JP6422211B2 - ふっ素を含有する配位高分子錯体、ガス吸着材、これを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置 - Google Patents

ふっ素を含有する配位高分子錯体、ガス吸着材、これを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置 Download PDF

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Description

本発明は多孔性高分子金属錯体及びガス吸着材としての利用ならびにこれを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置に関する。
ガス吸着材は、加圧貯蔵や液化貯蔵に比べて、低圧で大量のガスを貯蔵しうる特性を有する。このため、近年、ガス吸着材を用いたガス貯蔵装置やガス分離装置の開発が盛んである。ガス吸着材としては、活性炭やゼオライトなどが知られている。また最近は多孔性高分子金属錯体にガスを吸蔵させる方法も提案されている(特許文献1〜2、非特許文献1〜2参照)。
多孔性高分子金属錯体は、金属イオンと有機配位子から得られる結晶性固体で、種々の金属イオン、有機配位子の組み合わせおよび骨格構造の多様性から、様々なガス吸着特性を発現する可能性を秘めている。しかしながら、これらの従来提案されてきたガス吸着材は、ガス吸着量や作業性などの点で充分に満足できるものとはいえず、より優れた特性を有するガス吸着材の開発が所望されている。
PCP(Porous Coordination Polymer;以下では、多孔性高分子金属錯体をPCPともいう。)は、金属イオンと配位子から形成される錯体構造部が配位子により架橋されることで高分子化した物質である。錯体構造部は通常SBUと呼ばれ、ZnO型やパドルホイール型が典型例である(非特許文献3〜4)。これらはいずれも対称性が非常に高く、結果として形成されるPCPのネットワークも対称性が高く、細孔の表面も比較的平坦なものになりがちである。
PCPのガス吸着性には、錯体構造部が大きな影響を及ぼし、細かな凹凸などがガス吸着性を高める事が知られている(非特許文献5)。
多孔体のガス吸着特性を制御するために、配位子にふっ素原子を導入する試みが行われている(非特許文献6〜9)。ふっ素の材料への一般的な影響として、摺動性、撥水性などは知られているが、前述のふっ素を導入した多孔性高分子金属錯体の例では、ふっ素原子による水素の吸着特性の向上が述べられている。これらは、前記のふっ素原子が惹起する物性とは一致せず、またふっ素原子導入が水素の吸着特性を向上させる原理も詳しくは記載されておらず、すなわち、ふっ素原子の導入が多孔性高分子金属錯体のガス吸着特性にどのような影響を及ぼすかははっきりとはわかっていない。
特開2000-109493号公報 特許第4427236号公報
北川進、集積型金属錯体、講談社サイエンティフィク、2001年214-218頁 Robsonら、Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, 1460 ± 1494 Chenら、Inorg. Chem. 2009, 4649 Zaworotko ら、Chem. Commun., 2004, 2534-2535 近藤ら、Chem. Eur. J. 2009, 15, 7549 - 7553 Omaryら、J. Am. Chem. Soc., 2007,129, 15454 Omaryら、Angew. Chem. Int. Ed.2009,48,2500 Liら、J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 1308 Fereyら、J. Am. Chhem. Soc., 2010, 132, 1127-1136
本発明は、複核の配位構造がパーフルオロアルキル基を有するイソフタル酸型配位子により架橋されることで高分子化し、かつふっ素原子の凝集部を有しているPCPを提供することを1つの目的とする。構造上の一つの特徴が複核の配位構造がさらに架橋されるという複雑な構造で、本複雑構造故に単純な配位構造に比較して安定性が高く、細孔の表面に原子レベルでの凹凸が多く生じることで、ガスの吸着特性に特異性が発現し、パーフルオロアルキル基の凝集部があるために、ガスの吸着特性に特異性が生じる吸着材である。
また、本発明は、スルホ基(-SO3H)を有するイソフタル酸型配位子により架橋されることで高分子化したPCPを提供することをもう1つの目的とする。このPCPは、細孔内に対面する形で2個のスルホ基が存在し、ガスの吸着特性に特異性が発現し、また酸触媒反応に特異性を有した触媒である。
また本発明は、前記特性を有するガス吸着材を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置を併せて提供することを目的とする。
本発明者らは、前述のような問題点を解決すべく、鋭意研究を積み重ねた結果、本発明の第一の側面において、5位にパーフルオロアルキル基を有するイソフタル酸類と金属イオンを反応させる際に、溶媒を最低三種混合する事で、複雑な錯体構造部を有し、複雑なネットワーク構造を有し、かつパーフルオロアルキル基が凝集した構造を含有するPCPを合成し、また、本発明の第二の側面において、5位にスルホ基を有するイソフタル酸類と金属イオンを反応させて得られるPCPを合成し、さらにこの新規なPCPは幅広い温度域で特異的なガス吸着能の発現する事を見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は下記にある。
)下記式(1−1)
[MX]n (1−1)
(式中、MはMg又はZn2価の金属イオン、Xは炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。nは、[MX]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で表され、前記2価の金属イオン2個に前記イソフタル酸4個が配位した配位結合金属複核を有し、前記配位結合金属複核の1個に対して3個の別の配位結合金属複核が前記4個のイソフタル酸の別の配位原子を介して、架橋されており、前記1個の配位結合金属複核と前記3個の配位結合金属複核との間の架橋のうち1つは、前記4個のイソフタル酸の2個を介して2重に架橋されており、前記2重に架橋された1組の配位結合金属複核2個と、前記2重に架橋されていない配位結合金属複核イソフタル酸8個から、前記配位結合金属複核を1つの員とする二次元の六員環からなるネットワーク構造が形成されており前記六員環の各々の対向する二辺から成る3組の辺の1組には、前記2重に架橋された1組の配位結合金属複核間に存在する前記2個のイソフタル酸から形成された2重の架橋が存在し、その対向する二辺を結ぶ平面方向に同じ六員環構造が繰り返して平面状ネットワーク構造を形成し、また上下方向に同じ六員環構造が繰り返して、三次元ネットワーク構造を形成しており、前記平面状ネットワーク構造の間にふっ素原子が凝集した構造を有する多孔性高分子金属錯体。
)下記式(1−2)
[MXY]n (1−2)
(式中、MはMg又はZnの2価の金属イオン、Xは第一配位子を示し、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、(E)−4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビピリジン、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(チオフェン−2,5−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(ビフェニル−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で表され、前記2価の金属イオン3個に前記第一配位子のイソフタル酸6個と前記第二配位子2個が配位した配位結合金属複核を有し、6個の前記配位結合金属複核の間をそれぞれ前記第一配位子2個によって2重に架橋した、前記配位結合金属複核を1つの員とする二次元の六員環ネットワーク構造が形成され、前記二次元六員環ネットワーク構造がさらに二次元方向に延びて層を形成し、前記複数の層は積層されており、積層された上下のにある配位結合金属複核同士さらに前記第二配位子が架橋して三次元ネットワーク構造が形成されており前記層間及び前記六員環内にふっ素原子が凝集した構造を有する多孔性高分子金属錯体。
)下記式(1−3)
[MXY]n (1−3)
(式中、MはMg又はZnの2価の金属イオンであり、Xは第一配位子を示し、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、(E)−4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビピリジン、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(チオフェン−2,5−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(ビフェニル−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で表され、前記2価の金属イオン3個に前記第一配位子のイソフタル酸6個と前記第二配位子2個が配位した配位結合金属複核を有し、6個の前記配位結合金属複核の間を記第1及び第二配位子が架橋して、前記配位結合金属複核を1つの員とする二次元の六員環ネットワーク構造が形成されており、各六員環の対向する二辺から成る組の辺のそれぞれは、第一配位子と第二配位子によって2重に架橋される二辺の組と、第二配位子で架橋される二辺の組と、第一配位子2個によって2重に架橋される二辺の組からなり、且つ、前記二次元六員環ネットワーク構造がさらに二次元方向に延びて層を形成し、
前記複数の層は積層されており、積層された上下の層にある対応する配位結合金属複核同士の間が、前記第一配位子によって架橋されている三次元ネットワーク構造が形成されており前記六員環内にふっ素原子が凝集した構造を有する多孔性高分子金属錯体。
)下記式(2)
[MXY]n (2)
(式中、MはMg又はZnの2価の金属イオンであり、Xは第一配位子であり、スルホ基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、(E)−4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビピリジン、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(チオフェン−2,5−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(ビフェニル−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で表され、金属イオンに第1及び第2の配位子が配位して形成される二次元の格子状ネットワーク構造が積層された三次元ネットワーク構造を有する、多孔性高分子金属錯体。
前記二次元の格子状ネットワーク構造が、2価の金属イオン1個に第一配位子2個と第二配位子2個が配位した配位結合金属核4個から成る四員環ネットワーク構造であり各四員環の対向する二辺から成る2組の辺がそれぞれ、第一配位子、第二配位子から成る、二次元の四員環ネットワーク構造を形成し、前記二次元四員環ネットワーク構造が積層された、上記()に記載の多孔性高分子金属錯体。
)第一配位子の炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基がCF3,C25,n−C37,n−C49,n−C511,n−C817,n−C1021から選ばれる、上記(1)〜()に記載のふっ素原子が凝集した構造を有する多孔性高分子金属錯体。
)下記式(1’)
[MXY]n(G)m (1’)
(式中、MはMg又はZnの2価の金属イオンであり、Xは第一配位子を示し、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、(E)−4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビピリジン、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(チオフェン−2,5−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(ビフェニル−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。qは0または1である。Gはゲスト分子を示し、プロトン系溶媒、アミド系溶媒の少なくとも1種から成る溶媒分子または水分子であり、nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。mは金属イオン1に対して0.2〜6である。)で表される、上記(1)〜()、()に記載のふっ素原子が凝集した構造を有する多孔性高分子金属錯体。
)下記式(2’)
[MXY]n(G)m (2’)
(式中、MはMg又はZnの2価の金属イオンであり、Xは第一配位子であり、スルホ基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、(E)−4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビピリジン、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(チオフェン−2,5−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(ビフェニル−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。Gはゲスト分子を示し、溶媒分子又は水分子である。nは、[XY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。mは金属イオン1に対して0.2〜6.0である。)
で表される、上記()又は()に記載の多孔性高分子金属錯体。
)上記(1)〜()に記載の多孔性高分子金属錯体を含むガス吸着材。
10)上記()に記載のガス吸着材を用いるガス分離装置。
11)上記()に記載のガス吸着材を用いるガス貯蔵装置。
本発明の第一の側面において多孔性高分子金属錯体は、複核の配位構造がパーフルオロアルキル基を有するイソフタル酸型配位子により架橋されることで高分子化し、かつふっ素原子の凝集部を有しているPCPである。構造上の一つの特徴が複核の配位構造がさらに架橋されるという複雑な構造で、本複雑構造故に単純な配位構造に比較して安定性が高く、細孔の表面に原子レベルでの凹凸が多く生じることで、ガスの吸着特性に特異性が発現し、パーフルオロアルキル基の凝集部があるために、ガスの吸着特性に特異性が生じる吸着材である。
また、本発明の第二の側面において、スルホ基を有するイソフタル酸型配位子により架橋されることで高分子化した多孔性高分子金属錯体を提供する。この多孔性高分子金属錯体は、細孔内に対面する形で2個のスルホ基が存在し、酸触媒反応に特異性を有し、またガスの吸着特性に特異性が生じる吸着材である。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、多量のガスを吸着、放出し、かつ、ガスの選択的吸着を行うことが可能である。また本発明の多孔性高分子金属錯体からなるガス吸着材料を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置を製造することが可能になる。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、また例えば、圧力スイング吸着方式(以下「PSA方式」と略記)のガス分離装置として使用すれば、非常に効率良いガス分離が可能である。また、圧力変化に要する時間を短縮でき、省エネルギーにも寄与する。さらに、ガス分離装置の小型化にも寄与しうるため、高純度ガスを製品として販売する際のコスト競争力を高めることができることは勿論、自社工場内部で高純度ガスを用いる場合であっても、高純度ガスを必要とする設備に要するコストを削減できるため、結局最終製品の製造コストを削減する効果を有する。
本発明の多孔性高分子金属錯体の他の用途としては、ガス貯蔵装置が挙げられる。本発明のガス吸着材をガス貯蔵装置(業務用ガスタンク、民生用ガスタンク、車両用燃料タンクなど)に適用した場合には、搬送中や保存中の圧力を劇的に低減させることが可能である。搬送時や保存中のガス圧力を減少させ得ることに起因する効果としては、形状自由度の向上がまず挙げられる。従来のガス貯蔵装置においては、保存中の圧力を維持しなくてはガス吸着量を高く維持できない。しかしながら、本発明のガス貯蔵装置においては、圧力を低下させても充分なガス吸着量を維持できる。
ガス分離装置やガス貯蔵装置に適用する場合における、容器形状や容器材質、ガスバルブの種類などに関しては、特に特別の装置を用いなくてもよく、ガス分離装置やガス貯蔵装置に用いられているものを用いることが可能である。ただし、各種装置の改良を排除するものではなく、いかなる装置を用いたとしても、本発明の多孔性高分子金属錯体を用いている限りにおいて、本発明の技術的範囲に包含されるものである。
図1は、本発明の第一の側面の第1の態様の多孔性高分子金属錯体を構成する配位結合金属複核を示す。 図2は、図1に示した配位結合金属複核とこれに配位するイソフタル酸誘導体(第一配位子)とからパッキングして形成される二次元ネットワーク構造を示す。 図3は、図2に示す二次元ネットワーク構造の六員環から構成される単位を切り出して示す。 図4は、本発明の第1の態様の多孔性高分子金属錯体の三次元ネットワーク構造をa軸から見た図である。 図5は、本発明の第1の態様の多孔性高分子金属錯体の三次元ネットワーク構造をb軸から見た図である。 図6は、本発明の第1の態様の多孔性高分子金属錯体の三次元ネットワーク構造をc軸から見た構造である。 図7は、本発明の第一の側面の第2の態様の多孔性高分子金属錯体を構成する配位結合金属複核を示す。 図8は、本発明の第2の態様の多孔性高分子金属錯体のネットワーク構造の一部をc軸方向から見た図である。 図9は、本発明の第2の態様の多孔性高分子金属錯体のネットワーク構造をa軸方向から見た図である。 図10は、本発明の第2の態様の多孔性高分子金属錯体のネットワーク構造をb軸方向から見た図である。 図11は、本発明の第2の態様の多孔性高分子金属錯体のネットワーク構造をc軸方向から見た図である。 図12は、本発明の第一の側面の第3の態様の多孔性高分子金属錯体の配位結合金属複核の拡大図を示す。 図13は、図12の配位結合金属複核の拡大図を別の角度から示す。 図14は第3の態様の多孔性高分子金属錯体のa軸方向から見た図を示す。 図15は、第3の態様の多孔性高分子金属錯体のネットワーク構造をa軸方向からわずかにずらした方向から見た構造を示す。 図16は、第3の態様の多孔性高分子金属錯体のネットワーク構造をb軸方向から見た構造を示す。 図17は、第3の態様の多孔性高分子金属錯体のネットワーク構造をb軸方向から見た構造を示す。 図18は、本発明の第二の側面の第4の態様の多孔性高分子金属錯体を構成する基本構造単位SBUを示す。 図19は、図18に示したSBUがパッキングされて形成される二次元ネットワーク構造を示す。 図20は、図19の二次元格子状ネットワーク構造を側面から見た図である。 図21は、本発明の第4の態様の多孔性高分子金属錯体の三次元ネットワーク構造の積層構造を示し、図20に対応する側面図である。 図22は、本発明の第4の態様の多孔性高分子金属錯体の三次元ネットワーク構造の積層構造をa軸から図である。 図23は、本発明の第4の態様の多孔性高分子金属錯体の三次元ネットワーク構造の積層構造をb軸から図である。 図24は、本発明の第4の態様の多孔性高分子金属錯体の三次元ネットワーク構造の積層構造をc軸から図である。
本発明の多孔性高分子金属錯体を図面を参照して説明する。便宜上、実施例1〜4で得られた多孔性高分子金属錯体に基づく図を用いるが、それらを例として、本発明の第一の側面の第1〜3の態様および第二の側面の第4の態様のそれぞれについて説明する。
各図は、実施例にて合成した化合物を単結晶X線回折装置により測定し、得られた電子密度のデータを専用のソフトウエアにて図版化したものである。実際の材料には結晶の格子欠陥や、分子の熱振動が存在するため、それら由来のデータの欠陥が生じ、このため、図面上は芳香環のゆがみ、官能基(特にアルキル基類)やその一部の消失等が起こりうる。しかし、仮にそうようなことがあったとしても、本発明の温和な合成条件においては芳香環のゆがみ、官能基の消失等は起こりえないと考えられ、あくまでも欠陥は測定上の問題であり、実化合物は、原料として使用した配位子により構成されると考えて良い。たとえば、図1〜6において、C8F17鎖のディスオーダーなどの問題により、X線結晶構造解析の結果の図には、完全なC8F17鎖ではなく、C8F17鎖の一部(図1のCF1,CF2)だけが見えているが、得られたPCPを配位子にまで分解して確認した結果、PCPに含まれているのは、間違いなくC8F17-イソフタル酸であった。
(第一の側面)
本発明は、第一の側面において、式(1)
[MXYq]n (1)
(式中、Mは2価の金属イオンであり、Xは第一配位子を示し、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジル類縁体である。qは0または1である。nは、[MXYq]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で表され、複雑な複核の錯体構造部を有し、これがイソフタル酸骨格で架橋された複雑なネットワーク構造を有し、さらにふっ素原子が凝集した構造を有する多孔性高分子金属錯体を提供する。
(第1の態様)
本発明は、第一の側面において
下記式(1−1)
[MX] n (1−1)
(式中、MはMg又はZnの2価の金属イオンであり、Xは炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。nは、[MX]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で示される態様である。
図1〜6に本発明の第一の側面の第1の態様の多孔性高分子金属錯体の例(図示は実施例1に対応し、M=Mg、X=5-nC817-ipaの多孔性高分子金属錯体)を示す。図1は、この第1の態様の多孔性高分子金属錯体を構成する配位結合金属複核(金属核)を示すが、水素原子は省略している。図1において、亜鉛原子(黒色),酸素原子(濃い灰色),窒素原子(やや濃い灰色),ふっ素原子(薄い灰色)はそれぞれMg,O,N,Fとして表示するが、炭素原子(白色であるが、立体表示のために陰影が付されている)はCと表示していない。この実施態様では、パーフルオロアルキル基(nC817)を5位に有するイソフタル酸誘導体(第一配位子)4個が金属イオンに配位して配位結合金属複核(金属核)を形成している。
図1において、一個のパーフルオロアルキル基(図1ではCF1)を5位に有するイソフタル酸誘導体(第一配位子)の2個のカルボキシル基が、2個の金属イオンの一方に対して1.5座配位し、残りの0.5座配位部分がもう一方の金属イオンに対して配位して、2個の金属イオン間を架橋している。もう一個のパーフルオロアルキル基(図1ではCF1)を5位に有するイソフタル酸誘導体(第一配位子)のカルボキシル基が、2個の金属イオンにそれぞれ一座配位して、2個の金属イオン間を架橋している。さらにもう一個のパーフルオロアルキル基(図1ではCF2)を5位に有するイソフタル酸誘導体(第一配位子)の2個のカルボキシル基は2個の金属イオンに対してそれぞれ一座配位で配位して、2個の金属イオン間を架橋している。しかし、パーフルオロアルキル基(図1ではCF2)を5位に有するイソフタル酸誘導体(第一配位子)のもう一個は、一個のカルボキシル基が2個の金属イオンの一方(上記の1.5座配位されている金属イオン)に対して一座配位しているが、もう1個のカルボキシル基は上記の2個の金属イオンには配位せず、隣の配位結合金属複核に配位する。こうして、合計4個のイソフタル酸誘導体(第一配位子)が2個の金属イオンに配位して配位結合金属複核を形成している。ただし、配位結合金属複核のそれぞれの金属イオンに配位する各配位子の配位数は、条件により、また観察条件により、相対的に変化するが、それらは化合物としては同一である。
図2に、図1に示した配位結合金属複核とこれに配位するイソフタル酸誘導体(第一配位子)とからパッキングして形成される二次元ネットワーク構造を示す。見やすくするために水素原子及びパーフルオロアルキル基は省略している。2個の金属が配位結合して形成される配位結合金属複核がイソフタル酸誘導体を介して六員環を形成し、六員環のうち対向する2辺では配位結合金属核間にイソフタル酸誘導体2個で二重に架橋されている(二員環が形成されていると見ることもできる)。図2にこの六員環(と二員環)によって構成される単位をAまたはBとして示すが、図3に図2に示した単位Aを切り出して示す。図2に戻ると、六員環の二重に架橋していない残りの辺の中央に存在する配位結合金属核は隣の六員環では二重の架橋を成す頂部を成している。こうして、図2では、上下方向には図3に示す六員環が繰り返して並び、左右方向にも六員環が並ぶが、隣の六員環は上下に1個ずれているので、2列毎に同じ六員環の列が繰り返されている。
図1〜3に示した構造がパッキングされて形成される三次元ネットワーク構造を、図4〜6に示す。図4はa軸、図5はb軸、図6はc軸から見た構造であり、図2は図6に対応する。図5〜6を参照すると、金属イオンの複核から形成される環状ネットワーク構造が平面状に並び(図6のc軸から見たものが平面構造を上から見ている)、イソフタル酸誘導体(第一配位子)の5位に結合したパーフルオロアルキル基が平面状ネットワーク構造の間に凝集している様子が観察される。図5を参照すると、鎖状に並ぶ金属核の列の金属核の間に図3の二員環(二重架橋)が平行四辺形の孔として見える。
(第2の態様)
本発明は、第一の側面において、
下記式(1−2)
[MXY] n (1−2)
(式中、MはMg又はZnの2価の金属イオンであり、Xは第一配位子を示し、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示す。)で示される態様である。
図7〜11に、本発明の第一の側面の第2の態様の多孔性高分子金属錯体の別の例(実施例2に対応し、M=Zn、X=5-nC3-ipa、Y=4,4’−ビピリジンの多孔性高分子金属錯体)を示す。図7は、この第2の態様の多孔性高分子金属錯体を構成する配位結合金属複核を示す。図7において、水素原子、パーフルオロアルキル基(nC3)は省略している。亜鉛イオンZn1〜Zn3は黒色、酸素原子Oは濃い灰色、窒素Nは薄い灰色、炭素原子は白であるが、立体表示のための陰を示す灰色が付加されている。図8も同様である。
図7に見られるように、この配位結合金属複核は3個の金属イオン(図示の例では亜鉛イオン)Zn1〜Zn3に対して、6個の第一配位子(「炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基(図示の例ではnC)を5位に有するイソフタル酸誘導体」いう。)ipaと、2個の第二配位子(「ピラジン、ビピリジンまたは4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジル類縁体」をいう;図示の例では4,4’−ビピリジン)bpが配位している。3個の亜鉛イオンが並び、左右のそれぞれの金属イオンZn1、Zn3と中央の亜鉛イオンZn2の間を、それぞれ第一配位子2個が架橋している。これらの第一配位子のカルボキシル基は1座配位である。また、左右の金属イオンZn1,Zn3のそれぞれに、第一配位子の2座配位のカルボキシル基が配位している。さらに、左右の金属イオンZn1,Zn3のそれぞれに第二配位子のピリジン末端が配位している。図7においては、第一配位子の2個ずつ(ipa1とipa4、ipa2とipa6、ipa3とipa5)がそれぞれほぼ同じ方向に延在している。また、限定するわけではないが、2個の第二配位子と2個の第一配位子ipa1とipa4は、ほぼ同じ平面上にある。
図8は上記の配位結合金属複核と第一及び第二配位子をパッキングして得られるネットワーク構造の一部をc軸方向から見た図である。6個の配位結合金属複核がそれぞれ2個の第一配位子2個によって2重に架橋されて六員環を形成して、二次元の六員環ネットワーク構造が形成されている。
図9〜11に、に図7〜8に示した配位結合金属複核と第一及び第二配位子に基づいて得られる多孔性高分子金属錯体の三次元ネットワーク構造を示す。図9はa軸、図10はb軸、図11はc軸から見た構造である。図9を参照すると、配位結合金属複核と第一及び第二配位子に基づいて形成された二次元ネットワーク構造が横方向に延びて、積層されるとともに、その二次元ネットワーク構造の間を第二配位子が架橋して、三次元ネットワーク構造を形成している。図10でも図9と同様に二次元ネットワーク構造の間を第二配位子が架橋して三次元ネットワーク構造が形成されている様子が確認される。図11は図8に対応する図であるが、水素原子は省略されているが、パーフルオロアルキル基は省略されていないので、六員環の内側に向かって延在するパーフルオロアルキル基が認められる。
(第3の態様)
本発明は、第一の側面において、
下記式(1−3)
[MXY] n (1−3)
(式中、MはMg又はZnの2価の金属イオンであり、Xは第一配位子を示し、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示す。)で示される態様である。
図12〜17に、本発明の第一の側面の第3の態様の多孔性高分子金属錯体のさらに別の例(M=Zn、X=5-nC17-ipaの多孔性高分子金属錯体)を示す。図12〜13は、この第3の態様の多孔性高分子金属錯体を構成する基本構造単位SBUの配位結合金属複核の拡大図を別の角度から示す図あるが、水素原子及びパーフルオロカーボン基は簡単ために省略している。図12図に見られるように、3個の金属イオン(図示の例では亜鉛イオン:黒色)Zn1,Zn2,Zn3が形成する三角形とほぼ同じ平面状の中心に存在する酸素O(濃い灰色)によって配位されているとともに、3個の金属イオンの2個ずつに対して第一配位子(「炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基(図示の例ではnC17)を5位に有するイソフタル酸誘導体」をいう。)ipaの1座配位のカルボキシル基が配位している。Zn1とZn2の間にipa1、Zn2とZn3の間にipa2、Zn3とZn1の間にipa3がそれぞれ介して架橋している。さらに、2個の金属イオンZn1とZn3の間にもう1個の第一配位子ipa4が配位して架橋するとともに、その金属イオンでないもう1個の金属イオンZn2に第一配位子ipa5の1座のカルボキシル基が1個配位して、合計5個の第一配位子ipa1〜ipa5が配位している。また、上記の第4の第一配位子ipa4が配位した2個の金属イオンZn1とZn3に、第二配位子(「ピラジン、ビピリジンまたは4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジル類縁体」をいう;以下、簡単のために「ビピリジル型配位子」ともいう。この例では4,4’−ビピリジン;窒素原子は酸素原子よりは薄い灰色)bp1、bp2の片端のビピリジンがそれぞれ配位して、合計2個のビピリジル型配位子が配位している。
図14に上記の配位結合金属複核と第一及び第二配位子が反応してパッキングされた多孔性高分子金属錯体のa軸方向から見た図を示す。3個の金属イオンからなる配位結合金属複核の間を配位子が架橋して、左右対称、上下は非対称の六員環が形成され、上下方向には同じ六員環が繰り返されているが、左右方向には六員環が反転しかつ半分(一辺分)ずれて繰り返し、2列で形成される六員環の列が繰り返していることが見える。図14の枠単位胞である。図14では、水素原子は省略しパーフルオロアルキル基は示されているが、パーフルオロアルキル基は主に六員環の内側に延びて存在している。
図15〜17に、このパッキングされた多孔性高分子金属錯体から水素原子及びパーフルオロアルキル基を省略したネットワーク構造を、それぞれ、a軸方向からわずかにずらした方向、b軸方向、c軸方向から見た構造を示す。図15を参照すると、六員環ネットワーク構造から形成された平面構造が紙面の奥行き方向に2〜3層に繰り返して存在するが、六員環ネットワーク構造から形成された平面構造の中央縦の列の上側に完全な六員環構造が見られるので、この六員環とその周辺に注目すると、六員環の上方の2個の配位結合金属複核MN1,MN6の間は、第一配位子ipa5とビピリジル型配位子bp2によって架橋されている。上方の2個の配位結合金属複核MN1,MN6のそれぞれと、上下方向中央の配位結合金属複核MN2,MN5の間は、それぞれ、ビピリジル型配位子bp1によって架橋されている。上下方向中央の配位結合金属複核MN2,MN5と下方の2個の配位結合金属複核MN3,MN4の間は、それぞれ、2個の第一配位子ipa1、ipa4によって架橋されている。こうして六員環構造が完成され、同じ六員環が上下方向に連続して形成されている。
また、この六員環の上方の配位結合金属複核MN1,MN6は、隣の六員環の上下方向中央の配位結合金属複核となり、上方の配位結合金属複核MN8と2個の第一配位子(ipa1、ipa4)によって架橋されている。また、上下方向中央の2個の配位結合金属複核MN3,MN4は、隣の六員環の水平方向に並んだ配位結合金属複核MN9との間が、第一配位子ipa5とビピリジル型配位子bp2によって架橋されている。こうして、隣の六員環は、上下逆転し六員環の半分(一辺)ずれて連結されている。
図15では判別できないが、図15の平面構造を側面から見たc軸方向の図17に見られるように、それぞれの配位結合金属複核MN1〜MN6どうしは、第一配位子ipa5によって架橋されている。
(第二の側面(第4の態様))
本発明は、第2の側面において、式(2)
[MXY]n (2)
(式中、Mは2価の金属イオンであり、Xは第一配位子であり、スルホ基を5位に有するイソフタル酸誘導体である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジル類縁体である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で表され、金属イオンに第1及び第2の配位子が配位して形成される二次元の格子状ネットワーク構造が積層された三次元ネットワーク構造を有する多孔性高分子金属錯体を提供する。
図18〜23に、本発明の第二の側面(本発明の第4の態様)の多孔性高分子金属錯体の例(M=Zn、X=5-SO3-ipa、Y=4,4’−ビピリジンの多孔性高分子金属錯体)を示す。図18は、本発明の第二の側面の多孔性高分子金属錯体を構成する基本構造単位SBUを示し、この例ではスルホ基を5位に有するイソフタル酸誘導体(第一配位子;以下、「第一配位子」という。)の1座のカルボキシル基2個と、第二配位子(「ピラジン、ビピリジンまたは4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジル類縁体」をいう;簡単のために「ビピリジル型配位子」ともいう。図示の例では4,4’−ビピリジン)2個が金属イオン(この例では亜鉛イオン)に配向している。
図19に、図18に示したSBUがパッキングして形成される二次元ネットワーク構造を示す。図19において、金属イオンを横方向に第一配位子のカルボキシル基が連結し、縦方向にビピリジル型配位子が連結して、四員環格子状の二次元ネットワーク構造が形成されている。図20は、図19の二次元格子状ネットワーク構造を側面から見た図であり、図19の横方向に、金属イオンをビピリジル型配位子が連結する鎖状構造が、金属イオンを屈曲点として交互に逆方向に屈曲しており、峰部鎖状構造Aと谷部鎖状構造Bとを形成している。
図20は二次元格子状ネットワーク構造の1層を示したが、実際には図21に示した二次元格子状ネットワーク構造の多層が積層して三次元ネットワーク構造を形成している。図21及び図22に三次元ネットワーク構造の積層構造を示し、図20に対応する側面図である。図22は図21の積層構造の1層毎の層を黒塗りで表示するが、積層構造は1層毎に層が裏返しに積層されていることが見られる。図21〜22はa軸から見た構造であり、図23,24にそれぞれ対応するb軸、c軸から見た構造を示し、図23〜24でも1層毎の層を黒塗りで表示している。
(複合錯体)
本発明の第一の側面の多孔性高分子金属錯体は多孔体であるため、水やアルコールやエーテルなどの有機分子に触れると孔内に水や有機溶媒を含有し、たとえば式(1’)
[MXY]n(G)m (1’)
(式中、Mは2価の金属イオンであり、Xは第一配位子を示し、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジル類縁体である。qは0または1である。Gは後述のような合成に使用した溶媒分子や空気中の水分子であり、通常ゲスト分子と呼ばれる。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。mは金属イオン1に対して0.2〜6.0である。)であるような複合錯体に変化する場合がある。
また、同様に、本発明の第二の側面の多孔性高分子金属錯体の場合は、水や有機溶媒を含有し、たとえば、式(2’)
[MXY]n(G)m (2’)
(式中、Mは2価の金属イオンであり、Xは第一配位子であり、スルホ基を5位に有するイソフタル酸誘導体である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジル類縁体である。Gは溶媒分子や水分子であり、通常ゲスト分子と呼ばれる。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で表されることができる。
しかし、これらの複合錯体中の上記Gで表されるゲスト分子は、多孔性高分子金属錯体に弱く結合しているだけであり、ガス吸着材として利用する際の減圧乾燥などの前処理によって除かれ、元の式(1)または(2)で表される錯体に戻る。そのため、式(1’)または(2’)で表されるような錯体であっても、本質的には本発明の多孔性高分子金属錯体と同一物と見なすことができる。
また本発明の第一の側面の多孔性高分子金属錯体は、金属イオンに後述のような合成に使用した溶媒分子や空気中の水分子が配位し、たとえば式(1”)
[MXYLz]n (1”)
(式中、Mは2価の金属イオンであり、Xは第一配位子を示し、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジル類縁体である。qは0または1である。Lは後述のような合成に使用した溶媒分子や空気中の水分子である。nは、[MXYLz]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。zは金属イオン1に対して1または2である。)であるような複合錯体に変化する場合がある。
また、本発明の第二の側面の多孔性高分子金属錯体は、金属イオンに後述のような合成に使用した溶媒分子や空気中の水分子が配位し、たとえば式(2”)
[MXYLz]n (2”)
(式中、Mは2価の金属イオンであり、Xは第一配位子であり、スルホ基を5位に有するイソフタル酸誘導体である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジル類縁体である。Lは後述のような合成に使用した溶媒分子や空気中の水分子である。nは、[MXYLz]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。zは金属イオン1に対して1または2である。)であるような複合錯体に変化する場合がある。
しかし、これらの複合錯体中の上記Lで表される配位性の分子は、金属イオンに弱く結合しているだけであり、ガス吸着材として利用する際の減圧乾燥などの前処理によって除かれ、元の式(1)または(2)で表される錯体に戻る。そのため、式(1”)または(2”)で表されるような錯体であっても、本質的には本発明の多孔性高分子金属錯体と同一物と見なすことができる。
(製造方法)
本発明の第一の側面の製造方法では、式(1)で表される化合物は、2価の金属塩、炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体である第一配位子、ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジル類縁体である第二配位子を使用する場合は、これらを溶媒に溶かして溶液状態で混合することで製造できる。
本発明の第二の側面の製造方法では、式(2)で表される化合物は、2価の金属塩、スルホ基を5位に有するイソフタル酸誘導体である第一配位子、ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジル類縁体である第二配位子を溶媒に溶かして溶液状態で混合することで製造できる。
本発明の新規な多孔性高分子金属錯体を形成するのに必要な金属イオンとしては、2価の金属イオンが挙げられる。2価の金属イオンは、上記の配位構造を安定的に形成し、さらにピリジル型の第二配位子と安定的な架橋構造を形成する。2価の金属イオンの具体例としてはマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛イオン、銅イオンなどの遷移金属が挙げられる。得られた多孔性高分子金属錯体の化学的安定性の観点から、マグネシウムイオン、亜鉛イオンが特に好ましい。
本発明の方法で使用する亜鉛塩としては、2価の亜鉛イオンを含有している塩類であればよく、溶媒への溶解性が高いという点で、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、ぎ酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛が好ましく、反応性が高いという点で、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛が特に好ましい。
本発明の方法で使用する亜鉛塩以外の金属塩としては、2価の金属イオンを含有している塩類であればよく、溶媒への溶解性が高いという点で、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、ぎ酸塩、塩化物塩、臭化物塩が好ましく、反応性が高いという点で、硝酸塩、硫酸塩が特に好ましい。
本発明の第一の側面で使用する第一配位子である炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体に関して説明する。5位のパーフルオロアルキル基としては直鎖状または枝分かれのある炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基が挙げられ、特にガス分離特性が優れる点で、CF3,C25,n−C37,n−C49,n−C511,n−C817,n−C1021基が好ましい。ベンゼン環へのパーフルオロアルキル基の導入方法としては、たとえば、柴崎ら、Chem. Asian J. 2006, 1, 314 - 321を参照することができる。
また、本発明の第二の側面で使用する第一配位子は、スルホ基を5位に有するイソフタル酸誘導体である。
以下、第二配位子に関して説明する。この第二配位子は、線状の分子であって、その両端に、配位点となる窒素原子を有している2座配位子である。
本発明で使用する第二配位子は、ピラジン、ビピリジン、または4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジン類縁体である。ビピリジンは、4,4’−ビピリジン、3,4’−ビピリジン、3,3’−ビピリジンなどのビピリジン異性体が好ましい。
上記の4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジン類縁体には、下記一般式で表される化合物を挙げることができる。
(式中、RはC1〜C4アルキレン基、C2〜C4アルケニレン基、C2〜C4アルキニレン基、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、ジアゾ結合、
を示し、Xは−S−、−O−または−NH−であり、Yはアリーレン基である。)
第二配位子は、好ましくは、化合物の安定性から、ピラジン、4,4’−ビピリジン、又は、上記化学式でRが、ジアゼン−1,2−ジイル基、エチレン基、ビニレン基、エチニレン基、チオフェン−2,5−ジイル基、9H−フルオレン−2,7−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ビフェニル−1,4−ジイル基、フェニレン基(さらに好ましくはp−フェニレン基)、1,2,4,5−テトラジン−1,4-ジイル基若しくは4,4’-ビフェニレン基であるビピリジン類縁の化合物である。
第二配位子は、具体的には、ピラジン、4,4’−ビピリジン、(E)−4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビピリジン、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(チオフェン−2,5−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(ビフェニル−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジンがより好ましい。耐熱性が高いという点で、特にピラジン、4,4’−ビピリジンが好ましい。
溶媒としては、アルコール類などのプロトン系溶媒とジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒が好ましい。アルコール類などのプロトン系溶媒及びジメチルアミドなどのホルムアミド系溶媒は金属塩をよく溶解し、さらに金属イオンや対イオンに配位結合や水素結合することで金属塩を安定化し、配位子との急速な反応を抑制することで、副反応を抑制する。アルコール類の例としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどの脂肪族系1価アルコール及びエチレングリコールなどの脂肪族系2価アルコール類を例示できる。安価でかつ金属塩の溶解性が高いという点でメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコールが好ましい。アミド系溶媒の例としては、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジブチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが例示出来る。金属塩の溶解性が高いという点で、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミドが好ましい。
ただし、本発明の第一の側面の多孔性高分子金属錯体の製造方法では、溶媒として前記のアルコール類やホルムアミド系溶媒を3種類以上混合して使用する事が重要である。このとき、アルコール類の内の3種類を混合して混合溶媒として使用しても、アルコール類の内の2種類とホルムアミド系溶媒の1種類を混合して混合溶媒として使用しても、又はアミド系溶媒の3種類を混合して混合溶媒として使用してもよい。たとえば、アルコール類3種類の混合溶媒の場合は、メタノール、エタノール及びプロパノールの混合溶媒が挙げられる。アルコール類の2種類とホルムアミド系溶媒1種類混合溶媒の場合は、メタノール、エタノール及びジメチルホルムアミドの混合溶媒が挙げられる。これら溶媒の混合比は、どの溶媒も少なくとも10vol%含有、好ましくは少なくとも20vol%含有していることが好ましい。たとえば、三種類の溶媒の混合比(容量比)は好ましくは、20:20:60である。
本発明の多孔性高分子金属錯体を製造する方法では、反応促進剤として塩基を添加することも可能である。塩基は、配位子のカルボキシル基を陰イオンに変換する事で、反応を加速すると推定される。塩基としてはたとえば無機塩基として水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが例示できる。有機塩基としては、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ピリジン、2,6−ルチジンなどが例示出来る。反応加速性が高いという点で、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、およびピリジンが好ましい。添加量としては、使用するイソフタル酸の1モルに対し、反応の加速効果が顕著であるという点で好ましくは0.1〜6.0モル、副反応少ないという点でさらに好ましくは0.5〜4.0モルである。
本発明の多孔性高分子金属錯体を製造する方法では、反応制御剤として有機酸を添加することも可能である。有機酸は、配位子のカルボキシル基の酸としての解離を制御することで、反応が適切に進む事を制御していると考えられる。脂肪族の有機酸としては、酢酸、プロピオン酸などの1価の酸、シュウ酸、マロン酸などの2価の酸、ビシクロ[2,2,2」-オクタン-1,4-ジカルボン酸などの環状カルボン酸が挙げられる。芳香族の有機酸としては、安息香酸、4−メチル安息香酸などの1価の酸が挙げられる。これらの内、溶解性が高く、金属イオンに配位が強すぎない酢酸、安息香酸、ビシクロ[2,2,2」-オクタン-1,4-ジカルボン酸が好ましい。添加量としては、使用する配位子の1モルに対し、反応の効果が顕著であるという点で好ましくは0.1〜12.0モル、副反応が少ないという点でさらに好ましくは0.5〜8.0モルである。
金属塩の溶液および配位子を反応させるに当たり、金属塩および配位子を容器に装填した後、溶媒を添加する方法以外に、金属塩、配位子をそれぞれ別個に溶液として調製した後、これらの溶液を混合してもよい。溶液の混合方法は、金属塩溶液に配位子溶液を添加しても、その逆でもよい。また、金属塩溶液と配位子溶液を、積層した後に自然拡散による方法で混合してもよい。混合法としては、必ずしも溶液で行う必要はなく、例えば、金属塩溶液に固体の配位子を投入し、同時に溶媒を入れる方法や、反応容器に金属塩を装填した後に、配位子の固体または溶液を注入し、さらに金属塩を溶かすための溶液を注入するなど、最終的に反応が実質的に溶媒中で起こる方法であれば、種々の方法が可能である。ただし、金属塩の溶液と配位子の溶液を滴下混合する方法が、工業的には最も操作が簡便であり、好ましい。
溶液の濃度は、金属塩溶液は10μmol/L〜4mol/Lが好ましく、100μmol/L〜2mol/Lであることがより好ましい。配位子の有機溶液は10μmol/L〜3mol/Lが好ましく、100μmol/L〜2mol/Lであることがより好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的物は得られるが、製造効率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では、吸着能が低下する恐れがある。
反応温度は、0℃から180℃であることが好ましく、PCPの収率が高いという点から25℃から150℃であることがより好ましい。
本発明の反応で用いられる金属塩と第一配位子の混合比率は、金属:配位子の比が1:5〜5:1のモル比が好ましく、1:3〜3:3のモル比の範囲内であることがより好ましい。これ以外の範囲では、目的物の収率が低下し、また、未反応の原料が残留して、目的物の取り出しが困難となるおそれがある。
本発明の反応で用いられる金属塩と第一配位子と第二配位子の混合比率は、金属:2種配位子の合計の比が1:5〜5:1のモル比が好ましく、1:3〜3:1のモル比の範囲内であることがより好ましい。さらに、第一配位子と第二配位子の比が1:3〜3:1のモル比が好ましく、1:2〜2:1のモル比の範囲内であることがより好ましい。これ以外の範囲では、目的物の収率が低下し、また、未反応の原料が残留して、目的物の取り出しが困難となるおそれがある。
反応は通常のガラスライニングのSUS製の反応容器および機械式攪拌機を使用して行うことができる。反応終了後は濾過、乾燥を行うことで目的物質と原料の分離を行い、純度の高い目的物質を製造することが可能である。
上記の反応により得られた多孔性高分子金属錯体が目的とするネットワーク構造を有しているかどうかは、単結晶X線結晶解析により得られた反射を解析することで確認することが出来る。上記の反応により得られた多孔性高分子金属錯体のガス吸着能は、市販のガス吸着装置を用いて測定が可能である。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、原料として複数種のふっ素原子を含有する側鎖を有する二座配位子を混合使用して、使用した複数種の配位子を含有する多孔性高分子金属錯体を合成する、いわゆる固溶体型の多孔性高分子金属錯体を形成する事が可能であることが確認された。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、複雑な錯体構造部を有し、これにより複雑なネットワーク構造があり、さらにふっ素原子の凝集部が存在している。3種以上の溶媒を用いることで、複雑な溶媒構造が生じ、この結果複雑な錯体構造部が形成されると推定される。また複雑構造およびふっ素原子の凝集部の存在により、独特のガス吸着特性が発現しうると考えられる。しかし、本発明は理論に拘束されるものではなく、本発明の多孔性高分子金属錯体の特性もこの理論によって制限されるものではない。
多孔性高分子金属錯体の調製方法は種々の条件があり、一義的に決定できるものではないが、ここでは実施例に基づき説明する。
粉末X線回折測定には、ブルカーAX(株)社製粉末X線装置DISCOVER D8 with GADDSを用いた。
実施例1
硝酸マグネシウム0.01ミリモル、ヘプタデカフルオロ-n-オクチルイソフタル酸(5位にnC8F17基を有するイソフタル酸)0.01ミリモル、メタノール1mL、エタノール1mL、ジエチルホルムアミド1mLを直径5ミリのガラス試験管に入れ、蓋をして、オイルバスにて80℃で3日間加熱した。得られた単結晶を大気に暴露させないようにパラトンにてコーティングした後、(株)リガク社製単結晶測定装置(極微小結晶用単結晶構造解析装置VariMax、MoK・線(λ=0.71069Å))にて測定し(照射時間8秒、d=45ミリ、2θ=−20,温度=−180℃)、得られた回折像を解析ソフトウエア、リガク(株)製解析ソフトウエア「CrystalStructure」を使用して解析し、図1〜6に示すように、複雑な錯体構造部を有した複雑ネットワーク構造で、ふっ素の凝集部がある事を確認した。(a=19.758(7), b=15.653(5), c=19.868(7); α=90, β=107.158(6), γ=90; 空間群)
実施例2
硝酸亜鉛0.01ミリモル、5−ヘプタフルオロ-n-プロピルイソフタル酸(5位にnC3F7基を有するイソフタル酸)0.01ミリモル、4,4’−ビピリジン0.01モル、メタノール1mL、2−プロパノール1mL、ジエチルホルムアミド1mLを直径5ミリのガラス試験管に入れ、蓋をして、オイルバスにて100℃で3日間加熱した。得られた単結晶を大気に暴露させないようにパラトンにてコーティングした後、(株)リガク社製単結晶測定装置(極微小結晶用単結晶構造解析装置VariMax、MoK・線(λ=0.71069Å))にて測定し(照射時間8秒、d=45ミリ、2θ=−20,温度=−180℃)、得られた回折像を解析ソフトウエア、リガク(株)製解析ソフトウエア「CrystalStructure」を使用して解析し、図7〜11に示すように、複雑な錯体構造部を有した複雑ネットワーク構造で、ふっ素の凝集部がある事を確認した。(a=14.585(18), b=16.50(2), c=17.45(2); α=98.673(10), β=100.724(19), γ=110.945(17); 空間群=P-1)
実施例3
硝酸亜鉛0.01ミリモル、5−ヘプタデカフルオロ-n-オクチルイソフタル酸(5位にnC8F17基を有するイソフタル酸)0.01ミリモル、4,4’−ビピリジン0.01モル、メタノール1mL、エタノール1mL、ジメチルホルムアミド1mLを直径5ミリのガラス試験管に入れ、蓋をして、オイルバスにて80℃で3日間加熱した。得られた単結晶を大気に暴露させないようにパラトンにてコーティングした後、(株)リガク社製単結晶測定装置(極微小結晶用単結晶構造解析装置VariMax、MoK・線(λ=0.71069Å))にて測定し(照射時間8秒、d=45ミリ、2θ=−20,温度=−180℃)、得られた回折像を解析ソフトウエア、リガク(株)製解析ソフトウエア「CrystalStructure」を使用して解析し、図12〜17に示すように、複雑な錯体構造部を有した複雑ネットワーク構造で、ふっ素の凝集部がある事を確認した。(a=22.218(8), b=35.345(12), c=22.9976(9); α=90, β=117.430(6), γ=90; 空間群=P21/a)
実施例4
硝酸亜鉛0.01ミリモル、5−スルホイソフタル酸(5位に-SO3H基を有するイソフタル酸)0.01ミリモル、4,4’−ビピリジン0.01モル、メタノール1mL、エタノール1mL、ジメチルホルムアミド1mLを直径5ミリのガラス試験管に入れ、蓋をして、オイルバスにて80℃で10日間加熱した。得られた単結晶を大気に暴露させないようにパラトンにてコーティングした後、(株)リガク社製単結晶測定装置(極微小結晶用単結晶構造解析装置VariMax、MoK・線(λ=0.71069Å))にて測定し(照射時間8秒、d=45ミリ、2θ=−20,温度=−180℃)、得られた回折像を解析ソフトウエア、リガク(株)製解析ソフトウエア「CrystalStructure」を使用して解析し、図18〜24に示すように、複雑な錯体構造部を有した複雑ネットワーク構造で、ふっ素の凝集部がある事を確認した。(a=9.659 (3), b=16.377(3), c=20.165(4); α=90, β=92.505(3), γ=90; 空間群=P21/c)
比較例1
実施例1と同様の方法で、ただし溶媒としてジエチルホルムアミドなしの、2−プロパノールとメタノールの混合溶媒を使用して合成した。得られた粉末を粉末X線装置により測定したところ、実施例1で得られた単結晶X線データからの粉末パターンシミュレーション結果とは異なっていた。
<ガス吸着の結果>
得られたガス吸着材の二酸化炭素吸着性および窒素の吸着性をBET自動吸着装置(日本ベル株式会社製ベルミニII)をもちいて評価した(測定温度:二酸化炭素は195K、および273K、酸素及び窒素は77K)。測定に先立って試料を423Kで6時間真空乾燥して、微量残存している可能性がある溶媒分子などを除去した。
表1に、実施例1〜4で得られた多孔性高分子金属錯体のガス吸着特性吸を示す。
いずれも二酸化炭素を良く吸蔵し、ガス貯蔵材として利用可能であることが判った。ふっ素原子を含んでいる物は、273Kでの二酸化炭素の吸着量及び酸素ガス吸着量が特に多いという優れた特性を有しており、これらはふっ素原子の特性および、スルホ基の特性が反映されたものと考えられる。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、配位子の整列によって形成される多数の微細孔が物質内部に存在する。この多孔性を生かして二酸化炭素や特に酸素などのふっ素原子と親和性を有するガスの特異的な吸着が可能であり、これらのガスの分離、貯蔵に好適に使用出来る。

Claims (11)

  1. 下記式(1−1)
    [MX]n (1−1)
    (式中、MはMg又はZnの2価の金属イオンであり、Xは炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。nは、[MX]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
    で表され、前記2価の金属イオン2個に前記イソフタル酸4個が配位した配位結合金属複核を有し、前記配位結合金属複核の1個に対して3個の別の配位結合金属複核が前記4個のイソフタル酸の別の配位原子を介して架橋されており、前記1個の配位結合金属複核と前記3個の配位結合金属複核との間の架橋のうち1つは、前記4個のイソフタル酸の2個を介して2重に架橋されており、前記2重に架橋された1組の配位結合金属複核2個と、前記2重に架橋されていない配位結合金属複核イソフタル酸8個から、前記配位結合金属複核を1つの員とする二次元の六員環からなるネットワーク構造が形成されており前記六員環の各々の対向する二辺から成る3組の辺の1組には、前記2重に架橋された1組の配位結合金属複核間に存在する前記2個のイソフタル酸から形成された2重の架橋が存在し、その対向する二辺を結ぶ平面方向に同じ六員環構造が繰り返して平面状ネットワーク構造を形成し、また上下方向に同じ六員環構造が繰り返して、三次元ネットワーク構造を形成しており、前記平面状ネットワーク構造の間にふっ素原子が凝集した構造を有する多孔性高分子金属錯体。
  2. 下記式(1−2)
    [MXY]n (1−2)
    (式中、MはMg又はZnの2価の金属イオンであり、Xは第一配位子を示し、素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、(E)−4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビピリジン、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(チオフェン−2,5−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(ビフェニル−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。nは、[XY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
    で表され、前記2価の金属イオン3個に前記第一配位子のイソフタル酸6個と前記第二配位子2個が配位した配位結合金属複核を有し、6個の前記配位結合金属複核の間をそれぞれ前記第一配位子2個によって2重に架橋した、前記配位結合金属複核を1つの員とする二次元の六員環ネットワーク構造が形成されており前記二次元六員環ネットワーク構造がさらに二次元方向に延びて層を形成し、前記複数の層は積層されており、積層された上下のにある配位結合金属複核同士さらに前記第二配位子が架橋し三次元ネットワーク構造が形成されており前記層間及び前記六員環内にふっ素原子が凝集した構造を有する多孔性高分子金属錯体。
  3. 下記式(1−3)
    [MXY]n (1−3)
    (式中、MはMg又はZnの2価の金属イオンであり、Xは第一配位子を示し、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、(E)−4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビピリジン、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(チオフェン−2,5−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(ビフェニル−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
    で表され、前記2価の金属イオン3個に前記第一配位子のイソフタル酸6個と前記第二配位子2個が配位した配位結合金属複核を有し、6個の前記配位結合金属複核の間を記第1及び第二配位子が架橋して、前記配位結合金属複核を1つの員とする二次元の六員環ネットワーク構造が形成されており、各六員環の対向する二辺から成る組の辺のそれぞれは、第一配位子と第二配位子によって2重に架橋される二辺の組と、第二配位子で架橋される二辺の組と、第一配位子2個によって2重に架橋される二辺の組からなり、且つ、前記二次元六員環ネットワーク構造がさらに二次元方向に延びて層を形成し、前記複数の層は積層されており、積層された上下の層にある対応する配位結合金属複核同士の間が、前記第一配位子によって架橋されている三次元ネットワーク構造が形成されており前記六員環内にふっ素原子が凝集した構造を有する多孔性高分子金属錯体。
  4. 下記式(2)
    [MXY]n (2)
    (式中、MはMg又はZnの2価の金属イオンであり、Xは第一配位子であり、スルホ基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、(E)−4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビピリジン、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(チオフェン−2,5−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(ビフェニル−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
    で表され、金属イオンに第1及び第2の配位子が配位して形成される二次元の格子状ネットワーク構造が積層された三次元ネットワーク構造を有する、多孔性高分子金属錯体。
  5. 前記二次元の格子状ネットワーク構造が、2価の金属イオン1個に第一配位子2個と第二配位子2個が配位した配位結合金属核4個から成る四員環ネットワーク構造であり各四員環の対向する二辺から成る2組の辺がそれぞれ、第一配位子、第二配位子から成る、二次元の四員環ネットワーク構造を形成し、前記二次元四員環ネットワーク構造が積層された、請求項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  6. 第一配位子の炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基がCF3,C25,n−C37,n−C49,n−C511,n−C817,n−C1021から選ばれる、請求項1〜のいずれか1項に記載のふっ素原子が凝集した構造を有する多孔性高分子金属錯体。
  7. 下記式(1’)
    [MXY]n(G)m (1’)
    (式中、MはMg又はZnの2価の金属イオンであり、Xは第一配位子を示し、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、(E)−4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビピリジン、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(チオフェン−2,5−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(ビフェニル−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。qは0または1である。Gはゲスト分子を示し、プロトン系溶媒、アミド系溶媒の少なくとも1種から成る溶媒分子または水分子であり。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。mは金属イオン1に対して0.2〜6.0である。)で表される、請求項1〜のいずれか1項に記載のふっ素原子が凝集した構造を有する多孔性高分子金属錯体。
  8. 下記式(2’)
    [MXY]n(G)m (2’)
    (式中、MはMg又はZnの2価の金属イオンであり、Xは第一配位子であり、スルホ基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、(E)−4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビピリジン、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(チオフェン−2,5−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、4,4’−(ビフェニル−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル))ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。Gはゲスト分子を示し、プロトン系溶媒、アミド系溶媒の少なくとも1種から成る溶媒分子または水分子である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。mは金属イオン1に対して0.2〜6.0である。)
    で表される、請求項4又は5に記載のスルホ基を有する多孔性高分子金属錯体。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体を含むガス吸着材。
  10. 請求項に記載のガス吸着材を用いるガス分離装置。
  11. 請求項に記載のガス吸着材を用いるガス貯蔵装置。
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