系中に、微量のハロゲン塩類を共存させることが重要である。ハロゲン元素の種類としては塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、微量で有効という点で塩素、臭素が好ましい。ハロゲンイオンの対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、ルビジウム等が好ましいが、微量で有効という点でナトリウム、カリウムが好ましい。ハロゲン塩類添加量は、配位子化合物に対して、0.0001モル%〜0.01モル%、収率が向上する観点から、0.0005モル%〜0.005モル%が好ましい。このような、微量のハロゲン塩類の共存は、配位子化合物として5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸配位子化合物を用いた場合、ふっ素以外の含ハロゲン官能基を有さないイソフタル酸配位子化合物を使用した場合に生じやすい収率低下を防止する効果を有している。この微量のハロゲン塩類添加の効果は、5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸配位子化合物を反応に用いた場合、遷移金属イオンと5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸配位子のハロゲン原子とが相互作用して、クラスターを作るため、反応が阻害されるが、微量のハロゲン塩類が存在すると、これが遷移金属イオンと5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸配位子との相互作用を抑制して、反応を促進させると推定される。ただし、本発明の範囲がこの推定に限定されるものではない。
遷移金属塩と有機配位子化合物との反応は、通常のガラスライニングのSUS製の反応容器および機械式攪拌機を使用して行うことができる。反応終了後は濾過、乾燥を行うことで目的物質と原料との分離を行い、純度の高い目的物質を製造することが可能である。
モノハロゲン化アルキルオキシの置換基を有する配位子は、α‐ブロモ‐ω‐クロロアルカンとフェノールとの縮合で、クロロ置換体が得られる。臭素置換体、よう素置換体は、それぞれ、臭化ナトリウム、よう化ナトリウム等と反応させることで目的とする配位子を得ることが出来る。パーハロゲンアルキル、パーハロゲンアルコキシを有する配位子は、N−ブロモスクシンイミド等のハロゲン化剤を作用することで得ることが可能である。
上記の反応により得られた多孔性高分子金属錯体が目的の構造を有しているかどうかは、単結晶X線結晶解析により得られた反射を解析することで確認することが出来る。また粉末X線解析の反射パターンによっても確認出来る。
上記の反応により得られた多孔性高分子金属錯体が多孔質であるかどうかは、熱重量分析(Thermogravimetric Analysis:TG)により確認することが可能である。たとえば、窒素雰囲気下(流量=50mL/分)で、昇温速度=5℃/分の測定で、温度範囲室温〜200℃までの重量減が3〜50%であるかどうかで確認出来る。上記の反応により得られた多孔性高分子金属錯体のガス吸着能は、市販のガス吸着装置を用いて測定が可能である。
[多孔性高分子金属錯体を含む吸着材の複合化]
本発明の多孔性高分子金属錯体を含むガス吸着材(以下、単に「吸着材(A)」という)は単独で吸着材として使用してもよいし、他の吸着材と複合化して使用してもよい。複合化して使用する場合には、他の吸着材として、吸着等温線と脱着等温線とが一致する挙動を示す吸着材(B)と併用することで非常に優れた吸着特性を有するガス吸着材とすることができる。
ここで吸着材(B)とは、ガスに関する吸着等温線と脱着等温線とが一致する挙動を示す材料である。即ち、図7に示すように、吸着時のガス圧力−ガス吸着量曲線と、脱着時のガス圧力−ガス吸着量曲線とが実質的に一致する材料である。吸着材(B)は、かような特性を有する材料であれば特に限定されず、物理的吸着材、化学的吸着材、およびこれらが組み合わされてなる物理化学的吸着材を吸着材(B)として用いることができる。
物理的吸着材とは、分子と分子との相互作用のような弱い力を用いて、被吸着分子を吸着する吸着材をいう。物理的吸着材としては、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、ゼオライト、クレー、超吸着性繊維、金属錯体が挙げられる。化学的吸着材とは、化学的な強固な結合によって、被吸着分子を吸着する吸着材をいう。化学的吸着材としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸ナトリウム、活性化された金属が挙げられる。物理化学的吸着材とは、物理的吸着材および化学的吸着材の双方の吸着機構を備える吸着材をいう。これらの2種以上を組み合わせて、吸着材(B)として用いてもよい。ただし、本発明の技術的範囲がこれらの具体例に限定されるものではない。吸着材(B)の形状は特に限定されないが、一般的には、平均粒径500〜5000μmの粉末状のものを用いることができる。
吸着材(B)としては、製造コストやガス吸着性能を考慮すると活性炭が好ましい。活性炭は比較的安価である上、質量当たりのガス吸着量が多い。また、活性炭はガスの吸脱着に関するサイクル特性が悪く、吸脱着を繰り返すとガス吸着量が著しく減少する傾向がある。このため、従来においては、質量当たりのガス吸着量が多いにも拘わらず、ガス貯蔵装置やガス分離装置に用いることは困難であった。この点、本発明の吸着材(A)の複合化における吸着材(B)として用いた場合においては、活性炭の優れたガス吸着性能を充分に引き出すことができる。また、活性炭は比表面積が大きいほど吸着量が増加する傾向を有するため、活性炭の比表面積は1000m2/g以上であることが好ましい。
また、使用する吸着材(B)は、吸着させるガスに応じて適宜構造が制御されることが好ましい。例えば、活性炭に含まれる細孔は、細孔の大きさによって、スーパーミクロポア(〜0.8nm)、ミクロポア(0.8〜2nm)、メソポア(2〜50nm)、マクロポア(50nm〜)に分類できる。細孔の大きさによって吸着しやすいガスが異なり、メタンガスはミクロポアに吸着しやすい。従って、メタンガスを吸着させることを所望する場合には、ミクロポアの割合が大きくなるように活性炭の細孔分布を制御するとよい。
本発明の吸着材(A)と吸着材(B)とを複合化する場合は、吸着材(A)は、吸着材(B)を被覆するが、クラックや不完全な被覆がなく、吸着材(B)が外気に触れないように、吸着材(A)によって完全に被覆されることが好ましい。しかしながら、吸着材(A)に多少のクラック等が存在していても、吸着材(B)の自由なガス吸着を阻害することができ、吸着材(A)によって被覆されている吸着材(B)がガス吸着に関して、吸着材(A)に類似したガス吸着特性を示すのであれば、本発明の範囲に包含されるものである。好ましくは、吸着材(B)に対して5〜50体積%の吸着材(A)を用いて、吸着材(B)を被覆する。また、吸着材(B)を被覆する吸着材(A)の厚みは吸着材(A)の種類に応じて決定されるが、吸着材(A)が薄すぎると吸着材(B)へのガス吸着特性を充分に制御できない恐れがある。一方、吸着材(A)が厚すぎると、吸着材(B)へのガス吸着が生じにくくなり、全体としてのガス吸着量が減少する恐れがある。これらを考慮すると、吸着材(A)の平均厚みは、10〜100μmであることが好ましい。吸着材(A)の厚みは、吸着材(A)の使用量の調節によって制御できる。なお、吸着材(A)の厚みは電子顕微鏡を用いて撮影された断面写真から算出することができる。
吸着材(A)と吸着材(B)との複合化の方法としては、(1)吸着材(A)が溶解している溶液中に、該溶液に溶解しない吸着材(B)を添加し、その後、吸着材(A)を結晶成長させることによって、吸着材(B)表面に吸着材(A)を付着させる方法、(2)吸着材(A)を含むスラリーを準備し、このスラリーを吸着材(B)表面にコーティングして、乾燥させることによって、吸着材(B)表面に吸着材(A)を付着させる方法、などを用いることができる。
本発明の多孔性高分子金属錯体化合物は、物質が出入りできる多孔性を有しており、また電気的に陽性の陽イオン、陰性のカルボキシル基、さらに分極しているハロゲン置換官能基が存在しているため、各種の触媒反応として利用する事が可能である。多孔性高分子金属錯体の細孔はナノのレベルであり、取り込まれた物質は、細孔壁との衝突確率が非常に高くなるため、上記のような触媒活性部位との反応が効率的に行われるため、触媒として利用が可能である。具体的にはエステル等の合成、あるいは分解触媒、合成ガスからのメタノール合成触媒、アルドール反応を代表とする、ルイス酸、塩基等が触媒する各種反応等に利用可能である。
本発明の多孔性高分子金属錯体化合物は、物質が出入りできる多孔性を有しており、また電気的に陽性の陽イオン、陰性のカルボキシル基、さらに分極しているハロゲン置換官能基が存在しており、また、ナノレベルの細孔を有しているため、種々の物質の存在濃度が低くても効率的にそれらの分子を取り込み、色の変化、導電性の変化、構造の変化等を起こしうるため、一酸化炭素や一酸化窒素等のガスセンサー、芳香族等の有機蒸気センサーとしての利用が可能である。
本発明の多孔性高分子金属錯体化合物は、物質が出入りできる多孔性を有している。このため、本細孔内に、イミダゾール等の導電性物質を導入することで、イミダゾール分子同士が接近して存在し、高い導電性を発現しうるため、導電性材料として利用することが可能である。
本発明の多孔性高分子金属錯体の調製方法は種々の条件があり、一義的に決定できるものではないが、ここでは一つの条件を例にとり説明する。
実施例1
硫酸亜鉛0.02ミリモルと、塩化ナトリウム0.001マイクロモルを溶解した水(2mL)と、5−(3−ヨード−n−プロピルオキシ)イソフタル酸0.02ミリモルと4,4’−ビピリジン0.02ミリモルを溶解したメタノール(2mL)をゆっくりと積層し、25℃で一週間静置し、無色の単結晶を得た。直径約170ミクロンの単結晶を大気に暴露させないようにパラトンにてコーティングした後、(株)リガク社製単結晶測定装置(極微小結晶用単結晶構造解析装置VariMax、MoKα線(λ=0.71069Å))にて測定した(照射時間16秒、d=45ミリ、2θ=−20,温度=−180℃)。得られた回折像を、解析ソフトウエア「ヤドカリXG2009」を使用して解析し、図1〜3に示すような構造を有していることを確認した(a=15.098(2),b=19.369(3),c=27.787(3);α=90、β=90,γ=90;空間群=Pbca))。
また、塩化銅2水和物1ミリモルと、塩化ナトリウムを0.05マイクロモル、5−(3−ヨード−n−プロピルオキシ)イソフタル酸1ミリモル,4,4’−ビピリジン1ミリモルをメタノール(20mL)に分散し、容器を封じた後に120℃で1時間加熱した。冷却後、濾過し、メタノールで洗浄して、白色の粉末109ミリグラムを得た。本粉末をブルカーAX(株)社製粉末X線装置DISCOVER D8 with GADDSにより測定した結果(CuKα(λ=1.54Å)、2θ=4〜40、室温にて測定)、図7に示す反射パターンが得られ、これは、上記の単結晶の粉末シミュレーションパターンと同一であった。すなわち、上記の二種の本方法にて、同一構造を有する多孔性高分子金属錯体が合成出来、それが、単結晶X線回折および粉末X線回折法により解析可能であることを確認した。
実施例2〜11
実施例1と同様に、表1に示す原料を用いて合成を行った。
実施例12
硫酸亜鉛0.1ミリモルと、5−(3−ヨード−n−プロピルオキシ)イソフタル酸0.01マイクロモル、塩化ナトリウム0.001マイクロモルをエタノール8mLに溶解し、さらに4,4’−ビピリジン0.1mmolを溶解したエタノール8mLにゆっくりと積層する。これを10度に保持することで、無色の単結晶を得た。直径約110ミクロンの単結晶を大気に暴露させないようにパラトンにてコーティングした後、(株)リガク社製単結晶測定装置(極微小結晶用単結晶構造解析装置VariMax、MoKα線(λ=0.71069Å))にて測定し(照射時間12秒、d=45ミリ、2θ=−20,温度=−180℃)、得られた回折像を解析ソフトウエア「ヤドカリXG2009」を使用して解析し、図4〜6に示すように三次元ネットワーク構造を有していることを確認した(a=15.7697(17),b=16.2978(18),c=11.4149(11);α=90、β=90,γ=90;空間群=P212121))。
実施例13〜15
実施例12と同様に、表2に示す原料を用いて合成を行った。
実施例16〜19
実施例1と同様に、表3に示す原料を用いて合成を行った。実施例16〜19と実施例1の差異は、実施例1では、第一配位子であるイソフタル酸誘導体は1種類であるが、実施例16〜19では、第一配位子として表3に示すとおり、二種類の配位子(A、B)を混合使用して固溶体を合成している。
比較例1、2
実施例1と同様にして、イソフタル酸の5位にハロゲン元素を有さない置換基が置換した多孔性高分子金属錯体を合成した(表4)。
比較例3〜5
実施例16〜19と同様にして、二種類の配位子(A、B)を混合使用して固溶体を合成した(表5)。ただし、ハロゲン元素を有さない配位子Bの比率が、実施例16〜19と比して高くして合成している。
<ガス吸着の結果>
得られたガス吸着材の種々のガス吸着特性を種々の温度で測定した。BET自動吸着装置(日本ベル株式会社製ベルミニII)を用いた。測定に先立って試料を393Kで6時間真空乾燥して、微量残存している可能性がある溶媒分子などを除去した。
表1〜5に、各種ガスの各種温度での吸着量を示す。なお、表1〜5の全てにおいて、吸着量は、相対圧0.95での吸着量であり、相対圧とは、吸着時の圧力を当該温度での当該ガスの沸点で割った値である。
いずれの温度に於いても、本発明の5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸を用いた多孔性高分子金属錯体を含む吸着材は、酸素ガスの吸着量が他のガスと比較して多い。また、一酸化炭素と窒素の吸着量比(273Kでの一酸化炭素吸着量/窒素吸着量)が多く、通常、分離が困難な一酸化炭素と窒素の分離に有利であることがわかる。比較例1、2の5位の官能基がハロゲン原子を含まないイソフタル酸を用いた多孔性高分子金属錯体を含む吸着材と比べると、その効果が明らかである。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、配位子の整列によって形成される多数の微細孔が物質内部に存在する。この多孔性を生かして酸素、一酸化炭素の選択的な吸着、分離、貯蔵が可能となる。

Claims (15)

  1. [AXY]n (1)
    (式中、Aは遷移金属イオンを表し、Xは5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基であって、Hがふっ素以外のハロゲンで置換された直鎖または分岐鎖のアルキル基およびアルコキシ基である含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンである第一配位子を表し、Yは配位点を分子の両末端に有している、ピラジンまたはビピリジル型の第二配位子を表し、nは、AXYから成る構成単位の数を表す)
    の構造単位を有する多孔性高分子金属錯体。
  2. 前記遷移金属イオンが、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、亜鉛イオンのいずれかである、請求項1に記載の多孔性高分子金属錯体。
  3. 前記遷移金属イオンが亜鉛イオンである、請求項1に記載の多孔性高分子金属錯体。
  4. 前記含ハロゲン官能基のハロゲン元素が、塩素、臭素、又はよう素である請求項1又は2に記載の多孔性高分子金属錯体。
  5. 前記含ハロゲン官能基のハロゲン元素が、よう素である請求項1〜3のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
  6. 前記含ハロゲン官能基が、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルコキシ基である請求項1〜5のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
  7. 前記含ハロゲン官能基が含有するハロゲン原子が、1〜21個のいずれかである請求項1〜6のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
  8. [AXY]n (2)
    (式中、Aは遷移金属イオンを表し、Yは配位点を分子の両末端に有している、ピラジンまたはビピリジル型の第二配位子を表し、Xはイソフタル酸イオン又は5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基であって、Hがふっ素以外のハロゲンで置換された直鎖または分岐鎖のアルキル基およびアルコキシ基である含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンを少なくとも1種含む複数種のイソフタル酸イオンである第一配位子を表し、全イソフタル酸イオン量の5モル%〜95モル%が5位にふっ素以外の前記含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンであり、nは、AXYから成る構成単位の数を表す)
    の構造単位を有することを特徴とする多孔性高分子金属錯体。
  9. 式(2)中、Xは、イソフタル酸イオン、5位にアルキル基を有するイソフタル酸イオン、5位にアルコキシ基を有するイソフタル酸イオン、アミノ基を有するイソフタル酸イオン、5位にふっ素以外の含ハロゲン官能基であって、Hがふっ素以外のハロゲンで置換された直鎖または分岐鎖のアルキル基およびアルコキシ基である含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンから選ばれる2種類以上のイソフタル酸イオンであって、全イソフタル酸イオン量の5モル%〜95モル%が5位に前記含ハロゲン官能基を有するイソフタル酸イオンである請求項8に記載の多孔性高分子金属錯体。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体を含む吸着材。
  11. 請求項10に記載の吸着材を用いたガス分離装置。
  12. 請求項10に記載の吸着材を用いたガス貯蔵装置。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体を含む触媒。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体を含む導電性材料。
  15. 請求項1〜9のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体を含むセンサー。
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